特開2019-172310(P2019-172310A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-172310(P2019-172310A)
(43)【公開日】2019年10月10日
(54)【発明の名称】包装容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/34 20060101AFI20190913BHJP
   B65D 21/032 20060101ALI20190913BHJP
【FI】
   B65D81/34 V
   B65D21/032
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-62533(P2018-62533)
(22)【出願日】2018年3月28日
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】綿世 真弓
【テーマコード(参考)】
3E006
3E013
【Fターム(参考)】
3E006AA01
3E006BA08
3E006CA01
3E006DA06
3E006DB01
3E006DB08
3E013BA25
3E013BA30
3E013BB06
3E013BB09
3E013BC04
3E013BE01
3E013BF08
3E013BF29
3E013BF32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】下に積まれた容器の内部から外部に蒸気を確実に排出することができる包装容器を提供する。
【解決手段】包装容器1は、上方が開放される第1容器2と、第1容器の上方を覆うように、第1容器の上に積まれる第2容器3と、を備える、包装容器であって、第2容器が第1容器の上に積まれる状態で、第1容器の内部と外部との間に、気体の通路を形成する通気手段6を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方が開放される第1容器と、
前記第1容器の上方を覆うように、前記第1容器の上に積まれる第2容器と、を備える、包装容器であって、
前記第2容器が前記第1容器の上に積まれる状態で、前記第1容器の内部と外部との間に、気体の通路を形成する通気手段を備える、包装容器。
【請求項2】
前記通気手段は、前記第1容器と前記第2容器との間に隙間を形成するために、前記第1容器及び前記第2容器の少なくとも一方に、凹部及び凸部の少なくとも一方を備える、請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
前記通気手段は、前記第1容器の上面部に凹部を備え、
前記凹部の深さ寸法は、前記凹部の幅寸法よりも、小さい、請求項2に記載の包装容器。
【請求項4】
前記通気手段は、前記第1容器と前記第2容器とが接することによって、前記第2容器が前記第1容器の上から所定距離以上離れることを規制する規制部を備える、請求項1に記載の包装容器。
【請求項5】
前記通気手段は、前記第2容器が前記第1容器の上から所定距離以上離れることを規制するために、第1及び第2容器を覆う外装体を備える、請求項1に記載の包装容器。
【請求項6】
少なくとも前記第1容器の側面部を覆う外装体を備え、
前記第1容器は、側面部に、上下方向に延びる溝部を備える、請求項1〜5の何れか1項に記載の包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、包装容器は、段積みされる複数の容器を備えている(例えば、特許文献1)。ところで、斯かる包装容器が電子レンジ等で加熱された場合には、各容器の内部の圧力が上昇する。したがって、下の容器の内部の気体を、当該容器の外部に排出させる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3127101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、下に積まれた容器の内部から外部に気体を確実に排出することができる包装容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
包装容器は、上方が開放される第1容器と、前記第1容器の上方を覆うように、前記第1容器の上に積まれる第2容器と、を備える、包装容器であって、前記第2容器が前記第1容器の上に積まれる状態で、前記第1容器の内部と外部との間に、気体の通路を形成する通気手段を備える。
【0006】
また、包装容器においては、前記通気手段は、前記第1容器と前記第2容器との間に隙間を形成するために、前記第1容器及び前記第2容器の少なくとも一方に、凹部及び凸部の少なくとも一方を備える、という構成でもよい。
【0007】
また、包装容器においては、前記通気手段は、前記第1容器の上面部に凹部を備え、前記凹部の深さ寸法は、前記凹部の幅寸法よりも、小さい、という構成でもよい。
【0008】
また、包装容器においては、前記通気手段は、前記第1容器と前記第2容器とが接することによって、前記第2容器が前記第1容器の上から所定距離以上離れることを規制する規制部を備える、という構成でもよい。
【0009】
また、包装容器においては、前記通気手段は、前記第2容器が前記第1容器の上から所定距離以上離れることを規制するために、第1及び第2容器を覆う外装体を備える、という構成でもよい。
【0010】
また、包装容器は、少なくとも前記第1容器の側面部を覆う外装体を備え、前記第1容器は、側面部に、上下方向に延びる溝部を備える、という構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態に係る包装容器の全体正面図である。
図2図2は、同実施形態に係る包装容器の全体縦断面図である。
図3図3は、同実施形態に係る第2容器の全体斜視図である。
図4図4は、同実施形態に係る第2容器の全体縦断面図である。
図5図5は、同実施形態に係る第1容器の全体斜視図である。
図6図6は、同実施形態に係る第1容器の全体縦断面図である。
図7図7は、図2のVII領域拡大図である。
