【解決手段】検出センサ10は、検出対象物を検出するセンサユニット10aと、センサユニット10aに接続されたケーブル10bと、ケーブル10bの端部に取着されたコネクタ10cとを備える。通信部15は、通信線LCに通信装置が接続されているときには通信装置との通信を確立する。そして、通信部15は、所定の通信方式(IO−Link)で規定される通信周期で通信線LCを介して入力される要求信号に応答して少なくとも検出結果と検出レベルとを含むデータを通信線LCに出力する。一方、通信部15は、通信線LCに通信装置が接続されていないときには検出結果に応じた検出信号のみを通信線LCに出力する。出力部16は、検出結果に応じたアナログの検出信号JOを通信線LCに出力する。
  前記通信線に通信マスタ装置が接続されていないときには前記ON/OFFデータのみを前記通信線に出力することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の検出センサ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
  ところで、製造工場等のように、複数又は複数種類の検出センサを用いる場合、各検出センサをコントローラに接続した制御システムが利用される場合がある。しかしながら、場合によっては、コントローラとの通信接続用に通信の構成を備えている検出センサが必要となるそのような場合には、制御システムに利用される検出センサと、制御システムに利用しない(コントローラと通信接続しない)場合の検出センサを単独で用いる場合のようにそれぞれ別々の検出センサを用意しなければならないという問題がある。
【0005】
  本発明の目的は、汎用性の高い検出センサ、検出センサシステムを提供することにある。
 
【課題を解決するための手段】
【0006】
  上記課題を解決する検出センサは、検出対象物を検出するセンサユニットと、前記センサユニットに接続されたケーブルと、前記ケーブルの端部に取着されたコネクタと、を備え、前記ケーブルは、電源線、グランド線、通信線、及び出力線を含み、前記コネクタは、前記電源線、前記グランド線、前記通信線、前記出力線のそれぞれが接続された接続端子を含み、前記センサユニットは、前記電源線及び前記グランド線を介して供給される電圧により動作するものであり、前記検出対象物を検出するための物理量に応じたレベルの信号を出力する検出部と、前記検出部の出力信号に基づいてON/OFFデータと前記出力信号の検出レベルとを生成する制御部と、前記通信線に接続された通信部と、前記出力線に接続された出力部と、を含み、前記通信部は、前記通信線に通信マスタ装置が接続されているときには前記通信マスタ装置との通信を確立し、所定の通信方式で規定される通信周期で前記通信線を介して入力される要求信号に応答して少なくとも前記ON/OFFデータと前記検出レベルとを含む通信データを前記通信線に出力し、前記出力部は、前記ON/OFFデータに応じた検出信号を前記出力線にリアルタイムで出力する。
【0007】
  この構成によれば、所定の通信方式に対応した装置と、出力線に出力される検出信号に対応した装置とに検出センサを用いることができるため、汎用性の高い検出センサを提供できる。
【0008】
  上記の検出センサにおいて、前記センサユニットは、自己診断を行う診断部を備え、前記通信部は、前記診断部の診断結果を前記通信線に出力することが好ましい。
  この構成によれば、通信線を介して自己診断結果を通信マスタ装置に通信できる。
【0009】
  上記の検出センサにおいて、前記通信部は前記外部装置とIO−Link(登録商標)で通信することが好ましい。
  この構成によれば、外部装置とIO−Link(登録商標)で通信できる。
【0010】
  上記の検出センサは、前記通信線に通信マスタ装置が接続されていないときには前記ON/OFFデータのみを前記通信線に出力する。
  この構成によれば、通信線に出力されるON/OFFデータを利用する装置に検出センサを用いることができるため、より高い汎用性が得られる。
【0011】
  上記の検出センサにおいて、前記出力線に出力する前記検出信号の周期は、前記通信周期よりも高速周期である。
  この構成によれば、出力線に出力される検出信号を用いることにより、リアルタイムな処理を行うことができる。
【0012】
  上記の検出センサにおいて、前記コネクタは、簡易圧接コネクタである。
  この構成によれば、ケーブルとコネクタとの接続が容易となる。
  上記課題を解決する検出センサシステムは、上記の検出センサと、前記検出センサの前記コネクタが接続される通信マスタ装置と、を備え、前記通信マスタ装置は、少なくとも前記出力線からの検出信号をマスタ側外部接続線に出力する。
【0013】
  この構成によれば、マスタ側外部接続線に出力される検出信号を制御装置等に利用することができる。
 
