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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-168090(P2019-168090A)
(43)【公開日】2019年10月3日
(54)【発明の名称】電磁弁、および流路装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/06 20060101AFI20190906BHJP
【FI】
   F16K31/06 305V
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-58259(P2018-58259)
(22)【出願日】2018年3月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】日本電産トーソク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】小林 慶多
(72)【発明者】
【氏名】安田 智宏
(72)【発明者】
【氏名】高橋 建郎
【テーマコード(参考)】
3H106
【Fターム(参考)】
3H106DA07
3H106DA12
3H106DB02
3H106DB12
3H106DB23
3H106DB32
3H106DC05
3H106DD05
3H106EE34
3H106GC14
3H106KK17
3H106KK34
(57)【要約】      (修正有)
【課題】大流量に対して、電磁弁を小型化する。
【解決手段】可動部50は、本体部40から軸方向他方側に突出し、筒部材60の内部に挿入されるシャフト部51と、シャフト部51に設けられ、閉状態において軸方向一方側から第1孔部25を閉塞する弁体部52bと、シャフト部51のうち筒部材60の内部に挿入される部分の外周面から径方向外側に拡がる仕切部54と、を有する。仕切部54は、弁体部52bよりも軸方向一方側に位置し、かつ、筒部材60の内部を、第1収容部91と第1収容部91の軸方向他方側に位置する第2収容部92とに仕切る。第2収容部92には、開状態において第2流路部22が繋がる。接続流路部55は、可動部50に設けられ、閉状態において第1流路部21と第1収容部91とを繋ぐ。第1収容部91は、第1流路部21を流れる流体を収容可能であり、かつ、閉状態において第2流路部22と遮断される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びる中心軸に沿って移動可能な可動部を備え、第1流路部と前記第1流路部の軸方向一方側に位置する第2流路部とが第1孔部を介して繋がれる開状態と、前記第1孔部が閉塞されて前記第1流路部と前記第2流路部とが遮断される閉状態と、を切り換え可能な電磁弁であって、
前記可動部を軸方向に移動させるソレノイドと前記ソレノイドを収容するカバーとを有する本体部と、
前記本体部から軸方向他方側に延びる筒状の筒部材と、
前記電磁弁の外部と前記筒部材の内部とを繋ぐ接続流路部と、
を備え、
前記可動部は、
前記本体部から軸方向他方側に突出し、前記筒部材の内部に挿入されるシャフト部と、
前記シャフト部に設けられ、前記閉状態において軸方向一方側から前記第1孔部を閉塞する弁体部と、
前記シャフト部のうち前記筒部材の内部に挿入される部分の外周面から径方向外側に拡がる仕切部と、
を有し、
前記仕切部は、前記弁体部よりも軸方向一方側に位置し、かつ、前記筒部材の内部を、第1収容部と前記第1収容部の軸方向他方側に位置する第2収容部とに仕切り、
前記第2収容部には、前記開状態において前記第2流路部が繋がり、
前記接続流路部は、前記可動部に設けられ、前記閉状態において前記第1流路部と前記第1収容部とを繋ぎ、
前記第1収容部は、前記第1流路部を流れる流体を収容可能であり、かつ、前記閉状態において前記第2流路部と遮断される、電磁弁。
【請求項2】
前記可動部に軸方向一方側向きの弾性力を加える弾性部材をさらに備え、
前記接続流路部は、
前記シャフト部の内部に設けられ、軸方向に延びる第1部分と、
前記第1部分から前記シャフト部の外周面まで径方向に延びる第2部分と、
を有し、
前記筒部材は、
前記本体部から軸方向他方側に延びる筒状の筒部材本体と、
前記筒部材本体の軸方向他方側の端部に繋がり、前記弁体部と前記仕切部との軸方向の間に位置する底部と、
を有し、
前記底部は、前記シャフト部が通される第1貫通孔を有し、
前記弾性部材の軸方向一方側の端部は、前記仕切部に接触し、
前記弾性部材の軸方向他方側の端部は、前記底部に接触する、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項3】
前記第1貫通孔よりも径方向外側において前記底部の軸方向一方側の面に配置されるシール部材をさらに備え、
前記シール部材は、前記シャフト部を囲む環状であり、前記閉状態において前記底部の軸方向一方側の面と前記仕切部の軸方向他方側の面との間を封止する、請求項2に記載の電磁弁。
【請求項4】
前記筒部材の軸方向他方側の端部は、軸方向他方側に開口し、かつ、前記第1孔部が設けられた面と接触し、
前記筒部材は、前記筒部材を内周面から外周面まで径方向に貫通する第2貫通孔を有し、
前記第2貫通孔は、前記開状態において前記第2収容部と前記第2流路部とを繋ぎ、
前記可動部は、外径が前記シャフト部よりも大きい拡径部を有し、
前記拡径部は、前記仕切部と、前記弁体部と、を有し、
前記接続流路部は、前記シャフト部よりも径方向外側において前記拡径部に設けられる、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項5】
前記接続流路部は、前記拡径部を軸方向に貫通する孔であり、かつ、軸方向に沿って視て前記第1孔部と重なる、請求項4に記載の電磁弁。
【請求項6】
前記接続流路部は、前記拡径部の外周面から径方向内側に窪む溝であり、かつ、前記閉状態において前記第1孔部よりも径方向外側に位置する第2孔部を介して前記第1流路部と繋がり、
前記接続流路部の径方向外側の開口は、前記筒部材の内周面によって閉塞され、
前記拡径部は、前記閉状態において前記第2貫通孔を閉塞する、請求項4に記載の電磁弁。
【請求項7】
