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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-179631(P2019-179631A)
(43)【公開日】2019年10月17日
(54)【発明の名称】電池電極用組成物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/139 20100101AFI20190920BHJP
   H01M 4/13 20100101ALI20190920BHJP
【FI】
   H01M4/139
   H01M4/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-67219(P2018-67219)
(22)【出願日】2018年3月30日
(71)【出願人】
【識別番号】399034220
【氏名又は名称】日本エイアンドエル株式会社
(72)【発明者】
【氏名】肥田 和男
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 菜奈
(72)【発明者】
【氏名】松山 貴志
【テーマコード(参考)】
5H050
【Fターム(参考)】
5H050AA07
5H050BA16
5H050BA17
5H050CA01
5H050CA02
5H050CA05
5H050CA08
5H050CA09
5H050CA10
5H050CA11
5H050CB02
5H050CB07
5H050CB08
5H050CB11
5H050CB20
5H050DA11
5H050DA14
5H050EA23
5H050GA10
5H050GA27
5H050HA01
(57)【要約】
【課題】 本発明の目的は、粒子状バインダーによる活物質の被覆性を向上させることで、得られる電池のサイクル特性を改善する電池電極用組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】 活物質、粒子状バインダー、及び水溶性高分子を含有する電池電極用組成物を製造するにあたり、該粒子状バインダーを組成物に添加する前までに水溶性高分子の全量を添加しないことを特徴とすることによって、活物質の被覆性を向上させることができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活物質、粒子状バインダー、及び水溶性高分子を含有する電池電極用組成物を製造するにあたり、該粒子状バインダーを組成物に添加する前までに水溶性高分子の全量を添加しないことを特徴とする電池電極用組成物の製造方法。
【請求項2】
全使用量の3質量%以上60質量%以下の水溶性高分子を組成物中に添加した後に、粒子状バインダーを添加することを特徴とする、請求項1に記載の電池電極用組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電池電極用組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化がますます進んでおり、二次電池は、軽量でエネルギー密度が高いため、携帯電話やノートパソコンなどの携帯型電子機器用の中心的な電源として重要性が増している。電池電極は、活物質を金属基材(以下、集電体という)上に塗布した構造を持ち、電池電極用バインダーを用いて活物質を集電体に結着している。この電池電極用バインダーには、電池電極用組成物の分散性、活物質との結着性、電解液への耐性及び、電気化学的な環境下での安定性などが求められる。二次電池の場合、従来から、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系のポリマーをN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に溶解し、電池電極用バインダーとして使用しているが、環境負荷の観点から、バインダーの水系化がすすめられている。
【0003】
例えば特許文献1には特定組成かつ特定ゲル含量のスチレン−ブタジエンラテックスと水溶性高分子を用いることで、 サイクル特性や高温保持性能に優れる電池が提供できることが可能とされている。また、特許文献2には、特定の官能基を付与した電池電極用バインダーを用いることで、電池電極用組成物の分散性を改善することによってレート特性やサイクル特性を改善することが提案されている。しかし、いずれの技術においても、さらなる高寿命化を求める市場の要請を満たすには、未だサイクル特性が十分とはいえない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−74461公報
【0005】
【特許文献2】国際公開WO2006/101182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電池電極用バインダーである粒子状バインダーによる活物質の被覆性を向上させることで、得られる電池のサイクル特性を改善する電池電極用組成物の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、活物質、粒子状バインダー、及び水溶性高分子を含有する電池電極用組成物を製造するにあたり、該粒子状バインダーを組成物に添加する前までに水溶性高分子の全量を添加しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、粒子状バインダーによる活物質の被覆性が向上し、結果としてサイクル特性の良好な電池を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0010】
