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特開2019-178843伝熱管の振動防止装置、熱交換器及びボイラ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-178843(P2019-178843A)
(43)【公開日】2019年10月17日
(54)【発明の名称】伝熱管の振動防止装置、熱交換器及びボイラ
(51)【国際特許分類】
   F28F 9/013 20060101AFI20190920BHJP
   F28D 7/16 20060101ALI20190920BHJP
   F22B 37/10 20060101ALI20190920BHJP
【FI】
   F28F9/013 J
   F28F9/013 E
   F28D7/16 Z
   F22B37/10 602Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-69906(P2018-69906)
(22)【出願日】2018年3月30日
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 徳久
(72)【発明者】
【氏名】松平 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】笹谷 史郎
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA01
3L103AA08
3L103AA29
3L103BB05
3L103CC18
3L103CC27
3L103DD03
3L103DD33
3L103DD68
(57)【要約】
【課題】振動抑制のため管群を構成する個々の伝熱管をスペーサやフィンで連結する場合、応力集中によるクラックなどの発生を防止し、かつスペーサやフィンを設けるときの施工性を改善する。
【解決手段】一実施形態に係る伝熱管の振動防止装置は、並列に配置された複数の伝熱管の振動を防止するための伝熱管の振動防止装置であって、前記複数の伝熱管は、第1伝熱管と、前記第1伝熱管に隣接して配置される第2伝熱管とを少なくとも含み、前記第1伝熱管における前記第2伝熱管と対面する位置に溶接される第1パッド、及び前記第2伝熱管における前記第1伝熱管と対面する位置に溶接される第2パッドを含む一対のパッドと、前記第1パッドに一端側が溶接され、前記第2パッドに他端側が溶接されたフィンと、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列に配置された複数の伝熱管の振動を防止するための伝熱管の振動防止装置であって、
前記複数の伝熱管は、第1伝熱管と、前記第1伝熱管に隣接して配置される第2伝熱管とを少なくとも含み、
前記第1伝熱管における前記第2伝熱管と対面する位置に溶接される第1パッド、及び前記第2伝熱管における前記第1伝熱管と対面する位置に溶接される第2パッドを含む一対のパッドと、
前記第1パッドに一端側が溶接され、前記第2パッドに他端側が溶接されたフィンと、
を備えることを特徴とする伝熱管の振動防止装置。
【請求項2】
前記フィンは、前記第1伝熱管および前記第2伝熱管の中心軸を結ぶ基準線からオフセットされた位置に設けられることを特徴とする請求項1に記載の伝熱管の振動防止装置。
【請求項3】
前記伝熱管の軸方向に沿って視認したとき、
前記第1パッドと前記第1伝熱管との溶接部は、前記基準線より前記フィン側における前記第1パッドの端部に形成される、前記第1伝熱管の軸方向に沿って延在する一端側溶接部を少なくとも含み、
前記第2パッドと前記第2伝熱管との溶接部は、前記基準線より前記フィン側における前記第2パッドの端部に形成される、前記第2伝熱管の軸方向に沿って延在する一端側溶接部を少なくとも含むことを特徴とする請求項2に記載の伝熱管の振動防止装置。
【請求項4】
前記伝熱管の軸方向に沿って視認したときにおける、前記基準線より前記フィン側における前記第1パッドの端部と前記基準線との距離をH1’、前記基準線より前記フィン側における前記第2パッドの端部と前記基準線との距離をH2’とした場合に、
前記フィンの前記基準線からのオフセット量hに対する前記距離H1’の比率h/H1’、および前記オフセット量に対する前記距離H2’の比率h/H2’は、それぞれ0.3以上0.8以下となるように構成されることを特徴とする請求項2又は3に記載の伝熱管の振動防止装置。
【請求項5】
前記第1パッド、前記第2パッド、及び前記フィンの各々は、前記伝熱管の軸方向に沿って延在し、