前記接続流路部は、周方向に沿って等間隔に複数設けられる、請求項4から6のいずれか一項に記載の電磁弁。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の電磁弁と、
前記第1流路部と前記第2流路部と前記第1孔部とを有する流路部と、
を備える流路装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁弁、および流路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流路を開閉する電磁弁が知られる。例えば、特許文献1には、ラッチ式電磁弁が記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−250457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような電磁弁によって流路を閉じた際には、電磁弁の弁体部には流路を流れる流体の圧力が加えられる。そのため、流路の流量が比較的大きい場合には、弁体部を閉じた状態に維持するために比較的大きな力が必要となり、電磁弁が大型化する場合があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、小型化できる構造を有する電磁弁、およびそのような電磁弁を備える流路装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電磁弁の一つの態様は、軸方向に延びる中心軸に沿って移動可能な可動部を備え、第1流路部と前記第1流路部の軸方向一方側に位置する第2流路部とが第1孔部を介して繋がれる開状態と、前記第1孔部が閉塞されて前記第1流路部と前記第2流路部とが遮断される閉状態と、を切り換え可能な電磁弁であって、前記可動部を軸方向に移動させるソレノイドと前記ソレノイドを収容するカバーとを有する本体部と、前記本体部から軸方向他方側に延びる筒状の筒部材と、前記電磁弁の外部と前記筒部材の内部とを繋ぐ接続流路部と、を備える。前記可動部は、前記本体部から軸方向他方側に突出し、前記筒部材の内部に挿入されるシャフト部と、前記シャフト部に設けられ、前記閉状態において軸方向一方側から前記第1孔部を閉塞する弁体部と、前記シャフト部のうち前記筒部材の内部に挿入される部分の外周面から径方向外側に拡がる仕切部と、を有する。前記仕切部は、前記弁体部よりも軸方向一方側に位置し、かつ、前記筒部材の内部を、第1収容部と前記第1収容部の軸方向他方側に位置する第2収容部とに仕切る。前記第2収容部には、前記開状態において前記第2流路部が繋がる。前記接続流路部は、前記可動部に設けられ、前記閉状態において前記第1流路部と前記第1収容部とを繋ぐ。前記第1収容部は、前記第1流路部を流れる流体を収容可能であり、かつ、前記閉状態において前記第2流路部と遮断される。
【0007】
本発明の流路装置の一つの態様は、上記の電磁弁と、前記第1流路部と前記第2流路部と前記第1孔部とを有する流路部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一つの態様によれば、電磁弁を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態の流路装置が備えられた流路システムを模式的に示す断面図である。
図2図2は、第1実施形態の流路装置が備えられた流路システムを模式的に示す断面図である。
図3図3は、第1実施形態の電磁弁を示す断面図である。
図4図4は、第1実施形態の電磁弁を示す断面図である。
図5図5は、第2実施形態の電磁弁の一部を示す断面図である。
図6図6は、第2実施形態の電磁弁の一部を示す断面図である。
図7図7は、第2実施形態の可動部の一部を示す斜視図である。
図8図8は、第2実施形態の変形例における電磁弁の一部を示す断面図である。
図9図9は、第2実施形態の変形例における電磁弁の一部を示す断面図であって、図10におけるIX−IX断面図である。
図10図10は、第2実施形態の変形例における可動部の一部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
各図においてZ軸方向は、正の側を上側とし、負の側を下側とする上下方向である。各図に適宜示す仮想軸である中心軸Jの軸方向は、Z軸方向、すなわち上下方向と平行である。以下の説明においては、中心軸Jの軸方向と平行な方向を単に「軸方向」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。
【0011】
本実施形態において、上側は、軸方向一方側に相当し、下側は、軸方向他方側に相当する。なお、上下方向、上側および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
【0012】
<第1実施形態>
図1および図2に示すように、本実施形態の流路装置10は、流体Wが流れる流路部20と、流路部20を開閉する電磁弁30と、を備える。流体Wは、特に限定されず、例えば、水である。図1においては、電磁弁30が開き、流路部20内を流体Wが流れる開状態OSを示す。図2においては、電磁弁30が閉じ、流路部20内の流体Wの流れが堰き止められた閉状態CSを示す。電磁弁30は、開状態OSと、閉状態CSと、を切り換え可能である。
【0013】
本実施形態の流路装置10は、流路システム1に備えられる。流路システム1は、被冷却体5を冷却する冷却システムである。流路システム1は、例えば、車両に搭載される。被冷却体5は、例えば、車両の駆動部である。
【0014】
流路システム1は、ポンプ部2と、流体冷却部3と、流体タンク4と、被冷却体5と、流路装置10と、を備える。ポンプ部2は、流体タンク4内の流体Wを被冷却体5に送る。流体冷却部3は、流路部20内の流体Wを冷却する。流体冷却部3は、流路部20のうちポンプ部2と被冷却体5との間の部分に設けられる。
【0015】
流路部20は、第1流路部21と、第2流路部22と、流入部23と、流出部24と、を有する。流入部23は、流体タンク4からポンプ部2まで延びる流路である。流出部24は、被冷却体5から流体タンク4まで延びる流路である。第1流路部21は、ポンプ部2から延びる流路である。第1流路部21には、ポンプ部2によって送られる流体Wが流入する。本実施形態において第1流路部21には、流体冷却部3が設けられる。