図8図8は、他の実施形態に係る第1容器の要部縦断面図である。
図9図9は、さらに他の実施形態に係る第1容器の全体斜視図である。
図10図10は、さらに他の実施形態に係る包装容器の要部縦断面図である。
図11図11は、さらに他の実施形態に係る包装容器の要部縦断面図である。
図12図12は、さらに他の実施形態に係る包装容器の分解要部正面図であって、一部が縦断面を示す図である。
図13図13は、同実施形態に係る包装容器の要部縦断面図であって、組み立て方法を説明する図である。
図14図14は、同実施形態に係る包装容器の要部縦断面図であって、組み立て方法を説明する図である。
図15図15は、同実施形態に係る包装容器の要部縦断面図であって、加熱状態を説明する図である。
図16図16は、同実施形態に係る包装容器の要部縦断面図であって、加熱完了状態を説明する図である。
図17図17は、さらに他の実施形態に係る包装容器の分解要部縦断面図を示す。
図18図18は、同実施形態に係る包装容器の要部縦断面図であって、組み立て方法を説明する図である。
図19図19は、同実施形態に係る包装容器の要部縦断面図であって、加熱状態を説明する図である。
図20図20は、同実施形態に係る包装容器の要部縦断面図であって、加熱完了状態を説明する図である。
図21図21は、さらに他の実施形態に係る包装容器の全体縦断面図を示す。
図22図22は、同実施形態に係る包装容器の要部縦断面図であって、加熱状態を説明する図である。
図23図23は、さらに他の実施形態に係る包装容器の要部縦断面図である。
図24図24は、同実施形態に係る包装容器の要部縦断面図である。
図25図25は、同実施形態に係る包装容器の要部縦断面図であって、加熱状態を説明する図である。
図26図26は、同実施形態に係る包装容器の要部縦断面図であって、加熱状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1実施形態>
以下、包装容器における第1の実施形態について、図1図11を参照しながら説明する。なお、各図(図12図26も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0013】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る包装容器1は、上方が開放される第1容器2と、第1容器2の上方を覆うように、第1容器2の上に積まれる第2容器3と、第2容器3の上方を覆う蓋体4とを備えている。また、包装容器1は、第1容器2、第2容器3及び蓋体4を外側から覆う外装体5を備えている。
【0014】
第1容器2及び第2容器3は、それぞれ下方に向けて外径が小径(外幅が幅狭)となるように、形成されている。なお、横方向D1,D2視において、第1容器2及び第2容器3の側周面が上下方向D3に対する傾斜角度は、3°〜10°であることが好ましい。そして、横方向D1,D2視において、第1容器2及び第2容器3の側面部が上下方向D3に対する傾斜角度は、それぞれ同じとなっている。
【0015】
なお、本実施形態においては、第1容器2及び第2容器3の側面部が、同じ傾斜角度である、という構成としているが、それぞれの側面部の傾斜角度差が−5°〜5°の範囲であれば、第1容器2及び第2容器3は、積まれることによって、一つの容器を構成するように見えるため好ましい。
【0016】
容器2,3の材質は、内部に食品等を収容しても変形しないような剛性を有し、電子レンジ等で加熱されても変形しないような耐熱性を有していれば、特に限定されない。例えば、容器2,3は、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂等の通常公知の熱可塑性樹脂を材料として、射出成形、プレス成形、真空成形、圧空成形等により形成されたものが挙げられる。
【0017】
蓋体4は、第2容器3に着脱可能に構成されていてもよく、また、第2容器3に接合されており、第2容器3から剥離可能に構成されていてもよい。なお、蓋体4の材質は、特に限定されない。
【0018】
例えば、蓋体4は、厚さ10μm〜400μmのシート材料から形成される。例えば、その材料としては、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂等の通常公知の熱可塑性樹脂や、紙、アルミ箔等、又はこれらの複合材料等が挙げられる。
【0019】
また、蓋体4は、第2容器3(具体的には、後述するフランジ部3d)にヒートシールされる場合は、シーラント層を備えることが好ましく、シーラント層としては、種々の材料を採用できるが、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン系共重合体等が挙げられる。
【0020】
また、蓋体4は、第2容器3の内部の気体を第2容器3の外部に排出するために、複数の通気孔を備えていてもよい。なお、蓋体4が備えられておらず、第2容器3の上方が、外装体5で覆われている、という構成でもよい。
【0021】
外装体5は、第1容器2の側面部及び下面部、第2容器3の側面部、蓋体4の上面部を覆っている。これにより、外装体5は、第1容器2、第2容器3及び蓋体4を互いに固定している。例えば、外装体5は、熱収縮性を有する樹脂フィルムで形成されていてもよく、また、伸縮性を有する樹脂フィルムで形成されていてもよく、また、紙シートで形成されていてもよい。
【0022】
外装体5が熱収縮性を有する樹脂フィルムで形成される場合、当該樹脂フィルムは、少なくとも一方向に延伸されており、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムのいずれであってもよい。また、当該樹脂フィルムには、従来公知の樹脂フィルムを用いることができる。
【0023】
樹脂フィルムの具体例としては、オレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン等)、エステル系樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体等)、塩化ビニル系樹脂、アミド系樹脂、またはアクリル系樹脂を主成分とする、単層、又は同種若しくは異種の樹脂を積層した積層フィルムが挙げられる。
