【解決手段】第1電極(ゲート電極111)および第2電極(ソース電極112)が形成された半導体素子11と、各々が半導体素子11に導通する複数のリードと、z方向に直交するy方向において互いに反対側を向く第1樹脂側面231および第2樹脂側面232を有し、前記複数のリードの一部ずつおよび半導体素子11を覆う封止樹脂2と、を備えており、前記複数のリードは、前記第1電極に導通する第1リード31および前記第2電極に導通する第2リード32を含み、第1リード31は、第1樹脂側面231から露出する第1実装部(第1端子部312)を含んでおり、第2リード32は、第1樹脂側面231から露出する第2実装部(第2端子部322)を含んでおり、前記第2実装部は、x方向において、前記第1実装部に並び、かつ、前記第1実装部よりもx方向の寸法が大きい。
前記第1樹脂側面のうち前記第1実装部と前記第2実装部とに挟まれた領域と、前記第2樹脂側面のうち前記第1露出部と前記第2露出部とに挟まれた領域とが、前記第1方向から見て重なる、
請求項11に記載の半導体装置。
前記第1樹脂側面のうち前記第1実装部および前記第2実装部に挟まれた領域と、前記第2樹脂側面のうち前記第4実装部および前記第5実装部に挟まれた領域とが、前記第1方向から見て重なる、
請求項16に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本開示の半導体装置の好ましい実施の形態について、図面を参照して、具体的に説明する。
【0028】
図1〜
図7は、本開示の第1実施形態に基づく半導体装置を示している。本実施形態の半導体装置A1は、半導体素子11、封止樹脂2、第1リード31、第2リード32、第3リード33、ボンディングワイヤ41、複数のボンディングリボン42、および、導電性接合材43を備えている。
【0029】
図1は、半導体装置A1を示す平面図である。
図2は、
図1に示す平面図において封止樹脂2を透過した図である。
図3は、半導体装置A1を示す底面図である。
図4は、半導体装置A1を示す側面図(右側面図)である。
図5は、半導体装置A1を示す正面図である。
図6は、
図2のVI−VI線に沿う断面図である。
図7は、
図2のVII−VII線に沿う断面図である。ここで、説明の便宜上、互いに直交するx方向、y方向およびz方向の3つの方向を定義する。z方向は半導体装置A1の厚さ方向とする。x方向は、半導体装置A1の平面図における左右方向とする。y方向は半導体装置A1の平面図における上下方向とする。なお、x方向、y方向およびz方向が、本開示にかかる特許請求の範囲に記載の「第2方向」、「第1方向」および「第3方向」にそれぞれ相当する。
【0030】
半導体装置A1は、様々な電子機器などの回路基板に表面実装する装置である。本実施形態においては、半導体装置A1は、z方向から見て(「平面視」ともいう)、略矩形状である。半導体装置A1の大きさは、たとえばx方向寸法が4.90〜5.10mm、y方向寸法が5.90〜6.10mm、z方向寸法が0.90〜1.10mmである。なお、半導体装置A1の大きさは、これに限定されない。たとえば、x方向寸法が3.20〜3.40mm、y方向寸法が3.20〜3.40mm、z方向寸法が0.70〜0.90mmとすることもできる。
【0031】
半導体素子11は、半導体装置A1の電気的機能を発揮する要素である。半導体素子11は、3つの電極を有する3端子素子である。本実施形態においては、半導体素子11は、パワーMOSFETとしているが、パワーMOSFETに限定されない。半導体素子11は、素子主面11aおよび素子裏面11bを有する。
【0032】
素子主面11aおよび素子裏面11bは、z方向において離間しており、互いに反対側を向く。素子主面11aには、ゲート電極111およびソース電極112が形成されている。ゲート電極111の面積は、ソース電極112の面積よりも小さい。素子裏面11bには、ドレイン電極113が形成されている。本実施形態においては、半導体装置A1を回路基板に実装した際、素子裏面11bが当該回路基板に対向する。ゲート電極111、ソース電極112およびドレイン電極113が、本開示にかかる特許請求の範囲に記載の「第1電極」、「第2電極」および「第3電極」にそれぞれ相当する。
【0033】
封止樹脂2は、第1リード31、第2リード32および第3リード33のそれぞれ一部ずつと、半導体素子11と、ボンディングワイヤ41と、複数のボンディングリボン42と、導電性接合材43とを覆っている。封止樹脂2は、たとえば黒色のエポキシ樹脂からなる。本実施形態においては、封止樹脂2は、平面視矩形状である。なお、封止樹脂2の平面視形状はこれに限定されない。封止樹脂2は、
図1〜
図7に示すように、樹脂主面21、樹脂裏面22および複数の樹脂側面23を有する。
【0034】
樹脂主面21と樹脂裏面22とは、z方向において互いに反対側を向く。樹脂主面21は、素子主面11aと同じ方向を向く。樹脂裏面22は、素子裏面11bと同じ方向を向く。複数の樹脂側面23は、樹脂主面21および樹脂裏面22に繋がっている。本実施形態においては、各樹脂側面23は、
図4および
図5に示すように、樹脂主面21および樹脂裏面22の両方に対して直交する平坦面である。なお、各樹脂側面23は、z方向に対して若干傾斜していてもよい。本実施形態においては、複数の樹脂側面23は、第1樹脂側面231および第2樹脂側面232を含む。第1樹脂側面231および第2樹脂側面232は、y方向において離間しており、互いに反対側を向く。
【0035】
第1リード31、第2リード32および第3リード33は、半導体装置A1におけるリードフレームとして機能する。第1リード31、第2リード32および第3リード33は、半導体素子11を支持するとともに、半導体素子11と導通している。第1リード31、第2リード32および第3リード33は、たとえば、金属板に打ち抜き加工や折り曲げ加工などを施すことにより形成されている。第1リード31、第2リード32および第3リード33はともに、金属からなり、好ましくはCuおよびNiのいずれか、またはこれらの合金や42アロイなどからなる。第1リード31、第2リード32および第3リード33の厚さは、たとえば0.20〜0.30mmである。第1リード31、第2リード32および第3リード33は、互いに離間している。本実施形態においては、第1リード31、第2リード32および第3リード33はともに、平面視矩形状である。
【0036】
第1リード31は、第1先端面31aおよび第1露出裏面31bを有している。第1先端面31aは、封止樹脂2の第1樹脂側面231と同じ方向を向く。本実施形態においては、第1先端面31aは平坦である。第1露出裏面31bは、封止樹脂2の樹脂裏面22から露出する面である。第1リード31は、第1先端面31aを除いて、めっき(図示略)で覆われている。当該めっきの素材は、たとえばAgやSnなどが挙げられる。なお、第1リード31におけるめっきの形成領域は、限定されない。本実施形態においては、第1リード31は、第1ボンディングパッド部311、第1端子部312および第1連結部313を含んでいる。本実施形態においては、第1ボンディングパッド部311、第1端子部312および第1連結部313はともに、平面視矩形状である。
【0037】
第1ボンディングパッド部311は、ボンディングワイヤ41が接合された部分である。
【0038】
第1端子部312は、半導体装置A1を回路基板に実装する際の端子として機能する部分である。第1端子部312は、封止樹脂2から露出する部分を有する。本実施形態においては、第1端子部312は、平面視において、封止樹脂2の第1樹脂側面231から突き出ている。本実施形態においては、第1端子部312が、本開示にかかる特許請求の範囲に記載の「第1実装部」に相当する。
