【解決手段】配線構造体1は、下地電極層3と、下地電極層3の周縁部を露出させるように下地電極層3の上に形成された配線層4と、下地電極層3の上から下地電極層3外の領域に張り出すように下地電極層3の周縁部の上に形成された絶縁層5と、を含む。
前記絶縁層は、前記下地電極層の前記周縁部の上に形成された基部、および、前記基部から前記配線層とは反対側に向けて延び、前記下地電極層の前記周縁部よりも外側に張り出した張り出し部を有している、請求項1に記載の配線構造体。
前記絶縁層とは反対側から前記下地電極層を支持し、前記下地電極層外の領域において前記絶縁層に対向する主面を有する支持基板をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の配線構造体。
前記配線層は、前記下地電極層の上に形成された配線基部、および、前記配線基部から延び、前記下地電極層外の領域に張り出した配線張り出し部を有している、請求項11に記載の配線構造体。
前記絶縁層とは反対側から前記下地電極層を支持し、前記下地電極層外の領域において前記配線層に対向する主面を有する支持基板をさらに含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載の配線構造体。
前記下地電極層および前記配線層によって区画された段差部を被覆するように、前記配線層を封止する封止絶縁層をさらに含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載の配線構造体。
前記絶縁層は、前記下地電極層の前記周縁部の上に形成された基部、および、前記基部から前記配線層とは反対側に向けて延び、前記下地電極層の前記周縁部よりも外側に張り出した張り出し部を有している、請求項20または21に記載の電子部品。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る配線構造体1の内部構造を示す平面図である。
図2は、
図1に示すII-II線に沿う断面図である。
配線構造体1は、チップ部品を接続対象物に接合する場合に、チップ部品および接続対象物の間に介在される部材である。配線構造体1は、チップ部品および接続対象物の間の電流経路を形成する。たとえば、配線構造体1は、接続対象物からの電気信号をチップ部品に伝達し、または、チップ部品からの電気信号を接続対象物に伝達する。
【0015】
チップ部品は、機能デバイスを含んでいてもよい。チップ部品は、複数の機能デバイスを備えた集積回路デバイスであってもよい。チップ部品は、単一機能デバイスからなるディスクリートデバイスであってもよい。
図1および
図2を参照して、配線構造体1は、支持基板2、下地電極層3、配線層4、絶縁層5、バンプ構造6および封止絶縁層7を含む。
図1では、封止絶縁層7を透過した配線構造体1の内部構造が示されている。
図1および
図2では、チップ部品が配線構造体1に接続されていない状態が示されている。
【0016】
支持基板2は、主面8を有している。支持基板2は、基体9および主面絶縁膜10を含む。主面絶縁膜10は、基体9の主面を被覆している。基体9は、半導体基板であってもよい。半導体基板は、シリコンを含んでいてもよい。主面絶縁膜10は、酸化シリコンまたは窒化シリコンを含んでいてもよい。
下地電極層3は、支持基板2の主面8の上に形成されている。下地電極層3は、支持基板2の主面8の上をライン状に引き回されていてもよい。下地電極層3は、支持基板2の主面8の法線方向から見た平面視(以下、単に「平面視」という。)において任意の平面形状に形成される。
図1では、下地電極層3において四角形状に形成された領域が示されている。
【0017】
下地電極層3は、膜状に形成されている。下地電極層3は、支持基板2側からこの順に積層された第1電極層11および第2電極層12を含む積層構造を有している。第1電極層11の側面は、第2電極層12の側面に対して面一に形成されていてもよい。第1電極層11の側面は、第2電極層12の側面に対して外側に張り出していてもよい。第1電極層11の側面は、第2電極層12の側面に対して内側に形成されていてもよい。
【0018】
第1電極層11は、チタンまたはクロムのうちの少なくとも一つを含む。第1電極層11は、この形態では、チタンを含む。第2電極層12は、銅または金のうちの少なくとも一つを含む。第2電極層12は、この形態では、銅を含む。
下地電極層3の厚さT0は、0.1μm以上1.5μm以下であってもよい。厚さT0は、0.1μm以上0.5μm以下であってもよい。厚さT0は、0.5μm以上1.0μm以下であってもよい。厚さT0は、1.0μm以上1.5μm以下であってもよい。
【0019】
第1電極層11の厚さT1は、0.05μm以上0.5μm以下であってもよい。厚さT1は、0.05μm以上0.1μm以下であってもよい。厚さT1は、0.1μm以上0.2μm以下であってもよい。厚さT1は、0.2μm以上0.3μm以下であってもよい。厚さT1は、0.3μm以上0.4μm以下であってもよい。厚さT1は、0.4μm以上0.5μm以下であってもよい。
【0020】
第2電極層12の厚さT2は、0.05μm以上1.0μm以下であってもよい。厚さT2は、0.05μm以上0.1μm以下であってもよい。厚さT2は、0.1μm以上0.5μm以下であってもよい。厚さT2は、0.5μm以上1.0μm以下であってもよい。
下地電極層3の厚さT0、第1電極層11の厚さT1および第2電極層12の厚さT2は、前記数値の範囲において、任意の態様で組み合わせられてもよい。第1電極層11の厚さT1は、下地電極層3の厚さT0以下(T1≦T0)であってもよい。第2電極層12の厚さT2は、下地電極層3の厚さT0以下(T2≦T0)であってもよい。第1電極層11の厚さT1は、第2電極層12の厚さT2以下(T1≦T2)であってもよい。
【0021】
配線層4は、下地電極層3の上に形成されている。配線層4は、平面視において下地電極層3に対応した平面形状を有している。配線層4は、この形態では下地電極層3に沿ってライン状に引き回されている。
図1では、配線層4において四角形状に形成された領域が示されている。
配線層4は、下地電極層3の周縁部から内方領域に間隔を空けて形成され、下地電極層3の周縁部を露出させている。配線層4は、外部接続されるパッド部13(接続部)を含む。パッド部13は、配線層4において任意の領域に形成される。
【0022】
配線層4は、膜状に形成されている。配線層4の厚さT3は、下地電極層3の厚さT0以上(T0≦T3)である。配線層4の厚さT3は、より具体的には、下地電極層3の厚さT0よりも大きい(T0<T3)。
配線層4の厚さT3は、0.05μm以上20μm以下であってもよい。厚さT3は、0.05μm以上5μm以下であってもよい。厚さT3は、5μm以上10μm以下であってもよい。厚さT3は、10μm以上15μm以下であってもよい。厚さT3は、15μm以上20μm以下であってもよい。
【0023】
配線層4は、銅、ニッケルまたは金のうちの少なくとも一つを含む。配線層4は、第2電極層12と同一の導電材料を含むことが好ましい。配線層4は、この形態では、銅を含む。
絶縁層5は、下地電極層3の上に形成されている。絶縁層5は、下地電極層3の平面形状に対応した平面形状を有している。絶縁層5は、この形態では下地電極層3に沿ってライン状に引き回されている。
図1では、絶縁層5において四角形状に形成された領域が示されている。
【0024】
絶縁層5は、下地電極層3の上に形成されている。絶縁層5は、パッド部13を露出させるように配線層4を選択的に被覆している。これにより、絶縁層5には、配線層4のパッド部13を露出させるパッド開口14が形成されている。
また、絶縁層5は、下地電極層3の周縁部の上から下地電極層3外の領域に張り出し、支持基板2の主面8に対向している。絶縁層5は、下地電極層3の上面に沿う横方向に張り出している。
【0025】
絶縁層5は、より具体的には、基部15、被覆部16および張り出し部17を有している。絶縁層5の基部15は、下地電極層3の周縁部の上に形成されている。絶縁層5の被覆部16は、基部15から配線層4側に向けて延びている。絶縁層5の被覆部16は、パッド部13を露出させるように配線層4を被覆している。
絶縁層5の張り出し部17は、基部15から配線層4とは反対側の方向に向けて延びている。絶縁層5の張り出し部17は、下地電極層3の上面に沿う横方向に延び、下地電極層3外の領域に張り出している。絶縁層5の張り出し部17は、支持基板2の主面8に対向している。
【0026】
絶縁層5の厚さT4は、0.5μm以上40μm以下であってもよい。厚さT4は、0.5μm以上10μm以下であってもよい。厚さT4は、10μm以上20μm以下であってもよい。厚さT4は、20μm以上30μm以下であってもよい。厚さT4は、30μm以上40μm以下であってもよい。
絶縁層5は、無機系の絶縁体または有機系の絶縁体を含んでいてもよい。無機系の絶縁体は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムまたは酸窒化アルミニウムのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0027】
有機系の絶縁体は、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂またはフェノール樹脂のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。有機系の絶縁体は、感光性樹脂を含んでいてもよい。
下地電極層3の厚さT0に対する絶縁層5の張り出し部17の幅W1の比W1/T0は、1以上10以下(1≦W1/T0≦10)であってもよい。比W1/T0は、1以上5以下(1≦W1/T0≦5)であってもよい。
【0028】
絶縁層5の張り出し部17の幅W1は、0.05μm以上6.0μm以下であってもよい。幅W1は、0.05μm以上1.0μm以下であってもよい。幅W1は、1.0μm以上2.0μm以下であってもよい。幅W1は、2.0μm以上3.0μm以下であってもよい。幅W1は、3.0μm以上4.0μm以下であってもよい。幅W1は、4.0μm以上5.0μm以下であってもよい。幅W1は、5.0μm以上6.0μm以下であってもよい。
【0029】
支持基板2の主面8、下地電極層3の側面および絶縁層5の張り出し部17によって、配線層4側に向かって窪んだ空間18が区画されている。
バンプ構造6は、配線層4のパッド部13の上に形成されている。バンプ構造6は、配線層4側からこの順に積層されたUBM(Under Bump Metal)層19および導電性接合材層20を含む。
【0030】
UBM層19は、この形態では、絶縁層5のパッド開口14内に形成されている。UBM層19は、配線層4側からこの順に積層された第1電極層21および第2電極層22を含む。
第1電極層21は、銅またはニッケルのうちの少なくとも一つを含む。第2電極層22は、ニッケルまたは銅のうちの少なくとも一つを含む。第1電極層21の厚さは、0.5μm以上6.0μm以下であってもよい。第2電極層22の厚さは、0.5μm以上6.0μm以下であってもよい。
【0031】
導電性接合材層20は、半田または金属ペースト(この形態では、半田)を含む。半田は、錫(Sn)を含んでいてもよい。半田は、SnAg合金、SnSb合金、SnAgCu合金、SnZnBi合金、SnCu合金、SnCuNi合金またはSnSbNi合金のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。金属ペーストは、アルミニウム、銅、銀または金のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0032】
封止絶縁層7は、支持基板2の主面8の上において、下地電極層3、配線層4、絶縁層5およびバンプ構造6を封止している。封止絶縁層7は、空間18に入り込んでいる。チップ部品が導電性接合材層20を介して配線構造体1に接続されている場合、封止絶縁層7は、チップ部品も封止する。
