【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り レノボ コンパル フーチャセンター リミテッド(中国、安徽省、合肥市) 販売日 平成30年1月16日 レノボ新製品発表会(中国、北京、798芸術区) 展示日 平成30年1月19日
【解決手段】連結構造体10は、キーボード装置14を本体筐体16に連結した構成であって、キーボード装置14に設けられた係合穴36と、本体筐体16に設けられた支持板32の上面32aから突出し、係合穴36に係合可能なフック部材34とを備え、支持板32は、周辺部に対して弾性変位可能に設けられた板ばね部50を有し、フック部材34は、板ばね部50に設けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1のように、キーボード装置を本体筐体に対してフック部材を用いて連結した電子機器が、落下等による衝撃を受けた場合、キーボード装置が本体筐体から分離する方向に大きな負荷を受けることがある。そうすると、キーボード装置と本体筐体との間では、フック部材の根本部分に応力集中を生じ、フック部材が根本部分から剥離し、或いは折損する懸念がある。フック部材が破損すると、キーボード装置が本体筐体から脱落し、或いは両者の連結状態ががたつきを生じて不安定になる可能性がある。
【0005】
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、フック部材の破損を抑制し、部材間の連結状態を維持することができる連結構造体及び該連結構造体を備える電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る連結構造体は、第1の部材を第2の部材に連結した連結構造体であって、前記第1の部材に設けられた係合穴と、前記第2の部材に設けられた板状部の表面から突出し、前記係合穴に係合可能なフック部材と、を備え、前記板状部は、周辺部に対して弾性変位可能に設けられた板ばね部を有し、前記フック部材は、前記板ばね部に設けられている。
【0007】
このような構成によれば、例えば当該連結構造体の落下等により、第1の部材と第2の部材との間を分離する方向の衝撃が付与されてフック部材が負荷を受けると、板ばね部が周辺部に対して弾性変位し、フック部材が係合穴に係合したまま変位する。これにより、フック部材と板状部との境界部分に応力集中が生じることが抑制される。その結果、フック部材の根元部分が板状部から剥離し、或いはフック部材の爪部やその周辺部に亀裂等を生じることを防止できる。
【0008】
前記板状部には、前記フック部材の3方を囲むように設けられ、内側に前記板ばね部を形成した切欠状孔部が設けられた構成としてもよい。そうすると、簡素な構成でフック部材を弾性変位させる板ばね部を形成することができる。
【0009】
前記フック部材は、前記板ばね部の表面から起立した基部と、該基部の先端から前記表面に沿う方向に屈曲した爪部と、を有し、前記切欠状孔部は、前記フック部材の両側部に設けられた一対の側部孔と、該一対の側部孔間を繋ぎ、前記爪部の突出方向の反対側となる前記基部の背後に設けられた背部孔と、を有する構成としてもよい。そうすると、板ばね部が周辺部に対して弾性変位した際、フック部材は、その爪部が係合部により深くかかる方向に回動する。その結果、フック部材が係合穴から脱落することをより確実に防止できる。
【0010】
前記板状部及び前記フック部材は、強化繊維を含む樹脂材料によって一体成形されており、前記フック部材は、前記板ばね部から突出する根本部分にR形状部を有する構成としてもよい。そうすると、フック部材のうちで最も応力集中を生じ易い根本部分の内部で、強化繊維がR形状部に沿って円弧上に配列される。従って、フック部材が負荷を受けた場合であっても、R形状部に沿って延びた強化繊維によって、その根元部分が極めて強固に構成されているため、この部分から剥離や亀裂を生じることを防止できる。
【0011】
本発明の第2態様に係る連結構造体は、第1の部材を第2の部材に連結した連結構造体であって、前記第1の部材に設けられた係合穴と、前記第2の部材に設けられた板状部の表面から突出し、前記係合穴に係合可能なフック部材と、を備え、前記板状部及び前記フック部材は、強化繊維を含む樹脂材料で一体成形されており、前記フック部材は、前記板状部から突出する根本部分にR形状を有する。
