【解決手段】厚さ方向tに重ね合わせられた一対の外装シート3,4を有する袋本体2と、前記袋本体における少なくとも一方の外装シート4の表面4aに沿うように設けられ、前記袋本体内200に収納される被収納物10の厚みに伴って厚さ方向に形状変化する前記外装シートに応じて、厚さ方向に突出し前記袋本体の起立を補助する起立補助シート5と、を備えている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、一部の図では、他図に付している符号の一部を省略している。また実施形態において参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された構成要素の寸法比率に限定されるものではない。さらに本明細書において「略**」との記載は、略中央を例に挙げて説明すると、完全に中央はもとより、実質的に中央と認められる場合を含む。そして本明細書では、平パウチに適用した例について説明するが、封止部のない上方開口の平袋やサイドガゼット袋等、底にマチがなく自立性のないあらゆるタイプの袋に適用可能である。また本明細書では、包装袋1を平坦な面上に起立させたときに、その鉛直方向(
図1における長手方向)を「上下方向」として鉛直下方側を「下」、鉛直上方側を「上」とし、包装袋1の幅方向(
図1における左右方向)を「横方向」とし、包装袋1の前後方向を「厚さ方向t」として説明する。さらに包装袋1に収納される被収納物10は、個体の例を示しているが、これに限定されず、液体、粉体、粒体、ゲル状体のいずれでもよい。本明細書では包装袋1の上シール部23部分を切り取ることにより開口する平パウチを例にあげて説明しているが、包装袋1の開口は、他の箇所、例えば、上側隅部や、背面等に設けられてもよい。また包装袋1に、プラスチック等からなる口栓(所謂スパウト)を取り付け、当該口栓を介して被収納物10を取り出せるものとしてもよい。
【0011】
本実施形態に係る包装袋1(1A,1B)は、厚さ方向tに重ね合わせられた一対の外装シート3,4を有する袋本体2と、袋本体2における少なくとも一方の外装シート4の表面4aに沿うように設けられ、袋本体内200に収納される被収納物10の厚みに伴って厚さ方向tに形状変化する外装シート3,4に応じて、厚さ方向tに突出し袋本体2の起立を補助する起立補助シート5と、を備えている。
以下、詳述する。
【0013】
まず
図1〜
図3を参照しながら、第1実施形態に係る包装袋1について説明する。
包装袋1は、厚さ方向tに重ね合わされた一対の外装シート3,4を有した袋本体2と、袋本体2の起立を補助する起立補助シート5とを備えている。一対の外装シート3,4は、それぞれ同形同大とされ、横方向よりも上下方向に長く延びた正面視において略矩形形状を有する。袋本体2は、一対の外装シート3,4の少なくとも一つの周端部同士が接合されて周縁シール部が設けられて作製され、その周縁シール部は袋本体2の上辺、底辺、両側辺のいずれに設けられてもよい。よって例えば底辺が折り曲げ形成されたような袋本体2を除外するものではない。
【0014】
以下では、一対の外装シート3,4のうち、袋本体2の正面を構成するシートが正面シート3であり、該正面シート3に対向配置され背面を構成するシートが背面シート4である例を説明する。また以下では、正面シート3と背面シート4とのそれぞれの周端部同士が、互いに接合されたマチのない平パウチを構成した袋本体2の例を説明する。よって、図例の袋本体2は、上シール部23と、サイドシール部21,22と、底シール部20とを有している。具体的には、
図3に示すように正面シート3と背面シート4の上端部33,43同士が接合されて、上シール部23を構成する。
図2(a)に示すように正面シート3と背面シート4の側端部31,41,32,42同士が、接合されて、サイドシール部21,22を構成する。そして
図3に示すように正面シート3と背面シート4の底端部30,40同士が互いに接合され、底シール部20を構成する。
【0015】
袋本体2の上シール部23部分は、使用者によって刃物や手等で切り取れるように構成されており、この上シール部23部分を切り取ることで、上方が開口し袋本体内200と外部空間とが連通でき、被収納物10の出し入れができる。この上シール部23部分の切り取り容易にするために、袋本体2のサイドシール部21,22には、開封するための切り取りの開始端となり、略V字状に切欠き形成されたノッチ7,7が設けられている。ノッチ7は、封止部8よりも袋本体2の上の位置に横方向に並んで二つ形成されている。このいずれか一方のノッチ7から横方向に沿って正面シート3及び背面シート4を切断することにより、
