【課題】金融機関として、事務コストの増大化や作業効率の悪化及び混乱を解消し、既存の対応可能なシステムを有効に活用して気付き情報を集約し、業務の停滞や多額のコストをかけない業務改革支援システムを提供する。
【解決手段】金融機関にて稼働中の勘定系ホスト及びDWH・統合DBとデータ連携すると共に、既存システム、チャネル及び外部情報を情報源としてデータ連携し、既存システム、チャネル、外部情報、勘定系ホスト及びDWH・統合DBに散在している多様な情報を、所定抽出条件で一元的に集約して気付き情報を抽出し、抽出された気付き情報を通知乃至可視化することによって金融機関の業務を改革する。
金融機関にて稼働中の勘定系ホスト及びデータウェアハウス(DWH)・統合データベース(DB)とデータ連携すると共に、既存システム、チャネル及び外部情報を情報源としてデータ連携し、前記既存システム、前記チャネル、前記外部情報、前記勘定系ホスト及び前記DWH・統合DBに散在している多様な情報を、所定抽出条件で一元的に集約して気付き情報を抽出し、抽出された気付き情報を通知乃至可視化することによって前記金融機関の業務を改善することを特徴とする金融機関の業務改革支援システム。
前記気付き情報の抽出を、入力連携インタフェース、一元集約記憶装置、気付き情報抽出部、気付き集約記憶装置及び出力連携インタフェースを備えて成る気付き情報構築システムで行う請求項1に記載の金融機関の業務改革支援システム。
前記入力連携インタフェースに前記既存システム、前記チャネル、前記外部情報、前記勘定系ホスト及び前記DWH・統合DBが接続され、前記出力連携インタフェースに前記既存システム、前記勘定系ホスト及び前記DWH・統合DBが接続されている請求項2に記載の金融機関の業務改革支援システム。
前記一元集約記憶装置及び前記気付き集約記憶装置が、いずれも顧客、日時及び住所などの関係で情報の紐付けをおこなっている請求項1乃至3のいずれかに記載の金融機関の業務改革支援システム。
前記抽出された気付き情報が、提案に繋げる共有の情報、増収に繋がる情報、信頼の獲得、ミス防止等の情報である請求項1乃至4のいずれかに記載の金融機関の業務改革支援システム。
【背景技術】
【0002】
銀行などの金融機関の融資需要の環境は、個人ローンを含め、住宅ローン、クレジットカード、投資信託(投信)、年金、保険などについて、抜本的な見直しが求められている。金融機関としては、都市銀行、地方銀行、外資系銀行、ゆうちょ銀行、ネット銀行、信用金庫、信用組合などが含まれるが、以下では単に「金融機関」とする。これら金融機関の主な業務は、「融資(貸出)業務」、「預金業務」、「為替業務」の3つであり、この中で融資(貸出)業務の主な対象は個人と法人であり、個人ローンとしては住宅ローン、自動車ローン、教育ローン、フリーローン、カードローン等があり、法人ローンは事業性資金の融資(運転資金、設備資金)が主である。
【0003】
従来の金融機関ビジネスモデルにおいて、金融業界において地図やCRM(Customer Relationship Management(顧客管理システム))の導入効果として良く挙げられているのが、システムによる顧客への「訪問数の増加」と「訪問の質向上」である。しかし、最近は金融機関でも,ワークライフバランス(WLB)の重要性を掲げるようになり、残業も厳しく制限されるようになっている。
【0004】
図1は個人ローン業務における従来の手続フローの例を示しており、先ず個人ローンを希望する顧客は、営業店窓口やインターネット等で金融機関に相談し、既存のCRM506を用いて受付契約を行う。次いで、金融機関の担当者は既存の審査システム512を用いて顧客の審査を行い、審査合格となった場合には担当者が決裁を行い、その後、勘定系ホスト300に融資情報を入力して、個人ローンの業務を実行する。このように、相談から事後までの過程の中での情報は、各システムで連携されることはなく、また、それぞれで入力作業が重複している。
【0005】
金融機関における業務(例えば
図1)本来の役割は、ビジネスを拡大できる能力のある人や企業に融資を行い、その資金で拡大したビジネスで生まれる新たな需要に更に融資を行い、地域経済乃至国家経済を一層活性化していくことにある。しかし、今後、融資だけでは収益が見込めないため、近年、金融機関は投資信託や保険商品のようなリスクを伴う商品販売も行うようになっている。この場合、手続が煩雑化し、高齢者への販売規制強化、リスク許容に応じた販売、元本欠損のリスクの説明等が必要となり、販売の都度、販売を可能とした文章や説明、リスクについての説明内容を文書化しなければならないため、専門知識の習得や業務の煩雑化を招いている。
【0006】
特開2002−169872号公報(特許文献1)に示される折衝支援システムは、住宅購入等の不動産関連取引において、実際に関係する金融機関なども含めた各当事者間において、成約までの折衝を一元化により効率化している。特開2002−41770号公報(特許文献2)に示される顧客情報収集システムでは、店舗に入室した顧客の内、リピータ(2度以上来室している顧客)の人数を正確に把握することができるPOSシステムと連携させ、購入金額、商品情報等によって売り上げ予測を正確に立てるようにしている。また、特開2012−3501号公報(特許文献3)に開示された金融機関連携システムは、金融商品の買付け時の顧客の作業負担を軽減し、かつ買い注文を迅速に処理することができる金融機関連携システムであり、特開2014−186672号公報(特許文献4)には、金融機関の営業店における事務作業を低減し、情報を連携することによるサービス提供の効率化を図る金融営業システムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
