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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-168388(P2019-168388A)
(43)【公開日】2019年10月3日
(54)【発明の名称】画像検査方法および画像検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20190906BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20190906BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20190906BHJP
【FI】
   G01N21/956 A
   H01L21/66 J
   G06T7/00 610
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-57755(P2018-57755)
(22)【出願日】2018年3月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】牛島 大
【テーマコード(参考)】
2G051
4M106
5L096
【Fターム(参考)】
2G051AA51
2G051AB02
2G051CA04
2G051CB01
2G051EA16
2G051EA17
2G051EB01
2G051EB02
2G051EC02
2G051ED08
4M106AA01
4M106CA38
4M106DB04
4M106DB19
4M106DH12
4M106DJ01
4M106DJ14
4M106DJ17
4M106DJ18
4M106DJ20
4M106DJ21
4M106DJ23
4M106DJ27
4M106DJ32
5L096BA03
5L096CA02
5L096DA02
5L096EA43
5L096FA37
5L096GA41
5L096GA51
(57)【要約】
【課題】ウェハ上のチップの画像における明るさや色味のばらつきの影響を低減してより高精度な欠陥の検出を行うことができる画像検査方法および画像検査装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
画像検査方法は、チップ41の画像データを取得する画像取得ステップと、取得された画像データに含まれる各画素の輝度に基づいてチップ41の輝度ヒストグラムを算出するヒストグラム算出ステップと、算出された輝度ヒストグラムの最頻値に基づいて、欠陥の識別基準である輝度しきい値をチップ41に設定する輝度しきい値設定ステップと、輝度しきい値に基づいて、取得されたチップ41の画像データから、欠陥が含まれる二値化画像データを抽出する抽出ステップと、抽出された二値化画像データに対して欠陥の判定を行う判定ステップとを備える。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップの画像データを取得する画像取得ステップと、
取得された前記画像データに含まれる各画素の輝度に基づいて前記チップのヒストグラムを算出するヒストグラム算出ステップと、
算出された前記ヒストグラムの最頻値に基づいて、欠陥の識別基準である第1しきい値を前記チップに設定する第1しきい値設定ステップと、
前記第1しきい値に基づいて、取得された前記チップの前記画像データから、欠陥が含まれる第1領域を抽出する第1抽出ステップと、
抽出された前記第1領域に対して欠陥の判定を行う判定ステップと
を備えることを特徴とする画像検査方法。
【請求項2】
請求項1に記載の画像検査方法において、
取得された前記画像データを、その色相成分を示す色相画像データに変換する変換ステップと、
前記チップの欠陥を示す色相成分として予め設定された第2しきい値に基づいて、前記色相画像データから、欠陥が含まれる第2領域を抽出する第2抽出ステップと、
前記第1抽出ステップと、前記第2抽出ステップとでそれぞれ抽出された前記第1領域と前記第2領域とを合成して合成領域を生成する合成ステップと、
をさらに備え、
前記判定ステップは、前記合成領域に対して欠陥の判定を行う
ことを特徴とする画像検査方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像検査方法において、
前記判定ステップは、記憶部に記憶されている欠陥に関する情報を参照して欠陥の判定を行うことを特徴とする画像検査方法。
【請求項4】
チップの画像データを取得する画像取得ステップと、
取得された前記画像データを、その色相成分を示す色相画像データに変換する変換ステップと、
前記チップの欠陥を示す色相成分として予め設定された第2しきい値に基づいて、前記色相画像データから、欠陥が含まれる第2領域を抽出する第2抽出ステップと、
