【解決手段】表示パネル200Aは、第2領域104を囲む第1領域102を有する。表示パネルは、上基板130と、上基板に対向する下基板160と、第1領域内に位置するシール剤150と、上基板、下基板、及びシール剤に閉じ込められた表示媒体層140とを含む。パターン遮光層110が、第1領域で上基板の上面に配置される。光フィルタ層120が、表示パネルの第2領域で上基板に配置される。光フィルタ層は、約300nm〜約410nmの範囲の波長の透過率を少なくとも約20%〜約50%低下させ、約450nm〜約800nmの範囲の波長の光に関する光フィルタ層の透過率は、少なくとも約80%〜95%である。
請求項1に記載の表示パネルにおいて、約500nm〜約800nmの範囲の波長の光に関する前記光フィルタ層の透過率は、少なくとも約85%〜95%である表示パネル。
請求項9に記載の表示パネルにおいて、該表示パネルの前記第1領域における前記パターン遮光層は、該表示パネルの前記第2領域における前記反射防止層の一部と面一である表示パネル。
請求項15に記載の方法において、前記光フィルタ層を約150℃〜約400℃の範囲の温度で約10分間〜約3時間の範囲の時間にわたって焼鈍するステップをさらに含む方法。
請求項15に記載の方法において、前記光フィルタ層の形成前に前記上基板の一部を除去して凹部を形成するステップであり、前記光フィルタ層及び前記パターン遮光層の少なくとも一方を前記凹部内に配置する、凹部を形成するステップをさらに含む方法。
請求項15に記載の方法において、前記パターン遮光層の形成前に疎水層を形成するステップであり、前記疎水層は前記第1領域で空白である、疎水層を形成するステップをさらに含む方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
外部からのUV光が、それらの紫外線に敏感なコンポーネントの老化又は劣化を加速させ且つそれらの紫外線に敏感なコンポーネントに悪影響を及ぼして、液晶パネルの寿命を縮めることがあり得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、本発明は、光フィルタ層を含む表示パネルを対象とする。
【0005】
したがって、本発明は、光フィルタ層を含む表示パネルを製造する方法を対象とする。
【0006】
一実施形態によれば、表示パネルは、第1領域と、第1領域に隣接して位置する第2領域を有し得る。表示パネルは、上基板と、上基板に対向して配置された下基板と、上基板と下基板との間に配置されて表示パネルの第1領域内に位置するシール剤と、上基板、下基板、及びシール剤に閉じ込められた表示媒体層とを含み得る。パターン遮光層が、表示パネルの第1領域で上基板の上面に配置される。光フィルタ層が、第2領域で上基板に配置される。光フィルタ層は、約300nm〜約410nmの範囲の波長の透過率を少なくとも約20%〜約50%低下させることができ、約450nm〜約800nmの範囲の波長の光に関する光フィルタ層の透過率は、少なくとも約80%〜95%であり得る。通常は、表示パネルで用いられる上基板の透過率は、300nmの波長では約30%、410nmの波長では約92%である。
【0007】
一実施形態によれば、光フィルタ層は、表示パネルの第1領域を露出させ得る。
【0008】
一実施形態によれば、約500nm〜約800nmの範囲の波長の光に関する光フィルタ層の透過率は、少なくとも85%〜95%である。
【0009】
一実施形態によれば、光フィルタ層の材料は無機材料であり得る。
【0010】
一実施形態によれば、光フィルタ層の材料は、ZnO又はマグネシウム等の他の金属でのドープZnOを含み得る。
【0011】
一実施形態によれば、光フィルタ層は、複数の薄膜により構成され、複数の薄膜は薄膜毎に異なる材料を含み得る。
【0012】
一実施形態によれば、上基板は表示パネルの第2領域に凹部を有し、光フィルタ層はそこに配置される。
【0013】
一実施形態によれば、上基板は表示パネルの第1領域に凹部を有し、パターン遮光層はそこに配置される。
【0014】
一実施形態によれば、反射防止層が、ディスプレイの第2領域で上基板の上面にさらに配置され得る。
【0015】
一実施形態によれば、表示パネルの第1領域におけるパターン遮光層は、表示パネルの第2領域における反射防止層の一部と面一であり得る。
【0016】
一実施形態によれば、反射防止層は、表示パネルの第1領域に延び得ると共にパターン遮光層と接触し得る。
【0017】
一実施形態によれば、光フィルタ層は、反射防止層の上面と接触し得る。
【0018】
一実施形態によれば、表示パネルは、表示パネルの第2領域に延びる疎水層をさらに含み得る。
【0019】
一実施形態によれば、表示パネルは、表示媒体層に接触した配向層をさらに含むことができ、配向層は有機材料製である。
【0020】
一実施形態によれば、表示パネルを製造する方法は以下のステップを含み得る。第2領域に隣接して第2領域を囲む第1領域に位置するシール剤を介して、上基板を下基板と組み合わせる。表示媒体層を第2領域で上基板と下基板との間に形成し、表示媒体層を上基板、下基板、及びシール剤で閉じ込める。光フィルタ層を表示パネルの第2領域で上基板の上面に形成し、光フィルタ層は、約300nm〜約410nmの範囲の波長の光の透過率を少なくとも約20%〜約50%低下させ、約450nm〜約800nmの範囲の波長の光に関する光フィルタ層の透過率は、少なくとも約80%〜95%である。パターン遮光層を第1領域で上基板の上面に形成する。
【0021】
一実施形態によれば、シール剤はUV硬化型シール剤である。
【0022】
一実施形態によれば、光フィルタ層の形成は、シール剤を介して上基板と下基板とを組み立てる前に行い、光フィルタ層は第1領域を露出させる。
【0023】
一実施形態によれば、シール剤の硬化中にマスクを用いて第2領域を遮蔽し、シール剤の硬化後にマスクを除去する。
【0024】
一実施形態によれば、光フィルタ層はさらに、約150℃〜約400℃の範囲の温度で約10分間〜約3時間の範囲の時間にわたって焼鈍する。
【0025】
一実施形態によれば、光フィルタ層の形成前に上基板の一部を除去して凹部を形成し、光フィルタ層及びパターン遮光層の少なくとも一方を凹部内に配置する。