【0016】
第2流路部22は、第1流路部21から被冷却体5まで延びる流路である。第2流路部22は、第1流路部21の上側に位置する。第1流路部21と第2流路部22とは、仕切壁部27によって軸方向に仕切られる。仕切壁部27は、軸方向と直交する方向に延びる壁であり、第1流路部21の上側の壁部の一部と第2流路部22の下側の壁部の一部とを構成する。仕切壁部27は、仕切壁部27を軸方向に貫通する第1孔部25を有する。すなわち、流路部20は、第1孔部25を有する。図示は省略するが、第1孔部25は、例えば、円形の孔である。図1に示す開状態OSにおいては、第1流路部21と第2流路部22とは、第1孔部25を介して繋がれる。
【0017】
第2流路部22は、電磁弁30が取り付けられる取付孔26を有する。取付孔26は、第2流路部22の壁部のうち上側の上壁部28に設けられる。取付孔26は、上壁部28を軸方向に貫通する。取付孔26は、第1孔部25の上側に位置する。図示は省略するが、取付孔26は、例えば、円形の孔である。取付孔26の内径は、第1孔部25の内径よりも大きい。
【0018】
なお、本明細書において「第2流路部が第1流路部の上側に位置する」とは、第2流路部のうち第1流路部と孔部を介して繋がる部分が、第1流路部のうち第2流路部と孔部を介して繋がる部分の上側に位置すればよい。すなわち、本明細書において「第2流路部が第1流路部の上側に位置する」とは、第2流路部の一部が第1流路部の下側に位置するような場合も含む。
【0019】
図1に示すように、開状態OSにおいて、流体タンク4内の流体Wは、ポンプ部2によって、流入部23を介して第1流路部21に流入される。第1流路部21に流入した流体Wは、第1孔部25を介して、第2流路部22に流入する。第2流路部22に流入した流体Wは、被冷却体5を冷却し、流出部24を介して、流体タンク4に戻る。このように、開状態OSにおいては、流体タンク4と流路部20との間で流体Wが循環し、被冷却体5を流体Wによって冷却することができる。
【0020】
一方、図2に示すように、閉状態CSにおいては、電磁弁30によって第1孔部25が閉塞されて第1流路部21と第2流路部22とが遮断される。これにより、第2流路部22に流体Wが流れなくなり、被冷却体5の冷却が停止される。
【0021】
電磁弁30は、流路部20に固定される。より詳細には、電磁弁30は、取付孔26に取り付けられ、第2流路部22の上壁部28に固定される。図3および図4に示すように、電磁弁30は、本体部40と、可動部50と、筒部材60と、弾性部材80と、シール部材65と、を備える。なお、図3は、開状態OSを示し、図4は、閉状態CSを示す。
【0022】
本体部40は、カバー41と、ソレノイド42と、第1磁性部材44aと、第2磁性部材44bと、スペーサ45と、ブッシュ46a,46bと、Oリング47a,47bと、を有する。カバー41は、ソレノイド42を収容する。カバー41は、磁性材である。カバー41は、上壁部28に固定される。カバー41は、第1カバー41aと、第2カバー41bと、を有する。
【0023】
第1カバー41aは、カバー本体41cと、円環板部41dと、保持部41eと、を有する。カバー本体41cは、下側に開口する有蓋の筒状である。本実施形態においてカバー本体41cは、中心軸Jを中心とする円筒状である。円環板部41dは、カバー本体41cの下側の端部から径方向外側に拡がる。保持部41eは、円環板部41dの径方向外縁部から下側に突出する筒状である。
【0024】
第2カバー41bは、板面が軸方向を向く板状である。図示は省略するが、本実施形態において第2カバー41bは、中心軸Jを中心とする円板状である。第2カバー41bは、保持部41eの径方向内側に嵌め合わされる。第2カバー41bは、第1カバー41aの下側の開口を閉じる。第2カバー41bは、第2カバー41bの中央部を軸方向に貫通するカバー貫通孔41fを有する。
【0025】
ソレノイド42は、ボビン部42aと、コイル43と、モールド部42bと、を有する。ボビン部42aは、軸方向に延び、軸方向両側に開口する筒状である。本実施形態においてボビン部42aは、中心軸Jを中心とする円筒状である。ボビン部42aの下側の端部は、第2カバー41bと接触する。ボビン部42aの上側の端部は、第1カバー41aの上側の蓋部と接触する。コイル43は、ボビン部42aの外周面に巻き回される。モールド部42bは、ボビン部42aの径方向外側およびコイル43の径方向外側を覆う。
【0026】
第1磁性部材44aおよび第2磁性部材44bは、軸方向に延び、軸方向両側に開口する筒状である。本実施形態において第1磁性部材44aおよび第2磁性部材44bは、中心軸Jを中心とする円筒状である。第1磁性部材44aおよび第2磁性部材44bは、ボビン部42aの径方向内側に嵌め合わされる。第1磁性部材44aの下側の端部は、第2カバー41bと接触する。第2磁性部材44bは、第1磁性部材44aの上側に位置する。第2磁性部材44bの上側の端部は、第1カバー41aの上側の蓋部と接触する。第1磁性部材44aおよび第2磁性部材44bは、磁性材である。
【0027】
スペーサ45は、軸方向に延び、軸方向両側に開口する筒状である。本実施形態においてスペーサ45は、中心軸Jを中心とする円筒状である。スペーサ45は、第1磁性部材44aと第2磁性部材44bとの軸方向の間に位置する。スペーサ45の軸方向両端部は、各磁性部材と接触する。スペーサ45は、非磁性材である。スペーサ45は、例えば、樹脂から成る。
【0028】
ブッシュ46a,46bは、軸方向に延び、軸方向両側に開口する筒状である。本実施形態においてブッシュ46a,46bは、中心軸Jを中心とする円筒状である。ブッシュ46aの下側の端部は、カバー貫通孔41fに嵌め合わされる。ブッシュ46aの上側の部分は、第1磁性部材44aの径方向内側に嵌め合わされる。ブッシュ46bは、第2磁性部材44bの径方向内側に嵌め合わされる。
【0029】