【0039】
第1連結部313は、第1ボンディングパッド部311と第1端子部312とを繋ぐ部分である。第1連結部313は封止樹脂2に覆われている。本実施形態においては、第1連結部313は、
図7に示すように、屈曲している。第1連結部313が屈曲していることで、第1ボンディングパッド部311は第1端子部312よりもz方向において上方に位置する。本実施形態においては、第1連結部313は、z方向に直交する平面(x−y平面)に対して傾斜している。なお、第1連結部313は、x−y平面に対して傾斜しているのではなく、直立していてもよい。
【0040】
第2リード32は、第2先端面32aおよび第2露出裏面32bを有している。第2先端面32aは、封止樹脂2の第1樹脂側面231と同じ方向を向く。本実施形態においては、第2先端面32aは平坦である。第2露出裏面32bは、封止樹脂2の樹脂裏面22から露出する面である。第2リード32は、第2先端面32aを除いて、めっき(図示略)で覆われている。当該めっきの素材は、たとえばAgやSnなどが挙げられる。なお、第2リード32におけるめっきの形成領域は、限定されない。第2リード32は、第2ボンディングパッド部321、第2端子部322および第2連結部323を含んでいる。本実施形態においては、第2ボンディングパッド部321、第2端子部322および第2連結部323はともに、平面視矩形状である。
【0041】
第2ボンディングパッド部321は、複数のボンディングリボン42のそれぞれが接合された部分である。第2ボンディングパッド部321は、x方向から見て第1ボンディングパッド部311に重なる。
【0042】
第2端子部322は、半導体装置A1を回路基板に実装する際の端子として機能する部分である。第2端子部322は、封止樹脂2から露出する部分を有する。本実施形態においては、第2端子部322は、平面視において、封止樹脂2の第1樹脂側面231から突き出ている。本実施形態においては、
図2に示すように、第2端子部322のx方向寸法を、第2ボンディングパッド部321のx方向寸法と略同じとしている。本実施形態においては、第2端子部322が、本開示にかかる特許請求の範囲に記載の「第2実装部」に相当する。
【0043】
第2連結部323は、第2ボンディングパッド部321と第2端子部322とを繋ぐ部分である。本実施形態においては、第2連結部323は、
図6に示すように、屈曲している。第2連結部323が屈曲していることで、第2ボンディングパッド部321は第2端子部322よりもz方向において上方に位置する。本実施形態においては、第2連結部323は、z方向に直交する平面(x−y平面)に対して傾斜している。なお、第2連結部323は、x−y平面に対して傾斜しているのではなく、直立していてもよい。
【0044】
第3リード33は、第3先端面33a、第3露出裏面33bおよび2つの側方先端面33cを有している。第3先端面33aは、封止樹脂2の第2樹脂側面232と同じ方向を向く。本実施形態においては、第3先端面33aは平坦である。第3露出裏面33bは、封止樹脂2の樹脂裏面22から露出する面である。2つの側方先端面33cは、x方向の一方をそれぞれ向く。第3リード33は、第3先端面33aおよび側方先端面33cを除いて、めっき(図示略)で覆われている。当該めっきの素材は、たとえばAgやSnなどが挙げられる。なお、第3リード33におけるめっきの形成領域は、限定されない。第3リード33は、第3ボンディングパッド部331、第3端子部332、第3連結部333および2つの側方延出部334を含んでいる。本実施形態においては、第3ボンディングパッド部331、第3端子部332および第3連結部333はともに、平面視矩形状である。
【0045】
第3ボンディングパッド部331は、半導体素子11が搭載された部分である。本実施形態においては、第3ボンディングパッド部331は、いわゆるダイパッドとして機能する。
【0046】
第3端子部332は、半導体装置A1を回路基板に実装する際の端子として機能する部分である。第3端子部332は、封止樹脂2から露出する部分を有する。本実施形態においては、第3端子部332は、平面視において、封止樹脂2の第2樹脂側面232から突き出ている。第3端子部332は、y方向から見て第1端子部312および第2端子部322の両方に重なる。本実施形態においては、
図2に示すように、第3端子部332のx方向寸法を、第3ボンディングパッド部331のx方向寸法と略同じとしている。本実施形態においては、第3端子部332が、本開示にかかる特許請求の範囲に記載の「第3実装部」に相当する。
【0047】
第3連結部333は、第3ボンディングパッド部331および第3端子部332に繋がる。第3連結部333は、第3ボンディングパッド部331からy方向に延出し、第3端子部332は、第3連結部333からy方向に延出している。
【0048】
2つの側方延出部334は、第3ボンディングパッド部331のx方向の各端縁からそれぞれ1つずつ延びている。各側方延出部334の一部は平面視において封止樹脂2から突き出ている。なお、第3リード33が2つの側方延出部334を含んでいなくてもよい。
【0049】
第1端子部312、第2端子部322および第3端子部332の大きさおよび配置については後述する。
【0050】
ボンディングワイヤ41は、導電性を有する線状部材である。本実施形態においては、ボンディングワイヤ41は、Cu(銅)、Au(金)あるいはAl(アルミニウム)からなる。ボンディングワイヤ41は、
図2および
図7に示すように、一端が第1ボンディングパッド部311に接合され、他端がゲート電極111に接合されている。これにより、第1ボンディングパッド部311(第1リード31)とゲート電極111とが導通している。本実施形態においては、ボンディングワイヤ41を介して、第1端子部312がゲート電極111に導通しているので、第1端子部312が半導体装置A1におけるゲート端子となる。
【0051】
複数のボンディングリボン42の各々は、導電性を有する線状部材である。本実施形態においては、各ボンディングリボン42は、Alからなる。各ボンディングリボン42は、
図2および
図6に示すように、一端が第2ボンディングパッド部321に接合され、他端がソース電極112に接合されている。各ボンディングリボン42は、第2ボンディングパッド部321(第2リード32)とソース電極112とを導通させている。本実施形態においては、半導体装置A1は、2つのボンディングリボン42を備えている。なお、ボンディングリボン42の代わりに、ボンディングワイヤ41と同様のボンディングワイヤを用いてもよい。本実施形態においては、複数のボンディングリボン42を介して、第2端子部322がソース電極112に導通しているので、第2端子部322が半導体装置A1におけるソース端子となる。
【0052】
導電性接合材43は、たとえばはんだやAgペーストなどの導電体である。本実施形態においては、導電性接合材43は、半導体素子11(素子裏面11b)と第3リード33(第3ボンディングパッド部331)との間に介在し、これらを導通接合している。本実施形態においては、素子裏面11bにドレイン電極113が形成されている。したがって、導電性接合材43はドレイン電極113と第3ボンディングパッド部331とを導通させている。本実施形態においては、導電性接合材43を介して、第3端子部332がドレイン電極113に導通しているので、第3端子部332が半導体装置A1におけるドレイン端子となる。
【0053】
