【解決手段】吸収性物品包装体は、筒状とされた軟質包装材200の第1方向両端がシールされてなる外装体2と、長手方向一端部の取出端部30が取り出し面2a側に位置するように長手方向途中部位で屈曲されて折り畳まれた状態で前記外装体に包装された吸収性物品3と、を備え、前記外装体の前記取り出し面には、前記吸収性物品の取り出し口を形成する際の補助となる切断補助線20が形成されており、前記切断補助線は、前記取出端部に重合する位置となるように且つ前記取出端部に沿って前記第1方向に延びるように形成されている。
長尺とされた軟質包装材の第1方向に延びる切断補助線を連続的に形成する工程と、長手方向途中部位で屈曲されて折り畳まれた吸収性物品を、その長手方向一端部の取出端部が前記切断補助線上に位置するように前記軟質包装材に間隔を空けて載置する載置工程と、前記軟質包装材の前記第1方向とは直交する第2方向の両端部を重ね合わせて前記吸収性物品を包装する工程と、隣り合う前記吸収性物品の間を熱接着しシール部を形成する工程と、該シール部における前記第1方向途中部位を切断する工程とを備えていることを特徴とする吸収性物品包装体の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、一部の図では、他図に付している符号の一部を省略している。
本実施形態に係る吸収性物品包装体1は、筒状とされた軟質包装材200の第1方向両端がシールされてなる外装体2と、長手方向一端部の取出端部30が取り出し面2a側に位置するように長手方向途中部位で屈曲されて折り畳まれた状態で外装体2に包装された吸収性物品3と、を備えている。外装体2の取り出し面2aには、吸収性物品3の取り出し口を形成する際の補助となる切断補助線20が形成されている。切断補助線20は、取出端部30に重合する位置となるように且つ取出端部30に沿って第1方向(MD方向・
図1参照)に延びるように形成されている。以下では、生理用ナプキンとして使用される吸収性物品包装体1を図示しながら詳述する。また以下では、長尺とされた軟質包装材200の長手方向を第1方向(MD方向(流れ方向、Machine Direction))とし、この第1方向とは直交する方向第2方向(横方向、Transverse Direction)として説明する。
【0011】
<吸収性物品>
まずは、
図1〜
図3を参照しながら、吸収性物品包装体1について説明する。
吸収性物品包装体1は、
図1に示すように正面視において略矩形状とされ、外装体2と、吸収性物品3と、剥離シート4とを備えている。
吸収性物品3は、角が丸い縦長矩形状とされ、三つ折にされた状態で外装体2によって個包装されている。吸収性物品は、使用者の肌に当接する肌当接面3aと、これとは逆側で使用者の下着に固定するための粘着面3bとを有している。吸収性物品3は、
図3に示すように肌当接面3aが内側になるように長手方向途中部位で屈曲されて折り畳まれている。吸収性物品3の長手方向両端部30,31のうち、折り畳まれて上方にくる端部が、外装体2を開封して吸収性物品3を取り出す際の取出端部30となる。
【0012】
吸収性物品3の肌当接面3aは透液性とされる一方、粘着面3bは不透液性とされ、肌当接面3aと粘着面3bとの間には、使用者の経血等を吸収するための吸収層(不図示)が設けられる。吸収層の構成は特に限定されないが、パルプ層やパルプと高吸水性ポリマー(SAP)等とが混合された層等としてもよい。粘着面3b側の剥離シート4が設けられる領域には、接着剤層(不図示)が設けられている。この接着剤層の構成も特に限定されないが、エラストマー系、熱硬化性樹脂系、熱可塑性樹脂系等の接着剤からなるものとすることができ、吸収性物品3を使用する際に、吸収性物品3から剥離し易い剥離シート4が構成されればよい。
【0013】
剥離シート4は、略縦長矩形状でなり、吸収性物品3の長手方向両端部30,31及び短手方向の両端部32,33から一定の領域を残し、吸収性物品3よりも小さいサイズとされる。剥離シート4の材質は特に限定されないが、紙、合成樹脂フィルム、不織布等を採用でき、吸収性物品3から剥離する際の剥離音や携帯時に発生する携行音等が低減される材質が望ましい。
【0014】
