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特開2019-185243モータスポーツにおける自動音声回答システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-185243(P2019-185243A)
(43)【公開日】2019年10月24日
(54)【発明の名称】モータスポーツにおける自動音声回答システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/90 20190101AFI20190927BHJP
   G06F 16/00 20190101ALI20190927BHJP
   G10L 13/00 20060101ALI20190927BHJP
   G10L 15/22 20060101ALI20190927BHJP
【FI】
   G06F17/30 180A
   G06F17/30 310Z
   G06F17/30 350C
   G10L13/00 100M
   G10L15/22 300U
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-72975(P2018-72975)
(22)【出願日】2018年4月5日
(11)【特許番号】特許第6458183号(P6458183)
(45)【特許公報発行日】2019年1月23日
(71)【出願人】
【識別番号】503194934
【氏名又は名称】アビームコンサルティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】竹井 昭人
(72)【発明者】
【氏名】田口 林太郎
(57)【要約】
【課題】ドライバーからの問い合わせに対し、リアルタイムに応答することが可能な自動音声回答システム等を提供する。
【解決手段】学習部25は、生成した問い合わせパターンを分析し(ステップS1)、第1DB21aを参照することで、生成した問い合わせパターンに類似する問い合わせパターン(類似問い合わせパターン)を推定し、選択する(ステップS2)。学習部25は、類似問い合わせパターンに対応づけて登録されている応答パターンを特定すると、この応答パターンを、今回生成した問い合わせパターンに対応づけて、第1DB21aに新たに登録する(ステップS3)。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバーからの問い合わせに対し、自動で音声回答を行うシステムであって、
問い合わせパターンと、応答パターンとを対応づけて記憶する第1記憶部と、
前記ドライバーから問い合わせ内容をあらわす音声データを入力する入力部と、
入力された前記ドライバーの音声データを解析することで、問い合わせパターンを生成する生成部と、
生成した問い合わせパターンが、前記第1記憶部に記憶されているか否かを判断する第1判断部と、
生成した問い合わせパターンが、前記第1記憶部に記憶されていない場合には、生成した問い合わせパターンに類似する問い合わせパターンを、前記第1記憶部に記憶されている問い合わせパターンの中から推定し、選択する選択部と、
生成した問い合わせパターンと、選択した問い合わせパターンに対応づけられている応答パターンとを、前記第1記憶部に新たに登録する登録部と、
前記ドライバーによる問い合わせに対し、新たに登録した前記応答パターンに基づく応答内容をあらわす音声データを生成し、出力する第1出力部と
を具備するモータスポーツにおける自動音声回答システム。
【請求項2】
生成した問い合わせパターンが、前記第1記憶部に記憶されている場合には、入力された前記ドライバーの音声データを解析することで、問い合わせ回答に必要なキー情報が不足しているか否かを判断する第2判断部と、
問い合わせ回答に必要なキー情報が不足している場合には、前記ドライバーに対する追加質問事項をあらわす音声データを生成し、出力する第2出力部と
をさらに具備する、請求項1に記載の自動音声回答システム。
【請求項3】
問い合わせ回答をあらわす回答パターンを複数記憶する第2記憶部と、
問い合わせ回答に必要なキー情報が不足していない場合には、前記第2記憶部を検索することにより、前記ドライバーからの問い合わせに対応する回答パターンを特定し、特定した回答パターンに基づく回答内容をあらわす音声データを生成し、出力する第3出力部と
をさらに具備する、請求項2に記載の自動音声回答システム。