【発明の効果】
【0014】
  本発明によれば、通信を利用する場合と単体で使用する場合とで、1台の検出センサで対応できる汎用性の高い検出センサ、検出センサシステムを提供できる。
 
 
【発明を実施するための形態】
【0016】
  以下、一実施形態を説明する。
  
図1に示すように、制御システム1は、複数(
図1では3つ)の検出センサ10,20,30、通信装置40、コントローラ50、コンソール60を備えている。検出センサ10,20,30は、物理量に応じて検出対象物を検出する。物理量としては、光、磁力、温度、圧力、超音波、等を用いることができる。なお、検出センサ10,20,30は同じ物理量にて検出対象物を検出するもの、少なくとも1つが異なる物理量にて検出対象物を検出するもの、等適宜選択して接続することができる。
 
【0017】
  検出センサ10,20,30はそれぞれ、検出対象物を検出するセンサユニット10a,20a,30a、センサユニット10a,20a,30aに接続されたケーブル10b,20b,30b、ケーブル10b,20b,30bの先端のコネクタ10c,20c,30cを備えている。検出センサ10,20,30は、コネクタ10c,20c,30cにより通信装置40に接続される。通信装置40は、コントローラ50に接続される。また、通信装置40には、コンソール60が接続される。なお、
図1では省略されているが、通信装置40とコントローラ50との間、通信装置40とコンソール60との間は、コネクタ付ケーブルにより接続される。
 
【0018】
  コントローラ50は、通信装置40を介して各検出センサ10,20,30と通信する。また、コントローラ50は、通信装置40を介してコンソール60と通信する。
  コントローラ50は、例えばプログラマブルコントローラ(PLC)やパソコンなどである。コントローラ50は、通信装置40を介して各検出センサ10,20,30のセンサユニット10a,20a,30aを制御する。また、コントローラ50は、通信装置40を介して受信した検出結果を蓄積する。
 
【0019】
  コンソール60は、例えばパーソナルコンピュータなどであり、コントローラ50や各検出センサ10,20,30の設定、検出結果の確認、等に用いられる。
  通信装置40は、各検出センサ10,20,30、コントローラ50、コンソール60とIO−Link(登録商標)の通信方式にて通信するものである。IO−Linkは、IEC61131−9において規格化されたSDCI(Single-drop digital communication interface for small sensors and actuators)である。IO−Linkは、マスタとデバイスとの通信に使用するポイント・ツー・ポイントのシリアル通信プロトコルである。
 
【0020】
  コントローラ50は、検出センサ10,20,30のセンサユニット10a,20a,30aとの間において、所定のデータ量(32バイト(256ビット))で双方向通信が可能である。
 
【0021】
  通信装置40は、制御部41、記憶部42を有している。記憶部42には、通信のための各種設定データ、通信の際の通信データ、等が格納される。制御部41は、記憶部42に格納された各種のデータに基づいて、コントローラ50、各センサユニット10a,20a,30a、コンソール60、との間で通信する。
 
【0022】
  次に、検出センサ10の構成について説明する。
  検出センサ10は、センサユニット10a、ケーブル10b、コネクタ10cを備えている。このコネクタ10cは、
図1に示す通信装置40に接続される。
 
【0023】
  コネクタ10cには、IO−Linkにて用いられる丸型コネクタ、簡易圧接コネクタ、等を用いることができる。丸型コネクタを用いた場合、既存の通信マスタ装置に容易に接続できる。簡易圧接コネクタを用いた場合、ケーブルとコネクタとの接続が容易となる。また、簡易圧接コネクタでは、ばらの電線を用いてケーブルとすることや、一部の接続線をコネクタから外した状態とすることが容易にできる。
 
【0024】
  ケーブル10bは4線式ケーブルであり、電源線LV、グランド線LG、通信線LC、及び出力線LOを備えている。コネクタ10cは、ケーブルの各線にそれぞれ接続された4つの接続端子T1〜T4を備えている。コネクタ10cにおいて、各接続端子T1〜T4の配列は、上述の通信方式に応じて予め設定されている。例えば、電源線LVが接続された接続端子T1は1番ピン、グランド線LGが接続された接続端子T3は3番ピンである。通信線LCが接続された接続端子T2は2番ピン、出力線LOが接続された接続端子T4は4番ピンである。
 
