【解決手段】情報処理装置は、凹状の表示不能なノッチ部分を有する表示部と、利用者から受け付けたトリガに応じて、前記ノッチ部分に隠れた表示対象を、前記ノッチ部分を避けるように前記表示部に表示する表示制御部とを備える。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態による情報処理装置、及び表示制御方法について、図面を参照して説明する。
【0018】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態によるノートPC1の一例を示す外観図である。また、
図2は、第1の実施形態によるノートPC1の主要なハードウェア構成の一例を示す図である。なお、本実施形態において、情報処理装置の一例として、ノートPC(パーソナルコンピュータ)1について説明する。
【0019】
図1に示すように、ノートPC1は、ノート型のパーソナルコンピュータであり、凹状の表示不能なノッチ部分141を有する表示部14を備える。また、ノッチ部分141には、撮像部27が配置されている。
【0020】
また、
図2に示すように、ノートPC1は、CPU11と、メインメモリ12と、ビデオサブシステム13と、表示部14と、チップセット21と、BIOSメモリ22と、HDD23と、USBコネクタ24と、オーディオシステム25と、WLANカード26と、撮像部27と、エンベデッドコントローラ31と、キー入力部32と、ポインティングデバイス33と、電源回路34とを備える。
【0021】
CPU(Central Processing Unit)11は、プログラム制御により種々の演算処理を実行し、ノートPC1全体を制御する。
メインメモリ12は、CPU11の実行プログラムの読み込み領域として、又は、実行プログラムの処理データを書き込む作業領域として利用される書き込み可能メモリである。メインメモリ12は、例えば、複数個のDRAM(Dynamic Random Access Memory)チップで構成される。この実行プログラムには、OS(Operating System)、周辺機器類をハードウェア操作するための各種デバイスドライバ、各種サービス/ユーティリティ、アプリケーションプログラム等が含まれる。
【0022】
ビデオサブシステム13は、画像表示に関連する機能を実現するためのサブシステムであり、ビデオコントローラを含んでいる。このビデオコントローラは、CPU11からの描画命令を処理し、処理した描画情報をビデオメモリに書き込むとともに、ビデオメモリからこの描画情報を読み出して、表示部14に描画データ(表示データ)として出力する。
【0023】
表示部14は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイであり、ビデオサブシステム13から出力された描画データ(表示データ)に基づく表示画面を表示する。表示部14は、
図1に示すように、狭額縁のディスプレイであり、後述する撮像部27を配置した部分がノッチ部分141として、表示不能になっている。
【0024】
チップセット21は、USB(Universal Serial Bus)、シリアルATA(AT Attachment)、SPI(Serial Peripheral Interface)バス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス、PCI−Expressバス、及びLPC(Low Pin Count)バスなどのコントローラを備えており複数のデバイスが接続される。
図1では、デバイスの例示として、BIOSメモリ22と、HDD23と、USBコネクタ24と、オーディオシステム25と、WLANカード26と、撮像部27と、エンベデッドコントローラ31とが、チップセット21に接続されている。
【0025】
BIOS(Basic Input Output System)メモリ22は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュROMなどの電気的に書き換え可能な不揮発性メモリで構成される。BIOSメモリ22は、BIOS、及びエンベデッドコントローラ31などを制御するためのシステムファームウェアなどを記憶する。
【0026】
WLAN(Wireless Local Area Network)カード26は、ワイヤレス(無線)LANにより、ネットワークに接続して、データ通信を行う。WLANカード26は、例えば、ネットワークからのデータを受信した際に、データを受信したことを示すイベントトリガを発生する。
撮像部27は、例えば、可視光用のカメラと、顔認識や視線検出用の赤外線カメラとを有する。撮像部27は、表示部14のノッチ部分141に配置されている。
【0027】