前記伝熱管の軸方向において、前記第1パッド、及び前記第2パッドの各々の軸方向長さが、前記フィンの軸方向長さより大きくなるように構成されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の伝熱管の振動防止装置。
【請求項6】
前記第1パッドの内周面は、前記第1伝熱管の外周面と同一の曲率半径を有する円弧状に形成され、
前記第2パッドの内周面は、前記第2伝熱管の外周面と同一の曲率半径を有する円弧状に形成されることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の伝熱管の振動防止装置。
【請求項7】
前記第1パッドは、前記第1伝熱管の線膨張係数と前記フィンの線膨張係数との間の線膨張係数を有する材料で形成され、
前記第2パッドは、前記第2伝熱管の線膨張係数と前記フィンの線膨張係数との間の線膨張係数を有する材料で形成されることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の伝熱管の振動防止装置。
【請求項8】
前記伝熱管の軸方向に沿って視認したときにおける、前記第1パッドの両端間の距離をH1、前記第2パッドの両端間の距離をH2とした場合に、
前記距離H1に対する前記第1伝熱管の外径D1の比率H1/D1、および前記距離H2に対する前記第2伝熱管の外径D2の比率H2/D2は、それぞれ0.6以上0.9以下となるように構成されることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の伝熱管の振動防止装置。
【請求項9】
並列に配置された複数の伝熱管と、
請求項1乃至8の何れか一項に記載の伝熱管の振動防止装置と、
を備え、
前記複数の伝熱管の軸方向と交差する方向に沿うガス流と前記伝熱管を流れる被加熱媒体との間で熱交換が行われるように構成されることを特徴とする熱交換器。
【請求項10】
加熱炉と、
前記加熱炉に設けられ、前記ガス流を形成するバーナと、
前記加熱炉に設けられた請求項9に記載の熱交換器と、
を備えることを特徴とするボイラ。
【請求項11】
前記加熱炉は前記ガス流が流入する煙道を備え、
前記熱交換器の少なくとも一部は前記煙道に設けられることを特徴とする請求項10に記載のボイラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、伝熱管の振動防止装置、該振動防止装置を備える熱交換器及びボイラに関する。
【背景技術】
【0002】
ボイラ、加熱炉、熱交換器等において、通常、伝熱管群は、ガス流路中において高温燃焼ガス流に対して直交する方向へ配置される場合が多い。この場合、伝熱管群の振動を抑制することが大きな課題となる。
ガス流路に配置された管群で考慮すべき振動の形態としては、次の3形態がある。
(a)カルマン渦とガス流路を形成するダクトに発生する定常波とが一致して起こる共振
(b)カルマン渦と管の固有振動数とが一致して起こる共振
(c)ガス流の流力弾性によって発生する管の自励振動
【0003】
このうち、(a)に対する対策として、ダクトによって形成されるガス流路を分割するようにバッフル板を設けることで、ダクトに発生する定常波の振動数を変え、これによって共振を回避することが考えられる。また、(b)及び(c)に対する対策として、管群の中間部分を何らかの方法で固定することで管群の固有振動数を変え、これによって、共振や自励振動を回避することが考えられる。
(b)及び(c)に対する対策として、特許文献1には、管群の中間部を拘束バンドで挟んで固定する手段が開示され、特許文献2には、管群の中間部をサポート板で両側から挟んで固定する手段が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62−106293号公報
【特許文献2】実開昭61−154476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び2に開示された手段は、管群を拘束バンドやサポート板で挟んで固定するだけであり、これらの拘束部材が管群に溶接されていないので、管群の防振強度はあまり向上しない。また、拘束部材が管群に溶接されていないので、管群と拘束部材間の熱伝達量は少ない。従って、伝熱管の場合、高温雰囲気下で、拘束部材に対して管内を流れる被加熱媒体の冷却効果があまり及ばない。そのため、温度拘束部材の温度が高くなり過ぎ、熱膨張によって管の拘束が緩んだり、拘束部材が焼損する虞がある。そのため、これらの拘束部材では、700℃以上の高温環境下では適用できない。
【0006】
