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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-181292(P2019-181292A)
(43)【公開日】2019年10月24日
(54)【発明の名称】涙液層厚み測定装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/10 20060101AFI20190927BHJP
【FI】
   A61B3/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-143572(P2019-143572)
(22)【出願日】2019年8月5日
(62)【分割の表示】特願2018-42736(P2018-42736)の分割
【原出願日】2018年3月9日
(31)【優先権主張番号】特願2017-49047(P2017-49047)
(32)【優先日】2017年3月14日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100107010
【弁理士】
【氏名又は名称】橋爪 健
(72)【発明者】
【氏名】藤野 誠
(72)【発明者】
【氏名】林 健史
(72)【発明者】
【氏名】木川 勉
(72)【発明者】
【氏名】柳 英一
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA02
4C316AA03
4C316AA24
4C316AA25
4C316AB01
4C316AB02
4C316AB06
4C316AB07
4C316AB11
4C316AB16
4C316FB05
4C316FB12
4C316FB13
4C316FB21
4C316FB22
4C316FB26
(57)【要約】
【課題】 広帯域光源の波長を変えて、被検眼の涙液層に照射し、涙液層の厚みを測定する涙液層厚み測定装置及び方法を提供すること。
【解決手段】 画像収集部30は広帯域波長掃引光源31から、例えば、可視から近赤外の波長範囲に於いて特定の波長の光が選択的に発光される。ハーフミラー32により角膜に光が照射される。角膜に照射する光束は測定範囲をカバーする光束径となる。
角膜上の涙液層からの反射光が、ハーフミラー32を透過して白黒カメラ34にて撮像される。画像収集部30は、制御処理部35により広帯域波長掃引光源31の波長を変化させることにより、白黒カメラ34の各画素における分光反射分布を得、これによって、分布情報取得部44により涙液層の厚みを測定することができる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
涙液層厚み測定装置であって、
光源部と、受光素子と、制御処理部と、光学系とを有し、被検眼の前眼部反射光を受光することにより、角膜上の涙液層界面を表す画像を収集する反射信号収集部と、
前記反射信号収集部が収集した信号に基づいて、涙液層の厚み分布の情報を取得する涙液層厚情報取得部と、
前記涙液層厚情報取得部により取得された涙液層の厚み分布の画像を、表示部に表示させる表示制御部、
を備え、
前記涙液層厚情報取得部は、前記反射信号収集部が収集した時系列画像のそれぞれの画像について涙液層の厚み分布の情報を作成し、時間ごとの涙液層の厚み分布の画像を画面上の同一部位に切り替えて前記表示制御部により表示部に表示することを特徴とする涙液層厚み測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の涙液層厚み測定装置であって、
前記反射信号収集部が、予め定められたフレームレートの動画撮影で得られたフレーム群、又は、予め定められた時間間隔で被検眼を繰り返し撮影して得られた静止画像群により、角膜上の涙液の動態を表す時系列画像を収集し、
前記涙液層厚情報取得部が、時系列画像に含まれる複数の画像に対応する複数の涙液層の厚み分布の情報を作成し、
前記表示制御部が、時間ごとの涙液層の厚み分布の画像を、画面上の同一部位に時系列の順に切り替えることで、擬似動画又は動画により表示部に表示することを特徴とする涙液層厚み測定装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の涙液層厚み測定装置であって、
前記涙液層厚情報取得部は、指定した厚みを下回った部分を強調して前記表示制御部により前記表示部に表示すること、又は、前記部分の面積を前記表示制御部により前記表示部に表示すること、を特徴とする涙液層厚み測定装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の涙液層厚み測定装置であって、
前記角膜の正面画像を取得する正面画像取得部
をさらに備え、
前記表示制御部は、前記涙液層厚情報取得部により取得された涙液の厚み分布の画像と、前記正面画像取得部により取得された正面画像との合成画像を表示部に表示させることを特徴とする涙液層厚み測定装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の涙液層厚み測定装置であって、
前記涙液層厚情報取得部は、さらに、液層領域、油層領域、又は、液層領域と油層領域の合成領域の厚さが予め定められた閾値以下の領域を、それぞれ、液層領域、油層領域、又は、涙液領域の破壊領域として特定することを特徴とする涙液層厚み測定装置。
【請求項6】
光源部と、受光素子と、制御処理部と、光学系とを有する反射信号収集部が、被検眼の前眼部反射光を受光することにより、角膜上の涙液層界面を表す画像を収集し、
涙液層厚情報取得部が、前記反射信号収集部が収集した信号に基づいて、涙液層の厚み分布の情報を取得し、
表示制御部が、前記涙液層厚情報取得部により取得された涙液層の厚み分布の画像を、表示部に表示させる、
涙液層厚み測定方法であって、