本発明は、活物質、粒子状バインダー、及び水溶性高分子を含有する電池電極用組成物を製造するにあたり、該粒子状バインダーを組成物に添加する前までに水溶性高分子の全量を添加しないことを特徴とする。
【0011】
具体的には、電池電極用組成物を製造するにあたり、活物質及び水溶性高分子の一部を含有した状態で混練を行い(以下、第一工程ともいう)、続いて、粒子状バインダーを添加し(以下、第二工程ともいう)、水溶性高分子の残りを添加して混練することで、電池電極用組成物を製造する。
水溶性高分子の残りについては、第二工程において粒子状バインダーと同時に添加してもよいし、第三工程として、粒子状バインダーを添加終了後に添加してもよい。
【0012】
水溶性高分子は、粒子状バインダーを組成物に添加し始める前に、2回以上に分けて添加することもできるが、粒子状バインダーを組成物に全量添加する前までに全ての使用量を添加すると、活物質の被覆性を向上させる効果が得られない。
【0013】
また、水溶性高分子は、第一工程において、全使用量の3質量%以上、60質量%以下含有することが、電池電極用組成物の分散性と活物質の被覆性向上の観点から好ましい。さらに好ましくは、5質量%以上、50質量%以下、最も好ましくは、8質量%以上、40質量%以下である。
【0014】
本発明における電池電極用組成物は、活物質、粒子状バインダー、及び、水溶性高分子を含有する。
活物質100重量部(固形分)に対して、粒子状バインダーを0.1〜10重量部(固形分)含有することが好ましく、0.3〜7重量部含有することがより好ましい。0.1重量部未満では、結着力が劣る傾向にあり、10重量部を超えると電池として組み立てた際に過電圧が著しく上昇しサイクル特性が劣る傾向にある。
活物質100重量部(固形分)に対して、水溶性高分子を、活物質100重量部(固形分)に対して0.05〜5重量部(固形分)含有することが好ましく、0.5〜4重量部(固形分)含有することがより好ましい。0.05重量部未満であると結着力が劣る傾向にあり、4重量部を超えるとサイクル特性が劣る傾向にある。
【0015】
本発明の電池電極用組成物に使用する活物質としては、公知のものが使用できる。例えば、非水電解液二次電池の正極活物質としては、特に限定されないが、MnO2、MoO3、V2O5、V6O13、Fe2O3、Fe3O4等の遷移金属酸化物、LiCoO2、LiMnO2、LiNiO2、LMO2(ここでMはNi,Mn,Co,ALなどを2種あるいは3種以上含む)等の層状構造、LiMn2O4、LiM2O4(ここで、MはNi,Mn,Co,ALなどを2種あるいは3種以上含む)のスピネル構造、LiFePO4等のオリビン構造を有する複合金属酸化物、Li2MnO3等のリチウム過剰系複合酸化物、TiS2、TiS3、MoS3、FeS2等の遷移金属硫化物、CuF2、NiF2等の金属フッ化物などが挙げられる。これらは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0016】
例えば、非水電解液二次電池の負極活物質としては、フッ化カーボン、黒鉛、炭素繊維、樹脂焼成炭素、リニア・グラファイト・ハイブリット、コークス、熱分解気層成長炭素、フルフリルアルコール樹脂焼成炭素、メソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズピッチ系炭素、黒鉛ウィスカー、擬似等方性炭素、天然素材の焼成体、およびこれらの粉砕物などの導電性炭素質材料、ポリアセン系有機半導体、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレンなどの導電性高分子、並びに、ケイ素、スズなどの金属単体、もしくは金属酸化物、もしくはその金属の合金を含む複合材料などが挙げられる。これらは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0017】
例えば、リチウムイオンキャパシタ電極の活物質としては、黒鉛、ソフトカーボン、ハードカーボン、コークス等の炭素材料や、ポリアセン系有機半導体(PAS)などを使用することができる。
【0018】
例えば、電気二重層キャパシタ電極の活物質としては、活性炭、活性炭繊維、シリカ、アルミナなどを用いることができる。
【0019】
本発明の電池電極用組成物に使用する粒子状バインダーは、電池電極用組成物中において、活物質の粒子同士及び、活物質と集電体とを結着させるバインダーとして作用する。
【0020】
粒子状バインダーの種類は特に限定されないが、スチレン・ブタジエン系共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン系共重合体、メタクリル酸メチル・ブタジエン系共重合体、ビニルピリジン・ブタジエン系共重合体などの共役ジエン系共重合体、アクリル系重合体、酢酸ビニル系重合体、エチレン・酢酸ビニル系共重合体、クロロプレン重合体、天然ゴムなどの水系分散体が挙げられ、1種または2種以上使用することができる。