エンベデッドコントローラ31は、ノートPC1のシステム状態に関わらず、各種デバイス(周辺装置やセンサ等)を監視し制御するワンチップマイコン(One-Chip Microcomputer)である。また、エンベデッドコントローラ31は、電源回路34を制御する電源管理機能を有している。なお、エンベデッドコントローラ31は、不図示のCPU、ROM、RAMなどで構成されるとともに、複数チャネルのA/D入力端子、D/A出力端子、タイマ、及びデジタル入出力端子を備えている。エンベデッドコントローラ31には、それらの入出力端子を介して、例えば、キー入力部32、ポインティングデバイス33、及び電源回路34などが接続されており、エンベデッドコントローラ31は、これらの動作を制御する。
【0028】
キー入力部32は、例えば、キーボードやタッチパネルなどの入力デバイスであり、利用者からのキー入力を受け付ける。また、ポインティングデバイス33は、マウスやタッチパッドなどの入力デバイスであり、主に表示画面上の位置の指定や、操作ボタンなどの操作対象(オブジェクト)の指定又は選択などを受け付ける。
【0029】
電源回路34は、例えば、DC/DCコンバータ、充放電ユニット、電池ユニット、AC/DCアダプタなどを含んでおり、AC/DCアダプタ、又は電池ユニットから供給される直流電圧を、ノートPC1を動作させるために必要な複数の電圧に変換する。また、電源回路34は、エンベデッドコントローラ31からの制御に基づいて、ノートPC1の各部に電力を供給する。
【0030】
次に、
図3を参照して、本実施形態によるノートPC1のシステムについて説明する。
図3は、本実施形態によるノートPC1の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、ノートPC1のシステムは、ソフトウェアにより実現される、入力インタフェース部41と、キー入力ドライバ42と、OS43と、アプリケーション44と、表示ドライバ45と、撮像ドライバ46と、視線検出ユーティリティ47とを備えている。また、ノートPC1のシステムは、本実施形態の主要なハードウェアとして、チップセット/CPU(21、11)と、表示部14と、撮像部27と、エンベデッドコントローラ31と、キー入力部32と、ポインティングデバイス33とを備えている。
【0031】
また、
図3において、アプリケーション44、OS43、サービス/ユーティリティ、デバイスドライバ、及びBIOSは、HDD23又はBIOSメモリ22に記憶されているプログラムをメインメモリ12に読み込み、CPU11が実行することにより実現される。ここで、視線検出ユーティリティ47が、サービス/ユーティリティに対応し、キー入力ドライバ42、表示ドライバ45、及び撮像ドライバ46が、デバイスドライバに対応する。また、入力インタフェース部41が、BIOSに対応する。
【0032】
入力インタフェース部41は、利用者によるキー入力部32及びポインティングデバイス33の操作を受け付けて、キー入力ドライバ42に出力する。
キー入力ドライバ42は、OS43において、キー入力部32及びポインティングデバイス33を利用するためのデバイスドライバである。キー入力ドライバ42は、例えば、入力インタフェース部41が受け付けた利用者によるキー入力部32及びポインティングデバイス33の操作に応じて、当該操作の内容を示す操作情報を入力インタフェース部41から取得し、取得した操作情報をOS43に出力する。
【0033】
OS43は、例えば、Windows(登録商標)などの基本ソフトであり、入力インタフェース部41を介して、キー入力部32又はポインティングデバイス33から取得した操作情報を、アプリケーション44、又は、他のデバイスドライバに提供する。
アプリケーション44は、OS43上で動作するアプリケーションソフトウェアであり、例えば、ワープロソフトや表計算ソフトなどである。アプリケーション44は、例えば、OS43及びキー入力ドライバ42を介して取得した操作情報に応じて、各種処理を実行する。
【0034】
撮像ドライバ46は、OS43において、撮像部27を利用するためのデバイスドライバである。撮像ドライバ46は、例えば、チップセット21を介して、撮像部27を制御する。
視線検出ユーティリティ47(視線検出部の一例)は、撮像ドライバ46を用いて、撮像部27によって撮像された利用者の画像に基づいて、利用者の視線を検出する。視線検出ユーティリティ47は、例えば、表示部14が表示する表示画面における視線の位置を検出する。視線検出ユーティリティ47によって検出された利用者の視線は、OS43、アプリケーション44、及び他のデバイスドライバに利用される。
【0035】
表示ドライバ45(表示制御部の一例)は、OS43において、表示部14を利用するためのデバイスドライバである。表示ドライバ45は、例えば、OS43又はアプリケーション44からの要求によって、各種情報(表示画面)を、表示部14に表示する。また、表示ドライバ45は、利用者から受け付けたトリガに応じて、表示部14のノッチ部分141に隠れた表示対象(操作対象など)を、ノッチ部分141を避けるように表示部14に表示するか否かを切り替える。
