【解決手段】情報送信部41は、特定情報を非可聴域高周波に重畳し、店舗情報超音波として送信する制御を実行する。情報受信部81は、特定情報が重畳された非可聴域高周波を取得する。また、情報受信部81は、取得された非可聴域高周波から特定情報を抽出する。送信情報認識部82は、特定情報が復元されると、その情報を提示する。アプリ立ち上げ部83は、アプリ実行部84等に買い物処理手段の機能を発揮させる処理を実行する。アプリ実行部84は、買い物処理手段の機能を発揮させる処理を実行する。ユーザ情報管理部111は、ユーザ端末2から送信されてきたユーザ情報及び特定情報を取得する。決済管理部112は、購入対象情報及び決済情報を取得して、店舗における購入対象の決済を実行する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示している。
図1に示す情報処理システムは、サーバ1と、m人(mは1以上の任意の整数値)のユーザの夫々により使用されるユーザ端末2−1乃至1−mと、店舗管理装置3、n個(nはm以外の1以上の任意の整数値)の店舗情報送信装置4−1乃至4−nとを含むシステムである。サーバ1と、ユーザ端末2−1乃至1−mの夫々と、店舗管理装置3と、店舗情報送信装置4−1乃至1−nの夫々と、決済サーバ5は、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されている。
なお、ネットワークNは、その形態は特に限定されず、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi(Wireless Fidelity)、LAN(Local Area Network)、インターネット等を採用することができる。
なお、以下、ユーザ端末2−1乃至1−mの夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「ユーザ端末2」と呼び、店舗情報送信装置4−1乃至4−nの夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「店舗情報送信装置4」と呼ぶ。
【0011】
ここで、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの適用対象となるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)と、上述の各装置(サーバ1、ユーザ端末2、店舗管理装置3、店舗情報送信装置4、決済サーバ5)の役割について簡単に説明する。
本サービスとは、例えば、商品の購入を希望するユーザの決済処理支援する決済支援サービスである。
具体的には、本サービスにおいて、まず、店舗情報送信装置4は、店舗の管理者等により管理され、当該店舗の任意の複数の箇所に設置されている。
【0012】
このようにして設置された店舗情報送信装置4−1乃至4−nの夫々は、所定の範囲において、当該店舗を一意に特定可能な情報(以下、「特定情報」と呼ぶ)を超音波(以下、「非可聴域高周波」と呼ぶ。)に重畳する。そして、店舗情報送信装置4−1乃至4−nの夫々は、特定情報を含む超音波信号(以下、「店舗情報超音波」と呼ぶ)として、所定の範囲に送信する。なお、店舗管理装置3は、店舗情報送信装置4−1乃至4−nを一括して管理する管理装置である。
このような状況下において、例えば、商品の購入を希望するユーザが店舗内(より正確には、店舗情報超音波が送信される所定の範囲内)に立ち入ると、ユーザにより所持されるユーザ端末2が店舗情報超音波を、マイクロフォン60を介して、受信する。
【0013】
そして、ユーザ端末2は、店舗情報超音波を受信すると、後述するユーザが希望する商品を購入するために利用可能なアプリケーションソフトウェア(以下、「アプリ」と呼ぶ)を自動で起動する。つまり、本サービスにおいて、ユーザ端末2を所持するユーザが店舗内(より正確には、店舗情報超音波が送信される所定の範囲内)に立ち入ると、アプリが起動され、ユーザは、そのアプリを利用することで、本サービスの提供を受けることが可能になる。
つまり、本サービスの適用を受けるためには、ユーザ端末2において、事前にこのアプリがインストールされていることが前提となる。ユーザ端末2では、事前に、このアプリを介してユーザの個人情報等の入力を受けつけ、その情報を各種DB等に格納する。
なお、本実施形態では、ユーザ端末2は、当該アプリの起動時に後述するユーザ情報DB200から当該ユーザを一意に特定可能なID情報(以下、「ユーザ情報」と呼ぶ)を抽出する。
