(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-173683(P2019-173683A)
(43)【公開日】2019年10月10日
(54)【発明の名称】液体ポンプ
(51)【国際特許分類】
F04C 15/00 20060101AFI20190913BHJP
F04C 2/18 20060101ALI20190913BHJP
F04C 15/06 20060101ALI20190913BHJP
【FI】
F04C15/00 C
F04C2/18 321D
F04C15/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-64145(P2018-64145)
(22)【出願日】2018年3月29日
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100176463
【弁理士】
【氏名又は名称】磯江 悦子
(74)【代理人】
【識別番号】100183232
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 敏行
(72)【発明者】
【氏名】黒田 紳之介
(72)【発明者】
【氏名】鳥居 宏年
【テーマコード(参考)】
3H041
3H044
【Fターム(参考)】
3H041AA02
3H041BB02
3H041CC02
3H041CC15
3H041DD07
3H041DD10
3H041DD22
3H044AA02
3H044BB02
3H044CC02
3H044CC14
3H044DD06
3H044DD09
3H044DD11
3H044DD19
(57)【要約】
【課題】作動液の漏洩を抑制できる液体ポンプを提案する。
【解決手段】液体ポンプの一例である油圧ポンプは、スプライン(11a)を有する駆動軸(11)と、駆動軸(11)が挿通されたブラケット(21)と、駆動軸(11)とブラケット(21)との間に軸方向に間隔をあけて配置された2つの環状シール(31,32)とを備える。ブラケット(21)は、2つの環状シール(31,32)間の空間に連通する排出経路(40)が径方向外側に向かって設けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーまたはスプラインを有する駆動軸(11)と、
上記駆動軸(11)が挿通されたブラケット(21,121)と、
上記駆動軸(11)と上記ブラケット(21,121)との間に軸方向に間隔をあけて配置された2つの環状シール(31,32)と
を備え、
上記ブラケット(21,121)は、上記2つの環状シール(31,32)間の空間に連通する排出経路(40,140)が径方向外側に向かって設けられていることを特徴とする液体ポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載の液体ポンプにおいて、
上記駆動軸(11)により駆動されるポンプ作動部(30)と、
上記2つの環状シール(31,32)間に配置され、上記2つの環状シール(31,32)のうちの上記ポンプ作動部(30)側の環状シール(31)の軸方向外側への移動を規制するC形状の環状ストッパー(33)と
を備え、
上記環状ストッパー(33)の開放部分が上記ブラケット(21,121)の上記排出経路(40,140)の入口(40a,140a)に対向するように、上記環状ストッパー(33)が配置されていることを特徴とする液体ポンプ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の液体ポンプにおいて、
上記ブラケット(21,121)の上記排出経路(40,140)は、下方に向かって貫通していることを特徴とする液体ポンプ。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1つに記載の液体ポンプにおいて、
上記ブラケット(121)の上記排出経路(140)は、少なくとも一部がパイプ(141)であることを特徴とする液体ポンプ。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1つに記載の液体ポンプにおいて、
上記ブラケット(21,121)の上記排出経路(40,140)の排出口(40b,140b)に一端が接続され、他端が液体タンク(T)に接続される配管(L)を備えたことを特徴とする液体ポンプ。
【請求項6】
請求項5に記載の液体ポンプにおいて、
上記ブラケット(121)の上記排出経路(140)の上記排出口(140b)側の内周に設けられた雌ねじ部(150)に、上記配管(L)の外周に設けられた雄ねじ部(160)が螺合することを特徴とする液体ポンプ。
【請求項7】
請求項2に記載の液体ポンプにおいて、
上記ブラケット(21,121)の上記排出経路(40,140)の入口(40a,140a)の径は、上記環状ストッパー(33)の厚さよりも小さいことを特徴とする液体ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0002】