抽出された前記第2領域に対して欠陥の判定を行う判定ステップと
を備えることを特徴とする画像検査方法。
【請求項5】
チップの画像データを取得する画像取得部と、
取得された前記画像データに含まれる各画素の輝度に基づいて前記チップのヒストグラムを算出するヒストグラム算出部と、
算出された前記ヒストグラムの最頻値に基づいて、欠陥の識別基準である第1しきい値を前記チップに設定する第1しきい値設定部と、
前記第1しきい値に基づいて、取得された前記チップの前記画像データから、欠陥が含まれる第1領域を抽出する第1抽出部と、
抽出された前記第1領域に対して欠陥の判定を行う判定部と
を備えることを特徴とする画像検査装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像検査装置において、
取得された前記画像データをその色相成分を示す色相画像データに変換する変換部と、
前記チップの欠陥を示す色相成分として予め設定された第2しきい値に基づいて、前記色相画像データから、欠陥が含まれる第2領域を抽出する第2抽出部と、
前記第1抽出部と、前記第2抽出部とがそれぞれ抽出した前記第1領域と前記第2領域とを合成して合成領域を生成する合成部をさらに備え、
前記判定部は、前記合成領域に対して欠陥の判定を行う
ことを特徴とする画像検査装置。
【請求項7】
請求項1から4のいずれか1項に記載の画像検査方法をコンピュータに実行させることを特徴とする画像検査プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像検査方法および画像検査装置に関し、特にウェハ上のチップに対する外観画像検査の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、センサチップの検査工程として、ウェハ上のチップ表面の外観検査が広く用いられている。センサチップの検査工程としては、電気検査が行われ、さらに電気検査では検出できない構造的な強度、センサ特性や耐久性に影響する欠陥を検査する目的で最終的な外観検査が行われる。
【0003】
ウェハ上のチップの外観検査は、ウェハの画像を用いて行われる。例えば、画像検査装置を用いてウェハ上のチップの画像処理を行い、チップの外観を検査して欠陥の有無を判定する。欠陥の有無などが判定できなかったチップについては、画像の目視検査が行われ、欠陥の有無の検査が行われる。
【0004】
従来の画像検査装置では、ウェハ上の例えば約2mm角のチップを顕微鏡を通して同軸照明で撮像する。チップのセンシング部分は中空になっているため、その底面からの反射で輝度斑すなわち濃淡斑が生ずる。そのため、ウェハ上のチップの欠陥を単純な二値化で検出しようとすると、この照明の反射による濃淡斑を欠陥として誤検出してしまうことがあった。
【0005】
例えば、特許文献1は、濃淡パターンのある濃淡層と、この濃淡層の濃淡パターンを覆う被覆層とを備えたウェハ上のチップの欠陥検出を行う技術を開示している。特許文献1では、照明器から照射される照明光は、濃淡層から反射して撮像装置に入射する光よりも、被覆層から反射または散乱されて撮像装置に入射する光の強度が大きい波長であるため、濃淡層の濃淡パターンの影響をより少なくする。
【0006】
また、従来の画像検査手法として、基準画像との差分をとるシェーディング処理がある。しかし、チップの中空部分の底面における形状は、チップによって異なり、チップごとに輝度ムラの位置やその程度が異なる。また、チップごとに明るさの差や色味差もあるため、従来のシェーディング処理を用いたウェハ上のチップの欠陥検査は困難であった。
【0007】
また、別の従来の手法として、フーリエ変換によるシェーディング補正があるが、チップにヒータや温度センサなどの多数のパターンが形成されている場合には使用できなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2018−11048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の画像検査手法では、ウェハ上のチップの画像における明るさや色味のばらつきの影響を受けやすく、十分な精度によるウェハ上のチップの欠陥検査を実現することが困難であり、目視による最終的な外観検査が必要であった。