さらにアプリ起動後、ユーザは、ユーザ端末2に備えられたカメラ(例えば、後述する撮像部58)を使用して、購入を希望する商品に付されたQRコード(登録商標)を撮像する。即ち、ユーザ端末2では、ユーザによって撮像されたQRコード(登録商標)に紐づけられた各種情報(以下、「購入対象情報」と呼ぶ)が取得される。なお、この購入対象情報としては、例えば、当該ユーザが購入を希望する商品の商品名や値段等の情報が想定される。
また、ユーザ端末2は、当該ユーザの決済のために必要となる各種情報(例えば、クレジットカードの番号や個人名等であり、以下、「決済情報」と呼ぶ)を取得する。なお、この決済情報は、いかなる手段により取得されてもよいが、例えば、当該ユーザが本サービスの利用に係る登録の際に取得され、ユーザ情報DB200の他、図示せぬデータベース等に格納されていてもよい。
【0014】
そして、ユーザ端末2は、ユーザ情報、購入対象情報、決済情報の夫々の情報をサーバ1へと送信する。サーバ1は、ユーザ端末2から送信されてきたこれらの情報に基づいて、クレジット会社等が管理する決済サーバ5で決済を実行するための制御を行う。
本実施形態において、本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、このような前提のもと運用されるものとする。
【0015】
図2は、
図1の情報処理システムのうち、本発明の一実施形態に係るサーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0016】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)21と、ROM(Read Only Memory)22と、RAM(Random Access Memory)23と、バス24と、入出力インターフェース25と、出力部26と、入力部27と、記憶部28と、通信部29と、ドライブ30と、を備えている。
【0017】
CPU21は、ROM22に記録されているプログラム、又は、記憶部28からRAM23にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM23には、CPU21が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0018】
CPU21、ROM22及びRAM23は、バス24を介して相互に接続されている。このバス24にはまた、入出力インターフェース25も接続されている。入出力インターフェース25には、出力部26、入力部27、記憶部28、通信部29及びドライブ30が接続されている。
【0019】
出力部26は、ディスプレイ等から構成され、各種情報を出力する。
入力部27は、キーボードやマウス等から構成され、各種情報を入力する。
【0020】
記憶部28は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部29は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(
図1の例ではユーザ端末2、店舗管理装置3、店舗情報送信装置4、決済サーバ5等)との間で行う通信を制御する。
【0021】
ドライブ30は、必要に応じて設けられる。ドライブ30には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ30によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部28にインストールされる。また、リムーバブルメディア31は、記憶部28に記憶されている各種データも、記憶部28と同様に記憶することができる。
【0022】
図3は、
図1の情報処理システムのうち、本発明の一実施形態に係るユーザ端末2のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0023】
ユーザ端末2は、スマートフォン等で構成される。
ユーザ端末2は、CPU51と、ROM52と、RAM53と、バス54と、入出力インターフェース55と、タッチ操作入力部56と、表示部57と、撮像部58と、入力部59と、マイクロフォン60と、記憶部61と、通信部62と、ドライブ63とを備えている。
ユーザ端末2のハードウェア構成は、サーバ1のハードウェアと一部を除き同様とすることができるので、ここでは、ユーザ端末2のハードウェア構成のうち、サーバ1のハードウェア構成と同様の部分については、説明を省略する。