前記涙液層厚情報取得部は、前記反射信号収集部が収集した時系列画像のそれぞれの画像について涙液層の厚み分布の情報を作成し、時間ごとの涙液層の厚み分布の画像を画面上の同一部位に切り替えて前記表示制御部により表示部に表示することを特徴とする涙液層厚み測定方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、涙液層厚み測定装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、「涙液層構造測定および蒸発速度測定を行うためのシステムおよび方法において、広帯域光源は、涙液層を照明し、分光計は、涙液層の少なくともひとつの点からの反射光のそれぞれのスペクトルを測定する。」(要約参照)ということが記載されている。
さらに、特許文献1には、「カメラ及び分光計に結合された処理ユニットは、分光計によって測定された少なくともひとつの点におけるカメラによって得られた色が、同じ点における分光計の色と一致するように、較正されたカメラの各点の色から、各点における脂質の厚さを決定する。」(要約参照)ということが記載されている。
また、特許文献2には、ドライアイのタイプ評価の信頼度向上を図る」(段落0004)ための眼科検査装置が記載され、また、特許文献3には、「涙液検査の精度及び確度の向上を図る」(段落0005)ための眼科検査装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2015−132788号
【特許文献2】特願2016−185076号
【特許文献3】特願2016−185077号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、波長を変え、涙液層の厚みを測定することは記載されていない。
本発明は、以上の点に鑑み、広帯域光源の波長を変えて、被検眼の涙液層に照射し、涙液層の厚みを測定する涙液層厚み測定装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の解決手段によると、
涙液層厚み測定装置であって、
光源部と、受光素子と、制御処理部と、光学系とを有し、被検眼の前眼部反射光を受光することにより、角膜上の涙液層界面を表す画像を収集する反射信号収集部と、
前記反射信号収集部が収集した信号に基づいて、涙液層の厚み分布の情報を取得する涙液層厚情報取得部と、
前記涙液層厚情報取得部により取得された涙液層の厚み分布の画像を、表示部に表示させる表示制御部、
を備え、
前記涙液層厚情報取得部は、前記反射信号収集部が収集した時系列画像のそれぞれの画像について涙液層の厚み分布の情報を作成し、時間ごとの涙液層の厚み分布の画像を画面上の同一部位に切り替えて前記表示制御部により表示部に表示することを特徴とする涙液層厚み測定装置が提供される。
【0006】
本発明の第2の解決手段によると、
光源部と、受光素子と、制御処理部と、光学系とを有する反射信号収集部が、被検眼の前眼部反射光を受光することにより、角膜上の涙液層界面を表す画像を収集し、
涙液層厚情報取得部が、前記反射信号収集部が収集した信号に基づいて、涙液層の厚み分布の情報を取得し、
表示制御部が、前記涙液層厚情報取得部により取得された涙液層の厚み分布の画像を、表示部に表示させる、
涙液層厚み測定方法であって、
前記涙液層厚情報取得部は、前記反射信号収集部が収集した時系列画像のそれぞれの画像について涙液層の厚み分布の情報を作成し、時間ごとの涙液層の厚み分布の画像を画面上の同一部位に切り替えて前記表示制御部により表示部に表示することを特徴とする涙液層厚み測定方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、広帯域光源の波長を変えて、被検眼の涙液層に照射し、涙液層の厚みを測定する涙液層厚み測定装置及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】眼科検査装置の構成を表す概略図。
図2】画像取得部の構成を説明するための概略図。
図3】眼科検査装置の動作を表すフローチャート。
図4】涙液厚分布情報を作成するための動作を表すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この明細書で引用する文献の記載内容や他の公知技術を実施形態に援用することができる。(例えば、特許文献2、特許文献3参照)
【0010】
実施形態の眼科検査装置(涙液層厚み測定装置)は、被検眼の角膜上の涙液層の厚みを測定する。
【0011】
本実施形態の眼科検査装置は、角膜に測定光を照射し、反射光を得ることにより、角膜上の薄膜である涙液層の厚みを測定することができる。本実施形態の眼科検査装置は、被検眼の前眼部を撮影することにより、角膜上の涙液を表す画像をひとつ又は複数収集する。さらに、1次元又は2次元にスキャンして画像を収集してもよい。また、時系列画像を収集してもよい。
時系列画像は、異なる時刻に取得された画像群を含み、典型的には、所定のフレームレートの動画撮影で得られたフレーム群、又は、所定の時間間隔で前眼部を繰り返し撮影して得られた静止画像群であってよい。また、時系列画像は、任意のモダリティにより取得された画像であり、典型的には正面画像の群又はOCT画像の群であってよい。
以下、主に時系列画像を例に説明するが、本発明及び/又は本実施形態は、時系列画像以外にも、上述のようなひとつ又は複数の画像について適用することができる。
【0012】
正面画像は涙液の層(例えば油層)の表面反射と裏面反射とによる干渉模様を表す画像であってよい。
【0013】
実施形態の眼科検査装置は、被検眼を撮影する機能((時系列)画像を収集する機能)を備えていてよい。この機能に加えて、又は、この機能に代えて、実施形態の眼科検査装置は、他の装置、記録媒体等から(時系列)画像を取得する機能(時系列)画像を受け付ける機能)を備えていてよい。
【0014】
(画像収集部)
【0015】
(時系列)画像を受け付ける機能は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット、専用線等の通信回線を介して他の装置(画像アーカイビングシステム、スリットランプ顕微鏡、OCT装置等)から(時系列)画像を受信するための通信デバイスや、記録媒体からデータを読み取るためのデータリーダなどによって実現される(画像受付部)。