従来、液体ポンプとしては、駆動軸と、駆動軸が挿通されたブラケットと、駆動軸とブラケットとの間に配置された環状シールとを備えたものがある(例えば、特開2013−15108号公報(特許文献1)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−15108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の液体ポンプを油圧ポンプに用いた場合、環状シールから駆動軸側に作動油が漏洩することがある。
【0005】
本開示では、作動液の漏洩を抑制できる液体ポンプを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の液体ポンプは、
キーまたはスプラインを有する駆動軸と、
上記駆動軸が挿通されたブラケットと、
上記駆動軸と上記ブラケットとの間に軸方向に間隔をあけて配置された2つの環状シールと
を備え、
上記ブラケットは、上記2つの環状シール間の空間に連通する排出経路が径方向外側に向かって設けられていることを特徴とする。
【0007】
本開示によれば、駆動軸とブラケットとの間に軸方向に間隔をあけて2つの環状シールが配置され、その2つの環状シール間の空間に連通する排出経路が径方向外側に向かってブラケットに設けられていることにより、作動液の漏洩を抑制できる。
【0008】
また、本開示の1つの態様に係る液体ポンプでは、
上記駆動軸により駆動されるポンプ作動部と、
上記2つの環状シール間に配置され、上記2つの環状シールのうちの上記ポンプ作動部側の環状シールの軸方向外側への移動を規制するC形状の環状ストッパーと
を備え、
上記環状ストッパーの開放部分が上記ブラケットの上記排出経路の入口に対向するように、上記環状ストッパーが配置されている。
【0009】
本開示によれば、2つの環状シールのうちのポンプ作動部側の環状シールの軸方向外側への移動を規制するので、ポンプ作動部側からの作動液の流出を抑制できる。また、環状ストッパーの開放部分がブラケット21の排出経路の入口に対向するように、環状ストッパーを配置することにより、排出経路の入口に連なる空間が環状シール間に設けられているので、ポンプ作動部側からの環状シール間に流入した作動液が排出経路の入口に流入しやすい。したがって、作動液の漏洩をさらに抑制できる。
【0010】
また、本開示の1つの態様に係る液体ポンプでは、
上記ブラケットの上記排出経路は、下方に向かって貫通している。
【0011】
本開示によれば、ブラケットの排出経路が下方に向かって貫通しているので、ポンプ作動部側から環状シール間に侵入した作動液は、ブラケットの排出経路を介して下方に重力により流れ落ちて処理される。
【0012】
また、本開示の1つの態様に係る液体ポンプでは、
上記ブラケットの上記排出経路は、少なくとも一部がパイプである。
【0013】
本開示によれば、ブラケットの排出経路の一部がパイプであるので、例えばブラケットの凹部(薄肉部)が妨げになって、下方に向かって貫通穴を形成できない場合でも、貫通穴を形成できない箇所にパイプを利用することで、下方に向かって貫通する排出経路を形成できる。
【0014】
また、本開示の1つの態様に係る液体ポンプでは、
上記ブラケットの上記排出経路の排出口に一端が接続され、他端が液体タンクに接続される配管を備えた。
【0015】
本開示によれば、ポンプ作動部側から漏れた作動液が液体タンクに戻って再利用することが可能になるので、廃棄することなく作動液の処理が容易にできる。
【0016】
また、本開示の1つの態様に係る液体ポンプでは、
上記ブラケットの上記排出経路の上記排出口側の内周に設けられた雌ねじ部に、上記配管の外周に設けられた雄ねじ部が螺合する。
【0017】
本開示によれば、ブラケットの排出経路の排出口側の内周に設けられた雌ねじ部に、配管の外周に設けられた雄ねじ部が螺合することにより、排出経路と配管Lとの接続が容易にできる。
【0018】
また、本開示の1つの態様に係る液体ポンプでは、
上記ブラケットの上記排出経路の上記入口の径は、上記環状ストッパーの厚さよりも小さい。
【0019】
本開示によれば、排出経路の入口への作動液の流れ込みがスムーズになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本開示の第1実施形態の液体ポンプの一例としての油圧ポンプの側面図である。
【
図3】
図2のIII−III線から見た油圧ポンプの断面図である。
【
図5】本開示の第2実施形態の液体ポンプの一例としての油圧ポンプの要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施形態を説明する。なお、図面において、同一の参照番号は、同一部分または相当部分を表わすものである。また、長さ、幅、厚さ、深さ等の図面上の寸法は、図面の明瞭化と簡略化のために実際の尺度から適宜変更されており、実際の相対寸法を表してはいない。
【0022】
〔第1実施形態〕
図1は本開示の第1実施形態の液体ポンプの一例として油圧ポンプの側面図であり、
図2は油圧ポンプの駆動軸11側の側面図である。
【0023】
この第1実施形態の油圧ポンプは、
図1,
