【実施例1】
【0011】
本発明の取手付きカップを
図1ないし
図4に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例の取手付きカップ1は、容器本体部2と、容器本体部2の外側面3に設けられた取手4とを有した取手付きカップ(マグカップ)であって、取手付きカップ1の取手4は、ティーバッグtの把持片hおよび下げ紐sを挿通可能な挿通部5を有している。以下、各構成について順次詳述する。
【0012】
容器本体部2は、内部に例えば茶・豆等の抽出液を貯留するためのものであり、有底筒状体にて形成され上部に開口2aを有している。この実施例の容器本体部2は樹脂材料にて形成されており、上方に向かって徐々に拡径した有底筒状体に構成されている。ただし、容器本体部の形成材料は樹脂材料に限定されるものではなく、例えば金属材料、木製材料、陶磁器製材料または紙質材料であってもよい。
【0013】
取手4は、取手付きカップ1を把持するためのものであり、容器本体部2の外側面3に設けられている。この実施例の取手4は、容器本体部2の外側面3において高さ方向に沿って一体成形された略C型形状の突起部にて構成されている。
【0014】
そして、本発明の取手付きカップ1の取手4は、
図3に示すように、ティーバッグtの把持片hおよび下げ紐sを挿通可能な挿通部5を有している。本発明の取手付きカップ1は、取手4がこのような挿通部5を有しているため、注ぐお湯の勢いで容器本体部2内にティーバッグtの下げ紐sおよび把持片hが入ってしまうことが抑止される。
【0015】
具体的には、この実施例の挿通部5は、取手4の長さ方向に沿って延在する長溝にて構成されており、容器本体部2内にティーバッグtを配した後、把持片hおよび下げ紐sをこの長溝(挿通部)5に挿通させた状態でお湯を容器本体部2内に注ぐことにより、把持片hや紐sが長溝(挿通部)5に係止されて、容器本体部2内に下げ紐sおよび把持片hが入ってしまうことが抑止される。
【0016】
また、この実施例の長溝5の中央部付近には、
図2に示すように、ティーバッグtの把持片hを挿通するための把持片挿通穴6が設けられている。この把持片挿通穴6は、
図4に示すように、下げ紐sが把持片hにホッチキスpで止められていることが多く、このホッチキスpを有した把持片hを長溝(挿通部)5に挿通させづらいことから、この実施例は長溝5の間隙をより大きくするための略楕円状の把持片挿通穴6が設けられている。これにより、ホッチキスpで下げ紐sに取り付けられた把持片hを、把持片挿入穴6より容易に挿通させることができる。
【0017】
なお、この実施例の挿通部5は長溝にて構成されているが、これに限定されるものではなく、ティーバッグtの把持片hおよび下げ紐sを挿通可能なものであればどのようなものもよく、例えば円形、楕円形、三角形その他の多角形などでもよい。ただし、長い下げ紐sを挿通させやすいことから取手4の高さ方向に沿って延在する長溝がより好ましい。
【0018】
つぎに、本発明の取手付きカップ1の使用方法について説明する。
取手付きカップ1を使用するには、まず、取手付きカップ1の容器本体2内に開口2aからティーバッグtを挿入し、把持片hと下げ紐Sの一部を外方に配する。つぎに、外方の下げ紐Sを長溝5に沿って挿通させると共に、ホッチキスpを備えた把持片hは略楕円状の把持片挿通穴6から挿通させる(
図3の状態)。この状態でお湯を容器本体部2内に注ぐことにより、ティーバッグtから抽出成分がお湯の中に浸透して紅茶等が形成される。この時、把持片hや紐sの一部は長溝(挿通部)5に係止されているため、容器本体部2内に下げ紐sおよび把持片hが入ってしまうことが抑止される。ティーバッグtからの成分抽出が終了したら、長溝(挿通部)5にて下げ紐sを切断して、切断された下げ紐sを把持してティーバッグtを容器本体2の開口2aから取り出す。他方、把持片hも長溝(挿通部)5付近から除去する。
【0019】
さらに、
図5に示した本発明の他の実施例である取手付きカップ10について説明する。
この実施例の取手付きカップ10は、容器本体部12と、容器本体部12の外側面13に設けられた取手14とを有した取手付きカップであって、取手付きカップ10の取手14は、ティーバッグtの把持片hおよび下げ紐sを挿通可能な長溝15を有している。
【0020】
この実施例の取手付きカップ10と前述した取手付きカップ1との基本的相違点は、取手付きカップ10の容器本体部12と取手14がステンレス(金属)にて形成されている点、容器本体部12の形状、取手14がホッチキスpを備えた把持片hを挿通し易くするための略楕円状の把持片挿通穴を有していない点であり他は同様である。
【0021】
さらに、
図6に示した本発明の他の実施例である取手付きカップ20について説明する。
この実施例の取手付きカップ20は、容器本体部22と、容器本体部22の外側面23に設けられた取手24とを有した取手付きカップであって、取手24は並設された第1取手部24aと第2取手部24bとを有し、ティーバッグtの把持片hおよび下げ紐sを挿通可能な挿通部25は、第1取手部24aと第2取手部24bとの間隙にて構成されている。
【0022】