【0024】
樹脂フィルムは、例えば、オレフィン系樹脂を主成分として構成される。オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂フィルムは、一般的に低コストでありながら、伸縮性が高く破断強度に優れる。好適なオレフィン系樹脂の一例は、ポリエチレンまたはポリプロピレンである。樹脂フィルムの厚みは、例えば、5μm〜100μmである。樹脂フィルムには、一般的に無色透明の樹脂フィルムが用いられるが、各種印刷層が形成されていてもよい。
【0025】
なお、外装体5は、内部の気体を外部に排出するために、複数の通気孔を備えていてもよい。また、外装体5は、第1容器2及び第2容器3から取り外されるために、ミシン目やハーフカット等の切断手段を備えていてもよい。
【0026】
図3及び図4に示すように、第2容器3は、筒状に形成される胴部3aと、胴部3aの下方を閉塞する底部3bと、底部3bから下方に筒状に延びる脚部3cとを備えている。また、第2容器3は、胴部3aの上端から径方向の外方に突出するフランジ部3dを備えている。なお、第2容器3の側面部は、胴部3aの外周部、脚部3cの外周部、及びフランジ部3dの外周部からなる。
【0027】
第2容器3は、側面部に、凹凸がない滑面部3eと、上下方向D3に延びる凸条部3f及び溝部3gを周方向に交互に有する凹凸部3hとを備えている。滑面部3eは、胴部3aの外周部の上方側に配置されており、凹凸部3hは、胴部3aの外周部の下方側と脚部3cの外周部とに亘って配置されている。
【0028】
第2容器3は、第2容器3が第1容器2の上に積まれる状態で、第1容器2に接する第2接触部3iを備えている。本実施形態においては、第2接触部3iは、底部3bの下面部である。具体的には、第2接触部3iは、底部3bの下面部のうち、径方向の外側の部分であり、第1容器2の上面部と接する。
【0029】
図5及び図6に示すように、第1容器2は、筒状に形成される胴部2aと、胴部2aの下方を閉塞する底部2bと、底部2bから下方に筒状に延びる脚部2cとを備えている。また、第1容器2は、胴部2aの上端から径方向の外方に突出するフランジ部2dを備えている。なお、第1容器2の側面部は、胴部2aの外周部、脚部2cの外周部、及びフランジ部2dの外周部からなる。
【0030】
第1容器2は、側面部に、凹凸がない滑面部2eと、上下方向D3に延びる凸条部2f及び溝部2gを周方向に交互に有する凹凸部2hとを備えている。滑面部2eは、胴部2aの外周部の上方側に配置されており、凹凸部2hは、胴部2aの外周部の下方側と脚部2cの外周部とに亘って配置されている。
【0031】
第1容器2は、第2容器3が第1容器2の上に積まれる状態で、第2容器3に接する第1接触部2iを備えている。本実施形態においては、第1接触部2iは、フランジ部2dである。具体的には、第1接触部2iは、フランジ部2dの上面部であり、第2容器3の第2接触部3iと接する。
【0032】
第1容器2は、上面部、即ち、第1接触部2iに、凹部2jを備えている。なお、凹部2jの個数は、特に限定されない。本実施形態においては、凹部2jは、四つ備えられており、周方向に等間隔となるように配置されている。
【0033】
凹部2jの深さ寸法W1は、凹部2jの幅寸法W2よりも、小さくなっている。なお、凹部2jの寸法は、特に限定されないが、例えば、凹部2jの深さ寸法W1は、0.3〜0.7mmであることが好ましく、凹部2Jの幅寸法W2は、0.5〜5.0mmであることが好ましい。
【0034】
これにより、凹部2jの深さ寸法W1が幅寸法W2よりも大きい構成と比較して、第1容器2のフランジ部2dの剛性が低下することを抑制することができるため、例えば、第1容器2の上に第2容器3を安定して積むことができる。また、凹部2jの深さ寸法W1が幅寸法W2よりも大きい構成と比較して、第1容器2のフランジ部2dに口が接触する際に、第1容器2から受ける刺激(例えば、痛み)を小さくすることができる。
【0035】
ここで、包装容器1を電子レンジで加熱する際の現象について、図7を参照しながら説明する。
【0036】
図7に示すように、第2容器3が第1容器2の上に積まれる状態において、第1容器2の上部(フランジ部2d)は、第2容器3の下部(脚部3c)の内部に、嵌められている。このとき、第1容器2が上面部に凹部2jを備えているため、第2容器3が第1容器2の上に積まれる状態において、第1容器2の上面部と第2容器3の下面部との間に隙間が形成される。そして、当該隙間が気体の通路となるため、凹部2jは、気体の通路を形成する通気手段6である。
【0037】
したがって、包装容器1が電子レンジで加熱され、例えば、第1容器2の内部の圧力が上昇したり、第1容器2の内部から蒸気が発生したりした場合に、気体(空気や蒸気)は、当該隙間を通過して、第1容器2の内部から外部に排出される(図7の二点鎖線矢印L1参照)。その後、気体は、第1容器2の溝部2gと外装体5との間を通過して、外装体5(包装容器1)の外部に排出される(図7の二点鎖線矢印L2参照)。
【0038】
このとき、外装体5が滑面部2eと接している際には、気体が外装体5(包装容器1)の外部に排出できない場合がある。そこで、外装体5が滑面部2eと離れるような形状であることが好ましい。具体的には、第2容器3の側面部の下端位置P1と当該位置P1と同じ高さの第1容器2の側面位置P2との距離W3は、第2容器3の側面部の下端位置P1と第1容器2の滑面部2eの下端位置P3との距離W4の、1/2以上であることが好ましく、2/3以上であることがより好ましい。
【0039】
なお、第2容器3の脚部3cの高さは、特に限定されないが、例えば、10mm未満であることが好ましく、また、3mm〜5mmであることがさらに好ましい。これにより、例えば、第1容器2の上に第2容器3を安定して積むことができ、また、例えば、電子レンジによる加熱効率も優れている。
【0040】