【0026】
一実施形態によれば、反射防止層を上基板の上面にさらに形成する。
【0027】
一実施形態によれば、パターン遮光層の形成前に疎水層をさらに形成し、疎水層は第1領域で空白である。
【0028】
一実施形態によれば、表示媒体層に接触した配向層をさらに形成し、配向層の材料は有機材料である。
【発明の効果】
【0029】
上記に鑑みて、光フィルタ層は、表示パネルの第2領域で上基板の外面に配置される。光フィルタ層は、入射UV光を減衰させて紫外線に敏感なコンポーネントがUV光照射を受けないようにすることができる。したがって、表示パネルの光フィルタ層は、表示パネルの紫外線に敏感なコンポーネントにとって望ましい保護機能を提供することができる。光フィルタ層の上面を、防塵性又は耐水性を与えるようにさらに機能化することも可能であり得る。
【0030】
添付図面は、本発明の理解を促すために含まれるものであり、本明細書に包含されてその一部を構成する。図面は、本発明の実施形態を示すものであり、説明と併せて本発明の原理を説明する役割を果たす。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図中、疎水層180は、図面の明確化のために実施形態の他のコンポーネントと比べて厚さを大幅に拡大して表されている。
【0033】
次に、添付図面に例を示す本発明の現在の好適な実施形態を詳細に参照する。可能な場合は常に、図面及び説明において同一又は同様の部分を指すのに同じ参照符号を用いる。
【0034】
本発明の開示において、位置関係を説明するために用いられる「要素Aは要素Bの上に配置される」という表現は、要素Aと要素Bとの間に他の要素が全くない場合だけでなく、1つ又は複数の他の要素が要素Aと要素Bとの間に配置される可能性を包含する。
【0035】
図1は、本開示の一実施形態に従って表示パネル100の上面図を概略的に示す。表示パネル100は、第1領域102と、第1領域102に隣接して位置する第2領域104とを含み得る。第1領域102は、上から見るとフレーム状のパターンを有し得ると共に、第2領域104を囲み得る。さらに、表示パネル100は、第1領域102内に位置するパターン遮光層110と、第2領域104内に位置する光フィルタ層120とを含み得る。具体的には、パターン遮光層110は、本実施形態では第1領域102に沿って配置されたフレーム状パターンを有し、光フィルタ層120を囲む。第1領域102は、パターン遮光層110が配置される領域と考えることができ、第2領域104は、光フィルタ層120が配置される領域と考えることができる。
【0036】
表示パネル100は、周辺領域106をさらに含み得る。周辺領域106は、
図1に示すように上から見るとフレーム状パターンを有し得ると共に、第1領域102を囲み得る。換言すれば、周辺領域106は、第1領域102と表示パネル100の外縁E100との間に位置し得る。周辺領域106の一部又は全体が、例えば製造プロセス中に除去されたために代替的な実施形態による表示パネル100には存在しない場合がある。
【0037】
パターン遮光層110は、遮光効果を有する。したがって、表示パネル100の表示光がパターン遮光層110により遮断又は遮蔽されるので、表示画像は、表示区域と考えることができる第2領域104に提示される。可視光に関するパターン遮光層110の透過率は非常に低いので、人間の眼は、パターン遮光層110を通過する可視光を認識できない。光フィルタ層120は、約300nm〜約410nmの範囲の波長の光の透過率を少なくとも約20%〜約50%低下させることができ、約450nm〜約800nmの範囲の波長の光に関する光フィルタ層120の透過率は、少なくとも約80%〜95%である。すなわち、第2領域104における可視光透過率は、第1領域102における可視光透過率よりも大幅に高くなり得るので、表示パネル100の表示画像は、第2領域104に提示される。
【0038】
図2Aは、本開示の一実施形態による表示パネル200Aの断面図を示す。
図2Aの断面図に示すように、表示パネル200Aは、パターン遮光層110と、光フィルタ層120と、上基板130と、表示媒体層140と、シール剤150と、下基板160とを含み得る。具体的には、表示パネル200Aは、
図1に示すものと同様の上面図を有することができ、上面図でのパターン遮光層110及び光フィルタ層120の配置は、
図1に示すものと同様であり得る。
【0039】
具体的には、表示パネル200Aは、第1領域102と、第2領域104と、周辺領域106とを有し得る。上基板130は、下基板160に対向して位置決めされる。表示媒体140は、上基板130と下基板160との間に配置され、シール剤150で囲まれる。さらに、パターン遮光層110及び光フィルタ層120は、両方が上基板130の上面130uに配置される。パターン遮光層110は第1領域102に位置し、光フィルタ層120は第2領域104に位置する。
【0040】
表示パネル220Aは、電極層172及び反射防止層174をさらに含み得る。電極層172は、電極層172が上基板130と表示媒体層140との間に位置するように表示媒体層140に近い上基板130の下面130bに配置される。反射防止層174は、上基板130の上面130uに配置され得る。反射防止層174が上基板130の上面130u全体に延び得る一方で、パターン遮光層110は、第1領域102内で反射防止層174上に配置され得る。反射防止層174の材料は、酸化ケイ素又は酸化チタンであり得る。反射防止層174は、例えばSiO
x−TiO
x−SiO
x−TiO
x−SiO
xの構造を有し得るがそれに限定されない積み重ね多層薄膜であり得る。積み重ね多層薄膜の各SiO
x層の厚さは、5nm〜300nmの範囲にあり得るが、積み重ね多層薄膜の各TiO
x層の厚さは、5nm〜100nmの範囲にあり得る。SiO
x及びTiO
xの550nmの波長での反射率は、それぞれ1.5及び2.3に近いものであり得る。
【0041】
