【解決手段】構造物は、建築物を構成する移動可能な可動構造物と、前記可動構造物に駆動力を付与して前記可動構造物を移動させる駆動部と、前記可動構造物と一体で移動可能に設けられ、前記駆動部に電力を供給する充電可能な電源部とを備える。
前記可動構造物が前記待機位置に配置されて前記電源部が前記充電部に接続される場合、前記電源部に蓄電される電力が、次回の充電までに前記可動構造物の移動に用いられる消費電力以上になるように、前記電源部の充電動作を制御する制御部を更に備える
請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の構造物。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の屋根や可動席等の可動構造物は、重量物であるため1回の移動に要する電力は大きいが、例えば1日における稼働時間及び移動回数が少なく、所定の期間における消費電力量は少ない。一方、少ない消費電力量に関わらず、固定電源や配線等の設備が大掛かりとなるため、設備効率の面で改善が求められている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、設備効率を向上することが可能な構造物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る構造物は、建築物を構成する移動可能な可動構造物と、前記可動構造物に駆動力を付与して前記可動構造物を移動させる駆動部と、前記可動構造物と一体で移動可能に設けられ、前記駆動部に電力を供給する充電可能な電源部とを備える。
【0007】
本発明によれば、駆動部に電力を供給する充電可能な電源部が当該駆動部に設けられるため、構造物の移動時に固定電源及び配線等の設備が不要となる。これにより、設備効率を向上することができる。また、配線が不要となることで可動構造物の移動の自由度が高められるため、幅広い設計が可能となる。
【0008】
また、前記電源部は、前記可動構造物及び前記駆動部の少なくとも一方に対して着脱可能に設けられてもよい。
【0009】
従って、電源部を容易に交換することが可能となる。
【0010】
また、前記電源部は、当該電源部を移動可能な移動機構を有してもよい。
【0011】
従って、電源部自体を移動させることができるため、電源部の着脱作業を容易に行うことができる。
【0012】
また、前記可動構造物は、前記電源部を充電する充電部が配置された待機位置に移動可能であってもよい。
【0013】
従って、可動構造物の移動が行われない待機状態において、効率的に電源部の充電が可能となる。
【0014】
前記充電部は、前記可動構造物が前記待機位置に配置された状態で前記電源部に接続される位置に設けられてもよい。
【0015】
従って、可動構造物を待機位置に移動させる動作と、電源部と充電部とを接続する動作とを連動させて行うことが可能となるため、電源部と充電部との接続作業の効率化を図ることができる。
【0016】
また、前記可動構造物は、複数の前記待機位置の間を移動可能であり、前記充電部は、複数の前記待機位置毎に配置されてもよい。
【0017】
従って、可動構造物が複数の待機位置に移動する場合、移動先の各待機位置において電源部に充電可能となる。この構成により、電源部が一の待機位置から他の待機位置まで片道の移動を確保できる容量を有していれば十分となるため、電源部の容量の小型化を図ることができる。
【0018】
また、前記可動構造物が前記待機位置に配置されて前記電源部が前記充電部に接続される場合、前記電源部に蓄電される電力が、次回の充電までに前記可動構造物の移動に用いられる消費電力以上になるように、前記電源部の充電動作を制御する制御部を更に備えてもよい。
【0019】
従って、充電動作において、十分な電力を電源部に効率的に充電することができる。
【0020】
また、前記可動構造物は、前記建築物の屋根部であってもよい。
【0021】
従って、屋根部を移動させる場合に、電源部から供給される電力により駆動部を稼働させることができるため、屋根部を移動させるための固定電源及び配線等の設備が不要となる。また、配線が不要となることで屋根部の移動の自由度が高められるため、幅広い設計が可能となる。
【0022】
また、前記可動構造物は、前記建築物内に設けられ、複数の座席が配置された可動席であってもよい。
【0023】