外装体2は、筒状とされた軟質包装材200の第1方向両端がシールされてなり、吸収性物品3を内装する包装体である。外装体2は、略横長矩形状とされ、外装体2の吸収性物品3を取り出すために開封される取り出し面2aと、取り出し面2aに対向する背面2bと、接着されたシール部2cとを備えている。
【0015】
外装体2の取り出し面2aには、吸収性物品3の取り出し口を形成する際の補助となる切断補助線20が形成されており、切断補助線20は、吸収性物品3の取出端部30に重合する位置となるように且つ取出端部30に沿って第1方向に延びるように形成されている。外装体2を開封する際には、切断補助線20を挟んで両側を使用者が摘まむようにして持ち、両手で外方向に軽く力をかけ切断補助線20を破断していけばよい。そして、このとき、開封される部位が吸収性物品3の取り出し口となる。
図例のものは、切断補助線20よりも、取出端部30が若干上方側に突出した位置(取り出し面2aの第2方向における3分の2付近)に切断補助線20を形成した例を示している。ここで、上述の吸収性物品3の取出端部30に重合する位置とは、吸収性物品3の取出端部30に重なり合う位置をいい、完全に重なる位置に限定されず、その近傍領域も含める。よって、切断補助線20の位置は、
図1に限定されず、吸収性物品3の取出端部30に完全に重なり合う位置の他、切断補助線20よりも取出端部30が若干下方側に位置するものも含める。
【0016】
以上の構成によれば、外装体2の取り出し面2aには、吸収性物品3の取出端部30に沿って第1方向に延びるように切断補助線20が形成されているので、開封方法が一目でわかり易く、開封し易い。また、切断補助線20に沿って外装体2を開封した後、吸収性物品3の取出端部30が取り出し口の近傍に現れるので、外装体2から吸収性物品3を取り出し易い。また吸収性物品3は外装体2によって、いわゆるピロー包装とされており、外装体2としては軟質包装材200が用いられているので、製造効率がよい上、触感に優れ、開封時や携行時の音を軽減できる。
【0017】
軟質包装材200は、特に限定されず、通常公知のフィルム材料を用いることができ、具体的には、熱可塑性樹脂フィルム、不織布、紙、布生地等が挙げられるが、シール部2cをヒートシールにより形成する場合には熱可塑性樹脂フィルムが好ましく用いられる。また、熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリスチレンなどのポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂からから選ばれる1種単独、又は2種以上の混合物などを含む樹脂フィルムを用いることができる。中でも、音の発生を抑制し、且つ製造時の加工適性を考慮すると、ポリオレフィン系樹脂フィルムが好ましく、特に、ポリエチレン系樹脂フィルムが好ましい。また、樹脂フィルムの軟らかさを維持しながら触感を向上させ、且つ包装されている吸収性物品3を外部から視認し難くすることができることから、未延伸であって、且つ表面に梨地加工が施された樹脂フィルムが好ましい。軟質包装材200の厚みは、通常、25μm〜100μm、好ましくは、30μm〜70μmである。軟質包装材200の厚みが25μmを下回ると、外装体2に印刷を施す際に薄くて印刷がし難い。またミシン目をいれる等、加工性にも劣る。一方、厚みが100μmを上回ると厚みが出過ぎて開封性が低下する傾向になる。なお、外装体2の材質については、さらに後述する。
【0018】
外装体2に形成される切断補助線20は、
図1に示すように取り出し面2aの一方端から他方端に亘って直線状に形成されているものとしてもよい。この場合は、吸収性物品3の取り出し口を大きく確保でき、一層、吸収性物品3が取り出し易い。また外装体2には、第1方向とは直交する第2方向に沿って、且つ吸収性物品3が内装される位置より第1方向外方の位置に第2の切断補助線21が形成されているものとしてもよい。
図1の例はまさに第1方向と直交する第2方向に第2の切断補助線21が形成された例である。
このように第1方向とは直交する第2方向に第2の切断補助線21が形成されたものとすれば、吸収性物品3の取り出し口をより大きく確保でき、さらに吸収性物品3が取り出し易い。
【0019】
切断補助線20及び第2の切断補助線21の構成は、外装体2を開封しやすいように吸収性物品3の取り出し口を形成する際の補助となるものであれば、特に限定されないが、