【0036】
表示ドライバ45は、例えば、表示部14に全画面表示させる場合に、
図4の画面G1のように、ノッチ部分141に表示対象が隠れるように表示させる。この表示状態において、例えば、トリガとして、ポインティングデバイス33によって、ノッチ部分141を含む所定の範囲内が指し示されたことを受け付けた場合に、表示ドライバ45は、
図5の画面G2に示すように、ノッチ部分141に隠れた表示対象を、ノッチ部分141を避けるように表示部14に表示する切り替えを実行する。ここで、所定の範囲とは、例えば、ノッチ部分141から所定の距離以内の範囲であってもよいし、ノッチ部分141によって隠れているメニューバー領域の範囲などであってもよい。
【0037】
また、表示ドライバ45は、ノッチ部分141に隠れた表示対象を表示する際に、ノッチ部分141を避けて表示するように、表示部14に表示する表示画面データのアスペクト比(横縦比又は解像度)を変更する。すなわち、表示ドライバ45は、ノッチ部分141と、ノッチ部分141と等しい幅の非表示領域142とに表示対象が表示されないように、表示画面データの縦と横の比率を変更するデータ変換処理を実行する。表示ドライバ45は、当該データ変換された表示画面データを、
図5の画面G2に示すように、表示部14に表示させる。
【0038】
次に、図面を参照して、本実施形態によるノートPC1の動作について説明する。
図6は、本実施形態によるノートPC1の表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0039】
図6に示すように、ノートPC1の表示ドライバ45は、全画面表示が要求されたか否かを判定する(ステップS101)。表示ドライバ45は、アプリケーション44又はOS43から全画面表示の要求があるか否かを判定する。表示ドライバ45は、全画面表示が要求された場合(ステップS101:YES)に、処理をステップS102に進める。また、表示ドライバ45は、全画面表示が要求されていない場合(ステップS101:NO)に、処理をステップS101に戻す。
【0040】
ステップS102において、表示ドライバ45は、表示部14の全画面表示を実行する。表示ドライバ45は、ノッチ部分141を含んだ全画面領域において全画面表示を実行する。すなわち、表示ドライバ45は、表示部14に、
図4の画面G1のような表示画面を表示させる。
【0041】
次に、表示ドライバ45は、ノッチ部分141の表示トリガとして、ノッチ部分141周辺が指し示されたか否かを判定する(ステップS103)。表示ドライバ45は、ポインティングデバイス33によるイベントトリガの発生に応じて、キー入力ドライバ42を介してポインティングデバイス33によって指し示されている表示画面上の位置情報を取得し、ノッチ部分141周辺(所定の範囲内)が指し示されているか否かを判定する。表示ドライバ45は、ノッチ部分141周辺が指し示された場合(ステップS103:YES)に、処理をステップS104に進める。また、表示ドライバ45は、ノッチ部分141周辺が指し示されていない場合(ステップS103:NO)に、処理をステップS102に戻す。
【0042】
ステップS104において、表示ドライバ45は、ノッチ部分141を避けてアスペクト比を変更した表示画面データを表示する。表示ドライバ45は、ノッチ部分141及び非表示領域142を除いた領域において全画面表示を行うように、表示画面データのアスペクト比(横縦比)を変更し、アスペクト比を変更した当該表示画面データを表示部14に表示させる。すなわち、表示ドライバ45は、表示部14に、
図5の画面G2のような表示画面を表示させる。
【0043】
次に、表示ドライバ45は、ノッチ部分141の非表示トリガとして、ノッチ部分141周辺以外が指し示されたか否かを判定する(ステップS105)。表示ドライバ45は、ポインティングデバイス33によるイベントトリガの発生に応じて、ポインティングデバイス33によって指し示されている表示画面上の位置情報を取得し、ノッチ部分141周辺以外(所定の範囲以外)が指し示されているか否かを判定する。表示ドライバ45は、ノッチ部分141周辺以外が指し示された場合(ステップS105:YES)に、処理をステップS102に戻して、ノッチ部分141を含んだ全画面領域において全画面表示を実行する。
また、表示ドライバ45は、ノッチ部分141周辺が指し示されている場合(ステップS105:NO)に、処理をステップS104に戻す。
【0044】
以上説明したように、本実施形態によるノートPC1(情報処理装置)は、表示部14と、表示ドライバ45(表示制御部)とを備える。表示部14は、凹状の表示不能なノッチ部分141を有する。表示ドライバ45は、利用者から受け付けたトリガに応じて、ノッチ部分141に隠れた表示対象を、ノッチ部分141を避けるように表示部14に表示するか否かを切り替える。すなわち、表示ドライバ45は、利用者から受け付けたトリガに応じて、ノッチ部分141に隠れた表示対象を、ノッチ部分141を避けるように表示部14に表示する。