図1に一点鎖線で示す取り出し口形成予定部70に、被収納物10の取り出し口が形成される。なお、鋏等の刃物を用いて開封する場合には、ノッチ7は無くてもよい。
【0016】
封止部8は、互いに係合する一対の係合部(凸部80a、凹部81a)で袋本体内200を繰り返し密封可能になるよう構成されている。封止部8の構成は特に限定されないが、例えば
図3に示すように、一般的にジッパー、チャック等と呼称される2枚の係合部付きシート80,81から構成されたものとしてもよい。正面シート3の内面に係合部付きシート81が、背面シート4の内面に係合部付きシート80がそれぞれ接合されている。係合部付きシート80は凸部80aを有する凸部付きシートであり、係合部付きシート81は凹部81aを有する凹部付きシートである。封止部8は、凸部80aが凹部81aに嵌合することで、取り出し口を閉じて袋本体内200の空間を再封する。
【0017】
袋本体2を構成する正面シート3及び背面シート4の材質は、特に限定されないが、例えば樹脂フィルムから構成されたものとしてもよい。正面シート3及び背面シート4を構成する樹脂フィルムは、被収納物10に応じた耐衝撃性、耐磨耗性、及び耐熱性など、包装体としての基本的な性能を備えていることが望ましい。正面シート3及び背面シート4の厚みは、例えば10μm〜500μmであり、好ましくは20μm〜300μmである。また、上述の各シール部23,22,21,20はヒートシールにより形成されることが好ましいため、正面シート3及び背面シート4にはヒートシール性も要求される。正面シート3及び背面シート4を構成するシート材としては、ベースフィルム層と、ヒートシール性を付与するシーラント層とを有する複層シートが好ましく、高いガスバリア性が要求される場合には、ベースフィルム層とシーラント層との間にガスバリア層を設けることが好適である。これら各層の積層は、慣用のラミネート法、例えば共押出法、接着剤を用いたドライラミネーション法、熱接着性層を挟んで熱により接着させる熱ラミネーション法等により行うことができる。なお、ヒートシールにより形成されるシール部は、各シート材のシーラント層を対向させた状態で当該シート材を熱圧着して形成される。
【0018】
ベースフィルム層を構成するフィルムとしては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)など)、ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66など)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルスルフォン(PES)及びエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等から構成される一層又は二層以上の延伸又未延伸フィルムが例示できる。ベースフィルム層の厚みは、例えば10μm〜200μmであり、好ましくは10μm〜100μmである。
【0019】
シーラント層を構成するフィルムとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、二軸延伸ナイロン(ON)、エチレン−オレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)及びエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等から構成される一層又は二層以上の延伸又は未延伸フィルムが例示できる。シーラント層の厚みは、例えば20μm〜200μmであり、好ましくは30μm〜180μmである。
【0020】
ガスバリア層としては、アルミニウム等の金属薄膜、又は塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)などの樹脂フィルム、或いは任意の合成樹脂フィルム(例えば、ベースフィルム層であってもよい)に、アルミニウム、酸化アルミニウムやシリカ等の無機酸化物などを蒸着(又はスパッタリング)したフィルムが例示できる。ガスバリア層の厚みは、例えば0.1μm〜20μmであり、好ましくは0.2μm〜10μmである。