図2に示すように、スプライン11aを有する駆動軸11と、駆動軸11により駆動されるポンプ作動部30と備える。ポンプ作動部30の軸方向両側を、駆動軸11が挿通されたブラケット21とカバー22とで挟んで覆っている。
【0024】
図3は
図2のIII−III線から見た油圧ポンプの断面図である。
【0025】
油圧ポンプのポンプ作動部30は、
図3に示すように、軸が平行でかつ一部が重なり合う2つの第1円筒空間と、第1円筒空間の軸方向の一方に軸が平行でかつ一部が重なり合う2つの第2円筒空間とを有するボディ10と、ボディ10内に配置されたベアリングケース20とを備えている。
【0026】
ボディ10内のベアリングケース20,ブラケット21間に斜歯歯車である第1ドライブギヤ1(駆動ギヤ)を配置し、ベアリングケース20,ブラケット21間に第1ドライブギヤ1と互いに噛み合う斜歯歯車である第1ドリブンギヤ2(従動ギヤ)を配置している。
【0027】
また、ボディ10内のベアリングケース20,カバー22間に斜歯歯車である第2ドライブギヤ3(駆動ギヤ)を配置し、ベアリングケース20,カバー22間に第2ドライブギヤ3と互いに噛み合う斜歯歯車である第2ドリブンギヤ4(従動ギヤ)を配置している。
【0028】
上記ボディ10に、第1ドライブギヤ1と第1ドリブンギヤ2によるポンプの吸入ポート(図示せず)と吐出ポート10a(
図1に示す)を設けている。また、ボディ10に、第2ドライブギヤ3と第2ドリブンギヤ4によるポンプの吸入ポート(図示せず)と吐出ポート10b(
図1に示す)を設けている。
【0029】
また、上記第1ドライブギヤ1と第1ドリブンギヤ2の両側面を挟むように、第1サイドプレート5と第2サイドプレート6をボディ10内に配置している。また、第2ドライブギヤ3と第2ドリブンギヤ4の両側面を挟むように、第3サイドプレート7と第4サイドプレート8をボディ10内に配置している。
【0030】
上記第1サイドプレート5と第2サイドプレート6によって、第1ドライブギヤ1,第1ドリブンギヤ2の側面と第1,第2サイドプレート5,6の表面とをシールし、吸入ポートに連通する低圧室および吐出ポート20aに連通する高圧室を形成している。
【0031】
また、第3サイドプレート7と第4サイドプレート8によって、第2ドライブギヤ3,第2ドリブンギヤ4の側面と第3,第4サイドプレート7,8の表面とをシールし、吸入ポートに連通する低圧室および吐出ポート20bに連通する高圧室を形成している。
【0032】
また、
図3において、ボディ10の図中右端をブラケット21により覆うと共に、ボディ10の図中左側をカバー22で覆っている。上記ボディ10とブラケット21とカバー22でハウジングを構成している。このハウジング内に、互いに噛み合う第1ドライブギヤ1と第1ドリブンギヤ2、および、互いに噛み合う第2ドライブギヤ3と第2ドリブンギヤ4を収納している。
【0033】
上記第1ドライブギヤ1を駆動する第1回転軸としての駆動軸11の一端は、ブラケット21に軸受11Aを介して回転自在に支持され、駆動軸11の他端は、ボディ10,ベアリングケース20に軸受11Bを介して回転自在に支持されている。上記第1回転軸11の他端側のスプライン11aがブラケット21から突出し、そのスプライン11aに図示しないモータの駆動軸が連結される。
【0034】
また、上記第1ドリブンギヤ2の第2回転軸12の一端は、ブラケット21に軸受12Aを介して回転自在に支持され、第2回転軸12の他端(
図1中左側)は、ボディ10,ベアリングケース20に軸受12Bを介して回転自在に支持されている。
【0035】
さらに、駆動軸11の他端に第3回転軸13の一端が連結されている。第2ドライブギヤ3を駆動する第3回転軸13の一端は、ボディ10,ベアリングケース20に軸受13Aを介して回転自在に支持され、第3回転軸13の他端は、カバー22に軸受13Bを介して回転自在に支持されている。
【0036】
また、上記第1ドリブンギヤ2の第4回転軸14の一端は、ボディ10,ベアリングケース20に軸受14Aを介して回転自在に支持され、第4回転軸14の他端は、カバー22に軸受14Bを介して回転自在に支持されている。
【0037】
この油圧ポンプでは、ポンプ作動部30を2連のギアポンプで構成している。
【0038】
上記駆動軸11とブラケット21との間に軸方向に間隔をあけて2つの環状シール31,32を配置している。ブラケット21は、2つの環状シール31,32間の空間に連通する排出経路40が径方向外側に向かって設けられている。
【0039】
2つの環状シール31,32間に、2つの環状シール31,32のうちのポンプ作動部30側の環状シール31の軸方向外側への移動を規制するC形状の環状ストッパー33を配置している。環状ストッパー33は、ブラケット21に設けられた溝に嵌合されている。
【0040】
上記ブラケット21の排出経路40の排出口40bに配管Lの一端が接続され、配管Lの他端が油タンクT(液体タンク)に接続されている。
【0041】
図4は
図3のIV−IV線から見た断面図であり、
図4に示すように、C形状の環状ストッパー33の開放部分33aがブラケット21の排出経路40の入口40aに対向するように、環状ストッパー33が配置されている。
