特開2019-187699(P2019-187699A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-187699(P2019-187699A)
(43)【公開日】2019年10月31日
(54)【発明の名称】取手付きカップ
(51)【国際特許分類】
   A47G 19/22 20060101AFI20191004BHJP
   A47G 19/00 20060101ALI20191004BHJP
【FI】
   A47G19/22 E
   A47G19/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-82446(P2018-82446)
(22)【出願日】2018年4月23日
(71)【出願人】
【識別番号】515327144
【氏名又は名称】川畑 晋作
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】川畑 晋作
【テーマコード(参考)】
3B001
【Fターム(参考)】
3B001AA02
3B001BB02
(57)【要約】
【課題】ティーポットなどの成分抽出容器を使用する必要がなく、注ぐお湯の勢いで容器本体部2内にティーバッグtの下げ紐sおよび把持片hが入ってしまうこともない取手付きカップ1を提供する。
【解決手段】本発明の取手付きカップ1は、容器本体部2と、容器本体部2の外側面3に設けられた取手4とを有した取手付きカップであって、取手付きカップ1の取手4は、ティーバッグtの把持片hおよび下げ紐sを挿通可能な挿通部5を有している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体部と、該容器本体部の外側面に設けられた取手とを有した取手付きカップであって、該取手付きカップの前記取手は、ティーバッグの把持片および下げ紐を挿通可能な挿通部を有していることを特徴とする取手付きカップ。
【請求項2】
前記挿通部は、長溝である請求項1に記載の取手付きカップ。
【請求項3】
前記長溝には、前記ティーバッグの前記把持片を挿通するための挿通穴が設けられている請求項2に記載の取手付きカップ。
【請求項4】
前記挿通部の上部には,前記ティーバッグの前記下げ紐を切断するための鋭利部が設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載の取手付きカップ。
【請求項5】
前記取手付きカップの前記取手は、並設された第1取手部と第2取手部とを有し、前記挿通部は、前記第1取手部と前記第2取手部との間隙にて構成されている請求項1に記載の取手付きカップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ティーカップまたはマグカップなどの取手付きカップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば紅茶、日本茶、コーヒーなどのティーバッグから茶・豆等の成分を抽出する場合、ティーポット内にティーバッグを入れてお湯を注ぎ、茶・豆等の成分を抽出したり、ティーカップまたはマグカップ(実用新案登録第3197493号公報)などの飲用容器に直接、ティーバッグを入れてお湯を注いで抽出している。
【0003】
しかし、ティーポットやティーカップまたはマグカップなどの容器に、ティーバッグを入れてお湯を注ぐ際、注ぐお湯の勢いで容器内にティーバッグの下げ紐および把持片(紙片等)が入ってしまい、高温のためティーバッグ、下げ紐または把持片の取り出しが煩雑となることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3197493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の課題は、ティーポットなどの成分抽出容器を使用する必要がなく、注ぐお湯の勢いで容器内にティーバッグの下げ紐および把持片が入ってしまうこともない取手付きカップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するものは、容器本体部と、該容器本体部の外側面に設けられた取手とを有した取手付きカップであって、該取手付きカップの前記取手は、ティーバッグの把持片および下げ紐を挿通可能な挿通部を有していることを特徴とする取手付きカップである(請求項1)。
【0007】