【請求項4】
前記選択部は、
その後に、前記ドライバーによって別の表現で言い直された問い合わせパターンに基づき、前記言い直された問い合わせパターンを、生成した問い合わせパターンに類似する問い合わせパターンとして推定する、請求項1から3のいずれか一項に記載の自動音声回答システム。
【請求項5】
問い合わせパターンと、応答パターンとを対応づけて記憶する第1記憶部を備え、ドライバーからの問い合わせに対し、自動で音声回答を行うコンピュータであって、
前記コンピュータを、
前記ドライバーから問い合わせ内容をあらわす音声データを入力する入力部と、
入力された前記ドライバーの音声データを解析することで、問い合わせパターンを生成する生成部と、
生成した問い合わせパターンが、前記第1記憶部に記憶されているか否かを判断する第1判断部と、
生成した問い合わせパターンが、前記第1記憶部に記憶されていない場合には、生成した問い合わせパターンに類似する問い合わせパターンを、前記第1記憶部に記憶されている問い合わせパターンの中から推定し、選択する選択部と、
生成した問い合わせパターンと、選択した問い合わせパターンに対応づけられている応答パターンとを、前記第1記憶部に新たに登録する登録部と、
前記ドライバーによる問い合わせに対し、新たに登録した前記応答パターンに基づく応答内容をあらわす音声データを生成し、出力する第1出力部として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータスポーツにおける自動音声回答システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
フォーミュラ1(F1)をはじめ、世界中でモータスポーツが脚光を浴びている(例えば、特許文献1参照)。コンマ数秒単位でしのぎを削るモータスポーツの世界において、無線はドライバーとチームとの意思疎通を図るツールとして今や欠かせないものとなっている。
【0003】
カーレースにおいては、各チームが無線を利用してレーシングカーに乗るドライバーとチームが交信する。チームを率いる監督等は、時々刻々と変化してゆくチームの戦略等を無線によってドライバーに伝える一方、ドライバーは、レーシングカーの状態等を無線でチームに伝える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−514293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現状、ドライバーから無線を介して何らかの問い合わせがあると、チームはその問い合わせの内容を理解し、問い合わせに応じた応答を返すのが一般的である。しかしながら、人手を介して問い合わせの内容を理解し、応答していたのでは、時間的なロスが生じてしまう。特に、コンマ数秒単位でしのぎを削るモータスポーツにおいては、コンマ数秒といえどもロスをなくし、他チームよりも有利なレース展開に持ち込みたいとの要望がある。
【0006】
本発明は、以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、ドライバーからの問い合わせに対し、リアルタイムに応答することが可能な自動音声回答システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る自動音声回答システムは、ドライバーからの問い合わせに対し、自動で音声回答を行うシステムであって、問い合わせパターンと、応答パターンとを対応づけて記憶する第1記憶部と、ドライバーから問い合わせ内容をあらわす音声データを入力する入力部と、入力されたドライバーの音声データを解析することで、問い合わせパターンを生成する生成部と、生成した問い合わせパターンが、第1記憶部に記憶されているか否かを判断する第1判断部と、生成した問い合わせパターンが、第1記憶部に記憶されていない場合には、生成した問い合わせパターンに類似する問い合わせパターンを、第1記憶部に記憶されている問い合わせパターンの中から推定し、選択する選択部と、生成した問い合わせパターンと、選択した問い合わせパターンに対応づけられている応答パターンとを、第1記憶部に新たに登録する登録部と、ドライバーによる問い合わせに対し、新たに登録した応答パターンに基づく応答内容をあらわす音声データを生成し、出力する第1出力部とを具備することを要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ドライバーからの問い合わせに対し、リアルタイムに応答することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】自動音声回答システムの構成を例示する図である。