【0042】
上記ブラケット21の排出経路40は、下方に向かって貫通している。
【0043】
上記構成の油圧ポンプによれば、スプライン11aを有する駆動軸11とブラケット21との間に軸方向に間隔をあけて2つの環状シール31,32が配置され、その2つの環状シール31,32間の空間に連通する排出経路40が径方向外側に向かってブラケット21に設けられていることにより、ポンプ作動部30側から環状シール31,32間の空間に漏れ出た作動油が排出経路40を介して外部に排出されるので、スプライン11a側への作動油の漏洩を抑制できる。
【0044】
従来の油圧ポンプの環状シール一枚では、作動油が駆動軸のスプライン側に少量の作動油が漏洩して、スプラインに使用されるグリスが、作動油と混ざることで、グリス本来の機能が減少し、スプラインが磨耗して信頼性が低下するという問題があった。これに対して、上記第1実施形態の油圧ポンプでは、駆動軸11のスプライン11a側への作動有の漏洩を抑制して、スプラインの磨耗を抑え、信頼性を向上できる。
【0045】
また、2つの環状シール31,32間に配置されたC形状の環状ストッパー33によって、2つの環状シール31,32のうちのポンプ作動部30側の環状シール31の軸方向外側への移動を規制するので、ポンプ作動部30側からの作動油の流出を抑制できる。
【0046】
また、環状ストッパー33の開放部分33aがブラケット21の排出経路40の入口40aに対向するように、環状ストッパー33を配置することによって、排出経路40の入口40aに連なる空間が環状シール31,32間に設けられているので、ポンプ作動部30側からの作動油が環状シール31,32間に侵入しても、ブラケット21の排出経路40の入口40aに流入しやすい。したがって、作動油の漏洩をさらに抑制できる。
【0047】
また、ブラケット21の排出経路40が下方に向かって貫通しているので、ポンプ作動部30側から環状シール31,32間に侵入した作動油は、ブラケット21の排出経路40を介して下方に重力により流れ落ちて処理される。
【0048】
また、ブラケット21の排出経路40の排出口40bに配管Lの一端が接続され、配管Lの他端が油タンクT(液体タンク)に接続される。これにより、ポンプ作動部30側から漏れた作動油が油タンクTに戻って再利用されるので、廃棄することなく作動油の処理が容易にできる。
【0049】
また、ブラケット21の排出経路40の入口40aの径は、環状ストッパー33の厚さよりも小さくすることによって、排出経路40の入口40aへの作動油の流れ込みがスムーズになる。
【0050】
上記第1実施形態では、スプライン11aを有する駆動軸11を備えた油圧ポンプについて説明したが、キーを有する駆動軸を備えた液体ポンプでもよい。
【0051】
〔第2実施形態〕
図5は本開示の第2実施形態の液体ポンプの一例としての油圧ポンプの要部の断面図である。この第2実施形態の油圧ポンプは、ブラケット121と排出経路140を除いて第2実施形態の油圧ポンプと同一の構成をしている。
【0052】
図5に示すように、駆動軸11とブラケット121との間に軸方向に間隔をあけて2つの環状シール31,32を配置している。ブラケット121は、2つの環状シール31,32間の空間に連通する排出経路140が径方向外側に向かって設けられている。
【0053】
2つの環状シール31,32間に、2つの環状シール31,32のうちのポンプ作動部30側の環状シール31の軸方向外側への移動を規制するC形状の環状ストッパー33を配置している。この環状ストッパー33の開放部分33a(
図4に示す)がブラケット121の排出経路140の入口140aに対向するように、環状ストッパー33が配置されている。
【0054】
上記ブラケット121の排出経路140の排出口140bに配管Lの一端が接続され、配管Lの他端が油タンクT(液体タンク)に接続されている。
【0055】
なお、ブラケット121に設けられた排出経路140は、一部がパイプ141で構成されている。
【0056】
上記構成の油圧ポンプによれば、ブラケット121の排出経路140の一部がパイプ141であるので、ブラケット121の凹部(薄肉部)が妨げになって、下方に向かって貫通穴を形成できない場合でも、貫通穴を形成できない箇所にパイプ141を利用することで、下方に向かって貫通する排出経路140を形成できる。
【0057】
また、ブラケット121の排出経路140の排出口140b側の内周に設けられた雌ねじ部150に、配管Lの外周に設けられた雄ねじ部160が螺合することにより、排出経路140と配管Lとの接続が容易にできる。なお、
図5では、雌ねじ部150と雄ねじ部160のねじ山は省略している。
【0058】
上記第2実施形態の油圧ポンプは、第1実施形態の油圧ポンプと同様の効果を有する。
【0059】
なお、第2実施形態では、ブラケット121の排出経路140の一部をパイプ141としたが、排出経路の全部がパイプであってもよい。
【0060】
上記第1,第2実施形態では、作動油を用いた油圧ポンプについて説明したが、他の作動液を用いた液体ポンプにこの発明を適用してもよい。
【0061】