次に、第1リード31における第1端子部312、第2リード32における第2端子部322および第3リード33における第3端子部332のそれぞれの大きさおよび配置についての一例を説明する。
【0054】
図1に示すように、第1端子部312および第2端子部322は、平面視において、第1樹脂側面231から突き出ている。また、第3端子部332は、平面視において、第2樹脂側面232から突き出ている。よって、第1端子部312および第2端子部322と、第3端子部332とは、封止樹脂2を挟んで反対側に配置されている。
【0055】
図1に示すように、平面視において、第1端子部312のx方向中央と第2端子部322のx方向中央とは、封止樹脂2のx方向中央を挟んで反対側に位置する。また、
図1に示すように、第2端子部322および第3端子部332は、封止樹脂2のx方向中央を結ぶ線分の延長線L1に重なっている。
【0056】
図1および
図5に示すように、封止樹脂2のx方向寸法d2に対する、第1端子部312と第2端子部322との離間距離d1の割合(d1/d2)は、0.08以上でありかつ0.35以下である。具体的には、封止樹脂2のx方向寸法d2が5.0mmであるとすると、第1端子部312と第2端子部322との離間距離d1は0.4〜1.75mmである。また、封止樹脂2のx方向寸法d2が3.3mmであるとすると、第1端子部312と第2端子部322との離間距離d1は0.26〜1.16mmである。たとえば、HSOP(Heatsink Small Outline Package)型のパッケージにおいて、第1端子部312と第2端子部322との離間距離d1を0.4mmとすることもできる。この場合、封止樹脂2のx方向寸法d2が5.0mmであり、かつ、第1端子部312と第2端子部322との離間距離d1が0.4mmであるので、上記割合(d1/d2)は0.08となる。すなわち、上記割合(d1/d2)が最小の場合である。
【0057】
図5に示すように、第1端子部312および第2端子部322は、z方向において同じ位置に配置されており、かつ、x方向に並んでいる。また、
図1に示すように、第2端子部322のx方向寸法は、第1端子部312のx方向寸法よりも大きい。たとえば、第2端子部322のx方向寸法は、第1端子部312のx方向寸法の2〜8.7倍程度である。たとえば、上記割合(d1/d2)が0.20であるHSOP型のパッケージ、すなわち、封止樹脂2のx方向寸法d2が5.0mmであり、かつ、第1端子部312と第2端子部322との離間距離d1が1.0mmであるHSOP型のパッケージにおいて、第1端子部312のx方向寸法を0.33mm、第2端子部322のx方向寸法を2.87mmとしたとき、第2端子部322のx方向寸法は、第1端子部312のx方向寸法の約8.7倍となる。また、上記割合(d1/d2)が0.08であるHSOP型のパッケージ、すなわち、封止樹脂2のx方向寸法d2が5.0mmであり、かつ、第1端子部312と第2端子部322との離間距離d1が0.4mmであるHSOP型のパッケージにおいて、第1端子部312のx方向寸法を0.94mm、第2端子部322のx方向寸法を2.86mmとしたとき、第2端子部322のx方向寸法は、第1端子部312のx方向寸法の約3.0倍となる。なお、他のパッケージ(たとえばHUML型のパッケージ)に適用した場合、第2端子部322のx方向寸法は、第1端子部312のx方向寸法の約2倍とすることも可能である。
【0058】
図8は、半導体装置A1の製造に用いられるリードフレーム30を示している。リードフレーム30は、第1リード31、第2リード32および第3リード33となる部位を有する金属板材料である。リードフレーム30は、たとえば、金属板に打ち抜き加工や折り曲げ加工などを施すことにより形成される。リードフレーム30のうち、第1リード31、第2リード32および第3リード33となる部位の所定の領域(
図8においてドットパターンを付した領域)には、めっきが施される。当該めっきの素材は、たとえばAgやSnなどが挙げられる。なお、リードフレーム30の主面および裏面において、それぞれ異なる素材のめっきを施してもよいし、同じ素材のめっきを施してもよい。また、めっきを施す領域は
図8のドットパターンで示すものに限定されない。
【0059】
次いで、
図9に示すように、リードフレーム30に半導体素子11を搭載する。次いで、ボンディングワイヤ41および複数のボンディングリボン42をボンディングする。次いで、封止樹脂2を形成する。そして、切断線CL1、切断線CL2および切断線CL3に沿ってリードフレーム30を切断する。この切断によって形成される第1リード31の第1先端面31a、第2リード32の第2先端面32a、第3リード33の第3先端面33aおよび第3リード33の側方先端面33cは、リードフレーム30の切断面からなり、上記めっきが設けられない面となる。
【0060】
次に、半導体装置A1の作用、効果について説明する。
【0061】
半導体装置A1においては、第2端子部322のx方向寸法は、第1端子部312のx方向寸法よりも大きい。このような構成によると、第2端子部322において、半導体装置A1を回路基板に実装する際の、はんだ付け面積を拡大することができる。したがって、半導体装置A1の回路基板への実装強度を高めることができる。
【0062】
半導体装置A1においては、第3端子部332のx方向寸法は、第1端子部312のx方向寸法よりも大きい。このような構成によると、第3端子部332において、半導体装置A1を回路基板に実装する際の、はんだ付け面積を拡大することができる。したがって、半導体装置A1の回路基板への実装強度を高めることができる。
【0063】
半導体装置A1においては、第2端子部322および第3端子部332のx方向寸法を、第1端子部312のx方向寸法よりも大きくしている。上記するように第2端子部322は半導体装置A1におけるソース端子であり、第3端子部332は半導体装置A1におけるドレイン端子である。このような構成によると、より大きな電流を半導体装置A1に流すことができる。
【0064】
半導体装置A1においては、第2リード32における第2端子部322および第3リード33における第3端子部332がそれぞれ1つである。従来の半導体装置においては、1つのリードに対して複数の端子が突き出るように構成されており、当該複数の端子部同士の間に隙間があった。一方、半導体装置A1においては、第2端子部322および第3端子部332がそれぞれ1つであるため、上記隙間がない。したがって、この隙間となる部分にも第2端子部322および第3端子部332が形成されているので、第2端子部322および第3端子部332のx方向寸法を大きくできる。これにより、第2端子部322および第3端子部332に流れる電流の流路断面積が拡大されるので、半導体装置A1の内部抵抗を低減することができる。
【0065】
半導体装置A1においては、封止樹脂2から第1端子部312、第2端子部322および第3端子部332がそれぞれ1つずつ突き出している。したがって、半導体装置A1は、3つの端子を有している。従来の半導体装置は、端子の数が多いため、回路基板に実装した後において、各端子が適切にはんだ付け(接合)されているかを確認するのが煩雑となる傾向があった。一方、半導体装置A1は、従来の半導体装置と比較して、端子の数が少ないため、回路基板に実装した後において、はんだ付け(接合)されているかを確認する箇所を少なくできる。すなわち、当該確認作業の煩雑さを低減することができる。
【0066】