Oリング47a,47bは、周方向に沿った環状である。本実施形態においてOリング47a,47bは、中心軸Jを中心とする円環状である。Oリング47aは、ボビン部42aの上側の端部と第1カバー41aの上側の蓋部との間に位置する。Oリング47aは、ボビン部42aと第1カバー41aとに接触して、ボビン部42aと第1カバー41aとの間を封止する。Oリング47bは、ボビン部42aの下側の端部と第2カバー41bとの間に位置する。Oリング47bは、ボビン部42aと第2カバー41bとに接触して、ボビン部42aと第2カバー41bとの間を封止する。
【0030】
可動部50は、軸方向に延びる中心軸Jに沿って移動可能である。可動部50は、シャフト部51と、弁部52と、コア部53と、仕切部54と、を有する。シャフト部51は、中心軸Jに沿って延びる。シャフト部51は、本体部40から下側に突出し、筒部材60の内部に挿入される。また、シャフト部51は、取付孔26を介して第2流路部22の内部に挿入される。本実施形態においてシャフト部51は、第1シャフト部51aと、第2シャフト部51bと、を有する。第1シャフト部51aと第2シャフト部51bとは、互いに別部材である。
【0031】
第1シャフト部51aは、軸方向に延びる柱状である。本実施形態において第1シャフト部51aは、中心軸Jを中心とする円柱状である。第1シャフト部51aは、本体部40の内部に位置する。第1シャフト部51aは、第1磁性部材44aの内部とスペーサ45の内部と第2磁性部材44bの内部とに跨って配置される。
【0032】
第2シャフト部51bは、第2シャフト部本体51cと、突出部51dと、を有する。第2シャフト部本体51cは、軸方向に延びる筒状である。本実施形態において第2シャフト部本体51cは、軸方向両側に開口し、中心軸Jを中心とする円筒状である。第2シャフト部本体51cの外径は、第1シャフト部51aの外径よりも大きい。第2シャフト部本体51cの内径は、第1シャフト部51aの外径よりも小さい。
【0033】
第2シャフト部本体51cは、第1シャフト部51aの下側に位置する。第2シャフト部本体51cの上側の端部は、本体部40の内部に位置する。第2シャフト部本体51cの上側の端部は、ブッシュ46aの径方向内側に嵌め合わされ、ブッシュ46aによって軸方向に移動可能に支持される。第2シャフト部本体51cの上側の端部は、第1シャフト部51aの下側の端部と接触可能である。本実施形態では、少なくとも開状態OSと閉状態CSとにおいて、第2シャフト部本体51cの上側の端部は、第1シャフト部51aの下側の端部と接触する。
【0034】
第2シャフト部本体51cの下側の部分は、本体部40の内部から下側に突出し、取付孔26を介して第2流路部22の内部に挿入される。第2シャフト部本体51cの軸方向の中央部分は、筒部材60の内部に挿入される。第2シャフト部本体51cの下側の端部は、筒部材60よりも下側に突出する。本実施形態において第2シャフト部本体51cの下側の端部は、開状態OSおよび閉状態CSの両状態において、第2流路部22の内部を軸方向に貫通し、第1孔部25を介して、第1流路部21の内部まで突出する。第2シャフト部本体51cの下側の端部における外周面には、雄ネジ部が設けられる。
【0035】
突出部51dは、第2シャフト部本体51cの軸方向の中央部分から径方向外側に突出する。本実施形態において突出部51dは、中心軸Jを中心とする円環状である。突出部51dは、筒部材60の内部に位置する。
【0036】
弁部52は、固定筒部52aと、弁体部52bと、を有する。すなわち、可動部50は、固定筒部52aと、弁体部52bと、を有する。固定筒部52aは、軸方向に延びる筒状である。本実施形態において固定筒部52aは、中心軸Jを中心とし、軸方向両側に開口する円筒状である。固定筒部52aの内周面には、雌ネジ部が設けられる。固定筒部52aは、内周面の雌ネジ部が第2シャフト部本体51cの雄ネジ部に締め込まれて、第2シャフト部本体51cの下側の部分に固定される。固定筒部52aの下側の端部は、第2シャフト部本体51cの下側の端部よりも上側に位置する。
【0037】
弁体部52bは、固定筒部52aを介して第2シャフト部本体51cの下側の部分に固定される。これにより、弁体部52bは、シャフト部51に設けられる。弁体部52bは、固定筒部52aの上側の端部から径方向外側に拡がる。本実施形態において弁体部52bは、中心軸Jを中心とし、板面が軸方向を向く円環板状である。弁体部52bの外径は、突出部51dの外径および第1孔部25の内径よりも大きい。本実施形態において弁体部52bの下側の面は、径方向外側に向かうに従って上側に位置する湾曲面である。弁体部52bの上側の面は、軸方向と直交する平坦な面である。
【0038】
弁体部52bは、第2流路部22の内部に位置する。図4に示すように、弁体部52bは、閉状態CSにおいて上側から第1孔部25を閉塞する。閉状態CSにおいて、弁体部52bの径方向外縁部は、第2流路部22の内側面のうち第1孔部25の縁部と接触する。弁体部52bは、第2受圧面52cを有する。第2受圧面52cは、下側を向く面であり、弁体部52bの下側の面の一部である。本実施形態において第2受圧面52cは、弁体部52bの下側の面のうち径方向外縁部を除く部分である。第2受圧面52cは、閉状態CSにおいて第1流路部21に露出する。第2受圧面52cは、閉状態CSにおいて、第1流路部21内の流体Wから上側向きの圧力を受ける。
【0039】
コア部53は、軸方向に延びる。本実施形態においてコア部53は、中心軸Jを中心とする円筒状である。コア部53は、第1シャフト部51aの外周面に嵌め合わされて固定される。コア部53は、ブッシュ46bの径方向内側に嵌め合わされ、ブッシュ46bによって軸方向に移動可能に支持される。コア部53は、磁性材である。
【0040】
仕切部54は、シャフト部51のうち筒部材60の内部に挿入される部分の外周面から径方向外側に拡がる。本実施形態において仕切部54は、第2シャフト部本体51cの外周面から径方向外側に拡がる。仕切部54は、板面が軸方向を向く板状である。本実施形態において仕切部54は、中心軸Jを中心とする円板状である。仕切部54の軸方向の面は、軸方向と直交する平坦面である。仕切部54の外径は、突出部51dの外径よりも大きい。仕切部54の外径は、弁体部52bの外径とほぼ同じである。本実施形態において仕切部54の外径は、弁体部52bの外径よりも僅かに小さい。
【0041】