上記(b)及び(c)に対する別な対策として、管群を構成する個々の管をスペーサやフィンで連結して固定する手段がある。この手段では、高温となるスペーサやフィンに耐熱性を有するステンレス鋼やCr合金を用いると、炭素鋼などで構成される伝熱管との間で異材間溶接となり、両者の熱膨張率の違いにより昇温時に溶接部に熱応力が集中し、クラックが発生する虞がある。また、管と管とに挟まれた位置にスペーサやフィンを溶接する作業は施工性が悪く、かつ管の間の間隔にはばらつきがあるので、施工性がさらに悪くなるという問題がある。
【0007】
一実施形態は、振動抑制のため管群を構成する個々の伝熱管をスペーサやフィンで連結する場合、応力集中によるクラックなどの発生を防止し、かつスペーサやフィンを設けるときの施工性を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)一実施形態に係る伝熱管の振動防止装置は、
並列に配置された複数の伝熱管の振動を防止するための伝熱管の振動防止装置であって、
前記複数の伝熱管は、第1伝熱管と、前記第1伝熱管に隣接して配置される第2伝熱管とを少なくとも含み、
前記第1伝熱管における前記第2伝熱管と対面する位置に溶接される第1パッド、及び前記第2伝熱管における前記第1伝熱管と対面する位置に溶接される第2パッドを含む一対のパッドと、
前記第1パッドに一端側が溶接され、前記第2パッドに他端側が溶接されたフィンと、
を備える。
【0009】
上記(1)の構成によれば、伝熱管の振動抑制手段として、複数の伝熱管をフィンで連結する場合に、伝熱管とフィンとの間にパッドを介在させるため、高温雰囲気下でフィンの熱膨張などによって発生する熱応力をパッドの応力作用面外への変形によるクッション作用で吸収できる。これによって、溶接部などで発生する応力集中を抑制できる。また、伝熱管とパッドとの溶接部(以下「第1溶接部」とも言う。)は、伝熱管に直接フィンを溶接する場合と比べて溶接長さを長くすることができるので、第1溶接部の溶接長さを長くすることで、第1溶接部に発生する応力集中を緩和できる。さらに、パッドの存在によって伝熱管の間隔を縮小できるので、その分フィンの長さを短縮できる。これによって、伝熱管内を流れる被加熱媒体による冷却作用を受けにくいフィン中央部の昇温を抑制できるため、第1溶接部などで応力集中の発生を抑制できる。
【0010】
(2)一実施形態では、前記(1)の構成において、
前記フィンは、前記第1伝熱管および前記第2伝熱管の中心軸を結ぶ基準線からオフセットされた位置に設けられる。
上記(2)の構成によれば、フィンの取付け位置が上記基準線からオフセットされた位置となるので、フィンをパッドに溶接する溶接位置を作業者側へ近づけることができ、溶接作業が容易になる。また、フィンの溶接位置をフィンの両端が両側のパッドに当接した位置に自動的に位置決めできるので、フィンの位置決めが容易になると共に、フィンの大きさを伝熱管同士の間隔に合わせて調整する必要がなくなるため、フィンの製造精度を緩和できる。
【0011】
(3)一実施形態では、前記(2)の構成において、
前記伝熱管の軸方向に沿って視認したとき、
前記第1パッドと前記第1伝熱管との溶接部は、前記基準線より前記フィン側における前記第1パッドの端部に形成される、前記第1伝熱管の軸方向に沿って延在する一端側溶接部を少なくとも含み、
前記第2パッドと前記第2伝熱管との溶接部は、前記基準線より前記フィン側における前記第2パッドの端部に形成される、前記第2伝熱管の軸方向に沿って延在する一端側溶接部を少なくとも含む。
【0012】
伝熱管とパッド間の熱伝達及びパッドとフィン間の熱伝達は、夫々溶接部を介して促進される。上記(3)の構成によれば、前記一端側溶接部は、パッドとフィンとの溶接部(以下「第2溶接部」とも言う。)に近い位置に形成できる。これによって、伝熱管、パッド及びフィン間の熱伝達は、互いに近い位置に形成された一端側溶接部及び第2溶接部を介して促進される。また、上記一端側溶接部は、パッドの軸方向長さを長くすることで、溶接長さを増加できる。これによって、一端側溶接部を介して熱伝達を促進できると共に、一端側溶接部に発生する熱応力を拡散できるので、一端側溶接部における応力集中の発生を抑制できる。
【0013】
(4)一実施形態では、前記(2)又は(3)の構成において、
前記伝熱管の軸方向に沿って視認したときにおける、前記基準線より前記フィン側における前記第1パッドの端部と前記基準線との距離をH1’、前記基準線より前記フィン側における前記第2パッドの端部と前記基準線との距離をH2’とした場合に、
前記フィンの前記基準線からのオフセット量hに対する前記距離H1’の比率h/H1’、および前記オフセット量に対する前記距離H2’の比率h/H2’は、それぞれ0.3以上0.8以下となるように構成される。
【0014】
