【解決手段】アジャスタ114は、軸中心に回転可能な回転部114aと、付勢部材113の第2の接触部113bと接触し、回転部の回転に連動して軸方向に移動可能なストッパ部114bと、を有し、アジャスタは、回転部の回転位置に応じて第2の接触部の軸方向位置が移動することで前記付勢部材のセット荷重を調整し、記回転部の回転を阻止する第1の形状と、回転部の回転を阻止しない第2の形状と、に可逆的に変形可能な回転阻止部130を有する。
前記第1の形状は、周方向の第1の周方向位置で前記回転部を径方向内側へ押すとともに、前記回転部の回転軸を挟んで前記第1の周方向位置と対向する周方向の第2の周方向位置で前記回転部を径方向内側へ押して前記回転部の周方向の回転を阻止する形状である、
請求項6に記載のコントロールバルブ装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るコントロールバルブ装置について説明する。また、以下の図面においては、各構成をわかり易くするために、実際の構造と各構造における縮尺及び数等を異ならせる場合がある。
【0011】
また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Y軸方向は、
図3に示す中心軸Jと平行な方向とする。Z軸方向は、
図2に示すアッパボディ2の境界面1aと直交する方向とする。X軸方向は、Y軸方向及びZ軸方向と直交する方向とする。
【0012】
また、以下の説明においては、Y軸方向の正の側(+Y側)を「フロント側」と記し、Y軸方向の負の側(−Y側)を「リア側」と記す。なお、リア側及びフロント側とは、単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係や方向を限定しない。また、特に断りのない限り、中心軸Jに平行な方向(Y軸方向)を単に「軸方向」と記し、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と記し、中心軸Jを中心とする周方向、すなわち、中心軸Jの軸周り(θ方向)を単に「周方向」と記す。
【0013】
なお、本明細書において、軸方向に延びる、とは、厳密に軸方向(Y軸方向)に延びる場合に加えて、軸方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。また、本明細書において、径方向に延びる、とは、厳密に径方向、すなわち、軸方向(Y軸方向)に対して垂直な方向に延びる場合に加えて、径方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。
【0014】
[第1実施形態]
<全体構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係るコントロールバルブ装置のアッパボディの斜視図である。
図2は、本発明の第1実施形態に係るコントロールバルブ装置の正面図である。本実施形態のコントロールバルブ装置1は、電磁弁100、電磁弁200、電磁弁300、電磁弁400、電磁弁500、電磁弁600、電磁弁700及び電磁弁800が装着されたアッパボディ2と、アッパボディ2の境界面1aに対して層状に重ねられたロアボディ3と、を有する。コントロールバルブ装置1は、アッパボディ2とロアボディ3との間に配置されるセパレートプレート(不図示)を有する。電磁弁200、電磁弁300、電磁弁400、電磁弁500、電磁弁600、電磁弁700及び電磁弁800の構造は、電磁弁100と同じであるので、以下では、電磁弁100の構造を説明し、他の電磁弁の構造の説明は省略する。
【0015】
<電磁弁100>
図3は、
図1に示した電磁弁100を、中心軸Jの位置においてX軸方向と直交する面で切断して示す側断面図である。
図3では、
図4に示す固定部材118の図示を省略している。電磁弁100は、ソレノイド105とバルブボディ110とを有する。ソレノイド105とバルブボディ110とは、軸方向に沿って配置される。ソレノイド105は、コイル(不図示)の励磁によりピン102を軸方向一方側(フロント側)に移動させる。バルブボディ110は、ソレノイド105の軸方向一方側に位置し、ピン102の移動とともに軸方向に移動可能なスプールバルブ111を有する。アッパボディ2は例えばダイキャストである。アッパボディ2と、バルブボディ110とは、単一の部材である。
【0016】
<バルブボディ110>