【0016】
実施形態の眼科検査装置における処理機能(演算機能、データ処理機能、画像処理機能、制御機能等)は、例えば、プロセッサ、記憶装置等のハードウェアと、演算プログラム、画像処理プログラム、制御プログラム等のソフトウェアとが協働することによって実現される。なお、ハードウェアの一部は、眼科検査装置と通信可能な外部装置に設けられていてよい。また、ソフトウェアの少なくとも一部は、眼科検査装置に予め格納されてよく、及び/又は、外部装置に予め格納されてよい。
【0017】
〈第1実施形態〉
〈構成〉
眼科検査装置の例示的な実施形態を説明する。本実施形態では、(時系列)画像を収集する機能(画像収集部)を備えた眼科検査装置について説明する。
【0018】
本実施形態の眼科検査装置の構成の例を図1に示す。眼科検査装置1は、被検眼を繰り返し撮影することにより(時系列)画像を収集し、この(時系列)画像に含まれる複数の画像のそれぞれを解析して涙液の破壊領域を特定する。
【0019】
眼科検査装置1は、(時系列)画像やそれから得られる情報を表示デバイス2に表示することができる。(時系列)画像から得られる情報の例として、涙液の厚み分布(厚みマップ)などがある。表示デバイス2は眼科検査装置1の一部であってもよいし、眼科検査装置1に接続された外部装置であってもよい。
【0020】
眼科検査装置1は、制御部10と、記憶部20と、画像収集部30と、データ処理部40と、操作部50とを含む。
【0021】
〈制御部10〉
制御部10は、眼科検査装置1の各部を制御する。制御部10はプロセッサを含む。「プロセッサ」は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array))等の回路を意味する。制御部10は、例えば、記憶回路や記憶装置(記憶部20、外部装置等)に格納されているプログラムを読み出し実行することで、実施形態に係る機能を実現することができる。
【0022】
また、制御部10は、LAN、インターネット、専用線等の通信回線を介してデータの送受信を行うための通信デバイスを含んでよい。
【0023】
〈表示制御部11〉
制御部10は表示制御部11を含む。表示制御部11は、表示デバイス2に情報を表示するための制御を実行する。表示制御部11は、表示デバイス2に表示される情報に関する処理(生成、加工、合成等)を行うことができる。表示制御部11と他の要素(制御部10の他の要素、データ処理部40等)との連係によって当該処理を実行するように構成してもよい。
【0024】
〈記憶部20〉
記憶部20には各種情報が記憶される。
【0025】
〈画像収集部30(反射信号収集部)〉
画像収集部30は、被検眼の前眼部を撮影することにより、角膜上の涙液を表す画像をひとつ又は複数収集する。さらに、1次元又は2次元にスキャンして画像を収集してもよい。また、時系列画像を収集してもよい。画像収集部30は、被検眼を繰り返し撮影することにより、角膜上の涙液の動態を表す(時系列)画像を収集することができる。
【0026】
図2に、画像収集部30の構成図を示す。画像収集部30は、撮影を実行するための光学系、駆動系、制御系、処理系を備える。例えば、画像収集部30は、広帯域波長掃引光源31、ハーフミラー32、プラチドリング33、カメラ34、制御処理部35、レンズ等を含む。
広帯域波長掃引光源31は、例えば近赤外の放射を含む白色光源にグレーティングやLVF(Linear Variable Filter)などの分光計(分光器)を組み合せ波長選択性有するものでも良い。白色光源は、例えば、ハロゲンランプ、キセノンランプ、スーパーコンティニウム光源などがある。なお、光源ドライバー(図示せず)を、広帯域波長掃引光源31に内蔵したり、または、外付けすることもできる。
制御処理部35は、広帯域波長掃引光源31、プラチドリング33を制御し、カメラ34から信号を検出し、画像を収集する。
画像収集部30は広帯域波長掃引光源31から、例えば、可視から近赤外の波長範囲に於いて特定の波長の光が選択的に発光される。ハーフミラー32により角膜に光が照射される。角膜に照射する光束は測定範囲をカバーする光束径となる。
【0027】
角膜上の涙液層からの反射光が、ハーフミラー32を透過してカメラ34にて撮像される。画像収集部30は、制御処理部35により広帯域波長掃引光源31の波長を変化させることにより、カメラ34の各画素における分光反射分布を得、これによって、分布情報取得部(涙液層厚情報取得部)44により涙液層の厚みを測定することができる。
画像収集部30は、被検眼に対向する位置にプラチド(ケラト)リング33を配置し被検眼角膜に投影したリング像をカメラ34で撮像し角膜の形状(曲率)を測定し、分布情報取得部44は、得られた角膜曲率の基準値(例えばR7.7)からのズレ量から涙液層厚の測定結果を補正することも可能である。
なお、ハーフミラーの代わりに適宜の光学系を用いてもよい。
また、カメラ34は2次元のCCDイメージセンサや他の形態の(2次元の)イメージセンサ、たとえば2次元のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなど適宜の2次元の検出デバイスを用いることが可能である。
【0028】
広帯域の波長掃引型光源31は少なくとも可視光領域から近赤外領域の連続するもしくは離散的な波長を含み、個々の波長の光を選択的に被検眼に照射することができる。あるいは白熱電球やキセノンランプ、スーパーコンテュニウム光源などの白色光源からの光を分光計や色フィルタを用いて個々の波長の略単色光として用いることもできる。カメラ34は測定波長域(可視から近赤外)の各波長に於いて各々充分な感度を有し、かつ各波長に対する感度(分光感度)の特性が既知であるものとする。カメラ34の分光感度はキャリブレーション等によって既知とされても良い。被検眼の角膜とカメラ34の受光部は光学的に共役に配置され、角膜の像がカメラ34の受光部に結像する。