半導体装置A1においては、封止樹脂2のx方向寸法d2に対する、第2端子部322と第1端子部312とのx方向における離間距離d1の割合(d1/d2)が0.08以上である。これは、従来の半導体装置と比較して、第1端子部312と第2端子部322とが離れて配置されていることになる。このような構成によると、半導体装置A1を回路基板に実装したときに、第1端子部312と第2端子部322とが短絡する恐れを抑制することができる。すなわち、本実施形態においては、半導体装置A1のゲート端子とソース端子との短絡を抑制している。特に、半導体装置A1においては、第2リード32において、第2端子部322を1つにすることで、x方向寸法を大きくしたので、従来の半導体装置における電流の流路断面積を確保しつつ、上記離間距離d1を大きくすることができる。
【0067】
半導体装置A1においては、封止樹脂2のx方向寸法d2に対する、第2端子部322と第1端子部312とのx方向における離間距離d1の割合(d1/d2)が0.35以下である。上記割合を大きくすると、第1端子部312と第2端子部322とをより離すことができるが、上記割合を大きくすればするほど、第2端子部322のx方向寸法が小さくなる。その結果、電流の流路断面積が減少するため、半導体装置A1の内部抵抗の増加に繋がる。そこで、上記割合を0.35以下にすることで、電流の流路断面積を確保しつつ、第1端子部312と第2端子部322との短絡を抑制することができる。
【0068】
半導体装置A1は、3つの端子(第1端子部312、第2端子部322および第3端子部332)が突き出しており、これらの端子はx方向寸法が互いに異なる。したがって、これらの端子の大きさの違いに基づいて、ゲート端子、ソース端子およびドレイン端子を判別することができる。
【0069】
第1実施形態では、第2端子部322のx方向寸法が、第2ボンディングパッド部321のx方向寸法と略同じであり、第3端子部332のx方向寸法が、第3ボンディングパッド部331のx方向寸法と略同じである場合を示したが、これに限定されない。たとえば、第2端子部322のx方向寸法が、第2ボンディングパッド部321のx方向寸法と異なっていてもよい。ただし、第2端子部322のx方向寸法が第1端子部312のx方向寸法よりも大きくしておく必要がある。
【0070】
以下に、本開示の半導体装置に係る他の実施形態について説明する。なお、これらの図において、上記第1実施形態と同一または類似の要素には、上記第1実施形態と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0071】
図10および
図11は、本開示の第2実施形態に基づく半導体装置を示している。本実施形態の半導体装置A2は、上記半導体装置A1(第1実施形態)と比較して、半導体素子11(ソース電極112)と第2リード32とが、板状の金属部材(以下、「ストラップ部材44」という。)により、接続されている点で異なる。
【0072】
図10は、半導体装置A2を示す平面図である。
図10においては、封止樹脂2を透過している。
図11は、
図10のXI−XI線に沿う断面図である。
【0073】
ストラップ部材44は、上記するように板状の金属部材である。本実施形態においては、ストラップ部材44は、
図10に示すように平面視矩形状である。本実施形態においては、ストラップ部材44は、半導体素子11のソース電極112と第2リード32とを接続している。ストラップ部材44のy方向の一方(
図11における下方)の端縁部分が、はんだやAgペーストなどの導電性接合材441を介して、第2リード32の第2ボンディングパッド部321に導通接合されている。また、ストラップ部材44のy方向の他方(
図11における上方)の端縁部分が、はんだやAgペーストなどの導電性接合材441を介して、半導体素子11のソース電極112に導通接合されている。なお、ストラップ部材44と第2ボンディングパッド部321との間に挟まれた導電性接合材441と、ストラップ部材44とソース電極112との間に挟まれた導電性接合材441とは、同じ素材であってもよいし、異なる素材であってもよい。また、導電性接合材441の素材は、はんだやAgペーストなどに限定されない。本実施形態においては、半導体素子11は、第3リード33(第3ボンディングパッド部331)とストラップ部材44とにより、挟み込まれて支持されている。
【0074】
以上のように構成された半導体装置A2においても、第2端子部322のx方向寸法は、第1端子部312のx方向寸法よりも大きい。したがって、半導体装置A2においても、半導体装置A2を回路基板に実装する際の、はんだ付け面積を拡大することができる。これにより、半導体装置A2の回路基板への実装強度を高めることができる。また、半導体装置A2において、半導体装置A1と同様に構成された部分は、半導体装置A1と同様の効果を奏することができる。
【0075】
半導体装置A2においては、ストラップ部材44により、第2リード32とソース電極112とが導通している。ストラップ部材44は、ボンディングワイヤやボンディングリボンよりも流路断面積を拡大できる。したがって、半導体装置A2は、半導体装置A1よりも、さらに内部抵抗の低減を図ることができる。
【0076】
第2実施形態では、半導体素子11のソース電極112と第2リード32とをストラップ部材44を用いて導通接続した場合を示したが、さらに半導体素子11のゲート電極111と第1リード31とをストラップ部材を用いて導通接続してもよい。
【0077】
図12〜
図14は、本開示の第3実施形態に基づく半導体装置を示している。本実施形態の半導体装置A3は、上記半導体装置A1(第1実施形態)と比較して、第1リード31および第2リード32が屈曲していない点で異なる。
【0078】
図12は、半導体装置A3を示す平面図である。
図12においては、封止樹脂2を透過している。
図13は、
図12のXIII−XIII線に沿う断面図である。
図14は、
図12のXIV−XIV線に沿う断面図である。
【0079】
本実施形態においては、第1リード31は、第1連結部313が屈曲しておらず、平板状になっている。このため、第1ボンディングパッド部311と第1端子部312とは、z方向において同じ位置に配置されている。本実施形態においては、第1ボンディングパッド部311、第1端子部312および第1連結部313は、y方向から見て互いに重なる。
【0080】
本実施形態においては、第2リード32は、第2連結部323が屈曲しておらず、平板状になっている。このため、第2ボンディングパッド部321と第2端子部322とは、z方向において同じ位置に配置されている。本実施形態においては、第2ボンディングパッド部321、第2端子部322および第2連結部323は、y方向から見て互いに重なる。
【0081】
以上のように構成された半導体装置A3においても、第2端子部322のx方向寸法は、第1端子部312のx方向寸法よりも大きい。したがって、半導体装置A3においても、半導体装置A3を回路基板に実装する際の、はんだ付け面積を拡大することができる。これにより、半導体装置A3の回路基板への実装強度を高めることができる。また、半導体装置A3において、半導体装置A1,A2と同様に構成された部分は、半導体装置A1,A2と同様の効果を奏することができる。
【0082】
半導体装置A3においては、第1連結部313および第2連結部323はともに、屈曲していない。したがって、半導体装置A3の製造時に用いるリードフレーム30において、第1リード31および第2リード32となる部分の折り曲げ加工を行う必要がない。
【0083】
第3実施形態では、第1実施形態と同様に、第2リード32とソース電極112とを複数のボンディングリボン42で導通させた場合を示したが、これに限定されない。例えば、第2実施形態と同様に、ストラップ部材44を用いて、第2リード32とソース電極112とを導通させてもよい。