【0025】
  接続端子T1及び電源線LVは、L+信号(例えば、24V)のための端子である。接続端子T3及びグランド線LGは、L−信号のための端子であり、例えば検出センサ10、通信装置40のグランドに接続される。電源線LV及びグランド線LGにより、通信装置40の電源回路から、又は図示しない電源装置から通信装置40を介して、デバイスつまりセンサユニット10aに動作のための電圧VD(電源電圧)を供給することができる。
 
【0026】
  接続端子T2及び通信線LCは、C/Q信号のための端子である。通信装置40は、この接続端子T2を用いて、デバイス、つまりセンサユニット10aとの接続を確立する。また、通信装置40は、この接続端子T2を用いて、センサユニット10aとの間でシリアル通信を行う。シリアル通信は、1ビットのデータを送受信する第1モード、又は1ビットより大きな通信データを送受信する第2のモードにて行われる。
 
【0027】
  接続端子T4及び出力線LOは、センサユニット10aからの出力に用いられる。センサユニット10aは、検出結果に応じたレベルの検出信号JOを出力線LOに出力する。この検出信号JOは、接続端子T4を介して通信装置40に伝達される。さらに、検出信号JOは、通信装置40からコントローラ50へと伝達される。
 
【0028】
  センサユニット10aは、電源回路14、制御部12、検出部11、記憶部13、通信部15、出力部16を備えている。
  記憶部13には、センサユニット10aの各種の情報が記憶される。例えば、記憶部13には、検出部11の動作(検出周期)や検出のためのしきい値、所定の通信方式のためのデバイスパラメータ、等が格納される。また、記憶部13には、検出結果や検出レベル、検出結果を処理した値(例えば、移動平均値、等)が格納される。
 
【0029】
  電源回路14は、電源線LV及びグランド線LGを介して供給される電圧に基づいて、センサユニット10aの各回路の動作電圧(駆動電圧)を生成する。この動作電圧は、制御部12等の各回路に供給される。
 
【0030】
  制御部12は、検出部11を制御する。検出部11は、このセンサユニット10aにて検出する検出対象物に応じた物理量(例えば光)にて検出対象物を検出するためのものであり、物理量に応じたレベルの信号を出力する。制御部12は、その検出部11の出力信号に基づいて、例えば検出対象物の有無を検出し、その検出結果(ON/OFF)を記憶部13に記憶する。例えば、検出対象物がある場合をONとし、検出対象物が無い場合をOFFとする。なお、ON/OFFを逆の設定としてもよい。制御部12は、所定の検出周期(例えば、25μs〜500μsの間隔)で、検出部11の出力信号に基づいて検出対象物(例えば有無)を検出し、その検出結果を記憶する。この検出結果は、少なくとも1ビットのデータ(ON/OFFデータ)である。また、制御部12は、検出部11の出力信号のレベル(アナログ信号)をデジタル変換した検出レベル(デジタル値)を記憶部13に記憶する。
 
【0031】
  通信部15は、上述のIO−Linkにて通信を行うためのものである。通信部15は、上述の通信線LCを介して接続端子T2に接続されている。
  通信部15は、接続端子T2を介して上述の通信装置40が接続されているか否かを判定する。例えば、通信装置40から送信される所定の信号(Wake−up信号)を出力し、通信部15はその信号に応答してセンサユニット10aの情報を含む信号を送信する。このような信号の授受により、通信部15と通信装置40との間の通信を確立する。
 
【0032】
  通信部15は、通信装置40との間の通信が確立されたか否かを示す信号を制御部12に出力する。制御部12は、その信号に基づいて、このセンサユニット10aがIO−Linkにより接続されているか否かを判定する。IO−Linkにより接続されている場合、通信部15は、設定に応じて通信を行う。例えば、通信部15は、通信装置40から所定の周期で入力される要求信号に基づいて、少なくとも検出結果に応じたON/OFFデータと、検出レベル(デジタル値)を含むデータを送信する。一方、IO−Linkにより接続されていない場合、通信部15は、ON/OFFデータのみを通信線LCに出力する。
 
【0033】
  通信部15は、上述の第1のモードにおいて、例えば、検出部11の検出結果に応じたON/OFFデータを通信する。
  通信部15は、上述の第2のモードにおいて、例えば、この検出センサ10の各種設定を行う信号を受信し、その受信結果を制御部12に出力する。制御部12は、その受信結果に基づいて、各種の設定を行う。また、通信部15は、確立されたシリアル通信の通信速度等に基づく通信周期(例えば、1ms間隔)で、その通信周期における検出結果を含む通信データ(例えば32ビットのデータ)をシリアル送信する。
 