企業内システムの業務改革については、経営コックピットやコックピット経営として企業内システムから経営データを統合的に吸い上げ、経営者が分かり易く、情報の一覧や分析をする経営手法などが提案されている。コックピットシステムは、コックピットに表示されるインジケータによって経営の可視化が実現されると、今まで経営者の経験やカンに頼ってきた前近代的な経営スタイルから脱却し、先進的な経営スタイルへ転換することができるようになる。
【0009】
現在、金融業界の「業務」はシステム化され、勘定系、情報系、外部情報、営業店窓口やATMなどを含むチャネルとの連携が構築され、多くのシステムが稼動している。しかしながら、労働環境の変化や社会環境や経済環境の変化などに左右される時代において、経営目線の活用だけでは事業目的を達成できないことも多い。
【0010】
金融業界の現状は、新規システムの導入効果として、システムによる「訪問数の増加」や「訪問の質向上」の取り組みが良く挙げられる。しかし、最近は金融機関でもワークライフバランス(WLB)の重要性を掲げるようになっており、残業も厳しく制限されるようになったことから、部門毎の業務について、コストダウンやトータル的な効率を含めた業務改革に取組む必要が生じている。
【0011】
現状は、ビジネス競争に勝ち残るために質の高い業務が求められ、全てのシステムを使いこなすことや、システムの更改対応時に伴う「人、時間、費用」の負担の大きさ等、様々な問題点が指摘されている。現状においては、既存システム群のデータを「部門を越えた活用」を実現するシステム管理や、業務経験の浅い担当者でも正確で適正に運用できるための業務再生などの研究や提案にまでは、至っていない。このため、現在稼働運用されている企業内の既存システム群をそのまま活かし、専門業務の改善に直結した金融業務改革支援システムの実現が望まれている。
【0012】
システム関連のコスト削減を図るためには、既存の使い慣れている「安定・安心・安全」なシステムをできる限り長期間利用し続けることが望ましい。業務によっては、変更しなければならないシステムや、逆にむやみに変更してはならない重要なシステムも存在する。金融機関のシステムは、一般的にシステム更改を5年おきに実施することが多く、使い慣れたシステムの更改は「安定・安心・安全」の観点からすると非効率の感がある。
【0013】
本発明で提案する金融機関の業務改革支援システムは、金融機関を含む企業の既存のシステム群を融合させることで気付き情報を抽出し、気付き情報の活用によって作業効率の改善及び必要な情報を素早く得ることや、システム関連コストの削減に寄与する。
【0014】
また、社内で活用されているシステム群で、活用されないまま蓄積されるだけの既存データ、個人単位で作成したPC内に埋もれた各種データ、紙ベースで保管された台帳や案件に関する資料、これらの情報資産を気付き情報として集約することで情報の一元化と共有化を図ることができると共に、情報ネットワークを単なるコミュニケーションツールとしてではなく、業務システムの核となるプラットフォームとして各種システム群の集約・管理を司るイントラネット・クラウドとして活用することが可能となる。企業において集められた価値ある情報はデータベースの中にあり、それを殆どの者は見出すことができていない。本発明の業務改革支援システムは、気付き情報として一元化して管理することによって上記課題を解決し、価値ある情報をいつでも担当者が利用することができ、業務に貢献することができる
本発明は、融資やリスク商品などの事業における問題点や経営環境の諸事情から生まれたものであり、本発明の目的は、金融機関として事務コストの増大化や作業効率の悪化及び混乱を解消することや、数を稼ぐのではなく、本来行くべき顧客先を訪ね、相手に合わせた適切な提案を行い得るような渉外活動の改善を実現するため、既存システムを有効に活用し、散在している顧客に関する様々な情報を気付き情報として集約して一元管理し、これら気付き情報に基づいて業務の停滞や多額のコストをかけない金融機関の業務改革支援システムを提供することにある。
【0015】
即ち、本発明は、融資やリスク商品などの事業における従来の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、金融機関として、事務コストの増大化や作業効率の悪化及び混乱を解消し、既存の対応可能なシステムを有効に活用して気付き情報として抽出して集約し、業務の停滞や多額のコストをかけないで、営業の成果を一層向上することができる金融機関の業務改革支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は金融機関の業務改革支援システムに関し、本発明の上記目的は、金融機関にて稼働中の勘定系ホスト及びデータウェアハウス(DWH)・統合データベース(DB)とデータ連携すると共に、既存システム、チャネル及び外部情報を情報源としてデータ連携し、前記既存システム、前記チャネル、前記外部情報、前記勘定系ホスト及び前記DWH・統合DBに散在している多様な情報を、所定抽出条件で一元的に集約して気付き情報を抽出し、抽出された気付き情報を通知乃至可視化することによって前記金融機関の業務を改善することにより達成される。
【発明の効果】
【0017】
