【課題】簡単かつ迅速に雌板、雄板および打抜材の位置合わせが可能なストリッピング装置およびストリッピング装置の位置合わせ方法、ならびに簡単な方法で確実にカスを打抜材から分離するストリッピング装置を提供する。
【解決手段】本発明は、雌板1と、雌板1に対向配置された雄板30と、雄板30に取り付けられた押さえ板20を備えたストリッピング装置100において、雌板30は、目印が施された位置合わせ部材を有し、押さえ板20は、目印と合わせることで雌板1と雄板30の位置合わせを行うための標識を備えたことを特徴とする。
雌板と、前記雌板に対向配置された雄板と、前記雄板に取り付けられた押さえ板を備えた打抜き機のストリッピング装置において、前記雌板は、目印が施された位置合わせ部材を有し、前記押さえ板は、前記目印と合わせることで前記雌板と前記雄板の位置合わせを行うための標識を備えたことを特徴とする打抜き機のストリッピング装置。
前記雌板はさらにのぞき窓を有し、前記位置合わせ部材は透明性を有する材質で形成され、前記位置合わせ部材は、前記のぞき窓に埋設もしくは前記のぞき窓の表面に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の打抜き機のストリッピング装置。
前記雌板の目印を打抜材の基準位置と合わせることにより前記雌板と前記打抜材の位置合わせが可能であることを特徴とする請求項1または2記載の打抜き機のストリッピング装置。
前記雌板は、さらに上下動手段に取り付けるための取付部材を備え、前記取付部材は磁石を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載の打抜き機のストリッピング装置。
雌板と、前記雌板に対向配置された雄板と、前記雄板に取り付けられた押さえ板を備えたストリッピング装置の位置合わせ方法において、前記雌板は目印が施された位置合わせ部材を有し、前記押さえ板は標識を備え、前記雌板と前記押さえ板を重ね合わせることにより、前記目印と前記標識を合わせて前記雌板と前記雄板の位置合わせを行うことを特徴とするストリッピング装置の位置合わせ方法。
前記雌板はさらにのぞき窓を有し、前記位置合わせ部材は透明性を有する材質で形成され、前記位置合わせ部材は、前記のぞき窓に埋設もしくは前記のぞき窓の表面に取り付けられていることを特徴とする請求項8記載のストリッピング装置の位置合わせ方法。
前記雌板の下面から前記のぞき窓を通して前記目印と前記標識を合わせることにより、前記雌板と前記雄板の位置合わせを行うことを特徴とする請求項9記載のストリッピング装置の位置合わせ方法。
前記雌板の下面から前記のぞき窓を通して前記目印と打抜材の基準位置を合わせることにより、前記雌板と前記打抜材の位置合わせを行うことを特徴とする請求項9または10記載のストリッピング装置の位置合わせ方法。
前記雌板は、さらに上下動手段に取り付けるための取付部材を備え、前記取付部材は磁石を有することを特徴とする請求項8から12のいずれか一項記載のストリッピング装置の位置合わせ方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今、顧客ニーズの多様化により一枚の打抜材から複数の製品を切り抜くことや大小の孔を組み合わせた複雑な形状の製品を形成する等、様々な形状やデザインの製品を出荷する必要性がでてきた。
このような製品を形成する場合、一度に多数のカスを打抜材から分離する必要性がある。しかしながら、多数のカスを一度に分離するためには打抜材に存在する全ての孔(切り取り線)に対して、雄板の打抜部材の位置および雌板の孔の位置を正確に合わせる必要があり、打抜材の全ての孔に対して目視にて雄板の打抜部材の位置および雌板の孔の位置を合わせることは、作業員にとって大変な労力であった。
そのうえ孔の形状が直径1mm〜2mmと小サイズの場合があるため、そのような小さな孔に対して雄板の位置および雌板の位置を正確に合わせることは非常に難しく、打抜材に歪みや反りが発生しているとさらに位置合わせ作業に時間がかかり、複数の作業員で位置合わせ作業を行う必要性が生じていた。
【0005】
上述の課題から強制的にカスを雌板の孔から下方に落とすために、雌板の下側でかつ打抜材の孔(切り取り線)の位置にピンを設け、雄板の打抜部材とピンでカスを挟み、挟んだ状態で打抜部材とピンを同時に下方に移動することで確実にカスを打抜材から分離することが行われている。
しかしながら上記の方法では、ピンを設けるためのコストやストリッピング装置にピンをセットするための時間がかかるという問題点があり、作業が煩雑となってしまう。
【0006】
そこで本発明は、簡単かつ迅速に雌板、雄板および打抜材の位置合わせが可能なストリッピング装置およびストリッピング装置の位置合わせ方法を提供することであり、さらに簡単な方法で確実にカスを打抜材(シート材)から分離する打抜き機のストリッピング装置及びストリッピング装置の位置合わせ方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、雌板と、前記雌板に対向配置された雄板と、前記雄板に取り付けられた押さえ板を備えたストリッピング装置において、前記雌板は、目印が施された位置合わせ部材を有し、前記押さえ板は、前記目印と合わせることで前記雌板と前記雄板の位置合わせを行うための標識を備えたことを特徴とする。