これにより、本実施形態によるノートPC1は、トリガに応じてノッチ部分141に隠れた表示対象(操作対象)を、ノッチ部分141を避けるように表示を切り替えできるため、ノッチ部分141に操作対象の表示が隠れて、操作が困難になることを防止できる。よって、本実施形態によるノートPC1は、ノッチ部分141付きの表示部14における利便性を向上させることができる。
【0045】
また、本実施形態では、表示ドライバ45は、ノッチ部分141に隠れた表示対象を表示する際に、ノッチ部分141を避けて表示するように、表示部14に表示する表示画面データの少なくとも一部のアスペクト比(横縦比)を変更する。
これにより、本実施形態によるノートPC1は、簡易な手法によって、ノッチ部分141を避けるように表示を切り替えできることができる。
【0046】
また、表示ドライバ45は、トリガ(表示トリガ)として、ポインティングデバイス33によって、ノッチ部分141を含む所定の範囲内が指し示されたことを受け付けた場合に、ノッチ部分141に隠れた表示対象を、ノッチ部分141を避けるように表示部14に表示する切り替えを実行する。すなわち、トリガが、ポインティングデバイス33によって、ノッチ部分141を含む所定の範囲が指し示されたことである。
これにより、本実施形態によるノートPC1では、例えば、マウスやタッチパットなどのポインティングデバイス33でノッチ部分141を指し示すことで、簡単にノッチ部分141を避けるように表示を切り替えできることができる。よって、本実施形態によるノートPC1は、さらに利便性を向上させることができる。
【0047】
また、表示ドライバ45は、トリガ(非表示トリガ)として、ポインティングデバイス33によって、ノッチ部分141を含む所定の範囲以外が指し示されたことを受け付けた場合に、ノッチ部分141に表示対象を隠すように表示部14に表示する切り替えを実行する。
これにより、本実施形態によるノートPC1では、例えば、マウスやタッチパットなどのポインティングデバイス33でノッチ部分141以外を指し示すことで、簡単に表示部14を全体に使用した大画面の表示に切り替えできることができる。
【0048】
また、本実施形態では、表示ドライバ45は、デバイスドライバであり、デバイスドライバの処理として、ノッチ部分141に対応した表示の切り替えを実現する。
これにより、本実施形態によるノートPC1は、例えば、Windows(登録商標)などのOS43を変更することなく、デバイスドライバを変更することで、容易にノッチ部分141に対応した表示の切り替えを行うことができる。
【0049】
また、本実施形態による表示制御方法は、凹状の表示不能なノッチ部分141を有する表示部14を備えるノートPC1の表示制御方法であって、トリガ受付ステップと、表示制御ステップとを含む。トリガ受付ステップにおいて、表示ドライバ45は、利用者からトリガを受け付ける。表示制御ステップにおいて、表示ドライバ45は、トリガ受付ステップによって、利用者から受け付けたトリガに応じて、ノッチ部分141に隠れた表示対象を、ノッチ部分141を避けるように表示部14に表示するか否かを切り替える。
これにより、本実施形態による表示制御方法は、上述したノートPC1と同様の効果を奏し、ノッチ部分141付きの表示部14における利便性を向上させることができる。
【0050】
[第2の実施形態]
次に、図面を参照して、第2の実施形態によるノートPC1について説明する。
本実施形態では、ノッチ部分141を避けるように表示部14に表示するか否かを切り替えるためのトリガが、所定のキー入力操作である場合の変形例について説明する。
なお、第2の実施形態によるノートPC1の外観及び構成は、上述した
図1〜
図3に示す第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0051】
本実施形態における表示ドライバ45は、トリガとして、キー入力部32によって、所定のキー入力操作を受け付けた場合に、ノッチ部分141に隠れた表示対象を、ノッチ部分141を避けるように表示部14に表示する切り替えを実行する。すなわち、表示ドライバ45は、キー入力ドライバ42を用いてキー入力部32から取得したキー操作情報が、所定のキー入力操作である場合に、ノッチ部分141に隠れた表示対象を、ノッチ部分141を避けるように表示部14に表示させる。ここで、所定のキー入力操作は、ファンクションキーなどの特定のキーボタンが押下される操作でもよいし、複数のキーボタンの押下を組み合せた操作であってもよい。
【0052】
次に、
図7を参照して、本実施形態によるノートPC1の動作について説明する。
図7は、本実施形態によるノートPC1の表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0053】
図7において、ステップS201及びステップS202の処理は、上述した