表示媒体層140は、1層の液晶により構成され得るので、上基板130、下基板160、表示媒体層140、及びシール剤150は、液晶セルとして働くことがきるが、それに限定されない。表示パネル200Aはさらに、表示媒体層140の材料を配向させるために2つの配向層142及び144を含み得る。配向層142は、上基板130上に配置されて上基板130と表示媒体層140との間に位置する。配向層144は、下基板160上に配置されて下基板160と表示媒体層140との間に位置する。表示媒体層140は、配向層142及び144と接触することができる。いくつかの実施形態では、表示媒体層140の特性に従って、配向層142及び144の一方のみが存在し得る。いくつかの代替的な実施形態での表示パネル200Aは、配向層を含まない場合がある。配向層142及び144は、無機材料又は有機材料製であり得る。例えば、配向層142及び144の材料は、ポリイミド又は加熱蒸発(thermal evaporation)による斜め蒸着酸化ケイ素であり得る。
【0042】
さらに、図面は下基板160を板状構造として示しているが、下基板160は、ガラス板等の別の支持基板から成るトランジスタアレイ基板、又はシリコンバックプレーン(図示せず)及びその上の薄膜トランジスタアレイ若しくはCOMS(相補型金属酸化膜半導体)素子アレイ等のトランジスタアレイ(図示せず)とすることができ、その場合、トランジスタアレイ及び電極層172を用いて、表示媒体層140を駆動するための駆動電界を提供することができる。いくつかの実施形態では、表示パネル200Aは、薄膜トランジスタ液晶表示(TFT−LCD)パネル又はLCoS(Liquid Crystal on Silicon)表示パネルであり得る。いくつかの代替的な実施形態では、表示パネル200Aの駆動回路設計に基づいて電極層172を省くことができる。電極層172は、ITO製又は導電性且つ表示光に対して透明な他の材料製とすることができ、上基板130はガラス製とすることができるが、これらに限定されない。
【0043】
パターン遮光層110は、表示パネル200Aの第1領域102で反射防止層174上に配置されて反射防止層174の上面174aと接触し得る。パターン遮光層110は、鮮明なパターン及び直線性の良好な縁を呈することができる。光フィルタ層120は、表示パネル200Aの第2領域104で、反射防止層174の上に配置され得る。パターン遮光層110と同様に、光フィルタ層120は、反射防止層174の上面174aと接触することができる。光フィルタ層120の下面120bは、パターン遮光層110の下面110bと面一であり得る。光フィルタ層120は、表示パネル200Aの第2領域104が第1領域102で囲まれるのと同じようにパターン遮光層110で囲まれ得る。
【0044】
光フィルタ層120は、上基板130及び/又は反射防止層174よりもUV光に関して低い透過率を示し得る。例えば、光フィルタ層120は、約300nm〜約410nmの範囲の波長の光の透過率を約20%〜約50%低下させることができる。換言すれば、電極層172、上基板130、及び反射防止層174のスタックを通過する際の約300nm〜約410nmの範囲の波長の光の透過率がX%である場合、電極層172、上基板130、反射防止層174、及び光フィルタ層120のスタックを通過する際の約300nm〜約410nmの範囲の波長の光の透過率がY%であり得ると共に、透過率差(X%−Y%)が少なくとも20%であり得る。換言すれば、光フィルタ層120は、入射UV光の量を低減することにより、表示パネル200Aの敏感なコンポーネントにとって有害な可能性のある放射線からの保護をもたらすことができる。
【0045】
同時に、光フィルタ層120は、高い可視光透過率を示して表示パネル200Aの色忠実度を保つことができる。光フィルタ層120は、例えば、約450nm〜約500nmの範囲の波長の光の少なくとも約80%〜約95%を透過させることができる。いくつかの代替的な実施形態では、約500nm〜約800nmの範囲の波長の光に関する光フィルタ層120の透過率は、85%よりも高く約95%までであり得る。すなわち、光フィルタ層120の存在は、UV光等の光スペクトルの有害部分から光に敏感な(photosensitive)コンポーネントを保護しつつ、色を忠実に再現する表示パネル200Aの能力に影響を及ぼさない。
【0046】
光フィルタ層120は、所望の透過率特性を示す任意の適当な材料製であり得る。いくつかの実施形態では、光フィルタ層120は無機材料製とすることができ、かかる無機材料は、酸化亜鉛又は化学式Zn
(1−x)Mg
xO若しくはZn
(1−x)Mn
xOに従ってマグネシウム又はマンガンでドープした酸化亜鉛を含むことができ、式中、xはドーパント(Mg又はMn)の原子によって置換された亜鉛原子の割合を示す。いくつかの代替的な実施形態では、光フィルタ層120は、複数の異なる材料の膜で構成され得る。例えば、第1膜は酸化亜鉛を含むことができ、第2膜は酸化セリウム又は酸化銅を含むことができる。提示した化学式は例示にすぎず、光フィルタ層120を構成し得る複数の膜の数、順序、又は組成物を制限する意図はない。光フィルタ層120の厚さに特に制限はなく、設計要件に応じて調整することができる。同様に、光フィルタ層120の形状は、任意の所望のパターンに応じて形成できるので、制限を課されない。例えば、光フィルタ層120は、角形又は丸形のコーナを呈し得る。
【0047】
本実施形態では、光フィルタ層120の上面120u及び反射防止層174の上面174aは、周辺領域106ではシラン表面処理等の疎水化を施されて疎水性材料の層を形成し得る。微視的観点では、光フィルタ層120の上面120u及び反射防止層174の上面174aは、周辺領域106では疎水性材料で機能化されて疎水層180を形成することで、疎水性を得ることができる。疎水層180を形成する材料は、シラン、フッ化シラン、長鎖アルコール又は酸を含み得るが、これらに限定されない。疎水層180の厚さは、約0.1ナノメートル〜約90ナノメートルの範囲にあり得る。疎水層180は多数の目的を果たす。例えば、疎水層180は、周囲環境からの浸入水から表示パネル200Aをさらに保護することができる。さらに、露出した疎水層180は、製造プロセス中に鋭い縁及び良好な直線性を有するパターン遮光層110を形成するのに役立ち得る。
