(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-183969(P2019-183969A)
(43)【公開日】2019年10月24日
(54)【発明の名称】エンジン作業機
(51)【国際特許分類】
F16M 1/00 20060101AFI20190927BHJP
F02B 63/00 20060101ALI20190927BHJP
【FI】
F16M1/00 J
F02B63/00 B
F02B63/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-75861(P2018-75861)
(22)【出願日】2018年4月11日
(71)【出願人】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(72)【発明者】
【氏名】櫻木 勇人
(57)【要約】
【課題】ケーシングとオイルガードとを簡単な工程で一体化でき、さらに、クレーンで吊り上げた際にオイルガードの強度を確保できるエンジン作業機を提供する。
【解決手段】ケーシング12の下部に設けた架台13の上に、作業機とエンジン14とを収容し、エンジン14の下方にオイルガード17を配置する。オイルガード17は、長方形状の底板17aと、該底板17aの四周に立設される側板17bとから成る上部に開口を有した箱形に形成され、底板17aに、サイドフレーム13aに直交する複数のオイルガード支持フレーム17cを溶接する。オイルガード支持フレーム17cの両端部を、オイルガード17の側板17bから突出させるとともに、オイルガード支持フレーム17cとサイドフレーム13aとを溶接する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングの下部に設けられた架台の上に、作業機と該作業機を駆動するエンジンとを収容し、前記エンジンの下方にオイルガードを配置したエンジン作業機において、前記架台は、前記ケーシングの長手方向両側部を支持する一対のサイドフレームと、両サイドフレームに架け渡される複数の機器支持フレームとを有し、前記オイルガードは、長方形状の底板と、該底板の四周に立設される側板とから成る上部に開口を有した箱形に形成され、前記底板に、前記サイドフレームに直交するとともに両端部が前記側板から突出する複数のオイルガード支持フレームを溶接し、該オイルガード支持フレームと前記サイドフレームとを溶接したことを特徴とするエンジン作業機。
【請求項2】
前記オイルガードは、前記サイドフレームに対向する側板と底板とに亘ってドレンポート取付部を形成し、該ドレンポート取付部に外方に突出するドレンポートを突設するとともに、前記サイドフレームにドレンポート挿通孔を形成し、前記ドレンポートは、先端側を前記ドレンポート挿通孔に挿通させた状態で外方に突出することを特徴とする請求項1記載のエンジン作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン作業機に関し、詳しくは、作業機を駆動するエンジンの下方にオイルガードを配置したエンジン作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジン作業機では、エンジンから漏れたオイルが外部に漏れることを防止するために、ケーシングの下部に、オイルを受けるオイルガードを設けたものがあった。
【0003】
また、上部が開口した箱形の前記オイルガードの清掃や点検は、ケーシングに設けられた点検扉を介して行うことができ、オイルガードとケーシングとは、取り外し可能なようにボルトで固定しているものがあった。(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5642614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のエンジン作業機では、オイルガードとケーシングのボルト止めに手間が掛かっていた。また、オイルガードは、底面積が広く、且つ、ケーシングに比べて板厚の薄い板材で形成されていることから、オイルガードとケーシングとを溶接した場合、エンジン作業機をクレーン等で吊り上げて移動させると、オイルガードに歪みが生じて損傷したり、オイルガード内に溜まった油分などが外部に漏洩したりする虞があった。
【0006】
そこで本発明は、ケーシングとオイルガードとを簡単な工程で一体化させることができるとともに、クレーンで吊り上げた際にオイルガードの強度を確保することができるエンジン作業機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のエンジン作業機は、ケーシングの下部に設けられた架台の上に、作業機と該作業機を駆動するエンジンとを収容し、前記エンジンの下方にオイルガードを配置したエンジン作業機において、前記架台は、前記ケーシングの長手方向両側部を支持する一対のサイドフレームと、両サイドフレームに架け渡される複数の機器支持フレームとを有し、前記オイルガードは、長方形状の底板と、該底板の四周に立設される側板とから成る上部に開口を有した箱形に形成され、前記底板に、前記サイドフレームに直交するとともに両端部が前記側板から突出する複数のオイルガード支持フレームを溶接し、該オイルガード支持フレームと前記サイドフレームとを溶接したことを特徴としている。
【0008】
また、前記オイルガードは、前記サイドフレームに対向する側板と底板とに亘ってドレンポート取付部を形成し、該ドレンポート取付部に外方に突出するドレンポートを突設するとともに、前記サイドフレームにドレンポート挿通孔を形成し、前記ドレンポートは、先端側を前記ドレンポート挿通孔に挿通させた状態で外方に突出すると好適である。