【0084】
図15および
図16は、本開示の第4実施形態に基づく半導体装置を示している。本実施形態の半導体装置A4は、上記半導体装置A1(第1実施形態)と比較して、第2リード32が半導体素子11のソース電極112に直接接続されている点で異なる。
【0085】
図15は、半導体装置A4を示す平面図である。
図15においては、封止樹脂2を透過している。
図16は、
図15のXVI−XVI線に沿う断面図である。
【0086】
本実施形態においては、第2リード32は、第2ボンディングパッド部321の代わりに、クリップボンディング部324を含んでいる。クリップボンディング部324は、半導体素子11のソース電極112に接合される部分である。本実施形態においては、
図16に示すように、クリップボンディング部324は、はんだやAgペーストなどの導電性接合材45を介して、半導体素子11のソース電極112に接合されている。本実施形態においては、第2連結部323は、第2端子部322とクリップボンディング部324とを繋ぐ部分である。第2連結部323は、
図16に示すように、x−y平面に対して傾斜している場合を示すが、x−y平面に対して直立していてもよい。本実施形態においては、半導体素子11は、第3リード33(第3ボンディングパッド部331)と第2リード32(クリップボンディング部324)により、挟み込まれて支持されている。
【0087】
以上のように構成された半導体装置A4においても、第2端子部322のx方向寸法は、第1端子部312のx方向寸法よりも大きい。したがって、半導体装置A4においても、半導体装置A4を回路基板に実装する際の、はんだ付け面積を拡大することができる。これにより、半導体装置A4の回路基板への実装強度を高めることができる。また、半導体装置A4において、半導体装置A1〜A3と同様に構成された部分は、半導体装置A1〜A3と同様の効果を奏することができる。
【0088】
半導体装置A4においては、第2リード32を半導体素子11のソース電極112に直接接続している。したがって、ソース電極112から第2リード32に直接電流を流すことができる。したがって、半導体装置A4の内部抵抗をさらに低減させることができる。
【0089】
第4実施形態では、第2リード32を半導体素子11のソース電極112に直接接続した場合を示したが、これに限定されない。たとえば、さらに第1リード31を半導体素子11のゲート電極111に直接接続してもよい。
【0090】
なお、第4実施形態において、
図17に示すように、第2リード32の第2連結部323に貫通孔323aが形成されていてもよい。貫通孔323aは、第2連結部323をz方向に貫通している。このように貫通孔323aを形成しておくことで、第2リード32の折り曲げ加工を容易にできる。
【0091】
図18〜
図20は、本開示の第5実施形態に基づく半導体装置を示している。本実施形態の半導体装置A5は、上記半導体装置A1(第1実施形態)と比較して、半導体素子11が第3リード33に搭載されているのではなく、第1リード31および第2リード32にまたがって搭載されている点で異なる。
【0092】
図18は、半導体装置A5を示す平面図である。
図19は、半導体装置A5を示す底面図である。なお、
図18および
図19においては、封止樹脂2を透過している。
図20は、
図18のXX−XX線に沿う断面図である。
【0093】
本実施形態においては、半導体素子11は、ゲート電極111が、導電性接合材43を介して第1リード31(第1ボンディングパッド部311)に接合されている。また、ソース電極112が導電性接合材43を介して第2リード32(第2ボンディングパッド部321)に接合されている。これにより、半導体素子11が第1リード31および第2リード32にまたがって搭載されている。本実施形態においては、
図20に示すように、半導体装置A5を回路基板に実装した際、半導体素子11の素子主面11aが回路基板に対向する。
【0094】
本実施形態においては、
図18に示すように、半導体素子11と第3リード33とが、ストラップ部材44を介して、導通している。具体的には、
図20に示すように、ストラップ部材44のy方向一方側の端縁部分が、導電性接合材441を介して半導体素子11のドレイン電極113に接合されており、ストラップ部材44のy方向他方側の端縁部分が、導電性接合材441を介して第3リード33の第3ボンディングパッド部331に接合されている。これにより、ドレイン電極113と第3ボンディングパッド部331とが導通し、第3リード33の第3端子部332がドレイン端子となる。なお、半導体素子11のドレイン電極113と第3リード33とがストラップ部材44を介して導通するのではなく、上記第4実施形態における第2リード32と同様に、第3リード33が直接ドレイン電極113に接合されていてもよい。
【0095】
本実施形態においては、第2リード32は、2つの側方延出部325をさらに含んでいる。2つの側方延出部325は、第2ボンディングパッド部321のx方向の各端縁からそれぞれ1つずつ延びている。各側方延出部325の一部は、
図18に示すように、平面視において封止樹脂2から突き出ている。なお、第2リード32が2つの側方延出部325を含んでいなくてもよい。
【0096】
以上のように構成された半導体装置A5においても、第2端子部322のx方向寸法は、第1端子部312のx方向寸法よりも大きい。したがって、半導体装置A5においても、半導体装置A5を回路基板に実装する際の、はんだ付け面積を拡大することができる。これにより、半導体装置A5の回路基板への実装強度を高めることができる。また、半導体装置A5において、半導体装置A1〜A4と同様に構成された部分は、半導体装置A1〜A4と同様の効果を奏することができる。
【0097】
図21および
図22は、本開示の第6実施形態に基づく半導体装置を示している。本実施形態の半導体装置A6は、上記半導体装置A1(第1実施形態)と比較して、半導体素子11とは異なる半導体素子12をさらに備えている点で主に異なる。
【0098】
図21は、半導体装置A6を示す平面図である。
図21においては、封止樹脂2を透過している。
図22は、半導体装置A6を示す底面図である。
【0099】
半導体装置A6は、半導体装置A1と比較して、半導体素子12、第4リード34および第5リード35をさらに備えている。
【0100】
半導体素子12は、3つの電極を有する3端子素子である。本実施形態においては、半導体素子12は、半導体素子11と同じくパワーMOSFETとしているが、パワーMOSFETに限定されない。半導体素子12が、本開示にかかる特許請求の範囲に記載の「第2の半導体素子」に相当する。半導体素子12は、素子主面12aおよび素子裏面12bを有する。
【0101】
素子主面12aおよび素子裏面12bは、z方向において離間しており、互いに反対側を向く。本実施形態においては、素子主面12aには、ゲート電極121およびソース電極122が形成されている。ゲート電極121の面積は、ソース電極122の面積よりも小さい。本実施形態においては、素子裏面12bには、ドレイン電極123が形成されている。素子裏面12bは、半導体装置A1を回路基板に実装した際、当該回路基板に対向する。ゲート電極121、ソース電極122およびドレイン電極123が、本開示にかかる特許請求の範囲に記載の「第4電極」、「第5電極」および「第6電極」にそれぞれ相当する。
【0102】