また、第2容器3の内部の空気や第2容器3の内部で発生した蒸気も、第2容器3の外部及び包装容器1の外部に排出されている。例えば、第2容器3の内部の気体(空気や蒸気)は、蓋体4の通気孔を通過することによって、第2容器3の外部に排出され、さらに、外装体5の通気孔を通過することによって、包装容器1の外部に排出されている。
【0041】
また、第1容器2及び第2容器3は、側面部に凹凸部2h,3hを備えており、断熱機能を有している。具体的には、第1及び第2容器2,3を持つ際に、手と接触する部分が凸条部2f,3fのみとなるため、手と接触する面積が小さくなる。これにより、第1及び第2容器2,3から手に伝わる熱量を抑えることができるため、電子レンジにより第1及び第2容器2,3が加熱された後でも、第1及び第2容器2,3の取り扱いが容易である。
【0042】
以上より、本実施形態に係る包装容器1は、上方が開放される第1容器2と、前記第1容器2の上方を覆うように、前記第1容器2の上に積まれる第2容器3と、を備える、包装容器1であって、前記第2容器3が前記第1容器2の上に積まれる状態で、前記第1容器2の内部と外部との間に、気体の通路を形成する通気手段6を備える。
【0043】
斯かる構成によれば、第2容器3が第1容器2の上に積まれる状態で、通気手段6が、第1容器2の内部と外部との間に、気体の通路を形成する。これにより、第1容器2の内部の気体が、第1容器2の外部に排出するため、下に積まれた第1容器2の内部から外部に気体を確実に排出することができる。
【0044】
また、本実施形態に係る包装容器1においては、前記通気手段6は、前記第1容器2と前記第2容器3との間に隙間を形成するために、前記第1容器2及び前記第2容器3の少なくとも一方(本実施形態においては、第1容器2)に、凹部2j及び凸部の少なくとも一方(本実施形態においては、凹部2j)を備える、という構成である。
【0045】
斯かる構成によれば、第1容器2及び第2容器3の少なくとも一方が、凹部2j及び凸部の少なくとも一方を備えているため、第1容器2と第2容器3との間に、隙間が形成される。これにより、第1容器2の内部の気体が、当該隙間を通過して、第1容器2の外部に排出される。
【0046】
また、本実施形態に係る包装容器1においては、前記通気手段6は、前記第1容器2の上面部に凹部2jを備え、前記凹部2jの深さ寸法W1は、前記凹部2jの幅寸法W2よりも、小さい、という構成である。
【0047】
斯かる構成によれば、凹部2jが、第1容器2の上面部に備えられているため、第1容器2の上面部と第2容器3との間に、通気手段6となる隙間が形成される。これにより、第1容器2の内部の気体が、第1容器2の外部に排出される。
【0048】
そして、凹部2jの深さ寸法W1が幅寸法W2よりも小さくなっているため、例えば、第1容器2の上端部の剛性が低下することを抑制することができる。また、例えば、第1容器2の上面部に口が接触する際に、第1容器2から受ける刺激を小さくすることができる。
【0049】
また、本実施形態に係る包装容器1は、少なくとも前記第1容器2の側面部を覆う外装体5を備え、前記第1容器2は、側面部に、上下方向に延びる溝部2gを備える、という構成である。
【0050】
斯かる構成によれば、溝部2gが、第1容器2の側面部に上下方向に延びているため、第1容器2と外装体5との間に、気体の通路が形成される。これにより、第1容器2の内部の気体が、第1容器2の外部に排出された後、溝部2gを通過することによって、外装体5の外部に排出される。
【0051】
なお、包装容器1は、上記した第1実施形態に係る包装容器1の構成及び作用に限定されるものではない。例えば、上記した第1実施形態に係る包装容器1に対して、以下のような変更が行われてもよい。
【0052】
(1)上記第1実施形態に係る包装容器1においては、通気手段6は、第1容器2の上面部に、凹部2jを備えている、という構成である。しかしながら、包装容器1は、斯かる構成に限られない。
【0053】
例えば、包装容器1においては、図8に示すように、通気手段6は、第1容器2の上面部に、凸部2kを備え、第2容器3が第1容器2の上に積まれる状態で、第1容器2と第2容器3との間に隙間が形成される、という構成でもよい。また、例えば、通気手段6は、第1容器2の第1接触部2i(例えば、フランジ部2dの上面部、フランジ部2dの外周部)に、凹部2j及び凸部2kの両方を備えている、という構成でもよい。
【0054】
また、例えば、通気手段6は、第2容器3の第2接触部3i(例えば、底部3bの下面部、脚部3cの内周部)に、凹部及び凸部の少なくとも一方を備えている、という構成でもよい。なお、通気手段6は、第1容器2及び第2容器3の一方に、凹部及び凸部の少なくとも一方を備えている、という構成でもよく、第1容器2及び第2容器3の両方に、それぞれ凹部及び凸部の少なくとも一方を備えている、という構成でもよい。
【0055】
(2)また、上記第1実施形態に係る包装容器1においては、通気手段6は、第1容器2の第1接触部2iに、凹部2jを備えている、という構成である。しかしながら、包装容器1は、斯かる構成に限られない。例えば、図9に示すように、通気手段6は、第2容器3と接触しない第1容器2の胴部2aの部分(例えば、滑面部2e)に、第1容器2の内部と外部とを貫通する孔部2mを備えている、という構成でもよい。
【0056】
(3)また、上記第1実施形態に係る包装容器1においては、凹部2jの深さ寸法W1は、凹部2jの幅寸法W2よりも、小さい、という構成である。しかしながら、包装容器1は、斯かる構成が好ましいもの、斯かる構成に限られない。例えば、凹部2jの深さ寸法W1は、凹部2jの幅寸法W2以上である、という構成でもよい。
【0057】
(4)また、上記第1実施形態に係る包装容器1においては、第1容器2、第2容器3及び蓋体4は、外装体5によって、互いに固定されている、という構成である。しかしながら、包装容器1は、斯かる構成に限られない。例えば、第1容器2、第2容器3及び蓋体4は、長尺体(例えば、バンド、紐、シール等)によって、互いに固定されている、という構成でもよい。
【0058】