【0034】
  出力部16は、出力線LOを介して接続端子T4に接続されている。出力部16は、検出部11及び制御部12による検出結果に応じたレベルの検出信号JOを出力する。上述したように、制御部12は、検出周期(例えば、25μs〜500μs毎)で検出結果を生成する。出力部16は、この検出結果に応じたレベルの検出信号JOを出力する。この検出信号JOの周期、つまり検出信号JOのレベルを設定する周期は、検出部11の検出周期の整数倍(例えば1倍)に設定される。例えば、検出対象物が有る場合、所定の第1レベル(例えばHレベル、動作電圧レベル)の検出信号JOを出力し、検出対象物が無い場合、所定の第2レベル(例えばLレベル、グランドレベル)の検出信号JOを出力する。
 
【0035】
  なお、
図1に示す各検出センサ10,20,30は、通信及び検出結果の出力に係る部分については同じ構成であるため、検出センサ20,30の説明を省略する。
  (作用)
  次に、本実施形態の作用を説明する。
 
【0036】
  検出センサ10は、検出対象物を検出するセンサユニット10aと、センサユニット10aに接続されたケーブル10bと、ケーブル10bの端部に取着されたコネクタ10cとを備える。ケーブル10bは、電源線LV、グランド線LG、通信線LC、及び出力線LOを含み、コネクタ10cは、電源線LV、グランド線LG、通信線LC、出力線LOのそれぞれが接続された接続端子T1,T3,T2,T4を含む。センサユニット10aは、電源線LV及びグランド線LGを介して供給される電圧により動作するものであり、検出対象物を検出し、検出結果と検出レベルとを出力する検出部11と、通信線LCに接続された通信部15と、出力線LOに接続された出力部16と、を含む。
 
【0037】
  通信部15は、通信線LCに通信装置40が接続されているときには通信装置40との通信を確立する。そして、通信部15は、所定の通信方式(IO−Link)で規定される通信周期で通信線LCを介して入力される要求信号に応答して少なくともON/OFFデータと検出レベルとを含む通信データを通信線LCに出力する。一方、通信部15は、通信線LCに通信装置40が接続されていないときにはON/OFデータのみを通信線LCに出力する。出力部16は、検出結果に応じたアナログの検出信号JOをリアルタイムで通信線LCに出力する。
 
【0038】
  従って、通信線LCを用いた通信により、所定の通信方式(IO−Link)でデータを通信することで、そのデータに含まれるON/OFFデータと検出レベルとを通信装置40を介してコントローラ50に収集することができる。そして、出力線LOに常時出力されるアナログの検出信号JOにより、コントローラ50では、センサユニット10aの検出周期で検出対象物の有無等を判定することができる。
 
【0039】
  センサユニット10aの出力部16は、検出信号JOを常時出力する。センサユニット10aの検出周期は、通信部15により確立されたシリアル通信の通信周期と比べて短い。このため、コントローラ50において、検出対象物に応じた適切なタイミングで処理可能となる。
 
【0040】
  検出センサ10の接続例を説明する。
  
図3に示すように,電源装置100を用意し、その電源装置100に接続されたケーブル101のコネクタ102と、検出センサ10のコネクタ10cとを接続する。電源装置100からコネクタ10cの接続端子T1,T3に駆動電圧を供給する。その駆動電圧は、コネクタ10cの接続端子T1,T3と電源線LV及びグランド線LGを介してセンサユニット10aに供給される。このようにして供給される駆動電圧によりセンサユニット10aが動作する。
 
【0041】
  図2に示すように、センサユニット10aの通信部15は、通信線LC及び接続端子T2に対して、IO−Linkによる接続があるか否かを判定する。
図3に示す接続例では、接続端子T2から所定の信号(Wake−up信号)が供給されないため、マスタとなる機器は接続されていないと判定し、IO−Linkによる接続を確立しない。
 
【0042】
  この場合においても、
図2に示す出力部16は、センサユニット10aの検出周期で検出した検出結果に応じた検出信号JOを出力線LOに出力する。検出信号JOは、この出力線LOが接続された接続端子T4に対して、コネクタ102の接続端子T14に接続した接続線L14に伝達される。従って、この接続線L14に伝達される検出信号JOを利用することができる。このように、電源装置100を用いることで、検出センサ10を単独で利用することができる。
 