【0024】
タッチ操作入力部56は、例えば表示部57に積層される静電容量式又は抵抗膜式(感圧式)の位置入力センサにより構成され、タッチ操作がなされた位置の座標を検出する。
表示部57は、液晶等のディスプレイにより構成され、各種画像等を表示する。
このように、本実施形態では、タッチ操作入力部56と表示部57とにより、タッチパネルが構成されている。
【0025】
撮像部58は、カメラ等から構成され、各種画像を撮像する。本実施形態においては、例えば、ユーザが商品のQRコード(登録商標)を含む画像を撮像するのに利用される。
【0026】
マイクロフォン60は、店舗情報送信装置4から店舗情報超音波を受信するための装置である。
【0027】
また、店舗管理装置3、店舗情報送信装置4、及び決済サーバ5のハードウェア構成は、サーバ1又はユーザ端末2のハードウェア構成と基本的に同様とすることができるので、説明を省略する。
【0028】
図4は、サーバ1、ユーザ端末2及び店舗情報送信装置4の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図示せぬ店舗情報送信装置4のCPUにおいては、情報送信部41が機能する。また、情報送信部41には、送信情報生成部411と、送信波変換部412と、超音波生成部413とが設けられる。
【0029】
情報送信部41は、店舗情報送信装置4を管理する店舗を一意に特定可能な特定情報を非可聴域高周波に重畳し、店舗情報超音波として送信する制御を実行する。
具体的には、送信情報生成部411は、商品の購入を希望するユーザが来店した店舗を一意に特定可能な特定情報(例えば、店舗ID等)を生成する。
送信波変換部412は、送信情報生成部411で生成された特定情報を非可聴域高周波に重畳するため、所定の周波数帯域の送信波に変換する。
超音波生成部413は、店舗を一意に特定可能な特定情報を非可聴域高周波に重畳して、店舗情報超音波として送信する。例えば具体的に、超音波生成部413は、特定情報を含む送信波を非可聴域高周波に重畳させて、出力部42で店舗情報超音波を送信するための制御を行う。
そして、超音波生成部413は、出力部42を介して、店舗情報超音波を所定の範囲に送信する。
【0030】
ユーザ端末2のCPU51においては、情報受信部81と、送信情報認識部82と、アプリ立ち上げ部83と、アプリ実行部84とが機能する。
ここで、情報受信部81には、送信波成分抽出部811と、送信情報復元部812とが設けられる。また、アプリ実行部84には、ユーザ情報取得部841と、購入対象情報取得部842と、決済情報管理部843とが設けられる。
【0031】
ユーザ端末2の情報受信部81は、所定通信範囲内に第2情報処理装置が進入したことにより、特定情報が重畳された非可聴域高周波を取得する。また、情報受信部81は、取得された非可聴域高周波から特定情報を抽出する。
具体的には、送信波成分抽出部811は、店舗情報送信装置4の出力部42から出力された店舗情報超音波の範囲内にユーザ端末2が侵入した場合、上述の特定情報を含む店舗情報超音波を、マイクロフォン60を介して受信する。
さらに、送信波成分抽出部811は、マイクロフォン60を介して受信した店舗情報超音波から送信波を抽出する。
送信情報復元部812は、抽出された送信波から、特定情報を復元する。
【0032】
ユーザ端末2の送信情報認識部82は、送信情報復元部812で特定情報が復元されると、その情報をアプリ立ち上げ部83、アプリ実行部84に提示する。
【0033】
ユーザ端末2のアプリ立ち上げ部83は、送信情報認識部82から特定情報が復元された旨の情報が提示されると、ユーザが買い物をするために必要な処理を実行する買物処理手段の機能を発揮させる処理を実行する。
即ち、アプリ立ち上げ部83は、送信情報認識部82から特定情報が復元された旨の情報が提示されると、上述のアプリを起動する制御を実行することで、後述するアプリ実行部84等に買い物処理手段の機能を発揮させる処理を実行する。
【0034】
ユーザ端末2のアプリ実行部84は、上述の店舗でユーザが買い物をするために必要な買い物処理手段の機能を発揮させる処理を実行する。
具体的に例えば、アプリ実行部84は、ユーザ情報、購入対象情報及び決済情報の夫々の情報を、適宜、取得(抽出)して、管理する。
以下、アプリ実行部84に設けられるユーザ情報取得部841、購入対象情報取得部842及び決済情報管理部843の機能の詳細について説明していく。
【0035】
ユーザ端末2のユーザ情報取得部841は、特定情報とユーザに関するユーザ情報とをサーバ1に送信する制御を実行する。