【0010】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ウェハ上のチップの画像における明るさや色味のばらつきの影響を低減してより高精度な欠陥の検出を行うことができる画像検査方法および画像検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するために、本発明に係る画像検査方法は、チップの画像データを取得する画像取得ステップと、取得された前記画像データに含まれる各画素の輝度に基づいて前記チップのヒストグラムを算出するヒストグラム算出ステップと、算出された前記ヒストグラムの最頻値に基づいて、欠陥の識別基準である第1しきい値を前記チップに設定する第1しきい値設定ステップと、前記第1しきい値に基づいて、取得された前記チップの前記画像データから、欠陥が含まれる第1領域を抽出する第1抽出ステップと、抽出された前記第1領域に対して欠陥の判定を行う判定ステップとを備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る画像検査方法において、取得された前記画像データを、その色相成分を示す色相画像データに変換する変換ステップと、前記チップの欠陥を示す色相成分として予め設定された第2しきい値に基づいて、前記色相画像データから、欠陥が含まれる第2領域を抽出する第2抽出ステップと、前記第1抽出ステップと、前記第2抽出ステップとでそれぞれ抽出された前記第1領域と前記第2領域とを合成して合成領域を生成する合成ステップと、をさらに備え、前記判定ステップは、前記合成領域に対して欠陥の判定を行ってもよい。
【0013】
また、本発明に係る画像検査方法において、前記判定ステップは、記憶部に記憶されている欠陥に関する情報を参照して欠陥の判定を行ってもよい。
【0014】
また、本発明に係る画像検査方法は、チップの画像データを取得する画像取得ステップと、取得された前記画像データを、その色相成分を示す色相画像データに変換する変換ステップと、前記チップの欠陥を示す色相成分として予め設定された第2しきい値に基づいて、前記色相画像データから、欠陥が含まれる第2領域を抽出する第2抽出ステップと、抽出された前記第2領域に対して欠陥の判定を行う判定ステップとを備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る画像検査装置は、チップの画像データを取得する画像取得部と、取得された前記画像データに含まれる各画素の輝度に基づいて前記チップのヒストグラムを算出するヒストグラム算出部と、算出された前記ヒストグラムの最頻値に基づいて、欠陥の識別基準である第1しきい値を前記チップに設定する第1しきい値設定部と、前記第1しきい値に基づいて、取得された前記チップの前記画像データから、欠陥が含まれる第1領域を抽出する第1抽出部と、抽出された前記第1領域に対して欠陥の判定を行う判定部とを備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る画像検査装置において、取得された前記画像データをその色相成分を示す色相画像データに変換する変換部と、前記チップの欠陥を示す色相成分として予め設定された第2しきい値に基づいて、前記色相画像データから、欠陥が含まれる第2領域を抽出する第2抽出部と、前記第1抽出部と、前記第2抽出部とがそれぞれ抽出した前記第1領域と前記第2領域とを合成して合成領域を生成する合成部をさらに備え、前記判定部は、前記合成領域に対して欠陥の判定を行ってもよい。
【0017】
また、本発明に係る画像検査プログラムは、上記画像検査方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、チップの画像データに含まれる各画素の輝度に基づいてそのチップのヒストグラムを算出して、欠陥の識別基準である第1しきい値を設定するので、チップごとの画像における明るさや色味のばらつきの影響を低減してより高精度に欠陥を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像検査装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の第1の実施の形態に係る画像検査装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の第1の実施の形態に係る画像検査装置の動作を説明するフローチャートである。
図4図4は、本発明の第1の実施の形態に係る輝度画像処理のフローチャートである。
図5図5は、本発明の第1の実施の形態に係る輝度しきい値の説明図である。
図6図6は、本発明の第2の実施の形態に係る画像検査装置の構成を示すブロック図である。
図7図7は、本発明の第2の実施の形態に係る画像検査装置の動作を説明するフローチャートである。
図8図8は、本発明の第2の実施の形態に係る色相画像処理のフローチャートである。
図9図9は、本発明の第2の実施の形態に係る色相画像処理の説明図である。
図10図10は、本発明の第2の実施の形態に係る色相画像処理の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図1から図10を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像検査装置1の構成を示すブロック図である。
