【解決手段】半導体装置A1は、半導体素子10と、複数のリードと、複数のリードの一部ずつおよび半導体素子10を覆う封止樹脂20と、各々が封止樹脂20から露出する第1めっき層61および第2めっき層62と、を備えており、封止樹脂20は、y方向を向く第1樹脂側面231を有し、複数のリードの少なくともいずれか(たとえば第4リード34)は、第4リード裏面34bに繋がり、かつ、第1樹脂側面231と面一である第4リード端面34cを有し、第1めっき層61は、第4リード裏面34bを覆っており、第2めっき層62は、第4リード端面34cを覆い、かつ、y方向において第1樹脂側面231よりも突き出ており、第2めっき層62の第4リード裏面34bが向く方向の端縁は、y方向に見て第1めっき層61に重なることを特徴とする。
前記半導体素子は、前記リード主面と同じ方向を向き、かつ、第1電極が形成された素子主面および前記リード裏面と同じ方向を向き、かつ、第2電極が形成された素子裏面を有している、
請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の半導体装置および当該半導体装置の製造方法の好ましい実施の形態について、図面を参照して、以下に説明する。
【0028】
図1〜
図7は、第1実施形態にかかる半導体装置を示している。第1実施形態の半導体装置A1は、半導体素子10、封止樹脂20、複数のリード31〜34、複数のワイヤ41〜43、導電性接合材50、第1めっき層61および第2めっき層62を備えている。
【0029】
図1は、半導体装置A1を示す平面図である。なお、
図1においては、封止樹脂20を想像線(二点鎖線)で示している。
図2は、半導体装置A1を示す底面図である。
図3は、半導体装置A1を示す正面図であって、半導体装置A1を
図1の下側から見たときを示している。
図4は、半導体装置A1を示す背面図であって、半導体装置A1を
図1の上側から見たときを示している。
図5は、半導体装置A1を示す側面図であって、半導体装置A1を
図1の左側から見たときを示している。
図6は、
図1のVI−VI線に沿う断面図である。
図7は、
図1のVII−VII線に沿う断面図である。説明の便宜上、互いに直交する3つの方向を、x方向、y方向、z方向とそれぞれ定義する。z方向は、半導体装置A1の厚さ方向である。x方向は、半導体装置A1の平面図における左右方向である。y方向は、半導体装置A1の平面図における上下方向である。y方向およびz方向が、特許請求の範囲に記載の「第1方向」および「厚さ方向」にそれぞれ相当する。
【0030】
半導体装置A1は、様々な電子機器などの回路基板に表面実装する装置である。半導体装置A1は、封止樹脂20から、回路基板に実装するための端子が突出していないリードレスパッケージ型である。本実施形態においては、半導体装置A1は、z方向から見て(以下「平面視」ともいう。)、略矩形状である。半導体装置A1の大きさは、特に限定されないが、本実施形態においては、たとえばx方向寸法が1.8〜15.0mm、y方向寸法が1.8〜15.0mm、z方向寸法が0.7〜5.5mmである。
【0031】
半導体素子10は、半導体装置A1の電気的機能を発揮する要素である。本実施形態においては、半導体素子10は、パワーMOSFETとするが、これに限定されない。たとえばLSI(Large Scale Integration)などの集積回路(IC)であってもよいし、LDO(Low Drop Out)などの電圧制御用素子や、オペアンプなどの増幅用素子、ダイオードなどのディスクリート半導体素子であってもよい。また、半導体装置A1においては、
図1に示すように、1つの半導体素子10を備えている場合を示すが、2つ以上の半導体素子10を備えていてもよい。本実施形態においては、半導体素子10は、
図1に示すように平面視矩形状である。半導体素子10は、素子主面10aおよび素子裏面10bを有する。
【0032】
素子主面10aおよび素子裏面10bは、z方向において離間しており、互いに反対側を向く。素子主面10aには、ゲート電極101およびソース電極103が形成されている。ゲート電極101の面積は、ソース電極103の面積よりも小さい。本実施形態においては、素子主面10aには、さらに、センス電極104が形成されている。センス電極104は、半導体素子10に流れる電流を検出するための電極であって、たとえば半導体素子10のソース電流に比例した電流が流れる。なお、素子主面10aは、ゲート電極101、ソース電極103およびセンス電極104を除いて、パッシベーション膜(図示略)で覆われている。すなわち、素子主面10aにおいて、ゲート電極101、ソース電極103およびセンス電極104がパッシベーション膜から露出している。素子裏面10bには、ドレイン電極102が形成されている。本実施形態においては、半導体装置A1を回路基板に実装した際、素子裏面10bが当該回路基板に対向する。ゲート電極101、ドレイン電極102およびソース電極103が、本開示にかかる特許請求の範囲に記載の「第1電極」、「第2電極」および「第3電極」にそれぞれ相当する。
【0033】
封止樹脂20は、半導体素子10、複数のリード31〜34の一部ずつ、複数のワイヤ41〜43および導電性接合材50を覆っている。封止樹脂20は、たとえば黒色のエポキシ樹脂からなる。本実施形態においては、封止樹脂20は、平面視矩形状である。なお、封止樹脂20の平面視形状はこれに限定されない。封止樹脂20は、
図3〜
図7に示すように、樹脂主面21、樹脂裏面22および複数の樹脂側面23を有する。