封止絶縁層7は、感光性樹脂または熱硬化性樹脂であってもよい。封止絶縁層7は、空間18を封止している。封止絶縁層7は、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂またはフェノール樹脂のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0033】
図3A〜
図3Iは、
図1に示す配線構造体1の製造方法の一例を説明するための断面図である。
まず、
図3Aを参照して、支持基板2が用意される。支持基板2は、シリコン基板の主面に主面絶縁膜10を形成することによって形成されている。主面絶縁膜10は、酸化処理法(たとえば熱酸化処理法)またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって形成されてもよい。
【0034】
次に、支持基板2の主面8の上に下地電極層3が形成される。下地電極層3を形成する工程は、支持基板2の主面8側から、第1電極層11および第2電極層12をこの順に形成する工程を含む。第1電極層11および第2電極層12は、それぞれ、スパッタ法によって形成されてもよい。
次に、
図3Bを参照して、所定パターンを有するマスク31が下地電極層3の上に形成される。マスク31は、下地電極層3において配線層4を形成すべき領域を露出させる開口32を有している。マスク31は、感光性樹脂であってもよい。マスク31の開口32は、フォトマスクを介する露光工程の後、現像工程を経て形成される。
【0035】
次に、
図3Cを参照して、下地電極層3の上に配線層4が形成される。配線層4は、マスク31から露出する下地電極層3の上に形成される。配線層4は、電解銅めっき法によって形成されてもよい。配線層4が形成された後、マスク31は除去される。
次に、
図3Dを参照して、下地電極層3の上に絶縁層5が形成される。絶縁層5は、配線層4の全域を被覆する。絶縁層5が無機系の絶縁体を含む場合、絶縁層5は、CVD法によって形成されてもよい。絶縁層5が有機系の絶縁体を含む場合、絶縁層5は、感光性樹脂を支持基板2の主面8の上に塗布することによって形成されてもよい。
【0036】
次に、
図3Eを参照して、絶縁層5の不要な部分が除去される。絶縁層5が無機系の絶縁体を含む場合、絶縁層5の不要な部分は、マスク(図示せず)を介するエッチング法によって除去されてもよい。
絶縁層5が有機系の絶縁体を含む場合、絶縁層5の不要な部分は、露光および現像によって除去されてもよい。これにより、パッド開口14を有する所定パターンの絶縁層5が形成される。
【0037】
次に、
図3Fを参照して、所定パターンを有するマスク33が、絶縁層5を被覆するように下地電極層3の上に形成される。マスク33は、パッド開口14を露出させる開口34を有している。
次に、バンプ構造6が形成される。バンプ構造6を形成する工程では、まず、UBM層19が、パッド開口14から露出する配線層4の上に形成される。UBM層19を形成する工程は、配線層4側から、第1電極層21および第2電極層22をこの順に形成する工程を含む。
【0038】
第1電極層21は、電解銅めっき法によって形成されてもよい。第2電極層22は、電解ニッケルめっき法によって形成されてもよい。次に、導電性接合材層20が、UBM層19の上に形成される。導電性接合材層20は、電解半田めっき法によって形成されてもよい。その後、マスク33は、除去される。
次に、
図3Gを参照して、導電性接合材層20が加熱される。これにより、導電性接合材層20が、半球状に整形される。導電性接合材層20に対する加熱工程は、必ずしもこのタイミングで実施される必要はない。導電性接合材層20に対する加熱工程は、封止絶縁層7の形成工程前であれば、任意のタイミングで実施され得る。
【0039】
次に、
図3Hを参照して、下地電極層3の不要な部分が除去される。この工程では、まず、第2電極層12の不要な部分が除去される。より具体的には、第2電極層12において絶縁層5から露出する部分が除去される。第2電極層12は、等方性エッチング法(たとえばウエットエッチング法)によって除去されてもよい。
この工程では、第2電極層12において絶縁層5の周縁部直下に位置する部分も、エッチング法によって除去される。これにより、第2電極層12の周縁部が、絶縁層5の周縁部よりも内方の領域に形成される。
【0040】
次に、第1電極層11の不要な部分が除去される。より具体的には、第1電極層11において絶縁層5から露出する部分が除去される。第1電極層11は、等方性エッチング法(たとえばウエットエッチング法)によって除去されてもよい。
この工程では、第1電極層11において絶縁層5の周縁部直下に位置する部分も、エッチング法によって除去される。これにより、第1電極層11の周縁部が、絶縁層5の周縁部よりも内方の領域に形成される。このようにして、所定パターンを有する下地電極層3が形成される。
【0041】
次に、
図3Iを参照して、支持基板2の主面8の上に、封止絶縁層7が形成される。封止絶縁層7は、下地電極層3、配線層4、絶縁層5およびバンプ構造6を封止する。
封止絶縁層7は、感光性樹脂または熱硬化性樹脂を支持基板2の主面8の上に塗布することによって形成されてもよい。以上を含む工程を経て、配線構造体1が形成される。チップ部品がバンプ構造6(導電性接合材20)に接続される場合には、チップ部品は、封止絶縁層7の形成工程に先だってバンプ構造6(導電性接合材20)に接続される。
【0042】
以上、配線構造体1によれば、下地電極層3の上から下地電極層3外の領域に張り出すように下地電極層3の周縁部の上に絶縁層5が形成されている。これにより、溶融した導電性接合材層20の流出を絶縁層5によって抑制できる。
特に、絶縁層5には、配線層4のパッド部13を露出させるパッド開口14が形成されている。このパッド開口14内には、導電性接合材層20を含むバンプ構造6が形成されている。これにより、溶融した導電性接合材層20の流出を絶縁層5によって適切に抑制できる。
【0043】
しかも、配線層4の下層に形成された下地電極層3は、絶縁層5よりも内側の領域に位置している。したがって、仮に、溶融した導電性接合材層20が配線層4外にしみ出したとしても、絶縁層5よりも内側の領域において導電性接合材を下地電極層3に伝わらせることができる。これにより、導電性接合材層20が、絶縁層5外の領域に流出することを抑制できる。
【0044】
また、絶縁層5の張り出し部17および支持基板2の主面8の間の領域に区画された空間18は、封止絶縁層7によって封止されている。これにより、溶融した導電性接合材層20が空間18に存在する場合には、空間18内において導電性接合材層20を封止できる。よって、溶融した導電性接合材層20の流出を適切に抑制できる。
図4は、本発明の第2実施形態に係る配線構造体41の内部構造を示す平面図である。
図5は、
図4に示すV-V線に沿う断面図である。以下では、配線構造体1(
図1および
図2等参照)に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0045】
図4および
図5を参照して、配線構造体41は、支持基板2、下地電極層3、配線層4、絶縁層5、バンプ構造6および封止絶縁層7を含む。
図4では、封止絶縁層7を透過した配線構造体41の内部構造が示されている。
図4および
図5では、チップ部品が配線構造体41に接続されていない状態が示されている。
下地電極層3の第2電極層12は、第1電極層11の上から第1電極層11外の領域に張り出し、支持基板2の主面8に対向している。第2電極層12は、第1電極層11の上面に沿う横方向に張り出している。
【0046】
第2電極層12は、より具体的には、電極基部42および電極張り出し部43を含む。電極基部42は、第1電極層11を被覆している。電極張り出し部43は、電極基部42から第1電極層11とは反対側に向けて延びている。電極張り出し部43は、第1電極層11の上面に沿う横方向に延び、第1電極層11外の領域に張り出している。電極張り出し部43は、支持基板2の主面8に対向している。
【0047】
第1電極層11の厚さT1に対する第2電極層12の電極張り出し部43の幅W2の比W2/T1は、1以上10以下(1≦W2/T1≦10)であってもよい。比W2/T1は、1以上5以下(1≦W2/T1≦5)であってもよい。
第2電極層12の電極張り出し部43の幅W2は、0.01μm以上6.0μm以下であってもよい。幅W2は、0.01μm以上1.0μm以下であってもよい。幅W2は、1.0μm以上2.0μm以下であってもよい。幅W2は、2.0μm以上3.0μm以下であってもよい。幅W2は、3.0μm以上4.0μm以下であってもよい。幅W2は、4.0μm以上5.0μm以下であってもよい。幅W2は、5.0μm以上6.0μm以下であってもよい。
【0048】
支持基板2の主面8、第1電極層11の側面および第2電極層12の電極張り出し部43によって、第1電極層11側に向かって窪んだ第1空間44が区画されている。
配線層4は、下地電極層3の上に形成されている。第2電極層12の電極基部42および電極張り出し部43を一括して被覆している。配線層4は、より具体的には、配線基部45および配線張り出し部46を含む。
【0049】
配線基部45は、第2電極層12の電極基部42を被覆している。配線張り出し部46は、第2電極層12の電極張り出し部43を被覆している。配線層4の側面は、第2電極層12の側面に段差なく接続されていてもよい。
配線層4は、第2電極層12の上から第2電極層12外の領域に張り出し、支持基板2の主面8に対向していてもよい。この場合、配線層4は、第2電極層12の上面に沿う横方向に張り出していてもよい。配線層4の側面および第2電極層12の側面の間には、段差部が形成されていてもよい。
【0050】
絶縁層5は、配線層4の上に形成されている。絶縁層5は、配線層4の上から配線層4外の領域に張り出し、支持基板2の主面8に対向している。絶縁層5は、配線層4の上面に沿う横方向に張り出している。絶縁層5は、配線層4の側面を露出させている。
絶縁層5は、より具体的には、絶縁基部47および絶縁張り出し部48を含む。絶縁基部47は、配線層4の配線基部45を被覆している。絶縁張り出し部48は、配線層4の配線張り出し部46を被覆している。絶縁張り出し部48は、配線層4の上面に沿う横方向に延び、配線層4外の領域に張り出している。絶縁張り出し部48は、支持基板2の主面8に対向している。
【0051】
絶縁層5の絶縁張り出し部48の幅は、第1電極層11の厚さT1以上であってもよい。絶縁層5の厚さT5は、0.5μm以上40μm以下であってもよい。厚さT5は、0.5μm以上10μm以下であってもよい。厚さT5は、10μm以上20μm以下であってもよい。厚さT5は、20μm以上30μm以下であってもよい。厚さT5は、30μm以上40μm以下であってもよい。
【0052】
支持基板2の主面8、配線層4の側面および絶縁層5の絶縁張り出し部48によって、配線層4側に向かって窪んだ第2空間49が区画されている。第2空間49は、第1空間44に連通している。
バンプ構造6は、絶縁層5に形成されたパッド開口14内に形成されている。パッド開口14は、配線層4の配線基部45を露出させている。これにより、バンプ構造6は、配線層4の配線基部45に接続されている。
【0053】
封止絶縁層7は、支持基板2の主面8の上において、下地電極層3、配線層4、絶縁層5およびバンプ構造6を封止している。封止絶縁層7は、第1空間44および第2空間49に入り込んでいる。チップ部品が導電性接合材層20を介して配線構造体41に接続されている場合、封止絶縁層7は、チップ部品も封止する。
図6A〜
図6Fは、
図4に示す配線構造体41の製造方法の一例を説明するための断面図である。
【0054】
まず、
図6Aを参照して、前述の
図3A〜
図3Dの工程を経て、支持基板2の上に、下地電極層3、配線層4および絶縁層5が形成される。
次に、
