【実施例】
【0029】
[即席麺用品質改良剤の調製]
(1)原材料
1)パーム極度硬化油(融点57℃;ヨウ素価1;横関油脂工業社製)
2)菜種極度硬化油(融点67℃;ヨウ素価1;横関油脂工業社製)
3)大豆極度硬化油(融点67℃;ヨウ素価1;横関油脂工業社製)
4)ポリグリセリン脂肪酸エステル(商品名:ポエムJ−46B;融点約70℃;理研ビタミン社製)
5)グリセリン有機酸脂肪酸エステル(商品名:ポエムB−10;融点約65℃;理研ビタミン社製)
6)ソルビタン脂肪酸エステル(商品名:ポエムS−60;融点約55℃;理研ビタミン社製)
7)中性プロテアーゼ1(商品名:スミチームFP−G;50000U/g;新日本化学工業社製)
8)中性プロテアーゼ2(商品名:スミチームBR;2000U/g;新日本化学工業社製)
9)酸性プロテアーゼ(商品名:スミチームLPL;500000U/g;新日本化学工業社製)
10)弱アルカリ性プロテアーゼ(商品名:スミチームMP;130000U/g;新日本化学工業社製)
11)カルボキシペプチダーゼ(商品名:スミチームACP−G;1000U/g;新日本化学工業社製)
12)α−アミラーゼ(商品名:スミチームL;12000U/g;新日本化学工業社製)
13)β−アミラーゼ(商品名:βアミラーゼ#1500S;15000U/g;ナガセケムテックス社製)
14)ペクチナーゼ(商品名:スミチームPME;1000U/g;新日本化学工業社製)
15)セルラーゼ(商品名:スミチームAC;2000U/g;新日本化学工業社製)
16)ヘミセルラーゼ(商品名:スミチームX;5000U/g;新日本化学工業社製)
【0030】
(2)即席麺用品質改良剤の配合
上記原材料を用いて調製した即席麺用品質改良剤1〜21の配合組成を表1〜3に示す。このうち、表1及び2の即席麺用品質改良剤1〜13は本発明に係る実施例であり、表3の即席麺用品質改良剤14〜21はそれらに対する比較例である。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
(3)即席麺用品質改良剤の調製方法
(3−1)即席麺用品質改良剤1〜18について
表1〜3に示した配合割合に従って原材料を量りとり、300mL容量のガラス製ビーカーに入れて恒温槽で80〜90℃に加熱し、ガラス棒で撹拌して溶融混合した。得られた溶融物を4℃の冷却槽で冷却固化した後、フードミル(商品名:イワタニミルサーIFM−620DG;イワタニ社製)を用いて粉砕し、得られた粉砕物を目開き355μmの篩で篩って、平均粒子径が160μmの粉末状の即席麺用品質改良剤1〜18各90gを得た。
【0035】
(3−2)即席麺用品質改良剤19について
即席麺用品質改良剤19は、原材料が1種類のみであり、当該原材料がフレーク状であるため、これをフードミル(商品名:イワタニミルサーIFM−620DG;イワタニ社製)を用いて粉砕し、得られた粉砕物を目開き355μmの篩で篩って、平均粒子径が125μmの粉末状の即席麺用品質改良剤19を90g得た。
【0036】
(3−3)即席麺用品質改良剤20及び21について
即席麺用品質改良剤20及び21は、原材料が1種類のみであり、当該原材料は、平均粒子径がそれぞれ256μm(中性プロテアーゼ1)及び86μm(弱アルカリ性プロテアーゼ)の粉末状であるため、当該原材料そのものを即席麺用品質改良剤20及び21とした。
【0037】
[即席麺用品質改良剤の評価]
(1)ノンフライ即席麺の調製
準強力粉(商品名:特ナンバーワン;日清製粉社製)700g、アセチル化澱粉(商品名:松谷さくら;松谷化学社製)300g、即席麺用品質改良剤1〜19のうちいずれか各10g又は即席麺用品質改良剤20若しくは21各0.1g、粉末かんすい2g及び食塩12gに水400gを加え、一体型製麺機(型式:MODEL−MG−77;スズキ麺工社製)を用いてミキサーで10分混捏した。得られた麺生地について圧延及び切出し(切刃#20角;麺線厚み1.2mm)を行い麺線とし、これを蒸し器で15分間蒸煮した。次いで、麺用ほぐれ改良剤(商品名:エマテックS−550;理研ビタミン社製)1gを水20mLに加え、スパチュラで撹拌して麺用ほぐれ改良剤の水分散液を調製し、これを蒸煮した麺線83gに全量均一に噴霧した。その後、その麺線を熱風乾燥機により95℃で10分間、110℃で20分間乾燥し、ノンフライ即席麺1〜19を得た。尚、即席麺用品質改良剤20及び21を用いた場合、麺生地のベタツキや麺線の切れのために著しく製麺に支障があったため、ノンフライ即席麺の製造を中止した。また、対照例として、即席麺用品質改良剤を使用しないこと以外は同様に調製し、ノンフライ即席麺20を得た。
【0038】
(2)製麺性の評価試験
上記(1)を実施する際に、表4に示す評価基準に従い10名のパネラーで製麺性を評価した。結果は10名の評点の平均値を求め、以下の基準に従って記号化した。
◎:極めて良好 平均点3.5以上
○:良好 平均点2.5以上、3.5未満
△:やや悪い 平均点1.5以上、2.5未満
×:悪い 平均点1.5未満
【0039】
【表4】
【0040】
(3)湯戻り性及び食感の評価試験
ノンフライ即席麺1〜20に熱湯350gを各々注ぎ、蓋をして5分間放置した後、箸で麺をほぐしてから喫食し、即席麺の湯戻り性、粘弾性及び滑らかさついて官能評価試験を行った。試験では、表5に示す評価基準に従って10名のパネラーで評価し、評点の平均値を求め、以下の基準に従って記号化した。
◎:極めて良好 平均点3.5以上
○:良好 平均点2.5以上、3.5未満
△:やや悪い 平均点1.5以上、2.5未満
×:悪い 平均点1.5未満
【0041】
【表5】
【0042】
(4)結果
上述した(2)及び(3)の評価試験の結果を表6に示した。
【0043】
【表6】
【0044】
本発明の即席麺用品質改良剤1〜13を添加した場合、製麺性、湯戻り性、粘弾性及び滑らかさの全ての評価項目において「○」以上の優れた結果であった。これに対し、比較例の即席麺用品質改良剤14〜19を添加した場合及び対照の場合、製麺性を除く評価項目において「△」以下であり、本発明に比べて劣っていた。また、即席麺用品質改良剤20及び21を添加した場合、製麺性の評価項目において「×」であり、本発明のものに比べて劣っていた。