仕切部54は、本体部40よりも下側で、かつ、弁体部52bよりも上側に位置する。本実施形態において仕切部54は、取付孔26の内部に位置する。仕切部54は、突出部51dの上側に位置する。仕切部54の下側の面のうち径方向内縁部は、突出部51dの上側の面に接触する。仕切部54は、後述する筒部材本体62の内部に嵌め合わされる。仕切部54の外周面は、筒部材本体62の内周面と接触する。可動部50が軸方向に移動する際、仕切部54は、外周面が筒部材本体62の内周面に対して滑りながら、軸方向に移動する。本実施形態において仕切部54は、シャフト部51と別部材である。
【0042】
筒部材60は、本体部40から下側に延びる筒状である。筒部材60は、本体部40の下側に固定される。筒部材60は、取付孔26に嵌め合わされて、上壁部28に固定される。筒部材60は、筒部材本体62と、底部61と、を有する。筒部材本体62は、本体部40から下側に延びる筒状である。本実施形態において筒部材本体62は、中心軸Jを中心とする円筒状である。筒部材本体62は、取付孔26に嵌め合わされる。筒部材本体62の上側の端部は、第2カバー41bの下側の面のうち径方向外縁部と接触して固定される。これにより、筒部材本体62の上側の端部は、本体部40に固定される。
【0043】
筒部材本体62の上側の端部と第2カバー41bの下側の面との間には、Oリング64が設けられる。Oリング64は、周方向に沿った環状である。Oリング64によって、筒部材本体62の上側の端部と第2カバー41bの下側の面との間が封止される。筒部材本体62の上側の端部は、径方向外側に突出する突出部62aを有する。突出部62aは、周方向に沿った円環状である。突出部62aは、上壁部28における上側の面のうち取付孔26の周縁部の上側に位置する。
【0044】
筒部材本体62は、筒部材本体62の外周面から径方向内側に窪む溝部62bを有する。溝部62bは、周方向に沿った円環状である。溝部62bは、筒部材本体62の外周面のうち取付孔26に嵌め合わされる部分に設けられる。溝部62bには、Oリング63が嵌め込まれる。Oリング63は、溝部62bの溝底面と取付孔26の内周面とに接触する。Oリング63は、筒部材本体62の外周面と取付孔26の内周面との間を封止する。これにより、第2流路部22内の流体Wが取付孔26から外部に漏れることを抑制できる。
【0045】
底部61は、筒部材本体62の下側の端部に繋がる。底部61は、第2流路部22の内部において径方向に拡がる。底部61の外径は、仕切部54の外径および弁体部52bの外径よりも大きい。底部61は、弁体部52bと仕切部54との軸方向の間に位置する。
【0046】
底部61は、凹部61bと、第1貫通孔61aと、溝部61cと、を有する。凹部61bは、底部61の上側の面のうち中央部分から下側に窪む。第1貫通孔61aは、底部61の中央部分を軸方向に貫通する。より詳細には、第1貫通孔61aは、凹部61bの底面から底部61の下側の面までを軸方向に貫通する。第1貫通孔61aには、シャフト部51が通される。本実施形態において第1貫通孔61aには、第2シャフト部本体51cが通される。第1貫通孔61aの内径は、突出部51dの外径よりも小さい。
【0047】
溝部61cは、底部61の上側の面から下側に窪む。溝部61cは、周方向に沿った円環状である。溝部61cは、第1貫通孔61aおよび凹部61bよりも径方向外側に位置する。溝部61cには、シール部材65が配置される。これにより、シール部材65は、第1貫通孔61aよりも径方向外側において底部61の上側の面に配置される。本実施形態においてシール部材65は、シャフト部51を囲む環状であり、溝部61cに嵌め込まれる。シール部材65は、中心軸Jを中心とする円環状である。シール部材65は、例えば、Oリングである。シール部材65は、溝部61cよりも上側に突出する。図4に示すように、シール部材65は、閉状態CSにおいて仕切部54の下側の面と接触し、底部61の上側の面と仕切部54の下側の面との間を封止する。閉状態CSにおいて、シール部材65は、軸方向に圧縮弾性変形した状態である。
【0048】
弾性部材80は、底部61によって下側から支持される。弾性部材80は、底部61と仕切部54との軸方向の間に位置する。本実施形態において弾性部材80は、軸方向に延びるコイルスプリングである。弾性部材80の上側の端部は、突出部51dに径方向外側から嵌め合わされ、仕切部54の下側の面に接触する。弾性部材80の下側の部分は、凹部61bの内部に挿入される。弾性部材80の下側の端部は、凹部61bの底面と接触する。すなわち、弾性部材80の下側の端部は、底部61に接触する。弾性部材80は、仕切部54を介して、可動部50に上側向きの弾性力Fsを加える。
【0049】
図3に示す開状態OSからソレノイド42のコイル43に電流を供給すると、コイル43の径方向内側に上側から下側に向かう磁界が生じる。これにより、磁束が、第2磁性部材44b、コア部53、第1磁性部材44a、第2カバー41b、カバー本体41cを順に通り、カバー本体41cの上側の蓋部から第2磁性部材44bに戻る磁気回路が生じる。この磁気回路によって、コア部53は、下側向きの電磁力Fmを受ける。そのため、コア部53および第1シャフト部51aが下側に移動し、かつ、第1シャフト部51aに上側から押されて、第2シャフト部51bも下側に移動する。このようにして、ソレノイド42は、可動部50を軸方向に移動させることができる。図4に示すように、可動部50が下側に移動することで、弁体部52bが第1孔部25を閉塞し、開状態OSから閉状態CSへと切り換えられる。
【0050】
一方、閉状態CSにおいて、ソレノイド42のコイル43への電流供給を停止すると、上述した磁気回路が消失し、コア部53に生じた電磁力Fmも消失する。これにより、弁体部52bが第1流路部21内の流体Wから受ける上側向きの流体力Fw2と、仕切部54が弾性部材80から受ける上側向きの弾性力Fsとによって、第2シャフト部51bおよび弁体部52bが上側に移動し、第1孔部25が開放される。したがって、閉状態CSから開状態OSへと切り換えられる。なお、このとき、第1シャフト部51aおよびコア部53も、第2シャフト部51bによって押されて、上側に移動する。
【0051】
以上のように、電磁弁30は、ソレノイド42のコイル43への電流の供給と停止とを切り換えることで、第1孔部25を開閉し、開状態OSと閉状態CSとを切り換えることができる。
