【課題を解決するための手段】
【0005】
前記アセンブリは、少なくとも1つの温度プローブと、電気絶縁性かつ熱伝導性の材料から構成された少なくとも1つの別個の熱導体とを有し、熱導体が、温度プローブを少なくとも部分的に囲み、電気伝導性要素を支承するための支承面を有することにより、前記課題を解決する。
【0006】
熱導体は電気絶縁性であり、温度プローブを少なくとも部分的に囲むため、空気および沿面距離がいずれも増加して、電気回路(高電圧回路および低電圧回路)を互いに確実に電気絶縁することができる。
【0007】
さらに、本発明による解決策によって、電気伝導性要素との優れた熱結合が可能になるため、温度差および時間遅延を最小限にすることができる。
【0008】
本発明によるアセンブリおよび本発明によるコンタクトアセンブリは、温度を測定する予定の電気伝導性要素と温度プローブとが略ぴったりと熱接続するという利点を有する。熱接続とは、電気伝導性要素から温度プローブに熱を伝導する熱ブリッジを意味するものと理解される。さらに、熱導体および特にその支承面により、熱導体と電気伝導性要素との間または熱導体と温度プローブとの間に生じ得る空隙を防止する、または少なくとも最小限にすることができる。したがって、熱伝達に関して絶縁するように作用する空気層の厚さを低減させることができ、適時の測定が可能になる。
【0009】
本発明による前記コンタクトアセンブリは、本発明による、温度を検出するための少なくとも1つのアセンブリをセンサレセプタクルに配置することにより、前記課題を解決する。
【0010】
本発明によるアセンブリおよび本発明によるコンタクトアセンブリを、以下でより詳細に説明する構成によってさらに改良することができる。この場合、以下で説明する特定の構成の技術的特徴を希望に応じて互いに組み合わせることができ、省略しようとする技術的特徴によって達成される技術的効果が重要でなければ、その技術的特徴を省略することもできる。
【0011】
熱伝導性の材料とは、特に、絶縁材料に関連付けられず、少なくとも0.2W/(mK)の熱伝導性を有する材料を意味するものと理解される。最大数百W/(mK)のより高い熱伝導性を本質的に有することのできる金属が、実際にはより優れた熱導体である(より高い熱伝導性という意味でより優れている)が、金属は電気絶縁を保証しないため、電気伝導性要素と温度プローブとの間の温度の伝達に使用することができない。しかしながら、低電圧電気回路の電気部品を欠陥および/または破壊から保護するために、高電圧電気回路(約1kV)を低電圧電気回路(例えば12ボルト、電気自動車の搭載電子機器)から電気的に分離する必要に迫られている。
【0012】
本発明によるアセンブリの1つの可能な構成において、少なくとも支承面が弾性的かつ可逆的に変形可能である。これは、そのような構成を温度プローブおよび/または温度を測定する予定の電気伝導性要素に物理的に適合させることができるという利点を有する。
【0013】
したがって、熱導体と電気伝導性要素および/または温度プローブとの間にできるだけ広範囲な機械的接触が保証される。電気伝導性要素から温度プローブへの熱伝導を大幅に低減させる絶縁空隙は生じない。
【0014】
少なくとも支承面が可逆的に変形可能であることにより、1つの同じ熱導体を、本質的にわずかに異なる要素に適合させることができる。したがって、起こり得る製造公差にかかわらず、電気伝導性要素との最適な熱結合が常に保証される。
【0015】
本発明によるさらなるアセンブリにおいて、支承面は、少なくとも部分的に凹状に形成される。これは、この種の凹状アセンブリを対応する凸状に形成された電気伝導性要素の周りに部分的に当てることができるという利点を有する。特に、電気伝導性要素を円筒形またはロッド状にして、電気伝導性要素の温度測定点における外径を凹状支承面の半径に対応させることができる。
【0016】
しかしながら、同様に、支承面の任意の形状が考えられ、このような形状は、電気伝導性要素の外形に適合させることができると特に好ましい。
【0017】
特に有利な構成において、完全な別個の熱導体が弾性的かつ可逆的に変形可能である。
【0018】
本発明によるアセンブリのさらなる構成において、熱導体はシリコーンを有していてもよい。シリコーンは、高電圧電気回路を低電圧電気回路から確実に分離することができる優れた電気絶縁体である。
【0019】
いわゆる高充填シリコーンを熱導体として使用できることが特に好ましい。この種の高充填シリコーンは、高熱伝導性材料の微粒子と混合される。微粒子は熱伝導に寄与するが、それにもかかわらず、電気絶縁シリコーンに埋め込まれているため、それ自体が電気絶縁性であるように構成する必要はない。