従って、可動席を移動させる場合に、電源部から供給される電力により駆動部を稼働させることができるため、可動席を移動させるための固定電源及び配線等の設備が不要となる。また、配線が不要となることで可動席の移動の自由度が高められるため、幅広い設計が可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、設備効率を向上することが可能な構造物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る構造物の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0027】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る構造物である屋根装置100の一例を概略的に示す斜視図である。
図2は、屋根装置100の一例を概略的に示す側面図である。
図1及び
図2に示すように、屋根装置100は、例えばスタジアム等の建築物101に設けられ、軌道40が延びる方向に開閉可能である。屋根装置100は、建築物101における客席101aの一部を開放させる開放位置P1と、客席101aを閉塞する閉塞位置P2(
図6等参照)との間で移動可能である。なお、屋根装置100が開閉する構成については、これに限定されず、他の形態で開閉する構成であってもよい。屋根装置100は、屋根部(可動構造物)10と、複数の走行台車(駆動部)20と、電源部30と、制御部CT1とを備える。
【0028】
屋根部10は、建築物101の屋根を構成する。屋根部10は、例えば板状に形成され、上方に湾曲した形状を有するが、屋根部10の形状についてはこれに限定されない。屋根部10は、閉じた状態では建築物101の全体を覆うように配置される。また、屋根部10は、開いた状態では建築物101の少なくとも一部を開放するように配置される。
【0029】
複数の走行台車20は、屋根部10に連結される支持部11を介して当該屋根部10を支持する。
図3は、走行台車20一例を示す側面図である。
図3に示すように、走行台車20は、本体部21と、走行部22と、走行駆動部23とを有する。本体部21は、支持部11に連結される。走行部22は、本体部21を移動させる車輪等の走行装置を有する。走行駆動部23は、例えばモータ等が用いられ、走行部22を駆動する。走行駆動部23は、複数の走行台車20の全てに設けられる構成に限定されず、複数の走行台車20のうち少なくとも1つに設けられていればよい。
【0030】
各走行台車20は、走行部22により軌道40上を走行する。複数の走行台車20は、軌道40上を走行することで、軌道40が延びる方向に屋根部10を移動させる。本実施形態において、軌道40は、例えば直線状である。従って、走行台車20の走行方向Dは、軌道40に沿った直線方向である。また、屋根部10の移動方向は、軌道40に沿った直線方向である。
【0031】
電源部30は、屋根部10と一体で移動可能に設けられる。電源部30は、複数の走行台車20の走行駆動部23に電力を供給する。電源部30は、例えば走行台車20のそれぞれに取り付けられてもよい。なお、電源部30は、建築物101の他の装置等の電源として用いてもよいし、建築物101の停電時に非常電源として用いてもよい。本実施形態において、電源部30は、例えば1つの走行台車20に設けられるが、これに限定されず、屋根部10の支持部11に設けられてもよい。また、電源部30は、1つに限定されず、2つ以上設けられてもよい。電源部30は、充電可能な充電池が用いられる。電源部30に蓄電される電力の値は、例えば制御部CT1に送信される。
【0032】
電源部30は、例えば充電部50に接続されることで充電可能である。充電部50は、例えば屋根部10の開放位置P1及び閉塞位置P2の少なくとも一方に配置することができる。本実施形態において、充電部50は、開放位置P1に配置される充電部51と、閉塞位置P2に配置される充電部52とを含む。以下、2つの充電部50を区別しないで説明する場合には充電部50と表記して説明し、2つの充電部50を区別して説明する場合には「充電部51、52」と異なる符号を付して説明する。このように、複数の待機位置毎に充電部50を配置することで、待機位置毎の充電が可能となる。充電部51及び充電部52は、同様の構成とすることができる。
【0033】
充電部50は、屋根部10が開放位置P1及び閉塞位置P2の各待機位置に配置された状態で電源部30に対応する位置に配置される。例えば、充電部51は、屋根部10が開放位置P1に配置された状態で電源部30に接続される位置に配置される。充電部52は、屋根部10が閉塞位置P2に配置された状態で電源部30に接続される位置に配置される。なお、充電部51及び充電部52の位置は、これに限定されず、屋根部10が開放位置P1及び閉塞位置P2の各待機位置に配置された状態で電源部30に接続されない位置、例えば電源部30に近接する位置等に配置されてもよい。この場合、電源部30と各充電部50との間を配線等により接続することができる。
【0034】