(5)また、包装容器1は、第1容器2の上方を覆う蓋体7を備えている、という構成でもよい。例えば、図10に示すように、包装容器1は、第1容器2の上面部に剥離可能に接合される蓋体7を備えている、という構成でもよい。また、例えば、図11に示すように、包装容器1は、第1容器2に着脱可能に取り付けられる蓋体7を備えている、という構成でもよい。
【0059】
図10及び図11に示すように、蓋体7が第1容器2の上方を覆う状態で、且つ、第2容器3が蓋体7を介在して第1容器2の上に積まれる状態において、第1容器2の凹部2jによって、第1容器2と第2容器3との間に、隙間が形成される。具体的には、第1容器2の凹部2jによって、第1容器2と蓋体7との間に、隙間が形成される。
【0060】
したがって、包装容器1が電子レンジで加熱された場合に、第1容器2の内部の気体は、当該隙間を通過して、第1容器2の内部から外部に排出される。このように、蓋体7が第1容器2から外されることなく、包装容器1を電子レンジで加熱することができる。なお、図10及び図11において、外装体5は、図示されていない。
【0061】
<第2実施形態>
次に、包装容器1における第2の実施形態について、図12図20を参照しながら説明する。なお、図12図20において、図1図11の符号と同一の符号を付した部分は、第1実施形態と略同様の構成又は略同様の機能(作用)を有する要素を表し、その説明は、繰り返さない。
【0062】
図12に示すように、本実施形態に係る包装容器1は、第1実施形態に係る包装容器1に対して、通気手段6の構成で相違している。具体的には、本実施形態に係る通気手段6は、第2容器3が第1容器2の上から所定距離以上離れることを規制する規制部6aを備えいる。一方、本実施形態に係る第1容器2は、上面部に、凹部2jを備えていない。なお、図12においては、第1容器2は、正面図とし、第2容器3は、縦断面図としている。
【0063】
第1容器2は、側面部から径方向の外方に突出する第1突起部2nを備えており、第2容器3は、内周部から径方向の内方に突出する第2突起部3jを備えている。そして、規制部6aは、第1容器2の第1突起部2nと第2容器3の第2突起部3jとによって、構成されている。なお、第2容器3が第1容器2の上に積まれる状態において、第1容器2の上部(フランジ部2d)が、第2容器3の下部(脚部3c)の内部に、嵌められている(図13図16参照)。
【0064】
第1突起部2nは、第1容器2の胴部2aの上部に配置されている。具体的には、第1突起部2nは、第1容器2の滑面部2eの外周部に配置されている。そして、第1突起部2nは、周方向に沿って延びている。なお、第1突起部2nの個数は、特に限定されないが、例えば、第1突起部2nは、周方向で等間隔となるように複数備えられていることが好ましい。
【0065】
第2突起部3jは、第2容器3の脚部3cの内周部に配置されている。そして、第2突起部3jは、周方向に沿って延びている。なお、第2突起部3jの個数は、特に限定されないが、第1突起部2nと同じであることが好ましい。
【0066】
また、第2容器3は、第2容器3を第1容器2に対して位置決めするために、第1突出部2nの周方向の端部と接する位置決め部3kを備えている。位置決め部3kは、第2容器3の内周部から内方に突出している。そして、位置決め部3kは、第2容器3の脚部3cの内周部に配置されている。また、位置決め部3kは、上下方向D3に沿って延びている。なお、位置決め部3kは、第2突起部3jと連結されている。
【0067】
ここで、第2容器3を第1容器2の上に固定する、即ち、包装容器1の組み立て方法について、図13及び図14を参照しながら説明する。なお、図13及び図14図15及び図16も同様)の左側の図においては、第1容器2のうち、第1突起部2nのみが、図示されている。
【0068】
第2容器3を第1容器2の上に積むために、図13に示すように、第1突起部2nと第2突起部3jとが上下方向D3で重ならない位置で、第1容器2の上部(フランジ部2d)が、第2容器3の下部(脚部3c)の内部に嵌められる。そして、第2容器3が第1容器2に対して上下方向D3周り(周方向)に回転されることで、図14に示すように、第1突起部2nの端部が位置決め部3kに接する。
【0069】
このとき、第1突起部2nが第2突起部3jから上方に離れており、且つ、第1突起部2nと第2突起部3jとが上下方向D3において重なっている。したがって、第2容器3が第1容器2の上から所定距離以上離れる場合には、第1突起部2nと第2突起部3jとが接するため、第2容器3が第1容器2から取り外し不能であり、第2容器3が第1容器2に固定されている。
【0070】
このように、第2容器3が第1容器2に対して上下方向D3周りに回転されることで、第2容器3を第1容器2から取り外し可能な状態と、第2容器3を第1容器2から取り外し不能な状態とに切り替えることができる。即ち、第2容器3は、第1容器2に対して上下方向D3周りに回転されることで、離脱位置と固定位置とに変位される。
【0071】
離脱位置とは、第1突起部2nと第2突起部3jとが上下方向D3で重ならない位置であって、第2容器3を第1容器2から取り外し可能な位置である。固定位置は、第1突起部2nと第2突起部3jとが上下方向D3で重なる位置であって、第2容器3を第1容器2から取り外し不能な位置(第2容器3が第1容器2に固定される位置)である。
【0072】
次に、包装容器1を電子レンジで加熱する際の現象について、図14図16を参照しながら説明する。
【0073】
図14に示すように、第2容器3は、固定位置に位置されている。そして、包装容器1が電子レンジで加熱された場合に、第1容器2の内部の圧力が上昇する。その後、第1容器2の内部の圧力が所定圧力よりも上昇した場合に、図15に示すように、第2容器3は、上昇し、第1容器2から離れようとする。
【0074】
これにより、第1容器2と第2容器3との間に、隙間が形成される。そして、第1容器2の内部の気体(空気や蒸気)は、当該隙間を通過して、第1容器2の外部に排出される。このとき、規制部6aを構成する第1突起部2nと第2突起部3jとが接するため、第2容器3が第1容器2の上から所定距離以上離れることを規制されている。
【0075】