既存システムを利用して、住宅ローン、クレジットカード、投資信託、年金、保険などの気付き情報を構築するシステムの実現には、経営課題を特定し、収益改善に結び付けることが必要である。しかしながら、金融機関における現状は、CRMやSFA(Sales Force Automation)等へのIT投資に期待する効果として、「訪問件数の増加」ではなく、「訪問の質向上」へと変化している。本発明に係る金融機関の業務改革支援システムによれば、既存システムや外部情報などの情報から抽出され集約された「気づき情報」の結果は、顧客訪問の質の向上に極めて有効であり、営業力の底上げ、潜在顧客の獲得、市場・商品の予測などの業務の改善に着実に繋がると予想される。
【0018】
また、本発明に係る金融機関の業務改革支援システムによれば、金融機関がリスクに見合った融資を行っているかどうか、取引先のリスクをしっかり把握しているかどうか、リスクの管理は適正かどうかなど、金融機関の取り組みをマニュアル化してシステム化することにより、融資の適正を図ることが可能である。更に、本当にお金を貸しても問題のない個人や企業に融資を行うシステムの提供に繋がり、本発明のシステム運用により、業務管理を一層適正に図ることができ、新規融資を安易に行うことの防止、多重債務や過剰融資の予防にも繋がる利点がある。
【0019】
本発明によれば、ペーパーレス化、疎明資料の電子保管による本部(本社)と営業店(支店)の業務負担など、金融機関の事務コストの軽減を実現でき、手作業をシステム対応にすることによる業務の効率化を図ることができる。また、顧客の来店回数削減による利便性の向上を図ることができ、システム構築による取引先のリスク管理の適正化を実現でき、投資信託や保険商品のようなリスク商品販売においても、高齢者への販売規制などのリスク許容に応じた販売の対応が可能となり、元本欠損のリスクの説明や、販売の都度、販売を「可」とした文章や、リスクについての説明内容の文書化などにおける手続の煩雑さを解消できる。更に、新規融資を安易に行わないことが、多重債務や過剰融資の予防にも繋がるといった利点がある。
【0020】
本発明は、業務改革による効率を含めたコストダウンなどの問題点の改善から生まれたもので、その課題は、業務によって関連するシステムや関連性のないシステムを見極めることにより、金融機関内のシステム関連コストの削減や作業効率の改善を通じ、問題の解消を図るシステムを提供することにある。ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)が「再生医療」であるように、金融機関自身の各種システムに備わるデータ群のファイルやデータ集約・管理によるシステムの融合である集積多能性幹システム(Integration Pluripotency System)は、新たな業務システムの創生へと繋がることから、IT分野の業務再生幹であり、既存システム群を活用し新たなアプリケーションを得るという業務再生を開く画期的なシステムとなり得る。現状のシステム群を活用し、新たなアプリケーションを得るという画期的な集積多能性幹システム(IPS)の提供は、システムの再生を実現する「幹システム」とも言える。
【0021】
本発明の金融業務改革支援システムは、既存のシステム群がファイルやデータの格納場所となり、社内イントラネット・クラウドとしての機能を持つため集約・管理が可能であり、業務に特化した高度な専門性と共に利便性を高めることができる。
【0022】
各種システムに備わるデータ群の縦割り業務を排除し、横断的な集約・管理の目的とする業務改革支援システムは、システムの集積多能性を大きく前進させ、目的を明確にしたことでコックピットシステムの実現が可能となり、業務の抜本的な改善が図れる。例えば、金融機関の主業務である個人ローンを含め、住宅ローン、投資信託、年金、預金、保険などに活用することにより業務の質を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】個人ローン業務における従来の動作例を示す手続フローチャートである。
【
図2】本発明の動作例(個人ローン業務)を示す手続フローチャートである。
【
図3】本発明の基本的な全体構成例を示すブロック図である。
【
図4】本発明に係る金融機関の業務改革支援システムの構成例を示すブロック図である。
【
図6】気付き情報構築システムの構成例及び情報の流れを示す流れブロック図である。
【
図7】気付き情報構築システムの構成例を示すブロック図である。
【
図8】入力連携インタフェースの動作例を示すフローチャートである。
【
図9】気付き情報抽出部の動作例を示すフローチャートである。
【
図10】出力連携インタフェースの動作例を示すフローチャートである。
【
図11】気付き情報抽出部の具体例を示す画面図である。
【
図12】気付き情報の抽出例を示すデータの流れ図である。
【
図13】本発明の動作例の一部を示す作業フロー図である。
【
図14】本発明の動作例の一部を示す作業フロー図である。
【
図15】本発明の動作例の一部を示す作業フロー図である。
【
図16】本発明の動作例の一部を示す作業フロー図である。
【
図17】本発明の動作例における各場面の画面変化を示す画面図の一部である。
【
図18】本発明の動作例における各場面の画面変化を示す画面図の一部である。
【
図19】本発明の動作例における各場面の画面変化を示す画面図の一部である。
【
図20】本発明の動作例における各場面の画面変化を示す画面図の一部である。
【
図21】本発明の動作例における各場面の画面変化を示す画面図の一部である。
【
図22】本発明の動作例における各場面の画面変化を示す画面図の一部である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