バルブボディ110は、オイルの流路となる複数の油路115を有する。また、バルブボディ110は、油路115に配置され、スプールバルブ111を収容し、軸方向一方側に開口する開口部112aを有するスプール孔112と、スプールバルブ111の軸方向一方側に位置し、スプールバルブ111を軸方向他方側に付勢する付勢部材113と、スプール孔112の開口部112a側に位置し、付勢部材113のセット荷重を調整するアジャスタ114と、を有する。スプール孔112は、軸方向でバルブボディ110を貫通する。スプールバルブ111は、円柱状である。スプールバルブ111の材料には、例えば、オイルと透磁率の異なるアルミニウム等の金属が用いられる。
【0017】
<付勢部材113>
付勢部材113は、コイルスプリングである。付勢部材113は、スプールバルブ111に接触する第1の接触部113aと、第1の接触部113aよりも軸方向一方側に位置し、アジャスタ114に接触する第2の接触部113bと、を有する。
【0018】
<アジャスタ114>
アジャスタ114は、回転部114aと、ストッパ部114bと、を有する。回転部114aは、中心軸Jを軸として軸中心に回転可能である。ストッパ部114bは、第2の接触部113bと接触し、回転部114aの回転に連動して軸方向に移動可能である。なお、単に、回転部114aの回転というときは、中心軸Jを軸とした軸中心の回転部114aの回転を指す。回転部114aは、円柱状である。回転部114aの円柱の軸は、中心軸Jと一致している。ストッパ部114bは、円柱状であり、外周面に雄ねじが形成されている。回転部114aとストッパ部114bとは単一の部材である。回転部114aの円柱の軸は、ストッパ部114bの円柱の軸と一致している。スプール孔112の開口部112aの内周面には雌ねじが形成されている。ストッパ部114bの外周面の雄ねじは、開口部112aの内周面の雌ねじに嵌る。
【0019】
回転部114aが回転すると、ストッパ部114bは、開口部112aの内周面の雌ねじに沿って、軸方向に移動する。したがって、アジャスタ114は、回転部114aの回転位置に応じてストッパ部114bの軸方向位置が移動する。ストッパ部114bに接触する第2の接触部113bの軸方向位置は、ストッパ部114bの軸方向位置とともに移動する。付勢部材113のセット荷重は、第2の接触部113bの軸方向位置に基づいて変化する。すなわち、第2の接触部113bの軸方向位置を移動することで、付勢部材113のセット荷重が調整される。
【0020】
<回転阻止部130>
コントロールバルブ装置1は、回転部114aの径方向外側に、回転阻止部130を有する。
図4は、
図3のIV−IV矢視に相当する断面図である。回転阻止部130は、回転部114aの固定を行う固定部材118と、内面円筒部116と、スリット部120と、対向面距離変化部117と、を有する。固定部材118は、回転部114aの回転を阻止する形状を維持し、回転部114aを固定する。内面円筒部116は、回転部114aの外周面114cと対向する内周面116aが円筒形状である。スリット部120は、内面円筒部116の内周面116a及び回転部114aの回転軸と平行な面でスリット形状を有し、回転部114aの外周面114cの一部を露出させる。対向面距離変化部117は、スリット部120のスリット対向面120bの距離を変化可能である。なお、ここで、スリット対向面120bの距離とは、スリット対向面120bと、スリット対向面120bがスリット部120を挟んで対向する面である可動面120aと、の間の距離をいう。
【0021】
回転阻止部130は、回転部114aの回転を阻止する第1の形状と、回転部114aの回転を阻止しない第2の形状と、に可逆的に変形可能である。
図4は、回転阻止部130が、回転部114aの回転を阻止しない第2の形状である状態を示す図である。
図5は、
図3のIV−IV矢視に相当する断面図であって、回転阻止部130が、回転部114aの回転を阻止する第1の形状である状態を示す図である。
図4に示す第2の形状では、回転部114aの外周面114cと内面円筒部116の内周面116aとの間に隙間があり、回転部114aは回転可能である。一方、
図5に示す第1の形状では、回転部114aの外周面114cは、内面円筒部116の内周面116aに挟み込まれ、回転部114aの回転は阻止される。
【0022】
内面円筒部116は、弾性を有する。内面円筒部116に外力がかからない場合には、内面円筒部116は、弾性により、
図4の第2の形状を維持する。対向面距離変化部117が外力により−Z方向に押されると、内面円筒部116の内周面116aは、回転部114aの外周面114cを挟み込み、内面円筒部116は第1の形状になる。
【0023】