【0029】
広帯域波長掃引型光源31からの測定光束はレンズ系を介してハーフミラー32で被検眼側に反射し、対物レンズ33を介して被検眼角膜を照射する。被検眼角膜で反射した測定光束は対物レンズ33、ハーフミラー32を透過しカメラ34のセンサ上に角膜像を結像する。光源31からカメラ34までの光学系は筐体内に収められ、被検眼の角膜頂点が対物レンズ33からカメラ34を結ぶ光軸と一致(X,Y方向)し、かつ対物レンズ33から角膜頂点までの一定にする(Z方向)ようアライメントを行う。アライメントの状態を検出する方法は公知の方法が用いられる。X,Y及びZのアライメント状態が許容範囲内になると、アライメントは完了となり、制御処理部35は測定を開始するトリガー信号を発する。(オートスタート)
または操作者による測定スイッチ押下などをトリガーとして測定を開始しても良い。(マニュアルスタート)
また、瞬きをカメラ34で監視し、これをトリガーとして測定を開始してもよい。
【0030】
測定が開始されると、広帯域波長掃引型光源31から特定の略単波長(波長範囲が狭い)を被検眼角膜に照射し、この反射像をカメラ34で撮像する。波長を掃引(変化)して各波長における画像を取得する。各波長で取得した各画像の少なくとも光軸上にある画素の輝度値に各波長における既知のカメラの分光感度を乗じて角膜の波長ごとの反射率分布を得る。得られた分光分布に対してスペクトル解析を行うことで涙液の油脂層、水層、ムチン層各々の厚みを求めることができる。角膜頂点以外の部位に関しても各々の画素に関して同様の処理を行うことで各部位に相当する画素の分光分布から涙液層厚を求め、涙液の厚みの分布を求めることができる。可視光における各波長での画像が記録されているため、各々波長による画像を決められた比率で重ねあわせることにより角膜のカラー画像(角膜をカラーカメラで観察したときの画像)を再現することが可能となる。連続して涙液層の時系列の変化を観察する場合、初回(任意の一測定)の測定を上記方法にて行い、涙液各層の厚み(絶対値)を求め、以降の測定は初回に対する相対的な変化を得ればよい。この場合、初回に対する角膜上各部位における色(干渉色)の変化を観測すればよい。
【0031】
ここで観察カメラ34は所謂白黒カメラであるため、角膜上の「色」を直接観察することはできないが、光源の波長をR(600nm近傍)、G(500nm近傍)、B(400nm近傍)の3波長に変化させ各々撮影した角膜画像を重ねあわせることで、カラー画像を得ることができ、当該カラー画像を時系列に取得し、比較することで、涙液層の時間的な相対変化を知ることができる。前記初回の測定では涙液層厚(絶対値)が求められているのでこれと比較することで各時間における涙液層厚(絶対値)を得ることができる。初回の測定を毎回実施することも可能であるが、広い波長範囲について反射率分光分布を取得する必要があるため、一回の測定に時間を要する。これに対して二回目以降の測定に関して一測定に対して3枚の画像(RGB)を取得するのみで済むため、測定時間を大幅に短縮でき、短い時間間隔での涙液層厚の変化を測定することができる。R画像、G画像、B画像を等間隔で連続的に取得し(R,G,B,R,G,B,R,G,B…)得られた色の画像と前二画像を合わせてカラー画像を得るようにすれば、毎回新たに3枚の画像を取得する必要がなくなり測定間隔を短縮することができる。
【0032】
得られた角膜上の各部位での涙液層厚を測定し厚さを色に変換した擬似カラー厚みマップを作成、画面上に表示することにより、涙液層の厚み分布を示すことができる。各時間における厚みマップを画面上に並べて表示することで、継時的な変化を確認することができる。時間ごとの画像を画面上の同一部位に切替えて表示することで擬似動画として呈示することができる。指定した厚みを下回った部分を強調して表示したり、前記部分の面積を求め表示しても良い。
当構成によって、受光側に専用の分光計を配置する必要がなくなり、構成が簡単になる。また、カメラと分光計の光路を分割するハーフミラーが不要であることから、角膜反射光束を効率よくカメラで受光することができる。よって、角膜に照射する光束自体を低く抑えることができ、患者への負担を低減できる。
【0033】
(角膜曲率誤差の補正)
角膜は略球面であるため、周辺部の涙液層厚の測定には角膜の曲率を考慮する必要がある。基本的には平均的な角膜曲率半径(例えばr7.7mm)として構成されている。しかし、実際には角膜の曲率半径には個人差があり、およそr6mmから9mmの範囲で分布している上、実際の角膜は中心から周辺に向かうほど曲率半径が大きく(緩く)なる非球面形状である。さらに角膜乱視眼や円錐角膜など球面からずれる場合もある。これらに対して画一的な曲率半径の球面として解析を行うと検出された涙液層厚は誤差を含むこととなる。ここで角膜の形状を測定し、涙液層厚計測結果に対して補正を行うことが望ましい。
【0034】
(プラチド法)
対物レンズの周囲には遮光板上に複数の同心円状の透光部を有するプラチド板を配置する。プラチド板33は裏面(被検眼とは反対の面)に配置した光源(近赤外LED等)により照明され、同心円状の光源となり被検眼角膜を照明する。角膜で反射した光束は角膜曲率により多重リング状の虚像を生じる。前記虚像の像をカメラ34で撮像し、各リング像の大きさ、形状の変化より公知の方法で角膜形状の分布を得る。得られた角膜の形状による補正を涙液層厚データに対して行うことで、精度の高い涙液層厚を得ることができる。
【0035】
(OCT法)
当該装置に図示しない前眼部断層画層を取得可能な前眼部OCT装置を有する。OCT測定光は対物レンズを介してスキャナで前眼部をスキャンする。スキャン方法は放射線スキャン、ラスタスキャンなどがある。前眼部断面画像(少なくとも角膜表面を含む)を取得し、断面画像を解析することで角膜形状を求め、プラチド法と同様に補正を行う。
【0036】
また、(時系列)画像を収集するためのモダリティは任意であってよく、正面画像収集部を含んでいてもよい。