【0034】
樹脂主面21と樹脂裏面22とは、z方向において互いに反対側を向く。樹脂主面21は、素子主面10aと同じ方向を向く。樹脂裏面22は、素子裏面10bと同じ方向を向く。複数の樹脂側面23はそれぞれ、樹脂主面21および樹脂裏面22に繋がっている。本実施形態においては、各樹脂側面23は、
図3〜
図7に示すように、樹脂主面21および樹脂裏面22の両方に対して直交し、平坦である。なお、各樹脂側面23は、z方向に対して若干傾斜していてもよい。本実施形態においては、複数の樹脂側面23は、
図1および
図2に示すように、一対の第1樹脂側面231および一対の第2樹脂側面232を含む。一対の第1樹脂側面231はy方向に離間しており、互いに反対側を向く。一対の第2樹脂側面232は、x方向において離間しており、互いに反対側を向く。
【0035】
複数のリード31〜34は、半導体素子10を支持するとともに、半導体素子10と導通する。以降の説明においては、第1リード31、第2リード32、第3リード33および第4リード34と称することもある。複数のリード31〜34は、たとえば金属の板状部材に打ち抜き加工や折り曲げ加工、切削加工などを施すことにより形成されている。複数のリード31〜34はともに、金属からなる。本実施形態においては、複数のリード31〜34は、主な成分がCu(銅)である。なお、複数のリード31〜34の素材は、Ni(ニッケル)、または、CuやNiの合金、42アロイなどであってもよい。複数のリード31〜34のそれぞれの厚さは、たとえば0.20〜0.30mmである。第1リード31、第2リード32、第3リード33および第4リード34は、互いに離間している。また、第1リード31、第3リード33および第4リード34は、
図1および
図2に示すように、x方向に並んでいる。
【0036】
第1リード31は、第1リード主面31a、第1リード裏面31bおよび第1リード端面31cを有する。第1リード主面31aおよび第1リード裏面31bは、z方向において離間し、互いに反対側を向く。第1リード主面31aは、素子主面10aと同じ方向を向く。第1リード裏面31bは、素子裏面10bと同じ方向を向き、かつ、封止樹脂20(樹脂裏面22)から露出する。第1リード端面31cは、第1リード主面31aおよび第1リード裏面31bに繋がり、かつ、封止樹脂20(樹脂側面23)から露出する。本実施形態においては、第1リード端面31cは、一方(
図1における下方)の第1樹脂側面231から露出している。第1リード端面31cは、当該一方の第1樹脂側面231と面一である。
【0037】
第1リード31は、第1ボンディングパッド部311および第1端子部312を含んでいる。第1ボンディングパッド部311の厚みは、第1端子部312の厚みよりも小さい。
【0038】
第1ボンディングパッド部311は、第1ワイヤ41が接合された部分である。第1ボンディングパッド部311は、上面が第1リード主面31aの一部である。第1ボンディングパッド部311は、
図1に示すように、上面に第1ワイヤ41が接合されている。第1ボンディングパッド部311は、
図2に示すように、下面が封止樹脂20に覆われている。
【0039】
第1端子部312は、平面視矩形状である。第1端子部312は、上面が第1リード主面31aの一部であり、下面が第1リード裏面31bである。第1端子部312は、一方の第1樹脂側面231から露出する露出面を有しており、当該露出面が第1リード端面31cである。
【0040】
第2リード32は、第2リード主面32a、第2リード裏面32bおよび複数の第2リード端面32cを有する。第2リード主面32aおよび第2リード裏面32bは、z方向において離間しており、互いに反対側を向く。第2リード主面32aは、素子主面10aと同じ方向を向く。第2リード裏面32bは、素子裏面10bと同じ方向を向き、かつ、封止樹脂20(樹脂裏面22)から露出する。複数の第2リード端面32cは、第2リード主面32aおよび第2リード裏面32bに繋がり、かつ、樹脂側面23から露出する。本実施形態においては、複数の第2リード端面32cのうち、2つは、一方(
図1における上方)の第1樹脂側面231から露出し、2つは、一方の第2樹脂側面232から露出し、2つは、他方の第2樹脂側面232から露出する。各第2リード端面32cは、当該第2リード端面32cが露出した樹脂側面23と面一である。よって、第2リード端面32cには、
図1および
図2に示すように、x方向を向く面とy方向の一方を向く面とを有する。
【0041】
第2リード32は、第2ボンディングパッド部321および複数の延出部322を含んでいる。第2ボンディングパッド部321の厚みは、複数の延出部322の厚みよりも大きい。
【0042】
第2ボンディングパッド部321は、半導体素子10が搭載された部分である。第2ボンディングパッド部321は、いわゆるダイパッドとして機能する。第2ボンディングパッド部321は、上面が第2リード主面32aの一部である。第2ボンディングパッド部321は、
図1に示すように、上面に半導体素子10が搭載されている。第2ボンディングパッド部321は、下面の一部が第2リード裏面32bである。第2ボンディングパッド部321は、
図2に示すように、下面の一部が樹脂裏面22から露出している。
【0043】
複数の延出部322はそれぞれ、平面視において第2ボンディングパッド部321の周囲から突き出た部分である。各延出部322は、上面が第2リード主面32aの一部であり、下面が封止樹脂20に覆われている。各延出部322は、樹脂側面23から露出する露出面を有しており、当該露出面が第2リード端面32cである。