対向面距離変化部117は、固定部材118が挿入される貫通孔117bを有する。貫通孔117bは、スリット対向面120bと直交する方向に延びる孔である。固定部材118は、ボルトである。固定部材118は、対向面距離変化部117に、スリット対向面120bと直交する方向に挿入される。固定部材118は、対向面距離変化部117の貫通孔117bに挿入され、ワッシャ118bを介して対向面距離変化部117の肩部117aに接する。対向面距離変化部117は、+Z方向端部に肩部117aを有する。固定部材118は、外周面118aに雄ねじを有する。基部119は、固定部材118が挿入されるねじ穴119aを有する。ねじ穴119aは、スリット対向面120bと直交する方向に延びる穴である。ねじ穴119aは、内周面に雌ねじを有する。固定部材118は、対向面距離変化部117の貫通孔117bを貫通し、基部119のねじ穴119aにねじ止めされる。このとき、固定部材118は、ワッシャ118bを介して対向面距離変化部117を−Z方向に押す。固定部材118が基部119にねじ止めされることによって、回転阻止部130は、第1の形状を維持する。
【0024】
基部119は、+Z方向端部にスリット対向面120bを有する。スリット対向面120bは、境界面1aと平行な方向に拡がる面である。スリット対向面120bは、境界面1aに対して移動しない。対向面距離変化部117は、−Z方向端部に可動面120aを有する。可動面120aは、境界面1aと平行な方向に拡がる面である。可動面120aは、境界面1aに対して、Z軸方向に移動可能である。スリット部120は、スリット対向面120bと可動面120aとの間に形成される。
図4に示すように、第2の形状の場合には、スリット対向面120bの距離は、距離d1である。
図5に示すように、第1の形状の場合には、スリット対向面120bの距離は、距離d2である。距離d2は、距離d1よりも近い距離である。このように、回転阻止部130は、対向面距離変化部117によって、スリット対向面120bの距離を変化させることにより前記第2の形状と、前記第1の形状とが変化する。
【0025】
<回転阻止部830>
図6は、電磁弁800の断面図である。電磁弁800は、アジャスタ814と、回転部814aと、回転阻止部830と、内面円筒部816と、対向面距離変化部817と、スリット対向面820bと、可動面820aと、固定部材818と、を有する。アジャスタ814と、回転部814aと、回転阻止部830と、内面円筒部816と、対向面距離変化部817と、スリット対向面820bと、可動面820aと、固定部材818とは、それぞれ、
図4及び
図5の、アジャスタ114と、回転部114aと、回転阻止部130と、内面円筒部116と、対向面距離変化部117と、スリット対向面120bと、可動面120aと、固定部材118と、に相当する。電磁弁800の他の構造は、電磁弁100と同じであるので、詳しい説明は省略する。
【0026】
スリット対向面820bは、境界面1aと直交する方向に拡がる面である。スリット対向面820bは、境界面1aに対して移動しない。可動面820aは、境界面1aと直交する方向に拡がる面である。可動面820aは、境界面1aに対して、X軸方向に移動可能である。固定部材818は、対向面距離変化部817に、スリット対向面820bと直交する方向に挿入される。電磁弁100の回転阻止部130のスリット対向面120bと、境界面1aとが成す角度は、第1の角度であり、0°である。電磁弁800の回転阻止部830のスリット対向面820bと、境界面1aとが成す角度は、第2の角度であり、90°である。第1の角度は、第2の角度と異なる。
【0027】
電磁弁100の固定部材118の、境界面1aに対する垂直方向における位置は、第1の位置である。電磁弁800の固定部材818の、境界面1aに対する垂直方向における位置は、第2の位置である。第1の位置は、第2の位置と異なる。
【0028】
<回転阻止部730>
図7は、電磁弁700の断面図である。電磁弁700は、アジャスタ714と、回転部714aと、回転阻止部730と、内面円筒部716と、対向面距離変化部717と、スリット対向面720bと、可動面720aと、固定部材718と、を有する。アジャスタ714と、回転部714aと、回転阻止部730と、内面円筒部716と、対向面距離変化部717と、スリット対向面720bと、可動面720aと、固定部材718とは、それぞれ、
図4及び
図5の、アジャスタ114と、回転部114aと、回転阻止部130と、内面円筒部116と、対向面距離変化部117と、スリット対向面120bと、可動面120aと、固定部材118と、に相当する。電磁弁700の他の構造は、電磁弁100と同じであるので、詳しい説明は省略する。
【0029】