また、充電部50は、屋根部10が開放位置P1及び閉塞位置P2の各待機位置から他の待機位置に移動する場合、電源部30との接続が解除されるように設けられてもよい。この構成により、屋根部10の移動動作と、電源部30と充電部50との間の接続解除動作を連動して行うことができる。
【0035】
本実施形態において、開放位置P1及び閉塞位置P2の各待機位置に充電部50が配置される。したがって、電源部30は、屋根部10を開放位置P1から閉塞位置P2まで片道分だけ移動可能な電力を少なくとも供給する構成であればよい。この場合、電源部30は、例えば当該電源部30の重量と、屋根部10及び走行台車20の重量とを加算した重量の物体を、所定の移動速度で、開放位置P1から閉塞位置P2までの距離だけ移動可能な電力(以下、片道移動電力と表記する)を充電及び供給可能な寸法に設定することができる。この場合、重量については例えば2000(トン)以上15000(トン)以下の範囲、移動速度については例えば3(m/分)以上5(m/分)以下の範囲、移動距離については例えば50m以上200m以下の範囲に設定することができる。なお、重量、移動速度、移動距離については、この範囲に限定されない。
【0036】
制御部CT1は、屋根装置100の開閉動作を統括的に制御する。制御部CT1は、屋根装置100との間で有線又は無線により通信可能である。制御部CT1は、例えば複数の走行台車20を駆動するタイミング、移動速度、移動距離等を制御する。
【0037】
また、制御部CT1は、屋根部10が開放位置P1又は閉塞位置P2に配置されて電源部30が充電部50に接続される場合、電源部30に蓄電される電力が、次回の充電までに屋根部10の移動に用いられる消費電力以上になるように、電源部30の充電動作を制御する。
【0038】
本実施形態において、開放位置P1及び閉塞位置P2の各待機位置に充電部50が配置される。次回の充電までに屋根部10の移動に用いられる消費電力は、上記の片道移動電力となる。したがって、制御部CT1は、各充電動作において、電源部30に蓄電される電力が上記の片道移動電力以上となった場合、電源部30の充電動作を制御する。例えば、制御部CT1は、電源部30に蓄電される電力が移動可能電力以上となった場合、電源部30と充電部50との間の電気的接続を解除させてもよいし、両者の電気的接続を解除するよう報知してもよい。また、制御部CT1は、電源部30に蓄電される電力の値を不図示の表示部等に表示させてもよい。この場合、作業者が表示部に表示された電力の値を見ながら電源部30の充電動作を手動で行うことができる。
【0039】
次に、上記のように構成された屋根装置100の動作を説明する。
図4から
図6は、屋根装置100の動作を説明するための図である。まず、
図4に示すように、屋根部10が開放位置P1に配置された状態で、電源部30が充電部51に接続されている。この場合、制御部CT1は、電源部30に蓄電される電力が移動可能電力を超えた後、電源部30と充電部51との間の電気的接続を解除させた状態で待機させる。
【0040】
この状態で、制御部CT1は、例えば外部から屋根部10を閉塞位置P2に移動するよう指令があった場合、
図5に示すように、屋根部10を閉塞方向D2に移動させる。この場合、制御部CT1は、複数の走行台車20が閉塞方向D2に移動するように制御する。この制御により、複数の走行台車20が閉塞方向D2に移動する。なお、屋根部10の移動に連動して電源部30と充電部50との接続が解除される構成の場合、屋根部10を移動させる前に電源部30と充電部50との間の接続解除作業を行わなくても電源部30と充電部50とが接続解除されるため、移動動作の効率化を図ることができる。
【0041】
制御部CT1は、
図6に示すように屋根部10が閉塞位置P2に到達した場合に、複数の走行台車20の移動を停止させる。これにより、屋根部10が閉塞位置P2に配置される。屋根部10が閉塞位置P2に配置されることにより、電源部30が充電部52に接続される。制御部CT1は、電源部30に蓄電される電力が移動可能電力を超えた後、電源部30と充電部52との間の電気的接続を解除させた状態で待機させる。
【0042】
一方、制御部CT1は、例えば外部から屋根部10を開放位置P1に移動するよう指令があった場合、屋根部10を開放方向D1に移動させる。この場合、制御部CT1は、複数の走行台車20が開放方向D1に移動するように制御する。この制御により、複数の走行台車20が開放方向D1に移動する。この場合も、屋根部10の移動に連動して電源部30と充電部50との接続が解除される構成の場合、屋根部10を移動させる前に電源部30と充電部50との間の接続解除作業を行わなくても電源部30と充電部50とが接続解除されるため、移動動作の効率化を図ることができる。
【0043】