具体的に例えば、ユーザ情報取得部841は、アプリ立ち上げ部83でアプリが立ち上げられると、当該ユーザのユーザ情報をユーザ情報DBから抽出し、その情報をサーバ1へと送信する制御を実行する。なお、この時、ユーザ情報取得部841は、送信情報認識部82で認識された特定情報を、同時にサーバ1へと送信する制御を実行してもよい。
また、ユーザ情報取得部841は、ユーザ情報、特定情報の他、商品の配送を希望する旨の情報についても取得、管理することもできる。
【0036】
また、購入対象情報取得部842は、上述の店舗に販売されている商品のうち、ユーザが購入するものを受け付ける。
ここで、上述の通り、アプリ起動後に、ユーザは、ユーザ端末2に備えられた撮像部58を用いて購入を希望する商品に付されたQRコード(登録商標)を撮像する。
即ち、ユーザ端末2の購入対象情報取得部842は、このようにして撮像されたQRコード(登録商標)に紐づけられた購入対象情報を取得する。
また、購入対象情報取得部842は、取得した購入対象情報を、通信部62を介してサーバ1へ送信する。
【0037】
ユーザ端末2の決済情報管理部843は、購入対象に対する決済をサーバ1に要求する。
例えば具体的に、決済情報管理部843は、アプリ立ち上げ部83によってアプリが起動されると、ユーザ情報DB200から決済情報を抽出する。そして、決済情報管理部843は、決済情報を、通信部62を介してサーバ1へ送信する。
なお、ユーザ端末2のユーザ情報取得部841、購入対象情報取得部842及び決済情報管理部843の夫々は、ユーザ情報、購入対象情報、決済情報の夫々をサーバ1へと送信するが、これらの情報をサーバ1に送信されるタイミングや順番については、特に限定されない。
【0038】
サーバ1のCPU21においては、ユーザ情報管理部111と、決済管理部112と、配送管理部113と、が機能する。
【0039】
サーバ1のユーザ情報管理部111は、ユーザ端末2からの特定情報とユーザ情報を抽出すると、ユーザ情報により特定される当該ユーザが、特定情報で特定される店舗で買い物中の状態であると管理する。
即ち、ユーザ情報管理部111は、ユーザ端末2から送信されてきたユーザ情報及び特定情報を、通信部29を介して、取得する。
ここで、上述の通り、ユーザ情報とは、当該ユーザを一意に特定可能なID情報である。したがって、ユーザ情報管理部111は、当該ID情報に基づいて、対応するユーザの氏名、住所、電話番号等、ユーザ個人を特定するための情報(以下、「個人情報」と呼ぶ)を、ID情報DB300から抽出し、管理する。
これにより、サーバ1は、当該ユーザが当該店舗で買い物中であるという情報を管理することができ、さらに当該ユーザの個人情報を紐付けて管理することもできる。
【0040】
サーバ1の決済管理部112は、ユーザ端末2から決済が要求されると、前記買物中の状態であるユーザに対して、前記店舗における前記購入対象の決済に関する処理を実行する。
即ち、決済管理部112は、ユーザ端末2から送信されてきた購入対象情報及び決済情報を取得して、店舗における購入対象の決済を実行する。
具体的に例えば、決済管理部112は、ユーザ情報管理部111で抽出された個人情報、取得した購入対象情報及び決済情報を紐付けて管理し、その情報を通信部29を決済サーバ5に送信する。そして、決済サーバ5は、決済を実行後、その情報を再びサーバ1に送信することで決済が完了する。
なお、ここで言う決済の方法は例示に過ぎず、決済はどのような手段により実行されてよい。
【0041】
配送管理部113は、商品の配送に必要となる各種情報を生成し、図示せぬ配送業者の管理する配送業者端末へ提示する。
例えば具体的に、配送管理部113は、決済サーバ5で決済が完了した場合に、当該ユーザに対して商品を配送するために必要となる各種情報(以下、「配送情報」と呼ぶ)を生成し、その情報を図示せぬ配送業者端末に送信する。
ここで、配送情報とは、例えば、当該ユーザの氏名、配達先の住所、連絡先等の情報であり、ユーザ端末2では、当該ユーザが商品の配送を希望する場合、事前に、アプリを介して、これらの情報の入力を受け付ける。
【0042】
以上、ユーザ端末2とサーバ1との機能的構成例について
図4を参照して説明した。
次に
図5を参照して、
図1の情報処理システムの適用例について説明する。
【0043】
図5は、本サービスの一例を示す概略図である。
図5の例では、商品を販売する店舗において、ユーザを対象として、ユーザ端末2を用いた商品購入を行う用途に、