図2】第1DBの登録内容を例示した図である。
図3】自動音声回答システムの動作を示すシーケンス図である。
図4】学習部によって実行される機械学習処理を示すフローチャートである。
図5】機械学習処理のイメージを模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは同一又は同様の構成を有する。
【0011】
A.本実施形態
(1)構成
図1を参照し、実施形態に係るモータスポーツにおける自動音声回答システム100の構成について説明する。なお、本実施形態に係る自動音声回答システム100は、自動車を用いて行われる競技・スポーツに適用した場合を想定するが、自動車のみならず、オートバイやモーターボート、飛行機など、モータやエンジンなどの原動機を使用して稼働する乗り物すべてに適用可能である。
【0012】
自動音声回答システム100は、ドライバーのヘルメット等に設けられた通信端末1と、データセンタ等に配置される対話管理装置2とを含む。通信端末1と対話管理装置2との間は、ネットワークを介して相互に通信できるように構成される。
【0013】
ネットワークは、有線であっても無線であってもよく、有線と無線とを組み合わせてもよい。本実施形態では、例示的に、通信端末1と対話管理装置2との間は無線ネットワークを利用することとする。
【0014】
図1に示す通信端末1は、例えばマイクロフォン、スピーカ、各種通信インタフェースそ備えた通信装置などを備えており、ドライバーとチームとの間で確実な音声データの授受を行う。
【0015】
対話管理装置2は、スロットフィリングの技術などを用い、ドライバーによる問い合わせに対して、音声による自動回答などを行うための装置である。対話管理装置2は、物理的な構成として、例えば、CPU及びメモリを含む制御ユニット、記憶装置、通信装置等を備えて構成される。対話管理装置2は、記憶装置に記憶されている各種ソフトウェアと制御ユニット等のハードウェア資源とが協働することによって、以下に示す記憶部21、入力部22、生成部23、判断部24、学習部25、出力部26の各機能を実現する。
【0016】
記憶部21は、問い合わせパターンと応答パターンとを対応づけて記憶した第1データベース(DB)21aと、問い合わせ回答をあらわす回答パターンを記憶した第2データベース(DB)21bとを備えている。
【0017】
図2は、第1DB21aの登録内容を例示した図である。
第1DB(第1記憶部)21aには、問い合わせパターンとして「後ろとの差は?」といった問い合わせ文字列と、複数のパラメータ(例えば数字や演算子)とビジネスロジック(例えばアプリケーションプログラミングインタフェース)とを含む応答パターンとが対応づけて登録されている。
【0018】
第2DB(第2記憶部)21bには、ドライバーからの問い合わせに対して、自動音声回答するための回答パターンが複数登録されている。例えば、ドライバーから「後ろとの差は?」といった問い合わせがあった場合には、対話管理装置2は、後続車との距離を求めて回答するための回答パターンを読み出し、実行する。この結果、「後続車との距離は○×m」といった自動音声回答が、対話管理装置2からドライバーの通信端末1に出力される。
【0019】
入力部22は、ドライバーからの問い合わせ内容をあらわす音声データを入力する。
【0020】
生成部23は、入力されたドライバーの音声データを解析することで、例えば「後ろまでどれくらい?」といった問い合わせパターンを生成する。
【0021】
判断部24は、第1判断部24aと、第2判断部24bとを備えている。第1判断部24aは、生成した問い合わせパターンが、第1DB21aに登録されているいずれかの問い合わせパターンと一致するか否かを判断する。第2判断部24bは、第1判断部24aによって生成された問い合わせパターンが、第1DB21aに登録されているいずれかの問い合わせパターンと一致すると判断した場合に、ドライバーの音声データを解析することで、問い合わせ回答に必要なキー情報が不足しているか否かを判断する。
【0022】