そして、制御部CT1は、屋根部10が開放位置P1に到達した場合に、複数の走行台車20の移動を停止させる。これにより、屋根部10が開放位置P1に配置される。屋根部10が開放位置P1に配置されることにより、電源部30が充電部51に接続される。制御部CT1は、電源部30に蓄電される電力が移動可能電力を超えた後、電源部30と充電部51との間の電気的接続を解除させた状態で待機させる。このように、屋根部10が複数の待機位置の間を移動する場合、移動先の各待機位置において電源部30に充電可能となる。この構成により、電源部30が一の待機位置から他の待機位置まで片道の移動を確保できる容量を有していれば十分となるため、電源部30を小型化することが可能となる。
【0044】
以上のように、本実施形態に係る屋根装置100は、建築物101を構成する移動可能な屋根部10と、屋根部10に駆動力を付与して当該屋根部10を移動させる複数の走行台車20と、屋根部10と一体で移動可能に設けられ、複数の動向台車20に電力を供給する充電可能な電源部30とを備える。この構成によれば、複数の走行台車20の走行駆動部23に電力を供給する充電可能な電源部30が当該走行台車20に設けられるため、屋根装置100の移動時に固定電源及び配線等の設備が不要となる。これにより、設備効率を向上することができる。また、配線が不要となることで屋根部10の移動の自由度が高められるため、幅広い設計が可能となる。
【0045】
また、電源部30は、走行台車20に対して着脱可能に設けられる。従って、電源部30を容易に交換することが可能となる。
【0046】
また、屋根部10は、電源部30を充電する充電部50が配置された待機位置(開放位置P1、閉塞位置P2)に移動可能である。従って、屋根部10の移動が行われない待機状態において、効率的に電源部30の充電が可能となる。
【0047】
また、充電部50は、屋根部10が待機位置(開放位置P1、閉塞位置P2)に配置された状態で電源部30に接続される位置に設けられる。この構成によれば、屋根部10を待機位置に移動させる動作と、電源部30と充電部50とを接続する動作とを連動させて行うことが可能となるため、電源部30と充電部50との接続作業の効率化を図ることができる。
【0048】
また、屋根部10は、複数の待機位置(開放位置P1、閉塞位置P2)の間を移動可能であり、充電部50は、複数の待機位置毎に配置される。この構成によれば、屋根部10が複数の待機位置に移動する場合、移動先の各待機位置において電源部30に充電可能となる。この構成により、電源部30が一の待機位置から他の待機位置まで片道の移動を確保できる容量を有していれば十分となるため、電源部30の容量の小型化を図ることができる。
【0049】
また、屋根部10が待機位置(開放位置P1、閉塞位置P2)に配置されて電源部30が充電部50に接続される場合、電源部30に蓄電される電力が、次回の充電までに屋根部10の移動に用いられる消費電力以上になるように、電源部30の充電動作を制御する制御部CT1を更に備える。この構成によれば、充電動作において、十分な電力を電源部30に効率的に充電することができる。
【0050】
また、可動構造物が、建築物101の屋根部10である。従って、屋根部10を移動させる場合に、電源部30から供給される電力により走行台車20の走行駆動部23を稼働させることができるため、屋根部10を移動させるための固定電源及び配線等の設備が不要となる。また、配線が不要となることで屋根部10の移動の自由度が高められるため、幅広い設計が可能となる。
【0051】
[第2実施形態]
図7は、第2実施形態に係る構造物である可動席装置200の一例を概略的に示す平面図である。
図7に示すように、可動席装置200は、例えば平面視で楕円形状の劇場等の建築物201に設けられる。可動席装置200は、例えばスクリーン202に対向する待機位置P11と、スクリーン203に対向する待機位置P12との間を、建築物201の外壁に沿った曲線状の経路を回転しながら移動可能である。スクリーン202、203は、観賞用の画像を表示可能である。なお、スクリーン202、203に加えて、又はスクリーン202、203に代えて、舞台等が設けられてもよい。また、スクリーン202、203、舞台等が可動席装置200に対応して移動可能であってもよい。
【0052】