【0021】
正面シート3及び背面シート4には、商品名やデザイン(絵柄)、メーカー名、原材料・使用上の注意事項等の商品説明、背景色などを表示するためのデザイン印刷層(図示せず)を設けてもよい。デザイン印刷層は、例えばグラビア印刷等の公知の方法によりベースフィルム層の内側に形成してもよい。
【0022】
ここで正面シート3及び背面シート4は、形状保持性を有した保形層を備えたものとしてもよい。保形層は、上述の例の樹脂フィルムのベースフィルム層を構成するフィルムに替えて設けてもよいし、ベースフィルム層を薄層にして、最外層もしくは中間層、最内層に設けてもよい。このように正面シート3及び背面シート4として、形状保持性を有した保形層を備えたものとすれば、袋本体2に保形性を付与できる。この場合、袋本体2に保形性があるので、軟質なものと比べて起立補助シート5の補助により、袋本体2を起立させやすいものとすることができる。また一旦、被収納物10を収容すると形状が保持されるので、取り出し口を開口させやすく被収納物10の出し入れがし易い。
なお、ここで形状保持性を有するとは、完全に形状を保持することを要求しているのではなく、例えば折り目を入れた際に時間を置かず、直ちに復元しない程度のことをいい、その折れ目も完璧な折れ目でなくてもよい程度も含む。
【0023】
保形層としては、例えば、紙を取材とする紙層、アルミニウム箔等の金属層が挙げられる。保形層を紙層とした場合、紙使用率が51%以上とできれば、使用後は紙ゴミとして廃棄できるため、環境上も好ましい。保形層として紙層に用いられる材料としては、木材パルプからなる公知の紙材の他、天然植物繊維からなる紙材や様々な種類の原料からなる紙質系材料を用いることが可能である。紙層の材質や厚み等は目的に応じて適宜選択され、例えば耐熱性、耐水性を付与する加工等が施されたものとしてもよく、紙材のみで構成された袋本体2を除外するものではない。
なお、このように保形層を有した場合でも、正面シート3及び背面シート4として、もちろん耐衝撃性、耐磨耗性、及び耐熱性など、包装体としての基本的な性能を備えていることが望ましい。
【0024】
上述のように保形層を備えている場合、正面シート3及び背面シート4の形状変化を補助する折曲補助線3b,4b(
図1〜
図3等参照)を設けるようにしてもよい。折曲補助線3b,4bは正面シート3及び背面シート4の内面側、外面側のいずれか、もしくは両方にいれるようにしてもよい。このように折曲補助線3b,4bを設けたものとすれば、被収納物10を収納した際に厚さ方向tへの形状変化を容易にし、所望する位置で膨らませ易くすることができる。
なお、
図2(a)及び
図2(b)では折曲補助線3b,4bの形成位置と被収納物10との関係をわかりやすくするため、形成位置を矢印で矢示している。
【0025】
上述のような袋本体2は、袋本体2にマチがないため、自立させることは難しいが、袋本体2の起立を補助する起立補助シート5によって、
図3に示すように起立させることができる。よって、起立補助シート5の形状、材質及び厚み等は、起立を補助するための一定の保形性は求められるものの、特に限定されない。具体的には、例えば、合成紙、厚紙、段ボール等の紙材や合成樹脂シート等が挙げられ、その厚みは、通常0.1mm〜5mmである。
図1〜
図3に示す起立補助シート5は、紙材からなり、略直角三角形状をなし、片側が固定されたフラップ状で構成されている。起立補助シート5は、袋本体2における後ろ面となる背面シート4の表面4aに沿うように設けられており、起立補助シート5は、背面シート4の表面4aに固着される固定端5aと、背面シート4の形状変化に伴って突出量が変化する自由端5bとを有している。起立補助シート5は、固定辺部50と、下辺部51とを有している。固定辺部50は、袋本体2の両側端縁部2b,2cのうちの一方に沿うように設けられている。
図1の例では側端縁部2cに沿って略平行に固定端5aとなる固定辺部50が設けられており、底シール部20に沿って略平行に自由端5bとなる下辺部51が設けられている。
【0026】
固定辺部50は、背面シート4の表面4aに公知の接着剤等によって貼着されている。接着剤は背面シート4の材質等に応じて適宜選択され、図中、5aは固定辺部50を固定するための接着領域を示している。固定端5aの位置は、図例に限定されないが、サイドシール部22と折曲補助線4bの間の領域D(