【0048】
図2B〜
図2Fには、本開示の一実施形態による
図2Aの表示パネル200Aの製造方法の概略断面図が示されている。
図2Bに示す実施形態では、シール剤150を介して上基板130と下基板160とを組み立て、このとき表示媒体層140を上基板130と下基板160との間に充填してシール剤150で囲む。ブランケット反射防止層174は、上基板130の上面130uに形成することができ、電極層172は、上面130uとは反対側の上基板130の下面130bに形成することができる。さらに、配向層142及び配向層144を、上基板130及び下基板160の上に、いずれも表示媒体層140と物理的に接触させてそれぞれ配置する。本実施形態では、シール剤150はUV硬化型シール剤であり得る。換言すれば、約400nm未満の波長を有する硬化光10(UV光)での照射が必要であり得る。硬化光10は、用いるシール剤150の材料に応じて約365nmの最大強度を有し得る。代替的に、シール剤150は、365nmの波長のUV光で主に硬化し得る。照射ステップ中に必要な硬化光10は、いくつかの既存のコンポーネント、例えば2つの配向層142及び144にとって有害であり得る。例えば、配向層142及び144が有機配向材料製である場合、配向層142及び144は、高線量又はUV光への長期暴露の影響を受けやすい。すなわち、配向層142及び144は、約250ナノメートル(nm)〜約410(nm)の範囲の波長を有する硬化光10で長時間又は強い照射を受けると損傷し得る。したがって、本実施形態では、シール剤150の照射及び硬化のために硬化光10を当てる際に、マスク20を用いて第2領域104を遮蔽する。マスク20は、反射防止層174の上に載せる。こうして、第2領域104におけるコンポーネントは硬化光10から防護され得る。
【0049】
シール剤150の硬化後にマスク20を除去し、
図2Cに示すように、光フィルタ層120をパターン膜蒸着により反射防止層174の上面174aに配置することができる。パターンは、反射防止層174に配置された補助マスク(図示せず)により生成することができる。補助マスクは、第2領域104と一致する領域を露出させる開口を含み得る。第2領域104と一致する領域を露出させるマスクを反射防止層174に載せたら、光フィルタ層120をゾル・ゲル法、スパッタリング、又は原子層堆積により作製することができる。したがって、本実施形態では、光フィルタ層120のパターンが表示パネルの第2領域104を画定することができる。その後、焼鈍ステップをさらに実施して光フィルタ層120の形成を完了することができる。焼鈍ステップは、約150℃〜約400℃の範囲の温度で約10分間〜約3時間の範囲の時間にわたり実施され得る。
【0050】
いくつかの代替的な実施形態では、
図2Dに示すように、シール剤150の硬化前に光フィルタ層120を形成することができる。光フィルタ層120の形成プロセスは、
図2Cに関して説明したものと同様又は実質的に同一であり得る。遮光層120は、硬化プロセス中に第2領域104において硬化光10を遮蔽するマスクとして働くことができる。光フィルタ層120のフィルタリング特性として、光フィルタ層120は、第2領域104内に配置された2つの配向層142及び144を保護することができる。
【0051】
具体的には、光フィルタ層120は、UV光を吸収又は散逸させることができるので、光フィルタ層120が形成されている第2領域104内の透過UV光の強度は、第2領域104の外側、例えばシール剤150が形成される領域の透過UV光の強度よりも低い。したがって、光フィルタ層120が下にあるコンポーネントを光化学的損傷から保護しながら、シール剤150を適切に硬化させることができる。
【0052】
図2Eに示すように、
図2Cのステップ又は
図2Dのステップに続いて、疎水層180を第2領域104における光フィルタ層120の上面120u及び反射防止層174の上面174aに形成することができる。具体的には、
図2Aに示す反射防止層174の上面174aは、3つの部分に分かれることができる。周辺領域106の上面174cは、光フィルタ層120により露出されて機能化され、第2領域104の上面174dは、光フィルタ層120により覆われ、第1領域102の上面174eは、機能化されずに光フィルタ層120により露出される。したがって、露出した上面174eは、隣接する機能化された上面174c及び機能化された光フィルタ層120よりも親水性が高い。
【0053】
この実施形態では、表面機能化ステップ中に第1領域102を覆い第2領域104及び周辺領域106を露出させる補助マスク(図示せず)の使用により、疎水層180のパターンを形成することができる。代替的な実施形態では、ブランケット疎水層を光フィルタ層120及び反射防止層174上に形成した後にパターニングして、疎水層180のパターンを形成することができる。こうして疎水層180は、光フィルタ層120と接触して第2領域104に延びる部分180’と、反射防止層174と接触して周辺領域106にある別の部分180’’とを有するが、疎水層180は第1領域102には存在しない。
【0054】
その後、パターン遮光層110を、インクジェット、スーパーインクジェット、スクリーン、及びAPR印刷技術等の湿式法により第1領域102で上基板130上に形成し、
図2Aに示す表示パネル200Aが形成されるようにする。パターン遮光層110の材料は、有機色素材料を含み得るが、本開示はこれに限定されない。本実施形態では、表示パネル200Aの周辺領域106における反射防止層174の上面174c及び第2領域104における光フィルタ層120の上面120uは、第1領域102における上面174eよりも疎水性が高い。したがって、インク材料は、印刷プロセス中に第2領域104又は周辺領域106に流れ込むことなく第1領域102に均一に広がることができる。こうして、インク材料は、第1領域102内に均一に分布されてしっかりと拘束され得る。その後、硬化プロセスを実施してインク材料を固め、パターン遮光層110を形成することができる。特に、パターン遮光層110は、直線性の良好な鋭い縁を呈することができる。
【0055】
図2Fに、本開示の別の実施形態による表示パネル200Bの断面図を示す。