本実施形態においては、第3リード33は、第3ボンディングパッド部331および2つの側方延出部334を含んでいる。したがって、本実施形態における第3リード33は、第1実施形態における第3リード33と比較して、第3端子部332および第3連結部333を含んでいない。
【0103】
本実施形態においては、第3ボンディングパッド部331は、半導体素子11を搭載するとともに、半導体素子12をさらに搭載する。第3ボンディングパッド部331は、封止樹脂2の樹脂裏面22から露出している。第3ボンディングパッド部331の下面と樹脂裏面22とは面一である。第3ボンディングパッド部331の下面が第3露出裏面33bである。本実施形態においては、第3露出裏面33bが、本開示にかかる特許請求の範囲に記載の「第3実装部」に相当する。
【0104】
第4リード34は、第4先端面34aおよび第4露出裏面34bを有している。第4先端面34aは、封止樹脂2の第2樹脂側面232と同じ方向を向く。本実施形態においては、第4先端面34aは平坦である。第4露出裏面34bは、封止樹脂2の樹脂裏面22から露出する面である。第4リード34は、第4先端面34aを除いて、めっき(図示略)で覆われている。当該めっきの素材は、たとえばAgやSnなどが挙げられる。なお、第4リード34におけるめっきの形成領域は、限定されない。本実施形態においては、第4リード34は、第4ボンディングパッド部341、第4端子部342および第4連結部343を含んでいる。本実施形態においては、第4ボンディングパッド部341、第4端子部342および第4連結部343はともに、平面視矩形状である。
【0105】
第4ボンディングパッド部341は、ボンディングワイヤ41が接合された部分である。
【0106】
第4端子部342は、半導体装置A6を回路基板に実装する際の端子として機能する部分である。第4端子部342は、封止樹脂2から露出する部分を有する。本実施形態においては、第4端子部342は、平面視において、封止樹脂2の第2樹脂側面232から突き出ている。本実施形態においては、第4端子部342が、本開示にかかる特許請求の範囲に記載の「第4実装部」に相当する。
【0107】
第4連結部343は、第4ボンディングパッド部341と第4端子部342とを繋ぐ部分である。第4連結部343は封止樹脂2に覆われている。本実施形態においては、第4連結部343は、屈曲している。第4連結部343が屈曲していることで、第4ボンディングパッド部341は第4端子部342よりもz方向において上方に位置する。本実施形態においては、第4連結部343は、z方向に直交する平面(x−y平面)に対して傾斜している。なお、第4連結部343は、x−y平面に対して傾斜しているのではなく、直立していてもよい。
【0108】
第5リード35は、第5先端面35aおよび第5露出裏面35bを有している。第5先端面35aは、封止樹脂2の第2樹脂側面232と同じ方向を向く。本実施形態においては、第5先端面35aは平坦である。第5露出裏面35bは、封止樹脂2の樹脂裏面22から露出する面である。第5リード35は、第5先端面35aを除いて、めっき(図示略)で覆われている。当該めっきの素材は、たとえばAgやSnなどが挙げられる。なお、第5リード35におけるめっきの形成領域は、限定されない。本実施形態においては、第5リード35は、第5ボンディングパッド部351、第5端子部352および第5連結部353を含んでいる。本実施形態においては、第5ボンディングパッド部351、第5端子部352および第5連結部353はともに、平面視矩形状である。
【0109】
第5ボンディングパッド部351は、複数のボンディングリボン42のそれぞれが接合された部分である。第5ボンディングパッド部351は、x方向から見て第4ボンディングパッド部341に重なる。
【0110】
第5端子部352は、半導体装置A6を回路基板に実装する際の端子として機能する部分である。第5端子部352は、封止樹脂2から露出する部分を有する。本実施形態においては、第5端子部352は、平面視において、封止樹脂2の第2樹脂側面232から突き出ている。本実施形態においては、第5端子部352が、本開示にかかる特許請求の範囲に記載の「第5実装部」に相当する。
【0111】
第5連結部353は、第5ボンディングパッド部351と第5端子部352とを繋ぐ部分である。本実施形態においては、第5連結部353は、屈曲している。第5連結部353が屈曲していることで、第5ボンディングパッド部351は第5端子部352よりもz方向において上方に位置する。本実施形態においては、第5連結部353は、z方向に直交する平面(x−y平面)に対して傾斜している。なお、第5連結部353は、x−y平面に対して傾斜しているのではなく、直立していてもよい。
【0112】
第4端子部342および第5端子部352はともに、平面視において封止樹脂2の第2樹脂側面232から突き出ている。第4端子部342および第5端子部352は、z方向において同じ位置に配置されており、
図21に示すようにx方向に並んでいる。また、
図21に示すように、第5端子部352のx方向寸法は、第4端子部342のx方向寸法よりも大きい。
【0113】
本実施形態においては、
図21に示すように、第4端子部342のx方向寸法は、第1端子部312のx方向寸法と同じである。また、第1端子部312と第4端子部342とは、y方向から見て重なる。さらに、本実施形態においては、
図21に示すように、第5端子部352のx方向寸法は、第2端子部322のx方向寸法と同じである。また、第2端子部322と第5端子部352とは、y方向から見て重なる。したがって、y方向から見て、第1樹脂側面231のうち第1端子部312と第2端子部322とに挟まれた領域は、第2樹脂側面232のうち第4端子部342と第5端子部352とに挟まれた領域に重なる。
【0114】
以上のように構成された半導体装置A6においても、第2端子部322のx方向寸法は、第1端子部312のx方向寸法よりも大きい。したがって、半導体装置A6においても、半導体装置A6を回路基板に実装する際の、はんだ付け面積を拡大することができる。これにより、半導体装置A6の回路基板への実装強度を高めることができる。また、半導体装置A6において、半導体装置A1〜A5と同様に構成された部分は、半導体装置A1〜A5と同様の効果を奏することができる。
【0115】
半導体装置A6においては、半導体素子11および半導体素子12を備えている。よって、半導体素子11と半導体素子12との組み合わせにより、半導体装置A6の多機能化を図ることができる。
【0116】
第6実施形態では、半導体素子11のドレイン電極113と半導体素子12のドレイン電極123とを第3リード33に接合させることで、2つの半導体素子11,12のドレイン電極113,123同士を接続した場合を示したが、これに限定されない。たとえば、2つの半導体素子11,12のゲート電極111,121同士を接続し、かつ、ソース電極112,122同士を接続するようにしてもよい。
【0117】
図23および
図24は、本開示の第7実施形態に基づく半導体装置を示している。本実施形態の半導体装置A7は、上記半導体装置A6(第6実施形態)と比較して、半導体素子12の代わりに半導体素子13を備えている点で異なる。
【0118】
図23は、半導体装置A7を示す平面図である。
図23においては、封止樹脂2を透過している。
図24は、半導体装置A7を示す底面図である。
【0119】
半導体素子13は、2つの電極を有する2端子素子である。本実施形態においては、半導体素子13は、ダイオードとしているが、ダイオードに限定されない。半導体素子13が、本開示にかかる特許請求の範囲に記載の「第2の半導体素子」に相当する。半導体素子13は、素子主面13aおよび素子裏面13bを有する。
【0120】