【発明の効果】
【0009】
本発明のエンジン作業機によれば、オイルガードの底板にオイルガード支持フレームを溶接するとともに、該オイルガード支持フレームをサイドフレームに溶接することによりオイルガードとケーシングとを一体化させたので、ケーシングとオイルガードとを簡単な工程で一体化させることができる。さらに、オイルガード支持フレームによりオイルガードの強度を確保することができ、エンジン作業機をクレーン等で吊り上げて移動させる際に、オイルガードが歪んで損傷したり、オイルガード内に溜まった油分などが外部に漏洩したりする虞がない。
【0010】
また、オイルガードに設けたドレンポートの先端側を、サイドフレームに形成したドレンポート挿通孔に挿通させていることから、サイドフレームにドレンポートが連結され、オイルガードの脱落防止機能を付することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一形態例を示すエンジン作業機の断面側面図である。
【
図3】本発明の一形態例を示すエンジン作業機の要部平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1乃至
図6は本発明のエンジン作業機の一形態例を示す図である。エンジン作業機11は、防音構造を有するケーシング12の下部に設けられた架台13の上に、作業機の一つである発電機(図示せず)と、該発電機を駆動するエンジン14と、燃料タンク15,ラジエータ16などの機器とを収容している。また、エンジン14の下方には、オイルガード17が配置されている。
【0013】
ケーシング12は、略直方体の箱状に形成され、側壁には機器の保守点検作業を行うための複数の点検扉が設けられている。架台13は、ケーシング12の長手方向両側部を支持する一対のサイドフレーム13a,13aと、両サイドフレーム13a,13aの上部に架け渡される複数の機器支持フレーム13bとを有している。
【0014】
オイルガード17は、長方形状の底板17aと、底板17aの四周に立設される側板17bとから成る上部に開口を有した箱形に形成されている。また、底板17aには、サイドフレーム13aに直交し、両端部が側板17bよりも外方に突出する2本のオイルガード支持フレーム17c,17cが溶接され、該オイルガード支持フレーム17c,17cの両端をサイドフレーム13a,13aに溶接することにより、オイルガード17がケーシング12に固着されて一体化される。また、オイルガード17とサイドフレーム13aとの間には、隙間が形成されている。
【0015】
また、オイルガード17の対角位置にある角部近傍には、サイドフレーム13aに対向する側板17bと底板17aとに亘ってドレンポート取付部17d,17dがそれぞれ形成され、該ドレンポート取付部17dにドレンポート18がそれぞれ突設されている。ドレンポート18は、ドレンポート取付部17dに溶接される円筒部18aと、該円筒部18aの先端に螺合される先端部材18bと、該先端部材18bに螺合される栓体18cとを備えている。また、サイドフレーム13aには、先端部材18bを挿通させるドレンポート挿通孔13cが形成されている。
【0016】
各ドレンポート18は、ドレンポート取付部17dに溶接された円筒部18aに向けて、サイドフレーム13aの外側から、先端に栓体18cを螺合した先端部材18bを、ドレンポート挿通孔13cに挿通させ、円筒部18aに螺合させることにより、オイルガード17に取り付けられる。
【0017】
本形態例は上述のように形成され、エンジン14の下方にオイルガード17を設けたことにより、エンジン14から漏洩した油分や冷却水などをオイルガード17に落下させ、ドレンポート18を介して回収することができる。また、オイルガード17の清掃や点検は、ケーシング12に設けられた点検扉(図示せず)を開けて行うことができる。
【0018】
さらに、オイルガード17の底板17aにオイルガード支持フレーム17cを溶接し、該オイルガード支持フレーム17cの両端をサイドフレーム13aに溶接して、オイルガード17とケーシング12とを一体化させたことにより、ケーシング12とオイルガード17とを簡単な工程で一体化させることができる。また、オイルガード支持フレーム17cによりオイルガード17の強度を確保することができることから、エンジン作業機11をクレーンで吊り上げて移動させる際に、オイルガード17が歪んで損傷したり、オイルガード17内に溜まった油分などが外部に漏洩したりすることがない。
【0019】
さらに、オイルガード17に外方に突出するドレンポート18が設けられ、ドレンポート18の先端部材18bをサイドフレーム13aに形成したドレンポート挿通孔13cに挿通させたことにより、万が一、オイルガード17がケーシング12から外れそうになっても、ドレンポート18がドレンポート挿通孔13cに挿通されていることから、サイドフレーム13aにドレンポート18が連結され、オイルガード17の脱落防止機能を付することができる。
【0020】
なお、本発明のエンジン作業機は上述の形態例に限るものではなく、オイルガードの底板にオイルガード支持フレームを3本以上設けるものでもよい。さらに、オイルガードにドレンポートを設ける位置は任意であり、また、ドレンポートの先端側をサイドフレームに挿通させなくても差し支えない。
【符号の説明】
【0021】
11…エンジン作業機、12…ケーシング、13…架台、13a…サイドフレーム、13b…機器支持フレーム、13c…ドレンポート挿通孔、14…エンジン、15…燃料タンク、16…ラジエータ、17…オイルガード、17a…底板、17b…側板、17c…オイルガード支持フレーム、17d…ドレンポート取付部、18…ドレンポート、18a…円筒部、18b…先端部材、18c…栓体