また本発明は、雌板と、前記雌板に対向配置された雄板と、前記雄板に取り付けられた押さえ板を備えたストリッピング装置の位置合わせ方法において、前記雌板は目印が施された位置合わせ部材を有し、前記押さえ板は標識を備え、前記雌板と前記押さえ板を重ね合わせることにより、前記目印と前記標識を合わせて前記雌板と前記雄板の位置合わせを行うことを特徴とする。
本発明のストリッピング装置によれば、ストリッピング装置に雌板、雄板、押さえ板を取り付ける前に前記雌板と押さえ板を物理的に重ね合わせ、前記雌板に設けられた目印と押さえ板に設けられた標識を合わせることにより、雌板と雄板の位置合わせを簡単かつ精度よく短時間で行うことが可能となる。よって、多数の孔が設けられた打抜材を打ち抜く際にも、雌板と雄板の位置ずれによりうまく打抜屑(カス)が分離されないといった問題を解消することができ、さらにストリッピング処理を繰り返すうちに、雌板と雄板の位置ずれが発生した場合でも簡単に位置合わせを行うことが可能となる。なお、本発明によれば、前記雄板と押さえ板との位置合わせも、前記雌板の場合と同じように行うことができるとともに、押さえ板を介して打抜板(シート材)との位置合わせも可能である。
【0008】
本発明のストリッピング装置は、前記雌板がさらにのぞき窓を有し、前記位置合わせ部材は透明性を有する材質で形成され、前記位置合わせ部材は、前記のぞき窓に埋設もしくは前記のぞき窓の表面に取り付けられていることを特徴とする。
また本発明のストリッピング装置は、前記雌板の下面から前記のぞき窓を通して前記目印と前記標識を合わせることにより、前記雌板と前記雄板の位置合わせを行うことを特徴とする。
さらに本発明のストリッピング装置の位置合わせ方法は、前記雌板がさらにのぞき窓を有し、前記位置合わせ部材は透明性を有する材質で形成され、前記位置合わせ部材は、前記のぞき窓に埋設もしくは前記のぞき窓の表面に取り付けられていることを特徴とする。
本発明によれば、前記雌板にのぞき窓が形成されており、のぞき窓には透明性を有する位置合わせ部材が設けられているため、前記雌板の下面(背面)から位置合わせ部材に形成された目印をのぞき窓を介して目視することが可能となる。このように目印と押さえ部材の標識の位置合わせ状態や、目印と打抜材(シート材)の基準位置との位置合わせ状態を前記雌板を裏返す等の簡単な操作で目視することができるため、より正確に短時間で位置合わせを行うことが可能となる。
位置合わせ部材は樹脂フィルムで形成されていてもよいし、位置合わせ部材を凸レンズとして機能するように形成し、打抜材(シート材)と前記雌板の位置合わせ箇所が作業者にとって拡大して見えるようにしてもよい。位置合わせ部材を凸レンズとして形成すると、より作業者が位置合わせを行いやすくなる。
【0009】
本発明のストリッピング装置は、前記目印を打抜材(シート材)の基準位置と合わせることにより前記雌板と前記打抜材の位置合わせが可能であることを特徴とする。
また本発明のストリッピング装置は、前記打抜材の基準位置が打抜材クワエ側と打抜材ブランクの欠け部分であることを特徴とする。
さらに本発明のストリッピング装置の位置合わせ方法は、前記雌板の下面から前記のぞき窓を通して前記目印と打抜材の基準位置を合わせることにより、前記雌板と前記打抜材の位置合わせを行うことを特徴とする。
また本発明のストリッピング装置の位置合わせ方法は、前記打抜材の基準位置が打抜材クワエ側と打抜材ブランクの欠け部分であることを特徴とする。
ここで、「打抜材クワエ側」とは、打抜材のうち、機械が挟んで紙送りする箇所のことで、構造上、打抜材クワエ側には抜き加工ができず、打抜材のうち製品として使用しない箇所のことである。
また、「打抜材ブランク」とは、打抜材のうち、製品として使用する箇所のことである。
本発明によれば、打抜材のうち打抜材クワエ側と打抜材ブランクの欠け部分を雌板と位置合わせを行う基準位置として使用し、打抜材の基準位置と雌板の目印を合わせることで、雌板と打抜材を正確に位置合わせすることが可能となる。本発明は打抜材からブランク外周(打抜材クワエ側)を落丁させる事で打抜材クワエ側と打抜材ブランクに欠け部分を設け、この欠け部分を位置合わせに使用する。このような欠け部分を位置合わせに使用することで打抜材に目印を設ける等の追加作業を行う必要がなく簡単に雌板と打抜材の位置合わせを行うことができる。
また欠け部分は、打抜材から不要な箇所(打抜材クワエ側、打抜材クワエ反対側)を取り除く際に必ずできる打抜材の欠けた部分であって、このような欠けた部分は打抜材の左右に2箇所存在する。よって、基準位置を2箇所設けることができ、より正確に位置合わせを行うことが可能となる。
また、製品として使用されない打抜材クワエ側に位置合わせを行うための小孔や四角の孔を設けて基準位置とすることもできる。
このように、雌板の下面(背面)からのぞき窓を介して目印と打抜材の2箇所の基準位置とを合わせることで、より正確かつ迅速に位置合わせを行うことが可能となる。