【0043】
  図4に示すように、コントローラ110をケーブル111及びコネクタ112を介して検出センサ10のコネクタ10cに接続する。この場合、ケーブル111は、3線式のケーブルを用いることができる。そして、電源線LV及びグランド線LGを介してコントローラ110から検出センサ10のセンサユニット10aに駆動電圧を供給する。その駆動電圧によりセンサユニット10aが動作する。
 
【0044】
  そして、この接続例のコントローラ110は、IO−Linkに未対応のものである。この場合、
図3に示す接続例と同様に、IO−Linkによる接続は確立されない。そして、
図2に示す出力部16は、センサユニット10aの検出周期で検出した検出結果に応じた検出信号JOを出力線LOに出力する。この検出信号JOは、コネクタ10cの接続端子T4に接続された接続端子T24及び接続線L24を介してコントローラ110に入力される。例えば、接続線L24は、コントローラ50の端子台やコネクタに接続される。コントローラ110は、この接続線L24を介して伝達される検出信号JOにより、検出対象物の有無等を取得できる。
 
【0045】
  図5に示すように、コントローラ120をケーブル121及びコネクタ122を介して検出センサ10のコネクタ10cに接続する。このコントローラ120は、IO−Linkに対応し、マスタ機能を有する。このコントローラ120の場合、そのコントローラ120を検出センサ10に直接接続する。検出信号JOは、コネクタ10cの接続端子T4に接続された接続端子T34及び接続線L34を介してコントローラ120に入力される。これにより、IO−Linkによるシリアル通信にて検出センサ10のON/OFFデータ及び検出レベルを取得するとともに、接続線L34を介して検出センサ10の検出周期による検出結果に応じた検出信号JOを入力して検出対象物の有無等を取得できる。そして、このコントローラ120には、検出信号JOを出力する接続線L44(マスタ側外部接続線)が設けられている。この接続線L44は、図示しない制御装置に接続される。この制御装置では、検出信号JOに応じて制御することができる。
 
【0046】
  以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
  (1)検出センサ10は、検出対象物を検出するセンサユニット10aと、センサユニット10aに接続されたケーブル10bと、ケーブル10bの端部に取着されたコネクタ10cとを備える。通信部15は、通信線LCに通信装置40が接続されているときには通信装置40との通信を確立する。そして、通信部15は、所定の通信方式(IO−Link)で規定される通信周期で通信線LCを介して入力される要求信号に応答して少なくともON/OFFデータと検出レベルとを含むデータを通信線LCに出力する。一方、通信部15は、通信線LCに通信装置40が接続されていないときには検出結果に応じた検出信号のみを通信線LCに出力する。出力部16は、検出結果に応じたアナログの検出信号JOをリアルタイムで通信線LCに出力する。
 
【0047】
  従って、通信部15により通信されるデータSDにより、所定の通信方式(IO−Link)により検出結果と検出レベルとを得ることができる。そして、出力部16により出力される検出信号JOにより、検出結果を得ることができる。このように、所定の通信方式(IO−Link)に対応した装置と、出力線LOによるアナログの検出信号JOに対応した装置とに検出センサ10を用いることができるため、汎用性の高い検出センサ10となる。
 
【0048】
  尚、上記各実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
  ・上記実施形態に対し、自己診断結果を通信線LCに出力するようにしてもよい。例えば、制御部12は自己診断機能を有する。光を用いて検出対象物を検出する光電センサでは、受光素子の状態(故障、劣化)等が生じる場合がある。また、検出のための光を出射する投光素子を備えた光電センサ(投光ユニット)では、出射光の強度の低下が生じる場合がある。これらの状態を検出した自己診断結果を含むデータをシリアル送信することで、センサユニット10aの設定の変更や検出センサ10の交換等を判断することができる。なお、自己診断結果は、上述した検出結果及び検出レベルとともにデータとして通信すること、自己診断結果のみを含むデータを通信すること、また自己診断結果と他の情報を含むデータを通信すること、等3通信の形態は適宜変更できる。
 
【0049】
  なお、自己診断結果を通信マスタ装置となる通信装置40が接続されていない場合にもその自己診断結果に応じた信号を例えば通信線LCに出力するようにしてもよい。この場合、例えば
図4に示すIO−Linkに非対応なコントローラ50に自己診断結果に応じた信号を入力することで、同様な判定を行うことができる。