図6Bを参照して、絶縁層5の不要な部分が除去される。この形態では、絶縁層5において、パッド開口14を形成すべき領域および配線層4外の領域が除去される。これにより、絶縁層5が、配線層4の上だけに形成される。
【0055】
次に、
図6Cを参照して、バンプ構造6が形成される。バンプ構造6は、
図3F〜
図3Gと同様の工程を経て形成される。
次に、
図6Dを参照して、下地電極層3の不要な部分が除去される。この工程では、まず、第2電極層12の不要な部分が除去される。より具体的には、第2電極層12において配線層4から露出する部分が除去される。第2電極層12は、等方性エッチング法(たとえばウエットエッチング法)によって除去されてもよい。
【0056】
この工程では、配線層4において絶縁層5から露出する部分も除去される。配線層4は、第2電極層12の厚さT2に応じた分だけ除去される。これにより、配線層4の側面および第2電極層12の側面が、絶縁層5の周縁部よりも内側の領域に形成される。
次に、
図6Eを参照して、第1電極層11の不要な部分が除去される。より具体的には、第1電極層11において第2電極層12から露出する部分が除去される。第2電極層12は、等方性エッチング法(たとえばウエットエッチング法)によって除去されてもよい。
【0057】
この工程では、第1電極層11において第2電極層12の周縁部直下に位置する部分も、エッチング法によって除去される。これにより、第1電極層11の周縁部が、第2電極層12の周縁部よりも内方の領域に形成される。このようにして、所定パターンを有する下地電極層3が形成される。
次に、
図6Fを参照して、支持基板2の主面8の上に、封止絶縁層7が形成される。封止絶縁層7は、下地電極層3、配線層4、絶縁層5およびバンプ構造6を封止する。封止絶縁層7は、第1空間44および第2空間49を封止する。
【0058】
以上を含む工程を経て、配線構造体41が形成される。チップ部品がバンプ構造6(導電性接合材20)に接続される場合には、チップ部品は、封止絶縁層7の形成工程に先だってバンプ構造6(導電性接合材20)に接続される。
以上、配線構造体41によれば、配線層4を被覆する絶縁層5が形成されている。したがって、この絶縁層5によって、溶融した導電性接合材層20の流出を抑制できる。しかも、下地電極層3は、配線層4よりも内側の領域に位置している。
【0059】
したがって、仮に、溶融した導電性接合材層20が絶縁層5外にしみ出したとしても、配線層4および下地電極層3に伝わらせることができる。下地電極層3では、配線層4よりも内側の領域において導電性接合材層20を伝わらせることができる。これにより、導電性接合材層20が、配線層4外の領域に流出することを抑制できる。よって、導電性接合材層20の流出を抑制できる配線構造体1を提供できる。
【0060】
また、配線層4の張り出し部17および支持基板2の主面8の間の領域に区画された第1空間44は、封止絶縁層7によって封止されている。これにより、溶融した導電性接合材層20が第1空間44に存在する場合には、第1空間44内において導電性接合材層20を封止できる。よって、溶融した導電性接合材層20の流出を適切に抑制できる。
また、絶縁層5の絶縁張り出し部48および支持基板2の主面8の間の領域に区画された第2空間49は、封止絶縁層7によって封止されている。これにより、溶融した導電性接合材層20が第2空間49に存在する場合には、第2空間49内において導電性接合材層20を封止できる。よって、溶融した導電性接合材層20の流出を適切に抑制できる。
【0061】
図7は、本発明の第3実施形態に係る配線構造体51を示す断面図である。以下では、配線構造体41(
図4および
図5等参照)に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図7を参照して、配線構造体51では、絶縁層5は、絶縁張り出し部48を備えていない。絶縁層5は、配線層4の上面において周縁部よりも内側の領域に形成されている。絶縁層5は、少なくとも配線層4の配線基部45を被覆している。絶縁層5は、配線層4の配線張り出し部46の一部を被覆していてもよい。
【0062】
配線層4の外面において、絶縁層5から露出する露出部には、下地電極層3側に向かって窪んだリセス部52が形成されている。リセス部52は、絶縁層5の側面に段差なく繋がっている。
このような構造の配線構造体51は、前述の
図6Bの工程において、配線層4の上面において周縁部よりも内側の領域に絶縁層5を形成することによって製造される。リセス部52は、
図6Dの工程において、第2電極層12を除去すると共に、配線層4の一部が除去されることによって形成される。
【0063】
以上、配線構造体51によっても、配線構造体41に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。
図8は、本発明の第4実施形態に係る配線構造体61の内部構造を示す平面図である。
図9は、
図8に示すIX-IX線に沿う断面図である。以下では、配線構造体1(
図1および
図2等参照)に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0064】
図8および
図9を参照して、配線構造体61は、下地電極層3、配線層4、絶縁層5、バンプ構造6、封止絶縁層7、下地絶縁層62および端子電極層63を含む。
図8では、封止絶縁層7を透過した配線構造体61の内部構造が示されている。
図8および
図9では、チップ部品が配線構造体61に接続されていない状態が示されている。
以下では、下地電極層3において、配線層4とは反対側の主面を電極面64という。下地電極層3の電極面64は、第1電極層11によって形成されている。
【0065】
配線構造体61は、配線構造体1とは異なり、支持基板2を備えていない。下地電極層3および絶縁層5の張り出し部17の間の領域には、空間18に代えて段差部65が区画されている。段差部65は、下地電極層3の側面および絶縁層5の張り出し部17によって区画されている。
封止絶縁層7は、配線層4、絶縁層5およびバンプ構造6を封止している。封止絶縁層7は、下地電極層3を露出させ、段差部65を被覆している。チップ部品が導電性接合材層20を介して配線構造体61に接続されている場合、封止絶縁層7は、チップ部品も封止する。封止絶縁層7において段差部65を被覆する部分は、絶縁層5が封止絶縁層7から抜け落ちるのを抑制する抜け止め部を形成している。
【0066】
封止絶縁層7は、下地電極層3の電極面64を露出させている。下地電極層3の電極面64は、封止絶縁層7の外面に対して面一に形成されている。下地電極層3の電極面64および封止絶縁層7の外面によって、一つの平坦面が形成されている。この平坦面は、研削面ではない。
下地絶縁層62は、下地電極層3の電極面64を被覆している。下地絶縁層62において、下地電極層3とは反対側に位置する面は、外部に露出する露出面として形成されている。下地絶縁層62は、下地電極層3側から封止絶縁層7側に向けて延び、封止絶縁層7の外面を被覆している。
【0067】
下地絶縁層62は、下地電極層3および封止絶縁層7によって形成された平坦面を一括して被覆している。下地絶縁層62は、封止絶縁層7(抜け止め部)を挟んで、絶縁層5の張り出し部17と対向している。これにより、絶縁層5の抜け落ちを適切に抑制できる。
下地絶縁層62は、無機系の絶縁体または有機系の絶縁体を含んでいてもよい。無機系の絶縁体は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムまたは酸窒化アルミニウムのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0068】
有機系の絶縁体は、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂またはフェノール樹脂のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。有機系の絶縁体は、感光性樹脂を含んでいてもよい。
下地絶縁層62には、下地電極層3の電極面64の任意の領域をパッド部として露出させる下側パッド開口66が形成されている。下側パッド開口66は、この形態では、平面視においてバンプ構造6と重ならない領域に形成されている。
【0069】
端子電極層63は、下地絶縁層62を貫通し、下地電極層3に接続されている。より具体的には、端子電極層63は、下地絶縁層62の下側パッド開口66内に形成されている。これにより、端子電極層63は、平面視においてバンプ構造6と重ならない領域に形成されている。
端子電極層63は、下側パッド開口66内において、下地電極層3に接続されている。端子電極層63は、外部接続される外部端子電極層として形成されていてもよい。端子電極層63は、下地絶縁層62の外面から下地電極層3とは反対側の方向に突出している。
【0070】
端子電極層63は、下地絶縁層62の外面を被覆するオーバラップ部を有していてもよい。端子電極層63は、下地電極層3側からこの順に形成されたNi層、Pd層およびAu層を含む積層構造を有していてもよい。
図10A〜
図10Eは、
図8に示す配線構造体61の製造方法の一例を説明するための断面図である。
【0071】
まず、
図10Aを参照して、支持基板71が用意される。支持基板71は、製造途中で除去可能な部材であればどのような部材が用いられてもよい。支持基板71の除去には、支持基板71の研削、剥離またはエッチングが含まれる。
支持基板71は、半導体基板または金属基板であってもよい。半導体基板は、シリコン基板であってもよい。金属基板は、銅基板またはステンレス基板であってもよい。以下では、支持基板71がステンレス基板からなる例について説明する。
【0072】
支持基板71が用意された後、樹脂層72が、支持基板71の主面に形成される。樹脂層72は、永久膜とも称される。樹脂層72は、ネガティブタイプの感光性樹脂を含んでいてもよい。
樹脂層72は、フィルム状の樹脂シートを支持基板71の主面に貼着することによって形成されてもよい。樹脂層72は、液状樹脂を支持基板71の主面に塗布することによって形成されてもよい。樹脂層72は、支持基板71の主面の上において、露光および現像される。
【0073】
次に、
図10Bを参照して、下地電極層3、配線層4、絶縁層5、バンプ構造6および封止絶縁層7を含む封止構造体73が、樹脂層72の上に形成される。封止構造体73は、前述の配線構造体1の製造方法(
図3A〜
図3I参照)と同様の工程を経て形成される。
封止構造体73は、樹脂層72の上面に沿って形成される。したがって、封止構造体73において樹脂層72に被覆された下面は平坦に形成される。封止構造体73の下面は、下地電極層3および封止絶縁層7によって形成されている。封止構造体73の下面は、研削面ではない。
【0074】
次に、
図10Cを参照して、封止構造体73が、樹脂層72から剥離される。これにより、封止構造体73の下面が露出する。封止構造体73の下面において、下地電極層3は、封止絶縁層7の外面に対して面一に形成される。封止構造体73から剥離された支持基板71は、配線構造体61を製造するための基板として再利用される。
次に、
図10Dを参照して、下地絶縁層62が、封止構造体73の下面を被覆するように形成される。下地絶縁層62は、より具体的には、下地電極層3および封止絶縁層7を被覆する。
【0075】
下地絶縁層62が無機系の絶縁体を含む場合、下地絶縁層62は、CVD法によって形成されてもよい。下地絶縁層62が有機系の絶縁体を含む場合、下地絶縁層62は、感光性樹脂を封止構造体73の下面の上に塗布することによって形成されてもよい。
次に、
図10Eを参照して、下地絶縁層62に、下地電極層3を露出させるパッド開口14が形成される。
【0076】
下地絶縁層62が無機系の絶縁体を含む場合、下地絶縁層62の不要な部分は、マスク(図示せず)を介するエッチング法によって除去されてもよい。下地絶縁層62が有機系の絶縁体を含む場合、下地絶縁層62の不要な部分は、露光および現像によって除去されてもよい。これにより、パッド開口14を有する所定パターンの下地絶縁層62が形成される。