【0044】
第3リード33は、第3リード主面33a、第3リード裏面33bおよび第3リード端面33cを有する。第3リード主面33aおよび第3リード裏面33bは、z方向において離間し、互いに反対側を向く。第3リード主面33aは、素子主面10aと同じ方向を向く。第3リード裏面33bは、素子裏面10bと同じ方向を向き、かつ、封止樹脂20(樹脂裏面22)から露出する。第3リード端面33cは、第3リード主面33aおよび第3リード裏面33bに繋がり、かつ、封止樹脂20(樹脂側面23)から露出する。本実施形態においては、第3リード端面33cは、一方(
図1における下方)の第1樹脂側面231から露出している。第3リード端面33cは、当該一方の第1樹脂側面231と面一である。
【0045】
第3リード33は、第3ボンディングパッド部331および複数の第3端子部332を含んでいる。本実施形態においては、第3リード33は、2つの第3端子部332を含んでいる。第3ボンディングパッド部331の厚みは、各第3端子部332の厚みよりも小さい。
【0046】
第3ボンディングパッド部331は、複数の第2ワイヤ42が接合された部分である。第3ボンディングパッド部331は、上面が第3リード主面33aの一部である。第3ボンディングパッド部331は、
図1に示すように、上面に複数の第2ワイヤ42が接合されている。第3ボンディングパッド部331は、
図2に示すように、下面が封止樹脂20に覆われている。本実施形態においては、第3ボンディングパッド部331は、平面視においてx方向に延びている。
【0047】
複数の第3端子部332はそれぞれ、平面視矩形状である。複数の第3端子部332は、平面視において互いに離間している。各第3端子部332は、上面が第3リード主面33aの一部であり、下面が第3リード裏面33bである。各第3端子部332は、樹脂側面23(一方の第1樹脂側面231)から露出する露出面を有しており、当該露出面が第3リード端面33cである。
【0048】
第4リード34は、第4リード主面34a、第4リード裏面34bおよび第4リード端面34cを有する。第4リード主面34aおよび第4リード裏面34bは、z方向において離間し、互いに反対側を向く。第4リード主面34aは、素子主面10aと同じ方向を向く。第4リード裏面34bは、素子裏面10bと同じ方向を向き、かつ、封止樹脂20(樹脂裏面22)から露出する。第4リード端面34cは、第4リード主面34aおよび第4リード裏面34bに繋がり、かつ、樹脂側面23から露出する。本実施形態においては、第4リード端面34cは、一方(
図1における下方)の第1樹脂側面231から露出している。第4リード端面34cは、当該一方の第1樹脂側面231と面一である。よって、本実施形態においては、第1リード端面31c、第3リード端面33cおよび第4リード端面34cはすべて、
図1における下方の第1樹脂側面231から露出しており、当該第1樹脂側面231と面一である。
【0049】
第4リード34は、第4ボンディングパッド部341および第4端子部342を含んでいる。第4ボンディングパッド部341の厚みは、第4端子部342の厚みよりも小さい。
【0050】
第4ボンディングパッド部341は、第3ワイヤ43が接合された部分である。第4ボンディングパッド部341は、上面が第4リード主面34aの一部である。第4ボンディングパッド部341は、
図1に示すように、上面に第3ワイヤ43が接合されている。第4ボンディングパッド部341は、
図2に示すように、下面が封止樹脂20に覆われている。
【0051】
第4端子部342は、平面視矩形状である。第4端子部342は、上面が第4リード主面34aの一部であり、下面が第4リード裏面34bである。第4端子部342は、樹脂側面23(一方の第1樹脂側面231)から露出する露出面を有しており、当該露出面が第4リード端面34cである。
【0052】
第1ワイヤ41、複数の第2ワイヤ42および第3ワイヤ43はともに、導電性を有する線状部材である。第1ワイヤ41、複数の第2ワイヤ42および第3ワイヤ43は、たとえばCu、Au(金)あるいはAl(アルミニウム)からなる。
【0053】
第1ワイヤ41は、
図1に示すように、一端が第1ボンディングパッド部311に接合され、他端がゲート電極101に接合されている。これにより、第1ボンディングパッド部311とゲート電極101とが導通している。したがって、第1端子部312が半導体装置A1におけるゲート端子となる。
【0054】
複数の第2ワイヤ42はそれぞれ、
図1に示すように、一端が第3ボンディングパッド部331に接合され、他端がソース電極103に接合されている。これにより、第3ボンディングパッド部331とソース電極103とが導通している。したがって、複数の第3端子部332が半導体装置A1におけるソース端子となる。なお、複数の第2ワイヤ42の数は、
図1に示される数に限定されない。
【0055】
第3ワイヤ43は、
図1に示すように、一端が第4ボンディングパッド部341に接合され、他端がセンス電極104に接合されている。これにより、第4ボンディングパッド部341とセンス電極104とが導通している。したがって、第4端子部342が半導体装置A1におけるセンス端子となる。
【0056】