社内で活用されているシステム群には、活用されないまま蓄積されるだけの既存データ、個人単位で作成したPC(パソコン(コンピュータを含む))内に埋もれた各種データ、紙ベースで保管された台帳や案件に関する資料などがあり、本発明は、これらの情報資産を気付き情報として抽出して集約することで情報の一元化と共有化を図ると共に、情報ネットワークを単なるコミュニケーションのツールとしてではなく、企業戦略の核として位置づける。本発明は所謂コックピットシステムであり、これからのプラットフォームの本命であり、各種システムに備わる社内データ群の集約・管理を司るイントラネット・クラウドの先駆けでもある。
【0025】
住宅ローン、クレジットカード、投資信託(投信)、年金、保険などの業務支援システムについては、経営課題を特定して早急な対応を可能にするために、経営課題の特定が必要である。金融機関の経営課題として、超低金利の長期化による収益の減少、企業や家計の資金需要の低迷、金融機関同士の競争激化、高齢化と人口減少、金融商品(投信、保険等)の販売強化、事業性評価に基づく取り組み強化、金融再編などが存在している。そして、金融機関では特に、限られた時間の中では単に訪問件数を増やすということ自体が経営受けせず、逆に大事なお客様の先では滞在時間を増やすことを奨励するように変化している。つまり、数を稼ぐのではなく、本当に行くべき顧客先を訪ね、相手に合わせた適切な提案を行うように、渉外活動の改善へと業務が徐々に変化して来ている。
【0026】
本発明の業務改革支援システムは、膨大な量の情報データを所定条件で一元的に集約して気付き情報を抽出する気付き情報構築システムを含み、個人ローン、無担保ローン、住宅ローン等に対応する審査システムや担保評価システム、CRM、勘定系情報など、金融機関内のシステムと緊密にデータ連携すると共に、タブレット受付(電子サインなどによる契約処理の簡素化)や承認条件及び事後条件管理を行う。
【0027】
金融機関においては、最近、限られた時間の中で単に訪問件数を増やすということ自体が経営受けせず、逆に大事なお客様の先では滞在(営業)時間を増やすことを奨励するようになって来ている。このように、営業担当者等が本来訪問すべき顧客先の情報を導き出すのが、本発明における「気付き情報」の抽出である。例えば、従来、地図システムや既存システムと連携することにより、地図への情報可視化で営業担当者等の顧客への訪問件数が増え、訪問の質も向上させているが、本発明によれば、地図への情報可視化において、更に「気付き情報」を与えることができるので、訪問の質を一層向上することができる。そのため、金融機関の営業改善へと繋がる「気づき情報」の抽出と集約の仕組みが重要となる。
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。既存のシステムを利用して気付き情報を抽出して集約する気付き情報構築システムを融合させた、金融機関の業務改革支援システムについて、個人ローン営業支援システムを例に挙げて説明する。
【0029】
例えば、金融機関のローン業務の場合、既存のローン商品に対応する審査システムや住宅ローン、担保評価システム、CRM、勘定系情報など金融機関内のシステムを統合し、更改及び審査モデルを再構築し、タブレット受付(電子サインなどによる契約処理の簡素化)や承認条件及び事後条件管理を行うことにより、現状のシステム群を活用した「個人ローン営業支援システム」の業務再生が実現できる。金融機関がリスクに見合った融資を行っているかどうか、取引先のリスクをしっかり把握しているか否か、リスクの管理は適正かどうかなど、金融機関の取り組みをマニュアル化してシステム化することにより、融資の適正を図ることが可能となり、本当にお金を貸しても問題のない個人や企業に融資を行うシステムの提供に繋がる。また、本発明の運用により業務乃至営業の管理を適正に図ることで、新規融資を安易に行う等のミスの防止や、多重債務や過剰融資の予防にも繋がる。
【0030】
図2は、個人ローン業務に関連する本発明の手続フローチャートであり、本発明に係る業務改革支援システム100は気付き情報構築システム200を含み、インターネット604、CRM506、審査システム512、勘定系ホスト300などの既存システムとデータ連携しており、営業店窓口における顧客の相談、金融機関における受付契約の後、審査及び決裁を行う。決裁(審査合格)された情報は勘定系ホスト300とデータ連携され、審査合格で決裁された顧客に対してローン貸出を実行する。このように本発明では既存システムとのデータ連携により、相談から事後までの過程において情報の抽出と集約を実現している。
【0031】
図3は本発明に係る業務改革支援システム100の連携関係を示しており、業務改革支援システム100には気付き情報構築システム200が融合して含まれており、勘定系ホスト300、データウェアハウス(DWH)・統合データベース(DB)400がデータ連携すると共に、既存システム500、チャネル600及び外部情報700がそれぞれインタフェース(I/F)を介して、業務改革支援システム100とデータ連携している。既に企業内にDWH・統合DB400が構築済みであったり、業務改革システム100の導入に合わせて構築する場合には、本発明とDWH・統合DB400とがデータ連携することにより、DWH・統合DB400を利用している既存システムと本発明に係る業務改革支援システム100とで、リアルタイムにデータを使用することが可能になる。
【0032】