図2Fに示す表示パネル200Bの構造は、本開示の一実施形態の実施例であり得る。
図2Fに示す表示パネル200Bは、
図2Aに示す表示パネル200Aと同様であり、2つの実施形態において同じ又は同様の参照符号は同じ又は同様の要素又はコンポーネントを示す。
図2Fに示す表示パネル200Bが
図2Aに示す表示パネル200Aと異なるのは、表示パネル200Bのパターン遮光層110が上基板130の上面130uと接触している点である。開口Gが反射防止層174に存在することで、表示パネル200Bの第1領域102において上基板130を露出させ、パターン遮光層110は上基板130に直接堆積される。開口Gは、反射防止層174を2つの部分に分離することができ、一方の部分174’は第2領域104、他方の部分174’’は周辺領域106にある。2つの部分174’及び174’’は面一であり得る。換言すれば、反射防止層174は、表示パネル200Bの第1領域102では空白であり、パターン遮光層110の下面110bは、上基板130の上面130uと物理的に接触する。
【0056】
図2Gに、本開示の別の実施形態による表示パネル200Cの断面図を示す。
図2Gに示す表示パネル200Cは、
図2Fに示す表示パネル200Bと同様であり、2つの実施形態において同じ又は同様の参照符号は同じ又は同様の要素又はコンポーネントを示す。
図2Gに示す表示パネル200Cが
図2Fに示す表示パネル200Bと異なるのは、表示パネル200Cがパターン遮光層110上で第1領域102に延びる反射防止パターン176をさらに含む点である。パターン遮光層110の上面110uは、反射防止パターン176により覆われる。本実施形態では、反射防止層174の2つの部分174’及び174’’が第2領域104及び周辺領域106で上基板130の上面130uと接触している一方で、第1領域102では、パターン遮光層110が反射防止パターン176と上基板130との間に介在している。すなわち、表示パネル200Cでは、反射防止層174の2つの部分174’及び174’’が面一であり得る一方で、反射防止パターン176は反射防止層174と面一ではあり得ない。
【0057】
図2Hに、本開示の別の実施形態による表示パネル200Dの断面図を示す。
図2Hに示す表示パネル200Dの構造は、本開示の一実施形態の実施例であり得る。
図2Hに示す表示パネル200Dは、
図2Aに示す表示パネル200Aと同様であり、2つの実施形態において同じ又は同様の参照符号は同じ又は同様の要素又はコンポーネントを示す。
図2Hに示す表示パネル200Dが
図2Aに示す表示パネル200Aと異なるのは、表示パネル200Dの光フィルタ層120’が第1膜122及び第1膜122上に配置された第2膜124により構成される点である。第1膜122及び第2膜124は、異なる材料製であり得るか又は異なる組成物を有し得る。例えば、第1膜124が酸化亜鉛を含有し得る一方で、第2膜124は酸化セリウムを含み得る。第1膜122は、反射防止層174と第2膜124との間に挟まれる。第2膜124の上面120uを機能化することができ、疎水層180がその上に形成され、これは
図2Aの実施形態と同様である。
【0058】
表示パネル200B、200C、及び200Dは、表示パネル200Aに関して前述し
図2B〜
図2Eに示すのと同様のステップで製造することができる。
【0059】
図3Aに、本開示の別の実施形態による表示パネル300Aの断面図を示す。
図3Aに示す表示パネル300Aの構造は、本開示の一実施形態の実施例であり得る。
図3Aに示す表示パネル300Aは、
図2Aに示す表示パネル200Aと同様であり、2つの実施形態において同じ又は同様の参照符号は同じ又は同様の要素又はコンポーネントを示す。
図3Aに示す表示パネル300Aが
図2Aに示す表示パネル200Aと異なるのは、上基板130’が第2領域104に延びる凹部R130’を有する点である。第2領域104における上基板130’の厚さT104は、第1領域102又は周辺領域106における上基板130’の厚さT102よりも小さい。換言すれば、第1領域102又は周辺領域106における上基板130’の上面130cは、上基板130’の下面130bまでの距離が第2領域104における上基板130’の上面130dよりも遠い。
【0060】
本実施形態では、光フィルタ層120は、凹部R130’内に上基板130’の上面130dと接触して配置することができ、反射防止層174は、表示パネル300Aの第2領域104で光フィルタ層120の上に配置することができる。反射防止層174は、第1領域102及び周辺領域106で上基板130’の上面130cと接触し得ると共に、第2領域104で光フィルタ層120の上面120uと接触し得る。したがって、光フィルタ層120は、凹部R130’内に配置されて反射防止層174と上基板130’との間に挟まれる。
図2Aに示す表示パネル200Aとの別の相違点は、表示パネル300Aでは、疎水層180が第2領域104及び周辺領域106で反射防止層174の上面174aに接触して形成される点である。疎水層180の下面180bは、反射防止層174の上面174aと接触する。
【0061】
本実施形態では、凹部R130’は、上基板130’の一部を第2領域104となるよう設計された領域から除去することにより形成される。凹部R130’は、ドライ(例えばプラズマ)又はウェット(例えばフッ酸での)エッチングプロセスにより形成することができる。エッチングプロセスは、パターン無しの上基板上で、上基板130’のうち除去対象部分を露出させて補助マスク(図示せず)又はパターンフォトレジスト層(図示せず)を用いて実施することができる。エッチングステップ後、第2領域104における上基板130’の厚さT104は、第2領域104外の上基板130’の厚さT102よりも小さい。
【0062】
光フィルタ層120の厚さは、凹部R130’の深さと同様又は実質的に同一であり得るので、光フィルタ層120の上面120uは、第1領域102における上基板130’の上面130cと面一であり得る。光フィルタ層120の形成は、
図2Cで上述したものと同様に実施することができ、その説明はここでは省略する。本実施形態では、光フィルタ層120を形成するために焼鈍ステップも含まれ得る。