【0012】
本発明の第3態様に係る電子機器は、上記構成の連結構造体を備える電子機器であって、前記第1の部材は、キーボード装置であり、前記第2の部材は、前記キーボード装置がその上面に装着される筐体である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の上記態様によれば、フック部材の破損を抑制し、部材間の連結状態を維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る連結構造体について、この連結構造体を備える電子機器を例示して好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る連結構造体10を備える電子機器12の斜視図である。連結構造体10は、キーボード装置14を本体筐体16に連結したものである。以下では連結構造体10について、
図1に示す電子機器12に搭載した状態での使用形態を基準とし、手前側を前、奥側を後、厚み方向を上下、幅方向を左右と呼んで説明する。
【0017】
図1に示すように、電子機器12は、キーボード装置14を有する本体筐体16と、液晶ディスプレイ等のディスプレイ装置20aを有するディスプレイ筐体20とを備えたノート型PCである。ディスプレイ筐体20は、左右一対のヒンジ22,22により本体筐体16に対して開閉可能に連結されている。
【0018】
本体筐体16の内部には、図示しない基板、演算処理装置、ハードディスク装置、メモリ等の各種電子部品が収納されている。本体筐体16の上面16aには、後から前に向かって順に、キーボード装置14、押しボタン23,24,25、タッチパッド26が並んでいる。キーボード装置14の略中央にはポインティングスティック27が設けられている。
【0019】
キーボード装置14は、複数のキー28を有し、各キー28の周囲がフレーム29で仕切られたアイソレーション型である。つまりフレーム29は、各キー28のキートップが上下動可能に挿入される複数の孔部を有する。タッチパッド26及びポインティングスティック27は、ディスプレイ装置20aに表示されるカーソル(マウスポインタ)を操作するためのものであり、マウスの代わりとして操作可能な入力手段である。押しボタン23〜25は、タッチパッド26又はポインティングスティック27によるカーソル操作と連係して機能する。例えば押しボタン23〜25は、それぞれ一般的なマウスでの左ボタン、中央ボタン、右ボタンに対応する。
【0020】
次に、キーボード装置14と本体筐体16との連結構造体10について説明する。
図2は、本体筐体16にキーボード装置14を取り付ける状態を説明する分解斜視図である。
【0021】
図2に示すように、本体筐体16は、上カバー30と、下カバー31とで薄型箱状に形成されている。上カバー30は、その上面16aにキーボード装置14の外形に対応した浅いバスタブ状の収納凹部30aが形成されている。収納凹部30aは、上カバー30の上面16aより一段低い位置に設けられた支持板(板状部)32の上面(表面)32a側に形成されている。つまり支持板32は、その上面32aが収納凹部30aの底面となる。支持板32は、キーボード装置14が載置される板状部であり、本体筐体16内をキーボード装置14が配置される上部と、基板や演算処理装置等が設けられる下部とに仕切っている。支持板32は、上面32aの適宜位置に複数のフック部材34が突出形成されている。収納凹部30aの前部中央には、ボタン収納凹部30b及びパッド収納凹部30cが設けられている。ボタン収納凹部30bは、押しボタン23〜25の取付部であり、パッド収納凹部30cは、タッチパッド26の取付部である。また、支持板32には、キーボード装置14からの図示しない配線等を通すための複数の孔部30dが適宜位置に形成されている。
【0022】
キーボード装置14は、収納凹部30aに対して上から置くように取り付けるトップマウント構造である。その際、上面32aから突出した各フック部材34の一部又は全部をキーボード装置14のフレーム29の下面に設けた各係合穴36(
図3A及び
図3B参照)に係合させることにより、キーボード装置14を本体筐体16に取り付けできる。