【0052】
電磁弁30は、第1収容部91と、第2収容部92と、をさらに備える。第1収容部91は、筒部材60の内部のうち仕切部54で仕切られた上側の部分である。第2収容部92は、筒部材60の内部のうち仕切部54で仕切られた下側の部分である。すなわち、仕切部54は、筒部材60の内部を、第1収容部91と第1収容部91の下側に位置する第2収容部92とに仕切る。
【0053】
第1収容部91は、第1流路部21を流れる流体Wを収容可能である。第1収容部91は、弁体部52bよりも上側に位置する。第1収容部91の内部のうち上側の端部は、取付孔26よりも上側に位置する。図4に示すように、第1収容部91は、閉状態CSにおいて第2流路部22と遮断される。
【0054】
本実施形態において第1収容部91は、本体部40と仕切部54と筒部材本体62とに囲まれて構成される。仕切部54の上側の面は、上側を向き、第1収容部91の内側面の一部を構成する第1受圧面54aである。すなわち、可動部50は、第1受圧面54aを有する。本実施形態において第1受圧面54aは、軸方向と直交する平坦な面である。第1受圧面54aの面積と第2受圧面52cの面積とは、互いに同じである。
【0055】
なお、本明細書において「第1受圧面の面積と第2受圧面の面積とが、互いに同じである」とは、第1受圧面の面積と第2受圧面の面積とが厳密に同じである場合に加えて、第1受圧面の面積と第2受圧面の面積とが略同じである場合も含む。
【0056】
第2収容部92には、図3に示すように、開状態OSにおいて、第1貫通孔61aを介して第2流路部22が繋がる。これにより、第2収容部92は、第2流路部22を流れる流体Wを収容可能である。
【0057】
図3および図4に示すように、第1収容部91の容積および第2収容部92の容積は、開状態OSと閉状態CSとで変化する。閉状態CSにおける第1収容部91の容積は、開状態OSにおける第1収容部91の容積よりも大きい。閉状態CSにおける第2収容部92の容積は、開状態OSにおける第2収容部92の容積よりも小さい。第2収容部92は、開状態OSにおいては流体Wが収容された状態となり、閉状態CSにおいては流体Wがほぼ排出された状態となる。
【0058】
電磁弁30は、電磁弁30の外部と筒部材60の内部とを繋ぐ接続流路部55をさらに備える。接続流路部55は、可動部50に設けられ、閉状態CSにおいて第1流路部21と第1収容部91とを繋ぐ。そのため、図4に示す閉状態CSにおいて、接続流路部55を介して、第1収容部91内に第1流路部21から流体Wが流入した状態となる。これにより、第1収容部91内の流体Wの圧力によって、仕切部54の第1受圧面54aには下側向きの流体力Fw1が加えられる。したがって、第1流路部21内の流体Wの圧力によって弁体部52bの第2受圧面52cに加えられる流体力Fw2の少なくとも一部を、流体力Fw1によって相殺することができる。そのため、弁体部52bによって第1孔部25を閉塞して、閉状態CSに維持するために必要な電磁弁30の出力を小さくできる。これにより、電磁弁30を小型化できる。
【0059】
なお、本実施形態において電磁弁30の出力とは、電磁力Fmである。本実施形態の閉状態CSは、電磁力Fmと流体力Fw1との合計が、流体力Fw2と弾性部材80からの弾性力Fsとの合計よりも大きいことで、維持される。
【0060】
また、例えば、第1孔部25の開口面積が大きいほど、開状態OSにおいて第1流路部21から第2流路部22へと流れる流体Wの損失を小さくできる。しかし、一方で、第1孔部25の開口面積が大きいほど、弁体部52bの第2受圧面52cに加えられる流体力Fw2が大きくなる。そのため、従来では、流体Wの損失を抑えようとして第1孔部25の開口面積を大きくすると、電磁弁の出力を大きくする必要があり、電磁弁が大型化する場合があった。
【0061】
これに対して、本実施形態によれば、上述したように、閉状態CSを維持するために必要な電磁弁30の出力を小さくできる。そのため、電磁弁30の出力を変えずに、従来よりも大きい流体力Fw2に抗して閉状態CSを維持できる。これにより、電磁弁30を大型化することなく、第1孔部25の開口面積を従来よりも大きくでき、流路部20を流れる流体Wの損失を低減できる。
【0062】
また、本実施形態によれば、第1受圧面54aの面積と第2受圧面52cの面積とは、互いに同じである。そして、第1収容部91と第1流路部21とは互いに繋がっているため、第1収容部91内の流体Wの圧力と、第1流路部21内の流体Wの圧力とは、ほぼ同じである。これにより、第1受圧面54aに加えられる流体力Fw1の大きさと、第2受圧面52cに加えられる流体力Fw2の大きさと、をほぼ同じにできる。したがって、第2受圧面52cに加えられる上側向きの流体力Fw2を、流体力Fw1によってほぼ相殺できる。そのため、閉状態CSを維持するために必要な電磁弁30の出力をより小さくできる。これにより、電磁弁30をより小型化できる。
【0063】
また、本実施形態によれば、第1受圧面54aは、平坦な面である。そのため、第1収容部91内の流体Wから下側向きの流体力Fw1を安定して受けやすい。これにより、閉状態CSを維持するために必要な電磁弁30の出力をより小さくしやすく、電磁弁30をより小型化できる。
【0064】
また、本実施形態によれば、閉状態CSにおいて底部61の上側の面と仕切部54の下側の面との間を封止する環状のシール部材65が設けられる。そのため、仕切部54の外周面と筒部材本体62の内周面との間を介して第1収容部91内の流体Wが第2収容部92へと漏れる場合であっても、シール部材65によって、第2収容部92内に漏れた流体Wが第2流路部22へと漏れることを抑制できる。これにより、閉状態CSにおいて、第1収容部91を第2流路部22と好適に遮断することができ、第1収容部91内に流体Wが収容された状態を好適に維持できる。したがって、閉状態CSをより安定して維持できる。
【0065】
接続流路部55は、第1部分55aと、第2部分55bと、を有する。第1部分55aは、シャフト部51の内部に設けられ、軸方向に延びる。本実施形態において第1部分55aは、第2シャフト部本体51cの内部である。
【0066】