【0010】
本発明のストリッピング装置は、前記標識が前記押さえ板に設けられた貫通孔であることを特徴とする。
また本発明のストリッピング装置は、前記目印が十字、線または点で形成されていることを特徴とする。
本発明の標識は、のぞき窓から視認しやすいように貫通孔として形成されているが、標識は貫通孔でなくてもよく、押さえ板上に設けられた有色の塗料で形成されたものであってもよい。
また標識の形状は、目印と合わせることができる形状であればどのような形状でもよく、例えば、三角形状、十字形状、米印形状、矢印形状、多角形、円、楕円等、位置合わせに使用する基準箇所が十分目視することができればどのような形状、大きさでもよい。
さらに本発明の目印は十字、点または2本以上の線でもよく、作業者がのぞき窓から目印を視認でき、正確かつ迅速に雌板と打抜材および雌板と押さえ板(雄板)の位置合わせをすることができればどのような目印でもよい。
【0011】
本発明のストリッピング装置は、前記雄板がさらに上下動手段に取り付けるための取付部材を備え、前記取付部材は磁石を有することを特徴とする。
また本発明のストリッピング装置の位置合わせ方法は、前記雄板が、さらに上下動手段に取り付けるための取付部材を備え、前記取付部材は磁石を有することを特徴とする。
雌板と雄板の位置合わせを行った後に雄板をプレス機等の上下動手段に取り付ける必要があるが、雄板の取付作業に手間取ると雄板の位置ずれが再度発生する恐れがある。しかしながら取付部材が磁石で形成されていることにより、磁力によって簡単に雄板をプレス機等の上下動手段に取り付けることができ、雄板取付時の位置ずれを最小限に抑えることが可能で迅速に取付作業を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、雌板に設けられたのぞき窓を介して、雌板、雄板(押さえ板)、打抜材(シート材)の基準位置を視認することにより、打抜材に設けられた孔が小さい場合であっても、簡単かつより正確に短時間で位置合わせを行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施形態のストリッピング装置100を示す模式図である。
【
図2】上記実施形態の雄板30を示す平面図である。
【
図3】上記実施形態の押さえ板20を示す平面図である。
【
図4】上記実施形態の雌板1を示す背面図(下面図)である。
【
図5】上記実施形態の押さえ板20と雌板1の位置合わせ方法を示す図であり、押さえ板2と雌板3が離反している状態を示す説明図である。
【
図6】上記実施形態の押さえ板20と雌板1の位置合わせ方法を示す図であり、押さえ板20と雌板1が接触している状態を示す説明図である。
【
図7】上記実施形態の押さえ板20と雌板1の位置合わせ方法を示す図であり、位置合わせ部材2を介して標識22を目視する状態を示す説明図である。
【
図8】上記実施形態の雌板1および位置合わせ部材2を説明する説明斜視図である。
【
図9】上記実施形態の雌板1の位置合わせ方法の説明図である。
【
図10】上記実施形態の雌板1を下面1b(背面)から目視した場合の説明図である。
【
図11】本発明の第2の実施形態のストリッピング装置100を示す模式図である。
【
図12】上記実施形態の押さえ板20の装着状態を示す斜視図である。
【
図13】上記実施形態の押さえ板20の装着状態を示す斜視図である。
【
図14】上記実施形態の押さえ板20の例を示す斜視図である。
【
図15】上記実施形態の押さえ板20の例を示す斜視図である。
【
図16】上記実施形態の打抜機の位置合わせ用治具の例を示す斜視図である。
【
図17】上記実施形態の打抜機の位置合わせ用治具の例を示す斜視図である。
【
図18】上記実施形態の打抜機の位置合わせ用治具の例を示す斜視図である。
【
図19】上記実施形態の打抜機の位置合わせ用治具の例を示す斜視図である。
【
図20】上記実施形態の打抜機の位置合わせ用治具の取り付け方を説明する平面図である。
【
図21】上記実施形態の打抜機の上下動部材への連結用治具を示す斜視図である。
【
図22】上記実施形態の打抜機の上下動部材への連結用治具を示す斜視図である。
【
図23】上記実施形態の打抜機の上下動部材への連結用治具を示す斜視図である。
【
図24】上記実施形態の打抜機の上下動部材への連結用治具を示す斜視図である。
【
図25】上記実施形態の打抜機の位置合わせ用治具を示す斜視図である。
【
図26】上記実施形態の打抜機の位置合わせ用治具を雌板に連結させた状態を説明する平面図である。
【
図27】上記実施形態の打抜機の雌板と雄板と上下動部材との関係を説明する斜視図である。
【
図28】上記実施形態の打抜機の位置合わせ用治具の例を示す斜視図である。
【
図29】本発明の第2の実施形態のストリッピング装置100の他の例を示す模式図である。
【
図30(a)】上記実施形態の打抜機の位置決め用治具の取り付け方を説明する平面図である。
【
図30(b)】上記実施形態の打抜機の位置決め用治具の取り付け方を説明する平面図である。
【
図31】上記実施形態の打抜機のストリッピング装置を示す断面図である。