本開示の具体的な実施の形態について説明したが、本開示は上記第1,第2実施形態に限定されるものではなく、本開示の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、上記第1,第2実施形態で記載した内容を適宜組み合わせたものを、本開示の一実施形態としてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1…第1ドライブギヤ
2…第1ドリブンギヤ
3…第2ドライブギヤ
4…第2ドリブンギヤ
5…第1サイドプレート
6…第2サイドプレート
7…第3サイドプレート
8…第4サイドプレート
10…ボディ
10a…吐出ポート
10b…吐出ポート
11…駆動軸
11a…スプライン
11A,11B,12A,12B,13A,13B,14A,14B…軸受
12…第2回転軸
13…第3回転軸
14…第4回転軸
30…ポンプ作動部
20…ベアリングケース
21,121…ブラケット
22…カバー
31,32…環状シール
33…環状ストッパー
40,140…排出経路
40a,140a…入口
40b,140b…排出口
141…パイプ
【手続補正書】
【提出日】2019年5月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーまたはスプラインを有する駆動軸(11)と、
上記駆動軸(11)が挿通されたブラケット(21,121)と、
上記駆動軸(11)と上記ブラケット(21,121)との間に軸方向に間隔をあけて配置された2つの環状シール(31,32)と、
上記駆動軸(11)により駆動されるポンプ作動部(30)と、
上記2つの環状シール(31,32)間に配置され、上記2つの環状シール(31,32)のうちの上記ポンプ作動部(30)側の環状シール(31)の軸方向外側への移動を規制するC形状の環状ストッパー(33)と
を備え、
上記ブラケット(21,121)は、上記2つの環状シール(31,32)間の空間に連通する排出経路(40,140)が径方向外側に向かって設けられており、
上記環状ストッパー(33)と上記排出経路(40,140)とは、上記駆動軸(11)の軸方向に対して直交する同一平面上に配置されていると共に、
上記環状ストッパー(33)の開放部分が上記ブラケット(21,121)の上記排出経路(40,140)の入口(40a,140a)に対向するように、上記環状ストッパー(33)が配置されていることを特徴とする液体ポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載の液体ポンプにおいて、
上記ブラケット(21,121)の上記排出経路(40,140)は、下方に向かって貫通していることを特徴とする液体ポンプ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の液体ポンプにおいて、
上記ブラケット(121)の上記排出経路(140)は、少なくとも一部がパイプ(141)であることを特徴とする液体ポンプ。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1つに記載の液体ポンプにおいて、
上記ブラケット(21,121)の上記排出経路(40,140)の排出口(40b,140b)に一端が接続され、他端が液体タンク(T)に接続される配管(L)を備えたことを特徴とする液体ポンプ。
【請求項5】
請求項4に記載の液体ポンプにおいて、
上記ブラケット(121)の上記排出経路(140)の上記排出口(140b)側の内周に設けられた雌ねじ部(150)に、上記配管(L)の外周に設けられた雄ねじ部(160)が螺合することを特徴とする液体ポンプ。
【請求項6】
請求項1に記載の液体ポンプにおいて、
上記ブラケット(21,121)の上記排出経路(40,140)の入口(40a,140a)の径は、上記環状ストッパー(33)の厚さよりも小さいことを特徴とする液体ポンプ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0002】
従来、液体ポンプとしては、駆動軸と、駆動軸が挿通されたブラケットと、駆動軸とブラケットとの間に配置された環状シールとを備えたものがある(例えば、特開2013−15108号公報(特許文献1)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−15108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の液体ポンプを油圧ポンプに用いた場合、環状シールから駆動軸側に作動油が漏洩することがある。
【0005】
本開示では、作動液の漏洩を抑制できる液体ポンプを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の液体ポンプは、
キーまたはスプラインを有する駆動軸と、
上記駆動軸が挿通されたブラケットと、
上記駆動軸と上記ブラケットとの間に軸方向に間隔をあけて配置された2つの環状シールと
、
上記駆動軸により駆動されるポンプ作動部と、
上記2つの環状シール間に配置され、上記2つの環状シールのうちの上記ポンプ作動部側の環状シールの軸方向外側への移動を規制するC形状の環状ストッパーと