図2(a)参照)の範囲内とされる。領域Dの範囲は、袋本体2の幅方向一方側から1/2の領域、好ましくは1/3の領域であり、言い換えると、被収納物10の収納による形状変化で最も膨らむ箇所より若干離間した側端部42側の位置であることを要する。起立補助シート5は、
図2(b)に示すように袋本体2内に被収納物10が収納されていない状態では、背面シート4の表面4aに沿って突出しない状態であるので、起立補助シート5の先側52も背面シート4の表面4aに沿って閉じられている。一方、
図2(a)に示すように袋本体2内に被収納物10が収納されると、被収納物10の厚みに伴って背面シート4及び正面シート3が厚さ方向tに形状変化する。これに応じて、起立補助シート5が厚さ方向tに突出し、自由端5bとなる下辺部51が背面シート4の表面4aから離間されて袋本体2の起立を補助する。このとき下辺部51と袋本体2の底端縁部2aとが、
図3に示すように設置面100に当接した状態となり、袋本体2は起立補助シート5の支持にされる状態で起立させることができる。
【0027】
以上の構成によれば、起立補助シート5を折り曲げたり、手で拡げたり、組み立てたりする必要がなく、背面シート4の形状変化に応じて起立補助シート5が自ずと厚さ方向tに突出させることができるので、簡易な構成で容易に平袋状の袋本体2を起立させることができる。また以上の構成によれば、袋本体2が正面シート3及び背面シート4の底端部30,40同士が接合されてなる底シール部20を備えているので、例えば谷折りされた底部を備えたものと比べて設置面100に当接する底端縁部2aを硬く構成できる。よって、硬さのある底シール部20と硬さのある起立補助シート5とで袋本体2の起立性を向上させることができる。
【0028】
起立補助シート5は、後記する
図4(a)のように一対をなす正面シート3及び背面シート4の双方に設けてもよいが、上述のように背面シート4のみに設けられてもよいし、正面シート3のみに設けてもよい。片面にのみ設ける場合、正面シート3及び背面シート4の双方に設けるよりも簡略化でき、また背面シート4にのみ設けた場合は、正面シート3の表面3a全面を後記する
図6(a)に示すような印刷領域などとすることができ、商品名や成分表示等の印刷領域が狭くなってしまうことがない。
【0029】
<変形例>
次に
図4を参照しながら、袋本体2に設けられる起立補助シート5等の変形例について説明する。
上述の例(
図1〜
図3に示す例)と共通する箇所には共通の符号を付し、共通する点の説明は極力省略する。また
図4では、説明のため、被収納物10の図示は省略しているが、いずれの場合も収納されている点は上述の例と同様である。
【0030】
まず
図4(a)は、起立補助シート5が一対をなす正面シート3及び背面シート4の双方に設けられた例である。これによれば、起立補助シート5が、正面シート3及び背面シート4のそれぞれに設けられているので、安定して袋本体2の起立を補助することができる。
【0031】
図4(b)は、起立補助シート5が、正面視において略台形状をなし、背面シート4の表面4aに複数枚設けられている例である。2枚の起立補助シート5,5は、それぞれの固定辺部50,50が袋本体2の両側端縁部2b,2cの双方にそれぞれが略平行に沿うように設けられている。固定端5aの固定領域は、領域Dの範囲とされる点は上述の例と同様である。
このように起立補助シート5が略台形状であっても、下辺部51,51が、自由端5bとなり、設置面に当接する点は上述の例と同様である。これによれば、背面シート4側に複数枚の起立補助シート5が設けられているので、安定して袋本体2の起立を補助することができるとともに、正面シート3側には起立補助シート5が設けられていないので、正面シート3の表面3a全面を印刷領域などとディスプレイに適した構成にできる。また複数の起立補助シート5,5を設けた構成であっても、起立補助シート5,5同士が重なり合わないように構成されているので、包装袋1として嵩張りをおさえることができ、輸送コストの低減、収納のコンパクト化等を図ることができる。
【0032】
図4(c)は、袋本体2が幅広な横長矩形状の場合を示した例であり、