第2部分55bは、第1部分55aからシャフト部51の外周面まで径方向に延びる。本実施形態において第2部分55bは、第2シャフト部本体51cのうち仕切部54よりも上側の部分に設けられる。第2部分55bは、開状態OSおよび閉状態CSのいずれの状態においても、第1収容部91の内部に開口する。本実施形態において第2部分55bは、複数設けられる。例えば、第2部分55bは、第2シャフト部本体51cの壁部のうち軸方向と直交する第1方向両側の部分に1つずつ、第2シャフト部本体51cの壁部のうち軸方向および第1方向の両方と直交する第2方向両側の部分に1つずつの合計4つ設けられる。
【0067】
このように接続流路部55が設けられていることにより、閉状態CSにおいて第1流路部21に露出する第2シャフト部本体51cの下端部の開口から、第1部分55aに流体Wが流入する。そして、第1部分55aに流入した流体Wは、第2部分55bから第1収容部91に流入する。これにより、閉状態CSにおいて、第1収容部91内に流体Wが収容された状態となる。なお、図3に示すように、開状態OSにおいても、第1収容部91は接続流路部55を介して第1流路部21と繋がるため、第1収容部91内には流体Wが流入する。
【0068】
本実施形態によれば、シャフト部51の内部に接続流路部55が設けられるため、例えばシャフト部51よりも径方向外側に接続流路部55を設けるような場合に比べて、可動部50を径方向に小型化しやすい。また、第2シャフト部本体51cを筒状にすることで、容易に第1部分55aを作ることができる。そのため、接続流路部55の作製を容易にできる。
【0069】
また、本実施形態によれば、弁体部52bと仕切部54との軸方向の間に位置する底部61が設けられ、弾性部材80が仕切部54と底部61との間に位置する。そのため、シャフト部51のうち、本体部40の内部においてコア部53が設けられる第1シャフト部51aと本体部40の外部において仕切部54が設けられる第2シャフト部51bとを互いに別部材としても、第2シャフト部51bに加えられた弾性部材80の弾性力Fsを第1シャフト部51aに伝えることができる。これにより、シャフト部51を複数の部材に分けつつ、閉状態CSから開状態OSに切り換える際に、弾性部材80によって可動部50を上側に移動させることができる。したがって、接続流路部55が設けられる第2シャフト部本体51cの軸方向の寸法を小さくすることができる。そのため、第2シャフト部本体51cを筒状として作製することを容易にでき、接続流路部55の作製を容易にできる。
【0070】
<第2実施形態>
図5は、本実施形態の電磁弁130の開状態OSを示す。図6は、本実施形態の電磁弁130の閉状態CSを示す。図5および図6に示すように、本実施形態の電磁弁130において筒部材160は、第1実施形態と異なり、底部を有しない。筒部材160の筒部材本体162は、下側に開口し、本体部40から仕切壁部27まで延びる。筒部材本体162の下側の端面は、仕切壁部27の上側の面と接触する。すなわち、本実施形態において筒部材160の下側の端部は、下側に開口し、かつ、第1孔部25が設けられた面と接触する。筒部材本体162は、軸方向に沿って視て、第1孔部25を囲む。
【0071】
筒部材本体162は、筒部材本体162の下側の端面から上側に窪む溝部162dを有する。溝部162dは、周方向に沿った円環状である。溝部162dには、Oリング166が嵌め込まれる。Oリング166は、筒部材本体162の下側の端面と仕切壁部27の上側の面との間を封止する。
【0072】
筒部材本体162は、筒部材本体162の壁部を径方向に貫通する第2貫通孔162cを有する。すなわち、筒部材160は、筒部材160を内周面から外周面まで径方向に貫通する第2貫通孔162cを有する。第2貫通孔162cは、筒部材本体162の下側の部分に設けられる。図5に示すように、第2貫通孔162cは、開状態OSにおいて第2収容部192と第2流路部22とを繋ぐ。これにより、開状態OSにおいて、第1流路部21内を流れる流体Wは、第1孔部25から第2収容部192に流入し、第2貫通孔162cを介して第2流路部22へと流れる。
【0073】
本実施形態においてシャフト部151は、中心軸Jを中心として軸方向に延びる円柱状である。シャフト部151は、第1実施形態とは異なり、例えば、単一部の部材である。本実施形態において可動部150は、外径がシャフト部151よりも大きい拡径部156を有する。拡径部156は、シャフト部151の下側の端部に繋がる。拡径部156は、筒部材160の内部に位置する。図7に示すように、本実施形態において拡径部156は、中心軸Jを中心とする円柱状である。拡径部156の外周面は、筒部材160の内周面、すなわち筒部材本体162の内周面と接触する。可動部150が軸方向に移動する際、拡径部156は、外周面が筒部材本体162の内周面に対して滑りながら、軸方向に移動する。
【0074】
本実施形態において拡径部156は、仕切部154である。すなわち、拡径部156は、仕切部154を有する。仕切部154は、筒部材本体162の内部を第1収容部191と第2収容部192とに仕切る。本実施形態において第2収容部192は、筒部材160と仕切部154と仕切壁部27とに囲まれて構成される。
【0075】
図6に示すように、本実施形態において仕切部154、すなわち拡径部156は、外周面によって、閉状態CSにおいて第2貫通孔162cを閉塞する。仕切部154の上側の面である第1受圧面154aは、径方向外側に向かうに従って下側に位置する湾曲面である。本実施形態において仕切部154の下側の端部は、弁体部152bである。すなわち、拡径部156は、弁体部152bを有する。弁体部152bの下側の面は、径方向外側に向かうに従って上側に位置する湾曲面である。弁体部152bの下側の面の中央部分は、第2受圧面152cである。本実施形態において第2受圧面152cの面積は、第1受圧面154aの面積よりも小さい。
【0076】
本実施形態において接続流路部155は、シャフト部151よりも径方向外側において拡径部156に設けられる。そのため、シャフト部151を筒状にする必要がなく、拡径部156に孔を設ける等の加工を施すことで、容易に接続流路部155を作製できる。本実施形態において接続流路部155は、拡径部156を軸方向に貫通する孔であり、かつ、軸方向に沿って視て第1孔部25と重なる。そのため、接続流路部155の下側の端部は、閉状態CSにおいて第1孔部25に露出する。これにより、第1流路部21を流れる流体Wが、第1孔部25から接続流路部155を介して第1収容部191に流入する。したがって、第1実施形態と同様に、閉状態CSを維持するために必要な電磁弁130の出力を小さくでき、電磁弁130を小型化できる。