金融機関にて稼働中の既存システム500としては、国際系システム501、為替管理システム502、資金証券システム503、経営管理システム504、事務集中システム、CRM・SFA506、融資稟議システム507、財務分析システム508、担保評価システム510、債券管理システム511、審査システム512、信用格付・自己査定システム513、リスク管理システム514、投信・保険窓口販売システム515、マーケティングシステム516、グループウェア517、契約書システム518などがある。これら既存システム500と業務改革支援システム100とが、公知の手法でデータ連携する。チャネル600として、営業店窓口601、ATM(自動現金引き出し預け入れ装置)602、コールセンター603、インターネット604、ダイレクトメール605、電子メール606、SNS(Social Networking Service)607などがある。これらチャネル600と業務改革支援システム100とが、公知の手法でデータ連携する。また、外部情報700として、企業情報701、外部格付情報702、個人信用情報703、登記情報704、統計情報705、不動産情報706、マーケット情報707、コンプライアンス情報708などがある。これら外部情報700と業務改革支援システム100とが、公知の手法でデータ連携する。
【0033】
業務改革支援システム100の構成例は
図4であり、全体の制御や演算処理などを行うCPU(MPUやMCUなどを含む)101を含み、CPU101には、プログラム等を格納するROM102、演算処理のデータやパラメータ等を記憶するRAM103、各種データ、情報を格納するデータベース(DB)104が接続されている。業務改革支援システム100は、テンキーやマウス、スキャナなどからデータや指示などを入力するデータ入力部110と、外部からインタフェース111を経てデータや情報を入力する入力部112と、画面(ディスプレイ)若しくはプリンタ等でデータ、情報などを可視化する可視化部113と、インタフェース115を経て外部にデータや情報を出力する出力部114とで構成され、ルータ116を経てインターネット604に接続されている。
【0034】
また、業務改革支援システム100には、入力連携インタフェース(I/F)220及び出力連携インタフェース(I/F)260を含む気付き情報構築部210が、CPU101等と連携して設けられており、入力連携インタフェース220は、勘定系ホスト300、DWH・統合DB400、既存システム500、チャネル600及び外部情報700とデータ連携して勘定系ホスト300等から情報を取込み、外部連携インタフェース260は、勘定系ホスト300、DWH・統合DB400及び既存システム500とデータ連携して勘定系ホスト300等に情報を出力する。
【0035】
図5は気付き情報構築システム200の概念構成を示しており、気付き情報構築システム200は既存システム500、チャネル600及び外部情報700を情報源として幅広い情報を集め、富裕層、交渉履歴、登記情報などの抽出条件に基づいて気付き情報を抽出する。抽出条件は、DB104内の気付き情報抽出マスタに登録される。気付き情報の種類としては、提案に繋げる共有の情報、増収に繋がる情報、信頼の獲得、ミス防止等の情報などがある。提案に繋げる共有の情報には、訪問計画、交渉履歴、富裕層、訪問頻度、期日管理、登記情報、ネタ情報、ビジネスマッチング、リレーション、地図上への可視化などがある。また、増収に繋がる情報には、交渉履歴、富裕層、訪問頻度、登記情報、ネタ情報、ビジネスマッチング、リレーションなどがある。信頼の獲得、ミス防止等の情報には、訪問計画、期日管理、地図上へ可視化などがある。気付き情報構築システム200で抽出された気付き情報は担当者等に通知されたり、地図やCRMなどに可視化される。
【0036】
気付き情報構築システム200の概略構成及び情報の流れは
図6に示すようになっており、気付き情報構築システム200は勘定系ホスト300、既存システム500として散在しているCRM506、マーケティングシステム516、グループウェア517等の複数の既存システムから入力連携インタフェース220を介して情報を収集する。入力連携インタフェース220は、情報を取り込むシステム接続インタフェース221と、情報を一元集約記憶装置230に送出する一元集約記憶装置インタフェース222とで構成されている。入力連携インタフェース220は、異なる形式のデータや情報を分析若しくは解析して単純化するものであり、システム接続インタフェース221は接続システムにより変形例を増やすことができ、一元集約記憶装置インタフェース222は単純化した情報を一元集約記憶装置230へ記憶したり、記憶内容を変更したり、記憶内容を削除する機能を有している。
【0037】
入力連携インタフェース220の一元集約記憶装置インタフェース222から送出された情報は、一元集約記憶装置230に入力されて記憶される。一元集約記憶装置230には、訪問計画、交渉履歴などの情報を記憶する顧客部231と、期日管理、キャンペーンなどの日時データを記憶する日時部232と、不動産、路線価などの情報を記憶する住所部233などがある。各情報やデータからキーとなる情報を識別し、この識別されたキー情報と、抽出条件の対象となる情報を、一元集約記憶装置230に記憶する。このキーとなる情報の例が顧客(口座番号)や日時、住所などであり、これらのキー情報は一元集約記憶装置インタフェース222と気付き情報抽出部240の設定により決定される。分解された情報は、顧客部231、日時部232、住所部233等の一元集約記憶装置230に別々に記憶されているが、キー情報は、抽出条件で抽出した別々の情報を紐付けして、意味のある気付き情報にするためのものである。
【0038】