図4(b)のさらなる変形例ともいえる。この場合、一枚の起立補助シート5も横長矩形状としてもよいが、安定した補助を望む場合は、図例のように2枚の起立補助シート5,5のそれぞれの固定辺部50,50が袋本体2の両側端縁部2b,2cの双方にそれぞれが略平行に沿うように設けるようにしてよい。
以上のように、起立補助シート5の構成は袋本体2の形状や用途に応じて種々形状のものを設けることができ、下辺部51の大きく確保できる形状とすれば、安定して袋本体2の起立を補助することができる。
【0033】
<第2実施形態>
続いて
図5を参照しながら、第2実施形態の包装袋1Aについて説明する。この実施形態において、第1実施形態と共通する箇所には共通の符号を付し、共通する点の説明は極力省略する。
第2実施形態は、袋本体2の構成は第1実施形態と共通するが、起立補助シート5がフラップ状でなく、写真立等の衝立に似た衝立状である点で異なる。なお、衝立状であっても、起立補助シート5が、背面シート4の表面4aに固着される固定端5aと、背面シート4の形状変化に伴って突出量が変化する自由端5bとを有し、自由端5bが背面シート4の表面4aから離間されて袋本体2の起立を補助する構造とされている点は同様である。
【0034】
起立補助シート5は、袋本体2の略中央部位及び底端縁部2a側を覆うように設けられ固定端5aとなる固定片53と、該固定片53の中央部位から背面シート4の厚さ方向tに端部54aが突出して形成され自由端5bとなる衝立片54とを有している。
図5(a)及び
図5(b)に示す起立補助シート5は、紙材からなり、正面視において略三角形状をなし、少なくとも三角形状のそれぞれ頂点部位近傍の領域には、接着剤で表面4aに貼着される接着領域53aとされる。固定端5aの位置は、図例に限定されないが、背面シート4の略中央部位を支持するため、図例のように略中央部位に固着されていることが望ましい。また衝立片54は、固定片53の底端部40に沿って設けられる辺の略中央部位から、被収納物10の厚みに伴って形状変化する背面シート4に応じて、厚さ方向tに突出量が変化するように構成されている。
【0035】
固定片53の底端部40へ向かって延びる両斜辺の途中には、袋本体2の折り曲げをガイドするガイドノッチ53bが略V字形状に切り込み形成されている。またこのガイドノッチ53bの形成位置に被るように折曲補助線4bが形成されている。これにより、袋本体2は、
図5(b)に示すように、底シール部20に至る手前で被収納物10の重みで若干座屈するように折り曲げ易くなる。そしてこの際の背面シート4の形状変化に応じて、起立補助シート5の衝立片54が厚さ方向tに突出し、自由端5bとなる先側55が背面シート4の表面4aから離間されて袋本体2の起立を補助する。このとき衝立片54の先側55と若干折り曲がって傾斜している袋本体2の底端縁部2aとが、設置面(不図示)に当接した状態となり、袋本体2は起立補助シート5の支持にされる状態で起立させることができる。
【0036】
以上の構成によれば、第1実施形態の包装袋1と同様に、起立補助シート5を折り曲げたり、手で拡げたり、組み立てたりする必要がなく、背面シート4の形状変化に応じて起立補助シート5が自ずと厚さ方向tに突出させることができるので、簡易な構成で容易に平袋状の袋本体2を起立させることができる。また以上の構成によれば、袋本体2が正面シート3及び背面シート4の底端部30,40同士が接合されてなる底シール部20を備えているので、第1実施形態と同様に例えば谷折りされた底部の場合と比べて設置面に当接する底端縁部2aを硬く構成できる。よって、硬さのある底シール部20と硬さのある起立補助シート5とで袋本体2の起立性を向上させることができる。
なお、接着領域53aは図例の構成に限定されるものではなく、左右もしくは上側だけでもよい。
【0037】
<第3実施形態>
次に
図6を参照しながら、第3実施形態の包装袋1Bについて説明する。この実施形態において、第1実施形態と共通する箇所には共通の符号を付し、共通する点の説明は極力省略する。
第3実施形態は、起立補助シート5を背面シート4の表面4aに設けた点は第1実施形態の
図1〜
図3の例と共通するが、袋本体2のサイドシール部22の一方に使用者の記憶の補助となる備忘録部6が設けられている点、正面シート3の表面3aが備忘録部6の利用を促す印刷面とされている点で異なる。
なお、起立補助シート5の構成は、図例に限定されず、
図4(b)、