導電性接合材50は、たとえばはんだやAg(銀)ペーストなどの導電体である。導電性接合材50は、半導体素子10(素子裏面10b)と第2リード32(第2ボンディングパッド部321)との間に介在して、これらを導通接合している。本実施形態においては、素子裏面10bにドレイン電極102が形成されているので、導電性接合材50はドレイン電極102と第2ボンディングパッド部321とを導通させている。したがって、第2リード裏面32bが半導体装置A1におけるドレイン端子となる。
【0057】
第1めっき層61は、封止樹脂20から露出した金属製の被膜である。第1めっき層61は、樹脂裏面22から露出しており、第1リード裏面31b、第2リード裏面32b、第3リード裏面33bおよび第4リード裏面34bを覆う。第1めっき層61は、樹脂裏面22からz方向に突き出ている。第1めっき層61は、電解めっきにより形成される。第1めっき層61の素材は、複数のリード31〜34の素材よりもはんだ濡れ性の高い素材である。本実施形態においては、第1めっき層61の素材は、主成分がSn(スズ)である。
【0058】
第2めっき層62は、封止樹脂20から露出した金属製の被膜である。第2めっき層62は、
図1〜
図3、
図5および
図6に示すように、樹脂側面23(第1樹脂側面231の一方)から露出しており、第1リード端面31c、第3リード端面33cおよび第4リード端面34cを覆う。本実施形態においては、第1リード端面31c、第3リード端面33cおよび第4リード端面34cは、一方の第1樹脂側面231と面一である。よって、第2めっき層62は、樹脂側面23(第1樹脂側面231)からy方向に突き出ている。また、
図5および
図6に示すように、第2めっき層62のz方向一方(
図5および
図6の下方)の端縁は、y方向に見て第1めっき層61と重なる。本実施形態においては、
図5および
図6に示すように、第2めっき層62のz方向一方の端縁は、y方向に見て、第1めっき層61のz方向他方の端縁と重なっている。また、第1リード端面31c、第3リード端面33cおよび第4リード端面34cと第1樹脂側面231とは、後述するブレードダイシングによって形成されるため、第2めっき層62の表面よりも粗い。
【0059】
第2めっき層62は、無電解めっきにより形成される。第2めっき層62の素材は、複数のリード31〜34の素材よりもはんだ濡れ性が高い。本実施形態においては、第2めっき層62は、互いに積層されたNi層、Pd層およびAu層を含む。Ni層は、第1リード端面31c、第2リード端面32c、第3リード端面33cおよび第4リード端面34cに接し、厚みが0.1〜3.0μmである。Pd層は、Ni層とAu層との間に介在し、厚みが0.01〜0.2μmである。Au層は、Pd層に接しており、厚みが0.01〜0.1μmである。Au層は、半導体装置A1の外部に露出している。なお、第2めっき層62の素材および厚みは上記したものに限定されない。たとえば、第2めっき層62は、Au層だけであってもよいし、Ni層とAu層とが積層されていてもよい。
【0060】
第3めっき層63は、封止樹脂20から露出した金属製の被膜である。第3めっき層63は、
図1、
図2、
図4〜
図6に示すように、樹脂側面23(第1樹脂側面231の一方)から露出しており、y方向を向く第2リード端面32cを覆う。
図1および
図2に示すように、平面視において、第2めっき層62と第3めっき層63とは封止樹脂20を挟んで反対側に位置する。第3めっき層63は、無電解めっきにより形成され、本実施形態においては、第2めっき層62と同じ素材である。すなわち、第3めっき層63は、互いに積層されたNi層、Pd層およびAu層を含む。また、これらの層の厚みも第2めっき層62と略同じである。
【0061】
次に、半導体装置A1の製造方法の一例について、
図8〜
図17を参照して、以下に説明する。
図8、
図9、
図13、
図15および
図17は、半導体装置A1の製造方法にかかる工程を示す平面図である。なお、
図13、
図15および
図17において、封止樹脂20を省略している。
図10〜
図12、
図14および
図16は、半導体装置A1の製造方法にかかる工程を示す断面図である。
図10は、
図6に示す断面に対応するものであり、
図9に示すX−X線に沿う断面に対応している。その他の断面図は、
図10に対応する断面を示している。
【0062】
まず、
図8に示すように、リードフレーム30を用意する。リードフレーム30は、第1リード31、第2リード32、第3リード33および第4リード34となる板状の材料である。リードフレーム30の素材は、主な成分がCuからなる。リードフレーム30は、リード主面30aおよびリード裏面30bを有している。リードフレーム30は、たとえば金属の板状部材に打ち抜き加工や折り曲げ加工などを施すことにより、
図8に示す形状に加工されている。
【0063】
次いで、
図9に示すように、リードフレーム30に半導体素子10を搭載する。半導体素子10は、素子主面10aおよび素子裏面10bを有している。そして、素子主面10aには、ゲート電極101、ソース電極103およびセンス電極104が形成されており、素子裏面10bには、ドレイン電極102が形成されている。半導体素子10を搭載する工程(素子搭載工程)では、リードフレーム30のリード主面30aのうち、
図8に示す素子ボンディング部391を少なくとも含む領域にフラックスを塗布した後、素子裏面10bをリード主面30aに対向させた姿勢で、半導体素子10を導電性接合材50に仮付けする。理解の便宜上、
