【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 平成29年12月18日に、https://www.youtube.com/watch?v=q43tEfSigVwのウェブサイトで公開されているYouTubeのウェブサイトにおいて、バッテリー交換料金決定システムが公開されました。
【解決手段】電気自動車のバッテリー交換所に予め用意されている単数又は複数の交換用バッテリー140aを充電可能な充電装置130aと、交換用バッテリーの内、需要予測に基づいて、充電対象となる交換用バッテリーと充電率とを決定し、決定結果に基づいて、充電対象の交換用バッテリーに対して充電装置を介して充電を行わせる充電指示制御ユニット110と、決定された充電率と、充電が完了した時点からの経過時間とに基づいて、充電された交換用バッテリーの交換料金を決定する交換料金決定ユニット120と、交換料金決定ユニットにより決定された交換料金の内、最安値の情報を格納し、車載ナビ装置等の情報端末からアクセス可能なサーバー装置600と、を備えたことを特徴とするバッテリー交換料金決定システム1である。
前記交換料金決定部は、前記充電された前記交換用バッテリーの劣化度合いをも加味して、前記交換料金を決定する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のバッテリー交換料金決定システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、バッテリー交換方式の場合、バッテリー交換所において、交換用バッテリーを予め満充電にしてそのまま待機させておくと、満充電の完了時点からの時間経過と共にそのバッテリーが劣化するという問題がある。そのため、バッテリー交換所では、例えば、バッテリー交換の時期をユーザーからの事前予約を受け付ける予約制とすることで、バッテリーの劣化を極力防止する様にしている。しかしながら、この様な予約制は、ユーザーにとって煩わしく、バッテリー交換方式の電気自動車の普及の妨げの一因になっている。
【0007】
本発明は、電気自動車の上記従来のバッテリー交換方式におけるこの様な課題に鑑みて、交換用バッテリーの劣化の進行を抑制出来得ると共にユーザーに煩わしさを感じさせることなくバッテリー交換が行えるバッテリー交換料金決定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の本発明は、
電気自動車に搭載可能なバッテリーの交換料金を決定するバッテリー交換料金決定システムであって、
バッテリー交換所に予め用意されている単数又は複数の交換用バッテリーを充電可能な充電装置と、
前記単数又は複数の交換用バッテリーの内、所定のルールに基づいて、充電対象となる前記交換用バッテリーと充電率とを決定し、前記決定結果に基づいて、前記充電対象の前記交換用バッテリーに対して前記充電装置を介して充電を行わせる充電指示制御部と、
前記決定された前記充電率と、前記充電が完了した時点からの経過時間とに基づいて、充電された前記交換用バッテリーの交換料金を決定する交換料金決定部と、
前記交換料金決定部により決定された前記交換料金に関する情報の全部又は一部を格納し、所定の情報端末からアクセス可能な料金情報格納部と、
を備えたことを特徴とするバッテリー交換料金決定システムである。
【0009】
また、第2の本発明は、
前記決定された前記充電率は、前記充電対象の前記交換用バッテリーの充電可能な最大容量に実質上一致する値であり、
前記交換料金決定部は、前記充電が完了した時点からの経過時間が短い時間より長い時間の方が、前記交換料金が低くなる様に決定する、ことを特徴とする上記第1の本発明のバッテリー交換料金決定システムである。
【0010】
また、第3の本発明は、
前記交換料金決定部は、前記充電された前記交換用バッテリーの劣化度合いをも加味して、前記交換料金を決定する、ことを特徴とする上記第1又は第2の本発明のバッテリー交換料金決定システムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、交換用バッテリーの劣化の進行を抑制出来得ると共にユーザーに煩わしさを感じさせることなくバッテリー交換が行えるバッテリー交換料金決定システムを提供することが出来るという効果を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明のバッテリー交換料金決定システムの実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施の形態の電気自動車のバッテリー交換料金決定システム1の概要を示すブロック図である。