【0077】
次に、端子電極層63が、下側パッド開口66内に形成される。端子電極層63を形成する工程は、Ni層、Pd層およびAu層を、下地電極層3側からこの順に形成する工程を含む。Ni層、Pd層およびAu層は、無電解めっき法によってそれぞれ形成されてもよい。
以上を含む工程を経て、配線構造体61が製造される。チップ部品がバンプ構造6(導電性接合材20)に接続される場合には、チップ部品は、封止絶縁層7の形成工程に先だってバンプ構造6(導電性接合材20)に接続される。
【0078】
配線構造体61によっても、配線構造体1に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。
図11は、本発明の第5実施形態に係る配線構造体81の内部構造を示す平面図である。
図12は、
図11に示すXII-XII線に沿う断面図である。以下では、配線構造体61(
図8および
図9等参照)に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0079】
図11および
図12を参照して、配線構造体81は、下地電極層3、配線層4、絶縁層5、バンプ構造6、封止絶縁層7、下地絶縁層62および端子電極層63を含む。
図11では、封止絶縁層7を透過した配線構造体81の内部構造が示されている。
図11および
図12では、チップ部品が配線構造体81に接続されていない状態が示されている。
下地電極層3の第2電極層12は、第1電極層11の上から下地電極層3外の領域に張り出している。第2電極層12は、第1電極層11の上面に沿う横方向に張り出している。
【0080】
第2電極層12は、より具体的には、電極基部82および電極張り出し部83を含む。電極基部82は、第1電極層11を被覆している。電極張り出し部83は、電極基部82から第1電極層11とは反対側に向けて延びている。電極張り出し部83は、第1電極層11の上面に沿う横方向に延び、第1電極層11外の領域に張り出している。
第1電極層11の厚さT1に対する第2電極層12の電極張り出し部83の幅W3の比W3/T1は、1以上10以下(1≦W3/T1≦10)であってもよい。比W3/T1は、1以上5以下(1≦W3/T1≦5)であってもよい。
【0081】
第2電極層12の電極張り出し部83の幅W3は、0.01μm以上5.0μm以下であってもよい。幅W3は、0.05μm以上1.0μm以下であってもよい。幅W3は、1.0μm以上2.0μm以下であってもよい。幅W3は、2.0μm以上3.0μm以下であってもよい。幅W3は、3.0μm以上4.0μm以下であってもよい。幅W3は、4.0μm以上5.0μm以下であってもよい。
【0082】
第1電極層11の側面および第2電極層12の電極張り出し部83の間の領域には、第1段差部84が区画されている。
配線層4は、下地電極層3の上に形成されている。配線層4は、第2電極層12の電極基部82および電極張り出し部83を一括して被覆している。
配線層4は、より具体的には、配線基部85および配線張り出し部86を含む。配線基部85は、第2電極層12の電極基部82を被覆している。配線張り出し部86は、第2電極層12の電極張り出し部83を被覆している。配線層4の側面は、第2電極層12の側面に段差なく接続されていてもよい。
【0083】
配線層4は、第2電極層12の上から第2電極層12外の領域に張り出していてもよい。この場合、配線層4は、第2電極層12の上面に沿う横方向に張り出していてもよい。配線層4の側面および第2電極層12の側面の間には、段差部が形成されていてもよい。
絶縁層5は、配線層4の上に形成されている。絶縁層5は、配線層4の上から配線層4外の領域に張り出している。絶縁層5は、配線層4の上面に沿う横方向に張り出している。絶縁層5は、配線層4の側面を露出させている。
【0084】
絶縁層5は、より具体的には、絶縁基部87および絶縁張り出し部88を有している。絶縁基部87は、配線層4の配線基部85を被覆している。絶縁張り出し部88は、配線層4の配線張り出し部86を被覆している。絶縁張り出し部88は、配線層4の上面に沿う横方向に延び、配線層4外の領域に張り出している。
絶縁層5の絶縁張り出し部88の幅は、第1電極層11の厚さT1以上であってもよい。絶縁層5の厚さT6は、0.5μm以上40μm以下であってもよい。厚さT6は、0.5μm以上10μm以下であってもよい。厚さT6は、10μm以上20μm以下であってもよい。厚さT6は、20μm以上30μm以下であってもよい。厚さT6は、30μm以上40μm以下であってもよい。
【0085】
配線層4の側面および絶縁層5の絶縁張り出し部88の間の領域には、第2段差部89が区画されている。
封止絶縁層7は、配線層4、絶縁層5およびバンプ構造6を封止している。封止絶縁層7は、第1段差部84および第2段差部89を封止し、下地電極層3の電極面64を露出させている。チップ部品が導電性接合材層20を介して配線構造体81に接続されている場合、封止絶縁層7は、チップ部品も封止する。
【0086】
封止絶縁層7において第1段差部84を被覆する部分は、配線層4が封止絶縁層7から抜け落ちるのを抑制する第1抜け止め部を形成している。封止絶縁層7において第2段差部89を被覆する部分は、絶縁層5が封止絶縁層7から抜け落ちるのを抑制する第2抜け止め部を形成している。
下地絶縁層62は、封止絶縁層7(第1抜け止め部および第2抜け止め部)を挟んで、電極面64の電極張り出し部83および絶縁層5の絶縁張り出し部88と対向している。これにより、配線層4および絶縁層5の抜け落ちを適切に抑制できる。
【0087】
図13A〜
図13Fは、
図11に示す配線構造体81の製造方法の一例を説明するための断面図である。
まず、
図13Aを参照して、支持基板71の上に樹脂層72が形成される。次に、樹脂層72の上に、下地電極層3、配線層4および絶縁層5が形成される。下地電極層3、配線層4および絶縁層5は、前述の
図3B〜
図3Dと同様の工程を経て形成される。
【0088】
次に、
図13Bを参照して、絶縁層5の不要な部分が除去される。この形態では、絶縁層5において、パッド開口14を形成すべき領域および配線層4外の領域が除去される。これにより、絶縁層5が、配線層4の上だけに形成される。
次に、
図13Cを参照して、バンプ構造6が形成される。バンプ構造6は、
図3F〜
図3Gと同様の工程を経て形成される。
【0089】
次に、
図13Dを参照して、下地電極層3の不要な部分が除去される。この工程では、まず、第2電極層12の不要な部分が除去される。より具体的には、第2電極層12において配線層4から露出する部分が除去される。第2電極層12は、等方性エッチング法(たとえばウエットエッチング法)によって除去されてもよい。
この工程では、配線層4において絶縁層5から露出する部分も除去される。配線層4は、第2電極層12の厚さT2に応じた分だけ除去される。これにより、配線層4の側面および第2電極層12の側面が、絶縁層5の周縁部よりも内方の領域に形成される。
【0090】
次に、
図13Eを参照して、第1電極層11の不要な部分が除去される。より具体的には、第1電極層11において第2電極層12から露出する部分が除去される。第2電極層12は、等方性エッチング法(たとえばウエットエッチング法)によって除去されてもよい。
この工程では、第1電極層11において第2電極層12の周縁部直下に位置する部分も、エッチング法によって除去される。これにより、第1電極層11の周縁部が、第2電極層12の周縁部よりも内方の領域に形成される。このようにして、所定パターンを有する下地電極層3が形成される。
【0091】
次に、
図13Fを参照して、樹脂層72の上に、封止絶縁層7が形成される。これにより、封止構造体73が形成される。その後、
図10C〜
図10Eと同様の工程を経て、配線構造体81が製造される。チップ部品がバンプ構造6(導電性接合材20)に接続される場合には、チップ部品は、封止絶縁層7の形成工程に先だってバンプ構造6(導電性接合材20)に接続される。
【0092】
以上、配線構造体81によっても、配線構造体61に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。
図14は、本発明の第6実施形態に係る配線構造体91を示す断面図である。以下では、配線構造体81(
図11および
図12等参照)に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0093】
図14を参照して、配線構造体91では、絶縁層5は、絶縁張り出し部88を備えていない。絶縁層5は、配線層4の上面において周縁部よりも内側の領域に形成されている。絶縁層5は、少なくとも配線層4の配線基部85を被覆している。絶縁層5は、配線層4の配線張り出し部86の一部を被覆していてもよい。
配線層4の外面において、絶縁層5から露出する露出部には、下地電極層3側に向かって窪んだリセス部92が形成されている。リセス部92は、絶縁層5の側面に段差なく繋がっている。
【0094】
このような構造の配線構造体91は、前述の
図13Bの工程において、配線層4の上面において周縁部よりも内側の領域に絶縁層5を形成することによって製造される。リセス部92は、
図13Dの工程において、第2電極層12と共に、配線層4の一部が除去されることによって形成される。
以上、配線構造体91によっても、配線構造体81に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。
【0095】
図15は、本発明の第1実施形態に係る電子部品101の内部構造を示す平面図である。
図16は、
図15に示すXVI-XVI線に沿う断面図である。
電子部品101は、前述の配線構造体1(
図1および
図2参照)が組み込まれた部品である。以下では、配線構造体1に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付し、一部の説明(たとえば配線構造体1に含まれる各構造のサイズ)については省略する。
【0096】
電子部品101は、ピッチ変換用の基板(支持基板)としてのインターポーザ102、配線構造体1、チップ部品103、電極体104、封止絶縁層105および外部端子106を含む。
インターポーザ102および封止絶縁層105は、配線構造体1の支持基板2および封止絶縁層7に相当する。つまり、配線構造体1は、この形態では、インターポーザ102の一部、封止絶縁層105の一部、下地電極層3、配線層4、絶縁層5およびバンプ構造6を含む。
【0097】
インターポーザ102は、一方側の第1主面107、他方側の第2主面108、ならびに、第1主面107および第2主面108を接続する側面109を有している。第1主面107および第2主面108は、それぞれ平坦に形成されている。第1主面107および第2主面108は、それらの法線方向から見た平面視(以下、単に「平面視」という。)において四角形状(この形態では長方形状)に形成されている。
【0098】
インターポーザ102は、基体110および主面絶縁層111を含む。インターポーザ102の基体110および主面絶縁層111は、それぞれ、配線構造体1に係る支持基板2の基体9および主面絶縁膜10に相当する。
主面絶縁層111は、基体110の主面を被覆している。基体110は、半導体基板であってもよい。半導体基板は、シリコンを含んでいてもよい。主面絶縁層111は、酸化シリコンまたは窒化シリコンを含んでいてもよい。
【0099】
インターポーザ102には、チップ配置領域112および外側領域113が設定されている。チップ配置領域112は、チップ部品103が配置される領域である。チップ配置領域112は、主面絶縁層111の中央領域に設定されている。