【
図32】上記実施形態の打抜機のストリッピング装置を示す断面図である。
【
図33】上記実施形態の打抜機のストリッピング装置を示す断面図である。
【
図34】上記実施形態の打抜機のストリッピング装置を示す断面図である。
【
図35】上記実施形態の打抜機のストリッピング装置を示す断面図である。
【
図36(a)】従来の板支持治具を示す斜視図である。
【
図36(b)】従来の板支持治具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施する具体的な形態について図面を用いて説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態のストリッピング装置100を示す模式図である。
本発明のストリッピング装置100は、切り取り線を有する打抜材(シート材)11から打抜屑(カス)を分離する装置であり、打抜材11の搬送路の下方に設けられた下型としての雌板1と、打抜材11の搬送路の上方に設けられた上型としての雄板30と、押さえ板20を有する。
雌板1と雄板30は、上下に対向配置されて、プレス機等の上下動手段(駆動手段)に相対移動可能に固定される。本実施形態においては、上下動手段の可動部分に雄板30が取り付けられ、上下動手段の固定部分に雌板1が取り付けられているが、上下動手段の可動部分に雌板1が取り付けられ、上下動手段の固定部分に雄板30が取り付けられていてもよい。
雄板30の下面30bには、雄板30と略同一形状の押さえ板20が固定されており、雄板30と押さえ板20は間隔を空けて略平行に取り付けられている。
雄板30が下降すると、押さえ板20と雌板1が接触し、押さえ板20と雌板1との間に挟まれた打抜材11から打抜屑(カス)が切り離されて下方に落下する仕組みとなっている。
雌板1の裏面側には、雌板や雄板を支持する板支持具110が配置されている。本実施の形態の板支持具110は、略コ字状を呈する鋼鉄製であり、ネジ部材71nを使用して雌板1のネジ穴71mと着脱される構成である。
ここで、雌板1が接続する上下動手段Faや雄板30が接続する上下動手段Fbと連結する連結具81を備え、板支持具110の略コ字状の上側側部110aに前記連結具81を係止させる構造にすることができる。すなわち、前記連結具81を前記板支持具110と連結させて、前記上下動手段Faとの連係動作が行えるようになる。
また、前記板支持具71としては、鋼鉄製であり、雌板1又は雄板30に配置される磁石68を介して着脱される。なお、前記板支持具110に磁石68を配して、雌板又は雄板を鋼鉄製にしたり、鋼鉄製の部材を配して、磁力を利用して着脱される(
図33)。すなわち、後述する磁石68が配された板状磁石を有する位置決め用治具61が埋め込まれた雌板1を使用することで、鋼鉄製の板支持具110との連結が可能である。
また、クランプ等の連結具81を使用して、そのL型の先端部を板支持具110の上方側部10aに係止して連結することができる(
図34)。また、前記コ字形状の板支持具110の下側側部にネジ部材71nとネジ穴71mを設けて着脱すると、ネジ部材71nが他の部材と接触し難い構造になる。その上下の一方側部71aにネジ部材71nで着脱されることにより、ネジ部材71nの位置が他方側部71bに隠れるようにして取り付けられる。前記板支持具110は略コ字状又は略I字状を呈して、その上下の一方側部110aにネジ部材71nで着脱されることから、ネジ部材71nの位置が隠れるようにして取り付けられる。
上下動手段Fa,Fbは、枠体の中に縦フレーム82を備え(縦横の縦フレーム82を備え)、これに交叉するように前記板支持具110が配置される(
図35)。そして、交差する所定箇所ではクランプ等の連結具82で連結される。すなわち、前記連結具82のL型の先端部82aにより、前記板支持具71の上端側71aに引っ掛けるようにして取り付けられている。このように前記板支持具71が上下動手段Fa,Fbの枠体の中に縦フレームF1と交叉するように取り付けられることにより、安定した上下動を図ることができる。なお、前記板支持具110としては、その側面部を背合せにして、略I字形状にして使用することも可能である(
図32(a)(b))。
【0016】
図9は、上記実施形態の雌板1の位置合わせ方法の説明図である。
打抜材11は、合成樹脂製のフィルム、厚紙、薄紙、段ボール等のシート状に形成された打ち抜き対象のシートであり、打抜材ブランク6、打抜材クワエ側7、打抜材クワエ反対側8、打抜材ブランク孔9、打抜材ブランク孔カス10から構成される(
図9)。打抜材11の打抜材ブランク6、打抜材クワエ側7、打抜材クワエ反対側8、打抜材ブランク孔9、打抜材ブランク孔カス10は、ストリッピング処理前は各々が切り取り線で一部結合した状態であるが、ストリッピング装置100に移送されて処理されることにより、各々が分離された状態となる。
本実施の形態においては打抜材ブランク孔9が1つ設けられているが、製品のデザインによって打抜材ブランク孔9の配置、大きさ、個数が異なる。打抜材ブランク孔9と打抜材ブランク孔カス10はストリッピング処理前、切り取り線で結合しているが、ストリッピング処理により雄板30が下降することによって、打抜材ブランク孔9と打抜材ブランク孔カス10が分離し、打抜材ブランク孔カス10は雌板1の孔5を通って下方に落下する。