スリット対向面720bは、境界面1aと直交しない且つ境界面1aと平行ではない方向に拡がる面である。スリット対向面720bは、境界面1aに対して移動しない。可動面720aは、境界面1aと直交しない且つ境界面1aと平行ではない方向に拡がる面である。可動面720aは、スリット対向面720bと平行な方向に拡がる面である。可動面720aは、スリット対向面720bに対して、直交する方向に移動可能である。固定部材718は、対向面距離変化部717に、スリット対向面720bと直交する方向に挿入される。
【0030】
[変形例1]
第1の形状は、回転部114aの少なくとも1か所を、径方向内側へ押して回転部114aの回転を阻止する形状であってもよい。第1の形状は、回転部114aの外周面114cの周方向の複数の位置で回転部114aを径方向内側へ押して回転部114aの回転を阻止する形状であってもよい。第1の形状は、周方向の第1の周方向位置で回転部114aを径方向内側へ押すとともに、回転部114aの回転軸を挟んで第1の周方向位置と対向する周方向の第2の周方向位置で回転部11aを径方向内側へ押して回転部114aの周方向の回転を阻止する形状であってもよい。
【0031】
[第2実施形態]
<回転阻止部930>
図8は、本発明の第2実施形態に係る回転阻止部の構成を示す斜視図である。第2実施形態において、
図8に示さない構成は、第1実施形態における構成と同じである。第2実施形態では、コントロールバルブ装置1は、第1実施形態のアジャスタ114に代えてアジャスタ914を有し、第1実施形態の回転阻止部130に代えて回転阻止部930を有する。第2実施形態において、第1実施形態における構成の代わりの構成は、特に断らない限り、第1実施形態における構成と同じである。
【0032】
アジャスタ914は、回転部914aを有する。回転部914aは、外周面914cにおいて径方向外側に突出する凸部914dを有する。
図8では、凸部914dは複数であるが、単数であってもよい。回転阻止部930は、回転部914aの回転を阻止する第1の形状と、回転部914aの回転を阻止しない第2の形状と、に可逆的に変形可能である。回転阻止部930は、板状部材918と、板状部材918を本体4に固定する固定部材919と、を有する。板状部材918は、例えば金属の平板状の部材である。板状部材918の一端側(+X方向側)は、屈曲点920aで+Z方向に屈曲されるとともに屈曲点920dで−X方向に屈曲される。板状部材918の他端側(−X方向側)は、屈曲点920bで+Z方向に屈曲されとともに屈曲点920dで+X方向に屈曲される。板状部材918は、屈曲点920aと屈曲点920bとの間で固定部材919により本体4に固定される。固定部材919は、ボルトである。
【0033】
板状部材918の他端側(−X方向側)の端部は、爪部918aである。板状部材918の一端側(+X方向側)の端部は、爪部918bである。
図8では、爪部は複数であるが、単数であってもよい。爪部918a及び爪部918bは、外周面914cに接する。爪部918a及び爪部918bは、回転部914aの回転に伴う凸部914dの移動軌跡上に位置する。このため、凸部914dの移動が爪部918a及び爪部918bに阻止され、
図8に示す状態で、回転部914aは、回転阻止部930により回転が阻止される。爪部918a及び爪部918bが凸部914dの移動軌跡上に位置する形状が、第1の形状である。
【0034】
外力により回転部914aを回転させる力が働くと、板状部材918が撓んで、爪部918a及び爪部918bは、回転部914aの回転に伴う凸部914dの移動軌跡上から外れる。このため、回転部914aは回転可能になる。爪部918a及び爪部918bが凸部914dの移動軌跡上から外れた形状が、第2の形状である。板状部材918は、弾性を有する部材である。外力がなくなると、板状部材918は、弾性により第1の形状に戻る。
【0035】
<コントロールバルブ装置1の作用・効果>
次に、コントロールバルブ装置1の作用・効果について説明する。
【0036】
(1)上述の実施形態に係る発明は、回転阻止部130は、回転部114aの回転を阻止する第1の形状(
図5に示す形状)と、回転部114aの回転を阻止しない第2の形状(
図5に示す形状)と、に可逆的に変形可能である。このため、付勢部材113のセット荷重の調整が済んで一旦第1の形状にした後も、第2の形状にすることで、付勢部材113のセット荷重を再調整することができるし、補修のための部品組み替えや廃棄時の分別などを行うこともできる。
【0037】