【0063】
光フィルタ層120の形成後、ブランケット反射防止層174が上基板130’上に形成されることが図示されている。反射防止層174は、第2領域104の外側で上基板130’の上面130cと接触し得る一方で、第2領域104では光フィルタ層120の上面120uと接触し得る。したがって、本実施形態では、光フィルタ層120は、上基板130’内に埋め込まれて反射防止層174及び上基板130’に閉じ込められる。
【0064】
本実施形態では、光フィルタ層120の形成後にシール剤150を介して上基板130’と下基板160とを組み立てることができるが、表示パネル300Aは、表示媒体層140と上基板130’との間及び表示媒体層140と下基板160との間にそれぞれ形成された配向層142及び配向層144をさらに含むことができる。シール剤150はUV硬化型シール剤であり得る。光フィルタ層120のフィルタリング特性として、光フィルタ層120は、シール剤150の硬化中に2つの配向層142及び144をUV照射から保護することができる。したがって、UV光照射が引き起こす2つの配向層142及び144の損傷を軽減又は防止することができる。
【0065】
シール剤150が硬化されたら、疎水層180を第2領域104及び周辺領域106に形成することができる。本実施形態によれば、疎水層180は、第1領域102を画定する所定の領域では空白及び/又は欠如(absent)であり得る。その後、パターン遮光層110を第1領域102において反射防止層174上にインクジェット印刷プロセス等の印刷プロセスにより形成することで、
図3Aに示す構造が得られるようにする。疎水層180が第1領域102で欠如しているので、パターンが鮮明で縁の直線性が良好なパターン遮光層110を形成することができる。
【0066】
図3Bに、本開示の別の実施形態による表示パネル300Bの断面図を示す。
図3Bに示す表示パネル300Bの構造は、本開示の一実施形態の実施例であり得る。
図3Bに示す表示パネル300Bは、
図3Aに示す表示パネル300Aと同様であり、2つの実施形態において同じ又は同様の参照符号は同じ又は同様の要素又はコンポーネントを示す。
図3Bに示す表示パネル300Bが
図3Aの表示パネル300Aと異なるのは、表示パネル300Bでは、パターン遮光層110が上基板130’の上面130cと接触している点である。具体的には、開口Gが反射防止層174に存在することで、パターン遮光層110が堆積される第1領域102で上基板130’を露出させる。換言すれば、反射防止層174は、表示パネル300Bの第1領域102では欠如しており、パターン遮光層110の下面110bは、第1領域102で上基板130’の上面130cと物理的に接触する。本開示の一実施形態によれば、表示パネル300Bは、表示パネル300Aに関して説明したものと同様のステップに従って製造することができる。
【0067】
図3Cに、本開示の別の実施形態による表示パネル300Cの断面図を示す。
図3Cに示す表示パネル300Cの構造は、本開示の一実施形態の実施例であり得る。
図3Cに示す表示パネル300Cは、
図3Bに示す表示パネル300Bと同様であり、2つの実施形態において同じ又は同様の参照符号は同じ又は同様の要素又はコンポーネントを示す。
図3Cに示す表示パネル300Cが
図3Bの表示パネル300Bと異なるのは、表示パネル300Cでは、反射防止パターン176がパターン遮光層110の上面110uにさらに配置されることである。反射防止層174の材料は、反射防止パターン176の材料と同じであっても異なっていてもよい。
【0068】
反射防止層174の形成を実施した後に、パターン遮光層110を形成し、続いて反射防止パターン176を形成することができる。反射防止パターン174は、第1領域102で上基板130’を露出させる開口Gを有するように上基板130’に形成することができる。パターン遮光層110の形成前に、反射防止パターン174の上面174aを改質してその上に疎水層180を形成させることができ、疎水層180は、第1領域102では欠如している。したがって、第1領域102において、パターンが鮮明で縁の直線性が良好なパターン遮光層110を形成することができる。続いて、反射防止パターン176をパターン遮光層110上に形成することができる。いくつかの代替的な実施形態では、パターン遮光層110の形成後に、反射防止層174及び反射防止パターン176を同時に形成することができる。この実施形態では、疎水層が反射防止パターン176上に形成されないように反射防止パターン176に表面疎水処理を施さなくてもよい。いくつかの代替的な実施形態では、反射防止パターン176の形成後に表面疎水処理を施してもよい。代替的に、パターン遮光層110の形成後に、反射防止層174の上の疎水層180を選択的に除去してもよい。
【0069】
図4Aに、本開示の別の実施形態による表示パネル400Aの断面図を示す。
図4Aに示す表示パネル400Aの構造は、本開示の一実施形態の実施例であり得る。
図4Aに示す表示パネル400Aは、
図3Aに示す表示パネル300Aと同様であり、2つの実施形態において同じ又は同様の参照符号は同じ又は同様の要素又はコンポーネントを示す。
図4Aに示す表示パネル400Aが
図3Aの表示パネル300Aと異なるのは、上基板130’’の凹部R130’’が第1領域102及び第2領域104に延びる点である。第1領域102及び第2領域104における上基板130’’の厚さT104は、周辺領域106における上基板130’’の厚さT106よりも小さい。
【0070】
本実施形態では、パターン遮光層110を光フィルタ層120と共に凹部R130’’内に配置し、パターン遮光層110及び光フィルタ層120は、いずれも上基板130’’の上面130dと接触し、且つ反射防止層174により覆われる。換言すれば、反射防止層174は、周辺領域106で上基板130’’の上面130cと、第2領域104で光フィルタ層120の上面120uと、また第1領域102でパターン遮光層110の上面110uと接触することができる。さらに、表示パネル400Aでは、反射防止層174は、第1領域102、第2領域104、及び周辺領域106に連続的に延びるブランケット層とすることができ、疎水層180は、反射防止層174上に選択的に配置されて表示パネル400Aの第1領域102、第2領域104、及び周辺領域106に連続的に延びることができる。