【0015】
また、
図2は、
図1に示す、交換所内の充電指示制御ユニット110及び交換料金決定ユニット120を汎用コンピュータ2で実現した場合の概要を示すブロック図である。
【0016】
本実施の形態の電気自動車のバッテリー交換料金決定システム1は、
図1に示す様に、
【0017】
(1)電気自動車のバッテリー交換所にユーザーが訪れて、その電気自動車に搭載しているバッテリーを、満充電まで充電が完了している交換用バッテリーに交換を求める需要があるかないかを、日本国内における所定範囲内の地域毎に常時予測(以下、これを需要予測と称す)し、その需要予測情報をインターネットを介して常時アクセス可能に構成された需要予測AI搭載コンピュータ500(需要予測AI搭載コンピュータ500については更に後述する)と、
【0018】
(2)日本国内の各地に設けられた各バッテリー交換所(
図1の第1交換所100、第K交換所200、第Z交換所300参照)に予め用意されている単数又は複数の交換用バッテリー(例えば、
図1の第1交換所100における第1交換用バッテリー140a、第K交換所200における第1交換用バッテリー140a、第2交換用バッテリー140b参照)を充電可能な単数又は複数の充電器(例えば、
図1の第1交換所100における第1充電器130a、第K交換所200における第1充電器130a、第2充電器130b参照)と、
【0019】
(3)日本国内の各地に設けられた各バッテリー交換所の単数又は複数の交換用バッテリーの内、需要予測AI搭載コンピュータ500から得られた需要予測情報に基づいて、充電対象となる交換用バッテリーとその充電率(本実施の形態では、満充電、即ち充電率100%)とを決定し、その決定結果に基づいて、充電対象となった交換用バッテリー(例えば、第1交換所100では第1交換用バッテリー140a)に対して充電器を介してすぐさま充電を行わせる充電指示制御ユニット110と、
【0020】
(4)充電指示制御ユニット110により決定された充電率と、充電が完了した時点からの交換用バッテリー毎の経過時間とに基づいて、充電された交換用バッテリー毎に交換料金を決定する交換料金決定ユニット120と、
【0021】
(5)日本国内の各地に設けられたバッテリー交換所毎に設けられた交換料金決定ユニット120により決定された交換料金に関する情報の内の一部である最安値の交換料金の情報を、バッテリー交換所毎に対応付けて記憶部(図示省略)に格納すると共に、所定の情報端末からインターネットを介してアクセス可能に構成されたサーバー装置600と、
を備えている。
【0022】
本実施の形態の需要予測AI搭載コンピュータ500は、常時稼働し、常時予測可能である。また、需要予測AI搭載コンピュータ500は、常に、予測をする時点から所定時間後の時点で発生するであろう需要を予測する。その所定時間は、需要予測をする時点からすぐさま充電を開始したとして満充電が完了するまでの所要時間である。
【0023】
本実施の形態では、充電指示制御ユニット110における充電率は、満充電、即ち充電率100%とするが、これに限定されるものではない。ここで、充電率100%とは、交換対象の交換用バッテリーの充電可能な最大容量に一致するまで充電した状態をいう。
【0024】
なお、本発明の交換用バッテリーの充電可能な最大容量に実質上一致する値には、最大容量に必ずしも完全に一致する値(即ち、充電率100%)に限らず、未使用状態にある交換用バッテリーにおいて、充電完了からの時間経過とともに実際上見逃せない程度のバッテリー劣化が起こる値を含むものとする。
【0025】