素子主面13aおよび素子裏面13bは、z方向において離間しており、互いに反対側を向く。本実施形態においては、素子主面13aには、
図23に示すように、アノード電極131およびカソード電極132が形成されている。本実施形態においては、半導体装置A7を回路基板に実装した際、半導体素子11の素子裏面11bおよび半導体素子13の素子裏面13bが当該回路基板に対向する。
【0121】
本実施形態における第3リード33は、上記第6実施形態における第3リード33と同様に構成される。ただし、本実施形態における第3リード33には、半導体素子11と半導体素子13とが搭載されている。
【0122】
本実施形態においては、第4リード34は、ボンディングリボン42を介して、半導体素子13のアノード電極131に導通している。よって、第4リード34の第4端子部342は、アノード端子として機能する。また、第5リード35は、ボンディングリボン42を介して、半導体素子13のカソード電極132に導通している。よって、第5リード35の第5端子部352は、カソード端子として機能する。なお、本実施形態においては、ボンディングリボン42により、第4リード34と半導体素子13とを接続し、また、第5リード35と半導体素子13とを接続しているが、これに限定されない。たとえばボンディングリボン42の代わりに、ボンディングワイヤ41あるいはストラップ部材44を用いてもよい。
【0123】
以上のように構成された半導体装置A7においても、第2端子部322のx方向寸法は、第1端子部312のx方向寸法よりも大きい。したがって、半導体装置A7においても、半導体装置A7を回路基板に実装する際の、はんだ付け面積を拡大することができる。これにより、半導体装置A7の回路基板への実装強度を高めることができる。また、半導体装置A7において、半導体装置A1〜A6と同様に構成された部分は、半導体装置A1〜A6と同様の効果を奏することができる。
【0124】
半導体装置A7においては、半導体素子11および半導体素子13を備えている。よって、半導体素子11と半導体素子13との組み合わせにより、半導体装置A7の多機能化を図ることができる。
【0125】
第7実施形態では、
図23に示すように、第4リード34および第5リード35が略同じ大きさである場合、すなわち第4端子部342のx方向寸法および第5端子部352のx方向寸法が略同じである場合を示したがこれに限定されない。たとえば、
図25に示すように、第4端子部342のx方向寸法と第5端子部352のx方向寸法とを変えてもよい。
図25においては、第5端子部352のx方向寸法が第4端子部342のx方向寸法よりも大きい場合を示している。このような
図25に示す態様においては、半導体装置A6の外観と略同等にすることができる。
【0126】
第7実施形態では、半導体素子13が素子主面13aにアノード電極131およびカソード電極132の両方が形成されている場合を示したが、これに限定されない。たとえば、アノード電極131およびカソード電極132の一方が素子主面13aに形成され、他方が素子裏面13bに形成されていてもよい。
図26および
図27は、このような変形例に係る半導体装置を示す平面図である。なお、これらの図において封止樹脂2を透過している。
図26および
図27はともに、素子主面13aにアノード電極131が形成されており、素子裏面13bにカソード電極132が形成されている場合を示している。
【0127】
図26に示す態様においては、半導体素子13のアノード電極131が第4リード34に導通しており、第4端子部342がアノード端子として機能する。また、半導体素子13のカソード電極132が第3リード33と導通しており、第3リード33の第3露出裏面33bがカソード端子として機能する。なお、本変形例においては、第3リード33が半導体素子11のドレイン電極113にも導通しているので、第3リード33の第3露出裏面33bは、ドレイン端子とカソード端子との共通端子となる。
【0128】
図27に示す態様においては、半導体素子13のアノード電極131が第2リード32に導通しており、第2端子部322がアノード端子として機能する。なお、本変形例においては、第2リード32が半導体素子11のソース電極112にも導通しているので、第2リード32の第2端子部322は、ソース端子とアノード端子との共通端子となる。また、半導体素子13のカソード電極132が第3リード33と導通しており、第3端子部332がカソード端子として機能する。なお、本変形例においては、第3リード33が半導体素子11のドレイン電極113にも導通しているので、第3リード33の第3端子部332は、ドレイン端子とカソード端子との共通端子となる。
【0129】
図28および
図29は、本開示の第8実施形態に基づく半導体装置を示している。本実施形態の半導体装置A8は、上記半導体装置A1(第1実施形態)と比較して、第3リード33が複数の第3端子部332を含んでいる点で異なる。本実施形態においては、第3リード33が2つの第3端子部332を含んでいる場合について説明する。なお、理解の便宜上、2つの第3端子部332をそれぞれ第3端子部332a,332bとする。
【0130】
図28は、半導体装置A8を示す平面図である。
図28においては、封止樹脂2を透過している。
図29は、半導体装置A8を示す底面図である。
【0131】
第3端子部332a,332bはともに、平面視において封止樹脂2の第2樹脂側面232から突き出ている。第3端子部332aおよび第3端子部332bが、本開示にかかる特許請求の範囲に記載の「第1露出部」および「第2露出部」にそれぞれ相当する。第3端子部332a,332bは、
図28に示すように、平面視において互いに離間している。第3端子部332a,332bは、
図28に示すようにx方向に並んでおり、かつ、z方向において同じ位置に配置されている。また、
図28に示すように、第3端子部332bのx方向寸法は、第3端子部332aのx方向寸法よりも大きい。
【0132】
本実施形態においては、
図28に示すように、第3端子部332aのx方向寸法は、第1端子部312のx方向寸法と同じである。また、第1端子部312と第3端子部332aとは、y方向から見て重なる。さらに、本実施形態においては、
図28に示すように、第3端子部332bのx方向寸法は、第2端子部322のx方向寸法と同じである。また、第2端子部322と第3端子部332bとは、y方向から見て重なる。したがって、y方向から見て、第1樹脂側面231のうち第1端子部312と第2端子部322とに挟まれた領域は、第2樹脂側面232のうち第3端子部332aと第3端子部332bとに挟まれた領域に重なる。
【0133】
以上のように構成された半導体装置A8においても、第2端子部322のx方向寸法は、第1端子部312のx方向寸法よりも大きい。したがって、半導体装置A8においても、半導体装置A8を回路基板に実装する際の、はんだ付け面積を拡大することができる。これにより、半導体装置A8の回路基板への実装強度を高めることができる。また、半導体装置A8において、半導体装置A1〜A7と同様に構成された部分は、半導体装置A1〜A7と同様の効果を奏することができる。
【0134】
半導体装置A8においては、第3リード33は、2つの第3端子部332(332a,332b)を含んでいる。これらの第3端子部332a,332bは、平面視において封止樹脂2を挟んで、第1端子部312および第2端子部322と対照的に配置されている。上記半導体装置A6において、第4端子部342および第5端子部352は、平面視において封止樹脂2を挟んで、第1端子部312および第2端子部322と対照的に配置されている。したがって、半導体装置A8の外観を、上記半導体装置A6の外観と略同等にすることができる。