図1等に示すように切り込みが断続して形成されたミシン目としてもよい。このようなミシン目とすれば、初めて使用する使用者にも説明の必要なく、ポケットティッシュを開封するように外装体2を開封することができる。
【0020】
また切断補助線20及び第2の切断補助線21の切り込み部分20aは貫通した切り込みだけなく、半分切り込まれた凹状のハーフカットも含む。このとき、
図1に示すように切断補助線20の切り込み寸法が、第2の切断補助線21の切り込み寸法よりも大とされているものとしてもよい。切断補助線20の切り込み部分20aの寸法が、第2の切断補助線21の切り込み部分21a寸法よりも大とすれば、使用者は切断補助線20の方がミシン目として目立つため、切断補助線20に沿って開封しようとする使用者の心理が働く。また切断補助線20は、吸収性物品3の取出端部30に重合する位置に形成されており、切り込み部分20aが大である切断補助線20に沿って開封されれば、吸収性物品3を取り出し易い。一方、第2の切断補助線21の切り込み部分21a寸法が切断補助線20の切り込み部分20aの寸法より大とすると、第2の切断補助線21の方が目立って、第2の切断補助線21が開封され易くなってしまう。
【0021】
切断補助線20及び第2の切断補助線21をミシン目とした場合の具体的なピッチについては、開封を阻害しない範囲であれば、限定されないが、特に、以下が好適である。切断補助線20の切り込み部分20aは2.0mm〜2.5mm、残存部分20bは0.5mm〜1.0mmとすることが望ましい。また第2の切断補助線21は切り込み部分21aと残存部分21bが等ピッチである方がよく、そのピッチは0.5mm〜1.0mmとすることが望ましい。
切断補助線20の切り込み部分20aは2.0mmよりも小さいと、第2の切断補助線21のピッチとの差がわかりづらくなる。一方、切り込み部分20aは2.5mmより大きいと、携帯しているだけで摺れて開封されてしまうおそれがある。
第2の切断補助線21は切断補助線20の補完的なものであり、0.5mm〜1.0mm程度の等ピッチとすれば、無理な力をかけずに開封していくことができる。よって、第2の切断補助線21の切り込み部分21aが0.5mmより小さいと開封するのに力を要し、第2の切断補助線21の切り込み部分21aが1.0mmより大きいと、切断補助線20の補完的作用が薄らいでしまう。
【0022】
また切断補助線20及び第2の切断補助線21の本数は、図に示すように一本形成されたものでもよいし、複数本を並列に形成する構成としてもよい。複数本である場合、隣り合う一方のミシン目の切り込み部分と他方のミシン目の残存部分が隣り合うように、ミシン目が互い違いに位置する方が好ましい。また例えば切断補助線20を二本形成し、第2の切断補助線21は一本形成する等としてもよい。
【0023】
外装体2の背面2bは、外装体2の内部と連通する開口22を備える。背面2bは、軟質包装材200の第2方向両端部同士が重なった状態、詳しくは、軟質包装材200の一端部200aが他端部200bの上方に重ねられた状態とされる(
図2及び
図3参照)。このように外装体2は、その第1方向両端がシールされ、背面2b側は軟質包装材200が重なり合うようにして、吸収性物品3を包装しているため、埃等の侵入を防いだものでありながら、完全密閉でないので、外圧に強いものとすることができる。
【0024】
外装体2は、第1方向両端が接着されたシール部2cを備える。シール部2cは、熱接着(ヒートシール)により形成されている。なお、本実施形態では、熱接着によりシール部2cが形成された例を示しているが、これに限定されず、ホットメルト等の接着剤により、或いはタックシール等の別部材により、シール部2cが形成されていてもよい。
【0025】
<変形例>
次に
図4を参照しながら、吸収性物品包装体1の外装体2に加工される切断補助線20等の変形例について説明する。上述の例(
図1〜
図3に示す例)と共通する箇所には共通の符号を付し、共通する点の説明は極力省略する。また
図4では、説明のため、吸収性物品3の図示は省略しているが、いずれの場合も切断補助線20が、吸収性物品3の取出端部30に重合する位置となるように且つ取出端部30に沿って第1方向に延びるように形成されている点は上述の例と同様である。
【0026】