正面画像収集部は、前眼部(角膜等)の正面画像を取得するよう構成され、一連の正面画像(正面画像群)からなる(時系列)画像を収集する。正面画像収集部は、例えば、従来のデジタルスリットランプ顕微鏡と同様の構成を備える。
【0037】
〈データ処理部40〉
データ処理部40は、各種のデータ処理を行う。例えば、データ処理部40は、画像処理や画像解析を行う。データ処理部40は、分布情報取得部44を含む。
【0038】
〈分布情報取得部44〉
分布情報取得部44は、(時系列)画像に含まれる複数の画像のそれぞれを解析することにより、涙液の厚みの分布情報を取得する。
【0039】
分布情報取得部44は、画像収集部30から収集画像を入力し、その画像に基づいて涙液厚分布情報を取得する。
【0040】
分布情報取得部44は、特定された油層領域及び液層領域(の少なくとも一方)に基づいて、各測定点における涙液層の厚みを求める。涙液層の厚みは、例えば、油層領域の厚み、液層領域の厚み、及び、涙液全体の厚みのうちのいずれかであってよい。ここで、液層領域の厚みは、ムチン層を含む液層の厚みであってもよいし、ムチン層を含まない液層の厚みでもよい。後者の場合、ムチン層の厚みを求めることもできる。
または人工涙液や薬液などを点眼後の薬液層厚を求めても良い
【0041】
このような処理により、例えば、油層の表面(油層と空気との境界)と裏面(油層の液層との境界)との間の距離や、液層の前面(油層の液層との境界)と裏面(液層と角膜との境界)との間の距離や、油層の表面と液層の裏面との間の距離などが算出される。
【0042】
分布情報取得部44は、取得した涙液厚分布情報に基づいて、涙液の破壊領域を特定することもできる。破壊領域は、例えば、油層が破壊された領域(油層領域が検出されない領域)、及び、液層が破壊された領域(液層領域が検出されない領域)の一方、又は、これら領域の組み合わせである。涙液全体が破壊された領域では油層領域も液層領域も検出されない。
【0043】
典型的な例において、分布情報取得部44は、油層領域の厚みが所定閾値以下である部分を油層が破壊された領域として特定することができる。また、分布情報取得部44は、液層領域の厚みが所定閾値以下である部分を液層が破壊された領域として特定することができる。また、分布情報取得部44は、涙液領域(油層領域と液層領域との合成領域)の厚みが所定閾値以下である部分を涙液層全体が破壊された領域として特定することができる。
【0044】
〈操作部50〉
操作部50は、眼科検査装置1に対してユーザが指示を入力するために使用される。操作部50は、眼科装置やコンピュータに用いられる公知の操作デバイスを含んでよい。例えば、操作部50は、マウス、タッチパッド、トラックボール、キーボード、ペンタブレット、操作パネル、ジョイスティック、ボタン、スイッチ等を含んでよい。また、操作部50は、タッチパネルを含んでよい。この場合、制御部10は、眼科検査装置1を操作するためのGUIをタッチパネルに表示することができる。
【0045】
〈正面画像取得部60〉
正面画像取得部60は、前眼部(角膜等)の正面画像を取得する。正面画像を取得するための処理は任意である。第1の例において、正面画像取得部60は、前眼部を撮影するための構成を含んでよい。
【0046】
〈動作〉
図3に、眼科検査装置の動作を表すフローチャートを示す。
例示的な眼科検査装置が実行可能な動作の幾つかの例を説明する。本例において実行される処理の流れを図3に示す。なお、患者ID等の入力や、被検眼に対する光学系のアライメントや、光学系のフォーカス調整の設定などの準備的処理は、既になされているものとする。
【0047】
(S3:涙液厚分布情報を作成する)
(なお、詳細は、図4及びその説明箇所参照)
まず、画像収集部30が、上述の「(画像収集部30)」等で説明したように、被検眼を繰り返し撮影することにより、角膜上の涙液の動態を表す(時系列)画像を収集する。典型的には、蛍光造影撮影、干渉撮影のうちの少なくとも1つを行うことができる。
なお、被検眼の前眼部を撮影することにより、角膜上の涙液を表す画像をひとつ又は複数収集する。さらに、1次元又は2次元にスキャンして画像を収集してもよい。
【0048】
表示制御部11は、収集された画像を表示デバイス2に表示することができる。表示される画像は、所望のレンダリングを3次元画像に適用して得られた画像であり、例えば、プロジェクション画像やシャドウグラム等の正面画像でもよいし、Bスキャン像等の断層像でもよいし、ボリュームレンダリング画像等の擬似的3次元画像でもよい。
【0049】
時系列画像が収集された場合、これに含まれる1以上の3次元画像をそれぞれレンダリングし、それにより得られた1以上のレンダリング画像を表示デバイス2に表示することができる。複数のレンダリング画像を表示する場合、これらを時系列に応じて配列することが可能である。また、複数のレンダリング画像を時系列の順に切り替えて表示することも可能である。
【0050】
また、時系列画像が収集された場合、時系列画像を構成する一連の3次元画像のうちから瞬目画像を特定することができる。更に、一連の瞬目画像のうちの最後の瞬目画像又はその次の画像を、開瞼開始時の画像(前述の基準画像)に設定することができる。
【0051】
分布情報取得部44は、収集された画像に基づいて、涙液厚分布情報を作成する。
【0052】
時系列画像が収集された場合、分布情報取得部44は、この時系列画像に含まれる複数の画像のそれぞれについて、そのセグメンテーション結果から涙液厚分布情報を作成する。それにより、時系列画像に含まれる複数の画像に対応する複数の涙液厚分布情報が得られる。複数の涙液厚分布情報は、涙液の厚み分布の経時変化、つまり涙液の動態を表す。
【0053】
(S4:前眼部の正面画像を取得する)
次に、正面画像取得部60が、例えば、前眼部を撮影することにより、電子カルテシステム等にアクセスすることにより、又は、ステップS3で収集された画像をレンダリングすることにより、前眼部の正面画像を取得する。
【0054】