図1の情報処理システムが適用されている。
また、
図5(c)では、本サービスの付随的なサービスとして、ユーザの自宅へ商品を配送するサービスについても説明する。
【0044】
図5(a)は、本サービスの提供を希望するユーザが、店舗に入店する場合の一例である。
図5(a)の例をみると、店舗の任意の箇所に設置された店舗情報装置4から店舗情報超音波が所定の範囲に送信されている。そこに、当該ユーザ端末2を所有するユーザが、店舗内(より正確には、店舗情報超音波が送信される所定の範囲内)に立ち入ると、ユーザの所有するユーザ端末2は、当該店舗情報超音波を受信する。そして、上述の通り、ユーザ端末2では、この店舗情報超音波を受信すると本サービスを受けるためのアプリを起動する。
店舗情報超音波を受信したユーザ端末2は、本サービスを受けるためのアプリを自動で起動して、店舗情報超音波から抽出、復元した特定情報と、ユーザ情報をサーバ1へ送信する。
【0045】
図5(b)は、上述のアプリが起動後、実際にユーザが当該アプリを利用して、商品対象情報を取得する場合の一例である。
図5(b)の例では、店舗内にある商品には、販売する商品に対応する購入対象情報が記載されたQRコード(登録商標)が貼り付けられている。
ユーザは、店内で、実物を見て、購入を希望する商品を選択し、ユーザ端末2の撮像部58で商品のQRコード(登録商標)を撮影する。即ち、ユーザ端末2は、撮像部58によって撮像されたQRコード(登録商標)に紐づけられた購入対象情報を取得する。
そして、ユーザは、ユーザ端末2で、ユーザ情報、購入対象情報、決済情報をサーバ1へ送信することで、購入を希望する商品の決済処理を実行する。即ち、ユーザ端末2は、特定情報、購入対象情報、決済情報の夫々をサーバ1へと送信する。すると、サーバ1では、ユーザ端末2から送信されたこれらの情報に基づいて、決済サーバ5で決済を実行するための制御を行う。
【0046】
図5(c)は、決済の完了後、ユーザが購入した商品が、宅配業者により当該ユーザの自宅に配送された場合の一例である。
即ち、本サービスの提供を受けて商品を購入したユーザは、希望によりその商品を自宅に配送してもらうこともできる。
この場合、例えば、サーバ1は、ユーザ端末2を介して当該ユーザが配送を希望する旨の情報を取得すると、その情報に基づいて商品の配送に必要となる各種情報を生成し、その情報を図示せぬ配送業者の管理する配送業者端末に提示することができる。
これにより、ユーザは、さらに簡便に商品の購入を行うことができる。
【0047】
次に、
図6以降の図面を参照して、
図4の機能的構成を有するサーバ1及びユーザ端末2が実行する処理の流れについて説明する。
図6は、
図4のユーザ端末2が実行する決済処理のフローチャートである。
図7は、
図4のサーバ1が実行する決済処理のフローチャートである。
そして、ユーザ端末2側の処理とサーバ1側の処理との関係は、
図8に示されている。
即ち、
図4のユーザ端末2及びサーバ1が実行する決済処理のアローチャートである。
【0048】
上述したように、店舗情報送信装置4から送信された店舗情報超音波をユーザ端末2が受信することにより、
図6のユーザ端末2側の処理が開始され、次のような一連の処理が実行される。
【0049】
ステップS11において、送信波成分抽出部811は、特定情報を含む店舗情報超音波を、マイクロフォン60を介して受信する。
【0050】
ステップS12において、送信波成分抽出部811は、ステップS11で受信した店舗情報超音波から送信波を抽出する。
【0051】
ステップS13において、送信情報復元部812は、ステップS12で抽出された送信波から、特定情報を復元する。
【0052】
ステップS14において、アプリ立ち上げ部83は、送信情報認識部82から特定情報が復元された旨の情報が提示されると、ユーザが買い物をするために必要な処理を実行する買物処理手段の機能を発揮させる処理を実行する。
即ち、ステップS14において、アプリ立ち上げ部83は、ステップS13で特定情報が復元され、送信情報認識部82から特定情報が復元された旨の情報が提示されると、アプリを起動する制御を実行する。
【0053】
ステップS15において、ユーザ情報取得部841は、特定情報とユーザに関するユーザ情報とをサーバ1に送信する制御を実行する。
例えば具体的に、ステップS15において、ユーザ情報取得部841は、ステップS14でアプリが立ち上げられると、当該ユーザのユーザ情報をユーザ情報DBから抽出し、その情報をサーバ1へと送信する制御を実行する。