図8において素子ボンディング部391にハッチングを付けている。このとき、導電性接合材50は、リード主面30aと素子裏面10bとの双方に挟まれた状態となる。次いで、リフローにより導電性接合材50を溶融させた後、冷却により導電性接合材50を固化させる。以上の処理により、半導体素子10の搭載が完了する。素子搭載工程によって、半導体素子10の素子裏面10bに形成されたドレイン電極102とリードフレーム30とが導通する。
【0064】
次いで、
図9に示すように、第1ワイヤ41、複数の第2ワイヤ42および第3ワイヤ43をボンディングする。これらのワイヤ41〜43をボンディングする工程(ワイヤボンディング工程)では、第1ワイヤ41をゲート電極101と
図8に示すワイヤボンディング部392とにボンディングする。また、複数の第2ワイヤ42をソース電極103と
図8に示すワイヤボンディング部393とにボンディングする。さらに、第3ワイヤ43をセンス電極104と
図8に示すワイヤボンディング部394とにボンディングする。理解の便宜上、
図8においてワイヤボンディング部392,393,394にそれぞれハッチングを付けている。なお、第1ワイヤ41、複数の第2ワイヤ42および第3ワイヤ43のボンディングの順番は、特に限定されない。ワイヤボンディング工程は、周知のワイヤボンダを用いて行う。第1ワイヤ41、複数の第2ワイヤ42および第3ワイヤ43は、たとえばCu、Au(金)あるいはAl(アルミニウム)からなる。
【0065】
次いで、
図10に示すように、半導体素子10、リードフレーム30の一部、第1ワイヤ41、複数の第2ワイヤ42および第3ワイヤ43を覆う封止樹脂20を形成する。当該封止樹脂20を形成する工程(樹脂形成工程)では、たとえば金型を用いた周知のトランスファモールド成形により行う。具体的には、ワイヤボンディング工程を経たリードフレーム30を、金型成形機にセットし、流動化させた樹脂材料を金型内のキャビティに流し込む。このとき、リード裏面30bは金型に当接する。そして、樹脂材料を硬化させる。これにより、樹脂主面21および樹脂裏面22を有する封止樹脂20が形成される。本実施形態においては、樹脂材料として、黒色のエポキシ樹脂を用いるが、これに限定されない。また、本実施形態においては、樹脂形成工程によって形成される封止樹脂20は、
図9に示す全領域に形成される。樹脂形成工程において、リード裏面30bを金型に当接させたことで、
図10に示すように、樹脂裏面22からリード裏面30bが露出し、かつ、樹脂裏面22とリード裏面30bとが面一となる。
【0066】
次いで、
図11に示すように、リード裏面30bに第1めっき層61を形成する。第1めっき層61の形成は、リードフレーム30を導電経路とした電解めっきによる。当該電解めっき工程では、上記樹脂形成工程まで行ったリードフレーム30を所定のめっき液に浸漬させた状態で、リードフレーム30を導通経路とした電解めっきを行うことで、封止樹脂20から露出したリード裏面30bに、上記めっき液に応じた金属層が積層され、第1めっき層61が形成される。本実施形態においては、第1めっき層61として主成分がSnである金属層が形成される。このとき、リードフレーム30は、
図9に示すように、全体が繋がっているため、電解めっき時において、リードフレーム30の全体に電気が流れる。
【0067】
次いで、
図12に示すように、リードフレーム30のリード裏面30b側から保護テープ70を貼り付ける。保護テープ70は、粘着性のテープであって、耐アルカリ性および耐酸性がある。これにより、以降の製造工程における各種薬液などに浸されたり、塗布されたりしたとしても、当該保護テープ70の損傷を抑制できる。当該保護テープ70を貼り付ける工程(保護テープ貼付工程)によって、第1めっき層61および樹脂裏面22の全面が保護テープ70で覆われる。
【0068】
次いで、
図13および
図14に示すように、保護テープ70を切断することなく、封止樹脂20およびリードフレーム30を、x方向に沿って切断する。当該x方向に沿って切断する工程(第1切断工程)は、たとえばブレードダイシングによる。なお、ブレードダイシングによらず、プラズマダイシングやレーザダイシングなどであってもよい。第1切断工程によって、
図13および
図14に示すように、樹脂側面23(第1樹脂側面231)が形成されるとともにリードフレーム30にy方向を向くリード端面30cが形成される。このとき形成された第1樹脂側面231とy方向を向くリード端面30cとは面一である。ブレードダイシングによる切断は、ダイシングブレードを用いた切削であるため、形成された第1樹脂側面231とリード端面30cとは、ダイシングブレードの砥石に応じた表面粗さとなる。また、第1切断工程によって、リードフレーム30がy方向に分割される。この結果、リードフレーム30から第1リード31、第3リード33および第4リード34が分割される。なお、この時点では、リードフレーム30のうち、後に第2リード32となる部分は、x方向に繋がった状態である。
【0069】
次いで、
図15および