可動席装置200は、可動席(可動構造物)110と、移動装置(駆動部)120と、電源部130と、制御部CT2とを有する。可動席110は、複数の座席が一体で移動可能に配置される。移動装置120は、車輪等の走行部と、この走行部を駆動するモータ等の走行駆動部とを有する。電源部130は、可動席110と一体で移動可能に配置される。本実施形態において、電源部130は、例えば可動席110の底部に配置されるが、これに限定されない。電源部130は、充電可能な充電池が用いられる。電源部130に蓄電される電力の値は、例えば制御部CT2に送信される。電源部130は、当該電源部130の重量と、可動席110及び移動装置120の重量とを加算した重量の物体を、待機位置P11から待機位置P12まで、所定の移動速度で移動可能な電力(以下、移動可能電力と表記する)を充電及び供給することができる。この場合、重量については例えば15000(トン)以下の範囲、移動速度については例えば3.5(m/分)以下の範囲、移動距離については例えば70m以下の範囲に設定することができる。なお、重量、移動速度、移動距離については、この範囲に限定されない。
【0053】
電源部130は、例えば充電部150に接続されることで充電可能である。充電部150は、例えば可動席110の待機位置P11及び待機位置P12の少なくとも一方に配置することができる。本実施形態において、充電部150は、待機位置P11に配置される充電部151と、待機位置P12に配置される充電部152とを含む。以下、2つの充電部150を区別しないで説明する場合には充電部150と表記して説明し、2つの充電部150を区別して説明する場合には「充電部151、152」と異なる符号を付して説明する。このように、複数の待機位置毎に充電部150を配置することで、待機位置毎の充電が可能となる。充電部151及び充電部152は、同様の構成とすることができる。
【0054】
充電部150は、可動席110が待機位置P11、P12の各待機位置に配置された状態で電源部130に対応する位置に配置される。例えば、充電部150は、建築物201の床部に配置される。なお、充電部50の位置は、これに限定されず、可動席110が待機位置P11及び待機位置P12の各待機位置に配置された状態で電源部130に接続されない位置、例えば電源部130に近接する位置等に配置されてもよい。この場合、電源部130と各充電部150との間を配線等により接続することができる。
【0055】
制御部CT2は、可動席装置200の開閉動作を統括的に制御する。第1実施形態と同様、制御部CT2は、可動席装置200との間で有線又は無線により通信可能である。制御部CT2は、例えば移動装置120を駆動するタイミング、移動速度、移動距離等を制御する。また、制御部CT2は、可動席110が待機位置P11、P12に配置されて電源部130が充電部150に接続される場合、電源部130に蓄電される電力が、可動席110を所定の速度で待機位置P11と待機位置P12との間を移動可能な消費電力(以下、移動可能電力と表記する)以上になるように、電源部130の充電動作を制御する。例えば、制御部CT2は、電源部130に蓄電される電力が移動可能電力を超えた後、電源部130と充電部150との間の電気的接続を解除させてもよい。また、制御部CT2は、電源部130に蓄電される電力の値を不図示の表示部等に表示させてもよい。この場合、作業者が表示部に表示された電力の値を見ながら電源部130の充電動作を手動で行うことができる。
【0056】
本実施形態によれば、可動席110を移動させる場合に、電源部130から供給される電力により移動装置120を稼働させることができるため、可動席110を移動させるための固定電源及び配線等の設備が不要となる。また、配線が不要となることで可動席110の移動の自由度が高められるため、例えば上記のように建築物201の外壁に沿った曲線状の経路を回転しながら移動するような、幅広い設計が可能となる。
【0057】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記した実施形態の構成に加えて、電源部30、130が移動機構を有してもよい。
図8及び
図9は、変形例に係る電源部30Aの一例を示す図である。
図8及び
図9では、第1実施形態における屋根装置100の変形例を示しているが、これに限定されず、第2実施形態における可動席装置200においても同様の説明が可能である。
【0058】
図8に示すように、電源部30Aは、本体部31と、移動機構32とを有する。移動機構32は、本体部31を支持する支持部32aと、車輪等の走行部32bとを有する。なお、移動機構32は、走行部32bを駆動する駆動源を有してもよい。電源部30Aは、走行台車20に対して移動可能である。例えば、作業者が電源部30Aを走行台車20に移動させ、本体部31を走行台車20に一体に装着することができる。また、移動機構32が駆動源を有する場合、外部から遠隔操作して電源部30Aを走行台車20に移動させ、本体部31を走行台車20に一体に装着可能な構成であってもよい。このような構成により、電源部30A自体を移動させることができるため、電源部30Aの着脱作業を容易に行うことができる。また、
図9に示すように、電源部30Aは、走行台車20に装着された後、走行台車20と一体で移動可能であってもよい。