伝熱管の軸方向に沿って視認したとき、フィンが基準線に近い位置にあると、パッドとフィンとの溶接部が作業者から離れるため、フィン溶接時の施工性が悪くなる。また、第2溶接部が第1溶接部(一端側溶接部を含む。)と離れるので、伝熱管とフィンとの間の熱伝達が低下し、フィンの温度が上昇する。これによって、第2溶接部に熱応力が発生しやすくなり、応力集中が起こりやすくなる。他方、フィンが基準線から離れると、伝熱管間距離が大きくなるため、フィンを長く形成する必要があり、そのため、高温雰囲気下では、フィン中央部の温度が上昇しやすくなる。また、フィンが基準線から離れると、振動時にフィンに加わる力のモーメントが大きくなり、振動しやすくなる。
上記(4)の構成によれば、h/H1’及びh/H2’が、夫々0.3以上0.8以下となるように構成されるため、上記不具合いを解消でき、フィンの昇温を抑制できると共に、振動抑制効果を向上できる。
【0015】
(5)一実施形態では、前記(1)〜(4)の何れかの構成において、
前記第1パッド、前記第2パッド、及び前記フィンの各々は、前記伝熱管の軸方向に沿って延在し、
前記伝熱管の軸方向において、前記第1パッド、及び前記第2パッドの各々の軸方向長さが、前記フィンの軸方向長さより大きくなるように構成される。
上記(5)の構成によれば、第1パッド及び第2パッドを含むパッドの軸方向長さをフィンの軸方向長さより大きく構成することで、第1溶接部を長く形成できる。これによって、第1溶接部に発生する熱応力が拡散されて応力集中を抑制できると共に、伝熱管とパッド間の熱伝達を促進でき、伝熱管内を流れる被加熱媒体によるパッド及びフィンの冷却効果を向上できる。
【0016】
(6)一実施形態では、前記(1)〜(5)の何れかの構成において、
前記第1パッドの内周面は、前記第1伝熱管の外周面と同一の曲率半径を有する円弧状に形成され、
前記第2パッドの内周面は、前記第2伝熱管の外周面と同一の曲率半径を有する円弧状に形成される。
上記(6)の構成によれば、各パッドの内周面の全域が伝熱管の外周面と当接できる。これによって、伝熱管とパッド間の熱伝達が促進されると共に、パッドのクッション作用を高めることができる。従って、パッド及びフィンの冷却効果を向上できると共に、第1溶接部及び第2溶接部の応力集中を抑制できる。
【0017】
(7)一実施形態では、前記(1)〜(6)の何れかの構成において、
前記第1パッドは、前記第1伝熱管の線膨張係数と前記フィンの線膨張係数との間の線膨張係数を有する材料で形成され、
前記第2パッドは、前記第2伝熱管の線膨張係数と前記フィンの線膨張係数との間の線膨張係数を有する材料で形成される。
上記(7)の構成によれば、第1パッド及び第2パッドが上記線膨張係数を有することで、伝熱管とパッド間の熱伸び差及びパッドとフィン間の熱伸び差を緩和できる。これによって、第1溶接部及び第2溶接部における応力集中を抑制でき、これら溶接部における亀裂発生を抑制できる。
【0018】
(8)一実施形態では、前記(1)〜(7)の何れかの構成において、
前記伝熱管の軸方向に沿って視認したときにおける、前記第1パッドの両端間の距離をH1、前記第2パッドの両端間の距離をH2とした場合に、
前記距離H1に対する前記第1伝熱管の外径D1の比率H1/D1、および前記距離H2に対する前記第2伝熱管の外径D2の比率H2/D2は、それぞれ0.6以上0.9以下となるように構成される。
【0019】
比率H1/D1及び比率H2/D2が大きいと、第1溶接部と第2溶接部との距離が大きくなるため、伝熱管からフィンへの熱伝達が低下し、フィンの温度が上昇する。これによって、熱応力が発生しやすくなり、第2溶接部に応力集中が起こりやすくなる。一方、比率H1/D1及び比率H2/D2が小さいと、パッドの容積が小さくなるため、パッドのクッション効果が低下し、第1溶接部及び第2溶接部に応力集中が起こりやすくなる。
比率H1/D1及び比率H2/D2を0.6以上0.9以下とすることで、上記不具合いを解消して、フィンの温度上昇を抑制できると共に、第1溶接部及び第2溶接部における応力集中の発生を抑制できる。
【0020】
(9)一実施形態に係る熱交換器は、
並列に配置された複数の伝熱管と、
前記(1)〜(8)の何れかの構成を有する伝熱管の振動防止装置と、
を備え、
前記複数の伝熱管の軸方向と交差する方向に沿うガス流と前記伝熱管を流れる被加熱媒体との間で熱交換が行われるように構成される。
上記(9)の構成によれば、上記(1)〜(8)の何れかの構成を有する振動防止装置を備えるため、パッドのクッション作用と第1溶接部の溶接長さを長くすることで、溶接部に発生する応力集中を抑制できる。これによって、クラックなどの発生を抑制でき、熱交換器を長寿命化できる。また、伝熱管の間にフィンを設けるときの施工性を改善できる。