また本発明は、打抜材11の一箇所(基準位置)と後述する雌板1の位置合わせ部材2の目印4を合わせることによって、雌板1と打抜材11の正確な位置合わせを行うものであるが、本実施の形態においては打抜材11の外周に形成される打抜材クワエ側7と打抜材ブランク6の欠け部分(
図9の円の印内)を打抜材11の位置合わせに使用する基準位置としている。この基準位置は、打抜材11から不要な箇所(打抜材クワエ側7、打抜材クワエ反対側8)を取り除く際に必ずできる打抜材11の欠けた部分であって、このような欠けた部分は打抜材11の左右に2箇所存在するため、基準位置を2箇所設け、正確に雌板1と打抜材11を位置合わせすることができるためである。
ここで、打抜材クワエ側7に小孔や四角の複数の孔を設け、位置合わせを行うための打抜材11の基準位置としてもよい。打抜材11の基準位置を増やすことでより正確に位置合わせを行うことができるようにしてもよい。
【0017】
図2は、上記実施形態の雄板30を示す平面図である。
雄板30は、基板34と、基板34に取り付けられた複数の打抜ピン32と、押さえ板20を接合するための弾性部材31と、雄板30を上下動手段に取り付けるための取付孔33と、取付部材35を有する。
基板34は、略方形状の板状部材であり、ベニヤ板等の合板で上下動手段の可動部分に固定される。
打抜ピン32は、打抜材11に当接して打抜材11から打抜屑(打抜材ブランク孔カス10)を分離するための部材であり、円柱形状や平板状を有する金属材料からなる。打抜ピン32は、少なくとも打抜材ブランク孔9に対してひとつ設けられており、打抜ピン32の下面が雄板30と雌板1が近接した際に打抜材11の打抜材ブランク孔9(打抜材ブランク孔カス10)の中心位置周辺に配置されるように基板34に取り付けられる。
よってストリッピング処理により雄板30が下降すると打抜ピン32も下降し、打抜材ブランク孔9(打抜材ブランク孔カス10)の中心位置に打抜ピン32の下面が当接し、打抜材ブランク孔9と打抜材ブランク孔カス10が分離する。
弾性部材31は、雄板30と押さえ板20を接合するための部材であり、スポンジや合成樹脂等の弾性のある材料で形成される。弾性部材31は、基板34の下面で打抜ピン32が設けられていない箇所に固定され、弾性部材31の下面には押さえ板20が取り付けられる。弾性部材31の弾性力により、雌板1と押さえ板20が接触する際の衝撃を最小限に抑え、雌板1と押さえ板20によって打抜材11を適切な力で挟持することが可能となる。
取付部材35は、取付孔33に取り付ける雄板30を上下動手段に固定するための部材であり、中心部に磁石が設けられている。雌板1と雄板30の位置合わせを行った後に雄板30をプレス機等の上下動手段に取り付ける必要があるが、雄板30の取付作業に手間取ると雄板30の位置ずれが再度発生する恐れがある。しかしながら取付部材35が磁石で形成されていることにより、磁力によって簡単に雄板30をプレス機等の上下動手段に取り付けることが可能となる。
【0018】
図3は、上記実施形態の押さえ板20を示す平面図である。
押さえ板20は、ストリッピング処理の際に打抜材11がずれないように押さえるための略方形状の板状部材であり、合成樹脂等の弾性のある材料で形成される。押さえ板20は、雄板30の打抜ピン32が貫通するための打抜ピン用通孔21と、雄板30と雌板1と位置合わせを行うための標識22を有し、押さえ板20の上面は、雄板30に設けられた弾性部材31に取り付けられている。
押さえ板20を使用してストリッピング処理を行うと、雄板30と雌板1が近接して打抜材11から打抜屑(カス)を分離する際に、押さえ板20が打抜材11全体に当接して打抜材11の位置ずれを防ぐことが可能となる。
打抜ピン用通孔21は、打抜ピン32を通すための孔であり、打抜ピン32の位置および打抜材11の打抜材ブランク孔9(打抜材ブランク孔カス10)の位置に対応して開口している。
標識22は、雄板30と雌板1との位置合わせを行うために設けられた標識である。押さえ板20の標識22と雌板1の位置合わせ部材2の目印4を合わせることにより、雄板30と雌板1との位置合わせを行う。標識22の形状は、本実施の形態においては三角形を2つ組み合わせた形状としたが、雌板1の位置合わせ部材2の目印4と合わせることができる形状であればどのような形状でもよく、例えば、十字形状、米印形状、矢印形状、多角形、円、楕円等、位置合わせに使用する基準箇所が十分目視することができればどのような形状、大きさでもよい。また本実施の形態においては、押さえ板20に三角形の形状の貫通孔を設けることにより標識22を形成していたが、標識22は貫通孔でなくてもよく、押さえ板20上に設けられた有色の塗料で形成されたものであってもよい。
【0019】
図4は、上記実施形態の雌板1を示す背面図(下面図)であり、
図8は、上記実施形態の雌板1および位置合わせ部材2を説明する説明斜視図である。