したがって、第2容器3を第1容器2の上に積む状態を維持することができている。なお、規制部6aによって、第1容器2と第2容器3との間に、気体の通路となる隙間が形成されるため、規制部6aは、気体の通路を形成する通気手段6である。
【0076】
そして、包装容器1の加熱が完了すると、図16に示すように、第2容器3が下降し、第1容器2に接する。なお、包装容器1が加熱されている際に、第1容器2の内部の圧力によって、第2容器3が上昇及び下降を繰り返し、第2容器3が第1容器2から離れたり第1容器2に接したりすることを繰り返す場合もある。
【0077】
また、第2容器3が固定位置に位置する際に、第2容器3が第1容器2に固定されているため、本実施形態に係る包装容器1は、第2容器3を第1容器2に固定するための外装体5を備えてない、という構成でもよい。勿論、包装容器1は、第2容器3を第1容器2に確実に固定するために、外装体5や長尺体(例えば、バンド、紐、シール等)を備えている、という構成でもよい。
【0078】
以上より、本実施形態に係る包装容器1は、上方が開放される第1容器2と、前記第1容器2の上方を覆うように、前記第1容器2の上に積まれる第2容器3と、を備える、包装容器1であって、前記第2容器3が前記第1容器2の上に積まれる状態で、前記第1容器2の内部と外部との間に、気体の通路を形成する通気手段6を備える。
【0079】
斯かる構成によれば、第2容器3が第1容器2の上に積まれる状態で、通気手段6が、第1容器2の内部と外部との間に、気体の通路を形成する。これにより、第1容器2の内部の気体が、第1容器2の外部に排出するため、下に積まれた第1容器2の内部から外部に気体を確実に排出することができる。
【0080】
また、本実施形態係る包装容器1においては、前記通気手段6は、前記第1容器2と前記第2容器3とが接することによって、前記第2容器3が前記第1容器2の上から所定距離以上離れることを規制する規制部6aを備える、という構成である。
【0081】
斯かる構成によれば、包装容器1が加熱された際に、第1容器2の内部の圧力が上昇する。そして、その圧力によって、第2容器3が第1容器2の上から離れようとするため、第1容器2と第2容器3との間に、気体の通路が形成される。これにより、第1容器2の内部の気体が、当該通路を通過して、第1容器2の外部に排出される。
【0082】
一方で、第1容器2と第2容器3とが接することによって、第2容器3が第1容器2の上から所定距離以上離れることを規制している。これにより、第1容器2の内部の圧力が所定の圧力以上となった場合でも、第2容器3が第1容器2の上から所定距離以上離れることを抑制することができる。
【0083】
なお、包装容器1は、上記した第2実施形態に係る包装容器1の構成及び作用に限定されるものではない。例えば、上記した第2実施形態に係る包装容器1に対して、以下のような変更が行われてもよい。
【0084】
(1)上記第2実施形態に係る包装容器1においては、第2容器3は、第1容器2に対して上下方向D3周りに回転されることで、離脱位置と固定位置とに変位される、という構成である。しかしながら、包装容器1は、斯かる構成に限られない。例えば、図17図20に示すように、第2容器3は、第1容器2に対して上下方向D3に変位されることで、取り付け及び取り外しされる、という構成でもよい。図17図20に係る包装容器1について、以下に説明する。
【0085】
図17に示すように、第1容器2は、側面部から径方向の外方に突出する第1突起部2nを備え、第2容器3は、内周部から径方向の内方に突出する第2突起部3jを備えている。なお、第1容器2のフランジ部2dは、第1突起部2nを兼ねている。そして、規制部6aは、第1容器2のフランジ部2dと第2容器3の第2突起部3jとによって、構成されている。
【0086】
第2突起部3jは、第2容器3の脚部3cに配置されている。そして、第2突起部3jの突出量は、下方に向けて小さくなっている。なお、第2突起部3jの個数は、特に限定されないが、例えば、第2突起部3jは、周方向で等間隔となるように複数備えられていることが好ましい。
【0087】
また、第2容器3の脚部3cは、弾性部3mを備えており、第2突出部3jは、弾性部3mに固定されている、という構成でもよい。斯かる構成によれば、弾性部3mが弾性変形することによって、第2容器3を第1容器2に容易に取り付けることができたり、第2容器3を第1容器2から容易に取り外すことができたりする。
【0088】
ここで、第2容器3を第1容器2の上に固定する、即ち、包装容器1の組み立て方法について、図18を参照しながら説明する。
【0089】
第2容器3を第1容器2の上に積むために、第2容器3に、下方への力が加えられる。これにより、第2容器3の第2突起部3jが第1容器2のフランジ部2dを乗り上げるため、第2容器3が第1容器2に対して下方に変位する。そして、図18に示すように、第1容器2の上部(フランジ部2d)が、第2容器3の下部(脚部3c)の内部に嵌められる。このとき、第2突起部3jの突出量が下方に向けて小さくなっており、しかも、弾性部3mが弾性変形するため、第2容器3を第1容器2に容易に取り付けることができる。
【0090】
そして、第1容器2のフランジ部2dが第2容器3の第2突起部3jから上方に離れており、且つ、フランジ部2dと第2突起部3jとが上下方向D3において重なっている。したがって、第2容器3が第1容器2の上から所定距離以上離れる場合には、フランジ部2dと第2突起部3jとが接するため、第2容器3が第1容器2から取り外し不能であり、第2容器3が第1容器2に固定されている。
【0091】
次に、包装容器1を電子レンジで加熱する際の現象について、図19及び図20を参照しながら説明する。
【0092】
包装容器1が電子レンジで加熱された場合に、第1容器2の内部の圧力が上昇する。その後、第1容器2の内部の圧力が所定圧力よりも上昇した場合に、図19に示すように、第2容器3は、上昇し、第1容器2から離れようとする。
【0093】
これにより、第1容器2と第2容器3との間に、隙間が形成される。そして、第1容器2の内部の気体は、当該隙間を通過して、第1容器2の外部に排出される。このとき、規制部6aを構成するフランジ部2dと第2突起部3jとが接するため、第2容器3が第1容器2の上から所定距離以上離れることを規制されている。