一元集約記憶装置230に記憶されたデータや情報は後述する気付き情報抽出部240に読み込まれ、気付き情報抽出部240は富裕層、交渉履歴、登記情報などの抽出条件に基づいて気付き情報を抽出する。気付き情報の抽出は、訪問計画(本来優先して訪問すべき顧客先の抽出)、交渉履歴(提案ネタや潜在ニーズの発掘)、富裕層(預かり資産等、金融商品の提案先)、期日管理(フォロー漏れ回避)、登記情報(住宅ローンやアパートローンなどの肩代わり先)、ビジネスマッチング(取引関係やステークホルダとの繋がり)、リレーション(相続による預金の営業域外流出を阻止)、推進商品情報(個人ローンや投信など商品別の取引有無先)、非対面チャネルや店頭で獲得し易い投信や保険商品、大口振込入出金先と特定ATM利用者(世帯)、訪問頻度(長期未訪問先のあぶり出し)、直近1ヶ月間資産運用取引先、要注意先(中長期延滞管理先、苦情等管理先)、役員・支店長過去訪問履歴先、不動産担保実査(再評価)予定先・不動産新規物件・分譲地開発情報、他行営業担当者訪問先・他行流出資金先・他行メイン先、インターネット・コールセンター取引利用者(高頻度先)、不動産物件複数所有者・生産緑地対象不動産所有者、好業績企業・COSMOS(登録商標:企業概要データベース)評点アップ企業・代表者変更企業などに基づいて行う。気付き情報抽出部240は気付き情報抽出のための抽出条件に合致するか否かを判定し、抽出条件に合致するものを抽出するようになっており、抽出条件は気付き毎に、DB104内の気付き情報抽出マスタに設定できる。
【0039】
気付き情報抽出部240は抽出目的に合わせ、複数の項目を組み合わせるロジックを用意し、例えば富裕層且つ推進商品情報の商品取引がなく、訪問頻度の項目で1ヶ月以上訪問していない顧客を、「気付き情報」として抽出する。
【0040】
気付き情報抽出部240で抽出された気付き情報は、気付き集約記憶装置250に送られて記憶される。記憶には一元集約記憶装置230と同様に、訪問計画、交渉履歴などの情報を記憶する顧客部251、期日管理、キャンペーンなどの日時データを記憶する日時部252、不動産、路線価などの情報を記憶する住所部253などがある。抽出条件に合致した各情報からキーとなる情報を識別し、キー情報を基に抽出条件に合致した各情報を気付き集約記憶装置250で記憶する。このキーとなる情報の例が顧客(口座番号)や日時、住所などであり、これらのキー情報は、気付き情報抽出部240と出力連携インタフェース260内の一元集約記憶装置インタフェース261の設定により決定される。これらのキー情報は、顧客部251、日時部252、住所部253等に別々に記憶された情報を紐付けして、意味のある気付き情報にするために用いる。
【0041】
気付き情報抽出部240では、例えば「一定の富裕層以上で、且つ最近登記情報の更新があり、1ヶ月以上の交渉履歴が無い」情報を抽出するが、この抽出された富裕層情報・登記情報・交渉履歴情報は、一元集約記憶装置230から気付き情報記憶装置250へと複写される。その複写時に、気付き情報抽出マスタ識別子も併せて記憶することで、気付き情報記憶装置250に記憶された情報が何の気付きかを識別することが可能である。
【0042】
気付き情報記憶装置250に記憶された気付き情報は出力連携インタフェース260に入力され、地図やCRMなどに可視化される。地図上にアイコンで指示したり、CRMで訪問先候補リストにして連携させる。出力連携インタフェース260は、気付き集約記憶装置インタフェース261と、システム接続インタフェース262とで構成されており、気付き情報記憶装置250に記憶されている富裕層情報、登記情報、交渉履歴情報を「顧客」で紐付けした情報に加工した上で、住所をキーとした地図システム用データに加工する。気付き集約記憶装置インタフェース261は気付き情報を気付き可視化種別により引き出し、システム接続インタフェース262は単純化されている気付き情報を可視化部に合わせて出力する。
【0043】
なお、気付き情報構築部210は、入力連携インタフェース220、一元集約記憶装置230、気付き集約記憶装置250、出力連携インタフェース260で構成されている。
【0044】
図7は気付き情報構築システム200の相互関係を示すブロック図であり、入力連携インタフェース220内のシステム接続インタフェース221には、勘定系ホスト300、DWH・統合DB400、既存システム500、チャネル600及び外部情報700が接続されており、システム接続インタフェース221から取り込まれた情報等は一元集約記憶装置インタフェース222を経て一元集約記憶装置230に記憶される。気付き情報抽出部240は、一元集約記憶装置230に記憶された情報を読み出して気付き情報を抽出し、抽出した気付き情報を気付き集約記憶装置250に記憶する。気付き集約記憶装置250に記憶された気付き情報は気付き集約記憶装置インタフェース261により読み出され、システム接続インタフェース262を経て勘定系ホスト300、DWH・統合DB400及び既存システム500に送信される。
【0045】
図8は入力連携インタフェース220の動作例を示しており、先ず連携する既存システム情報を取得し(ステップS210)、取得した既存システム情報から、システム接続インタフェース221で接続している既存システム500から取得したデータを解読単位に分解する(ステップS211)。そして、分解データを1件取得し(ステップS212)、既存システム情報から分解条件を1件取得し(ステップS213)、分解データが分解条件に合致するか否かを判定する(ステップS214)。分解データが分解条件に合致する場合には、他に分解条件があるか否かを判定する(ステップS215)。