チップ配置領域112は、平面視において、チップ部品103の平面形状に対応した四角形状に設定されている。外側領域113は、チップ配置領域112の外側の領域に設定されている。外側領域113は、平面視においてチップ配置領域112を取り囲む無端状(四角環状)に設定されている。
【0100】
この形態では、複数(ここでは4つ)の配線構造体1が、インターポーザ102の第1主面107の上に形成されている。各配線構造体1は、チップ配置領域112および外側領域113に跨っている。各配線構造体1は、第1パッド領域121、第2パッド領域122および接続領域123を含む。
第1パッド領域121は、チップ配置領域112に形成されている。第1パッド領域121には、チップ部品103が接続される。第1パッド領域121は、この形態では、平面視において四角形状に形成されている。第1パッド領域121の平面形状は、任意であり、四角形状に限定されない。
【0101】
第2パッド領域122は、第1パッド領域121とは異なる領域に形成されている。第2パッド領域122は、外側領域113に形成されている。第2パッド領域122には、電極体104が接続される。第2パッド領域122は、この形態では、平面視において四角形状に形成されている。第2パッド領域122の平面形状は、任意であり、四角形状に限定されない。
【0102】
接続領域123は、第1パッド領域121および第2パッド領域122を接続している。接続領域123は、この形態では、第1パッド領域121および第2パッド領域122の間の任意の領域をライン状に引き回されている。
下地電極層3は、インターポーザ102の第1主面107の上に形成されている。下地電極層3は、第1パッド領域121、第2パッド領域122および接続領域123に対応した平面形状を有している。
【0103】
下地電極層3は、インターポーザ102側からこの順に積層された第1電極層11および第2電極層12を含む積層構造を有している。第1電極層11の側面は、第2電極層12の側面に対して面一に形成されていてもよい。第1電極層11の側面は、第2電極層12の側面に対して外側に張り出していてもよい。第1電極層11の側面は、第2電極層12の側面に対して内側に形成されていてもよい。
【0104】
配線層4は、下地電極層3の上に形成されている。配線層4は、第1パッド領域121、第2パッド領域122および接続領域123に対応した平面形状を有している。配線層4は、下地電極層3の周縁部から内方領域に間隔を空けて形成され、下地電極層3の周縁部を露出させている。
配線層4は、第1パッド部124(接続部)および第2パッド部125を含む。第1パッド部124は、第1パッド領域121に形成されている。第2パッド部125は、第2パッド領域122に形成されている。
【0105】
絶縁層5は、下地電極層3の上に形成されている。絶縁層5は、第1パッド領域121、第2パッド領域122および接続領域123に対応した平面形状を有している。第1パッド開口126は、配線層4の第1パッド部124および第2パッド部125を露出させるように配線層4を選択的に被覆している。これにより、絶縁層5には、第1パッド開口126および第2パッド開口127が形成されている。
【0106】
絶縁層5は、下地電極層3の周縁部の上から下地電極層3外の領域に張り出し、インターポーザ102の第1主面107に対向している。絶縁層5は、下地電極層3の上面に沿う横方向に張り出している。
絶縁層5は、より具体的には、基部15、被覆部16および張り出し部17を有している。絶縁層5の基部15は、下地電極層3の周縁部の上に形成されている。絶縁層5の被覆部16は、基部15から配線層4側に向けて延びている。絶縁層5の被覆部16は、配線層4の第1パッド部124および第2パッド部125を露出させるように配線層4を選択的に被覆している。
【0107】
絶縁層5の張り出し部17は、基部15から配線層4とは反対側の方向に向けて延びている。絶縁層5の張り出し部17は、下地電極層3の上面に沿う横方向に延び、下地電極層3外の領域に張り出している。絶縁層5の張り出し部17は、インターポーザ102の第1主面107に対向している。
インターポーザ102の第1主面107、下地電極層3の側面および絶縁層5の張り出し部17によって、配線層4側に向かって窪んだ空間18が区画されている。
【0108】
バンプ構造6は、配線層4の第1パッド部124の上に形成されている。バンプ構造6は、配線層4側からこの順に積層されたUBM層19および導電性接合材層20を含む。UBM層19は、この形態では、絶縁層5の第1パッド開口126内に形成されている。UBM層19は、配線層4側からこの順に積層された第1電極層21および第2電極層22を含む。
【0109】
電極体104は、各配線層4の第2パッド部125の上に形成されている。電極体104は、ブロック状または柱状に立設されている。電極体104は、銅層(より具体的には銅めっき層)を含む単層構造を有している。
電極体104は、一方側の第1電極主面128、他方側の第2電極主面129、ならびに、第1電極主面128および第2電極主面129を接続する電極側面130を有している。各電極体104の第2電極主面129は、各配線層4の第2パッド部125に接合されている。電極体104は、絶縁層5にオーバラップしていてもよい。
【0110】
チップ部品103は、インターポーザ102の第1主面107の上に配置されている。チップ部品103は、直方体形状のチップ本体131を含む。チップ本体131は、一方側の実装面132、他方側の非実装面133、ならびに、実装面132および非実装面133を接続するチップ側面134を有している。
チップ本体131は、シリコン、窒化物半導体材料(たとえば窒化ガリウム)、酸化物半導体材料(たとえば酸化ガリウム)、酸化シリコン、窒化シリコンまたはセラミックのうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0111】
チップ本体131は、機能デバイスを含む。チップ部品103は、複数の機能デバイスを備えた集積回路デバイスであってもよい。チップ本体131は、単一機能デバイスからなるディスクリートデバイスであってもよい。
チップ部品103の実装面132には、複数(この形態では4個)のチップ側端子電極135が形成されている。複数のチップ側端子電極135は、それぞれ、機能デバイスに電気的に接続されている。チップ部品103の非実装面133には、この形態では、いずれの電極も形成されていない。
【0112】
チップ部品103の実装面132は、絶縁層によって被覆されていてもよい。絶縁層には、チップ側端子電極135および機能デバイスを電気的に接続させるための配線を含む配線層が形成されていてもよい。複数のチップ側端子電極135は、最上絶縁層から外部に露出した最上配線であってもよい。
チップ部品103は、実装面132をインターポーザ102に対向させた姿勢で、インターポーザ102の第1主面107の上に配置されている。チップ部品103のチップ側端子電極135は、バンプ構造6(導電性接合材層20)を介して、対応する配線構造体1の第1パッド領域121に接合されている。
【0113】
封止絶縁層105は、インターポーザ102の第1主面107の上において、配線構造体1、チップ部品103および電極体104を封止している。封止絶縁層105は、空間18を封止している。
封止絶縁層105は、封止主面141および封止側面142を含む。封止主面141は、インターポーザ102の第1主面107に対向している。封止主面141は、インターポーザ102の第1主面107に対して略平行に形成されている。封止側面142は、封止主面141の周縁部からインターポーザ102側に向けて延びている。
【0114】
封止絶縁層105の封止側面142は、インターポーザ102の側面109と段差なく繋がっている。封止絶縁層105の封止側面142およびインターポーザ102の側面109は、連続的に延びる一つの平坦面を形成している。この平坦面は、一つの研削面によって形成されている。つまり、封止絶縁層105は、インターポーザ102の側面109に対して面一な外面を有している。
【0115】
封止絶縁層105の封止主面141は、各電極体104の第1電極主面128と段差なく繋がっている。封止絶縁層105の封止主面141および各電極体104の第1電極主面128は、連続的に延びる一つの平坦面を形成している。
この平坦面は、一つの研削面によって形成されている。つまり、封止絶縁層105は、各電極体104の第1電極主面128に対して面一な外面を有している。また、この平坦面は、インターポーザ102の第2主面108に対して略平行に形成されている。
【0116】
外部端子106は、各電極体104の第1電極主面128の上に形成されている。各外部端子106は、複数の電極層を含む積層構造を有していてもよい。各外部端子106は、電極体104の第1電極主面128側からこの順に積層されたNi層、Pd層およびAu層を含む積層構造を有していてもよい。
以上、電子部品101によれば、インターポーザ102の第1主面107およびチップ部品103の実装面132の間に、配線構造体1が介在している。配線構造体1は、下地電極層3の上から下地電極層3外の領域に張り出すように下地電極層3の周縁部の上に形成された絶縁層5を含む。これにより、溶融した導電性接合材層20の流出を絶縁層5によって抑制できる。
【0117】
特に、絶縁層5には、配線層4のパッド部13を露出させるパッド開口14が形成されている。このパッド開口14内には、導電性接合材層20を含むバンプ構造6が形成されている。これにより、溶融した導電性接合材層20の流出を絶縁層5によって適切に抑制できる。
しかも、下地電極層3は、配線層4よりも内側の領域に位置している。したがって、仮に、溶融した導電性接合材層20が絶縁層5外にしみ出したとしても、配線層4よりも内側の領域において導電性接合材層20を下地電極層3に伝わらせることができる。これにより、導電性接合材層20が、配線層4外の領域に流出することを抑制できる。よって、導電性接合材層20の流出を抑制できる電子部品101を提供できる。
【0118】
また、絶縁層5の張り出し部17およびインターポーザ102の第1主面107の間の領域に区画された空間18には、封止絶縁層105が埋め込まれている。これにより、溶融した導電性接合材層20が空間18に存在する場合には、空間18内において導電性接合材層20を封止できる。これにより、溶融した導電性接合材層20の流出を適切に抑制できる。
【0119】
本実施形態では、電子部品101が外部端子106を含む例について説明した。しかし、電子部品101は、外部端子106有していなくてもよい。この場合、各電極体104の第1電極主面128が外部端子として形成されていてもよい。
図17は、本発明の第2実施形態に係る電子部品151の内部構造を示す平面図である。
図18は、
図17に示すXVIII-XVIII線に沿う断面図である。以下では、電子部品101(
図15および
図16参照)に対して述べた構造に対応する構造については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0120】
インターポーザ102の第1主面107には、第2主面108側に向かって窪んだリセス部152が形成されている。インターポーザ102の第2主面108は、平坦に形成されている。
リセス部152は、インターポーザ102の周縁部から間隔を空けて、インターポーザ102の第1主面107の中央部に形成されている。リセス部152は、平面視においてインターポーザ102の各辺と略平行な四角形状に形成されている。
【0121】
リセス部152の平面形状は、任意であり、四角形状に限定されない。リセス部152は、平面視において、三角形状、六角形状、円形状または楕円形状に形成されていてもよい。リセス部152は、さらには、インターポーザ102の側面109に連通していてもよい。
インターポーザ102の第1主面107には、リセス部152によって低域部153、高域部154および接続部155が形成されている。低域部153は、リセス部152の底部からなる。高域部154は、リセス部152の周囲の領域からなる。接続部155は、低域部153および高域部154を接続している。