例えば、ドライバーが「タイヤ」と叫ぶなどした場合には、問い合わせパターンの中に「タイヤ」というキー情報しか入っていない事態が生じ得る。この場合、対話管理装置2は、「タイヤ」といったキー情報だけでは、正確な問い合わせ回答が行えない。すなわち、ドライバーは、「タイヤ」の「交換タイミング」を確認したいのか、「タイヤ」に「異常」が生じている可能性があることを報告したいのか等を、対話管理装置2は判断できず、正確な問い合わせ回答が行えない。このような場合、第2判断部24bは、問い合わせ回答に必要なキー情報が不足していると判断する。なお、便宜上、以下の説明では、第1DB21aに既に登録されている問い合わせパターンを「既登録問い合わせパターン」と呼ぶ。
【0023】
学習部25は、生成した問い合わせパターンが、第1DB21aに登録されていない場合に、生成した問い合わせパターンと既登録問い合わせパターンとを比較・分析することで機械学習を行う(詳細は後述)。
【0024】
出力部26は、判断部24による判断結果や学習部25による学習結果などに基づき、問い合わせ回答などに応じた音声データを生成し、ドライバーの通信端末1あてに送信する。
【0025】
(2)動作
以下、図3に示すシーケンス図を参照しながら、自動音声回答システム100の動作について説明する。
【0026】
ドライバーは、ヘルメット等に設けられた通信端末1に向かって問い合わせメッセージ(例えば、「後ろまでどれくらい?」)を発話する。ドライバーの問い合わせメッセージは、通信端末1から音声データとして対話管理装置2に送信される(ステップC1)。
対話管理装置2の入力部22は、ドライバーから問い合わせ内容をあらわす音声データを受信すると(ステップC2)、受信した音声データを生成部23に供給する。生成部23は、受信した音声データを解析することで、テキスト変換(自然言語変換)する(ステップC3)。そして、生成部23は、自然言語変換後のテキストデータを形態素解析することで、テキストデータを、意味を持つ最小限の単位(=単語)に分解し、問い合わせパターンを生成し(ステップC4)、第1判断部24aに供給する。
【0027】
第1判断部24aは、生成部23によって生成される問い合わせパターンが、第1DB21aに登録されているいずれかの既登録問い合わせパターンと一致するか否かを判断する(ステップC5)。第1判断部24aは、生成される問い合わせパターン(「後ろまでどれくらい?」)が、例えば図2に示すように、既登録問い合わせパターンのいずれとも一致しないと判断すると(ステップC5;NO)、学習部25に対し、機械学習処理の実行を指示する。学習部25は、実行指示を受け取ると、以下に示す機械学習処理の実行を開始する(ステップC6)。なお、機械学習処理を実行するためには、ドライバーの音声が正しく認識されていることが前提となる。よって、ドライバーの音声が正しく認識されていない場合には、ドライバーに対して問い合わせメッセージの再入力を指示する応答メッセージ(例えば「正しく認識できません。もう一度発話してください。」など)を、対話管理装置2から通信端末1へ自動送信すればよい。
【0028】
図4は、学習部25によって実行される機械学習処理を示すフローチャートである。
学習部(選択部)25は、生成した問い合わせパターンを分析し(ステップS1)、第1DB21aを参照することで、生成した問い合わせパターンに類似する問い合わせパターン(類似問い合わせパターン)を推定し、選択する(ステップS2)。
学習部(登録部)25は、類似問い合わせパターンに対応づけて登録されている応答パターンを特定すると、この応答パターンを、今回生成した問い合わせパターンに対応づけて、第1DB21aに新たに登録する(ステップS3)。図5は、機械学習処理のイメージを模式的に示した図である。今回生成した問い合わせパターン(「後ろまでどれくらい?」)は、未だ第1DB21aに登録されていない。その一方で、第1DB21aには、類似問い合わせパターン(「後ろとの差は?」や「後ろは?」)とともに、対応する応答パターン(「数字1」、「数字2」、「演算子3」などのパラメータや「API1」などのビジネスロジック)が登録されている。学習部25は、第1DB21aを参照することで、今回生成した問い合わせパターン(「後ろまでどれくらい?」)を、類似問い合わせパターンの応答パターンに対応づけて、第1DB21aに新たに登録する。そして、学習部25は、出力部26に対し、新たに登録した応答パターンをもとに、問い合わせ回答すべき指示を送り(ステップS4)、処理を終了する。
【0029】