ステップS15において、ユーザ情報取得部841は、送信情報認識部82で認識された特定情報を、同時にサーバ1へと送信する制御を実行してもよい。
すると、サーバ1側ではユーザ情報及び特定情報を取得する(後述するステップS31参照)。
【0054】
ステップS16において、購入対象情報取得部842は、上述の店舗に販売されている商品のうち、ユーザが購入するものを受け付ける。
例えば具体的に、ステップS16において、ユーザ端末2の購入対象情報取得部842は、撮像されたQRコード(登録商標)に紐づけられた購入対象情報を取得する。
また、購入対象情報取得部842は、取得した購入対象情報を、通信部62を介してサーバ1へ送信する。
すると、サーバ1側では購入対象情報を取得する(後述するステップS34参照)。
【0055】
ステップS17において、ユーザ端末2の決済情報管理部843は、購入対象に対する決済をサーバ1に要求する。
例えば具体的に、ステップS17において、決済情報管理部843は、ステップS14でアプリが起動されると、ユーザ情報DB200から決済情報を抽出する。また、決済情報管理部843は、決済情報を、通信部62を介してサーバ1へ送信する。
すると、サーバ1側では決済情報を取得する(後述するステップS34参照)。
【0056】
ステップS18において、ユーザ端末2のCPU51は、処理の終了指示があったか否かを判断する。ここで、処理の終了指示は、特に限定されないが、本実施形態ではユーザ端末2の電源遮断が採用されている。つまり、ユーザ端末2において電源が遮断されると、ステップS18においてYESであると判断されて、ユーザ端末2の処理は終了になる。これに対して、ユーザ端末2において電源が遮断されない限り、ステップS18においてNOであると判断されて処理はステップS11に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
【0057】
図6を参照して説明したユーザ端末2側の処理に対応する、サーバ1側の処理の流れについて
図7を参照しつつ説明する。
ユーザ端末2から送信されたユーザ情報をサーバ1が受信することにより、
図7のサーバ1側の処理が開始され、次のような一連の処理が実行される。
【0058】
ステップS31において、ユーザ情報管理部111は、ユーザ端末2からの特定情報とユーザ情報を取得すると、ユーザ情報により特定される当該ユーザが、特定情報で特定される店舗で買い物中の状態であると管理する。
ここで、ユーザ情報、特定情報の取得の条件としては、各種各様な条件を採用することができる。例えば本例では、ユーザ端末2からユーザ情報、特定情報の送信があったこと(
図6のステップS15の処理が実行されたこと)という条件が採用されているものとする。
【0059】
ステップS32において、ユーザ情報管理部111は、ステップS31で取得したユーザ情報に基づいて、ユーザの個人情報をID情報DB300から抽出、管理する。
【0060】
ステップS33において、決済管理部112は、ユーザ端末2から送信されてきた購入対象情報及び決済情報を取得する。
ここで、購入対象情報及び決済情報の取得の条件としては、各種各様な条件を採用することができる。例えば本例では、ユーザ端末2から購入対象情報及び決済情報の送信があったこと(
図6のステップS16、ステップS17の処理が実行されたこと)という条件が採用されているものとする。
【0061】
ステップS34において、決済管理部112は、ステップS32で抽出された個人情報、ステップS33で取得した購入対象情報及び決済情報を紐付けて管理し、その情報を通信部29を決済サーバ5に送信する。
【0062】
ステップS35において、サーバ1のCPU21は、処理の終了指示があったか否かを判断する。ここで、処理の終了指示は、特に限定されないが、本実施形態ではサーバ1の電源遮断が採用されている。つまり、サーバ1において電源が遮断されると、ステップS35においてYESであると判断されて、サーバ1の処理は終了になる。これに対して、サーバ1において電源が遮断されない限り、ステップS35においてNOであると判断されて処理はステップS31に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
【0063】
以上、本発明の一実施態様について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものでなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0064】