画像検査装置1は、カメラ2によって撮像されたテーブル3に設置された検査対象のウェハ4上のチップ41の画像に基づいて、チップ41の欠陥の判定を行う。
【0021】
カメラ2は、画像検査装置1に接続されており、検査対象であるウェハ4上のチップ41の光学像を撮像する。カメラ2は、2次元CCDなどのイメージセンサを用い、受光面(図示しない)に結像された光学像を電気信号に変換する。カメラ2には、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色が並んだベイヤ配列からなるカラーフィルタ(図示しない)が設置され、カラーフィルタを通過した光を撮像する。本実施の形態では、カメラ2から出力される画像信号は、カラー画像データを示す。
【0022】
カメラ2は、例えば、ウェハ4上のチップ41を複数のエリアに分割して撮像する。
【0023】
テーブル3には、検査対象のウェハ4が設置される。
ウェハ4には、例えば、マイクロフローセンサなどのチップ41が形成されている。チップ41は、微細なシリコンチップの表面上に形成された絶縁膜層を有し、中央にダイアフラム部などの中空部分が形成され、温度センサなどのセンサが白金薄膜で形成されている。
【0024】
ウェハ4上のチップ41は、例えばクラックなどの強度に影響する欠陥や、パターン異常などのセンサ特性に影響する欠陥や、Pt露出などの耐久性に影響する欠陥を含む場合がある。画像検査装置1は、これらの欠陥を検出し、検出された欠陥が、クラックであるか、パターン異常であるのかなどの判定を行う。
【0025】
次に、画像検査装置1の各構成について説明する。
画像検査装置1は、画像取得部10、輝度画像処理部11、記憶部12、判定部13、および表示部14を備える。
【0026】
画像取得部10は、カメラ2によって撮像されたウェハ4上のチップ41のカラー画像信号を取得する。より詳細には、画像取得部10は複数のチップ41それぞれにおける複数のエリアごとのカラー画像信号を取得する。取得されたチップ41の画像データは、記憶部12に記憶される。
【0027】
輝度画像処理部11は、輝度ヒストグラム算出部110、輝度しきい値設定部(第1しきい値設定部)111、グレースケール画像生成部112、および抽出部(第1抽出部)113を備える。
輝度画像処理部11は、画像取得部10が取得したチップ41の画像データを輝度に基づいて画像処理し、欠陥を含む領域の二値化された画像データを生成する。
【0028】
輝度ヒストグラム算出部110は、記憶部12からチップ41の画像データを読み出して、チップ41の画像データ毎に、画像データに含まれる各画素の輝度に基づくヒストグラムを算出する。より詳細には、輝度ヒストグラム算出部110は、チップ41の画像データごとに、画像の輝度分布を表すヒストグラムを算出し、ヒストグラム毎の最頻値を求める。算出されたヒストグラムは、画像データおよび最頻値と紐づけられて記憶部12に記憶される。
【0029】
輝度しきい値設定部111は、輝度ヒストグラム算出部110によって算出されたヒストグラムの最頻値に基づいて、ウェハ4上のチップ41における欠陥の識別基準である輝度しきい値(第1しきい値)をチップ41の画像データ毎に設定する。輝度しきい値は、最頻値に連動するように設定される。輝度しきい値は、画像データに関連付けて記憶部12に記憶される。
【0030】
グレースケール画像生成部112は、チップ41のカラー画像データを256階調の、白黒の濃淡を表現するグレースケールの画像データに変換する。変換されたグレースケールの画像データは、対応するカラー画像データと関連付けて記憶部12に記憶される。
【0031】
抽出部113は、輝度しきい値に基づいて、グレースケール画像生成部112によって得られたチップ41のグレースケールの画像データから、欠陥が含まれる領域を抽出する。より詳細には、抽出部113は、輝度しきい値設定部111によって設定された輝度しきい値を用いて輝度しきい値よりも明るい領域と暗い領域とを分割し、白と黒の二値化画像データに変換する。この場合、グレースケールの画像データにおいて輝度しきい値より暗い領域はすべて黒、輝度しきい値より明るい領域はすべて白とする二値化画像データ(第1領域)が抽出される。抽出された画像データ毎の二値化画像データは、記憶部12に記憶される。
【0032】
なお、抽出部113は、グレースケールの画像データから輝度に基づいて二値化画像データを抽出する代わりに、RGBのカラー画像データからHSV(色相(H)、彩度(S)、明度(V))色空間の画像データに変換したうえで、明度(V)に基づいて二値化画像データを抽出してもよい。
【0033】
記憶部12は、チップ41のカラー画像データごとの輝度ヒストグラム、輝度しきい値、グレースケールの画像データ、および二値化画像データなどを記憶する。
【0034】