図6に示すステップS101及びステップS102の処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0054】
ステップS203において、表示ドライバ45は、ノッチ部分141の表示トリガとして、所定のキー入力操作を受け付けたか否かを判定する。表示ドライバ45は、キー入力部32によるイベントトリガの発生に応じて、キー入力ドライバ42を介してキー入力部32のキー操作情報を取得し、所定のキー入力操作を受け付けたか否かを判定する。表示ドライバ45は、所定のキー入力操作を受け付けた場合(ステップS203:YES)に、処理をステップS204に進める。また、表示ドライバ45は、所定のキー入力操作を受け付けていない場合(ステップS203:NO)に、処理をステップS202に戻す。
【0055】
ステップS204において、表示ドライバ45は、上述した
図6のステップS104の処理と同様に、ノッチ部分141を避けてアスペクト比を変更した表示画面データを表示する。
【0056】
次に、表示ドライバ45は、ノッチ部分141の非表示トリガとして、所定のキー入力操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS205)。表示ドライバ45は、キー入力部32によるイベントトリガの発生に応じて、キー入力ドライバ42を介してキー入力部32のキー操作情報を取得し、所定のキー入力操作を受け付けたか否かを判定する。なお、ここでの所定のキー入力操作は、上述した表示トリガとしてのキー操作と同一であってもよいし、異なるキー操作であってもよい。表示ドライバ45は、所定のキー入力操作を受け付けた場合(ステップS205:YES)に、処理をステップS202に戻して、ノッチ部分141を含んだ全画面領域において全画面表示を実行する。
また、表示ドライバ45は、所定のキー入力操作を受け付けていない場合(ステップS205:NO)に、処理をステップS204に戻す。
【0057】
以上説明したように、本実施形態によるノートPC1では、表示ドライバ45は、トリガ(表示トリガ)として、キー入力部32によって、所定のキー入力操作を受け付けた場合に、ノッチ部分141に隠れた表示対象を、ノッチ部分141を避けるように表示部14に表示する切り替えを実行する。
これにより、本実施形態によるノートPC1では、利用者が、例えば、キーボードなどのキー入力部32によって所定のキー入力操作を行うことで、簡単にノッチ部分141を避けるように表示を切り替えできることができる。よって、本実施形態によるノートPC1は、さらに利便性を向上させることができる。
【0058】
また、表示ドライバ45は、トリガ(非表示トリガ)として、キー入力部32によって、所定のキー入力操作を受け付けた場合に、ノッチ部分141に表示対象を隠すように表示部14に表示する切り替えを実行する。すなわち、トリガが、キー入力部32によって、所定のキー入力操作を受け付けた場合である。
これにより、本実施形態によるノートPC1では、例えば、利用者が所定のキー入力操作を行うことで、簡単に表示部14を全体に使用した大画面の表示に切り替えできることができる。
【0059】
[第3の実施形態]
次に、図面を参照して、第3の実施形態によるノートPC1について説明する。
本実施形態では、ノッチ部分141を避けるように表示部14に表示するか否かを切り替えるためのトリガが、利用者の視線でノッチ部分141周辺が指し示されたことである場合の変形例について説明する。
なお、第3の実施形態によるノートPC1の外観及び構成は、上述した
図1〜
図3に示す第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0060】
本実施形態における表示ドライバ45は、トリガとして、視線検出ユーティリティ47によって、ノッチ部分141を含む所定の範囲内に利用者の視線を検出したことを受け付けた場合に、ノッチ部分141に隠れた表示対象を、ノッチ部分141を避けるように表示部14に表示する切り替えを実行する。視線検出ユーティリティ47は、撮像ドライバ46を介して、利用者の撮像画像を取得し、当該撮像画像に基づいて、表示部14の画面上の視線を検出する。表示ドライバ45は、視線検出ユーティリティ47が検出した利用者の視線が、ノッチ部分141を含む所定の範囲内である場合に、ノッチ部分141に隠れた表示対象を、ノッチ部分141を避けるように表示部14に表示させる。
【0061】
次に、
図8を参照して、本実施形態によるノートPC1の動作について説明する。
図8は、本実施形態によるノートPC1の表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0062】
図8において、ステップS301及びステップS302の処理は、上述した
図6に示すステップS101及びステップS102の処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0063】