また、本実施の形態の需要予測AI搭載コンピュータ500は、例えば日本国内における所定範囲内の地域毎(例えば、北海道地域、東北地域、関東地域、中部地域、近畿地域、中国地域、四国地域、九州地域)に集められたビッグデータ(例えば過去の各地域のバッテリー交換所におけるバッテリー交換の実績と、その実績に対応付けられた気象情報、交通情報、各種イベント情報、及び経済情報等)に基づく学習等によって予測精度を高める様に構成されており、日本国内における所定範囲内の地域毎の、入力されてくる気象予測情報、交通予測情報、各種イベント予定情報、及び経済予測情報等やリアルタイムで変化する様々な情報から、日本国内における所定範囲内の地域毎の交換用バッテリーの交換の需要があるかないかの予測を常時又は定期的に行う構成である。
【0026】
また、本実施の形態における上記所定の情報端末には、車載ナビの表示画面710、携帯端末の表示画面720、パーソナルコンピュータの表示画面730等(
図1参照)を含む。
【0027】
また、本実施の形態では、
図1に示す様に、第1交換所100には、第1充電器130aが設けられており、その充電器に接続される交換用バッテリーを、第1交換用バッテリー140aと称するものとする。
【0028】
また、
図1に示す様に、他の地域の第K交換所200には、第1充電器130a、第2充電器130bが設けられており、それぞれの充電器には、交換用バッテリーとして、第1交換用バッテリー140a、第2交換用バッテリー140bが接続される。
【0029】
また、
図1に示す様に、更に他の地域の第Z交換所300には、第1充電器130aが設けられており、その充電器には、交換用バッテリーとして、第1交換用バッテリー140aが接続される。
【0030】
なお、本実施の形態では、交換用バッテリー同士を識別するために、各交換用バッテリーには、それぞれ識別情報(例えば、シリアルナンバー等)が予め付与されているものとする。
【0031】
また、上述した各地に所在する交換所内の充電指示制御ユニット110及び交換料金決定ユニット120は、
図2に示す様に、マイクロプロセッサーを搭載した中央処理部10に対して、(1)キーボードを備えた入力部20、(2)需要予測AI搭載コンピュータ500から入手した需要予測情報や、入力部20からの入力情報や、交換用バッテリーの充電状況に関する情報(交換用バッテリーの識別情報、交換用バッテリーの充電率、交換用バッテリーの充電完了からの経過時間、交換用バッテリーの交換料金等の情報を含む)等を表示する表示部30、(3)中央処理部10の処理動作に必要となる制御プログラムやその他の各種データを記憶するメモリ部40、及び(4)需要予測AI搭載コンピュータ500やサーバー装置600と、インターネットを介してデータの送受信を行うための通信部50等を接続することにより構成されている。
【0032】
また、中央処理部10には、所定のインターフェース(図示省略)を介して上述した単数又は複数の充電器(
図2の第1充電器130a、第2充電器130b参照)が接続されている。
【0033】
中央処理部10は、メモリ部40に記憶されている制御プラグラムを所定の手順で実行させることにより、通信部50を介して需要予測AI搭載コンピュータ500から得られた需要予測情報に基づいて、充電対象となる交換用バッテリーを決定し、充電器を介して充電率100%になるまで充電を行わせる構成である。
【0034】
また、中央処理部10は、充電が完了した交換用バッテリーについて、予めメモリ部40に記録されている、交換用バッテリーの充電完了時点からの経過時間により更新される交換料金の変化を示す特性グラフ(
図3参照)のデータを利用して、各交換用バッテリーの交換料金を決定すると共に、充電完了時点からの時間経過により交換料金を定期的(例えば、分単位)に更新し、表示部30に表示させる。また、中央処理部10は、当該決定した交換料金の内、その交換所における最安値の交換料金の情報を、通信部50を介してサーバー装置600にアップロードする構成である。
【0035】
上記特性グラフとしては、例えば、
図3に示す様に、典型的には3つのパターンが考えられる。
図3は、交換用バッテリーにおいて、例えば、充電率100%(満充電)に充電が完了した時点からの経過時間により更新される交換料金の変化を示す特性グラフについて、3パターンを模式的に示した図である。