図16に示すように、一部のリード端面30cに第2めっき層62を形成するとともに、その他のリード端面30cに第3めっき層63を形成する。具体的には、第1リード31、第3リード33および第4リード34におけるリード端面30cに第2めっき層62を形成し、リードフレーム30におけるリード端面30cに第3めっき層63を形成する。第2めっき層62および第3めっき層63の形成は、無電解めっきによる。当該無電解めっき工程では、上記第1切断工程まで行ったリードフレーム30を所定のめっき液に浸漬させて、無電解めっきを施す。これにより、上記めっき液に応じた金属層が積層され、第2めっき層62および第3めっき層63が形成される。本実施形態においては、第2めっき層62および第3めっき層63として、無電解めっきによりNi層、Pd層、Au層の順に各々を析出させる。このとき第1樹脂側面231から露出した各リード端面30cを覆うようにNi層が形成される。そして、当該Ni層上にPd層、当該Pd層上にAu層が順次形成される。なお、第2めっき層62および第3めっき層63はともに、第1樹脂側面231には形成されない。また、保護テープ70で覆われた領域においても、第2めっき層62および第3めっき層63が形成されない。
【0070】
次いで、
図17に示すように、保護テープ70を切断することなく、封止樹脂20およびリードフレーム30を、y方向に沿って切断する。当該y方向に沿って切断する工程(第2切断工程)においては、
図15に示す切断線CLに沿って切断する。第2切断工程は、たとえばブレードダイシングによる。なお、ブレードダイシングによらず、プラズマダイシングやレーザダイシングなどであってもよい。第2切断工程によって、リードフレーム30がx方向に分割され、第2リード32が形成される。第2切断工程によって、樹脂側面23(第1樹脂側面231)が形成される。なお、第2切断工程後においては、半導体素子10ごとの複数の個片が保護テープ70で繋がった状態である。
【0071】
次いで、保護テープ70を剥離する。これにより、半導体素子10ごとの複数の個片に分割される。以上の工程を経ることにより、
図1〜
図7に示す半導体装置A1が形成される。
【0072】
次に、半導体装置A1および半導体装置A1の製造方法の作用効果について説明する。
【0073】
半導体装置A1において、第1リード31は、第1リード裏面31bが樹脂裏面22から露出し、第1リード端面31cが樹脂側面23(一方の第1樹脂側面231)から露出している。また、第1めっき層61が第1リード裏面31bを覆うように形成され、第2めっき層62が第1リード端面31cを覆うように形成されている。この構成をとることで、半導体装置A1を回路基板に実装する際、はんだが第1めっき層61および第2めっき層62に付着する。したがって、半導体装置A1の回路基板への実装強度を高めることができる。また、第3リード33および第4リード34においても同様であるので、さらに半導体装置A1の回路基板への実装強度を高めることができる。さらに、第2リード32においては、第2リード裏面32bが樹脂裏面22から露出しており、第1めっき層61が第2リード裏面32bを覆うように形成されている。したがって、半導体装置A1を回路基板に実装する際、はんだが第1めっき層61に付着するので、半導体装置A1の回路基板への実装強度を高めることができる。
【0074】
半導体装置A1において、第2めっき層62は、第1リード端面31cを覆い、かつ、樹脂側面23(一方の第1樹脂側面231)よりもy方向に突き出ている。この構成をとることで、第2めっき層62が樹脂側面23(一方の第1樹脂側面231)と面一である場合よりも、はんだの接合強度が高くなる。したがって、半導体装置A1の回路基板への実装強度を高めることができる。また、第3リード33および第4リード34においても同様である。
【0075】
半導体装置A1において、第1リード端面31c、第3リード端面33cおよび第4リード端面34cは、ブレードダイシングによって形成されたため、表面が比較的粗い。したがって、これら覆う第2めっき層62は、アンカー効果によって、第1リード端面31c、第3リード端面33cおよび第4リード端面34cとの接着性が高くなる。
【0076】
半導体装置A1において、第1めっき層61に覆われた第1リード裏面31bと第2めっき層62に覆われた第1リード端面31cとが繋がっている。上記するように、半導体装置A1を回路基板に実装する際のはんだは、第1めっき層61および第2めっき層62に付着する。したがって、半導体装置A1を回路基板に実装したとき、はんだが第1めっき層61および第2めっき層62を跨がるように形成される。したがって、樹脂側面23(一方の第1樹脂側面231)から露出した第2めっき層62に接合するようにフィレットが形成されるため、半導体装置A1の回路基板への実装強度を高めることができる。また、第3リード33および第4リード34においても同様であるので、さらに、半導体装置A1の回路基板への実装強度を高めることができる。また、上記のようなフィレットが形成されることで、半導体装置A1と回路基板とを接合するはんだの接続状態を、半導体装置A1の上方および側方から目視確認することができる。
【0077】
半導体装置A1において、第1めっき層61および第2めっき層62は、複数のリード31〜34よりも、はんだ濡れ性が高い素材からなる。これにより、半導体装置A1を回路基板に実装したとき、はんだが第1めっき層61および第2めっき層62の表面全体を覆うように形成される。したがって、上記のようなフィレットが形成されやすい。
【0078】
半導体装置A1によれば、第1めっき層61は主成分がSnからなる。このような第1めっき層61は、主成分がAuであるめっき層よりも安価である。したがって、半導体装置A1のコストを低減することができる。特に、半導体装置A1の平面視寸法が大きくなるほど、コスト低減を図る上で好ましい。
【0079】
半導体装置A1の製造方法によれば、無電解めっき工程により、第2めっき層62を形成している。第1切断工程を経た後は、
図13および