ステップS303において、表示ドライバ45は、ノッチ部分141の表示トリガとして、視線によりノッチ部分141周辺が指し示されたか否かを判定する。表示ドライバ45は、視線検出ユーティリティ47によるイベントトリガの発生に応じて、視線検出ユーティリティ47から利用者の視線情報(表示部14の画面上の視線)を取得し、利用者の視線がノッチ部分141周辺(所定の範囲内)を指し示しているか否かを判定する。表示ドライバ45は、視線によりノッチ部分141周辺が指し示された場合(ステップS303:YES)に、処理をステップS304に進める。また、表示ドライバ45は、視線によりノッチ部分141周辺が指し示されていない場合(ステップS303:NO)に、処理をステップS302に戻す。
【0064】
ステップS304において、表示ドライバ45は、上述した
図6のステップS104の処理と同様に、ノッチ部分141を避けてアスペクト比を変更した表示画面データを表示する。
【0065】
次に、表示ドライバ45は、ノッチ部分141の非表示トリガとして、視線によりノッチ部分141周辺以外が指し示されたか否かを判定する(ステップS305)。視線検出ユーティリティ47によるイベントトリガの発生に応じて、視線検出ユーティリティ47から利用者の視線情報(表示部14の画面上の視線)を取得し、利用者の視線がノッチ部分141周辺以外(所定の範囲以外)を指し示しているか否かを判定する。表示ドライバ45は、視線によりノッチ部分141周辺以外が指し示された場合(ステップS305:YES)に、処理をステップS302に戻して、ノッチ部分141を含んだ全画面領域において全画面表示を実行する。
また、表示ドライバ45は、視線によりノッチ部分141周辺が指し示されている場合(ステップS305:NO)に、処理をステップS304に戻す。
【0066】
以上説明したように、本実施形態によるノートPC1では、表示ドライバ45は、トリガ(表示トリガ)として、利用者の視線を検出する視線検出ユーティリティ47(視線検出部)によって、ノッチ部分141を含む所定の範囲に利用者の視線を検出したことを受け付けた場合に、隠れた表示対象を、ノッチ部分141を避けるように表示部14に表示する切り替えを実行する。すなわち、トリガが、利用者の視線を検出する視線検出ユーティリティ47によって、ノッチ部分141を含む所定の範囲に利用者の視線を検出したことを受け付けた場合である。
これにより、本実施形態によるノートPC1では、利用者が、例えば、利用者が、ノッチ部分141周辺に視線を向けることで、簡単にノッチ部分141を避けるように表示を切り替えできることができる。よって、本実施形態によるノートPC1は、さらに利便性を向上させることができる。
【0067】
また、表示ドライバ45は、トリガ(非表示トリガ)として、視線検出ユーティリティ47(視線検出部)によって、ノッチ部分141を含む所定の範囲以外に利用者の視線を検出したことを受け付けた場合に、ノッチ部分141に表示対象を隠すように表示部14に表示する切り替えを実行する。
これにより、本実施形態によるノートPC1では、例えば、利用者がノッチ部分141から視線を外すことで、簡単に表示部14を全体に使用した大画面の表示に切り替えできることができる。
【0068】
[第4の実施形態]
次に、図面を参照して、第4の実施形態によるノートPC1について説明する。
本実施形態では、ノッチ部分141に隠れた表示対象を表示する際に、表示対象の表示位置を変更する変形例について説明する。
なお、第4の実施形態によるノートPC1の外観及び構成は、上述した
図1〜
図3に示す第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0069】
本実施形態における表示ドライバ45は、ノッチ部分141に隠れた表示対象を表示する際に、ノッチ部分141を避けて表示するように、表示対象の表示位置を変更する。例えば、表示ドライバ45は、ノッチ部分141に隠れた表示対象を表示する際に、ノッチ部分141を避けて表示するように、表示部14に表示する表示画面の表示位置を移動する。すなわち、表示ドライバ45は、表示画面全体の表示位置を下にずらして、表示対象の表示位置を変更する。
【0070】
次に、
図9を参照して、本実施形態によるノートPC1の動作について説明する。
図9は、本実施形態によるノートPC1の表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0071】
図9において、ステップS401からステップS403、及びステップS405の処理は、上述した
図6に示すステップS101からステップS103、及びステップS105の処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
本実施形態では、ステップS403において、表示ドライバ45は、ノッチ部分141周辺が指し示された場合(ステップS403:YES)に、処理をステップS404に進める。