【0094】
したがって、第2容器3を第1容器2の上に積む状態を維持することができている。なお、規制部6aによって、第1容器2と第2容器3との間に、気体の通路となる隙間が形成されるため、規制部6aは、気体の通路を形成する通気手段6である。そして、包装容器1の加熱が完了すると、図20に示すように、第2容器3が下降し、第1容器2に接する。
【0095】
(2)上記第2実施形態に係る包装容器1においては、第1容器2の上部が第2容器3の下部の内部に嵌められており、第1突起部2nが径方向の外方に突出し、第2突起部3jが径方向の内方に突出する、という構成である。しかしながら、包装容器1は、斯かる構成に限られない。例えば、第2容器3の下部が第1容器2の上部の内部に嵌められており、第1突起部2nが径方向の内方に突出し、第2突起部3jが径方向の外方に突出する、という構成でもよい。
【0096】
(3)また、包装容器1は、第1容器2の上方を覆う蓋体(図10及び図11参照)を備えている、という構成でもよい。そして、例えば、第2容器3を第1容器2から取り外し、蓋体を第1容器2から取り外して、再度、第2容器3を第1容器2に取り付けてから、包装容器1が電子レンジで加熱されてもよい。また、例えば、蓋体が第1容器2を覆った状態で、包装容器1を電子レンジで加熱するために、蓋体は、気体を通す複数の通気孔を備えている、という構成でもよい。
【0097】
<第3実施形態>
次に、包装容器1における第3の実施形態について、図21図26を参照しながら説明する。なお、図21図26において、図1図11の符号と同一の符号を付した部分は、第1実施形態と略同様の構成又は略同様の機能(作用)を有する要素を表し、その説明は、繰り返さない。
【0098】
図21に示すように、本実施形態に係る包装容器1は、第1実施形態に係る包装容器1に対して、通気手段6の構成で相違している。具体的には、本実施形態に係る通気手段6は、第2容器3が第1容器2の上から所定距離以上離れることを規制するために、第1及び第2容器2,3を覆う外装体5を備えている。一方、本実施形態に係る第1容器2は、上面部に、凹部2jを備えていない。
【0099】
外装体5は、第1容器2の側面部及び下面部と、第2容器3の側面部と、蓋体4の上面部とを覆っている。これにより、外装体5は、第1容器2、第2容器3及び蓋体4を互いに固定している。なお、外装体5が覆う範囲は、第2容器3が第1容器2の上から所定距離以上離れることを規制できる範囲であれば、特に限定されない。例えば、外装体5は、第1容器2よりも下方側の少なくとも一部と、第2容器3よりも上方側の少なくとも一部とを覆うことが好ましい。
【0100】
また、外装体5は、第1及び第2容器2,3の内部の圧力が上昇した場合でも、伸長し且つ破断しない強度を有していれば、特に限定されない。例えば、外装体5は、樹脂フィルムで形成されていてもよい。
【0101】
ここで、包装容器1を電子レンジで加熱する際の現象について、図22を参照しながら説明する。
【0102】
包装容器1が電子レンジで加熱された場合に、第1容器2の内部の圧力が上昇する。その後、第1容器2の内部の圧力が所定圧力よりも上昇した場合に、図22に示すように、外装体5を伸長させることによって、第2容器3は、上昇し、第1容器2から離れようとする。
【0103】
これにより、第1容器2と第2容器3との間に、隙間が形成される。そして、第1容器2の内部の気体(空気や蒸気)は、当該隙間を通過して、第1容器2の外部に排出される。このとき、外装体5が所定以上伸長しないため、第2容器3が第1容器2の上から所定距離以上離れることを規制されている。
【0104】
したがって、第2容器3を第1容器2の上に積む状態を維持することができている。なお、外装体5によって、第1容器2と第2容器3との間に、気体の通路となる隙間が形成されるため、外装体5は、気体の通路を形成する通気手段6である。そして、包装容器1の加熱が完了すると、第2容器3が下降し、第1容器2に接する。このとき、外装体5は、伸長したまま(塑性変形)でもよく、また、収縮(弾性変形)してもよい。
【0105】
以上より、本実施形態に係る包装容器1は、上方が開放される第1容器2と、前記第1容器2の上方を覆うように、前記第1容器2の上に積まれる第2容器3と、を備える、包装容器1であって、前記第2容器3が前記第1容器2の上に積まれる状態で、前記第1容器2の内部と外部との間に、気体の通路を形成する通気手段6を備える。
【0106】
斯かる構成によれば、第2容器3が第1容器2の上に積まれる状態で、通気手段6が、第1容器2の内部と外部との間に、気体の通路を形成する。これにより、第1容器2の内部の気体が、第1容器2の外部に排出するため、下に積まれた第1容器2の内部から外部に気体を確実に排出することができる。
【0107】
また、本実施形態に係る包装容器1においては、前記通気手段6は、前記第2容器3が前記第1容器2の上から所定距離以上離れることを規制するために、第1及び第2容器2,3を覆う外装体5を備える、という構成である。
【0108】
斯かる構成によれば、包装容器1が加熱された際に、第1容器2の内部の圧力が上昇する。そして、その圧力によって、第2容器3が第1容器2の上から離れようとするため、第1容器2と第2容器3との間に、気体の通路が形成される。これにより、第1容器2の内部の気体が、第1容器2の外部に排出される。一方で、外装体5が第1及び第2容器2,3を覆っているため、第1容器2の内部の圧力が所定の圧力以上となった場合でも、第2容器3が第1容器2の上から所定距離以上離れることを抑制することができる。
【0109】
なお、包装容器1は、上記した第3実施形態に係る包装容器1の構成及び作用に限定されるものではない。例えば、上記した第3実施形態に係る包装容器1に対して、以下のような変更が行われてもよい。
【0110】