雌板1は、打抜材11を上面1aに配置する下型であり、基板14と、基板14に設けられたのぞき窓3と、のぞき窓3周辺に設けられた位置合わせ部材2と、複数のストリッピング孔5,5,・・・と、ストリッピング孔5,5・・・に取り付けられたカス落下用ピン12,12・・・と、プレス機等の上下動手段に取り付けるための取付孔13,13・・・を備える。
のぞき窓3は、雌板1を貫通した孔であり、雌板1の下面1b(背面)からのぞき窓3を通して位置合わせ部材2の目印4と打抜材11の位置を目視にて合わせて、さらに位置合わせ部材2の目印4と標識22を目視にて合わせることにより、位置合わせを行うものである。
のぞき窓3の形状は、本実施の形態においては円形であるが、多角形や楕円等、位置合わせに使用する基準箇所が十分目視することができればどのような形状、大きさでもよい。
雌板1に配置されるのぞき窓3の位置であるが、打抜材11の位置合わせに使用する基準位置に対応する位置および押さえ板20の標識22に対応する位置に設けられている。本実施形態においては、打抜材クワエ側7と打抜材ブランク6側の欠け部分(
図2の円の印内)を打抜材11の位置合わせに使用する基準位置としているため、打抜材クワエ側7と打抜材ブランク6側の欠け部分(
図2の円の印内)に対応する雌板1の位置にのぞき窓3を設けている。
雌板1に配置されるのぞき窓3の個数であるが、打抜材側の位置合わせに使用する基準位置をいくつ設けるかによって決定され、本実施例においては打抜材クワエ側7と打抜材ブランク6側の欠け部分は打抜材11の左右2箇所存在するため、のぞき窓3も同様に2箇所の位置に設けられる。
【0020】
位置合わせ部材2は、位置合わせを行うための目印4を記したシート状の部材であり、打抜材11の位置合わせ基準位置と目印4または押さえ板20の標識22と目印4を合わせることで、雄板30と雌板1および打抜材11と雌板1の位置合わせを行うことができる。
位置合わせ部材2は、透明性を有する材質、具体的には樹脂フィルムで形成されたフィルム状の部材であり、のぞき窓3の上面に取り付けるか、のぞき窓3に埋設することで雌板1に取り付ける。
ここで、位置合わせ部材2を樹脂フィルムで形成されたとしたが、位置合わせ部材2を凸レンズとして機能するように形成し、打抜材と雌板1の位置合わせ箇所が作業者にとって拡大して見えるようにしてもよい。位置合わせ部材2を凸レンズとして形成すると、より作業者が位置合わせを行いやすくなる。
位置合わせ部材2に記された目印4であるが、十字、点または2本以上の線、矢印、目盛等、作業者が正確かつ迅速に位置合わせをすることが可能である印であればよい。目印4は黒色でもよいし、わかりやすいように赤等の黒色以外の色で形成されていてもよい。
【0021】
ストリッピング孔5は、打抜材ブランク孔9から分離した打抜材ブランク孔カス10を下方に落とすための通孔であり、打抜材ブランク孔9(打抜材ブランク孔カス10)の下方にそれぞれ配置され、ストリッピング処理を行った際に打抜材11から分離された打抜材ブランク孔カス10をストリッピング孔5から排出することができる。
カス落下用ピン12は、打抜材ブランク孔カス10をストリッピング孔5から確実に落下させるための部材であり、ストリッピング処理において打抜材ブランク孔カス10がストリッピング孔5に差し込まれた際に、打抜材ブランク孔カス10が下方に落下せずに上方から飛び出てしまう等の逆戻りを防止することができる。
【0022】
(第1の実施形態の位置合わせ方法)
図5は上記実施形態の押さえ板20と雌板1の位置合わせ方法を示す図であり、押さえ板2と雌板3が離反している状態を示す説明図である。
図6は、上記実施形態の押さえ板20と雌板1の位置合わせ方法を示す図であり、押さえ板20と雌板1が接触している状態を示す説明図である。
図7は、上記実施形態の押さえ板20と雌板1の位置合わせ方法を示す図であり、位置合わせ部材2を介して標識22を目視する状態を示す説明図である。
図10は、上記実施形態の雌板1を下面1b(背面)から目視した場合の説明図である。
ここで、第1の実施形態のストリッピング装置100の位置合わせ方法に関して説明を行う。
【0023】
まず始めに雌板1と雄板30(押さえ板20)の位置合わせを行う。
事前準備として、雌板1にのぞき窓3をあけて目印4が施された位置合わせ部材2を雌板1の表面に貼るか、もしくはのぞき窓3に埋設する(ステップ1−1)。
ストリッピング装置100に雌板1を固定する(ステップ1−2)。
雄板30および押さえ板20を雌板1の上に配置し、雌板1と押さえ板20を重ね合わせ、雌板1の下面1b(背面)からのぞき窓3を目視して雌板1の目印4と押さえ板20の標識22を合わせて位置合わせを行う(
図5,
図6,
図7)(ステップ1−3)。
雌板1と押さえ板20(雄板30)を位置合わせした後、雄板30を取付部材によって上下動手段に固定する(ステップ1−4)。
このように雌板1と雄板30の位置合わせおよび雄板30の取付作業が完了する。
【0024】
次に、打抜材11と雌板1の位置合わせを行う。
ストリッピング装置100に固定された雌板1の上に打抜材11を停止させて、打抜材11から打抜材クワエ反対側8を手で取り除くと欠け部分(基準位置)が出来る(ステップ2−1)。