【0021】
(10)一実施形態に係るボイラは、
加熱炉と、
前記加熱炉に設けられ、前記ガス流を形成するバーナと、
前記加熱炉に設けられた前記(9)の構成を有する熱交換器と、
を備える。
上記(10)の構成によれば、上記(9)の構成を有する熱交換器を備えるため、この熱交換器によって蒸気を生成しながら、該熱交換器を長寿命化できる。これによって、ボイラのメンテナンスが容易になる。また、熱交換器の施工性を改善できる。
【0022】
(11)一実施形態では、前記(10)の構成において、
前記加熱炉は前記ガス流が流入する煙道を備え、
前記熱交換器の少なくとも一部は前記煙道に設けられる。
上記(11)の構成によれば、上記煙道に設けられた熱交換器によって蒸気を生成しながら、該熱交換器を長寿命化でき、かつ熱交換器の施工性を改善できる。
【発明の効果】
【0023】
幾つかの実施形態によれば、伝熱管の振動を抑制できると共に、溶接部に発生する応力集中を抑制してクラックなどの発生を防止でき、かつ高温雰囲気下でフィンの昇温を抑制して焼損を防止できる。また、フィン溶接時の施工性を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】一実施形態に係るボイラを概略的に示す平面視断面図である。
図2】一実施形態に係るボイラを概略的に示す正面視断面図である。
図3】一実施形態に係る振動防止装置の正面図である。
図4】上記振動防止装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載され又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0026】
図1及び図2は、幾つかの実施形態に係るボイラを示し、図1は、中小型のパッケージボイラ(ガス又は重油焚き)10(10A)を示す平面視断面図であり、図2は、大型の石炭焚きボイラ10(10B)を示す正面視断面図である。図3及び図4は、一実施形態に係る伝熱管の振動防止装置の正面図及び平面図である。
図1において、ボイラ10(10A、10B)の本体は加熱炉12で構成される。加熱炉12は、火炉壁に設けられた燃焼バーナ16及び風箱18を備え、燃焼バーナ16には燃料fが供給され、風箱18には空気aが供給される。燃焼バーナ16で燃料fが着火され、加熱炉12の内部に高温の燃焼ガス流gが形成される。加熱炉12に熱交換器20(20a、20b、20c、20d)が設けられ、熱交換器20は後述する複数の伝熱管28を備え、伝熱管28を流れるボイラ水が燃焼ガス流gで加熱され蒸気が生成される。
【0027】
幾つかの実施形態では、ボイラ10(10A、10B)において、加熱炉12の内部で燃焼ガス流gが形成される燃焼空間sの下流側に燃焼空間sと連通し、燃焼ガス流gが流れていく煙道14を備える。熱交換器20の少なくとも一部は煙道14に設けられる。
【0028】
一実施形態では、図1に示すように、パッケージボイラ10(10A)において、燃焼バーナ16及び風箱18は加熱炉12の側壁に設けられる。燃焼空間sと煙道14とは燃焼ガス流gの流通路を除き仕切り壁13で仕切られ、煙道14には、燃焼ガス流gの流れ方向上流側から過熱器20(20b)及び複数の蒸発器20(20a)の順に配置されている。熱交換器20を構成する後述する伝熱管28を流れるボイラ水は、蒸発器20(20a)で蒸気となり、さらに過熱器20(20b)で過熱蒸気となる。
【0029】
一実施形態では、図2に示すように、石炭焚きボイラ10(10B)において、炉壁に蒸発管(不図示)が設けられ、該蒸発管を流れるボイラ水は火熱炉内を上昇する燃焼ガス流gによって蒸気となる。加熱炉内の上部燃焼空間sに過熱器20(20b)及び再熱器20(20c)が設けられ、ここで蒸気は燃焼ガス流gによってさらに加熱され過熱蒸気となる。通常、過熱器20(20b)の辺りで燃焼ガス流gは900℃以上となる。
【0030】
熱交換器20は、図3及び図4に示すように、並列に配置された複数の伝熱管28と、振動防止装置30とを備える。
【0031】
図2に示す実施形態では、煙道14には節炭器20(20d)が設けられ、節炭器20(20d)で伝熱管28を流れる蒸気は燃焼ガス流gとさらに熱交換し、温度が低下した燃焼ガスは排ガス処理装置(不図示)等を経て排出される。
【0032】
図3及び図4に示すように、一実施形態に係る振動防止装置30は、熱交換器20に設けられる伝熱管群26を構成する伝熱管28の振動を防止するために設けられる。
伝熱管群26を構成する複数の伝熱管28は間隔を置いて並列に配置される。振動防止装置30は、複数の伝熱管28に夫々設けられる複数のパッド32と、パッド間に架設されるフィン34とを備える。パッド32は、隣接する伝熱管28に設けられたパッドと互いに対面する位置に設けられ、フィン34の両端は、隣接する伝熱管28に互いに対面して設けられたパッドに溶接される。同図において、wは溶接部を示す。