【0071】
図4Bに、本開示の別の実施形態による表示パネル400Bの断面図を示す。
図4Bに示す表示パネル400Bの構造は、本開示の一実施形態の実施例であり得る。
図4Bに示す表示パネル400Bは、
図4Aに示す表示パネル400Aと同様であり、2つの実施形態において同じ又は同様の参照符号は同じ又は同様の要素又はコンポーネントを示す。
図4Bに示す表示パネル400Bが
図4Aに示す表示パネル400Aと異なるのは、反射防止層174及び疎水層180が表示パネル400Bの第1領域102では欠如している点である。したがって、パターン遮光層110の上面110uは、表示パネル400Bの第1領域102において露出する。
【0072】
図4Cに、本開示の別の実施形態による表示パネル400Cの断面図を示す。
図4Cに示す表示パネル400Cの構造は、本開示の一実施形態の実施例であり得る。
図4Cに示す表示パネル400Cは、
図4Bに示す表示パネル400Bと同様であり、2つの実施形態において同じ又は同様の参照符号は同じ又は同様の要素又はコンポーネントを示す。
図4Cに示す表示パネル400Cが
図4Bの表示パネル400Bと異なるのは、疎水層180が周辺領域106でさらで欠如している点である。すなわち、表示パネル400Cでは、反射防止層174の部分174’’の上面174cが疎水層180により覆われない。
【0073】
図4Dに、本開示の別の実施形態による表示パネル400Dの断面図を示す。
図4Dに示す表示パネル400Dの構造は、本開示の一実施形態の実施例であり得る。
図4Dに示す表示パネル400Dは、
図4Aに示す表示パネル400Aと同様であり、2つの実施形態において同じ又は同様の参照符号は同じ又は同様の要素又はコンポーネントを示す。
図4Dに示す表示パネル400Dが
図4Aの表示パネル400Aと異なるのは、反射防止層174及び疎水層180が周辺領域106で欠如している点である。換言すれば、上基板130’’の上面130cは、表示パネル400Dの周辺領域106において露出する。
【0074】
図5Aに、本開示の別の実施形態による表示パネル500Aの断面図を示す。
図5Aに示す表示パネル500Aの構造は、本開示の一実施形態の実施例であり得る。
図5Aに示す表示パネル500Aは、
図4Dに示す表示パネル400Dと同様であり、2つの実施形態において同じ又は同様の参照符号は同じ又は同様の要素又はコンポーネントを示す。
図5Aに示す表示パネル500Aが
図4Dの表示パネル400Dと異なるのは、上基板130が凹部を一切有しない点である。表示パネル500Aでは、上基板130の上面130uが平坦であり、表示パネル500Aの第1領域102、第2領域104、及び周辺領域106に連続的に延びる。換言すれば、上基板130の厚さT130は、表示パネル500Aの第1領域102、第2領域105、及び周辺領域106で等しい。したがって、パターン遮光層110及び光フィルタ層120は、上基板130内に閉じ込められない。
【0075】
図5Bに、本開示の別の実施形態による表示パネル500Bの断面図を示す。
図5Bに示す表示パネル500Bの構造は、本開示の一実施形態の実施例であり得る。
図5Bに示す表示パネル500Bは、
図5Aに示す表示パネル500Aと同様であり、2つの実施形態において同じ又は同様の参照符号は同じ又は同様の要素又はコンポーネントを示す。
図5Bに示す表示パネル500Bが
図5Aの表示パネル500Aと異なるのは、反射防止層174及び疎水層180が表示パネル500Bの第1領域102に延びない点である。換言すれば、パターン遮光層110の上面110uは、反射防止層174及び疎水層180により露出されない。
【0076】
図5Cに、本開示の別の実施形態による表示パネル500Cの断面図を示す。
図5Cに示す表示パネル500Cの構造は、本開示の一実施形態の実施例であり得る。
図5Cに示す表示パネル500Cは、
図5Bに示す表示パネル500Bと同様であり、2つの実施形態において同じ又は同様の参照符号は同じ又は同様の要素又はコンポーネントを示す。表示パネル500Cが表示パネル500Bと異なるのは、反射防止層174の部分174’’が周辺領域106に延びる点である。反射防止層174の部分174’’は、上基板130の上面130uと接触する。換言すれば、表示パネル500Cでは、上基板130の上面130uが、上に重なる層により完全に覆われる。表示パネル500Cでは、反射防止層174の部分174’及び174’’は面一でなくてもよい。表示パネル500Cでは、反射防止層174の部分174’’、パターン遮光層110、及び光フィルタ層120の全てが、上基板130の上面130uと接触し且つ面一であり得る。本実施形態では、疎水層180は反射防止層174の部分174’’まで延びていなくてもよいが、いくつかの代替的な実施形態では、疎水層180は、反射防止層174の部分174’’上にさらに延びていてもよい。代替的に、疎水層180は、いくつかのさらに他の実施形態では除去してもよい。
【0077】
図6Aに、本開示の別の実施形態による表示パネル600Aの断面図を示す。
図6Aに示す表示パネル600Aの構造は、本開示の一実施形態の実施例であり得る。
図6Aに示す表示パネル600Aは、
図2Aに示す表示パネル200Aと同様であり、2つの実施形態において同じ又は同様の参照符号は同じ又は同様の要素又はコンポーネントを示す。表示パネル600Aが表示パネル200Aと異なるのは、上基板130’’’が表示パネル600Aの第1領域102内に延びる凹部R130’’’を有する点である。第2領域104における上基板130’’’の厚さT104は、第1領域102における上基板130’’’の厚さT102よりも大きい。周辺領域106における上基板130’’’の上面130cは、第2領域104における上基板130’’’の上面130eと面一であるが、2つの上面130c及び130eは、凹部R130’’’が位置する第1領域102における上基板130’’’の上面130dと面一ではない。すなわち、上面130dは、2つの上面130c及び130eよりも上基板130’’’の下面130bに近い。