を備え、
上記ブラケットは、上記2つの環状シール間の空間に連通する排出経路が径方向外側に向かって設けられて
おり、
上記環状ストッパーと上記排出経路とは、上記駆動軸の軸方向に対して直交する同一平面上に配置されていると共に、
上記環状ストッパーの開放部分が上記ブラケットの上記排出経路の入口に対向するように、上記環状ストッパーが配置されていることを特徴とする。
【0007】
本開示によれば、駆動軸とブラケットとの間に軸方向に間隔をあけて2つの環状シールが配置され、その2つの環状シール間の空間に連通する排出経路が径方向外側に向かってブラケットに設けられていることにより、作動液の漏洩を抑制できる。
また、2つの環状シールのうちのポンプ作動部側の環状シールの軸方向外側への移動を規制するので、ポンプ作動部側からの作動液の流出を抑制できる。また、環状ストッパーの開放部分がブラケット21の排出経路の入口に対向するように、環状ストッパーを配置することにより、排出経路の入口に連なる空間が環状シール間に設けられているので、ポンプ作動部側からの環状シール間に流入した作動液が排出経路の入口に流入しやすい。したがって、作動液の漏洩をさらに抑制できる。
【0008】
【0009】
【0010】
また、本開示の1つの態様に係る液体ポンプでは、
上記ブラケットの上記排出経路は、下方に向かって貫通している。
【0011】
本開示によれば、ブラケットの排出経路が下方に向かって貫通しているので、ポンプ作動部側から環状シール間に侵入した作動液は、ブラケットの排出経路を介して下方に重力により流れ落ちて処理される。
【0012】
また、本開示の1つの態様に係る液体ポンプでは、
上記ブラケットの上記排出経路は、少なくとも一部がパイプである。
【0013】
本開示によれば、ブラケットの排出経路の一部がパイプであるので、例えばブラケットの凹部(薄肉部)が妨げになって、下方に向かって貫通穴を形成できない場合でも、貫通穴を形成できない箇所にパイプを利用することで、下方に向かって貫通する排出経路を形成できる。
【0014】
また、本開示の1つの態様に係る液体ポンプでは、
上記ブラケットの上記排出経路の排出口に一端が接続され、他端が液体タンクに接続される配管を備えた。
【0015】
本開示によれば、ポンプ作動部側から漏れた作動液が液体タンクに戻って再利用することが可能になるので、廃棄することなく作動液の処理が容易にできる。
【0016】
また、本開示の1つの態様に係る液体ポンプでは、
上記ブラケットの上記排出経路の上記排出口側の内周に設けられた雌ねじ部に、上記配管の外周に設けられた雄ねじ部が螺合する。
【0017】
本開示によれば、ブラケットの排出経路の排出口側の内周に設けられた雌ねじ部に、配管の外周に設けられた雄ねじ部が螺合することにより、排出経路と配管Lとの接続が容易にできる。
【0018】
また、本開示の1つの態様に係る液体ポンプでは、
上記ブラケットの上記排出経路の上記入口の径は、上記環状ストッパーの厚さよりも小さい。
【0019】
本開示によれば、排出経路の入口への作動液の流れ込みがスムーズになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本開示の第1実施形態の液体ポンプの一例としての油圧ポンプの側面図である。
【
図3】
図2のIII−III線から見た油圧ポンプの断面図である。
【
図5】本開示の第2実施形態の液体ポンプの一例としての油圧ポンプの要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施形態を説明する。なお、図面において、同一の参照番号は、同一部分または相当部分を表わすものである。また、長さ、幅、厚さ、深さ等の図面上の寸法は、図面の明瞭化と簡略化のために実際の尺度から適宜変更されており、実際の相対寸法を表してはいない。
【0022】
〔第1実施形態〕
図1は本開示の第1実施形態の液体ポンプの一例として油圧ポンプの側面図であり、
図2は油圧ポンプの駆動軸11側の側面図である。
【0023】
この第1実施形態の油圧ポンプは、
図1,
図2に示すように、スプライン11aを有する駆動軸11と、駆動軸11により駆動されるポンプ作動部30と備える。ポンプ作動部30の軸方向両側を、駆動軸11が挿通されたブラケット21とカバー22とで挟んで覆っている。
【0024】
図3は
図2のIII−III線から見た油圧ポンプの断面図である。
【0025】
油圧ポンプのポンプ作動部30は、
図3に示すように、軸が平行でかつ一部が重なり合う2つの第1円筒空間と、第1円筒空間の軸方向の一方に軸が平行でかつ一部が重なり合う2つの第2円筒空間とを有するボディ10と、ボディ10内に配置されたベアリングケース20とを備えている。
【0026】
ボディ10内のベアリングケース20,ブラケット21間に斜歯歯車である第1ドライブギヤ1(駆動ギヤ)を配置し、ベアリングケース20,ブラケット21間に第1ドライブギヤ1と互いに噛み合う斜歯歯車である第1ドリブンギヤ2(従動ギヤ)を配置している。
【0027】
また、ボディ10内のベアリングケース20,カバー22間に斜歯歯車である第2ドライブギヤ3(駆動ギヤ)を配置し、ベアリングケース20,カバー22間に第2ドライブギヤ3と互いに噛み合う斜歯歯車である第2ドリブンギヤ4(従動ギヤ)を配置している。