図14に示すように、リードフレーム30においては、第1リード31、第3リード33および第4リード34が分割されている。このため、電解めっきにおける導通経路を確保することが困難である。すなわち、第1リード31、第3リード33および第4リード34における各リード端面30cに、電解めっきにより第2めっき層62を形成することが困難である。しかしながら、本実施形態においては、無電解めっきを用いることで、第1リード31、第3リード33および第4リード34における各リード端面30cに第2めっき層62を形成することができる。
【0080】
半導体装置A1の製造方法によれば、電解めっき工程後に、リードフレーム30のリード裏面30b側から保護テープ70を貼り付けている。これにより、少なくとも第1めっき層61が保護テープ70に覆われる。したがって、その後の無電解めっき工程時に当該第1めっき層61上に第2めっき層62が形成されない。すなわち、半導体装置A1の裏面側において、Auを含む第2めっき層62が形成されないので、半導体装置A1のコスト低減を図ることができる。
【0081】
図18〜
図27は、本開示の半導体装置およびその製造方法の他の実施の形態を示している。なお、これらの図おいて、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0082】
図18および
図19は、第2実施形態にかかる半導体装置を示している。第2実施形態の半導体装置A2は、半導体装置A1と比較して、第1めっき層61の素材が主に異なる。
【0083】
図18は、半導体装置A2を示す正面図である。
図19は、半導体装置A2を示す断面図であり、第1実施形態における
図6に対応する断面である。
【0084】
本実施形態においては、第1めっき層61は、互いに積層されたNi層、Pd層およびAu層から構成される。これらの層は、電解めっきにより形成される。また、本実施形態においては、第1めっき層61は、
図18および
図19に示すように、樹脂裏面22と面一である。なお、第1めっき層61の素材は上記したものに限定されない。たとえば、第1めっき層61は、Au層だけであってもよいし、Ni層とAu層とが積層されていてもよい。
【0085】
本実施形態おいては、内部めっき層64を備えている。内部めっき層64は、第1リード31、第2リード32、第3リード33および第4リード34と、封止樹脂20とに挟まれている。内部めっき層64は、第1めっき層61と同じ素材である。すなわち、内部めっき層64は、互いに積層されたNi層、Pd層およびAu層から構成される。なお、第1めっき層61が、Au層だけで構成されている場合には、内部めっき層64もAu層だけで構成されており、第1めっき層61が、Ni層とAu層とが積層して構成されている場合には、内部めっき層64もNi層とAu層とが積層して構成されている。
【0086】
上記第1実施形態と同じ形状のリードフレーム30を用意した後、これをめっき液に浸漬させて、電解めっきを施す。これにより、
図8に示す状態のリードフレーム30の表面全体にめっき層(以下、「表層めっき層」という)が形成される。この表層めっき層は、第1めっき層61および内部めっき層64に相当する。具体的には、表層めっき層のうち、リードフレーム30のリード裏面30bに形成され、後に封止樹脂20の樹脂裏面22から露出する部分が第1めっき層61となる。したがって、本実施形態においては、リードフレーム30の表面全体に表層めっき層を形成する工程が、特許請求の範囲に記載の「電解めっき工程」に相当する。また、表層めっき層のうち、リードフレーム30のリード裏面30b以外の部分に形成され、後に封止樹脂20に覆われた部分が内部めっき層64となる。なお、リードフレーム30を切断することによって形成されるリード端面30c(後に第1リード端面31c、第2リード端面32c、第3リード端面33cおよび第4リード端面34c)には、表層めっき層は形成されない。当該リードフレーム30の表面全体に表層めっき層を形成した後は、上記第1実施形態に示す電解めっき工程を除いて、上記第1実施形態と同様に行うことで、
図18および
図19に示す半導体装置A2が形成される。
【0087】
このような実施形態によっても、半導体装置A2の回路基板への実装強度を高めることができる。
【0088】
半導体装置A2においては、第1めっき層61は電解めっきにより形成されている。たとえば、第1めっき層61と第2めっき層62とが同じ素材であるため、上記第1実施形態に示す無電解めっき工程によって、第1めっき層61を形成することも考えられる。しかしながら、一般的に、無電解めっきは、電解めっきよりも製造コストが高い。したがって、本実施形態においては、第1めっき層61を電解めっきで形成したことで、第1めっき層61を無電解めっきで形成する場合よりも、製造コストを抑えることができる。
【0089】
図20〜
図22は、第3実施形態にかかる半導体装置を示している。第3実施形態の半導体装置A3は、半導体装置A1と比較して、各リード31〜34の形状が主に異なる。
【0090】
図20は、半導体装置A3を示す底面図である。
図21は、半導体装置A3を示す断面図であり、第1実施形態における
図6に対応する断面である。
図22は、半導体装置A3を示す断面図であり、第1実施形態における
図7に対応する断面である。
【0091】