前記挿通部は、長溝であることが好ましい(請求項2)。前記長溝には、前記ティーバッグの前記把持片を挿通するための把持片挿通穴が設けられていることか好ましい(請求項3)。前記挿通部の上部には前記ティーバッグの前記下げ紐を切断するための鋭利部が設けられていることが好ましい(請求項4)。前記取手付きカップの前記取手は、並設された第1取手部と第2取手部とを有し、前記挿通部は、前記第1取手部と前記第2取手部との間隙にて構成されていてもよい(請求項5)。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載した取手付きカップによれば、ティーポットなどの成分抽出容器を使用する必要がなく、注ぐお湯の勢いで容器内にティーバッグの下げ紐および把持片が入ってしまうこともない。
請求項2に記載した取手付きカップによれば、上記請求項1の効果に加え、把持片および下げ紐をより挿通容易な挿通部を形成できる。
請求項3に記載した取手付きカップによれば、上記請求項1の効果に加え、ホッチキスで下げ紐に取り付けられた把持片を、把持片挿入穴により容易に挿通することができる。
請求項4に記載した取手付きカップによれば、上記請求項1の効果に加え、下げ紐をより容易に切断することができる。
請求項5に記載した取手付きカップによれば、上記請求項1の効果に加え、長溝を形成する必要がなく、より容易に挿通部を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の取手付きカップの一実施例の斜視図である。
図2図1に示した取手付きカップにおいて取手側を正面として視た正面図である。
図3図1に示した取手付きカップの使用方法を説明するための斜視図である。
図4】ティーバッグの構成を説明するための正面図である。
図5】本発明の取手付きカップ他の実施例の斜視図である。
図6】本発明の取手付きカップの他の実施例において取手側を正面として視た正面図である。
図7】本発明の取手付きカップの他の実施例において取手側を正面として視た正面図である。
図8】本発明の取手付きカップの他の実施例において取手側を正面として視た正面図である。
図9】本発明の取手付きカップの他の実施例において取手側を正面として視た正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明では、取手付きカップ1の取手4が、ティーバッグtの把持片hおよび下げ紐sを挿通可能な挿通部5を有していることで、ティーポットなどの成分抽出用容器を使用する必要がなく、注ぐお湯の勢いで容器内にティーバッグtの下げ紐sおよび把持片hが入ってしまうこともない取手付きカップ取手付きカップ1を実現した。
【実施例1】
【0011】
本発明の取手付きカップを図1ないし図4に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例の取手付きカップ1は、容器本体部2と、容器本体部2の外側面3に設けられた取手4とを有した取手付きカップ(マグカップ)であって、取手付きカップ1の取手4は、ティーバッグtの把持片hおよび下げ紐sを挿通可能な挿通部5を有している。以下、各構成について順次詳述する。
【0012】
容器本体部2は、内部に例えば茶・豆等の抽出液を貯留するためのものであり、有底筒状体にて形成され上部に開口2aを有している。この実施例の容器本体部2は樹脂材料にて形成されており、上方に向かって徐々に拡径した有底筒状体に構成されている。ただし、容器本体部の形成材料は樹脂材料に限定されるものではなく、例えば金属材料、木製材料、陶磁器製材料または紙質材料であってもよい。
【0013】
取手4は、取手付きカップ1を把持するためのものであり、容器本体部2の外側面3に設けられている。この実施例の取手4は、容器本体部2の外側面3において高さ方向に沿って一体成形された略C型形状の突起部にて構成されている。
【0014】
そして、本発明の取手付きカップ1の取手4は、図3に示すように、ティーバッグtの把持片hおよび下げ紐sを挿通可能な挿通部5を有している。本発明の取手付きカップ1は、取手4がこのような挿通部5を有しているため、注ぐお湯の勢いで容器本体部2内にティーバッグtの下げ紐sおよび把持片hが入ってしまうことが抑止される。
【0015】