【0023】
図3Aは、キーボード装置14を本体筐体16に取り付ける直前の状態でのフック部材34及びその周辺部の断面構造を模式的に示す側面断面図である。
図3Bは、
図3Aに示すフック部材34を係合穴36に係合させた状態での側面断面図である。
【0024】
図3A及び
図3Bに示すように、キーボード装置14は、ベースプレート40と、メンブレンシート42と、バックライトシート44とを備える。
【0025】
ベースプレート40は、各キー28の取付板である。ベースプレート40は、例えば板厚0.3mmのステンレス板やアルミニウム板等、金属製の板状部材に切り起こし成形や打ち抜き成形を施したものである。各キー28は、そのキートップがベースプレート40の上面側で図示しないガイド機構及びラバードームを用いて上下動可能に支持される。ガイド機構は、例えばキートップの下面とベースプレート40の上面との間を連結するパンタグラフ機構である。ラバードームは、例えばシリコーンゴム等の可撓性を有する弾性材料で形成されたドーム形状部材であり、メンブレンシート42とキートップとの間に配設される。ベースプレート40は、その前部中央に前方に突出したボタンプレート45を有する(
図2参照)。ボタンプレート45は、押しボタン23〜25の支持部となる。ボタンプレート45は、本体筐体16のボタン収納凹部30bに収納配置される。
【0026】
メンブレンシート42は、ベースプレート40の上面に積層されている。メンブレンシート42は、例えば押圧された場合に接点が閉じる三層構造のスイッチシートである。メンブレンシート42は、例えば固定接点及び可動接点が重なる位置が押圧された場合に、固定接点と可動接点とが密着することで接点を閉じるものである。メンブレンシート42は、ベースプレート40の下面側に積層されてもよい。上記したラバードームは、キー28が押下された場合にメンブレンシート42を押圧すると共に、キー28の押下操作が解除された際にキー28を元の位置に復帰させる。
【0027】
バックライトシート44は、ベースプレート40の下面に積層されている。バックライトシート44は、例えばPETやポリカーボネート、アクリル等の透光性を有する樹脂製の光ガイドプレート等を含み、その左右中央或いは左右端部にLED素子等の光源を有する。バックライトシート44は、光源から発せられた光を左右方向に導き、光反射面で反射して各キー28のキートップを裏面から照射する。バックライトシート44に代えて、ゴム製や樹脂製の防水シートを設けてもよい。
【0028】
フレーム29は、その下面の適宜位置に複数の係合穴36が形成されている。フレーム29は、メンブレンシート42の各所に形成された貫通孔を利用した係合構造やねじ構造により、ベースプレート40と固定される。係合穴36は、フック部材34を挿入可能であり、且つフック部材34を係合方向(後方)に移動可能な形状を有する。係合穴36は、フック部材34の係合方向奥側に、フック部材34の爪部34aが係合する板状の係合部36aを有する。キーボード装置14は、各係合穴36の下方に重なる位置に、フック部材34を挿入可能な貫通孔14aを有する。貫通孔14aは、メンブレンシート42、ベースプレート40、バックライトシート44までを上から下に向かって貫通している。
【0029】
フック部材34は、収納凹部30aの上面32aから起立した基部34bと、基部34bの先端から後方に向かって突出した爪部34aとを有する。連結構造体10では、フック部材34がキーボード装置14側に設けられ、係合穴36が本体筐体16側に設けられてもよい。
【0030】
従って、キーボード装置14を本体筐体16に対して取り付ける際は、キーボード装置14を後下がりの傾斜姿勢としつつ、その後端面14bを収納凹部30aの後内壁面30eに押し当てる(
図2及び
図3A参照)。続いて、キーボード装置14を収納凹部30a内に置いて、その下面14cを収納凹部30aの上面32a上に載置する。これにより、フック部材34が貫通孔14aを通って係合穴36に挿入される。そこで、キーボード装置14を収納凹部30a内で前方にスライドさせることにより、フック部材34が係合穴36と係合する(
図3B参照)。その結果、キーボード装置14が本体筐体16に対して固定され、連結構造体10が構成される。本実施形態の場合、係合穴36は、貫通孔14aを通してキーボード装置14の下面14cに臨む構成となっているが、係合穴36はベースプレート40に設けられてもよい。