判定部13は、輝度画像処理部11によってチップ41の画像データ毎に求められた二値化画像データに基づいて、欠陥の判定を行う。より詳細には、判定部13は、予め分類および定義されている欠陥のデータを参照して、二値化画像データがいずれの欠陥に該当するかを判定する。
【0035】
表示部14は、抽出部113によって抽出された二値化画像データや、判定部13による判定結果を表示する。
【0036】
[画像検査装置のハードウェア構成]
次に、本実施の形態に係る画像検査装置1のハードウェア構成について、図2を参照して説明する。
【0037】
図2に示すように、画像検査装置1は、バス101を介して接続されるCPU103と主記憶装置104とを有する演算装置102、通信制御装置105、外部記憶装置106、表示装置107、I/F108、カメラ109等を備えるコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。
【0038】
CPU103と主記憶装置104とは、演算装置102を構成する。主記憶装置104には、CPU103が各種制御や演算を行うためのプログラムが予め格納されている。
【0039】
通信制御装置105は、画像検査装置1と各種外部電子機器との間をネットワーク接続するための制御装置である。本実施の形態では、画像検査装置1は、ネットワークを介して図示しない管理サーバなどに接続されていてもよい。
【0040】
外部記憶装置106は、読み書き可能な記憶媒体と、その記憶媒体に対してプログラムやデータなどの各種情報を読み書きするための駆動装置とで構成されている。外部記憶装置106には、記憶媒体としてハードディスクやフラッシュメモリなどの半導体メモリを使用することができる。外部記憶装置106は、画像情報記憶部106a、欠陥情報記憶部106b、プログラム格納部106c、図示しないその他の格納装置で、例えば、この外部記憶装置106内に格納されているプログラムやデータなどをバックアップするための格納装置などを有することができる。
【0041】
画像情報記憶部106aは、図1で説明した記憶部12に対応する。
欠陥情報記憶部106bには、予め定義された欠陥に関する情報が記憶されている。
【0042】
プログラム格納部106cには、本実施の形態における輝度ヒストグラム算出処理、輝度しきい値設定処理、画像変換処理、二値化画像データの抽出処理や判定処理などの画像検査に必要な処理を実行するための各種プログラムが格納されている。
【0043】
表示装置107は、液晶ディスプレイなどによって構成される。表示装置107により図1で説明した表示部14が実現される。
【0044】
I/F108は、各種機器を接続するためのインターフェースである。本実施の形態では、カメラ109が接続されており、I/F108を介してチップ41の画像データが取得される。
カメラ109は、図1で説明したカメラ2に対応する。
【0045】
[画像検査装置の動作]
次に、上述した構成を有する画像検査装置1がウェハ4上のチップ41の欠陥を検査する際の動作について、図3のフローチャートを参照して説明する。まず、画像検査装置1の画像取得部10は、カメラ2によって撮像されたウェハ4上のチップ41の画像データを取得する(ステップS1)。
【0046】
次に、輝度画像処理部11は、画像取得部10によって取得された画像データ毎に輝度に基づく画像処理を行う(ステップS2)。
【0047】
ここで、図4を用いて輝度画像処理部11による輝度画像処理について説明する。
輝度ヒストグラム算出部110は、画像取得部10によって取得されたチップ41のカラー画像データのヒストグラムを算出する(ステップS120)。前述したように、輝度ヒストグラム算出部110は、チップ41の画像データ毎に輝度ヒストグラムを算出する。
【0048】
次に、輝度しきい値設定部111は、ステップS120で算出されたチップ41の画像データ毎の輝度ヒストグラムにおける最頻値を求め、その最頻値に基づいて、欠陥の識別基準となる輝度しきい値を輝度ヒストグラム毎に設定する(ステップS121)。
【0049】
その後、グレースケール画像生成部112は、画像取得部10によって取得されたチップ41のカラー画像データをグレースケールの画像データに変換する(ステップS122)。
次に、抽出部113は、ステップS121で設定された輝度しきい値に基づいて、チップ41のカラー画像データに対応するグレースケール画像データの二値化画像データを抽出する。
【0050】
図5の(a)および(b)に示すように、チップ41のカラー画像データ毎に算出された輝度ヒストグラムにおいて、(a)では、最頻値=102、(b)では最頻値=95が得られている。これらの最頻値に基づいて、欠陥の識別基準となる輝度しきい値がそれぞれ設定される。図5の(a)では、輝度しきい値=88であるのに対し、(b)では、輝度しきい値=81と、画像データ毎に異なる輝度しきい値が設定されている。