【0135】
第8実施形態では、第3リード33が2つの第3端子部332を含んでいる場合を示したが、第3端子部332の個数は限定されない。たとえば、第3リード33が3つや4つの第3端子部332を含んでいてもよい。
【0136】
第1実施形態ないし第8実施形態では、封止樹脂2から露出する各端子部(第1端子部312、第2端子部322、第3端子部332、第4端子部342および第5端子部352)が、平面視において矩形状である場合(
図1参照)を示したが、これに限定されない。例えば、各端子部において、各先端面(第1先端面31a、第2先端面32a、第3先端面33a、第4先端面34aおよび第5先端面35a)が、平面視において窪んでいてもよい。
図30は、このような変形例に係る半導体装置の一例を示している。
図30は、
図1に対応する平面図である。
図30に示す半導体装置は、各端子部(第1端子部312、第2端子部322および第3端子部332)に窪み39が形成されている。なお、窪み39の形状、大きさおよび個数は、
図30に示したものに限定されない。たとえば、第1端子部312に形成された窪み39は、第2端子部322および第3端子部332に形成された窪み39と同じ大きさであってもよいし、異なる大きさであってもよい。なお、
図30においては、第1端子部312に形成された窪み39は、第2端子部322および第3端子部332に形成された窪み39よりも小さい場合を示している。また、第1端子部312、第2端子部322および第3端子部332のすべてに窪み39がなくてもよい。たとえば、第1先端面31aには窪み39がなくてもよい。当該窪み39には、上記しためっきが施されている。めっきは、各リード31〜35の素材よりもはんだに対する濡れ性が優れている。このため、各端子部に窪み39を設けることで、本変形例に係る半導体装置を回路基板に実装したときに、はんだの接合強度が高くなる。したがって、実装強度を高めることができる。さらに、このように構成された半導体装置は、その製造工程において、リードフレーム30を切断線CL2,CL3(
図9参照)で切断するときに必要な力を低減することができる。なお、上記
図30に示した態様とは反対に、各先端面(第1先端面31a、第2先端面32a、第3先端面33a、第4先端面34aおよび第5先端面35a)が、
図31に示すように、平面視において周囲よりも突き出ていてもよい。
【0137】
第1実施形態ないし第8実施形態では、封止樹脂2から露出する各端子部(第1端子部312、第2端子部322、第3端子部332、第4端子部342および第5端子部352)がx方向から見て矩形状である場合(
図4参照)を示したが、これに限定されない。例えば、各端子部において、封止樹脂2(第1樹脂側面231あるいは第2樹脂側面232)に近い基端部分のz方向寸法(厚み)が、その反対側の先端部分のz方向寸法(厚み)よりも大きくてもよい。すなわち、先端部分の厚みが、基端部分の厚みよりも小さくてもよい。たとえば基端部分の厚みが0.25mmのとき、先端部分の厚みがおよそその半分の0.12mmとする。
図32〜
図34は、このような変形例に係る半導体装置の一例を示している。これらの図は、
図4に対応する側面図である。
図32および
図33は、x方向視において、各端子部を階段状にした場合を示しており、
図32は、各端子部のz方向下面側(
図32の右側)が凹んでおり、
図33は、各端子部のz方向上面側(
図33の左側)が凹んでいる場合を示している。
図34は、各端子部のz方向下面(
図34の右側の面)がy方向に対して傾斜している場合を示している。このように構成された半導体装置は、その製造工程において、リードフレーム30を切断線CL2,CL3(
図9参照)で切断するときに必要な力を低減することができる。さらに、各端子部において、めっきが施された領域を増やすことができるので、当該変形例に係る半導体装置を回路基板に実装したときに、はんだの接合強度が高くなる。したがって、実装強度を高めることができる。
【0138】
図35および
図36は、本開示の第9実施形態に基づく半導体装置を示している。本実施形態の半導体装置A9は、上記半導体装置A1(第1実施形態)と比較して、第1リード31、第2リード32および第3リード33が平面視において封止樹脂2から突き出ていない点で異なる。半導体装置A9は、いわゆるQFNパッケージ(Quad flat no lead package)型の半導体装置である。
【0139】
図35は、半導体装置A9を示す平面図である。
図35においては、封止樹脂2を透過している。
図36は、半導体装置A9を示す底面図である。
【0140】
本実施形態においては、第1リード31は、平面視において、封止樹脂2(第1樹脂側面231)から突き出ておらず、第1先端面31aが第1樹脂側面231と面一である。また、本実施形態においては、第1先端面31aおよび第1露出裏面31bが、回路基板に実装する際の端子として機能する。本実施形態においては、第1先端面31aおよび第1露出裏面31bが、本開示にかかる特許請求の範囲に記載の「第1実装部」に相当する。
【0141】
本実施形態においては、第2リード32は、平面視において、封止樹脂2(第1樹脂側面231)から突き出ておらず、第2先端面32aが第1樹脂側面231と面一である。また、本実施形態においては、第2先端面32aおよび第2露出裏面32bが、回路基板に実装する際の端子として機能する。本実施形態においては、第2先端面32aおよび第2露出裏面32bが、本開示にかかる特許請求の範囲に記載の「第2実装部」に相当する。
【0142】
本実施形態においては、第3リード33は、平面視において封止樹脂2(第2樹脂側面232)から突き出ておらず、第3先端面33aが第2樹脂側面232と面一である。また、本実施形態においては、第3先端面33aおよび第3露出裏面33bが、回路基板に実装する際の端子として機能する。本実施形態においては、第3先端面33aおよび第3露出裏面33bが、本開示にかかる特許請求の範囲に記載の「第3実装部」に相当する。
【0143】
以上のように構成された半導体装置A9においては、y方向視において、第2リード32の第2先端面32aおよび第2露出裏面32bのx方向寸法が、第1リード31の第1先端面31aおよび第1露出裏面31bのx方向寸法よりも大きい。したがって、半導体装置A9を回路基板に実装する際の、はんだ付け面積を拡大することができる。これにより、半導体装置A9の回路基板への実装強度を高めることができる。また、半導体装置A9において、半導体装置A1〜A8と同様に構成された部分は、半導体装置A1〜A8と同様の効果を奏することができる。
【0144】
第9実施形態では、半導体装置A1において、各リード31〜33が封止樹脂2から突き出ていない場合を示したが、半導体装置A2〜A8においても、同様に各リード31〜35が封止樹脂2から突き出ていないように構成することも可能である。すなわち、半導体装置A2〜A8においても、QFNパッケージ型にすることができる。
【0145】
第9実施形態では、各リード31〜33が封止樹脂2から突き出ていない場合を示したが、反対に、各リード31〜33をさらに突出させて、各端子部312,322,332をガルウイング状に延ばした、いわゆるSOP(Small Outline Package)型の半導体装置にしてもよい。
【0146】
本開示の半導体装置は、上記した実施形態に限定されるものではない。本開示の半導体装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。