ここで、上述の実施形態において、特に言及していないが、本サービスには、さらに付加的なサービスを追加することが可能である。
即ち、サーバ1は、決済に関する処理を実行後に、本サービスの提供を受けるユーザが当該店舗に入店している旨を、当該店舗の店舗管理装置3に提示することができる。これを受けて、店舗管理装置3は、店舗情報送信装置4−1乃至4−nにその情報提示する。
これにより店舗情報送信装置4−1乃至4−nは、上述の特定情報に加えて、当該ユーザに向けた特定情報以外の異なる情報(以下、「付加情報」と呼ぶ)を超音波に重畳して、送信することができる。
なお、付加情報とは、一般的な商品の紹介や割引情報に加えて、例えば、当該ユーザの誕生日等に合わせた特別割引の情報、誕生日ケーキについての情報である。また、例えば、ユーザが20代の男性であれば惣菜の出来上がり時間のおしらせや割引情報等も想定される。
これにより、ユーザは、自身の状況や性質に合わせて、さらに有用な情報を取得することができるので、より効率的に商品の購入・選択を行うことができる。
【0065】
また例えば、上述の実施形態において、ユーザ端末2は、ユーザ情報、購入対象情報、決済情報の夫々を順次サーバ1へと送信するものとして説明を行ったが、特にこれに限定されない。
即ち、ユーザ端末2は、ユーザ情報、購入対象情報、決済情報を上述の実施形態と異なる順序で取得して、送信してもよいし、これらの情報を同時にサーバ1へと送信してもよい。
さらに言えば、上述の実施形態において、購入対象情報は、一つの商品毎に取得されるものとして説明を行ったが、特にこれに限定されない。
即ち、例えば、ユーザが商品の購入を希望する複数の商品をまとめて、一つの購入対象情報として取得しても構わない。
【0066】
また例えば、上述の実施形態において、商品の決済は、サーバ1とは別途設けられた決済サーバ5で行われるものとして説明を行ったが、特にこれに限定されない。
即ち、必ずしも決済サーバを設けることなく、サーバ1で商品の決済を実行してもよい。
【0067】
また例えば、上述の実施形態において、決済のために必要となる購入対象情報は、撮像したQRコード(登録商標)から取得する、という説明を行ったが、特にこれに限定されない。
即ち、購入対象情報は、QRコード(登録商標)以外からも購入対象情報を取得することができる。例えば具体的に、QRコード(登録商標)の他、撮像した商品の画像(静止画又は動画)から購入対象情報を取得してもよい。
【0068】
また例えば、上述の実施形態において、各種情報(ユーザ情報、購入対象情報、決済情報)について説明したが、これらの情報の詳細については、あくまで例示であり限定されない。
具体的には、例えば、ユーザ情報は、ユーザを一意に特定可能なID情報の他、マイナンバーやユーザ端末2を識別するID番号等を含んでもよい。
また、購入対象情報は、例えば、ユーザが購入を希望する商品の商品名や値段等の情報の他、例えば、ユーザが購入を希望する商品に関する割引の情報(クーポン等)を含んでも良いし、例えば、当該商品の最新の入荷情報や生産者に関する情報等を含んでもよい。
また、決済情報は、例えば、クレジットカードの番号や個人名等の他、ユーザが支払いに利用することを希望するプリペイドカードのID等の情報が含まれてもよい。
【0069】
また例えば、上述の実施形態において、店舗を一意に特定可能な特定情報を非可聴域高周波に重畳して送信するものとして説明を行ったが、特にこれに限定されない。
即ち、店舗情報送信装置4は、特定情報を超音波信号の信号以外、例えば、可聴域高周波に重畳して送信することもできる。また、店舗情報送信装置4は、特定情報をBluetooth(登録商標)、Wi−Fi(Wireless Fidelity)、その他あらゆる信号に重畳して送信することも可能である。
【0070】
また例えば、上述の実施形態において、店舗情報送信装置4は、1つの店舗の任意の複数の箇所に設置されているものとして説明したが、特にこれに限定されない。
即ち、1つの店舗毎に店舗情報送信装置4を1つのみ設置してもよいし、複数の店舗毎に店舗情報送信装置4を複数設置してもよい。
また、さらに言えば、上述の実施形態において、店舗管理装置3が複数の店舗情報装置4を管理するものとして説明を行っているが、特にこれに限定されない。
即ち、本サービスに係る情報処理システムにおいて、店舗管理装置3は、必ずしも必要ではなく、店舗管理装置の機能の全て又は一部をサーバ1、または店舗情報送信装置4に移譲してもよい。
【0071】