【0046】
上記ステップS214の判定において、分解データが分解条件に合致しないと判定された場合には上記ステップS212にリターンし、上記ステップS215の判定において、他に分解条件があると判定された場合には、上記ステップS213にリターンする。
【0047】
上記ステップS215において、他に分解条件がないと判定された場合には、取得した分解データを一元集約記憶装置230に記録し(ステップS216)、次の分解データがあるか否かを判定し(ステップS217)、次の分解データが無ければ気付き情報抽出部240に抽出依頼を行う(ステップS218)。ステップS217において次の分解データがあると判定された場合には、上記ステップS212にリターンする。
【0048】
図9は気付き情報抽出部240の動作例を示しており、先ず利用者情報を取得し(ステップS220)、DB104内の気付き情報抽出マスタから抽出条件を取得し(ステップS221)、一元集約記憶装置230からデータリストを取得する(ステップS222)。その後、データリストからデータを1件取得し(ステップS223)、抽出条件リストから抽出条件を1件取得する(ステップS224)。そして、データが抽出条件に合致するか否かを判定し(ステップS225)、データが抽出条件に合致する場合には更に他に抽出条件があるか否かを判定する(ステップS226)。上記ステップS225において、合致しないと判定された場合には上記ステップS223にリターンし、上記ステップS226において、他に抽出条件があると判定された場合には上記ステップS224にリターンする。
【0049】
上記ステップS226において、他に抽出条件が無いと判定された場合には気付き集約記憶装置250にデータを記録し(ステップS230)、データリストに次のデータがあるか否かを判定し(ステップS231)、次のデータが無い場合には出力連携インタフェース260に出力依頼を行う(ステップS232)。ステップS231において、次のデータがあると判定された場合には上記ステップS223にリターンする。
【0050】
次に、出力連携インタフェース260の動作例を、
図10のフローチャートを参照して説明する。
【0051】
先ず、連携する可視化システム情報を取得し(ステップS240)、気付き集約記憶装置250から気付き情報データを取得する(ステップS241)。そして、気付き情報データを可視化システム情報から変換し(ステップS242)、変換した気付き情報データをシステム接続インタフェース262に入力し(ステップS243)、気付き情報データを可視化部に出力する(ステップS244)。
【0052】
図11は気付き情報抽出部240における画面例を、顧客から預かった書類の管理業務(
図11(A))を例として示している。本件では、案件の処理日が一元集約記憶装置230の日時232に記憶されており、気付き情報抽出部240が、この日時情報と、
図11(B)のように事前に、DB104に設定している通知(期日)マスタとで情報比較を行うことにより、
図11(C)に示す気付き情報を抽出する。マスタ登録は気付き毎に設定できるため、例えば30日以上経過したものを抽出したり、処理予定日を1週間経過したものを抽出するといったことが可能になる。
【0053】
自動車、家屋等の売買やローンの申込等で必要な書類等(印鑑証明書、抵当権設定証書等)は、一時的に顧客から預かって保管するが、売買や申込の案件処理日には必要な処理を行わなくてはならず、また、定期的に棚卸を行うなどの対応が必要である。これを紙台帳等で管理するとなると、預かり時の記載、日々の確認、棚卸等で業務の負担は大きくなる。そこで、本発明の気付き情報構築システム200を導入すると、
図11(A)に示すように、預かり時の書類等を画面上で登録するだけで(既存システム連携部140)、自動的に必要な情報を一元集約記憶装置230に記憶し、気付き情報抽出部240で抽出して気付き情報記憶装置250に記憶する。そして、売買や申込の案件処理日になると出力連携インタフェース260を介して通知し、長期間預かったままの書類があれば
図11(C)に示すような画面で出力連携インタフェース260を介して担当者に通知する。このため、台帳を調べたり、棚卸を行ったりといった担当者の負担、労力は大幅に削減される。
【0054】
処理が終わった書類の情報がいつまでも通知に残っていては、そのうちどれが処理したかどうかが分からなくなる。従来の紙台帳管理の場合、処理済み欄などでチェックし、処理したか否かを区別するが、本発明の場合は処理したものを通知一覧から消去することで、通知一覧を未処理のものとして区別することが可能になる。
【0055】
図12は、気付き情報抽出部240における気付き情報の抽出例を示すデータの流れを示しており、本例の抽出条件は、上述した「富裕層且つ推進商品情報の商品取引がなく、訪問頻度の項目で1ヶ月以上訪問していない顧客」の場合である。
【0056】