(1)上記第3実施形態に係る包装容器1においては、第1容器2の内部の圧力が所定圧力よりも上昇した場合に、外装体5が伸長するように変形する、という構成である。しかしながら、包装容器1は、斯かる構成に限られない。例えば、図23図26に示すように、第1容器2の内部の圧力が所定圧力よりも上昇した場合に、外装体5が伸長しない、という構成でもよい。図23図26に係る包装容器1について、以下に説明する。
【0111】
図23及び図24に示すように、外装体5は、第1容器2の側面部及び下面部(図23及び図24において、図示していない)と、第2容器3の側面部と、蓋体4の上面部とを覆っている。これにより、外装体5は、第1容器2、第2容器3及び蓋体4を互いに固定している。
【0112】
そして、図23に示すように、外装体5は、上下方向D3において、蓋体4との間に隙間を有している。当該隙間の寸法は、第2容器3の脚部3cの高さよりも小さくなっている。斯かる構成によれば、例えば、第1容器2の上に第2容器3を安定して積むことができる。
【0113】
なお、外装体5が覆う範囲は、第2容器3が第1容器2の上から所定距離以上離れることを規制できる範囲であれば、特に限定されない。例えば、外装体5は、第1容器2よりも下方側の少なくとも一部と、第2容器3よりも上方側の少なくとも一部とを覆うことが好ましい。また、外装体5は、第1及び第2容器2,3の内部の圧力が上昇した場合でも、伸長せず且つ破断しない強度を有していれば、特に限定されない。例えば、外装体5は、紙シートで形成されていてもよい。
【0114】
ここで、包装容器1を電子レンジで加熱する際の現象について、図23図26を参照しながら説明する。
【0115】
包装容器1が電子レンジで加熱された場合に、第1容器2の内部の圧力が上昇する。その後、第1容器2の内部の圧力が所定圧力よりも上昇した場合に、図25及び図26に示すように、第2容器3は、上昇し、第1容器2から離れようとする。
【0116】
これにより、第1容器2と第2容器3との間に、隙間が形成される。そして、第1容器2の内部の気体は、当該隙間を通過して、第1容器2の外部に排出される。このとき、第2容器3及び蓋体4が外装体5に接するため、第2容器3が第1容器2の上から所定距離以上離れることを規制されている。
【0117】
したがって、第2容器3を第1容器2の上に積む状態を維持することができている。なお、外装体5によって、第1容器2と第2容器3との間に、気体の通路となる隙間が形成されるため、外装体5は、気体の通路を形成する通気手段6である。そして、包装容器1の加熱が完了すると、図23及び図24に示すように、第2容器3が下降し、第1容器2に接する。
【0118】
(2)また、包装容器1は、第1容器2の上方を覆う蓋体(図10及び図11参照)を備えている、という構成でもよい。そして、例えば、蓋体が第1容器2を覆った状態で、包装容器1を電子レンジで加熱するために、蓋体は、気体を通す複数の通気孔を備えている、という構成でもよい。
【0119】
なお、包装容器1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、包装容器1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記した複数の実施形態の各構成や各方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る各構成や各方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0120】
(1)上記各実施形態に係る包装容器1においては、第2容器3が第1容器2の上に積まれる状態で、第1容器2の上部が第2容器3の下部の内部に嵌められている、という構成である。しかしながら、包装容器1は、斯かる構成に限られない。例えば、第2容器3が第1容器2の上に積まれる状態で、第2容器3の下部が第1容器2の上部の内部に嵌められている、という構成でもよい。
【0121】
(2)また、上記各実施形態に係る包装容器1においては、容器2,3は、二つ備えられている、という構成である。しかしながら、包装容器1は、斯かる構成に限られない。例えば、容器2,3は、三つ以上備えられている、という構成でもよい。なお、包装容器1は、二つ〜四つの容器2,3が積まれている、という構成が好ましい。
【0122】
(3)また、上記各実施形態に係る包装容器1においては、容器2,3は、円筒状に形成されている、という構成である。しかしながら、包装容器1は、斯かる構成に限られない。例えば、容器2,3は、多角筒状に形成されている、という構成でもよく、楕円筒状に形成されている、という構成でもよい。
【0123】
(4)また、上記各実施形態に係る包装容器1においては、容器2,3は、側面部に、凹凸部2h,3hを備えている、という構成である。しかしながら、包装容器1は、斯かる構成が好ましいものの、斯かる構成に限られない。例えば、容器2,3は、側面部の全域に亘って、滑面部2e,3eを備えている、という構成でもよい。
【0124】
(5)また、上記各実施形態に係る包装容器1においては、通気手段6で形成される通路は、蒸気や空気を通過させることができる、という構成である。しかしながら、包装容器1は、斯かる構成が好ましいものの、斯かる構成に限られない。例えば、通気手段6で形成される通路は、空気を通過させることができるものの、蒸気を通過させることができない、という構成でもよい。
【0125】
(6)また、包装容器1は、電子レンジだけでなく、他の加熱装置(例えば、蒸し器)によって加熱される、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0126】
1…包装容器、2…第1容器、2a…胴部、2b…底部、2c…脚部、2d…フランジ部、2e…滑面部、2f…凸条部、2g…溝部、2h…凹凸部、2i…第1接触部、2j…凹部、2k…凸部、2m…孔部、2n…第1突起部、3…第2容器、3a…胴部、3b…底部、3c…脚部、3d…フランジ部、3e…滑面部、3f…凸条部、3g…溝部、3h…凹凸部、3i…第2接触部、3j…第2突起部、3k…位置決め部、3m…弾性部、4…蓋体、5…外装体、6…通気手段、6a…規制部、7…蓋体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26