【0031】
次に、フック部材34及びその周辺部の具体的な構成について説明する。
図4は、フック部材34及びその周辺部を拡大した斜視図である。
図5は、
図4に示すフック部材34及びその周辺部の平面図である。
【0032】
図4及び
図5に示すように、支持板32は、板ばね部50を有し、板ばね部50の上面32aにフック部材34が設けられている。支持板32には、フック部材34の左右側部と前部の3方を囲むように設けられた切欠状孔部52が形成されている。切欠状孔部52は、一対の側部孔52a,52aと、背部孔52bとで平面視略U字状に形成されている。各側部孔52aは、フック部材34の幅方向で左右側部にそれぞれ設けられ、フック部材34の係合穴36に対する係合方向(前後方向)に沿って延在している。背部孔52bは、一対の側部孔52a,52a間を繋いでいる。背部孔52bは、フック部材34の爪部34aの基部34bからの突出方向(後方)の反対側となる基部34bの背後(前方)に配置され、フック部材34の幅方向に沿って延在している。
【0033】
板ばね部50は、切欠状孔部52の内側に形成されている。これにより、板ばね部50は、各側部孔52aの端部52c,52c間の基端部分を支点とし、前端部50aが支持板32の板厚方向(上下方向)に揺動する方向に弾性変位可能である。
【0034】
本実施形態の場合、支持板32(及び上カバー30)は、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂(
図7Aに示すマトリクス樹脂62)にガラス繊維等の強化繊維64(
図7A参照)を含有させた繊維強化樹脂(例えば、GFRP)であり、例えば射出成形で形成される。本実施形態の場合、フック部材34は、支持板32と一体成形される。フック部材34は、爪部34aがアンダーカットとなる。このため、支持板32は、離型のための孔部32bを爪部34aに重なる位置に有する。フック部材34は、基部34bの支持板32に対する爪部34a側の根元部分にR形状部34cを有する。本実施形態の場合、フック部材34は、基部34bの爪部34a側の面(後面)が孔部32b内に配置されているため、R形状部34cは孔部32b内に介在している。支持板32が孔部32bを持たない構造である場合、R形状部34cは、爪部34a側の支持板32の上面32aと基部34bとの角部に設ければよい。フック部材34及び支持板32(及び上カバー30)は、強化繊維64を含まない樹脂或いはマグネシウム等の金属材料で構成されてもよい。
【0035】
従って、当該連結構造体10では、仮に落下等の衝撃によってキーボード装置14が本体筐体16から上方へと相対移動した場合、フック部材34が係合穴36から上方への負荷を受ける。そうすると、
図6に示すように、板ばね部50が側部孔52aの端部52c側の基端部を揺動支点とし、前端部50a側が上方に弾性移動する。つまり、フック部材34を設けた板ばね部50が周辺部に対して弾性変位する。このため、フック部材34と支持板32との境界部分に応力集中が生じることが抑制される。その結果、フック部材34の根元部分が支持板32から剥離し、或いはフック部材34の爪部34aやその周辺部に亀裂等を生じることを防止できる。しかも当該連結構造体10は、板ばね部50が弾性変位した際、爪部34aが係合部36aにより深くかかる方向、つまりフック部材34が
図6中で時計方向に回動する。このため、キーボード装置14が本体筐体16から上方へと相対移動すると、フック部材34が係合穴36により深く係合するため、フック部材34が係合穴36から脱落することも防止できる。
【0036】
なお、板ばね部50の形状、つまり切欠状孔部52の形状は、フック部材34を円滑に弾性変位可能であれば
図4及び
図5に示す形状以外であっても勿論よい。例えば、
図7に示す切欠状孔部54は、円弧状の背部孔52bによって左右の側部孔52a,52a間を繋いだ形状である。
図8に示す切欠状孔部56は、
図5に示す切欠状孔部52を前後方向で反転した形状である。なお、
図8に示す切欠状孔部56によって形成される板ばね部58は、仮に衝撃等によってキーボード装置14が本体筐体16から上方へと相対移動した場合、爪部34aの先端側の後端部58aが上方に持ち上がる。このため、フック部材34は、