【0020】
同様に、高充填シリコーンは粒状物を含むことができる。粒状物/ナノ粒子は、特に、ケイ素またはセラミックから構成されていてもよい。ケイ素は本来、特定の電気特性(電気伝導性)を有するが、ケイ素がシリコーンに埋め込まれているため、前記電気特性が作用し始めることはない。
【0021】
粒状物/ナノ粒子はさらに、以下の物質または化合物、すなわち、アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、および窒化ケイ素のうちの1つまたは複数から構成されていてもよい。
【0022】
これらの物質/化合物は、純シリコーンよりも高い熱伝導性を有することができる。さらに、これらの物質/化合物は電気絶縁性(例えば酸化アルミニウム)であってもよく、前述したように、シリコーンの電気絶縁効果による電気熱伝導性(例えばアルミニウムの場合)は、そのような伝導性充填剤の使用を除外するものではない。
【0023】
本発明によるさらなるアセンブリにおいて、少なくとも1つの温度プローブを回路基板に配置してもよい。そのようなアセンブリは、一方で、温度プローブをその位置に固定し、容易に取り付けることができ、他方で、簡単に電気接触させることができるという利点を有する。特に、プリント回路基板(PCB)を使用することができる。
【0024】
特に有利な構成において、回路基板は2つの温度プローブを有することができるため、2つの電気伝導性要素を、起こり得る過熱に関して、同時かつ互いに独立して検査およびモニタすることができる。
【0025】
特に、2つの電気伝導性要素は、電気車両の充電装置用のコンタクトであってもよい。自由に利用可能な充電ステーションの充電プラグまたは充電ソケットは、欠陥を有することがあるため、電気接触が不十分になることがあり、前述したように、ある状況下でソケットまたはプラグの過度の加熱またはさらには破壊が生じることがある。
【0026】
さらに、電気車両の充電ソケットまたは充電プラグにおける適用を用いて、事故電流または未知の降下などの車両デバイスまたは充電デバイスに生じる欠陥を認識し、供給される充電電流を電気接続の質に対応して適合させることができると有利である。
【0027】
本発明によるアセンブリを、温度プローブを少なくとも部分的に、少なくとも三面で囲む熱導体により、さらに改良することができる。そのような温度プローブまたは温度プローブを有する回路基板のU字形の囲いは、沿面距離をさらに増加させることができ、両電気回路の電気絶縁を向上させることができるという利点を有する。
【0028】
特に、U字形熱導体のベースを支承面により形成することができる。U字形熱導体の外側要素は、それらの間で、温度プローブまたは温度プローブを有する回路基板を少なくとも部分的に取り囲むことができる。
【0029】
したがって、本発明によるアセンブリの特に有利な構成において、回路基板の少なくとも1つの部分を、熱導体に差し込むことができる。そのような差込みは、温度プローブを含む回路基板に熱導体を簡単に取り付けることができ、前記熱導体を簡単に交換することができるという利点をさらに有する。
【0030】
本発明によるアセンブリのさらなる構成において、熱導体は少なくとも1つの温度プローブを受容するためのスロットを有する。そのような熱導体のスロットは、回路基板を前記スロットにも差し込むことができるため、断面がU字形に構成された熱導体と同様の利点を有する。特に、スロットをポケットの形状に形成して、スロットに一方の側からのみアクセスできるようにし、スロットのベースからベースを完全に囲む外側壁が、ベースから離れて延びるようにしてもよい。特に、前記外側壁は電気伝導性要素から離れて延びる。
【0031】
したがって、コンタクトアセンブリの特に有利な構成において、温度プローブを回路基板の舌部に構成することができ、前記舌部を熱導体のスロットで受容することができる。回路基板をぴったりと受容することができるため回路基板に加わる機械力効果が単に低いまたはないにもかかわらず、ポケットとして形成されるこの種のスロットを、回路基板に拘束して保持することができる。
【0032】
いわゆる表面実装デバイス(SMD)を使用するのであれば、熱導体がSMDに機械的に接触しないことが必要となり得る。そのような構成においては、熱導体とSMDとの距離をできるだけ小さく選択して、生じる空隙ができるだけ小さくなる(例えば数百μm)ようにすべきである。
【0033】
本発明によるアセンブリは、少なくとも温度プローブを熱導体により完全に囲むことによりさらに改良することができる。温度プローブと熱導体とのそのような分離できない接続は、温度プローブを有害な影響、例えばガスまたは液体から保護する場合に有利となり得る。さらに、温度プローブをそのように囲むことは、自動車分野において典型的な振動によって熱導体が温度プローブから分離されることもないという利点を有する。