正面画像を取得するタイミングは任意であってよい。例えば、ステップS3よりも前又は後に、電子カルテシステム等にアクセスすることにより、又は、前眼部を撮影することにより、前眼部の正面画像を取得することができる。或いは、ステップS3よりも後の任意のタイミングにおいて、ステップS3で収集された画像をレンダリングすることにより、前眼部の正面画像を取得することができる。
【0055】
(S5:涙液厚分布画像と正面画像との合成画像を表示する)
続いて、表示制御部11(及びデータ処理部40)が、ステップS3で作成された涙液厚分布情報に基づいて画像(涙液厚分布画像)を形成し、この涙液厚分布画像とステップS4で取得された正面画像とを合成して表示デバイス2に表示する。涙液厚分布画像は、例えば、涙液厚分布情報が表す各点の厚み値を疑似カラーで表現した疑似カラーマップである。
【0056】
一例において、涙液厚分布画像と正面画像との合成表示は、涙液厚分布画像と正面画像とを合成する画像処理と、それにより形成された合成画像を表示する制御とを含む。他の例にいて、合成表示は、レイヤー表示機能等を利用することにより涙液厚分布画像と正面画像とを重ねて表示する制御を含む。このように2つ(以上)の画像を表示制御で重ねて得られた表示画像も合成画像の例である。合成表示において、涙液厚分布画像と正面画像とのレジストレーションを行うことができる。このレジストレーションは、例えば、涙液厚分布画像の基になった3次元画像と正面画像とのレジストレーションを介して実行される。
【0057】
複数の画像又は時系列画像が収集された場合、これに含まれる1以上の3次元画像に基づく涙液厚分布画像と正面画像との合成画像を表示デバイス2に表示することができる。複数の合成画像を表示する場合、これらを時系列に応じて配列することが可能である。また、複数の合成画像を時系列の順に切り替えて表示することも可能である。
(時系列画像)
図3において時系列画像を取得するためには、例えば、ステップS3及びS4の処理を予め定められた回数又は時間、繰り返して実行し、取得された画像(データ)を記憶部20に時系列画像(データ)として記憶し、ステップS5で、表示制御部11(及びデータ処理部40)が、記憶部20から読み出した時系列画像(データ)を複数の静止画又は動画により表示デバイス2に表示すればよい。
【0058】
図4に、涙液厚分布情報を作成するための動作を表すフローチャートを示す。このフローチャートは、図3のステップS3の詳細フローチャートの一例を示す。
なお、薄膜・涙液層の厚さ測定に関しては、例えば、以下のインターネット・ホームページ又は文献に記載されたような、周知又は公知の方法を用いることができる。
・https://www.hamamatsu.com/jp/ja/technology/innovation/spectroscopic/index.html
・国際公開第2016/147782号
・Fogt et al. 「Interferometric measurement of tear film thickness by use of spectral oscillations」, J. Opt. Soc. Am. A/Vol.15,No.1/January 1998, pp.268-275
【0059】
本実施の形態による涙液層厚み測定について、以下に説明する。
一般に、涙液層に光(白色光等)が入射すると、層内部で多重反射が発生し、各多重反射光の位相差は、光の波長と光路長によって決まる。ここで、
光路長=涙液層内で光が往復する距離×涙液の屈折率
である。
このように、反射する光の色は涙液層の厚みと相関する(なお、涙液の屈折率は個々については不明であることが想定されるため、予め定められた値・決まった値を用いることになる。)。一般に、光の色と涙液層の厚みの相関は線形関係となり、一例として、以下の式が挙げられる。
2nd=(m+(1/2))λ
ここで、n:屈折率、d:涙液層の厚み、m:整数、λ:波長(色に相当)
【0060】
しかし、「色」がわかっても分光分布がわからないと「膜厚」の特定はできない。よって、ある領域(この例では、角膜頂点等の少なくとも角膜中央部。)においての分光分布と「色」の双方を測定してこの時の分光分布から「層厚」を求めることができれば、「色」と「層厚」の関係を得ることができる。
本実施の形態では、少なくとも角膜中央部において分光分布(分光反射スペクトル)を測定することにより、「色」と「層厚」の関係を得る。そして、この関係を基準として他の部位の「色」(RGBカラー画像から得た)から「層厚」を推定する。
なお、角膜中央部に限らず適宜の予め定められた位置において測定した分光分布(分光反射スペクトル)を基準として用いても良い。
【0061】
以下各ステップを説明する。
・S101 光源部波長掃引
測定が開始されると、画像収集部30は、制御処理部35の制御により、光源31の波長を変化(掃引)させ、特定の略単波長(波長範囲が狭い)の光を、被検眼の少なくとも角膜中央部に照射し、この反射像をカメラ34で撮像する。画像収集部30は、制御処理部35により、ステップS101で波長を掃引(変化)して各波長における取得した画像を、分布情報取得部44に出力し、記憶部20に記憶する。なお、取得した画像には、R(600nm近傍)、G(500nm近傍)、B(400nm近傍)の3波長における画像も含まれる。
・S102 角膜中央部の分光反射分布を取得
分布情報取得部44は、画像収集部30から入力した画像により、少なくとも角膜中央部の各々の波長における反射率を得る。例えば、分布情報取得部44は、各波長で取得した各画像の少なくとも角膜中央部の画素の輝度値に各波長における既知のカメラの分光感度を乗じて、角膜の波長ごとの反射率分布を得る。分布情報取得部44は、得られた反射率分布を記憶部20に記憶する。
【0062】
・S103 スペクトル解析による層厚算出
分布情報取得部44は、得られた分光反射スペクトルを解析して涙液層厚値を求める。涙液層からの分光分布は、膜厚に依存した特有のスペクトルになるので、このスペクトルを解析することで、膜厚を求めることができる。解析方法としては、例えば、カーブフィッティング法による解析(スペクトルの測定値と理論値の差(例、差の二乗等)が最小になる厚さを求める方法)や、高速フーリエ変換(FFT)による解析等の適宜の解析方法を用いることができる。