雌板1上で打抜材11の欠け部分(基準位置)に目印4を微調整しながら合わせて打抜材11を配置する(ステップ2−2)。
雌板1の下面1b(背面)からのぞき窓3を目視し、目印4と欠け部分(基準位置)との位置合わせを行う(
図10)(ステップ2−3)。
位置合わせ後、ストリッピング処理を開始する(ステップ2−4)。
【0025】
本発明によれば、雌板1に設けられた目印4を使用して雄板30(押さえ板20)と雌板1の位置合わせを行うことができ、さらに目印4を使用して打抜材11と雌板1を位置合わせすることができる。このように雄板30と雌板1および打抜材11と雌板1を簡単に位置合わせすることが可能であるため、打抜材11に設けられた孔が小さい場合であっても、雄板30、雌板1および打抜材11を正確に合わせることが可能で、位置合わせ作業の時間を大幅に短縮することができる。
【0026】
(押さえ板の傾斜部の説明)
図11は、本発明の打抜機のストリッピング装置100を示す模式図である。
本発明のストリッピング装置100は、切り取り線を有する打抜材(シート材)11から打抜屑(カス)を分離する装置であり、打抜材11の搬送路の下方に設けられた下型としての雌板1と、打抜材11の搬送路の上方に設けられた上型としての雄板30と、押さえ板20を有する。
雌板1と雄板30は、上下に対向配置されて、プレス機等の上下動手段Fa,Fbに相対移動可能に固定される。本実施形態においては、上下動手段Fa,Fbの可動部分Fbに雄板30が取り付けられ、上下動手段Fa,Fbの固定部分Faに雌板1が取り付けられているが、上下動手段Fa,Fbの可動部分Fbに雌板1が取り付けられ、上下動手段Fa,Fbの固定部分Faに雄板30が取り付けられていてもよい。雄板30が下降すると、押さえ板20と雌板1が接触し、押さえ板20と雌板1との間に挟まれた打抜材11から打抜屑(カス)が切り離されて下方に落下する仕組みとなっている。
雄板30の下面30bには、押さえ板20が固定されており、雄板30と押さえ板20は間隔を空けて略平行な平坦部20cの他に、平坦部20cに連続する傾斜部20aが設けられて、この押さえ板の傾斜部20aが折り曲げられると、斜めの傾斜部20aが形成されるようになっている。すなわち、押さえ板20は、合成樹脂製であり、シート材(打抜材)11を押さえつけるが、前記押さえ板20の傾斜部20aは、シート材11の変形(浮き上がり)に対して折り曲げられて変形動作する。
そして、ストリッピング装置100では、シート材11は搬送手段である搬送用フレームFにより搬送されるが、搬送されるとき、搬送用フレームFによりシート材11を引っ張るように取り付けていることから(クリップKを介してシート材11を挟み込む場合もある。)、その引っ張り力により、上方の雄板側にシート材11が浮き上がる事態が生じる(
図1(a)(b)(c))。このようなシート材11に対して前記押さえ板20が柔軟に対応できないと、前記押さえ板20に無理な負荷がかかり、シート材11を損傷させたり、前記押さえ板20が損傷するおそれがある。なお、シート材11の浮き上がりは、搬送方向の後方側においても生じる(
図1(c))。また、従来は、クリップKを介してシート材11を挟み込む場合もあるが(
図29(a)〜(b))、この領域では、押さえ部材20を配置することはなかった。
しかし、本実施の形態の前記押さえ板20には、前記幅狭部(前記傾斜部)20a,20bが設けられており、シート材11の浮き上がりに対して柔軟性を発揮して、前記幅狭部(前記傾斜部)20a,20bから平坦部20cへと案内する。したがって、シート材11が浮き上がっても、前記傾斜部20aを有する押さえ板20がその浮き上がりを防止する。また、従来のクリップKが配置される領域にも押さえ部材20の傾斜部が配置されるので(
図29(a)〜(b))、この従来のクリップKが配置される領域においても、シート材を押さえ部材20の傾斜部を介して安定して押さえつけて搬送させることができる。
すなわち、前記押さえ板20は、その平坦な平坦部20cと、前記平坦部20cに対して折れ曲がり可能に構成された幅狭部20aが設けられているか、又は、その平坦な平坦部20cと、前記平坦部20cに対して斜めに傾斜した傾斜部20aが設けられている。前記傾斜部20aとしては、前記平坦部20cと一体的な合成樹脂製のものであり、境界部20dが溝(V字溝やU字溝等)を介して斜めに向くようにしたり、R(アール)形状が形成されて折り曲げられる部分(傾斜部)20a,20bが形成されているものでも良い。幅狭部20a,20bとしては、三角形状、台形状等で押さえ板20の外周に突出して構成されている。
ここで、前記平坦部20cを中心にして、その外周全域に前記傾斜部(幅狭部)20a,20bを形成しても良く(
図15、
図17)、そして傾斜部(幅狭部)20a,20bがあることで、この場合でも、シート材11の浮き上がりを防止する。
本実施の形態の幅狭部20a,20bは、傾斜部ともなっているが、傾斜せずに単に幅狭部として構成されているものでも良い。
なお、後述する雌板1と雄板30の4隅に位置合わせ用の治具42等を通して押さえ板20が取り付けられるものでも良い(