図3に示す様に、第1料金決定グラフ121では、満充電からの経過時間と料金との関係を反比例の関係として表し、第2料金決定グラフ122では、満充電からの経過時間と料金との関係を、料金を最初は経過時間と共に徐々に下げていき、ある程度時間が経過すると一気に低下させる関係として表し、また、第3料金決定グラフ123では、最初の数分乃至数十分は料金を一定値とし、その後、経過時間と共に低下させ、予め定めた時間が経過した後は最低料金を維持する関係を表している。交換用バッテリーにおいて、例えば、充電率100%(満充電)に充電が完了した時点からの経過時間により更新される交換料金の特性グラフを
図3の何れのパターンに設定するかは、バッテリー劣化の進み方の特性のみに依存することなく、例えば、ユーザー心理等をも考慮して設定しても良い。
【0036】
本実施の形態では、充電完了時点からの時間経過により交換料金を定期的に更新する間隔は、充電完了時点から分単位とするが、これに限定されるものではない。
【0037】
次に、本実施の形態のバッテリー交換料金決定システム1の動作を中心に説明する。
【0038】
まず、
図1を用いて、本実施の形態のバッテリー交換料金決定システム1におけるバッテリー交換料金決定方法の概要を説明する。
【0039】
即ち、本実施の形態のバッテリー交換料金決定方法は、
【0040】
(1)バッテリー交換所(
図1の第1交換所100、第K交換所200、第Z交換所300参照)に予め用意されている単数又は複数の交換用バッテリーの内、所定のルール(本実施の形態では、需要予測AI搭載コンピュータ500から得られた需要予測情報を含む)に基づいて、充電対象となる交換用バッテリーと充電率とを決定し、その決定結果に基づいて、その充電対象の交換用バッテリーに対して、バッテリー交換所に予め用意されている充電装置(
図1の第1充電器130a等参照)を介して充電を行わせる充電指示制御ステップと、
【0041】
(2)充電指示制御ステップにより決定された充電率と、充電が完了した時点からの経過時間とに基づいて、充電された交換用バッテリーの交換料金を決定する交換料金決定ステップと、
【0042】
(3)交換料金決定ステップにより決定された交換料金に関する情報の全部又は一部(本実施の形態では、バッテリー交換所毎の最安値の交換料金の情報)を格納し、所定の情報端末からのアクセスを受け付ける料金情報格納ステップと、を備えている。
【0043】
以下、
図1、
図2を用いて、本実施の形態のバッテリー交換料金決定システム1の主として第1交換所100による動作を中心に説明しながらバッテリー交換料金決定方法について具体的に説明する。
【0044】
本実施の形態では、各バッテリー交換所(
図1の第1交換所100、第K交換所200、第Z交換所300参照)において保有されている交換用バッテリーの充電率は、需要予測により充電される前は、充電完了時点からの時間経過と共に生じるバッテリーの劣化が実際上無視出来る程度しか生じない値であると言われている80%に設定されているものとする。なお、本実施の形態では、各バッテリー交換所において保有している交換用バッテリーには、ユーザーの電気自動車から取り外された交換後のバッテリーも含まれる。
【0045】
本実施の形態では、第1交換所100の汎用コンピュータ2の中央処理部10は、通信部50を介して需要予測AI搭載コンピュータ500から分単位で(又は常時)需要予測情報を取得するものとする。
【0046】
上記の様な構成において、例えば、充電率80%の交換用バッテリーに充電を開始して満充電になるまでの時間が2時間であるとした場合に、需要予測AI搭載コンピュータ500により、今2時間後の需要予測を実行して、その結果、需要が存在するとなった場合には、中央処理部10は第1充電器130aを介して第1交換用バッテリー140aに対して直ちに充電を開始する。
【0047】
そうすると、2時間後に満充電となり、その頃、丁度ユーザーが来店するはずである。
【0048】
そして、満充電が完了した時点で丁度ユーザーが来店した場合は、値引きの無い標準価格にて満充電のバッテリーと交換する。
【0049】
しかし、すぐにユーザーが来店しない場合は、その満充電完了時点からの経過時間に応じて値引きがなされた料金でバッテリー交換が行われる。
【0050】
また、満充電が完了したバッテリーの料金は、その後の時間経過に伴って、分単位で更新されて、通信部50を介してサーバー装置600にアップロードされる。
【0051】
他方、例えば、需要予測を実行して得られた結果、需要がないと予測された場合は、充電せずに、需要予測を分単位で続けていく。