本実施形態においては、第1リード31において、第1ボンディングパッド部311の厚みが第1端子部312の厚みと略同じである。したがって、第1ボンディングパッド部311は、下面が封止樹脂20に覆われておらず、樹脂裏面22から露出している。よって、第1ボンディングパッド部311の下面も第1リード裏面31bである。すなわち、本実施形態における第1リード裏面31bは、第1実施形態における第1リード裏面31bよりも面積が大きい。なお、第3リード33および第4リード34においても同様である。また、第2リード32において、複数の延出部322の厚みが第2ボンディングパッド部321の厚みと同じである。したがって、複数の延出部322は、下面が封止樹脂20に覆われておらず、樹脂裏面22から露出している。よって、複数の延出部322の下面も第2リード裏面32bである。すなわち、本実施形態における第2リード裏面32bは、第1実施形態における第2リード裏面32bよりも面積が大きい。
【0092】
このような実施形態によっても、半導体装置A3の回路基板への実装強度を高めることができる。
【0093】
半導体装置A3によれば、上記するように、各リード31〜34において、各リード裏面31b,32b,33b,34bの面積が、半導体装置A1と比較して大きい。これにより、
図20に示すように、第1めっき層61が形成される面積が拡大している。したがって、半導体装置A3を回路基板に実装する際、はんだが付着(接合)する範囲が拡大されるので、半導体装置A3の回路基板への実装強度をさらに高めることができる。
【0094】
第1実施形態ないし第3実施形態においては、第2めっき層62は、互いに積層されたNi層、Pd層およびAu層で構成された場合を示したが、第2めっき層62の素材は、上記したものに限定されない。たとえば、無電解めっき工程におけるめっき液の薬液を変えることで、第2めっき層62の素材を、主成分がSnである金属層にしてもよい。このような変形例においても、半導体装置の実装強度を高めることができる。
【0095】
第1実施形態ないし第3実施形態においては、封止樹脂20の各樹脂側面23が平坦である場合を示したが、これに限定されない。たとえば、
図23〜
図25に示すように、各樹脂側面23に段差があってもよい。
図23は、このような変形例にかかる半導体装置を示す正面図である。
図24は、このような変形例にかかる半導体装置を示す左側面図である。
図25は、このような変形例にかかる半導体装置を示す断面図であり、第1実施形態における
図6に対応する断面である。本変形例においては、各樹脂側面23において、z方向の一方側(
図23〜
図25における下方)が、封止樹脂20の平面視内方に窪んでいる場合を示している。このような変形例においても、半導体装置の回路基板への実装強度を高めることができる。なお、
図23〜
図25に示す半導体装置は一例であって、これに限定されるものではない。
【0096】
第1実施形態ないし第3実施形態においては、複数のリード31〜34を備える場合を示したが、リードの数および形状は上記したものに限定されない。リードの数および形状は、搭載する半導体素子10の数、種類、および、形成された電極の数などに応じて、適宜変更することができる。
図26および
図27は、このような変形例にかかる半導体装置を示す平面図である。なお、
図26および
図27においては、封止樹脂20を想像線(二点鎖線)で示しており、また、半導体素子の各電極101〜104および複数のワイヤ41〜43を省略している。
図26は、半導体装置A1と比較して、第4リード34を備えておらず、第3リード33が3つの第3端子部332を備えている場合を示している。
図27は、半導体装置A1と比較して、第2リード32および複数のリード35を備えている。複数のリード35は、互いに同じ形状でありかつ同じ大きさである。このような変形例においても、半導体装置の回路基板への実装強度を高めることができる。なお、
図26および
図27に示す半導体装置は一例であって、これに限定されるものではない。たとえば半導体素子を2つ以上搭載する場合には、リード数がさらに多くなる可能性がある。
【0097】
第1実施形態ないし第3実施形態においては、
図5および
図6に示すように、y方向に見て、第2めっき層62のz方向の一方の端縁が、第1めっき層61のz方向の他方の端縁と重なる場合を示したが、これに限定されない。第2めっき層62を形成する電解めっきの条件(浸漬時間や薬液の種類など)、また、第1めっき層61の素材および第2めっき層62の素材によっては、次のようになることもある。それは、第2めっき層62のz方向の一方の端縁が、y方向に見て、第1めっき層61のz方向の上方の端縁と第1めっき層61のz方向の下方の端縁との間に挟まれている場合もあるし、第1めっき層61のz方向下方の端縁と重なる場合もある。
【0098】
第1実施形態ないし第3実施形態においては、半導体装置A1〜A3は、1つの樹脂側面23(第1樹脂側面231の一方)に端子が配置された樹脂パッケージである場合を示したが、これに限定されない。たとえば、半導体装置の2つの樹脂側面23に端子が配置された樹脂パッケージ(いわゆるSONパッケージ型)、あるいは、半導体装置の4つの樹脂側面23に端子が配置された樹脂パッケージ(いわゆるQFNパッケージ型)であっても、同様に第1めっき層61および第2めっき層62を形成することで、半導体装置の回路基板への実装強度を高めることができる。
【0099】
本開示の半導体装置およびその製造方法は、上記した実施形態に限定されるものではない。本開示の半導体装置の各部の具体的な構成および本開示の製造方法の各工程の具体的な処理および順序は、種々に設計変更自在である。