上述の共重合体としては、電池電極用組成物の分散性や結着力の観点から、エチレン性不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位を含有することが好ましい。このような共重合体は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体と、エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な他の単量体と共重合することによって得られる。中でもエチレン性不飽和カルボン酸単量体由来の構造単位を5質量%以上35質量%以下含有する共重合体を使用することで、さらに活物質への被覆性を向上させることができる。
【0021】
上述のエチレン性不飽和カルボン酸系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸系単量体、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸系単量体等が挙げられる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を併用することも可能である。
【0022】
エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な他の単量体としては、脂肪族共役ジエン系単量体、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体、ヒドロキシアルキル基含有不飽和単量体、不飽和カルボン酸アミド単量体、不飽和二重結合を2つ以上含有する多官能エチレン性不飽和単量体などが挙げられ、1種または2種以上用いることができる。
【0023】
脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換および側鎖共役ヘキサジエン類などが挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特に1,3−ブタジエンが好ましい。
【0024】
芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルα−メチルスチレン、ビニルトルエンおよびジビニルベンゼン等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特にスチレンが好ましい。
【0025】
シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリルなどが挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特にアクリロニトリル、メタクリロニトリルが好ましい。
【0026】
不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジメチルイタコネート、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられ、1種または2種以上用いることができる。特にメチルメタクリレート、ブチルアクリレートが好ましい。
【0027】
ヒドロキシアルキル基含有不飽和単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジ−(エチレングリコール)マレエート、ジ−(エチレングリコール)イタコネート、2−ヒドロキシエチルマレエート、ビス(2−ヒドロキシエチル)マレエート、2−ヒドロキシエチルメチルフマレートなどが挙げられ、1種または2種以上用いることができる。好ましくは、2−ヒドロキシエチルアクリレートが挙げられる。
【0028】
不飽和カルボン酸アミド単量体としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどが挙げられ、1種または2種以上用いることができる。好ましくは、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドが挙げられる。
【0029】
不飽和二重結合を2つ以上含有する多官能エチレン性不飽和単量体としては、例えば、アリルメタクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、例えば、ジビニルベンゼンなどのジビニル化合物、などが挙げられ、1種または2種以上用いることができる。好ましくはアリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼンが挙げられる。
【0030】
上述した単量体を共重合する重合方法は、特に制限されないが、例えば乳化重合によって共重合体を得ることができる。乳化重合の場合、常用の乳化剤、重合開始剤、還元剤、酸化還元触媒、環内に不飽和結合を1つ有する環状の不飽和炭化水素以外の炭化水素系溶剤、電解質、重合促進剤、キレート剤等の重合助剤、また、その他の助剤として、必要により、例えば、老化防止剤、分散剤、増粘剤、防腐剤などを使用することができる。
【0031】