【0051】
次に、図3のフローチャートにおいて、判定部13は、画像データ毎に抽出された二値化画像データについて、予め定義されている欠陥情報を参照し、二値化画像データが示す欠陥がいずれの分類に属する欠陥であるかなどを判定する(ステップS3)。最後に、表示部14は、判定結果を画面に表示する(ステップS4)。
【0052】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、ウェハ4上のチップ41の画像データ毎に欠陥の識別基準となる輝度しきい値を設定するため、画像データ毎に異なる明るさや色味のばらつきの影響が低減された、より高精度な欠陥の検出が実現される。すなわち、画像データ毎の明るさと色味のばらつきに連動した輝度しきい値を設定して画像検査を行うため、誤検出や見逃しを改善することができる。
【0053】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、上述した第1の実施の形態と同じ構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0054】
第1の実施の形態では、画像検査装置1は、輝度画像処理部11を有し、ウェハ4上のチップ41の画像データ毎に輝度しきい値を設定して、二値化画像データを抽出する場合について説明した。これに対して、第2の実施の形態では、画像検査装置1Aは、色相画像処理部15および結合部(合成部)16をさらに備える点で第1の実施の形態に係る画像検査装置1とは異なる。
【0055】
[第2の実施の形態に係る画像検査装置の概要]
まず、第2の実施の形態に係る画像検査装置1Aの概要について説明する。
ウェハ4上のチップ41において、例えば、ダイアフラムが形成される領域は中空状態になっている。このような領域は、ウェットエッチングにより彫り込まれるが、例えば、同軸落射照明を照射した場合に、ダイアフラム部の底面からの反射で輝度ムラが発生する。
【0056】
また、チップ41により底面形状にばらつきがあり、輝度ムラの位置や程度も異なるため、従来から用いられている手法である基準画像との差分検出を行っても欠陥の検出とともに輝度ムラも検出してしまう場合がある。
【0057】
このような照明の反射による輝度ムラを欠陥として誤検出してしまうことに対して、本実施の形態に係る画像検査装置1Aは、画像の明るさが異なっても色合いは変わらないという特徴に着目し、チップ41の画像における色合いを示す色相画像データから二値化画像データを抽出する。
【0058】
[画像検査装置の構成]
図6は、第2の実施の形態に係る画像検査装置1Aの構成を示すブロック図である。
以下、画像検査装置1Aにおいて、第1の実施の形態に係る画像検査装置1と異なる構成を中心に説明する。
【0059】
色相画像処理部15は、色相画像生成部(変換部)150、色相しきい値設定部(第2しきい値設定部)151、および抽出部(第2抽出部)152を備える。
色相画像処理部15は、予め設定された色相の範囲に対応する色相しきい値(第2しきい値)に基づいて、ウェハ4上のチップ41の画像データから二値化画像データ(第2領域)を抽出する。
【0060】
色相画像生成部150は、画像取得部10によって取得されたチップ41のカラー画像データを256階調の色相画像データに変換する。より具体的には、色相画像生成部150は、カラー画像を、HSV色空間の色相(H)画像データに変換する。得られた色相画像データは、記憶部12に記憶される。
【0061】
色相しきい値設定部151は、予め設定された所望の色合いに対応する色相しきい値を画像データ毎に設定する。設定された色相しきい値は、記憶部12に記憶される。例えば、Pt露出など、予め分類された特定の欠陥に対応する色相しきい値が設定される。
【0062】
抽出部152は、色相画像生成部150によって変換されて得られたチップ41の色相画像データから二値化画像データを抽出する。抽出された二値化画像データは、画像データと関連付けて記憶部12に記憶される。
【0063】
結合部16は、輝度画像処理部11の抽出部113によって抽出された画像データ毎に設定された輝度しきい値に基づく二値化画像データと、色相画像処理部15の抽出部152によって抽出された画像データ毎に設定された色相しきい値に基づく二値化画像データとを合成し、合成二値化画像データ(合成領域)を生成する。生成された合成二値化画像データは、画像データと関連付けて記憶部12に記憶される。
【0064】
より具体的には、結合部16は、輝度画像処理部11の抽出部113が抽出した二値化画像データと、色相画像処理部15の抽出部152によって抽出された二値化画像データとの和領域(OR:重ね合わせ)を取り、欠陥領域を示す合成二値化画像データとして生成する。
【0065】