【0028】
上記ボディ10に、第1ドライブギヤ1と第1ドリブンギヤ2によるポンプの吸入ポート(図示せず)と吐出ポート10a(
図1に示す)を設けている。また、ボディ10に、第2ドライブギヤ3と第2ドリブンギヤ4によるポンプの吸入ポート(図示せず)と吐出ポート10b(
図1に示す)を設けている。
【0029】
また、上記第1ドライブギヤ1と第1ドリブンギヤ2の両側面を挟むように、第1サイドプレート5と第2サイドプレート6をボディ10内に配置している。また、第2ドライブギヤ3と第2ドリブンギヤ4の両側面を挟むように、第3サイドプレート7と第4サイドプレート8をボディ10内に配置している。
【0030】
上記第1サイドプレート5と第2サイドプレート6によって、第1ドライブギヤ1,第1ドリブンギヤ2の側面と第1,第2サイドプレート5,6の表面とをシールし、吸入ポートに連通する低圧室および吐出ポート20aに連通する高圧室を形成している。
【0031】
また、第3サイドプレート7と第4サイドプレート8によって、第2ドライブギヤ3,第2ドリブンギヤ4の側面と第3,第4サイドプレート7,8の表面とをシールし、吸入ポートに連通する低圧室および吐出ポート20bに連通する高圧室を形成している。
【0032】
また、
図3において、ボディ10の図中右端をブラケット21により覆うと共に、ボディ10の図中左側をカバー22で覆っている。上記ボディ10とブラケット21とカバー22でハウジングを構成している。このハウジング内に、互いに噛み合う第1ドライブギヤ1と第1ドリブンギヤ2、および、互いに噛み合う第2ドライブギヤ3と第2ドリブンギヤ4を収納している。
【0033】
上記第1ドライブギヤ1を駆動する第1回転軸としての駆動軸11の一端は、ブラケット21に軸受11Aを介して回転自在に支持され、駆動軸11の他端は、ボディ10,ベアリングケース20に軸受11Bを介して回転自在に支持されている。上記第1回転軸11の他端側のスプライン11aがブラケット21から突出し、そのスプライン11aに図示しないモータの駆動軸が連結される。
【0034】
また、上記第1ドリブンギヤ2の第2回転軸12の一端は、ブラケット21に軸受12Aを介して回転自在に支持され、第2回転軸12の他端(
図1中左側)は、ボディ10,ベアリングケース20に軸受12Bを介して回転自在に支持されている。
【0035】
さらに、駆動軸11の他端に第3回転軸13の一端が連結されている。第2ドライブギヤ3を駆動する第3回転軸13の一端は、ボディ10,ベアリングケース20に軸受13Aを介して回転自在に支持され、第3回転軸13の他端は、カバー22に軸受13Bを介して回転自在に支持されている。
【0036】
また、上記第1ドリブンギヤ2の第4回転軸14の一端は、ボディ10,ベアリングケース20に軸受14Aを介して回転自在に支持され、第4回転軸14の他端は、カバー22に軸受14Bを介して回転自在に支持されている。
【0037】
この油圧ポンプでは、ポンプ作動部30を2連のギアポンプで構成している。
【0038】
上記駆動軸11とブラケット21との間に軸方向に間隔をあけて2つの環状シール31,32を配置している。ブラケット21は、2つの環状シール31,32間の空間に連通する排出経路40が径方向外側に向かって設けられている。
【0039】
2つの環状シール31,32間に、2つの環状シール31,32のうちのポンプ作動部30側の環状シール31の軸方向外側への移動を規制するC形状の環状ストッパー33を配置している。環状ストッパー33は、ブラケット21に設けられた溝に嵌合されている。
【0040】
上記ブラケット21の排出経路40の排出口40bに配管Lの一端が接続され、配管Lの他端が油タンクT(液体タンク)に接続されている。
【0041】
図4は
図3のIV−IV線から見た断面図であり、
図4に示すように、C形状の環状ストッパー33の開放部分33aがブラケット21の排出経路40の入口40aに対向するように、環状ストッパー33が配置されている。
【0042】
上記ブラケット21の排出経路40は、下方に向かって貫通している。
【0043】
上記構成の油圧ポンプによれば、スプライン11aを有する駆動軸11とブラケット21との間に軸方向に間隔をあけて2つの環状シール31,32が配置され、その2つの環状シール31,32間の空間に連通する排出経路40が径方向外側に向かってブラケット21に設けられていることにより、ポンプ作動部30側から環状シール31,32間の空間に漏れ出た作動油が排出経路40を介して外部に排出されるので、スプライン11a側への作動油の漏洩を抑制できる。
【0044】
従来の油圧ポンプの環状シール一枚では、作動油が駆動軸のスプライン側に少量の作動油が漏洩して、スプラインに使用されるグリスが、作動油と混ざることで、グリス本来の機能が減少し、スプラインが磨耗して信頼性が低下するという問題があった。これに対して、上記第1実施形態の油圧ポンプでは、駆動軸11のスプライン11a側への作動有の漏洩を抑制して、スプラインの磨耗を抑え、信頼性を向上できる。
【0045】