【0122】
低域部153は、平面視においてインターポーザ102の各辺と略平行な四角形状に形成されている。高域部154は、平面視においてリセス部152を取り囲む無端状(四角環状)に形成されている。
リセス部152は、高域部154から低域部153に向かって開口幅が狭まる断面視テーパ状に形成されている。接続部155は、高域部154から低域部153に向かって下り傾斜する傾斜面を有している。低域部153によって、チップ配置領域112が区画されている。高域部154によって、チップ配置領域112の外側領域113が区画されている。
【0123】
各配線構造体1の第1パッド領域121は、低域部153に形成されている。各配線構造体1の第2パッド領域122は、高域部154に形成されている。各配線構造体1の接続領域123は、接続部155を横切るように、低域部153および高域部154の間の任意の領域をライン状に引き回されている。
つまり、各配線構造体1の絶縁層5は、この形態では、下地電極層3の周縁部の上から下地電極層3外の領域に張り出し、低域部153、高域部154および接続部155に対向している。
【0124】
チップ部品103は、インターポーザ102のリセス部152に収容されている。チップ部品103は、実装面132を低域部153に対向させた姿勢で、低域部153の上に配置されている。チップ部品103のチップ側端子電極135は、バンプ構造6(導電性接合材層20)を介して、対応する配線構造体1の第1パッド領域121に接合されている。
【0125】
チップ部品103は、非実装面133が、インターポーザ102の高域部154よりも上方に突出するように、リセス部152に収容されている。チップ部品103の実装面132は、インターポーザ102の低域部153および高域部154の間の領域に位置している。チップ部品103の実装面132および非実装面133が、インターポーザ102の低域部153および高域部154の間の領域に位置していてもよい。
【0126】
チップ部品103の実装面132および非実装面133は、平面視において低域部153の面積よりも小さい面積を有している。チップ部品103の実装面132の全面は、低域部153に対向している。つまり、チップ部品103は、低域部153の周縁に取り囲まれた領域内に位置している。
チップ部品103の実装面132は、低域部153に加えて、接続部155の一部と対向していてもよい。チップ部品103の実装面132および非実装面133は、平面視において低域部153の面積よりも大きい面積を有していてもよい。
【0127】
封止絶縁層105は、この形態では、リセス部152を埋めるように、配線構造体1、チップ部品103および電極体104を封止している。封止絶縁層105は、リセス部152の内側の領域(低域部153および接続部155)および外側の領域(高域部154)において空間18を封止している。 以上、電子部品151によっても、電子部品101に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。
【0128】
図19は、本発明の第3実施形態に係る電子部品161の内部構造を示す平面図である。
図20は、
図19に示すXX-XX線に沿う断面図である。
電子部品161は、前述の配線構造体61(
図8および
図9参照)が組み込まれた部品である。以下では、配線構造体61に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付し、一部の説明(たとえば配線構造体61に含まれる各構造のサイズ)については省略する。
【0129】
電子部品161は、封止絶縁層162、配線構造体61、チップ部品103、下地絶縁層62および端子電極層63を含む。封止絶縁層162は、配線構造体61およびチップ部品103を封止している。電子部品161に係る配線構造体61は、封止絶縁層162の一部、下地電極層3、配線層4、絶縁層5、バンプ構造6、下地絶縁層62および端子電極層63を含む。
【0130】
封止絶縁層162は、一方側の第1封止主面163、他方側の第2封止主面164、ならびに、第1封止主面163および第2封止主面164を接続する封止側面165を有している。
第1封止主面163および第2封止主面164は、それらの法線方向から見た平面視において四角形状(より具体的には、長方形状)に形成されている。封止側面165は、第1封止主面163および第2封止主面164の法線方向に沿って延びている。第1封止主面163は、研削面であってもよい。封止側面165は、研削面であってもよい。第2封止主面164は、研削面ではない。
【0131】
封止絶縁層162の内部には、チップ配置領域166および外側領域167が設定されている。チップ配置領域166は、チップ部品103が配置される領域である。
チップ配置領域166は、平面視において封止絶縁層162の中央領域に設定されている。チップ配置領域166は、平面視において四角形状に設定されている。外側領域167は、チップ配置領域166の外側の領域に設定されている。外側領域167は、平面視においてチップ配置領域166を取り囲む無端状(四角環状)に設定されている。
【0132】
この形態では、複数(ここでは4つ)の配線構造体61が形成されている。各配線構造体61は、封止絶縁層162の第2封止主面164から露出するように、封止絶縁層162によって封止されている。
各配線構造体61は、チップ配置領域166および外側領域167に跨っている。各配線構造体61は、第1パッド領域168、第2パッド領域169および接続領域170を含む。
【0133】
第1パッド領域168は、チップ配置領域166に形成されている。第1パッド領域168には、チップ部品103が接続される。第1パッド領域168は、この形態では、平面視において四角形状に形成されている。第1パッド領域168の平面形状は、任意であり、四角形状に限定されない。
第2パッド領域169は、第1パッド領域168とは異なる領域に形成されている。第2パッド領域169は、外側領域167に形成されている。第2パッド領域169には、端子電極層63が接続される。第2パッド領域169は、この形態では、平面視において四角形状に形成されている。第2パッド領域169の平面形状は、任意であり、四角形状に限定されない。
【0134】
接続領域170は、第1パッド領域168および第2パッド領域169を接続している。接続領域170は、この形態では、第1パッド領域168および第2パッド領域169の間の任意の領域をライン状に引き回されている。
下地電極層3は、第1パッド領域168、第2パッド領域169および接続領域170に対応した平面形状を有している。下地電極層3は、封止絶縁層162の第2封止主面164側からこの順に積層された第1電極層11および第2電極層12を含む積層構造を有している。
【0135】
第1電極層11の側面は、第2電極層12の側面に対して面一に形成されていてもよい。第1電極層11の側面は、第2電極層12の側面に対して外側に張り出していてもよい。第1電極層11の側面は、第2電極層12の側面に対して内側に形成されていてもよい。
下地電極層3の電極面64は、封止絶縁層162の第2封止主面164から露出している。下地電極層3の電極面64は、封止絶縁層162の第2封止主面164に対して面一に形成されている。下地電極層3の電極面64および封止絶縁層162の第2封止主面164によって、一つの平坦面が形成されている。この平坦面は、研削面ではない。
【0136】
配線層4は、下地電極層3の上に形成されている。配線層4は、第1パッド領域168、第2パッド領域169および接続領域170に対応した平面形状を有している。配線層4は、下地電極層3の周縁部を露出させるように、下地電極層3の周縁部から内方領域に間隔を空けて形成されている。
配線層4は、第1パッド部171(接続部)および第2パッド部172を含む。第1パッド部171は、第1パッド領域168側に形成されている。第2パッド部172は、第2パッド領域169側に形成されている。
【0137】
絶縁層5は、下地電極層3の上に形成されている。絶縁層5は、第1パッド領域168、第2パッド領域169および接続領域170に対応した平面形状を有している。パッド開口173は、配線層4の第1パッド部171を露出させるように配線層4を選択的に被覆している。
これにより、絶縁層5には、第1パッド部171を露出させるパッド開口173が形成されている。絶縁層5は、下地電極層3の上から下地電極層3外の領域に張り出している。絶縁層5は、下地電極層3の上面に沿う横方向に張り出している。
【0138】
絶縁層5は、より具体的には、基部15、被覆部16および張り出し部17を有している。絶縁層5の基部15は、下地電極層3の周縁部の上に形成されている。絶縁層5の被覆部16は、基部15から配線層4側に向けて延びている。絶縁層5の被覆部16は、配線層4の第1パッド部171を露出させるように配線層4を被覆している。
絶縁層5の張り出し部17は、基部15から配線層4とは反対側の方向に向けて延びている。絶縁層5の張り出し部17は、下地電極層3の上面に沿う横方向に延び、下地電極層3外の領域に張り出している。
【0139】
下地電極層3および絶縁層5の張り出し部17の間の領域には、段差部65が区画されている。段差部65は、下地電極層3の側面および絶縁層5の張り出し部17によって区画されている。
バンプ構造6は、配線層4の第1パッド部171の上に形成されている。バンプ構造6は、配線層4側からこの順に積層されたUBM層19および導電性接合材層20を含む。UBM層19は、絶縁層5のパッド開口173内に形成されている。UBM層19は、配線層4側からこの順に積層された第1電極層21および第2電極層22を含む。
【0140】
チップ部品103は、チップ配置領域166に配置されている。チップ部品103は、実装面132を封止絶縁層162の第2封止主面164に対向させた姿勢で、各配線構造体61に接続されている。チップ部品103のチップ側端子電極135は、バンプ構造6(導電性接合材層20)を介して、対応する配線構造体61の第1パッド領域168に接合されている。
【0141】
封止絶縁層162は、配線構造体61およびチップ部品103を封止している。封止絶縁層162は、段差部65を被覆し、下地電極層3の電極面64を露出させている。封止絶縁層162において段差部65を被覆する部分は、絶縁層5が封止絶縁層162から抜け落ちるのを抑制する抜け止め部を形成している。
下地絶縁層62は、下地電極層3の電極面64を被覆している。下地絶縁層62は、下地電極層3側から封止絶縁層162側に向けて延び、封止絶縁層162の第2封止主面164を被覆している。
【0142】
下地絶縁層62は、下地電極層3および封止絶縁層162を一括して被覆している。下地絶縁層62は、封止絶縁層162(抜け止め部)を挟んで、絶縁層5の張り出し部17と対向している。これにより、絶縁層5の抜け落ちを適切に抑制できる。
下地絶縁層62には、下地電極層3の電極面64を露出させる下側パッド開口174が形成されている。下側パッド開口174は、電極面64の任意の領域をパッド部として露出させている。
【0143】
下側パッド開口174は、より具体的には、平面視においてバンプ構造6と重ならない領域に形成されている。下側パッド開口174は、さらに具体的には、各配線構造体61の第2パッド領域169に形成されている。つまり、下側パッド開口174は、各配線構造体61の第2パッド領域169において下地電極層3の電極面64を露出させている。
端子電極層63は、下地絶縁層62を貫通し、下地電極層3に接続されている。より具体的には、端子電極層63は、下地絶縁層62の下側パッド開口174内に形成されている。これにより、端子電極層63は、平面視においてバンプ構造6と重ならない領域に形成されている。
【0144】
端子電極層63は、下側パッド開口174内において下地電極層3を介して配線層4の第2パッド部172に電気的に接続されている。端子電極層63は、外部接続される外部端子電極層として形成されている。