図4(c)及び第2実施形態に示すような起立補助シート5であってもよい。また
図6(a)及び
図6(b)では被収納物10の図示を省略する。
【0038】
本実施形態の袋本体2の一方のサイドシール部22は、他方のサイドシール部21よりも幅広に形成され、このサイドシール部22に使用者の記憶の補助となる備忘録部6が設けられている。備忘録部6には、あらゆる情報を持たせることができ、予め印刷されたものであってもよいし、使用者側で書きこんで使用するようにしてもよい。例えば目標としていることを行ったか否かの確認に使用してもよい。
【0039】
図6には、薬の包装袋1Bとして使用する例を示しており、この場合は備忘録部6に予め印刷が施されている。
正面シート3の表面3aには、
図6(a)に示すように「○○錠剤 備忘チェックカレンダー」「飲んだ曜日は折ってチェックしましょう。」との印刷があり、サイドシール部22に設けられた備忘録部6は、サイドシール部22の長手方向に沿って複数に分割され、折り曲げ可能な記録タブ60とされている。記録タブ60は、7つに分割され、記録タブ60の基部となる部位には、折り曲げ容易とするための罫線6aがサイドシール部22の長手方向に沿って形成されている。記録タブ60のそれぞれには月〜日までの曜日が印刷されている。
【0040】
よってこの構成によれば、
図6(b)に示すように水曜日に薬を服用したら、「水」の部位を折り曲げれば、水曜日に薬を服用したことの確認をすることができる。また袋本体2が形状保持性を有した保形層を備えたものとすれば、記録タブ60を罫線6aに沿って容易に折り曲げることができる。さらに、このように予め記録タブ60が印刷されていれば、ペン等の筆記具を使わずに目視によって確認でき、薬の飲み忘れを効果的に防ぐことができる。
ここで袋本体2を構成する正面シート3及び背面シート4の材質は他の実施形態と同様に特に限定されないが、記録タブ60を
図6(b)のように折り曲げることを考慮すると、形状保持性を有した保形層を有したものが望ましい。また上記のように使用者側で表面3aや記録タブ60に自ら書きこめる構成とする場合は、保形層として最外層に紙層を採用することが望ましい。また、本実施形態では、備忘録部6がサイドシール部22に設けられた例について説明しているが、特に限定されず、底シール部20や上シール部23に設けられていてもよく、備忘録部6がこれらの一部に構成されていてもよい。
【0041】
正面シート3の表面3aに印刷される文言は図例に限定されず、例えば、「14錠入り、2錠×7日分」等と内容量と服用錠数と服用日数が一目でわかるような印刷を施してもよい。これによれば、包装袋1に収納されている収納されている被収納物の内容を一目で把握できる。備忘録部6及び記録タブ60の構成、形状も図例に限定されず、左右のサイドシール部21,22の幅を変えてわかりやすく設けられていればよい。よって記録タブ60に印刷される内容も曜日に限定されるものではない。例えば、月1回服用する薬用には1〜12という数字でもよいし、日に三回のみ薬用であれば、1〜3回という数字でもよい。また「朝」「昼」「晩」という表示や「食間」と表示された記録タブ60であってもよい。また記録タブ60を折り曲げて備忘チェックできる構成を説明したが、これに限定されず、切除するものとしてもよい。その場合、罫線6aとした箇所は切り取りやすいようにハーフカットもしくは切り込み加工されたミシン目等の切断補助線としてもよい。このように記録タブ60を切除する構成とした場合、記録タブ60をもぎ取ってしまうことで、より一層使用者の記憶の補助とする機能を強めることができる。
【0042】
上記実施形態では、包装袋1、袋本体2、起立補助シート5等の構成、形状は図例に限定されず、例えば袋本体2に、吊り下げ用の孔が形成されたものであってもよい。また袋本体2の大きさも特に限定されず、本実施形態によれば、比較的小型の平袋状包装袋に好適であり、表面3a,4aには、宣伝広告や商品名等が印刷されたものとしてもよい。上述のように包装袋2を起立させることができるので、店舗等のディスプレイに活用してもよい。さらに起立補助シート5は使用者によって、不要であれば、容易に除去できるような剥がしやすい接着剤を用いて起立補助シート5を固定するようにしてもよい。この場合、起立補助シート5を除去してしまえば、平袋状の袋本体2のみになるので、コンパクトに収納・携行等することができる。