特開2019-177757(P2019-177757A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社モリタホールディングスの特許一覧

<>
  • 特開2019177757-作業車 図000003
  • 特開2019177757-作業車 図000004
  • 特開2019177757-作業車 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-177757(P2019-177757A)
(43)【公開日】2019年10月17日
(54)【発明の名称】作業車
(51)【国際特許分類】
   B60R 3/02 20060101AFI20190920BHJP
   B62D 33/04 20060101ALI20190920BHJP
   A62C 27/00 20060101ALI20190920BHJP
   A62B 99/00 20090101ALI20190920BHJP
【FI】
   B60R3/02
   B62D33/04 Z
   A62C27/00 508
   A62B99/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-67664(P2018-67664)
(22)【出願日】2018年3月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000192073
【氏名又は名称】株式会社モリタホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100106611
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 幸史
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】松田 智史
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼田 貴行
(72)【発明者】
【氏名】近藤 晃一
(72)【発明者】
【氏名】今城 菜穂
【テーマコード(参考)】
2E184
2E189
3D022
【Fターム(参考)】
2E184JA01
2E189AA04
2E189AB04
2E189AB06
3D022AA02
3D022AB08
3D022AC03
3D022AC07
3D022AD03
3D022AE09
3D022AE10
3D022AE15
(57)【要約】
【課題】収納庫の収納スペースを狭めることなく、ステップ面を広くし、十分な踏面を確保できる作業車を提供すること。
【解決手段】運転席を有するキャビン1と、荷台2とからなり、荷台2には収納庫3を備え、収納庫3を車両後輪4の上方に配置し、車両後輪4のホイールアーチ11aを形成する側面第1扉11が、閉状態では収納庫3の少なくとも一部を覆い、開状態ではステップ面となり、側面第1扉11の上方に側面第2扉12を有し、側面第1扉11が開状態では、側面第2扉12がステップ面に配置され、ホイールアーチ11aによって形成される空間の少なくとも一部を側面第2扉12が覆うことを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席を有するキャビンと、荷台とからなり、
前記荷台には収納庫を備え、
前記収納庫を車両後輪の上方に配置し、
前記車両後輪のホイールアーチを形成する側面第1扉が、
閉状態では前記収納庫の少なくとも一部を覆い、
開状態ではステップ面となる
作業車であって、
前記側面第1扉の上方に側面第2扉を有し、
前記側面第1扉が前記開状態では、前記側面第2扉が前記ステップ面に配置され、
前記ホイールアーチによって形成される空間の少なくとも一部を前記側面第2扉が覆う
ことを特徴とする作業車。
【請求項2】
前記側面第1扉が前記開状態では、前記側面第2扉の収納庫側内面が上面となる
ことを特徴とする請求項1に記載の作業車。
【請求項3】
前記側面第1扉が前記閉状態では、前記側面第1扉の上端と前記側面第2扉の下端とが対向する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の作業車。
【請求項4】
前記側面第2扉の上方に側面第3扉を有し、
前記側面第1扉が前記閉状態で、前記側面第3扉が閉状態では、前記側面第2扉の上端と前記側面第3扉の下端とが対向する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の作業車。
【請求項5】
前記側面第1扉及び前記側面第2扉の両側に一対のリンク機構を配置し、
前記リンク機構が、
前記収納庫の下方に位置する第1固定軸と、
前記第1固定軸を支点として回動する第1アームと、
前記第1アームとともに前記第1固定軸を支点として回動する第2アームと、
前記第1固定軸よりも上方に位置する第2固定軸と、
前記第2固定軸を支点として回動する第3アームと、
一端を前記第2アームに回動自在に連結し、他端を前記第3アームに回動自在に連結する第4アームと
を有し、
前記側面第1扉の下部に前記第1アームを取り付け、
前記側面第2扉の下部に前記第3アームを取り付けた
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷台に収納庫を備えて、特に消火作業や救助作業を支援する作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び特許文献2には、運転席を有するキャビンと、荷台とからなり、荷台には収納庫を備え、収納庫を車両後輪の上方に配置し、車両後輪のホイールアーチを形成する側面第1扉が、閉状態では収納庫の少なくとも一部を覆い、開状態ではステップ面となる作業車が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−100796号公報