図12、
図14)。また、磁石が配置された打抜機の上下動手段との連結に連結用治具61が使用されている(
図15〜
図17)。
【0027】
(第2の実施形態)
雌板1と雄板30とは、連結用治具61を介して連結される。連結用治具61は、上下動手段Fa,Fbと磁力を持って連結される磁石68が設けられるとともに、雌板1と弾性を持って連結させる弾性部材64,66が配置されている。弾性部材64,66は、外周の弾性部材64と、磁石68の下方に配される内側の弾性部材66とを備えており、通常は磁石68が外周の弾性部材65から突出するように配されているが、磁石68に加圧されると上下動部材Fa,Fbとの接触状態になると、磁石の下方の内側弾性部材が縮小して、外側の弾性部材65の中に沈み込むようになる。また、雌板1に形成された長穴60a,60bに対応したネジ穴62,62が形成されており、これらの長穴60aとネジ穴62とにネジ65を介して位置合わせ可能に構成されている。
ここで、打抜機の上下動手段との連結用治具(磁石が配された連結用治具)61は、円盤状に構成することも可能である。例えば、円盤状の固定用部材63と、円形状の磁石68と、円形状の弾性部材64,66とから構成されているものでも良い(
図17(b))。
本実施の形態によれば、磁石68を介して雌板1が上下動手段Fa,Fbと位置合わせしながら連結させることができるとともに、弾性部材64,66を介在させているので、上下動手段Fa,Fbによる上下動に磁力が妨げになるなどの障害がなく上下動作が可能になる。
したがって、雌板1や雄板30に対応した上下動手段Fa,Fbの位置が正確に設定されて取り付けられる。
そして、対向配置される雌板1と雄板30とを位置合わせする打抜機の位置合わせ用治具42が取り付けられている(
図19(a)(b))。
【0028】
(位置合わせ用治具42の説明)
また、対向配置される雌板1と雄板30とを位置合わせする打抜機の位置合わせ用治具42が取り付けられている(
図18(a)(b))。
第1の実施の形態の打抜機の位置合わせ用治具42は、軸部42bと、軸部の先端にフランジ42cを介して取り付けられる嵌合凸部42aと、軸部の後端に形成される螺合部42dから構成されており、前記螺合部42dは、前記雌板1又は雄板30の嵌合凹部に嵌合させる円盤状の固定用部材41に形成され、前記嵌合凸部42aは、前記雌板1又は雄板30の嵌合凹部41aに嵌合させる構造になっている(
図18(a)(b))。すなわち、位置合わせ用治具42は、その一方側は前記雌板130に螺合させる固定用部材41の螺合部41aにより連結され(螺合用の円板の中に螺合部41aが形成されている。)、その他方側は前記雌板30に形成された嵌合凹部41aに対して着脱自在に嵌合する嵌合凸部42aが設けられて、前記雌板1と雄板30との位置合わせをする。前記嵌合凸部42aが球状(球形状)を呈することで、これに対応する嵌合凹部41aを対する球状(球形状)を呈することにより、その中心に合わせた正確な位置合わせが可能になる(
図18(b))。
なお、後述する雌板1と雄板30の4隅に配される位置合わせ用の治具42等を介して取り付けることも可能である(
図19〜
図20)。
前記嵌合凸部42aは、鋼鉄製の球形状であり、前記雌板1又は雄板30に前記球形状の嵌合凸部の一部を嵌合する球形状の嵌合凹部41aが形成されている。したがって、球形状の中心(位置合わせの中心)O−Oにして正確な位置合わせが可能である。これら前記嵌合凸部42aと嵌合凹部41aとは、球形状の部分42aを有するやや楕円形状で形成することも可能である。
したがって、打抜機の位置合わせ用治具42を使用して、前記雌板1又は雄板30に前記連結用治具42の基端側42bを固定しておき、前記連結用治具42の嵌合凸部42aを前記雌板1又は雄板30の嵌合凹部41aに嵌合させる。
また、円盤状の固定用部材44を前記雌板1又は雄板30に前記連結用治具42の基端側42bを固定しておき、前記連結用治具42の嵌合凸部42aを前記雌板1又は雄板30の嵌合凹部に嵌合させる。
ここで、前記嵌合凸部42aを磁石46として構成して、シート材11を搬送する鋼鉄製の上下動手段の可動側Fbと磁力を介して連結させることができる(
図23)。また、磁石である前記嵌合凸部42aは、鋼鉄製の上下動手段の可動側Fbに形成された穴に嵌合するものでも良い(
図23)。また逆に、前記上下動手段Fa,Fbに磁石46が配されており、前記嵌合凸部42aが鋼鉄製であり、前記雌板1又は雄板30に接続する上下動手段Fa,Fbと磁力を介して連結されるようにすることも可能である(
図24)。
【0029】
このように位置合わせした後は、打抜機の位置合わせ用治具42は、雌板1や雄板30から取り外されると、シート材11が雌板1と雄板30(或いは押さえ板20)との間に供給されて、前記第1の実施の形態のようにして、雌板1や雄板30と押さえ部材20との位置合わせが行われて、打ち抜き加工が行われる。
以上、本実施の形態では、押さえ部材を介して雌板や雄板との位置合わせが可能であるが、同じようにして押さえ板と打抜板(シート材)との位置合わせが可能である。