【0077】
接続流路部155の上側の端部は、第1受圧面154aに開口する。接続流路部155の下側の端部は、第2受圧面152cに開口する。本実施形態において接続流路部155は、軸方向に沿って直線状に延びる。図7に示すように、接続流路部155の軸方向に沿って視た外形は、例えば、円形状である。
【0078】
接続流路部155は、周方向に沿って等間隔に複数設けられる。そのため、拡径部156が軸方向に移動する際、接続流路部155を介して第1収容部191から流入出する流体Wから拡径部156が受ける力を、周方向に均等に加えやすい。これにより、拡径部156が傾くことを抑制でき、拡径部156の軸方向の移動を滑らかに行いやすい。図7の例では、接続流路部155は、例えば、3つ設けられる。
【0079】
図示は省略するが、本実施形態において弾性部材は、本体部40の内部に設けられる。弾性部材は、シャフト部151に上側向きの弾性力を加える。
【0080】
(第2実施形態の変形例)
図8は、本変形例の電磁弁230の開状態OSを示す。図9および図10は、本変形例の電磁弁230の閉状態CSを示す。なお、図8および図9においては、説明のために図10におけるIX−IX断面を示す。
【0081】
図8から図10に示すように、本変形例の電磁弁230において接続流路部255は、可動部250における拡径部256の外周面から径方向内側に窪む溝である。接続流路部255は、拡径部256の下側の端部から上側の端部まで直線状に延びる。接続流路部255の溝底面は、軸方向に沿って視て、径方向内側に窪む半円弧状である。接続流路部255の上側の端部は、第1受圧面154aに開口する。図10に示すように、本変形例において接続流路部255は、例えば、中心軸Jを径方向に挟んで一対設けられる。
【0082】
接続流路部255の径方向外側の開口は、筒部材160の内周面によって閉塞される。図9に示すように、接続流路部255は、閉状態CSにおいて第1孔部25よりも径方向外側に位置する第2孔部229を介して第1流路部21と繋がる。
【0083】
第2孔部229は、仕切壁部227を軸方向に貫通する。第2孔部229は、軸方向に沿って視て、筒部材160の径方向内側に位置する。第2孔部229の上側の端部は、筒部材160の内部に開口する。第2孔部229の下側の端部は、第1流路部21に開口する。図10に示すように、本変形例において第2孔部229は、軸方向に沿って視て、接続流路部255と重なる。第2孔部229は、各接続流路部255と軸方向に重なる位置にそれぞれ設けられる。本変形例において第2孔部229は、例えば、円形の孔である。
【0084】
図9に示すように、閉状態CSにおいて、第1流路部21を流れる流体Wは、第2孔部229から接続流路部255を介して第1収容部191に流入する。ここで、第2孔部229から接続流路部255に流入する流体Wは、仕切壁部227と拡径部256との軸方向の間、すなわち第2収容部192にも流入する場合がある。本変形例では、弁体部152bの下側の面が湾曲面であるため、弁体部152bの径方向外縁部と仕切壁部227との軸方向の間に流体Wが流入する。
【0085】
しかし、本変形例においても拡径部256は、閉状態CSにおいて第2貫通孔162cを閉塞する。そのため、第2収容部192に流体Wが流入した場合であっても、第2収容部192に流入した流体Wが第2貫通孔162cから第2流路部22に漏れることを抑制できる。これにより、閉状態CSにおいて第1収容部191を好適に第2流路部22と遮断できる。以上により、本変形例においても、第1収容部191に収容される流体Wによって、閉状態CSを維持するために必要な電磁弁230の出力を小さくでき、電磁弁230を小型化できる。
【0086】
なお、本変形例において、接続流路部255と第2孔部229とは、閉状態CSにおいて繋がるならば、周方向位置が互いにずれて配置されてもよい。この場合、第2孔部229を介して第2収容部192に流入した流体Wが、第2収容部192から接続流路部255に流入する。
【0087】
本発明は上述の実施形態に限られず、以下の他の構成を採用することもできる。仕切部の形状は、筒部材の内部を第1収容部と第2収容部とに仕切れるならば、特に限定されない。上述した第2実施形態では、拡径部156が仕切部154であり、仕切部154の下側の端部が弁体部152bである構成としたがこれに限られない。例えば、拡径部は、仕切部と、仕切部から下側に突出し、仕切部よりも外径が小さい弁体部と、を有してもよい。第1受圧面の面積と第2受圧面の面積とは、互いに異なってもよい。
【0088】
接続流路部は、可動部に設けられ、閉状態CSにおいて第1流路部と第1収容部とを繋ぐならば、特に限定されない。接続流路部は、曲がって延びてもよい。接続流路部の数は、特に限定されない。接続流路部は、開状態OSにおいて、第1流路部と第1収容部とを繋がなくてもよい。
【0089】
なお、上述した実施形態の電磁弁および流路装置の用途は、特に限定されない。また、以上に説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0090】
10…流路装置、20…流路部、21…第1流路部、22…第2流路部、25…第1孔部、30,130,230…電磁弁、40…本体部、41…カバー、42…ソレノイド、50,150,250…可動部、51,151…シャフト部、52b,152b…弁体部、54,154…仕切部、55,155,255…接続流路部、55a…第1部分、55b…第2部分、60,160…筒部材、61…底部、61a…第1貫通孔、62,162…筒部材本体、65…シール部材、80…弾性部材、91,191…第1収容部、92,192…第2収容部、156,256…拡径部、162c…第2貫通孔、229…第2孔部、CS…閉状態、Fs…弾性力、J…中心軸、OS…開状態、W…流体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10