【特許文献2】特開2007−131049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、ホイールアーチによって形成される空間がステップ面とならないため、踏面が狭くなってしまう。
特許文献2では、ホイールアーチによって形成される空間を足載せ部材で覆うことでステップ面を広くし、十分な踏面を確保している。
しかし、特許文献2では足載せ部材が収納庫内を移動するため、収納庫内に足載せ部材が移動するための空間を確保しなければならず、収納スペースに影響を与えてしまう。
【0005】
本発明は、収納庫の収納スペースを狭めることなく、ステップ面を広くし、十分な踏面を確保できる作業車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の作業車は、運転席を有するキャビン1と、荷台2とからなり、前記荷台2には収納庫3を備え、前記収納庫3を車両後輪4の上方に配置し、前記車両後輪4のホイールアーチ11aを形成する側面第1扉11が、閉状態では前記収納庫3の少なくとも一部を覆い、開状態ではステップ面となる作業車であって、前記側面第1扉11の上方に側面第2扉12を有し、前記側面第1扉11が前記開状態では、前記側面第2扉12が前記ステップ面に配置され、前記ホイールアーチ11aによって形成される空間の少なくとも一部を前記側面第2扉12が覆うことを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の作業車において、前記側面第1扉11が前記開状態では、前記側面第2扉12の収納庫3側内面が上面となることを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の作業車において、前記側面第1扉11が前記閉状態では、前記側面第1扉11の上端と前記側面第2扉12の下端とが対向することを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の作業車において、前記側面第2扉12の上方に側面第3扉13を有し、前記側面第1扉11が前記閉状態で、前記側面第3扉13が閉状態では、前記側面第2扉12の上端と前記側面第3扉13の下端とが対向することを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の作業車において、前記側面第1扉11及び前記側面第2扉12の両側に一対のリンク機構20を配置し、前記リンク機構20が、前記収納庫3の下方に位置する第1固定軸21と、前記第1固定軸21を支点として回動する第1アーム22と、前記第1アーム22とともに前記第1固定軸21を支点として回動する第2アーム23と、前記第1固定軸21よりも上方に位置する第2固定軸24と、前記第2固定軸24を支点として回動する第3アーム25と、一端を前記第2アーム23に回動自在に連結し、他端を前記第3アーム25に回動自在に連結する第4アーム26とを有し、前記側面第1扉11の下部に前記第1アーム22を取り付け、前記側面第2扉12の下部に前記第3アーム25を取り付けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の作業車によれば、側面第1扉が開状態では、側面第2扉をステップ面に配置することで、収納庫の収納スペースを狭めることなく、ステップ面を広くし、十分な踏面を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例による作業車の外観斜視図
図2】同作業車の要部外観斜視図
図3】同作業車の側面第1扉及び側面第2扉を動作させるリンク機構を示す要部側面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による作業車は、側面第1扉の上方に側面第2扉を有し、側面第1扉が開状態では、側面第2扉がステップ面に配置され、ホイールアーチによって形成される空間の少なくとも一部を側面第2扉が覆うものである。本実施の形態によれば、側面第1扉が開状態では、側面第2扉をステップ面に配置することで、収納庫の収納スペースを狭めることなく、ステップ面を広くし、十分な踏面を確保できる。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による作業車において、側面第1扉が開状態では、側面第2扉の収納庫側内面が上面となるものである。本実施の形態によれば、側面第2扉の収納庫側内面を踏面とすることで、側面第2扉のボディー外面を汚すことがない。
【0011】
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による作業車において、側面第1扉が閉状態では、側面第1扉の上端と側面第2扉の下端とが対向するものである。本実施の形態によれば、収納庫は側面第1扉及び側面第2扉で覆われ、側面第1扉及び側面第2扉は収納庫内に入り込まないため、収納庫内の空間を広く利用できる。
【0012】
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3の実施の形態による作業車において、側面第2扉の上方に側面第3扉を有し、側面第1扉が閉状態で、側面第3扉が閉状態では、側面第2扉の上端と側面第3扉の下端とが対向するものである。本実施の形態によれば、収納庫は側面第1扉、側面第2扉、及び側面第3扉で覆われ、側面第1扉及び側面第2扉は収納庫内に入り込まないため、収納庫内の空間を広く利用できる。