【0052】
なお、例外的に、同じ時刻に需要ありの予測が例えば2つ起こる可能性はあるが、その場合、もし交換所に2台のバッテリーが備えられていれば2台とも充電を開始する。
【0053】
サーバー装置600は、
図1に示す様に、車載ナビ装置や携帯端末等からのアクセス要求に応じて、それらの各種装置(
図1の車載ナビ表示画面710、携帯端末表示画面720、PC表示画面730参照)に対して、そのアクセス要求のあった車載ナビ装置や携帯端末等の位置する地域に近い複数のバッテリー交換所の最安値の交換料金の情報を送信する。
【0054】
ユーザーは、車載ナビ表示画面710、携帯端末表示画面720、及びPC表示画面730の何れかに表示された各地域の複数のバッテリー交換所での最安値の交換料金を見て、何れのバッテリー交換所でバッテリーを交換するか判断する。
【0055】
上述した様に、満充電状態で保有する交換用バッテリー以外の交換用バッテリーの充電率を80%に保持したことにより、バッテリー劣化が生じる件数を極力抑制することが出来る。
【0056】
また、バッテリー交換所において、需要予測を超えて、バッテリーの交換作業が必要となった場合は、充電率80%の状態で保有されている交換用バッテリーをそのまま利用して、交換料金について所定の値引き(満充電に達しない20%分に相当する料金)をすることにより、ユーザーの満足度を得ると共に迅速に交換作業を行うことが出来る。
【0057】
本来、バッテリー劣化を防ぐために最適な充電率は50%充電であるが、本実施の形態では、上記の通り、満充電状態で保有する交換用バッテリー以外の交換用バッテリーの充電率を80%の状態で保有している。これは、バッテリー劣化の防止を優先させて充電率を50%にした場合、需要予測を超えて、バッテリーの交換作業が必要となった場合において、充電率50%の状態で保有されている交換用バッテリーがそのまま利用されると、ユーザーの満足度が得られない可能性があるので、バッテリー劣化を起こさないで且つ、ユーザーの満足度を満たし得る程度の充電率として80%に定めた。
【0058】
以上説明したことから明らかな様に、本実施の形態のバッテリー交換料金決定システム1によれば、満充電の交換用バッテリーの件数を従来の様に予約制にするのではなく、需要予測AI搭載コンピュータ500から常時得られる予測精度の高い需要予測情報を利用して、満充電する交換用バッテリーの需要の有無を事前に把握することで、効率的に満充電を完了させることが出来ると共に、満充電の状態で未交換のまま残った場合でも、その残った交換用バッテリーの交換料金を、その満充電が完了した時点からの経過時間により上記の様に値引きした値をサーバー装置600を介してユーザー側の各種情報端末の表示画面に提示することで、多少のバッテリー劣化があっても交換料金が少しでも安い方が好ましいと考えるユーザーの要望を満たすことが出来、交換所において、満充電状態で未交換のまま残される交換用バッテリーの件数を抑制することが出来、またその交換用バッテリーの劣化の進行を抑制することが出来る。
【0059】
また、本実施の形態では、予約制を採用していないので、ユーザーが予約手続きを行うことによる煩わしさを感じることも無い。
【0060】
よって、本実施の形態によれば、バッテリー交換方式の電気自動車の普及にも貢献出来る。
【0061】
なお、上記実施の形態では、充電指示制御ユニット110により決定される充電率は、100%、即ち満充電である場合について説明したが、これに限らず例えば、交換用バッテリーの充電可能な最大容量に必ずしも完全に一致する値(即ち、充電率100%)に限らず、充電完了から待機状態にある時間の経過とともに実際上見逃せない程度のバッテリー劣化が起こる値(例えば、充電率95%や90%)であればどの様な値でも良い。
【0062】