具体的には、この実施例の挿通部5は、取手4の長さ方向に沿って延在する長溝にて構成されており、容器本体部2内にティーバッグtを配した後、把持片hおよび下げ紐sをこの長溝(挿通部)5に挿通させた状態でお湯を容器本体部2内に注ぐことにより、把持片hや紐sが長溝(挿通部)5に係止されて、容器本体部2内に下げ紐sおよび把持片hが入ってしまうことが抑止される。
【0016】
また、この実施例の長溝5の中央部付近には、図2に示すように、ティーバッグtの把持片hを挿通するための把持片挿通穴6が設けられている。この把持片挿通穴6は、図4に示すように、下げ紐sが把持片hにホッチキスpで止められていることが多く、このホッチキスpを有した把持片hを長溝(挿通部)5に挿通させづらいことから、この実施例は長溝5の間隙をより大きくするための略楕円状の把持片挿通穴6が設けられている。これにより、ホッチキスpで下げ紐sに取り付けられた把持片hを、把持片挿入穴6より容易に挿通させることができる。
【0017】
なお、この実施例の挿通部5は長溝にて構成されているが、これに限定されるものではなく、ティーバッグtの把持片hおよび下げ紐sを挿通可能なものであればどのようなものもよく、例えば円形、楕円形、三角形その他の多角形などでもよい。ただし、長い下げ紐sを挿通させやすいことから取手4の高さ方向に沿って延在する長溝がより好ましい。
【0018】
つぎに、本発明の取手付きカップ1の使用方法について説明する。
取手付きカップ1を使用するには、まず、取手付きカップ1の容器本体2内に開口2aからティーバッグtを挿入し、把持片hと下げ紐Sの一部を外方に配する。つぎに、外方の下げ紐Sを長溝5に沿って挿通させると共に、ホッチキスpを備えた把持片hは略楕円状の把持片挿通穴6から挿通させる(図3の状態)。この状態でお湯を容器本体部2内に注ぐことにより、ティーバッグtから抽出成分がお湯の中に浸透して紅茶等が形成される。この時、把持片hや紐sの一部は長溝(挿通部)5に係止されているため、容器本体部2内に下げ紐sおよび把持片hが入ってしまうことが抑止される。ティーバッグtからの成分抽出が終了したら、長溝(挿通部)5にて下げ紐sを切断して、切断された下げ紐sを把持してティーバッグtを容器本体2の開口2aから取り出す。他方、把持片hも長溝(挿通部)5付近から除去する。
【0019】
さらに、図5に示した本発明の他の実施例である取手付きカップ10について説明する。
この実施例の取手付きカップ10は、容器本体部12と、容器本体部12の外側面13に設けられた取手14とを有した取手付きカップであって、取手付きカップ10の取手14は、ティーバッグtの把持片hおよび下げ紐sを挿通可能な長溝15を有している。
【0020】
この実施例の取手付きカップ10と前述した取手付きカップ1との基本的相違点は、取手付きカップ10の容器本体部12と取手14がステンレス(金属)にて形成されている点、容器本体部12の形状、取手14がホッチキスpを備えた把持片hを挿通し易くするための略楕円状の把持片挿通穴を有していない点であり他は同様である。
【0021】
さらに、図6に示した本発明の他の実施例である取手付きカップ20について説明する。
この実施例の取手付きカップ20は、容器本体部22と、容器本体部22の外側面23に設けられた取手24とを有した取手付きカップであって、取手24は並設された第1取手部24aと第2取手部24bとを有し、ティーバッグtの把持片hおよび下げ紐sを挿通可能な挿通部25は、第1取手部24aと第2取手部24bとの間隙にて構成されている。
【0022】
この実施例の取手付きカップ20と前述した取手付きカップ1との基本的相違点は、取手24が並設された複数の取手部(この実施例では第1取手部24aと第2取手部24b)にて形成されている点 、挿通部の形態、容器本体部22の形状、取手24がホッチキスpを備えた把持片hを挿通し易くするための略楕円状の把持片挿通穴を有していない点であり他は同様である。
【0023】
具体的には、この実施例の取手24は、高さ方向に沿って並設された2本の略C型取手部(第1取手部24aと第2取手部24b)にて形成されており、これにより、挿通部として取手に長溝を形成する必要がなく、より容易に挿通部を形成できる。すなわち、この実施例の挿通部25は、第1取手部24aと第2取手部24bとの間隙にて構成されている。
【0024】
また、この実施例の容器本体部22は、有底円筒部22aと、有底円筒部22aの上部に設けられ上方に向かって徐々に縮径した縮径部22bと、縮径部22bの上部に設けられ上端開口22dを備えた開口周縁部22cとから構成されている。容器本体部22が縮径部22bを有することにより、成分抽出時に取手付きカップ20を取手24を把持して揺動しても、上端開口22dから抽出液体が飛散することをより抑制できる。