【0033】
例えば、図4に示すように、互いに隣接して配置される第1伝熱管28(28a)及び第2伝熱管28(28b)において、第1パッド32(32a)は、第1伝熱管28(28a)に設けられ、第2伝熱管28(28b)と対面する位置に溶接される。第2パッド32(32b)は、第2伝熱管28(28b)に設けられ、第1伝熱管28(28a)と対面する位置に溶接される。フィン34は、一端側が第1パッド32(32a)に溶接され、他端側が第2パッド32(32b)に溶接される。
【0034】
上記構成によれば、伝熱管28とフィン34との間にパッド32を介在させるため、高温雰囲気下でフィン34の熱膨張などによって発生する熱応力を、パッド32の応力作用面外への変形によるクッション作用で吸収できる。これによって、溶接部wなどに発生する応力集中を抑制できる。また、第1溶接部w(w1)は、第2溶接部w(w2)と比べて溶接長さを延長できるので、第1溶接部w(w1)の溶接長さを延長することで、第1溶接部w(w1)に発生する応力集中を緩和できる。さらに、パッドの存在によって伝熱管の間隔を縮小できるので、その分フィンの長さを短縮できる。これによって、伝熱管内を流れる被加熱媒体Hmによる冷却作用を受けにくいフィン中央部の昇温を抑制できるため、第2溶接部w(w2)などで応力集中の発生を抑制できる。被加熱媒体Hmは例えばボイラ水である。
【0035】
一実施形態では、伝熱管群26を構成する複数の伝熱管28は、管径が異なる管の集まりであってもよい。
一実施形態では、伝熱管群26を構成する複数の伝熱管28の互いの間隔は、少なくとも一部において異なっていてもよい。
【0036】
一実施形態では、図4に示すように、フィン34は、複数の伝熱管28の中心軸Oを結ぶ基準線Bからオフセットされた位置に設けられる。
この実施形態によれば、フィン34の取付け位置が基準線Bからオフセットされた位置となるので、フィン34をパッド32に溶接する溶接位置を作業者側へ近づけることができ、溶接作業が容易になる。また、フィン34の溶接位置をフィン34の両端が両側のパッド32に当接した位置に自動的に位置決めできるので、フィン34の位置決めが容易になると共に、フィン34の大きさを伝熱管同士の間隔に合わせて調整する必要がなくなるため、フィン34の製造精度を緩和できる。
【0037】
一実施形態では、図4に示すように、フィン34の両端に溶接用の開先36が形成され、開先36は、溶接時に作業者側へ向くように形成される。即ち、開先36の開口がフィン34がオフセットされた方向に向けられるように形成される。これによって、溶接作業がさらに容易になる。
一実施形態では、フィン34は、長手方向の軸線Cが基準線Bに対して平行な姿勢を保ったまま基準線Bからオフセットされる。これによって、オフセットされた位置でフィン34の軸方向長さを最小化できる。
【0038】
一実施形態では、伝熱管28の軸方向に沿って視認したとき、即ち、図4と同じ方向から視たとき、第1伝熱管28(28a)と第1パッド32(32a)との溶接部wは、少なくとも一端側溶接部w(w11)を含む。一端側溶接部w(w11)は、基準線Bよりフィン側における第1パッド32(32a)の端部に形成され、第1伝熱管28(28a)の軸方向に沿って延在する。第2伝熱管28(28b)と第2パッド32(32b)との溶接部wは、少なくとも一端側溶接部w(w12)を含む。一端側溶接部w(w12)は、基準線Bよりフィン側における第2パッド32(32b)の端部に形成され、第2伝熱管28(28b)の軸方向に沿って延在する。
【0039】
伝熱管28とパッド32間の熱伝達及びパッド32とフィン34間の熱伝達は、夫々溶接部wを介して促進される。この実施形態によれば、一端側溶接部w(w11、w12)は第2溶接部w(w2)に近い位置に形成できる。これによって、伝熱管28、パッド32及びフィン34間の熱伝達は、互いに近い位置に形成された一端側溶接部w(w11、w12)及び第2溶接部w(w2)を介して促進される。また、一端側溶接部w(w11、w12)は、伝熱管28の軸方向に沿って延在するため、パッド32の軸方向長さを長くすることで、溶接部を長く形成できる。これによって、一端側溶接部w(w11、w12)を介して熱伝達を促進できると共に、該一端側溶接部に発生する熱応力を拡散できるので、該一端側溶接部に発生する応力集中を抑制できる。
【0040】