図6中に示す時計方向とは逆の反時計方向に揺動してしまう。その結果、
図6に示す板ばね部50のように、フック部材34が係合穴36により深く係合する作用は得られないが、例えば支持板32の構造上、切欠状孔部52(54)を設置できない部位等に対しては有効に利用できる。
【0037】
また、切欠状孔部52(54,56)は、例えば支持板32の構造上、左右の側部孔52aの長さを同一長さで確保できない場合等には、左右の側部孔52aの前後方向長さが異なった形状にしてもよい。さらに、
図2に示すように、支持板32がフック部材34の近傍に孔部30dを有する場合には、例えば一方の側部孔52a(或いは背部孔52b)を孔部30dで代用してもよい。
【0038】
図9Aは、R形状部34cを有するフック部材34の構成を模式的に示した側面断面図である。
図9Bは、R形状部34cを持たないフック部材60の構成を模式的に示した側面断面図である。なお、
図9Bに示すフック部材60において、
図9Aに示すフック部材34の参照符号と同一の参照符号は、同一又は同様な構成を示し、このため同一又は同様な機能及び効果を奏するものとして詳細な説明を省略する。
【0039】
本実施形態のフック部材34は、基部34bの支持板32に対する根元部分にR形状部34cを有し、繊維強化樹脂で形成されている。このため、
図9Aに示すように、フック部材34を形成するマトリクス樹脂62内では、強化繊維64が板ばね部50(支持板32)から基部34bを経て爪部34aに向かう方向(又はその逆方向)に延在した構造となっている。この際、R形状部34c付近では、
図9A中に1点鎖線の丸印で囲んで太線で誇張した強化繊維64のように、強化繊維64がR形状に沿って板ばね部50(支持板32)から基部34bへと円弧状に配列されている。従って、
図6に示すように、例えばフック部材34に上方への負荷が加えられた場合、フック部材34は、爪部34a側を向いた基部34bの根本部分(R形状部34c)に応力集中を生じる懸念がある。ところが、本実施形態のフック部材34は、R形状部34cに沿って延びた強化繊維64によって、その根元部分が極めて強固に構成されているため、この部分から剥離や亀裂を生じることを防止できる。
【0040】
換言すれば、フック部材34は、R形状部34cを設けることにより、板ばね部50を省略した構成としてもその強度を高めることができる。このため、連結構造体10の要求性能等によっては、繊維強化樹脂にR形状部34cを設けたフック部材34を備えることにより、板ばね部50を省略することもできる。勿論、板ばね部50とR形状部34cとを併用することにより、フック部材34の破損を一層確実に防止することが可能となる。
【0041】
一方、
図9Bに示すフック部材60は、爪部34a側を向いた基部34bの根本部分にR形状部34cを持たないため、この部分に平坦面66が配設されている。このため、平坦面66付近では、板ばね部50(支持板32)から基部34bへと向かう強化繊維64が直角に立ち上がった平坦面66に突き当り、その端部が平坦面66を臨むように直線状に配列される。従って、例えばフック部材60に上方への負荷が加えられた場合、フック部材60が爪部34a側を向いた基部34bの根本部分に応力集中を生じると、平坦面66に対して直線状に臨んだ強化繊維64の端部を起点とする剥離や亀裂を生じる懸念がある(
図9B中の矢印参照)。但し、このようなフック部材60であっても、板ばね部50と共に用いることにより、その破損を抑制できるため、連結構造体10の要求性能等によっては好適に利用できる。
【0042】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【0043】
上記実施形態では、連結構造体10を構成する2つの部材として、キーボード装置14と本体筐体16とを例示したが、当該連結構造体10は、他の部材を連結したものでもよい。例えば、当該電子機器12を例にとると、本体筐体16の上カバー30と下カバー31との連結や、本体筐体16内の各種電子部品の固定等に利用してもよい。また、当該連結構造体10は、ノート型PC以外の電子機器や電子機器以外の機械筐体や機械装置等に用いてもよい。