端子電極層63は、下地絶縁層62の外面から下地電極層3とは反対側の方向に突出している。端子電極層63は、下地絶縁層62の外面を被覆するオーバラップ部を有していてもよい。端子電極層63は、下地電極層3側からこの順に形成されたNi層、Pd層およびAu層を含む積層構造を有していてもよい。
【0145】
以上、電子部品161によっても、電子部品101に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。
本発明の実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することもできる。
図21は、
図15に示す電子部品101の第1変形例を示す断面図である。以下では、電子部品101に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0146】
図21を参照して、この形態では、配線構造体1に代えて配線構造体41(
図4および
図5も併せて参照)が、電子部品101に組み込まれている。以下では、配線構造体41に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付し、一部の説明(たとえば配線構造体41に含まれる各構造のサイズ)については省略する。
下地電極層3の第2電極層12は、この形態では、第1電極層11の上から第1電極層11外の領域に張り出し、インターポーザ102の第1主面107に対向している。第2電極層12は、第1電極層11の上面に沿う横方向に張り出している。
【0147】
第2電極層12は、より具体的には、電極基部42および電極張り出し部43を含む。電極基部42は、第1電極層11を被覆している。電極張り出し部43は、電極基部42から第1電極層11とは反対側に向けて延びている。
電極張り出し部43は、第1電極層11の上面に沿う横方向に延び、第1電極層11外の領域に張り出している。電極張り出し部43は、インターポーザ102の第1主面107に対向している。
【0148】
インターポーザ102の第1主面107、第1電極層11の側面および第2電極層12の電極張り出し部43によって、第1電極層11側に向かって窪んだ第1空間44が区画されている。
配線層4は、下地電極層3の上に形成されている。第2電極層12の電極基部42および電極張り出し部43を一括して被覆している。配線層4は、より具体的には、配線基部45および配線張り出し部46を含む。
【0149】
配線基部45は、第2電極層12の電極基部42を被覆している。配線張り出し部46は、第2電極層12の電極張り出し部43を被覆している。配線層4の側面は、第2電極層12の側面に段差なく接続されていてもよい。
配線層4は、第2電極層12の上から第2電極層12外の領域に張り出し、インターポーザ102の第1主面107に対向していてもよい。この場合、配線層4は、第2電極層12の上面に沿う横方向に張り出していてもよい。配線層4の側面および第2電極層12の側面の間には、段差部が形成されていてもよい。
【0150】
絶縁層5は、配線層4の上に形成されている。絶縁層5は、配線層4の上から配線層4外の領域に張り出し、インターポーザ102の第1主面107に対向している。絶縁層5は、配線層4の上面に沿う横方向に張り出している。絶縁層5は、配線層4の側面を露出させている。
絶縁層5は、より具体的には、絶縁基部47および絶縁張り出し部48を含む。絶縁基部47は、配線層4の配線基部45を被覆している。絶縁張り出し部48は、配線層4の配線張り出し部46を被覆している。
【0151】
絶縁張り出し部48は、配線層4の上面に沿う横方向に延び、配線層4外の領域に張り出している。絶縁張り出し部48は、インターポーザ102の第1主面107に対向している。
インターポーザ102の第1主面107、配線層4の側面および絶縁層5の絶縁張り出し部48によって、配線層4側に向かって窪んだ第2空間49が区画されている。第2空間49は、第1空間44に連通している。
【0152】
バンプ構造6は、絶縁層5に形成された第1パッド開口126内に形成されている。第1パッド開口126は、配線層4の配線基部45を露出させている。これにより、バンプ構造6は、配線層4の配線基部45に接続されている。
封止絶縁層105は、インターポーザ102の第1主面107の上において、配線構造体41、チップ部品103および電極体104を封止している。封止絶縁層105は、第1空間44および第2空間49に入り込んでいる。
【0153】
このような構造によっても、電子部品101に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。
図22は、
図15に示す電子部品101の第2変形例を示す断面図である。以下では、電子部品101に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0154】
図22を参照して、この形態では、配線構造体1に代えて配線構造体51(
図7および
図8も併せて参照)が、電子部品101に組み込まれている。以下では、配線構造体51に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付し、一部の説明(たとえば配線構造体51に含まれる各構造のサイズ)については省略する。
絶縁層5は、この形態では、絶縁張り出し部48を備えていない。絶縁層5は、配線層4の上面において周縁部よりも内側の領域に形成されている。絶縁層5は、少なくとも配線層4の配線基部45を被覆している。絶縁層5は、配線層4の配線張り出し部46の一部を被覆していてもよい。
【0155】
配線層4の外面において、絶縁層5から露出する露出部には、下地電極層3側に向かって窪んだリセス部52が形成されている。リセス部52は、絶縁層5の側面に段差なく繋がっている。
このような構造の配線構造体51は、前述の
図6Bの工程において、配線層4の上面において周縁部よりも内側の領域に絶縁層5を形成することによって製造される。リセス部52は、
図6Dの工程において、第2電極層12を除去すると共に、配線層4の一部が除去されることによって形成される。
【0156】
このような構造によっても、電子部品101に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。
図23は、
図17に示す電子部品151の第1変形例を示す断面図である。以下では、電子部品151に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0157】
図23を参照して、この形態では、配線構造体1に代えて配線構造体41(
図4および
図5も併せて参照)が、電子部品151に組み込まれている。以下では、配線構造体41に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付し、一部の説明(たとえば配線構造体41に含まれる各構造のサイズ)については省略する。
下地電極層3の第2電極層12は、この形態では、第1電極層11の上から第1電極層11外の領域に張り出し、インターポーザ102の第1主面107(低域部153、高域部154および接続部155)に対向している。第2電極層12は、第1電極層11の上面に沿う横方向に張り出している。
【0158】
第2電極層12は、より具体的には、電極基部42および電極張り出し部43を含む。電極基部42は、第1電極層11を被覆している。電極張り出し部43は、電極基部42から第1電極層11とは反対側に向けて延びている。
電極張り出し部43は、第1電極層11の上面に沿う横方向に延び、第1電極層11外の領域に張り出している。電極張り出し部43は、インターポーザ102の第1主面107(低域部153、高域部154および接続部155)に対向している。
【0159】
インターポーザ102の第1主面107、第1電極層11の側面および第2電極層12の電極張り出し部43によって、第1電極層11側に向かって窪んだ第1空間44が区画されている。
配線層4は、下地電極層3の上に形成されている。第2電極層12の電極基部42および電極張り出し部43を一括して被覆している。配線層4は、より具体的には、配線基部45および配線張り出し部46を含む。
【0160】
配線基部45は、第2電極層12の電極基部42を被覆している。配線張り出し部46は、第2電極層12の電極張り出し部43を被覆している。配線層4の側面は、第2電極層12の側面に段差なく接続されていてもよい。
配線層4は、第2電極層12の上から第2電極層12外の領域に張り出し、インターポーザ102の第1主面107(低域部153、高域部154および接続部155)に対向していてもよい。この場合、配線層4は、第2電極層12の上面に沿う横方向に張り出していてもよい。配線層4の側面および第2電極層12の側面の間には、段差部が形成されていてもよい。
【0161】
絶縁層5は、配線層4の上に形成されている。絶縁層5は、配線層4の上から配線層4外の領域に張り出し、インターポーザ102の第1主面107(低域部153、高域部154および接続部155)に対向している。絶縁層5は、配線層4の上面に沿う横方向に張り出している。絶縁層5は、配線層4の側面を露出させている。
絶縁層5は、より具体的には、絶縁基部47および絶縁張り出し部48を含む。絶縁基部47は、配線層4の配線基部45を被覆している。絶縁張り出し部48は、配線層4の配線張り出し部46を被覆している。
【0162】
絶縁張り出し部48は、配線層4の上面に沿う横方向に延び、配線層4外の領域に張り出している。絶縁張り出し部48は、インターポーザ102の第1主面107(低域部153、高域部154および接続部155)に対向している。
インターポーザ102の第1主面107、配線層4の側面および絶縁層5の絶縁張り出し部48によって、配線層4側に向かって窪んだ第2空間49が区画されている。第2空間49は、第1空間44に連通している。
【0163】
バンプ構造6は、絶縁層5に形成された第1パッド開口126内に形成されている。第1パッド開口126は、配線層4の配線基部45を露出させている。これにより、バンプ構造6は、配線層4の配線基部45に接続されている。
封止絶縁層105は、リセス部152を埋めるように、配線構造体41、チップ部品103および電極体104を封止している。封止絶縁層105は、リセス部152の内側の領域(低域部153および接続部155)および外側の領域(高域部154)において第1空間44および第2空間49に入り込んでいる。
【0164】
このような構造によっても、電子部品151に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。
図24は、
図17に示す電子部品151の第2変形例を示す断面図である。以下では、電子部品151に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0165】
図24を参照して、この形態では、配線構造体1に代えて配線構造体51(
図7および
図8も併せて参照)が、電子部品151に組み込まれている。以下では、配線構造体51に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付し、一部の説明(たとえば配線構造体51に含まれる各構造のサイズ)については省略する。
絶縁層5は、この形態では、絶縁張り出し部48を備えていない。絶縁層5は、配線層4の上面において周縁部よりも内側の領域に形成されている。絶縁層5は、少なくとも配線層4の配線基部45を被覆している。絶縁層5は、配線層4の配線張り出し部46の一部を被覆していてもよい。
【0166】
配線層4の外面において、絶縁層5から露出する露出部には、下地電極層3側に向かって窪んだリセス部52が形成されている。リセス部52は、絶縁層5の側面に段差なく繋がっている。
このような構造の配線構造体51は、前述の