なお、輝度画像処理部11の抽出部113によって抽出される二値化画像データは、RGBカラー画像データからグレースケールの画像データまたはHSV色空間の画像データに変換してその中の明度(V)について処理することができる。
【0066】
[画像検査装置の動作]
次に、図7および図8のフローチャートを用いて、画像検査装置1Aの動作について説明する。
まず、画像取得部10は、カメラ2によって撮像されたウェハ4上のチップ41の画像データを取得する(ステップS20)。次に、輝度画像処理部11は、画像データ毎に輝度画像処理を行い、画像データ毎に設定された輝度しきい値に基づいて、画像データから二値化画像データを抽出する(ステップS21)。
【0067】
次に、色相画像処理部15は画像取得部10によって取得されたチップ41の画像データについて、色相画像処理を行う(ステップS22)。
【0068】
図8に示すように、色相画像生成部150は、画像取得部10によって取得されたチップ41のカラー画像データを色相画像データに変換する(ステップS220)。次に、色相しきい値設定部151は、予め設定された所望の色相に対応する色相しきい値を設定する(ステップS221)。
【0069】
その後、抽出部152は、色相画像生成部150によって変換されて得られたチップ41の色相画像データにおいて、設定された色相しきい値に基づいて、二値化画像データを抽出する(ステップS222)。
【0070】
ここで、図9に示すように、カラー画像データとして取得されたチップ41の領域の画像データは、色相画像データに変換され、さらに設定された色相しきい値に基づいて、白と黒とで構成される二値化画像データが抽出されている。
【0071】
また、図10に示すように、チップ41の領域の色相分布を示すヒストグラムにおいて、所望の検出範囲として、赤〜黄色の範囲に相当する色相しきい値が設定されることで、目的の欠陥を抽出することが可能となる。
【0072】
次に、図7に示すように、結合部16は、輝度画像処理部11の抽出部113によって抽出された二値化画像データと、色相画像処理部15の抽出部152によって抽出された二値化画像データとを合成し、合成二値化画像データを生成する(ステップS23)。
【0073】
その後、判定部13は、結合部16によって輝度画像処理部11および色相画像処理部15それぞれの結果が結合された合成二値化画像データについて、予め定義されている欠陥に関する情報を参照して、欠陥の判定を行う(ステップS24)。
【0074】
そして、表示部14は、判定部13による欠陥の判定結果を表示画面に表示する(ステップS25)。
【0075】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、画像検査装置1Aは、画像データの色相画像データから、所望の色合いに対応する色相しきい値に基づいて二値化画像データを抽出するため、輝度ムラを欠陥として誤検出することを抑制し、欠陥の検出精度を向上させることができる。
【0076】
また、第2の実施の形態によれば、画像データ毎に設定された輝度しきい値を用いた二値化画像データと、色相しきい値を用いた色相画像データの二値化画像データとを合成する。これにより、背景と輝度の変化がより少ない異物による欠陥の全体の形状をより明確に検出することができる。その結果として、欠陥の検出精度を十分に向上させ、目視による外観検査を不要とすることができる。
【0077】
以上、本発明の画像検査方法および画像検査装置における実施の形態について説明したが、本発明は説明した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に記載した発明の範囲において当業者が想定し得る各種の変形を行うことが可能である。
【0078】
例えば、説明した実施の形態では、RGBによるカラー画像データが用いられる場合について説明した。しかし、カラー画像データは、例えば、CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、黒)等に基づくものであってもよい。
【符号の説明】
【0079】
1、1A…画像検査装置、2…カメラ、3…テーブル、4…ウェハ、41…チップ、10…画像取得部、11…輝度画像処理部、12…記憶部、13…判定部、14…表示部、15…色相画像処理部、16…結合部、101…バス、102…演算装置、103…CPU、104…主記憶装置、105…通信制御装置、106…外部記憶装置、106a…画像情報記憶部、106b…欠陥情報記憶部、106c…プログラム格納部、107…表示装置、108…I/F、109…カメラ、110…輝度ヒストグラム算出部、111…輝度しきい値設定部、112…グレースケール画像生成部、113、152…抽出部、150…色相画像生成部、151…色相しきい値設定部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10