図3に戻り、出力部(第1出力部)26は、学習部25によって新たに登録された応答パターンをもとに、問い合わせ回答の内容をあらわす音声データを生成し、ドライバーの通信端末1あてに自動送信する(ステップC7)。ドライバーは、通信端末1を介して問い合わせメッセージに対する自動音声回答(例えば、「後続車との距離は○×m」など)をリアルタイムに聴取することが可能となる(ステップC8)。
【0030】
一方、第1判断部24aは、生成部23によって生成される問い合わせパターンが、第1DB21aに登録されているいずれかの既登録問い合わせパターンと一致すると判断すると(ステップC5;YES)、第2判断部24bに対し、ドライバーの音声データ(具体的には、単語分解したテキストデータ)の解析指示を送る。
【0031】
第2判断部24bは、単語分解したテキストデータを解析することで(ステップC9)、問い合わせ回答に必要なキー情報を抽出し、抽出したキー情報で十分か否か(別言すれば、キー情報が不足しているか否か)を判断する(ステップC10)。
【0032】
第2判断部24bは、抽出したキー情報が不足していると判断すると、(ステップC10;NO)、出力部26に対して追加質問事項の生成指示を送る。出力部(第2出力部)26は、第2判断部24bからの指示に従い、不足するキー情報をドライバーに確認するための追加質問事項を生成し(ステップC11)、音声データに変換した後、ドライバーの通信端末1あてに送信する(ステップC12)。
【0033】
ドライバーは、通信端末1を介して追加質問事項を確認すると(ステップC13)、追加質問事項に応える形で音声入力を行う。なお、この後の動作は、上記流れと同様に説明することができるため、割愛する。
【0034】
一方、第2判断部24bは、抽出したキー情報が不足していないと判断すると、(ステップC10;YES)、出力部26に対して問い合わせ回答すべき指示を送る。出力部(第3出力部)26は、第2DB21bを検索することにより、ドライバーからの問い合わせ(例えば、ピットインのタイミングは?)に対応する回答パターンを特定する(ステップC14)。
【0035】
第2判断部24bは、回答パターン(例えば、「×○周後にピットインせよ」)を特定すると、これを音声データに変換した後、問い合わせ回答としてドライバーの通信端末1あてに送信する(ステップC15)。
【0036】
ドライバーは、通信端末1を介して問い合わせメッセージに対する自動音声回答(例えば、「×○周後にピットインせよ」など)をリアルタイムに聴取することが可能となる(ステップC16)。
【0037】
B.変形例
上述した本実施形態では、学習部(選択部)25による類似問い合わせパターンをいかにして推定するか、特に言及していなかったが、例えば、ドライバーによって別の表現で言い直された問い合わせパターンに基づいて、類似問い合わせパターンを推定してもよい。一例を挙げて説明すると、例えば、ドライバーが「後ろまでどれくらい?」と発話し、その直後に「後ろとの差は?」と発話したとする。学習部25は、ドライバーの音声データに基づき、今回生成した問い合わせパターン(「後ろまでどれくらい?」)が、未だ第1DB21aに登録されていないと判断すると、当該ドライバーが言い直した問い合わせパターン(「後ろとの差は?」)について、第1DB21aに登録されていないか判断する。学習部25は、言い直した問い合わせパターン(「後ろとの差は?」)が、既に第1DB21aに登録されていることを確認すると、この言い直した問い合わせパターン(「後ろとの差は?」)を、今回生成した問い合わせパターン(「後ろまでどれくらい?」)の類似パターンとして推定する。このように、ドライバーによって言い直された問い合わせパターンを機械学習に利用してもよい。
【0038】
C.その他
本発明は、上述した本実施形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【0039】
また、本明細書において、「ユニット」や「部」とは、単に物理的構成を意味するものではなく、その「ユニット」や「部」が実行する処理をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「ユニット」や「部」が実行する処理を2つ以上の物理的構成や装置により実現されても、2つ以上の「ユニット」や「部」が実行する処理を1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【0040】