(2)また、バルブボディ110にはコイルの励磁によりピン102を軸方向に移動させるソレノイド105を備え、スプールバルブ111は、ソレノイド105の軸方向一方側に位置し、ピン102の移動とともに軸方向に移動可能である。このため、ソレノイド105を有する構成においても、付勢部材113のセット荷重の調整が済んで一旦第1の形状にした後も、第2の形状にすることで、付勢部材113のセット荷重を再調整することができるし、補修のための部品組み替えや廃棄時の分別などを行うこともできる。
【0038】
(3)また、付勢部材113はコイルスプリングである。このため、簡易な構成でスプールバルブ111の付勢を行うことができる。
【0039】
(4)また、回転阻止部130は、弾性により第1の形状から第2の形状に変形する。このため、付勢部材113のセット荷重の再調整を容易に行うことができ、また、補修のための部品組み替えや廃棄時の分別なども容易に行うことができる。
【0040】
(5)また、第1の形状は、回転部114aを径方向内側へ押して回転部114aの周方向の回転を阻止する形状である。このため、付勢部材113のセット荷重の調整が済んだ後の固定を簡単な構成で行うことができる。
【0041】
(6)また、第1の形状は、周方向の複数の位置で回転部114aを径方向内側へ押して回転部114aの周方向の回転を阻止する形状である。このため、付勢部材113のセット荷重の調整が済んだ後の固定をより強固に行うことができる。
【0042】
(7)また、第1の形状は、周方向の、回転部114aの回転軸を挟んで対向する位置で回転部114aを径方向内側へ押す形状である。このため、対向する両側から押す力で回転部114aを挟んで、付勢部材113のセット荷重の調整が済んだ後の固定をより強固に行うことができる。
【0043】
また、第1の形状は、周方向の、回転部114aの回転軸を挟んで対向する位置で回転部114aを径方向内側へ押す形状である。このため、第1の形状のときに、回転部114aを径方向内側に押す力が、スプール孔112の開口部112aの内壁に直接にかかることを防ぎ、スプール孔112の開口部112aの内壁の痛みを軽減することができる。
【0044】
(8)また、第1の形状は、回転部114aの外周面114cを覆って挟み込み回転部114aの周方向の回転を阻止する形状である。このため、回転部114aの外周面を覆って、付勢部材113のセット荷重の調整が済んだ後の固定をより強固に行うことができる。
【0045】
また、第1の形状は、回転部114aの外周面114cを覆って挟み込み回転部114aの周方向の回転を阻止する形状である。このため、第1の形状のときに、アジャスタ114をスプール孔112の開口部112aの内壁に直接押し付けずに済み、スプール孔112の開口部112aの内壁の痛みを軽減することができる。
【0046】
(9)また、回転阻止部130は、対向面距離変化部117によって、スリット部120のスリット対向面120bの距離を変化させることにより第2の形状と、第1の形状とが変化する、このため、簡単な操作で回転部114aの回転を阻止することができ、また、簡単な操作で回転部114aの回転を許容することができる。
【0047】
(10)また、固定部材118はボルトであり、ボルトによって、対向面距離変化部117による、スリット部120のスリット対向面120bの距離を維持し、回転部114aの固定を行う、このため、簡単な構成で回転部114aの回転を阻止することができる。
【0048】
(11)また、回転部914aは径方向外側に突出する凸部914dを有し、回転阻止部918の爪部918a、918bは、第1の形状において、回転部914aの回転に伴う凸部914dの移動軌跡上に位置する。このため、回転部914aの回転は、凸部914dが爪部918a、918bに引っかかることで阻止され、付勢部材113のセット荷重の調整が済んだ後の固定を簡単な構成で行うことができる。
【0049】
(12)また、回転部914aは径方向外側に突出する複数の凸部914dを有し、回転阻止部918の複数の爪部918a、918bは、第1の形状において、回転部914aの回転に伴う複数の凸部914dの移動軌跡上に位置する。このため、回転部914aの回転は、複数の凸部914dが複数の爪部918a、918bに引っかかることで阻止され、付勢部材113のセット荷重の調整が済んだ後の固定を、より強固に簡単な構成で行うことができる。
【0050】
上述した実施形態のコントロールバルブ装置の用途は、特に限定されない。上述した実施形態のコントロールバルブ装置は、例えば、車両に搭載される。また、上述した各実施形態の各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【0051】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。