【0078】
表示パネル600Aでは、パターン遮光層110が上基板130’’’の凹部R130’’’内に配置される一方で、反射防止層174は、上基板130’’’の2つの上面130c及び130eとパターン遮光層110の上面110uとに配置される。さらに、光フィルタ層120は反射防止層174上に配置される。反射防止層174は、表示パネル600Aの第1領域102、第2領域104、及び周辺領域106に連続的に延びる。
【0079】
光フィルタ層120は、表示パネル700Aの第2領域102で反射防止層174の上面174aに配置される。別の言い方をすると、反射防止層174は、第2領域104で光フィルタ層120と上基板130’’’との間に介在している。光フィルタ層120の上面120uを改質することができ、疎水層180がその上に形成される。表示パネル600Aでは、疎水層180は、光フィルタ層120の上面120uの上にのみ形成され得る。すなわち、第2領域104外の反射防止層174の上面174aは疎水化を示さない。
【0080】
図6Bに、本開示の別の実施形態による表示パネル600Bの断面図を示す。
図6Bに示す表示パネル600Bの構造は、本開示の一実施形態の実施例であり得る。
図6Bに示す表示パネル600Cは、
図6Aに示す表示パネル600Aと同様であり、2つの実施形態において同じ又は同様の参照符号は同じ又は同様の要素又はコンポーネントを示す。表示パネル600Bが表示パネル600Aと異なるのは、反射防止層174が周辺領域106に延びない点である。したがって、表示パネル600Bでは、周辺領域106における上基板130’’’の上面130cが露出する。
【0081】
図6Cに、本開示の別の実施形態による表示パネル600Cの断面図を示す。
図6Cに示す表示パネル600Cの構造は、本開示の一実施形態の実施例であり得る。
図6Cに示す表示パネル600Cは、
図6Bに示す表示パネル600Bと同様であり、2つの実施形態において同じ又は同様の参照符号は同じ又は同様の要素又はコンポーネントを示す。表示パネル600Cが表示パネル600Bと異なるのは、反射防止層174が表示パネル700Cの第1領域102において空白である一方で、反射防止層174の部分174’’が周辺領域106に延びる点である。反射防止層174の部分174’’は、上基板130’’’の上面130cと接触する。表示パネル600Cでは、反射防止層174の2つの部分174’及び174’’は、面一であり且つ上基板130’’’の2つの上面130c及び130eそれぞれと接触し得る。
【0082】
図7Aに、本開示の別の実施形態による表示パネル700Aの断面図を示す。
図7Aに示す表示パネル700Aの構造は、本開示の一実施形態の実施例であり得る。
図7Aに示す表示パネル700Aは、
図6Aに示す表示パネル600Aと同様であり、2つの実施形態において同じ又は同様の参照符号は同じ又は同様の要素又はコンポーネントを示す。具体的には、表示パネル700Aでは、第2領域における反射防止層174の部分174’及び光フィルタ層120の相対位置が、表示パネル600Aと比べた場合に入れ替わっている。すなわち、表示パネル700Aでは、光フィルタ層120が上基板130’’’と反射防止層174の部分174’との間に挟まれる。反射防止層174の2つの部分174’及び174’’は面一ではないが、これは、部分174’が光フィルタ層120上に配置される一方で、部分174’’は凹部R130’’’内のパターン遮光層110及び上基板130’’’の上に配置されるからである。さらに、光フィルタ層120の上面120uが反射防止層174の部分174’と接触する一方で、疎水層180は反射防止層184上に形成される。
【0083】
図7Bに、本開示の別の実施形態による表示パネル700Bの断面図を示す。
図7Bに示す表示パネル700Bの構造は、本開示の一実施形態の実施例であり得る。表示パネル700Bは、
図7Aに示す表示パネル700Aと同様であり、2つの実施形態において同じ又は同様の参照符号は同じ又は同様の要素又はコンポーネントを示す。表示パネル700Bが表示パネル700Aと異なるのは、反射防止層174及び疎水層180が表示パネル700Bの周辺領域106では空白及び/又は欠如である点である。すなわち、反射防止層174及び疎水層180は、表示パネル700Bの周辺領域106を覆わない。
【0084】
図7Cに、本開示の別の実施形態による表示パネル700Cの断面図を示す。
図7Cに示す表示パネル700Cの構造は、本開示の一実施形態の実施例であり得る。
図7Cの表示パネル700Cは、
図7Aに示す表示パネル700Aと同様であり、2つの実施形態において同じ又は同様の参照符号は同じ又は同様の要素又はコンポーネントを示す。表示パネル700Cが表示パネル700Aと異なるのは、反射防止層174及び疎水層180が第1領域102において空白である点である。したがって、凹部R130’’’に形成されたパターン遮光層110の上面110uが露出する。
【0085】
上記に鑑みて、本開示の一実施形態による表示パネルは、上基板上にパターン遮光層により囲まれた光フィルタ層を含む。光フィルタ層は、約450nm〜約800nmの範囲の波長の入射光の少なくとも約80%を透過させる一方で、約250nm〜約410nmの範囲の波長の光の透過率を少なくとも20%低下させることができる。したがって、光フィルタ層は、表示パネルの敏感なコンポーネントを光誘起損傷から保護するのに役立ち得る。
【0086】
発明の範囲又は趣旨から逸脱せずに本発明の構造にさまざまな修正及び変更を加えることができることが、当業者には明らかであろう。上記に鑑みて、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内に入る場合は本発明が本発明の修正及び変更を包含することが意図される。表示パネル400A、400B、400C、400D、500A、500B、500C、600A、600B、600C、700A、700B、及び700Cは、本開示において前述したものと同様のステップで製造することができる。