まず
図4(a)は、切断補助線20が取り出し面2aの略中央位置に第1方向に沿って形成されている。切断補助線20は、吸収性物品3の取出端部30に重合する位置となるように且つ取出端部30に沿って第1方向に延びるように形成されていれば、このように略中央位置であってもよい。この場合、外観がまさにポケットティッシュのようであるので、使用者は抵抗感なく携帯することができる。
【0027】
図4(b)は、第2の切断補助線21が切断補助線20と完全にクロスせずに第2方向の片方向にのみ形成されている例である。また
図4(c)は、第2の切断補助線21が切断補助線20にクロスして形成されているが、第2の切断補助線21の長さが他の例に比べて短い例である。いずれも第2方向に且つ吸収性物品3が内装される位置より外方の位置に第2の切断補助線21が形成されている点は、上述の例と同様である。
このように第2の切断補助線21が、取り出し面2aの一方端から他方端に亘って形成されていなくても、切断補助線20が取り出し面2aの一方端から他方端に亘って形成されているので、開封し易く、吸収性物品3を取り出し易いものとすることができる。
なお、第2の切断補助線21の構成は図例に限定されず、外装体2の背面2bにも形成されるものであってもよい。
【実施例】
【0028】
<外装体の評価>
外装体2として用いることのできる樹脂フィルムの物性評価を行った。
【表1】
表1の評価項目の測定方法は以下のとおりである。
厚み:スプラインマイクロメータ SPM2−25MX(株式会社ミツトヨ製)を用い、JIS K 7130−ISO 4593に準じて測定した。
ヘーズ:ヘーズメーター NDH7000(日本電色工業株式会社製)を用い、JIS Z−8741に準じて測定した。
引張破壊応力及び引張破壊呼びひずみ:JIS K 7127/2/200(1999年)に準じて、15mm×200mmの短冊状の試験片を用い、株式会社島津製作所製 オートグラフAG−X 500Nにより、初期チャック間距離100mm、試験速度毎分200mmで測定した。
引張弾性率:株式会社島津製作所製 オートグラフAG−X 500Nを用い、15mm×200mmの短冊状の試験片を、初期チャック間距離100mm、試験速度毎分10mmで引張った時に得られた応力/ひずみ曲線の最も大きい傾きを引張弾性率とした。
表1の触感及び音の評価は、以下に基いて行った。評価はいずれも〇、△、×の3段階で評価でした。
触感:各種樹脂フィルムを手で触った感触を評価した。
音:各種樹脂フィルムを手で丸めた際に発生する音を評価した。
【0029】
各実施例及び比較例の樹脂フィルムは次のとおりである。
実施例1:梨地加工あり、厚み50μmのポリエチレン系樹脂フィルム
実施例2:梨地加工あり、厚み40μmのポリエチレン系樹脂フィルム
実施例3:梨地加工なし、厚み60μmのポリエチレン系樹脂フィルム
比較例1:梨地加工なし、厚み30μmのポリプロピレン系樹脂フィルム
比較例2:梨地加工なし、厚み25μmのポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム
【0030】
(考察)
実施例1及び実施例2は、梨地加工されているので、ヘーズの数値は高く透過性に乏しい。従って、吸収性物品3を内装した際、吸収性物品3が外部から視認し難く、好ましい。これに対して実施例3、比較例1及び比較例2のヘーズの数値は低く、これは透明な素材であることを示している。また梨地加工により、触感について手触り感がよく、吸収性物品包装体1の特性として好適である。
【0031】
実施例1及び実施例2の樹脂フィルムは、いずれも触感が非常に軟らかく、優しい感触と風合いを持った素材といえる。また、手で丸めてもほとんど音がしなかった。実施例3の樹脂フィルムは、実施例1及び実施例2の樹脂フィルムと比べると、若干硬い触感があるが、比較例1及び比較例2の樹脂フィルムと比べると軟らかい触感を感じた。また実施例3の樹脂フィルムは、丸めたときに少し乾いた音がするものの、耳障りな音ではなかった。一方、比較例1及び比較例2の樹脂フィルムの触感は、いずれも非常に硬い訳ではないが、軟らかいという触感を感じるものではない。比較例1及び比較例2の樹脂フィルムは手で丸めたときにカサカサと音がした。
【0032】