【0034】
本発明によるコンタクトアセンブリの対応する構成において、コンタクトアセンブリのセンサレセプタクル内のアセンブリを、熱導体の材料で注封してもよい。言い換えると、温度を検出するためのアセンブリとコンタクトアセンブリのセンサレセプタクルの境界線との間の中間空間を、熱導体の材料で完全に注封または充填する。そのような注封により、前述したように、分離できない接続が得られ、この場合、アセンブリ全体を有害な環境条件および振動から保護する。
【0035】
さらに、熱導体を中空に構成することができ、本発明によるアセンブリのさらなる有利な構成において、熱導体は、電気絶縁外殻と、前記電気絶縁外殻に受容されるさらなる熱伝導性媒体とを備えることができる。そのような構成は、さらなる熱伝導性媒体を選択することにより、到達可能な熱導体の熱伝導性を高めることができるという利点を有する。この場合、さらなる熱伝導性媒体は、絶縁された外殻よりも高い熱伝導性を有することができ、特に、必ずしも電気絶縁性である必要はないことに留意することが重要である。
【0036】
特に、熱導体は、500V超の絶縁破壊電圧を有する。絶縁破壊電圧はさらに高いことが特に好ましく、例えば600V超、700V超、800V超、900V超、特に好ましくは1000V超である。
【0037】
本発明によるコンタクトアセンブリの好ましい構成において、センサレセプタクルを二次掛止要素に形成してもよい。特に、温度を検出するためのアセンブリは二次掛止要素とともに可動であってもよく、熱導体が少なくとも1つのコンタクトレセプタクルに当接する、または前記コンタクトレセプタクルに重なる、二次掛止要素の少なくとも1つの位置を設けることができる。
【0038】
電気伝導性要素をコンタクトレセプタクルで受容することができるため、電気伝導性要素の温度測定が二次掛止要素の少なくとも1つの位置で可能であることが保証される。少なくとも1つの位置は掛止位置に対応することが好ましく、その位置に到達することが、電気伝導性要素による電流接続を開始するために必須条件となり得る。
【0039】
したがって、特に電気車両の直流ソケットまたは直流プラグであり得るコンタクトアセンブリのそのような構成において、通電電気伝導性要素の温度を熱導体に直接接触させ、これにより、少なくとも1つの温度プローブに熱を間接的に伝導することができる。
【0040】
アセンブリは、2つの温度プローブを有することが好ましい。したがって、電気伝導性要素の温度プロファイルを非常に精密かつ略瞬時に追跡し、ある状況下で伝導電流を適合させる、すなわち再調整することができる。
【0041】
したがって、これにより、そのような直流ソケットまたはそのような直流プラグを使用するときの安全性を高めることができる。隣接する要素の電気伝導性要素の過熱を防止することができるため、本発明により寿命を延長することもできる。
【0042】
本発明によるアセンブリまたは本発明によるコンタクトアセンブリを自動車分野で使用することにより、少なくとも熱導体の支承面の標準的かつ可逆的な変形性が有利となる。これは、電気伝導性要素が振動しているときでも、そのような要素を連続して、すなわち振動による中断なく機械的に接触させることができ、前記要素の温度をモニタすることができるからである。
【0043】
したがって、コンタクトアセンブリの損傷、またはさらには電気車両の損傷も防止することができるとともに、高電圧電気回路を低電圧電気回路(搭載電子機器)から絶縁することができる。
【0044】
以下で、添付図面を使用しながら本発明についてさらに詳細に説明する。添付図面は、本発明によるアセンブリおよび本発明によるコンタクトアセンブリの特定の構成を示す。以下に示す構成の技術的特徴を希望に応じて互いに組み合わせることができ、技術的特徴によって達成される技術的効果が重要でなければ、その技術的特徴を他の構成において省略することもできる。記載される特定の構成は意図した保護範囲を限定するものではなく、本発明の複数の可能な構成のいくつかを表すものにすぎない。さらに、本発明によるアセンブリまたは本発明によるコンタクトアセンブリは、特定された数の技術的特徴に限定されず、したがって、例えば、複数の温度プローブ、例えば3個、4個、5個またはそれ以上の温度プローブを有していてもよい。
以下で、同一の技術的特徴および同じ技術的機能を有する技術的特徴には、それぞれ同じ参照数字が与えられる。繰返しの説明を省き、異なる図に示す構成間の違いに明確に言及する。