また、上記実施の形態では、第1交換所100において、未交換のまま残っている満充電の第1交換用バッテリー140aの交換料金を、当該第1交換用バッテリー140aの満充電が完了した時点からの時間経過に基づいて決定する場合について説明したが、これに加えて、例えば、充電開始時点で判明している交換用バッテリーの劣化度合いをも加味して、当該未交換のまま残っている満充電の第1交換用バッテリー140aの交換料金を決定する構成としても良い。この構成の場合、充電開始時点で判明している交換用バッテリーの劣化度合いは、例えば、公知のバッテリー劣化評価方法を用いて予め測定しておき、作業員が入力部20から中央処理部10を介して、各交換用バッテリーの識別情報と関連づけてメモリ部40に記録しておくことで、中央処理部10(交換料金決定ユニット120)は、交換用バッテリーの充電率と、充電が完了した時点からの経過時間と、当該交換用バッテリーの劣化度合いとに基づいて、交換料金を決定するものとしても良い。この場合、最大充電可能容量を含む各種性能が製造当初において全く同じ交換用バッテリーにおいて、その後の使用状況や使用環境等によって交換用バッテリーの劣化度合いに差が生じているという状況の下で、双方ともに充電率100%の充電を行った場合、劣化の度合いが高い方(劣化の程度が進んでいる交換用バッテリー)が、劣化の度合いの低い方(劣化の程度があまり進んでいない交換用バッテリー)に比べて、実際に充電される最大容量の値が少なくなるという現象が生じることから、例えば、満充電を行った場合でも、劣化の度合いが高い方を、劣化の度合いの低い方に比べて、交換料金を低く設定することが好ましい。
【0063】
また、上記実施の形態では、サーバー装置600は、バッテリー交換所毎に決定された最安値の交換料金を、そのバッテリー交換所毎に対応付けて記憶部に格納する構成について説明したが、これに限らず例えば、最安値の交換料金と、その交換用バッテリーの件数とを格納する構成としても良い。これにより、情報端末側の表示画面には、最安値の交換料金と、その交換用バッテリーの件数が、バッテリー交換所毎に対応付けて表示可能となりユーザーの選択の自由度が広がる。
【0064】
また、上記実施の形態では、サーバー装置600は、バッテリー交換所毎に決定された最安値の交換料金を、そのバッテリー交換所毎に対応付けて記憶部に格納する構成について説明したが、これに限らず例えば、最安値の他に交換料金の安い順番に複数の交換料金を、そのバッテリー交換所毎に対応付けて記憶部に格納する構成としても良い。これにより、情報端末側の表示画面には、最安値の交換料金の他に交換料金の安い順番に複数の交換料金が、バッテリー交換所毎に対応付けて表示可能となりユーザーの選択の自由度が広がる。
【0065】
また、上記実施の形態では、バッテリー交換所における需要予測情報の取得作業と充電作業の開始を分単位で、或いは常時行うものとして説明した。この構成の場合、需要予測AI搭載コンピュータ500に入力されるデータには、例えば、曜日の情報、天候情報等に加えて、車載ナビ装置がネットワークに繋がっているものとして、「バッテリーの充電量が減っている電気自動車の走行中の現在位置情報(GPSにより取得される位置情報)」や、「それぞれのバッテリーの充電量の減り具合」や、「車載ナビ装置に設定されている目的地とそのルート情報」等が含まれていても良い。これにより、需要予測AI搭載コンピュータ500は、車載ナビ装置がネットワークに繋がっている電気自動車について、それぞれのルートを走行中の現在の位置情報やバッテリーの充電量の減り具合が把握出来ることから、例えば、ある電気自動車が充電の減った状態で第K交換所200を通過するであろうとの予測に基づいて、第K交換所200における需要予測を更新し、更新された需要予測を取得した第K交換所200の充電指示制御ユニット110は、その需要予測に応じて、交換用バッテリーの満充電への充電作業を開始することが出来る。これにより、需要予測が常時更新され得るので、中央処理部10により、更新前の需要予測により予め準備されていた満充電の交換用バッテリーの件数を超える需要が発生しそうな状況であることが、更新後の需要予測として取得された場合、バッテリー交換所は、その新たな需要予測情報にも迅速に対応することが出来る。
【0066】
また、上記実施の形態のバッテリー交換料金の決定に際して、バッテリー交換所において、電気自動車に搭載されていたバッテリーに残されている充電残量を測定し、作業員がその充電残量の測定情報を入力部20から入力することで、中央処理部10がその測定情報をも交換料金の決定に反映させる構成としても良い。この構成の場合、例えば、充電残量の程度によって交換料金の割引の程度に差を設ける構成としても良い。
【0067】
なお、上述した様に、本発明の構成は、ソフトウェア的に実現しても良いし、ハードウェア的に実現しても良い。