この実施例の取手付きカップ20と前述した取手付きカップ1との基本的相違点は、取手24が並設された複数の取手部(この実施例では第1取手部24aと第2取手部24b)にて形成されている点 、挿通部の形態、容器本体部22の形状、取手24がホッチキスpを備えた把持片hを挿通し易くするための略楕円状の把持片挿通穴を有していない点であり他は同様である。
【0023】
具体的には、この実施例の取手24は、高さ方向に沿って並設された2本の略C型取手部(第1取手部24aと第2取手部24b)にて形成されており、これにより、挿通部として取手に長溝を形成する必要がなく、より容易に挿通部を形成できる。すなわち、この実施例の挿通部25は、第1取手部24aと第2取手部24bとの間隙にて構成されている。
【0024】
また、この実施例の容器本体部22は、有底円筒部22aと、有底円筒部22aの上部に設けられ上方に向かって徐々に縮径した縮径部22bと、縮径部22bの上部に設けられ上端開口22dを備えた開口周縁部22cとから構成されている。容器本体部22が縮径部22bを有することにより、成分抽出時に取手付きカップ20を取手24を把持して揺動しても、上端開口22dから抽出液体が飛散することをより抑制できる。
【0025】
さらに、
図7に示した本発明の他の実施例である取手付きカップ30について説明する。
この実施例の取手付きカップ30は、容器本体部32と、容器本体部32の外側面33に設けられた取手34とを有した取手付きカップであって、取手付きカップ30の取手34は、ティーバッグtの把持片hおよび下げ紐sを挿通可能な長溝35を有している。
【0026】
この実施例の取手付きカップ30と前述した取手付きカップ1との基本的相違点は、取手付きカップ30の容器本体部32の形状と、取手34がホッチキスpを備えた把持片hを挿通し易くするための略楕円状の把持片挿通穴を有していない点であり他は同様である。
【0027】
具体的には、この実施例の容器本体部32は、上方に向かって徐々に縮径すると共に湾曲する外側面を有する有底縮径部32aと、有底縮径部32aの上部に設けられ高さ方向の中間付近が最も拡径すると共に湾曲する外側面を有した上部湾曲部32bと、上部湾曲部32bの上部に設けられ上端開口32dを備えた開口周縁部32cとから構成されている。容器本体部32が有底縮径部32aおよび上部湾曲部32bを有することにより、成分抽出時に取手付きカップ30を取手34を把持して揺動しても、上端開口32dから抽出液体が飛散することをより抑制できる。
【0028】
さらに、
図8に示した本発明の他の実施例である取手付きカップ40について説明する。
この実施例の取手付きカップ40は、容器本体部42と、容器本体部42の外側面43に設けられた取手44とを有した取手付きカップであって、取手付きカップ40の取手44は、ティーバッグtの把持片hおよび下げ紐sを挿通可能な挿通部45を有している。
【0029】
この実施例の取手付きカップ40と前述した取手付きカップ1との基本的相違点は、取手付きカップ40の取手44の挿通部45が上部にティーバッグtの下げ紐sを切断するための鋭利部45aを有している点と容器本体部42の形状であり他は同様である。
【0030】
具体的には、この実施例の挿通部45は正面視雫(しずく)状に形成されており最上部がティーバッグtの下げ紐sを切断するための鋭利部45aに形成されている。そして、成分抽出後、下げ紐sを切断する場合は、下げ紐sを持ち上げて鋭利部45aにて容易に切断可能に構成されている。
【0031】
また、この実施例の容器本体部42は、上方に向かって徐々に縮径すると共に湾曲する外側面を有する有底縮径部42aと、有底縮径部42aの上部に設けられ高さ方向の中間付近が最も拡径すると共に湾曲する外側面を有した湾曲部42bと、湾曲部42bの上部に設けられ上端開口42dを備えた開口周縁部42cとから構成されている。容器本体部42が湾曲部42bを有することにより、成分抽出時に取手付きカップ40を取手44を把持して揺動しても、上端開口42dから抽出液体が飛散することをより抑制できる。
【0032】
さらに、
図9に示した本発明の他の実施例である取手付きカップ50について説明する。
この実施例の取手付きカップ50は、容器本体部52と、容器本体部52の外側面53に設けられた取手54とを有した取手付きカップであって、取手付きカップ50の取手54は、ティーバッグtの把持片hおよび下げ紐sを挿通可能な挿通部55を有している。
【0033】
この実施例の取手付きカップ50と前述した取手付きカップ1との基本的相違点は、挿通部55がハート型に形成されている点、容器本体部52の形状、取手44の形状であり他は同様である。
【0034】
具体的には、この実施例の容器本体部52は、上方に向かって徐々に縮径すると共に湾曲する外側面を有する有底縮径部52aと、有底縮径部52aの上部に設けられ上端開口54cを備えた開口周縁部52bとから構成されている。容器本体部52が有底縮径部52aを有することにより、成分抽出時に取手付きカップ50を取手54を把持して揺動しても、上端開口52cから抽出液体が飛散することをより抑制できる。また、取手44は下部に下方に向かって徐々に幅が狭くなる幅狭部54aを有している。