【実施例】
【0015】
以下本発明の一実施例による作業車について説明する。
図1は昇降ステップ扉が閉状態での本実施例による作業車の外観斜視図、
図2は昇降ステップ扉が開状態での同作業車の外観斜視図、
図3は同作業車の上方からの外観斜視図である。
【0016】
本実施例による作業車は、運転席を有するキャビン1と、機材収納部3を搭載する荷台2とを備えている。機材収納部3は、荷台2の両側部に配置している。一対の機材収納部3の間には、ブーム装置4が配置され、荷台2の下方には、4つのジャッキ5を備えている。
機材収納部3には、開閉扉10を有している。前方開閉扉11、12は車両後輪6より前方に位置し、後方開閉扉13は車両後輪6より後方に位置する。
車両後輪6の上方には、昇降ステップ扉20を配置している。
【0017】
図4は、同作業車の昇降ステップ扉の斜視図であり、
図4(a)は昇降ステップ扉が閉状態での斜視図、
図4(b)は昇降ステップ扉が開動作の途中状態での同作業車の斜視図、
図4(c)は
図4(b)から更に開動作が進んだ状態での同作業車の斜視図、
図4(d)は昇降ステップ扉が開状態での斜視図、
図4(e)は
図4(d)の状態での荷台内から見た同作業車の斜視図、
図4(f)は
図4(a)の状態での荷台内から見た同作業車の斜視図である。
【0018】
昇降ステップ扉20の内面には、複数段の昇降ステップ30と一対の手摺り40とを有している。また、昇降ステップ扉下端20Aの両側には一対のリンク機構50を配置している。
【0019】
図4(a)に示す昇降ステップ扉20が閉状態では、昇降ステップ扉20は荷台2の一部を覆うとともに、
図4(f)に示すように昇降ステップ30及び手摺り40は収納状態となる。
図4(b)から
図4(d)に示すように、閉状態から開状態への動作は、昇降ステップ扉下端20Aは所定の位置のままで、昇降ステップ扉上端20Bは回動することで下方に移動するとともに昇降ステップ扉20の内面が外方となる。
図4(d)及び
図4(e)に示す昇降ステップ扉20が開状態では、昇降ステップ扉上端20Bを昇降ステップ扉下端20Aより下方に位置させるとともに、昇降ステップ30及び手摺り40は展開状態となる。
【0020】
図5は、同作業車のリンク機構を示す側面図である。なお、
図5において実線は昇降ステップ扉20が閉状態を示し、破線は昇降ステップ扉20が開状態を示している。
【0021】
リンク機構50は、昇降ステップ扉20の回動支点となる第1固定軸51と、第1固定軸51を中心とする円弧状の第1ガイドスリット52と、昇降ステップ扉20に取り付けられて第1ガイドスリット52に沿って移動する第1ピン53と、第1固定軸51を中心とする円弧状の第2ガイドスリット54と、手摺り40に取り付けられて第2ガイドスリット54に沿って移動する第2ピン55とを有している。
第1ガイドスリット52の第1スリット上端52Bを第1固定軸51より高い位置とし、第1ガイドスリット52の第1スリット下端52Aを第1固定軸51より低い位置としている。
第2ガイドスリット54の第2スリット上端54Bを第1固定軸51より高い位置とし、第2ガイドスリット54の第2スリット下端54Aを第1固定軸51より低い位置としている。
第2ガイドスリット54は第1ガイドスリット52より短くしており、第2ピン55は第1ピン53より移動距離を短くしている。
また、昇降ステップ30のステップ下端30Aを昇降ステップ扉20に回動自在に連結し、昇降ステップ30のステップ上端30Bを手摺り40に回動自在に連結している。
【0022】
昇降ステップ扉20が閉状態では、第1ピン53が第1スリット下端52Aに位置し、第2ピン55が第2スリット下端54Aに位置する。
昇降ステップ扉20が開状態では、第1ピン53が第1スリット上端52Bに位置し、第2ピン55が第2スリット上端54Bに位置する。
リンク機構50は、第1ピン53を移動させるシリンダ60を備えており、シリンダ60によって昇降ステップ扉20を駆動させることができる。
【0023】
以上のように本実施例によれば、機材収納部3としては適さない車両後輪6の上方を利用して昇降ステップ扉20を配置し、複数段の昇降ステップ30によって荷台2の側面からの昇降を行うことができ、更に、昇降ステップ扉20が閉状態では昇降ステップ30を収納状態とすることで荷台2のスペースを確保できる。
【0024】
また本実施例によれば、昇降ステップ扉20が閉状態では、手摺り40が昇降ステップ30とともに収納状態となり、昇降ステップ扉20が開状態では、手摺り40が昇降ステップ30とともに展開状態となるため、手摺り40を備えることで昇降動作を更に容易に安全に行えるとともに、昇降ステップ扉20が閉状態では手摺り40を昇降ステップ30とともに収納状態とすることで荷台2のスペースを確保できる。
【0025】
ブーム装置4が配置された車両にあっては、ジャッキアップによって荷台2が高くなるが、本実施例によれば、昇降ステップ扉上端20Bを車両後輪6より下方に位置させることで昇降動作を容易に行える。
【0026】
また本実施例によれば、リンク機構50によって昇降ステップ扉20の開閉動作をスムーズに行わせることができ、昇降ステップ扉20の開閉動作とともに手摺り40を収納状体と展開状態とに動作させることができる。