また、本明細書において説明した各処理を実施するプログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、対話管理装置2を構成するコンピュータに、上記プログラムをインストールすることができる。ここで、上記プログラムを記憶した記録媒体は、非一過性の記録媒体であっても良い。非一過性の記録媒体は特に限定されないが、例えば、CD−ROM等の記録媒体であっても良い。
【符号の説明】
【0041】
100…自動音声回答システム、1…通信端末、2…対話管理装置、21…記憶部、21a…第1DB、21b…第2DB、22…入力部、23…生成部、24…判断部、24a…第1判断部、24b…第2判断部、25…学習部、26…出力部。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2018年9月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバーからの問い合わせに対し、自動で音声回答を行うシステムであって、
問い合わせパターンと、応答パターンとを対応づけて記憶する第1記憶部と、
前記ドライバーから問い合わせ内容をあらわす音声データを入力する入力部と、
入力された前記ドライバーの音声データを解析することで、問い合わせパターンを生成する生成部と、
生成した問い合わせパターンが、前記第1記憶部に記憶されているか否かを判断する第1判断部と、
生成した問い合わせパターンが、前記第1記憶部に記憶されていない場合には、生成した問い合わせパターンに類似する問い合わせパターンを、前記第1記憶部に記憶されている問い合わせパターンの中から推定し、選択する選択部と、
生成した問い合わせパターンと、選択した問い合わせパターンに対応づけられている応答パターンとを、前記第1記憶部に新たに登録する登録部と、
前記ドライバーによる問い合わせに対し、新たに登録した前記応答パターンに基づく応答内容をあらわす音声データを生成し、出力する第1出力部とを具備し、
前記選択部は、
前記ドライバーによって別の表現で言い直された問い合わせパターンが、前記第1記憶部に既に記憶されている場合には、前記言い直された問い合わせパターンを、生成した問い合わせパターンに類似する問い合わせパターンとして推定する、モータスポーツにおける自動音声回答システム。
【請求項2】
生成した問い合わせパターンが、前記第1記憶部に記憶されている場合には、入力された前記ドライバーの音声データを解析することで、問い合わせ回答に必要なキー情報が不足しているか否かを判断する第2判断部と、
問い合わせ回答に必要なキー情報が不足している場合には、前記ドライバーに対する追加質問事項をあらわす音声データを生成し、出力する第2出力部と
をさらに具備する、請求項1に記載の自動音声回答システム。
【請求項3】
問い合わせ回答をあらわす回答パターンを複数記憶する第2記憶部と、
問い合わせ回答に必要なキー情報が不足していない場合には、前記第2記憶部を検索することにより、前記ドライバーからの問い合わせに対応する回答パターンを特定し、特定した回答パターンに基づく回答内容をあらわす音声データを生成し、出力する第3出力部と
をさらに具備する、請求項2に記載の自動音声回答システム。
【請求項4】
問い合わせパターンと、応答パターンとを対応づけて記憶する第1記憶部を備え、ドライバーからの問い合わせに対し、自動で音声回答を行うコンピュータを、
前記ドライバーから問い合わせ内容をあらわす音声データを入力する入力部と、
入力された前記ドライバーの音声データを解析することで、問い合わせパターンを生成する生成部と、
生成した問い合わせパターンが、前記第1記憶部に記憶されているか否かを判断する第1判断部と、
生成した問い合わせパターンが、前記第1記憶部に記憶されていない場合には、生成した問い合わせパターンに類似する問い合わせパターンを、前記第1記憶部に記憶されている問い合わせパターンの中から推定し、選択する選択部と、
生成した問い合わせパターンと、選択した問い合わせパターンに対応づけられている応答パターンとを、前記第1記憶部に新たに登録する登録部と、
前記ドライバーによる問い合わせに対し、新たに登録した前記応答パターンに基づく応答内容をあらわす音声データを生成し、出力する第1出力部として機能させるプログラムであって、
前記選択部は、
前記ドライバーによって別の表現で言い直された問い合わせパターンが、前記第1記憶部に既に記憶されている場合には、前記言い直された問い合わせパターンを、生成した問い合わせパターンに類似する問い合わせパターンとして推定する、プログラム。