なお、分布情報取得部44は、涙液層厚としては、涙液層全体の厚さの他にも、涙液の油脂層、水層、ムチン層等の各々の厚みを適宜求めることができる。
・S104 カラー画像相関算出
分布情報取得部44は、反射スペクトルから色と層厚の相関を求める。分布情報取得部44は、色と層厚の相関のデータを記憶部20に記憶する。
例えば、「層厚」は、ステップS103で求められ、「色」はステップS101及びS102で、R(600nm近傍)、G(500nm近傍)、B(400nm近傍)の3波長における画像を既に取得しているので、各々撮影したこれらの角膜画像を重ねあわせることで、カラー画像を得ることで、求めることができる。これにより、例えば、上述した式「2nd=(m+(1/2))λ」のmを特定して、色(波長)と層厚の相関を求めることができる。
【0063】
・S105 R光による角膜広範囲撮影
つぎに、分布情報取得部44は、角膜頂点以外の部位に関しても各々の画素に関して同様の処理を行うことで、各部位に相当する画素の分光分布から涙液層厚を求め、涙液の厚みの分布を求めることができる。ここで、カメラ34は、カラーカメラでない(例えば、所謂白黒カメラ)ため、角膜上の「色」を直接観察することはできないが、光源31の波長をR(600nm近傍)、G(500nm近傍)、B(400nm近傍)の3波長に変化させ、各々撮影した角膜画像を重ねあわせることで、カラー画像を得ることができる。
まず、画像収集部30は、光源31の光源色をRとし角膜全体(測定範囲)の画像を得る。画像収集部30は、得られた画像を、分布情報取得部44に出力し、記憶部20に記憶する。する。
・S106 G光による角膜広範囲撮影
つぎに、画像収集部30は、光源31の光源色をGとし角膜全体(測定範囲)の画像を得る。画像収集部30は、得られた画像を、分布情報取得部44に出力し、記憶部20に記憶する。
・S107 B光による角膜広範囲撮影
つぎに、画像収集部30は、光源31の光源色をBとし角膜全体(測定範囲)の画像を得る。画像収集部30は、得られた画像を、分布情報取得部44に出力し、記憶部20に記憶する。
・S108 RGB画像によるカラー画像作成
つぎに、分布情報取得部44は、記憶部20を参照し、画像収集部30が得たR画像、G画像、B画像から、カラー画像(各領域の色)を得て、記憶部20に記憶する。分布情報取得部44は、可視光における各波長での画像が記録されているため、各々波長による画像を決められた比率で重ねあわせることにより角膜のカラー画像(角膜をカラーカメラで観察したときの画像)を再現することが可能となる。
【0064】
・S109 カラー画像層厚換算
分布情報取得部44は、記憶部20を参照し、ステップS104で求めた、色と層厚の相関に基づき、カラー画像の各領域の「色」を「層厚」に換算(変換)する。
・S110 層厚マップ表示
分布情報取得部44は、各部位の「層厚」をマップ状に作成し、表示制御部11により表示デバイス22に表示する。たとえば、得られた角膜上の各部位での涙液層厚を色に変換した擬似カラー厚みマップを作成、画面上に表示することにより、涙液層の厚み分布を示すことができる。また、各時間における厚みマップを画面上に並べて表示することで、継時的な変化を確認することができる。また、時間ごとの画像を画面上の同一部位に切替えて表示することで擬似動画として呈示することができる。また、指定した厚みを下回った部分を強調して表示したり、前記部分の面積を求め表示しても良い。
【0065】
なお、画像収集部30及び/又は分布情報取得部44は、取得、出力、及び/又は入力した画像や、色と層厚の相関等の各データを適宜のタイミングで記憶部20に記憶すること及び/又は記憶部20から読み出すこと、また、表示制御部11により表示デバイス2に表示することができる。また、ステップS105、S106、S107において、R,G,Bの各画像の取得順序は、適宜定めることができる。
【0066】
(時系列処理)
以降、時系列測定を実施する場合は、分布情報取得部44及び画像収集部30等は、ステップS105以降をループ処理する。
すなわち、時系列画像を取得する場合は、図4のステップS105以降を繰り返してカラー画像を得ることで層厚時系列マップを順次作成することで得られる。但し、常に3枚(RGB)の画像を取得して1枚の層厚マップを得ていたのでは時間がかかり、その間に涙液層が変化してしまう場合も考えられる。そこで、本実施の形態では、次のように各画像を取得する。すなわち、
(i)一枚目のR画像(R1)と、一枚目のG画像(G1)と、一枚目のB画像(B1)により、一枚目の層厚マップを得る。
(ii)つぎに、二枚目の層厚マップは、二枚目のR画像(R2)を取得し、既に取得された一枚目のG画像(G1)及びB画像(B1)と、二枚目のR画像(R2)から得る。
(iii)さらに、三枚目の層厚マップは、二枚目のG画像(G2)を取得し、すでに取得された一枚目のB画像(B1)及び二枚目のR画像(R2)と、G画像(G2)から得る。
このように一色の画像のみ更新して連続してマップを作成すれば毎回3色の画像を取得するのに比べて更新処理が1/3になる。なお、R,G,Bの各画像の取得順序は、適宜定めることができる。
【0067】
図3、「S4:前眼部の正面画像を取得する」の変形例)
なお、図4のステップS108にて前眼部の画像は既にカラー画像として取得しているので、図3のステップS4で取得し直さなくてもよい。この場合、図3のステップS4を省略し、図3のステップS5の「涙液厚分布画像と正面画像との合成画像を表示する」処理では、分布情報取得部44は、図4のステップS108で得られた前眼部画像に、図4のステップS110で得られた層厚マップを重ねて表示すればよい。
【0068】
以上のように、本実施形態では、例えば、光源側で色成分に分解した測定光を角膜に照射してカメラで検出するといった新規の発想に基づいている。よって、受光側に分光計は構成に含まれないので、シンプルな構成とすることができる。