図12に示すように、勘定系ホスト300の顧客データベース301の内容が、入力連携インタフェース220を経て一元集約記憶装置230内の顧客データベース230−1に記憶される。また、CRM506内の商品リスト506−1、商品購入履歴506−2、訪問履歴506−3は既存システム連携部140(システム接続IF141、一元集約記憶装置IF142)を経て一元集約記憶装置230内の商品リスト230−2、商品購入履歴230−3、訪問履歴230−4に記憶される。一元集約記憶装置230内の商品リスト230−2、商品購入履歴230−3、訪問履歴230−4に対して、気付き情報の抽出条件を顧客情報として「富裕層(預金残高が1000万円以上)」、推奨商品として「商品名「xxxxx」の購入履歴がない」、訪問履歴として「訪問頻度で1ヵ月以上訪問していない」が設定されているので、抽出条件に合致するデータを抽出する。即ち、一元集約記憶装置230内の顧客データベース230−1から抽出条件「富裕層(預金残高が1000万円以上)」に合致する該当顧客を抽出し、一元集約記憶装置230内の商品リスト230−2及び商品購入履歴230−3から抽出条件「商品名「xxxxx」の購入履歴がない」に合致する該当商品及び購入履歴を抽出して該当商品リスト及び購入履歴無しリストを作成し、一元集約記憶装置230内の訪問履歴230−4から抽出条件「訪問頻度で1ヵ月以上訪問していない」に合致する該当訪問履歴を抽出する。このように抽出されたデータから、全ての条件に合致したものを抽出して気付き情報として生成する。本例では、気付き情報「富裕層且つ推進商品情報の商品取引がなく、訪問頻度の項目で1ヶ月以上訪問していない顧客」となり、データとしては「お客様番号」、「お客様番号氏名」、「預金残高」、「商品番号」、「商品名」、「購入履歴」及び「前回訪問日」となっている。
【0058】
業務改革支援システム100ではヒヤリングシートの内容にて本人の特定を行い(工程SB1)、相談を受け付け(工程SB6)、申込書に記入し、疎明資料を提出し(工程SB10)、申込内容を入力し、疎明資料を登録し(工程SB11)、申込承認となる(工程SB13)。また、業務改革支援システム100では、郵送や持ち込みにおける住宅ローン事前審査申込(工程SC1)に対しても本人特定(工程SB2)を行う。郵送や持ち込みによる申し込みの場合には、申込書等に記入して本人確認書類をコピーし(工程SC2)、申込内容を入力し、疎明資料を登録し(工程SB12)、申込承認となる(工程SB13)。Webローン申し込み(工程SC3)の場合には、申込内容を入力して本人確認書類等を添付し(工程SC4)、申込承認となる(工程SB13)。
【0059】
業務改革支援システム100ではその後、審査システムに審査依頼を送信し(工程SB20)、審査システムは審査判定を行って判定結果を送信し(工程SC10)、業務改革支援システム100は審査結果を受信する(工程SB21)。そして、自行審査が否の場合には、外部の審査機関である保証会社に審査を依頼し(工程SB30)、保証会社は審査判定を行って判定結果を送信し(工程SC11)、業務改革支援システム100では審査結果を受信する(工程SB35)。
【0060】
その後、業務改革支援システム100は融資決裁を行い(工程SB40)、コンプライアンスチェックのための照会送信をコンプライアンスチェックシステムに対して行う(工程SB41)。コンプライアンスチェックシステムは、受信した照会内容をコンプライアンス上問題がないかのチェックを行い、その照会結果を業務改革支援システム100に送信する(工程SC33)。
【0061】
業務改革支援システム100は照会結果を受信し(工程SB42)、審査結果を行員が確認して電話若しくはe−メールで顧客に連絡し、連絡した内容を登録する。業務改革支援システム100は勘定系ホスト連携機能により勘定系ホストに連携データを送信し、勘定系ホスト300は連携データを受信する(工程SC40)。また、タイミングT1では、顧客の在籍確認と勘定系ホスト300への連携が完了したことになるため、在籍確認結果を登録する(工程SB50)。その後、承認条件解除作業を行い(工程SB51)、承認条件解除の確認を行う(工程SB52)。
【0062】
そして、本人同意となるが、業務改革支援システム100ではデータ連携を行い、メールやWeb等での本人同意を行う(工程SC50)。業務改革支援システム100は同意結果を受信し(工程SB53)、行員は実行用端末を使って融資の実行を行う(工程SC60)。このタイミングT3では、実行条件クリアの状態である。
【0063】
その後、事後条件解除作業を担保評価システム510と連携して行うが(工程SB60)、担保評価システム510は住宅ローン担保物件の評価を行い、業務改革支援システム100に評価結果を返す(工程SC70)。その後、事後条件解除を確認して完了となる。
【0064】
図17〜
図22はそれぞれ
図13〜
図16の画面例で、画面DP1は工程SB1、画面DP2は工程SB6、画面DP3は工程SB11、画面DP4は工程SB13の画面にそれぞれ対応している。なお、画面MD1は画面DP4を開く際に用いる本システムの気づき情報表示画面である。画面DP6は工程SB40で、画面MD3は画面DP6を開く際の気付き情報表示画面である。画面DP7は工程SB43で、画面MD4は画面DP7を開く際の気付き情報表示画面であり、画面DP9は工程SB51で、画面MD6は画面DP9を開く際の気付き情報表示画面である。画面PL5は工程SC50を示し、画面DP11は工程SB60で、画面MD8は画面DP11を開く際の気付き情報表示画面であり、画面DP12は工程SB62で、画面MD9は画面DP12を開く際の気付き情報表示画面である。
【0065】
図23は金融機関の業務改革支援システムの将来展望図であり、融合結果としてAIの入り口となる。つまり、AIによる気付き情報抽出の自動化ができ、成績優秀者の成功パターン解析と気付き情報抽出への反映や、潜在顧客の獲得、新しい市場や商品の予測が可能となる。業務改革支援システムを個人ローン業務改革支援システムに適用した場合、交渉履歴や訪問頻度、ネタ情報、ビジネスマッチングから気付き情報を抽出することで、追加の商品提案(増収)や、訪問計画の変更(信頼獲得)を行い得るようになり、結果融資数の増加、融資の質向上の適正化を達成できる。