【0013】
本発明の第5の実施の形態は、第1から第4の実施の形態による作業車において、側面第1扉及び側面第2扉の両側に一対のリンク機構を配置し、リンク機構が、収納庫の下方に位置する第1固定軸と、第1固定軸を支点として回動する第1アームと、第1アームとともに第1固定軸を支点として回動する第2アームと、第1固定軸よりも上方に位置する第2固定軸と、第2固定軸を支点として回動する第3アームと、一端を第2アームに回動自在に連結し、他端を第3アームに回動自在に連結する第4アームとを有し、側面第1扉の下部に第1アームを取り付け、側面第2扉の下部に第3アームを取り付けたものである。本実施の形態によれば、側面第1扉の開閉動作とともに側面第2扉の開閉動作を行わせることができる。
【実施例】
【0014】
以下本発明の一実施例による作業車を説明する。
図1は、本実施例による作業車の外観斜視図であり、図1(a)は側面第1扉、側面第2扉、及び側面第3扉が閉状態での同作業車の外観斜視図、図1(b)は側面第1扉、側面第2扉、及び側面第3扉が開状態での同作業車の外観斜視図である。
【0015】
本実施例による作業車は、運転席を有するキャビン1と、荷台2とからなり、荷台2には収納庫3を備えている。収納庫3は車両後輪4の上方に配置している。
収納庫3の側面は、側面第1扉11、側面第2扉12、及び側面第3扉13で覆われている。
側面第1扉11には、車両後輪4のホイールアーチ11aを形成している。
側面第1扉11は、閉状態では図1(a)に示すように収納庫3の少なくとも一部を覆い、開状態では図1(b)に示すようにステップ面となる。
【0016】
図2は、本実施例による作業車の要部外観斜視図であり、図2(a)は側面第1扉、側面第2扉、及び側面第3扉が閉状態にある要部外観斜視図、図2(b)は側面第1扉及び側面第2扉が開動作の途中状態にある要部外観斜視図、図2(c)は側面第1扉及び側面第2扉が開状態にある要部外観斜視図、図2(d)は側面第1扉、側面第2扉、及び側面第3扉が開状態にある要部外観斜視図である。
【0017】
図2(a)に示すように、側面第1扉11、側面第2扉12、及び側面第3扉13が全て閉状態にあるときは、側面第1扉11の上端と側面第2扉12の下端とが対向し、側面第2扉12の上端と側面第3扉13の下端とが対向し、収納庫3は側面第1扉11、側面第2扉12、及び側面第3扉13で覆われる。このように、側面第1扉11及び側面第2扉12は収納庫3内に入り込まないため、収納庫3内の空間を広く利用できる。
図2(b)に示すように、側面第1扉11が開動作を行うことで、側面第2扉12は側面第1扉11とともに開動作を行う。
図2(c)に示すように、側面第1扉11が開状態では、側面第2扉12が側面第1扉11のステップ面に配置され、ホイールアーチ11aによって形成される空間の少なくとも一部を側面第2扉12が覆う。本実施例では、側面第2扉12は、ホイールアーチ11aによって形成される空間を全て覆っている。このように、側面第1扉11が開状態では、側面第2扉12を側面第1扉11のステップ面に配置することで、収納庫3の収納スペースを狭めることなく、ステップ面を広くし、十分な踏面を確保できる。
また、側面第1扉11が開状態では、側面第2扉12の収納庫3側内面が上面となる。このように、側面第2扉12の収納庫3側内面を踏面とすることで、側面第2扉12のボディー外面を汚すことがない。
図2(d)に示すように、側面第3扉13を外上方に開き、開状態とすることができる。なお、側面第3扉13は、シャッター式開閉機構でもよいが、本実施例のように、外上方に開く機構とすることで、収納庫3内の収納スペースを広くすることができる。
【0018】
図3は、本実施例による作業車の側面第1扉及び側面第2扉を動作させるリンク機構を示す要部側面図であり、図3(a)は側面第1扉、側面第2扉、及び側面第3扉が閉状態にある要部側面図、図3(b)は側面第1扉及び側面第2扉が開動作の途中状態にある要部側面図、図3(c)は側面第1扉及び側面第2扉が開状態にある要部側面図である。
【0019】
側面第1扉11及び側面第2扉12の両側には一対のリンク機構20を配置している。
リンク機構20は、収納庫3の下方に位置する第1固定軸21と、第1固定軸21を支点として回動する第1アーム22と、第1アーム22とともに第1固定軸21を支点として回動する第2アーム23と、第1固定軸21よりも上方に位置する第2固定軸24と、第2固定軸24を支点として回動する第3アーム25と、一端を第2アーム23に回動自在に連結し、他端を第3アーム25に回動自在に連結する第4アーム26とを有している。
側面第1扉11の下部には、第1アーム22を取り付け、側面第2扉12の下部には第3アーム25を取り付けている。
このようなリンク機構20を設けることで、側面第1扉11の開閉動作とともに側面第2扉12の開閉動作を行わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は、荷台に扉を有する収納庫を備え、収納庫を車両後輪の上方に配置する各種の作業車に適用できる。
【符号の説明】
【0021】
1 キャビン
2 荷台
3 収納庫
4 車両後輪
11 側面第1扉
11a ホイールアーチ
12 側面第2扉
13 側面第3扉
20 リンク機構
21 第1固定軸
22 第1アーム
23 第2アーム
24 第2固定軸
25 第3アーム
26 第4アーム
図1
図2
図3