また、2つの環状シール31,32間に配置されたC形状の環状ストッパー33によって、2つの環状シール31,32のうちのポンプ作動部30側の環状シール31の軸方向外側への移動を規制するので、ポンプ作動部30側からの作動油の流出を抑制できる。
【0046】
また、環状ストッパー33の開放部分33aがブラケット21の排出経路40の入口40aに対向するように、環状ストッパー33を配置することによって、排出経路40の入口40aに連なる空間が環状シール31,32間に設けられているので、ポンプ作動部30側からの作動油が環状シール31,32間に侵入しても、ブラケット21の排出経路40の入口40aに流入しやすい。したがって、作動油の漏洩をさらに抑制できる。
【0047】
また、ブラケット21の排出経路40が下方に向かって貫通しているので、ポンプ作動部30側から環状シール31,32間に侵入した作動油は、ブラケット21の排出経路40を介して下方に重力により流れ落ちて処理される。
【0048】
また、ブラケット21の排出経路40の排出口40bに配管Lの一端が接続され、配管Lの他端が油タンクT(液体タンク)に接続される。これにより、ポンプ作動部30側から漏れた作動油が油タンクTに戻って再利用されるので、廃棄することなく作動油の処理が容易にできる。
【0049】
また、ブラケット21の排出経路40の入口40aの径は、環状ストッパー33の厚さよりも小さくすることによって、排出経路40の入口40aへの作動油の流れ込みがスムーズになる。
【0050】
上記第1実施形態では、スプライン11aを有する駆動軸11を備えた油圧ポンプについて説明したが、キーを有する駆動軸を備えた液体ポンプでもよい。
【0051】
〔第2実施形態〕
図5は本開示の第2実施形態の液体ポンプの一例としての油圧ポンプの要部の断面図である。この第2実施形態の油圧ポンプは、ブラケット121と排出経路140を除いて第2実施形態の油圧ポンプと同一の構成をしている。
【0052】
図5に示すように、駆動軸11とブラケット121との間に軸方向に間隔をあけて2つの環状シール31,32を配置している。ブラケット121は、2つの環状シール31,32間の空間に連通する排出経路140が径方向外側に向かって設けられている。
【0053】
2つの環状シール31,32間に、2つの環状シール31,32のうちのポンプ作動部30側の環状シール31の軸方向外側への移動を規制するC形状の環状ストッパー33を配置している。この環状ストッパー33の開放部分33a(
図4に示す)がブラケット121の排出経路140の入口140aに対向するように、環状ストッパー33が配置されている。
【0054】
上記ブラケット121の排出経路140の排出口140bに配管Lの一端が接続され、配管Lの他端が油タンクT(液体タンク)に接続されている。
【0055】
なお、ブラケット121に設けられた排出経路140は、一部がパイプ141で構成されている。
【0056】
上記構成の油圧ポンプによれば、ブラケット121の排出経路140の一部がパイプ141であるので、ブラケット121の凹部(薄肉部)が妨げになって、下方に向かって貫通穴を形成できない場合でも、貫通穴を形成できない箇所にパイプ141を利用することで、下方に向かって貫通する排出経路140を形成できる。
【0057】
また、ブラケット121の排出経路140の排出口140b側の内周に設けられた雌ねじ部150に、配管Lの外周に設けられた雄ねじ部160が螺合することにより、排出経路140と配管Lとの接続が容易にできる。なお、
図5では、雌ねじ部150と雄ねじ部160のねじ山は省略している。
【0058】
上記第2実施形態の油圧ポンプは、第1実施形態の油圧ポンプと同様の効果を有する。
【0059】
なお、第2実施形態では、ブラケット121の排出経路140の一部をパイプ141としたが、排出経路の全部がパイプであってもよい。
【0060】
上記第1,第2実施形態では、作動油を用いた油圧ポンプについて説明したが、他の作動液を用いた液体ポンプにこの発明を適用してもよい。
【0061】
本開示の具体的な実施の形態について説明したが、本開示は上記第1,第2実施形態に限定されるものではなく、本開示の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、上記第1,第2実施形態で記載した内容を適宜組み合わせたものを、本開示の一実施形態としてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1…第1ドライブギヤ
2…第1ドリブンギヤ
3…第2ドライブギヤ
4…第2ドリブンギヤ
5…第1サイドプレート
6…第2サイドプレート
7…第3サイドプレート
8…第4サイドプレート
10…ボディ
10a…吐出ポート
10b…吐出ポート
11…駆動軸
11a…スプライン
11A,11B,12A,12B,13A,13B,14A,14B…軸受
12…第2回転軸
13…第3回転軸
14…第4回転軸
30…ポンプ作動部
20…ベアリングケース
21,121…ブラケット
22…カバー
31,32…環状シール
33…環状ストッパー
40,140…排出経路
40a,140a…入口
40b,140b…排出口
141…パイプ