【0025】
さらに、図7に示した本発明の他の実施例である取手付きカップ30について説明する。
この実施例の取手付きカップ30は、容器本体部32と、容器本体部32の外側面33に設けられた取手34とを有した取手付きカップであって、取手付きカップ30の取手34は、ティーバッグtの把持片hおよび下げ紐sを挿通可能な長溝35を有している。
【0026】
この実施例の取手付きカップ30と前述した取手付きカップ1との基本的相違点は、取手付きカップ30の容器本体部32の形状と、取手34がホッチキスpを備えた把持片hを挿通し易くするための略楕円状の把持片挿通穴を有していない点であり他は同様である。
【0027】
具体的には、この実施例の容器本体部32は、上方に向かって徐々に縮径すると共に湾曲する外側面を有する有底縮径部32aと、有底縮径部32aの上部に設けられ高さ方向の中間付近が最も拡径すると共に湾曲する外側面を有した上部湾曲部32bと、上部湾曲部32bの上部に設けられ上端開口32dを備えた開口周縁部32cとから構成されている。容器本体部32が有底縮径部32aおよび上部湾曲部32bを有することにより、成分抽出時に取手付きカップ30を取手34を把持して揺動しても、上端開口32dから抽出液体が飛散することをより抑制できる。
【0028】
さらに、図8に示した本発明の他の実施例である取手付きカップ40について説明する。
この実施例の取手付きカップ40は、容器本体部42と、容器本体部42の外側面43に設けられた取手44とを有した取手付きカップであって、取手付きカップ40の取手44は、ティーバッグtの把持片hおよび下げ紐sを挿通可能な挿通部45を有している。
【0029】
この実施例の取手付きカップ40と前述した取手付きカップ1との基本的相違点は、取手付きカップ40の取手44の挿通部45が上部にティーバッグtの下げ紐sを切断するための鋭利部45aを有している点と容器本体部42の形状であり他は同様である。
【0030】
具体的には、この実施例の挿通部45は正面視雫(しずく)状に形成されており最上部がティーバッグtの下げ紐sを切断するための鋭利部45aに形成されている。そして、成分抽出後、下げ紐sを切断する場合は、下げ紐sを持ち上げて鋭利部45aにて容易に切断可能に構成されている。
【0031】
また、この実施例の容器本体部42は、上方に向かって徐々に縮径すると共に湾曲する外側面を有する有底縮径部42aと、有底縮径部42aの上部に設けられ高さ方向の中間付近が最も拡径すると共に湾曲する外側面を有した湾曲部42bと、湾曲部42bの上部に設けられ上端開口42dを備えた開口周縁部42cとから構成されている。容器本体部42が湾曲部42bを有することにより、成分抽出時に取手付きカップ40を取手44を把持して揺動しても、上端開口42dから抽出液体が飛散することをより抑制できる。
【0032】
さらに、図9に示した本発明の他の実施例である取手付きカップ50について説明する。
この実施例の取手付きカップ50は、容器本体部52と、容器本体部52の外側面53に設けられた取手54とを有した取手付きカップであって、取手付きカップ50の取手54は、ティーバッグtの把持片hおよび下げ紐sを挿通可能な挿通部55を有している。
【0033】
この実施例の取手付きカップ50と前述した取手付きカップ1との基本的相違点は、挿通部55がハート型に形成されている点、容器本体部52の形状、取手44の形状であり他は同様である。
【0034】
具体的には、この実施例の容器本体部52は、上方に向かって徐々に縮径すると共に湾曲する外側面を有する有底縮径部52aと、有底縮径部52aの上部に設けられ上端開口54cを備えた開口周縁部52bとから構成されている。容器本体部52が有底縮径部52aを有することにより、成分抽出時に取手付きカップ50を取手54を把持して揺動しても、上端開口52cから抽出液体が飛散することをより抑制できる。また、取手44は下部に下方に向かって徐々に幅が狭くなる幅狭部54aを有している。
【符号の説明】
【0035】
1 取手付きカップ
2 容器本体部
3 容器本体部の外側面
4 取手
5 挿通部(長溝)
6 把持片挿通穴
t ティーバッグ
h 把持片
s 下げ紐
p ホッチキス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9