一実施形態では、図3及び図4に示すように、パッド32は、正方形又は長方形の四角形を有する板状体で構成され、かつ伝熱管28の外面に沿うように円弧状に形成される。該板状体の互いに平行な二対の辺のうちの一方は、伝熱管28の周方向に沿って延在し、他方は伝熱管28の軸方向に沿って延在する。
一実施形態では、パッド32の周方向長さは、伝熱管28の中心に対して180度未満の長さを有する。また、一実施形態では、パッド32の周方向長さは、60度以上120度以下の長さを有している。図4に示した実施形態では90度の長さを有している。
この実施形態では、一端側溶接部w(w11、w12)に対して基準線Bを挟んで反対側に一端側溶接部w(w11、w12)と同様の長さの第1溶接部w(w1)が形成されるため、フィン34の熱伸びに起因して発生する熱応力の拡散効果をさらに発揮できる。
【0041】
一実施形態では、複数のパッド32は、基準線Bを中心に対称となる位置に配置される。この実施形態によれば、フィン34を基準線Bのどちら側に配置したとしても、第1溶接部w(w1)と第2溶接部w(w2)間の距離を同一とすることができる。従って、現場の作業条件に応じてフィン34を配置する側を選択できる。
【0042】
一実施形態では、伝熱管28の軸方向に沿って視認したとき、即ち、図4と同じ方向から視たとき、基準線Bよりフィン側における第1パッド32(32a)の端部と基準線Bとの距離をH1’、基準線Bよりフィン側における第2パッド32(32b)の端部と基準線Bとの距離をH2’としたとき、フィン34の基準線Bからのオフセット量hに対する距離H1’の比率h/H1’、及びオフセット量hに対する距離H2’の比率h/H2’は、夫々0.3〜0.8の範囲となるように構成される。
【0043】
伝熱管28の軸方向に沿って視認したとき、フィン34が基準線Bに近い位置にあると、フィン34の溶接時の施工性が悪くなる。また、第2溶接部w(w2)が第1溶接部w(w1)(一端側溶接部w(w11、w12)を含む。)と離れるので、伝熱管28とフィン34との間の熱伝達が低下するため、フィン34の温度が上昇する。これによって、第2溶接部に熱応力が発生しやすくなり、応力集中が起こりやすくなる。他方、フィン34が基準線Bから離れると、伝熱管間距離が大きくなるため、フィン34の軸方向長さを長く形成する必要がある。そのため、高温雰囲気下では、フィン中央部の温度が上昇しやすくなる。また、フィン34が基準線Bから離れると、振動時にフィン34に加わる力のモーメントが大きくなり、振動しやすくなる。
この実施形態によれば、比率h/H1’及び比率h/H2’が、夫々0.3〜0.8となるように構成されるため、上記不具合いを解消でき、フィン34の昇温を抑制できると共に、振動抑制効果を向上できる。
【0044】
一実施形態では、比率h/H1’及び比率h/H2’は、夫々0.45〜0.65となるように構成される。
【0045】
一実施形態では、図3に示すように、第1パッド32(32a)、第2パッド32(32b)及びフィン34の各々は、伝熱管28の軸方向に沿って延在する。また、伝熱管28の軸方向において、第1パッド32(32a)及び第2パッド32(32b)を含むパッド32の軸方向長さは、フィン34の軸方向長さより大きくなるように構成される。
この実施形態によれば、一端側溶接部w(w11、w12)を含む第1溶接部w(w1)を長く形成できるため、第1溶接部w(w1)に発生する熱応力を拡散して応力集中を抑制できると共に、伝熱管28とパッド32間の熱伝達を促進できるため、パッド32及びフィン34の冷却効果を向上できる。
【0046】
一実施形態では、図4に示すように、複数のパッド32の内周面は、夫々伝熱管28の外周面と同一の曲率半径を有する円弧状に形成される。
この実施形態によれば、パッド32の内周面の全域が伝熱管28の外面と当接できる。これによって、伝熱管28とパッド32間の熱伝達が促進され、パッド32及びフィン34の冷却効果を向上できる。また、パッド32のクッション作用を高めることができるので、第1溶接部w(w1)及び第2溶接部w(w2)における応力集中の発生を抑制できる。
【0047】
一実施形態では、複数のパッド32(32a)は、夫々伝熱管28の線膨張係数とフィン34の線膨張係数との間の線膨張係数を有する材料で形成される。
この実施形態によれば、パッド32が上記線膨張係数を有することで、伝熱管28とパッド32間の熱伸び差及びパッド32とフィン34間の熱伸び差を緩和できる。これによって、第1溶接部w(w1)及び第2溶接部w(w2)における応力集中を抑制でき、これら溶接部における亀裂発生を抑制できる。
【0048】