また例えば、上述の実施形態において、本サービスは、商品を販売している店舗での商品の購入サービスを一例としてあげて説明しているが、特にこれに限定されない。
即ち、本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、例えば具体的に、商品を販売している店舗だけでなく、飲食店、各教育機関、各種商業施設、病院等のサービスを提供する施設等、適用可能なあらゆる場面で適用することが可能である。
【0072】
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、
図4の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に
図4の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、
図4に特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバ1の機能ブロックをユーザ端末2等に移譲させてもよい。逆にユーザ端末2の機能ブロックをサーバ1等に移譲させてもよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0073】
また例えば、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0074】
また例えば、このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0075】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0076】
換言すると、本発明が適用される情報処理システムは、上述の
図1の実施形態としての情報処理システムを含め、次のような構成を有する各種各様の実施態様を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理システムは、
非可聴域高周波音声に情報を重畳して、店舗の内外の所定通信範囲内に送信する第1情報処理装置(例えば、
図1の店舗情報送信装置4)と、
前記店舗に入店し得るユーザに操作される第2情報処理装置(例えば、
図1のユーザ端末2)と、
前記第2情報処理装置と通信をする第3情報処理装置(例えば、
図1のサーバ1)と、
を含む情報処理装置システムであって、
前記第1情報処理装置(例えば、
図1の店舗情報送信装置4)は、
前記店舗を一意に特定可能な特定情報を前記非可聴域高周波音声に重畳して送信する第1送信制御手段(例えば、
図4の情報送信部41)
を備え、
前記第2情報処理装置(例えば、
図1のユーザ端末2)は、
前記店舗で前記ユーザが買い物をするために必要な処理を実行する買物処理手段(例えば、
図4のアプリ実行部84)と、
前記所定通信範囲内に前記第2情報処理装置が進入したことにより、前記特定情報が重畳された前記非可聴域高周波音声を取得する取得手段(例えば、
図4の情報受信部81)と、
取得された前記非可聴域高周波音声から前記特定情報を抽出する抽出手段(例えば、
図4の情報受信部81)と
前記特定情報が抽出された場合、前記買物処理手段の機能を発揮させる機能発揮援助部(例えば、
図4のアプリ立ち上げ部83)と、
を備え、
前記買物処理手段(例えば、
図4のアプリ実行部84)は、
前記特定情報と前記ユーザに関するユーザ情報とを前記第3情報処理装置に送信する制御を実行する第2送信制御手段(例えば、
図4のユーザ情報取得部841)と、
前記店舗に販売されている商品のうち、前記ユーザが購入対象とするものを受け付ける購入対象受付手段(例えば、
図4の購入対象情報取得部842)と、
前記購入対象に対する決済を前記第3情報処理装置に要求する決済要求手段(例えば、
図4の決済情報管理部843)と、
を有し、
前記第3情報処理装置(例えば、
図1のサーバ1)は、
前記第2情報処理装置からの前記特定情報と前記ユーザ情報を取得すると、前記ユーザ情報により特定される前記ユーザが、前記特定情報で特定される前記店舗で買物中の状態であると管理するユーザ管理手段(例えば、
図4のユーザ情報管理部111)と、
第2端末から決済が要求されると、前記買物中の状態であるユーザに対して、前記店舗における前記購入対象の決済に関する処理を実行する決済処理手段(例えば、
図4の決済管理部112)と、
を備える情報処理装置、
を含む。
【0077】
これにより、ユーザが商品の現物の確認でき、かつ簡便に商品の購入をすることができる。
また、レジに並んで決済をする必要がなく、時間的負担が軽減される。