触感及び音の評価の結果から、樹脂フィルムの引張破壊応力の範囲は、MD方向及びTD方向のいずれも10MPa〜50MPaが好ましく、15MPa〜30MPaが特に好ましい。また、引張破壊呼びひずみの範囲は、MD方向及びTD方向のいずれも300%〜1200%が好ましく、400%〜900%が特に好ましい。さらに、MD方向及びTD方向のいずれも引張弾性率の範囲は、10MPa〜1000MPaが好ましく、50MPa〜500MPaが特に好ましい。
実施例3の樹脂フィルムについては、MD方向とTD方向の引張破壊呼びひずみの差が大きく、方向の違いによってフィルムの軟らかさが異なっている。これは、MD方向の動きに対してひずみ難く(換言すれば、フィルムが硬く)そのため、音の評価が実施例1及び2に比してやや劣る結果となったものと推測される。この点を考慮すれば、引張破壊呼びひずみのMD方向とTD方向の比は、MD方向の値を1とした場合、MD方向:TD方向は、通常1:0.5〜1:2、好ましくは1:0.7〜1:1.5、特に好ましくは1:0.8〜1:1.3である。
【0033】
(まとめ)
以上から、実施例1、実施例2及び実施例3の樹脂フィルムは、比較例1及び比較例2の樹脂フィルムと比べて軟らかい素材で音も気にならず、外装体2の素材に適したものといえる。特に実施例1及び実施例2の樹脂フィルムは梨地加工されていることから風合いがよく、軟らかさが感じられ、ミシン目をいれた箇所で開封する際の開封性もよいといえる。また引張破壊応力及び引張破壊呼びひずみに関し、実施例1及び実施例2のMD方向、TD方向の数値に差がないため、上述した切断補助線及び第2の切断補助線を第1方向(MD方向)、第2方向(TD方向)にいれた場合、開封性に差が生じにくいことが裏付けられた。
【0034】
<吸収性物品包装体の製造方法>
次に
図5を参照しながら、上述した吸収性物品包装体1の製造方法を説明する。
なお、以下の工程は一例であって、これに限定されず、例えばミシン工程1、ミシン工程2は逆であってもよいし、ミシン工程2は、シール工程の後であってもよい。
<ミシン工程1、2>
まず長尺とされた軟質包装材200の裏面側を上に向けて設置し、軟質包装材200長手方向に沿った第1方向(MD方向)に延びる切断補助線20を所定の位置に連続的に形成する(エンドレスミシン・
図5(a)参照)。次に切断補助線20と直交する第2方向(TD方向)に沿って第2の切断補助線21を適宜間隔空けて、所定の位置に形成していく(
図5(b)参照)。
このとき、上述のように切断補助線20及び第2の切断補助線21の双方もしくは一方に関し、複数本並列させて設ける場合は、ミシン工程において複数本形成すればよい。
【0035】
<吸収性物品載置工程><三つ折工程><シール・カット工程>
次に長手方向途中部位で屈曲されて折り畳まれた吸収性物品3を、その長手方向一端部の取出端部30が切断補助線20上に位置するように間隔を空けて載置する(
図5(c)参照)。
軟質包装材の第2方向(TD方向)の両端部200a,200bを重ね合わせて吸収性物品3を包装する(
図5(d)参照)。そして隣り合う吸収性物品3,3の間を熱接着しシール部2c,2cを形成し、シール部2cにおける第1方向途中部位を切断すれば(
図5(e)参照)、
図1及び
図2に示す吸収性物品包装体1を得ることができる。
以上によれば、取り出し面2aの一方端から他方端に亘ってミシン目からなる切断補助線20が形成された吸収性物品包装体1を効率よく製造することができる。
【0036】
なお、前記実施形態では、吸収性物品包装体1として、下着に装着して使用する生理用ナプキンを例としているが、これに限定されず、パンティライナー、失禁パッド、おむつ、脇汗パッド等に適用可能である。
吸収性物品包装体1、外装体2の形状、構成も図例に限定されず、例えば外装体2にキャラクターや柄等を印刷してもよいし、吸収性物品包装体1の大きさをポケットティッシュと同じ大きさとし、外観を似せさせたものとしてもよい。この場合、吸収性物品包装体1に対する抵抗感を和らげることができ、携帯しやすいものとなる。また外装体2で包装される吸収性物品3、剥離シート4の構成も図例に限定されず、例えば吸収性物品3は二つ折りでも四つ折りでもよい。また剥離シート4がないタイプのものであってもよいし、吸収性物品3を取り出す際に剥離シート4から吸収性物品3が剥離される構成であってもよい。