【0072】
ステップS404において、表示ドライバ45は、ノッチ部分141を避けて表示画面の表示位置を移動する。すなわち、表示ドライバ45は、ノッチ部分141を避けて表示するように表示画面全体の表示位置を下にずらして、表示部14に表示する表示画面の表示位置を移動する。
【0073】
以上説明したように、本実施形態によるノートPC1では、表示ドライバ45は、隠れた表示対象を表示する際に、ノッチ部分141を避けて表示するように、表示対象の表示位置を変更する。また、表示ドライバ45は、ノッチ部分141に隠れた表示対象を表示する際に、ノッチ部分141を避けて表示するように、表示部14に表示する表示画面の表示位置を移動する。
これにより、本実施形態によるノートPC1は、簡易な手法によって、ノッチ部分141を避けるように表示を切り替えできることができる。
【0074】
表示ドライバ45は、ノッチ部分141に隠れた表示対象を表示する際に、ノッチ部分141を避けて表示するように、ノッチ部分141に隠れた表示対象だけの表示位置を移動するようにしてもよい。すなわち、表示ドライバ45は、ノッチ部分141に隠れた表示対象を表示する際に、隠れた表示対象の表示位置を表示部14の一部に置き換えて表示するようにしてもよい。また、この場合、移動方法は、下方向に限らず、横方向であってもよい。
これにより、本実施形態によるノートPC1は、画面全体の表示には影響を与えずに、ノッチ部分141を避けるように表示を切り替えできることができる。
【0075】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の各実施形態は、単独で実施される例を説明したが、各実施形態を組み合せて実施するようにしてもよい。ノートPC1は、例えば、表示を切り替えるトリガに、第1から第3の実施形態のいずれかのトリガ、又は複数のトリガを適用するようにしてもよい。
【0076】
また、上記の各実施形態において、上述した非表示トリガは、各実施形態で説明したものに限定されるものはなく、他の非表示トリガを適用してもよい。例えば、表示ドライバ45は、ノッチ部分141に隠れた表示対象を、ノッチ部分141を避けて表示するように表示を切り替えた後に、所定の期間が経過したことを非表示トリガとしてもよい。
【0077】
また、上記の各実施形態において、情報処理装置がノートPC1である場合の例を説明したが、これに限定されるものではない。情報処理装置は、例えば、タブレット端末装置、スマートフォン、デスクトップPCなどの他の装置であってもよい。
【0078】
また、上記の各実施形態において、ノッチ部分141を避けて表示するように表示を切り替えた場合に、
図5の画面G2に示すように、非表示領域142に情報を表示しない例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、表示ドライバ45は、非表示領域142にファンクションキーのボタンや、メールなどの他のソフトウェアのポップアップ情報(メッセージ情報)などを表示するようにしてもよい。これにより、ノートPC1は、さらに利便性を向上させることができる。
【0079】
また、上記の各実施形態において、表示部14は、表示画面の上側部の中央に、ノッチ部分141を有する例を説明したが、これに限定されない。例えば、表示部14の上側部の左右どちらかに寄った位置、下側部、又は側部にノッチ部分141を有するようにしてもよい。
また、上記の各実施形態において、ノッチ部分141には、撮像部27が配置される例を説明したが、撮像部27以外の他のデバイスが配置されるようにしてもよい。
【0080】
また、表示ドライバ45は、ノッチ部分141に隠れた表示対象を表示する際に、上記の各実施形態を組み合せてもよい。例えば、表示ドライバ45は、ノッチ部分141に隠れた表示対象を表示する際に、ノッチ部分141に隠れた表示対象の表示位置の移動と、表示画面データのアスペクト比の変更とを組み合わせて、ノッチ部分141に隠れた表示対象を、ノッチ部分141を避けるようにしてもよい。
【0081】
なお、上述したノートPC1(情報処理装置)が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述したノートPC1が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述したノートPC1が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0082】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後にノートPC1が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0083】
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。