重合方法としては、特に制限されるものではなく、バッチ重合、セミバッチ重合、シード重合など公知の重合方法を用いることができる。また、各種成分の添加方法についても特に制限されるものではなく、一括添加方法、分割添加方法、連続添加方法、パワーフィード法などを用いることができる。得られた共重合体の水分散体の固形分は、例えば、35〜55重量%、好ましくは、40〜50重量%である。
【0032】
本発明の電池電極用組成物に使用する水溶性高分子としては、公知のものが挙げられる。例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース系およびその塩、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼインなどが挙げられるが、その中でも、電池電極用組成物の分散安定性、電池電極の結着力の観点からカルボキシメチルセルロースおよび/またはその塩を添加することが好ましい。
【0033】
さらに、本発明における電池電極用組成物においては、ヘキサメタリン酸ソーダ、トリポリリン酸ソーダ、ピロリン酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダなどの分散剤、安定化剤としてのノニオン性、アニオン性界面活性剤などの各種添加剤を含有してもよい。
【0034】
本発明の製造方法によって得られた電池電極用組成物を、集電体に塗布、乾燥することによって電池電極が得られる。
本発明の電池電極用組成物を集電体に塗布する方法としては、リバースロール法、コンマバー法、グラビヤ法、エアーナイフ法など任意のコーターヘッドを用いることができ、乾燥方法としては放置乾燥、送風乾燥機、温風乾燥機、赤外線加熱機、遠赤外線加熱機などが使用できる。
【0035】
電池電極を製造する際に使用される集電体については既存のものが特に制限無く使用可能である。
【実施例】
【0036】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を変更しない限り、これらの実施例に限定されるものではない。なお実施例中、割合を示す部および%は重量基準によるものである。また実施例における諸物性の評価は次の方法に拠った。
【0037】
粒子状バインダー
A:カルボキシ変性スチレン−ブタジエンラテックス:イタコン酸由来の構造単位を1質量%含有
B:カルボキシ変性スチレン−ブタジエンラテックス:イタコン酸由来の構造単位を2質量%及びアクリル酸由来の構造単位を4質量%含有
【0038】
負極用組成物、負極の製造
(実施例1)
負極活物質として平均粒子径が20μmの天然黒鉛を使用し、天然黒鉛100重量部(固形分)に対して、第一工程として、水溶性高分子としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬株式会社製セロゲンEP、以下CMC)の水溶液を0.1重量部(固形分)添加し、組成物の固形分が65%となるように適量の水を添加して、混練した。十分混練した後、粒子状バインダーAを2.0重量部(固形分)添加して混練した。続いて、CMC水溶液を0.9重量部(固形分)と全固形分が40%となるように適量の水を加えて混練し、負極用組成物を調製した。負極用組成物を集電体となる厚さ20μmの銅箔に塗布し、130℃で5分間乾燥し、塗工層の厚みが60μmの負極シートを得た。
【0039】
(実施例2〜5及び比較例1、2)
CMC水溶液の添加量及び粒子状バインダーの種類と添加量を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様の方法で負極シートを得た。比較例2については、電池電極用組成物の分散性が悪く、一部凝集した部分が認められた。
【0040】
粒子状バインダーによる活物質の被覆性の評価
粒子状バインダーが活物質の表面をより多く被覆することにより、充放電を繰り返した際のサイクル特性が向上することから、上記の方法で得られた各負極シートにおいて、下記の方法により共重合体ラテックスの活物質への被覆性を評価した。すなわち、上記で得られた各負極シート(圧延前のもの) を1cm四方に切り、四酸化オスミウム雰囲気下で染色した後、走査型電子顕微鏡(日本電子製、商品名: JSM−6510LA)を用いて、5000倍にて観察した。SEM観察画像において、活物質の面積に対し、活物質上に粒子状バインダーが付着している面積を目視で確認し、下記のとおり評価した。なお、SEM観察画像8画面のうち、最も平均的な画像を選び、相対評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1の活物質表面の粒子状バインダーによる被覆度合を基準として、
A : 被覆度合が3割以上向上した。
B : 被覆度合が2割以上3割未満向上した。
C : 被覆度合が1割以上2割未満向上した。
D : 被覆度合がほぼ同等もしくは低下していた。
【0041】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0042】
上記の通り、本発明によれば、電池電極用組成物の分散性を損なうことなく粒子状バインダーによる活物質の被覆性を大きく向上することができ、ひいてはサイクル特性の良好な電池電極を提供することができる。