一実施形態では、伝熱管28は炭素鋼で構成され、パッド32は2Cr鋼で構成され、フィン34はステンレス鋼(例えば、SUS309、SUS310等)で構成される。これら材料の線膨張係数は、炭素鋼<2Cr鋼<SUS309、SUS310等のステンレス鋼、という関係にある。従って、2Cr鋼で構成されたパッド32を炭素鋼で構成された伝熱管28とSUS309、SUS310等のステンレス鋼で構成されたフィン34との間に介在させることで、伝熱管28とフィン34との熱伸び差によって第1溶接部w(w1)及び第2溶接部w(w2)に発生する応力集中を抑制できるため、これら溶接部における亀裂発生を抑制できる。
【0049】
一実施形態では、伝熱管28の軸方向に沿って視認したとき、即ち、図4と同じ方向から視たとき、第1パッド32(32a)の両端間の距離をH1とし、第2パッド32(32b)の両端間の距離をH2としたとき、距離H1に対する第1伝熱管28(28a)の外径D1の比率H1/D1、及び距離H2に対する第2伝熱管28(28b)の外径D2の比率H2/D2は、夫々0.6〜0.9の範囲に入るように構成される。
【0050】
比率H1/D1及び比率H2/D2が大きいと、第1溶接部w(w1)と第2溶接部w(w2)との距離が大きくなるため、伝熱管28からフィン34への熱伝達が低下し、フィン34の温度が上昇する。これによって、熱応力が発生しやすくなり、第2溶接部w(w2)に応力集中が起こりやすくなる。一方、比率H1/D1及び比率H2/D2が小さいと、パッド32の容積が小さくなるため、パッド32のクッション効果が低下し、第1溶接部w(w1)及び第2溶接部w(w2)に応力集中が起こりやすくなる。
比率H1/D1及び比率H2/D2を0.6〜0.9の範囲内とすることで、上記不具合いを解消して、フィン34の温度上昇を抑制できると共に、第1溶接部w(w1)及び第2溶接部w(w2)における応力集中の発生を抑制できる。
【0051】
一実施形態では、比率H1/D1及び比率H2/D2は、夫々0.75〜0.85の範囲に入るように構成される。これによって、パッド32のクッション効果を保持しながら、伝熱管28からフィン34への熱伝達の低下を回避できる。
【0052】
図1及び図2に示すように、幾つかの実施形態に係る熱交換器20は、並列に配置された複数の伝熱管28(図3及び図4参照)と、幾つかの上記実施形態に係る振動防止装置30とを備える。熱交換器20においては、複数の伝熱管28の軸方向と交差する方向に沿う燃焼ガス流gと伝熱管28を流れる被加熱媒体Hm(例えばボイラ水)(図4参照)との間で熱交換が行われるように構成される。
この実施形態によれば、振動防止装置30を備えるため、パッド32のクッション作用と第1溶接部w(w1)の溶接長さを長くすることで、溶接部wに発生する応力集中を抑制できる。これによって、クラックなどに発生を抑制でき、熱交換器20を長寿命化できる。また、伝熱管28の間にフィン34を設けるときの施工性を改善できる。
【0053】
幾つかの実施形態に係るボイラ10(10A、10B)は、図1及び図2に示すように、燃焼ガス流gを形成する燃焼バーナ16を備える加熱炉12で構成される。加熱炉12は熱交換器20を備える。
この実施形態によれば、熱交換器20は、伝熱管群26を構成する伝熱管28の振動を抑制する振動防止装置30を備えるため、熱交換器20を長寿命化できる。従って、ボイラ10のメンテナンスが容易になる。また、熱交換器20の施工性を改善できる。
【0054】
一実施形態では、図1及び図2に示すように、加熱炉12は燃焼ガス流gが流入する煙道14を備え、熱交換器20の少なくとも一部は煙道14に設けられる。この実施形態によれば、煙道14に設けられた熱交換器20によって蒸気を生成しながら、熱交換器20を長寿命化でき、かつ熱交換器20の施工性を改善できる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
幾つかの実施形態によれば、例えば、ボイラなどの加熱炉に設けられる伝熱管の振動を抑制しつつ、溶接部に発生する応力集中を抑制してクラックなどの発生を防止でき、かつ高温雰囲気下でフィンの昇温を抑制して焼損を防止できる。また、フィン溶接時の施工性を改善できる。
【符号の説明】
【0056】
10 ボイラ
12 火熱炉
13 仕切り壁
14 煙道
16 燃焼バーナ
18 風箱
20 熱交換器
20(20a) 蒸発器
20(20b) 過熱器
20(20c) 再熱器
20(20d) 節炭器
26 伝熱管群
28 伝熱管
28(28a) 第1伝熱管
28(28b) 第2伝熱管
30 振動防止装置
32 パッド
32(32a) 第1パッド
32(32b) 第2パッド
34 フィン
36 開先
B 基準線
C 軸線
Hm 被加熱媒体
O 中心軸
a 空気
f 燃料
g 燃焼ガス流
w 溶接部
w(w1) 第1溶接部
w(w2) 第2溶接部
w(w11、w12) 一端側溶接部
図1
図2
図3
図4