【0069】
以上に説明した構成は、この発明を好適に実施するための一例に過ぎない。よって、この発明の要旨の範囲内における任意の変形(省略、置換、付加等)を適宜に施すことが可能である。
【0070】
(構成例)
以下に、本発明及び/又は本実施の形態の構成例を示す。
[構成例1]
涙液層厚み測定装置であって、
光源部と、受光素子と、制御処理部と、光学系とを有し、被検眼の前眼部反射光を受光することにより、角膜上の涙液層界面を表す信号を収集する反射信号収集部と、
前記反射信号収集部が収集した信号に基づいて、涙液層の厚みの情報を取得する涙液層厚情報取得部と、
前記涙液層厚情報取得部により取得された涙液層の厚みの情報を、表示部に表示させる表示制御部、
を備え、
前記光源部は、前記制御処理部の制御により、広帯域な波長範囲を有し、で予め定められた波長パターンの光を、前記光学系を経て角膜に照射し、
前記イメージセンサは、涙液層からの反射光を前記光学系を経て受光し、
前記制御処理部は、前記受光素子が受光した信号により、角膜上の涙液層の画像を得て、画像を前記涙液層厚情報取得部に出力する、
涙液層厚み測定装置。

[構成例2]
構成例1に記載の涙液層厚み測定装置であって、
前記反射信号収集部は、前記光源の波長を予め定められた波長パターンに変化させることにより、前記受光素子における分光反射分布を得て、
前記涙液層厚情報取得部は、前記受光素子が得た分光反射分布によって、涙液層の厚みを測定する、
ことを特徴とする涙液層厚み測定装置。

[構成例3]
構成例1又は2に記載の涙液層厚み測定装置であって、
前記反射信号収集部は、前記光源の波長を変化させ、被検眼の少なくとも角膜中央部に照射し、この反射像を撮像し、
前記涙液層厚情報取得部は、前記反射信号収集部が撮像した画像により、少なくとも角膜中央部の各々の波長における反射率を得て分光反射スペクトルを求め、得られた分光反射スペクトルを解析して涙液層厚値を求め、色と層厚の相関を求め、
前記涙液層厚情報取得部は、光源の波長をR、G、Bに変化させ、各々撮影した角膜画像を重ねあわせることで、カラー画像を得て、色と層厚の相関に基づき、カラー画像の各領域の色を層厚に変換し、
前記涙液層厚情報取得部は、各部位の層厚をマップ状に作成し、前記表示制御部により表示する、
ことを特徴とする涙液層厚み測定装置。

[構成例4]
構成例3に記載の涙液層厚み測定装置であって、
時系列の第1のタイミングにおいて、
前記反射信号収集部は、前記光源の色をR,G,Bにぞれぞれ定めて、予め定められた測定範囲をそれぞれ撮影して、R画像、G画像、B画像を取得し、
前記涙液層厚情報取得部は、R画像、G画像、B画像を、予め定められた比率で重ねあわせることにより、第1のタイミングの角膜のカラー画像を得て、
時系列の第2のタイミングにおいて、
前記反射信号収集部は、前記光源の色をR,G,Bの内いずれかひとつに定めて、予め定められた測定範囲をそれぞれ撮影して画像を取得し、
前記涙液層厚情報取得部は、いずれかひとつの光源色で新たに撮影された画像と、既に撮影された他の2つの光源色の画像を、予め定められた比率で重ねあわせることにより、第2のタイミングの角膜のカラー画像を得る、
ことを特徴とする涙液層厚み測定装置。

[構成例5]
構成例1乃至4のいずれかに記載の涙液層厚み測定装置であって、
被検眼に対向する位置に配置しプラチドリング
をさらに備え、
前記反射信号収集部は、前記プラチドリングにより被検眼角膜に投影されたリング像を前記イメージセンサで撮像し、
前記涙液層厚情報取得部は、前記反射信号収集部が得た画像によって、角膜の形状又は曲率を測定し、得られた角膜曲率の予め定められた基準値からのズレ量から涙液層厚の測定結果を補正する、
ことを特徴とする涙液層厚み測定装置。

[構成例6]
構成例1乃至5のいずれかに記載の涙液層厚み測定装置であって、
前記光源は、広帯域波長掃引光源、又は、近赤外の放射を含む白色光源とグレーティング若しくはLVF(Linear Variable Filter)若しくは他の分光計とを備え波長選択性を有する光源であることを特徴とする涙液層厚み測定装置。

[構成例7]
構成例1乃至6のいずれかに記載の涙液層厚み測定装置であって、
前記角膜の正面画像を取得する正面画像取得部
をさらに備え、
前記表示制御部は、前記涙液層厚情報取得部により取得された涙液の厚みの分布画像と、前記正面画像取得部により取得された正面画像との合成画像を表示部に表示させることを特徴とする涙液層厚み測定装置。

[構成例8]
構成例1乃至7のいずれかに記載の涙液層厚み測定装置であって、
前記涙液層厚情報取得部は、さらに、分布情報に基づいて、涙液の破壊領域を特定することを特徴とする涙液層厚み測定装置。

[構成例9]
構成例1乃至8のいずれかに記載の涙液層厚み測定装置であって、
前記イメージセンサは、分光感度特性が既知であるイメージセンサであることを特徴とする涙液層厚み測定装置。

[構成例10]
涙液層厚み測定装置における涙液層厚み測定方法であって、
前記涙液層厚み測定装置は、
光源部と、受光素子と、制御処理部と、光学系とを有し、被検眼の前眼部反射光を受光することにより、角膜上の涙液層界面を表す信号を収集する反射信号収集部と、
前記反射信号収集部が収集した信号に基づいて、涙液層の厚みの情報を取得する涙液層厚情報取得部と、
前記涙液層厚情報取得部により取得された涙液層の厚みの情報を、表示部に表示させる表示制御部、
を備え、
前記光源部は、前記制御処理部の制御により、広帯域な波長範囲を有し、で予め定められた波長パターンの光を、前記光学系を経て角膜に照射し、
前記イメージセンサは、涙液層からの反射光を前記光学系を経て受光し、
前記制御処理部は、前記受光素子が受光した信号により、角膜上の涙液層の画像を得て、画像を前記涙液層厚情報取得部に出力する、
涙液層厚み測定方法。
【符号の説明】
【0071】
1 眼科検査装置
2 表示デバイス
10 制御部
11 表示制御部
20 記憶部
30 画像収集部
40 データ処理部
44 分布情報取得部
50 操作部

図1
図2
図3
図4