図6Bの工程において、配線層4の上面において周縁部よりも内側の領域に絶縁層5を形成することによって製造される。リセス部52は、
図6Dの工程において、第2電極層12を除去すると共に、配線層4の一部が除去されることによって形成される。
【0167】
このような構造によっても、電子部品151に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。
図25は、
図19に示す電子部品161の第1変形例を示す断面図である。以下では、電子部品161に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0168】
図25を参照して、この形態では、配線構造体61に代えて配線構造体81(
図11および
図12も併せて参照)が、電子部品161に組み込まれている。以下では、配線構造体81に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付し、一部の説明(たとえば配線構造体81に含まれる各構造のサイズ)については省略する。
下地電極層3の第2電極層12は、この形態では、第1電極層11の上から下地電極層3外の領域に張り出している。第2電極層12は、第1電極層11の上面に沿う横方向に張り出している。
【0169】
第2電極層12は、より具体的には、電極基部82および電極張り出し部83を含む。電極基部82は、第1電極層11を被覆している。電極張り出し部83は、電極基部82から第1電極層11とは反対側に向けて延びている。電極張り出し部83は、第1電極層11の上面に沿う横方向に延び、第1電極層11外の領域に張り出している。
第1電極層11の側面および第2電極層12の電極張り出し部83の間の領域には、第1段差部84が区画されている。
【0170】
配線層4は、下地電極層3の上に形成されている。配線層4は、第2電極層12の電極基部82および電極張り出し部83を一括して被覆している。
配線層4は、より具体的には、配線基部85および配線張り出し部86を含む。配線基部85は、第2電極層12の電極基部82を被覆している。配線張り出し部86は、第2電極層12の電極張り出し部83を被覆している。配線層4の側面は、第2電極層12の側面に段差なく接続されていてもよい。
【0171】
配線層4は、第2電極層12の上から第2電極層12外の領域に張り出していてもよい。この場合、配線層4は、第2電極層12の上面に沿う横方向に張り出していてもよい。配線層4の側面および第2電極層12の側面の間には、段差部が形成されていてもよい。
絶縁層5は、配線層4の上に形成されている。絶縁層5は、配線層4の上から配線層4外の領域に張り出している。絶縁層5は、配線層4の上面に沿う横方向に張り出している。絶縁層5は、配線層4の側面を露出させている。
【0172】
絶縁層5は、より具体的には、絶縁基部87および絶縁張り出し部88を有している。絶縁基部87は、配線層4の配線基部85を被覆している。絶縁張り出し部88は、配線層4の配線張り出し部86を被覆している。絶縁張り出し部88は、配線層4の上面に沿う横方向に延び、配線層4外の領域に張り出している。
配線層4の側面および絶縁層5の絶縁張り出し部88の間の領域には、第2段差部89が区画されている。
【0173】
封止絶縁層162は、チップ部品103および配線構造体81を封止している。封止絶縁層162は、下地電極層3を露出させ、第1段差部84および第2段差部89を被覆している。
封止絶縁層162において第1段差部84を被覆する部分は、配線層4が封止絶縁層162から抜け落ちるのを抑制する第1抜け止め部を形成している。封止絶縁層162において第2段差部89を被覆する部分は、絶縁層5が封止絶縁層162から抜け落ちるのを抑制する第2抜け止め部を形成している。
【0174】
下地絶縁層62は、封止絶縁層162(第1抜け止め部および第2抜け止め部)を挟んで、電極面64の電極張り出し部83および絶縁層5の絶縁張り出し部88と対向している。これにより、配線層4および絶縁層5の抜け落ちを適切に抑制できる。
このような構造によっても、電子部品161に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。
【0175】
図26は、
図19に示す電子部品161の第2変形例を示す断面図である。以下では、電子部品161に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
この形態では、配線構造体61に代えて配線構造体91(
図14も併せて参照)が、電子部品161に組み込まれている。以下では、配線構造体51に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付し、一部の説明(たとえば配線構造体51に含まれる各構造のサイズ)については省略する。
【0176】
絶縁層5は、この形態では、絶縁張り出し部88を備えていない。絶縁層5は、配線層4の上面において周縁部よりも内側の領域に形成されている。絶縁層5は、少なくとも配線層4の配線基部85を被覆している。絶縁層5は、配線層4の配線張り出し部86の一部を被覆していてもよい。
配線層4の外面において、絶縁層5から露出する露出部には、下地電極層3側に向かって窪んだリセス部92が形成されている。リセス部92は、絶縁層5の側面に段差なく繋がっている。
【0177】
このような構造の配線構造体91は、前述の
図13Bの工程において、配線層4の上面において周縁部よりも内側の領域に絶縁層5を形成することによって製造される。リセス部92は、
図13Dの工程において、第2電極層12と共に、配線層4の一部が除去されることによって形成される。
このような構造によっても、電子部品161に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。
【0178】
図27は、
図2に示すバンプ構造6の第1変形例を説明するための断面図である。以下では、
図2に示すバンプ構造6に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図27を参照して、UBM層19は、電極層181からなる単層構造を有していてもよい。電極層181は、チタンを含んでいてもよい。このような構造は、配線構造体1に限らず、配線構造体41,51,61,81,91にも適用できる。
【0179】
図28は、
図2に示すバンプ構造6の第2変形例を説明するための断面図である。以下では、
図2に示すバンプ構造6に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図28を参照して、UBM層19は、配線層4側からこの順に積層された第1電極層182、第2電極層183および第3電極層184を含む積層構造を有していてもよい。
【0180】
第1電極層182は、銅を含んでいてもよい。第2電極層183は、チタンを含んでいてもよい。第3電極層184は、銅を含んでいてもよい。このような構造は、配線構造体1に限らず、配線構造体41,51,61,81,91にも適用できる。
図29は、
図2に示すバンプ構造6の第3変形例を説明するための断面図である。以下では、
図2に示すバンプ構造6に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0181】
図29を参照して、バンプ構造6は、導電性接合材層20を有さず、UBM層19だけを有している。UBM層19は、
図2に示された形態、
図27に示された形態、または、
図28に示された形態を有していてもよい。
このような構造は、チップ部品103が、導電性接合材層20を備えている場合に採用できる。このような構造は、配線構造体1に限らず、配線構造体41,51,61,81,91にも適用できる。
【0182】
前述の第2実施形態に係る電子部品151において、各配線構造体1は、
図30に示される構造を有していてもよい。
図30は、
図17に対応する平面図であって、第2実施形態に係る電子部品151の配線構造体1の第1変形例を示す図である。以下では、電子部品151に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0183】
各配線構造体1の接続領域123は、この形態では、接続部155の傾斜面を、高域部154から低域部153に向かって直線状に延びている。つまり、各配線構造体1の接続領域123は、接続部155の傾斜面において屈曲部を有していない。
ここで、各配線構造体1の形成工程時に行われるマスク31のパターニング工程について考える(
図3Bも併せて参照)。高域部154から低域部153に向けて下り傾斜した接続部155を有する電子部品151では、接続部155の上にもマスク31が形成される。マスク31に対する露光工程では、光源に対するマスク31の距離は、高域部154から低域部153に向けて大きくなる。
【0184】
そのため、マスク31において接続部155に位置する部分に対する光の照射位置は、インターポーザ102の第1主面107に形成された高低差に応じて、ずれる可能性がある。
特に、接続領域123が接続部155において屈曲部を有している構造では、光の照射位置のずれによって生じる影響が大きくなる可能性がある。そのため、マスク31において接続部155に位置する部分に対する光の照射条件を厳しく設定する必要が生じる。
【0185】
これに対して、各配線構造体1の接続領域123が接続部155の傾斜面を直線状に延びている構造では、傾斜面において屈曲部を有していない。よって、光の照射位置のずれによって生じる影響を最低限に留めることができるので、各配線構造体1の形成工程の難易度が高まるのを回避できる。
この例は、飽くまでインターポーザ102の第1主面107にリセス部152が形成された構造において、各配線構造体1の形成工程の難易度を低下させる一形態例を示しているに過ぎない。
【0186】
したがって、接続領域123が接続部155を直線状に延びる構造は、接続領域123が接続部155において屈曲部を有している構造を否定するものではない。また、
図30の構造は、リセス部152が形成された全ての形態に適用可能である。
前述の第2実施形態に係る電子部品151において、各配線構造体1は、
図31に示される構造を有していてもよい。
【0187】
図31は、
図17に対応する平面図であって、第2実施形態に係る電子部品151の配線構造体1の第2変形例を示す図である。以下では、電子部品151に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
電子部品151において、各配線構造体1の接続領域123は、接続部155の傾斜面を、高域部154から低域部153に向かって直線状に延びている。また、各配線構造体1の接続領域123は、この形態では、接続部155の傾斜面を直線状に延びるという基本形態を保ちながら、高域部154から低域部153に向かって幅が大きくなる裾広がり状(テーパ状)に形成されている。
【0188】
各配線構造体1の接続領域123は、接続部155において一方方向(インターポーザ102の短手方向)に沿って延びる傾斜面を横切っている。各配線構造体1の接続領域123は、接続部155において一方方向に沿って延びる傾斜面に接続され、かつ、一方方向に交差する交差方向(インターポーザ102の長手方向)に沿って延びる傾斜面にオーバラップしたオーバラップ部190を有していてもよい。
【0189】
このような構造によっても、
図30において述べた効果と同様の効果を奏することができる。また、各配線構造体1の接続領域123は、高域部154から低域部153に向かって幅が大きくなる裾広がり状(テーパ状)に形成されている。
したがって、限られた条件下において、配線面積を増加させることができる。これにより、配線抵抗の低減を図ることもできる。むろん、
図31の構造は、リセス部152が形成された全ての形態に適用可能である。
【0190】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。