(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-187816(P2019-187816A)
(43)【公開日】2019年10月31日
(54)【発明の名称】組立式ロースター
(51)【国際特許分類】
A47J 37/07 20060101AFI20191004BHJP
F24B 1/18 20060101ALI20191004BHJP
F24B 13/00 20060101ALI20191004BHJP
【FI】
A47J37/07
F24B1/18 E
F24B13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-84569(P2018-84569)
(22)【出願日】2018年4月25日
(71)【出願人】
【識別番号】501466318
【氏名又は名称】株式会社赤松工業
(71)【出願人】
【識別番号】502345290
【氏名又は名称】赤松産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000822
【氏名又は名称】特許業務法人グローバル知財
(72)【発明者】
【氏名】赤松 哲弥
(72)【発明者】
【氏名】太田 達也
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA04
4B040AC02
4B040AD04
4B040AE14
4B040CA03
4B040CA16
(57)【要約】
【課題】組み立てや分解が容易で携帯性が高く、しかも安全性が高く、安価に製造可能な組立式のロースターを提供する。
【解決手段】一対のベース板と、一対の側板と、側板の外側に取り付けられる一対の保護板と、底板から成り、ベース板には、ベース板同士を組み立てるための第1の切欠部と、側板及び保護板を係止するための第2の切欠部が4つ設けられ、一対のベース板が、第1の切欠部同士で交差して係合されたことにより、交差部位の上部にベース部が形成され、交差部位の下部に脚部が形成され、ベース部上に、第2の切欠部を用いて側板及び保護板が係止され、ベース部及び側板により形成された凹部に底板が配置されたことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のベース板と、一対の側板と、前記側板の外側に取り付けられる一対の保護板と、底板から成り、
前記ベース板には、
ベース板同士を組み立てるための第1の切欠部と、前記側板及び前記保護板を係止するための第2の切欠部が4つ設けられ、
一対の前記ベース板が、第1の切欠部同士で交差して係合されたことにより、交差部位の上部にベース部が形成され、交差部位の下部に脚部が形成され、
前記ベース部上に、前記第2の切欠部を用いて前記側板及び前記保護板が係止され、
前記ベース部及び前記側板により形成された凹部に底板が配置された、
ことを特徴とする組立式ロースター。
【請求項2】
前記一対のベース板又は前記一対の側板の少なくとも何れかと、底板に、燃料への空気の流入を促進する通気孔が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の組立式ロースター。
【請求項3】
前記一対のベース板、前記一対の側板、及び、底板に、燃料への空気の流入を促進する通気孔が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の組立式ロースター。
【請求項4】
前記保護板には、複数の通気孔が設けられたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の組立式ロースター。
【請求項5】
前記ベース板の接地部には、ロースターから発せられる熱の伝達を緩和するスリットが設けられたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の組立式ロースター。
【請求項6】
前記ベース板の左右両端部には、ロースターから発せられる熱の伝達を緩和するスリットが設けられたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の組立式ロースター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外で調理を行うために使用する組立式の調理器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、屋外でバーベキューを行うような場合に使用されるロースターは、分解して持ち運ぶには嵩張るものが多く、携帯性が高いとはいえない。
そこで、分解組立が容易であり携帯に便利な野外用こん炉が知られている(特許文献1を参照)。これは、支持板部と、支持板部の上に取付けられる中央部にメッシュ体を備えた台箱と、台箱の上に取付けられる炉枠板部とから構成されるコンロであって、台箱と台座板のいずれか一方が容器、他方が蓋となって、その他の要素がこれらの内部に一括収納されるため、コンパクトに収納することが可能である。
しかしながら、上記特許文献1に開示された野外用こん炉は、各部材が複雑な形状を呈しているため、製造コストが高くなるという問題がある。
【0003】
また、複数枚の板状体のみから構成され、使用しないときには各一枚の板状体に解体できる簡易コンロが知られている(特許文献2を参照)。これは、4枚の金属製側板と、金属製の底板を用いて角錐台形状に組み立てるコンロであり、それぞれ板状体に解体できるため、コンパクトに収納することが可能である。
しかしながら、簡易コンロを使用する際には、コンロ自体が高温となることから調理者の安全を守るための機構が設けられることが望ましいが、上記特許文献2に開示された簡易コンロでは、少ない部材のみで組み立てることは可能であるものの、調理者の安全を守るための機構は設けられておらず、安全性の点で問題がある。
また、組み立てにおいて角錐台形状に安定的に保持することは難しく、そのためコンロ補強用のバーを用いているが、結果的に必要となる部材が多くなってしまい、携帯性を損ねるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−127994号公報
【特許文献2】実用新案登録第3177784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる状況に鑑みて、本発明は、組み立てや分解が容易で携帯性が高く、しかも安全性が高く、安価に製造可能な組立式のロースターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明の組立式ロースターは、一対のベース板と、一対の側板と、側板の外側に取り付けられる一対の保護板と、底板から成り、ベース板には、ベース板同士を組み立てるための第1の切欠部と、側板及び保護板を係止するための第2の切欠部が4つ設けられ、一対のベース板が、第1の切欠部同士で交差して係合されたことにより、交差部位の上部にベース部が形成され、交差部位の下部に脚部が形成され、ベース部上に、第2の切欠部を用いて側板及び保護板が係止され、ベース部及び側板により形成された凹部に底板が配置されたことを特徴とする。
【0007】
ベース板は、矩形状を呈し、第1の切欠部は、ベース板の中央より下に、左右何れかの端部から水平方向に、ベース板の幅の約1/2の長さで設けられる。第1の切欠部が設けられる箇所がベース板の中央より下であるのは、組み立てた際にベース部を大きくして、燃料を配置する容積を大きく設けるためである。そのため、組み立てた際に脚部を大きくして、より安定性の高い構成としたい場合には、第1の切欠部の位置をより高く設けることも可能である。
第2の切欠部は、ベース板の上端部から垂直方向に4つ設けられる。4つの切欠部の内、内側2つの切欠部は側板を係止するためのものであり、外側2つの切欠部は保護板を係止するためのものである。
【0008】
側板は、略二等辺三角形の形状を呈することが好ましい。また、二等辺三角形の内、同じ角度を有する2箇所の頂点付近には、ベース板に設けられた第2の切欠部に係止させるためのフック部が設けられたことが好ましい。フック部が設けられたことにより、側板を安定的に取り付けることが可能となる。
【0009】
保護板についても、側板と同様に、略二等辺三角形の形状を呈することが好ましい。また、側板と同様に保護板についても、二等辺三角形の内、同じ角度を有する2箇所の頂点付近には、ベース板に設けられた第2の切欠部に係止させるためのフック部が設けられたことが好ましい。フック部が設けられたことにより、保護板を安定的に取り付けることが可能となる。
【0010】
底板は、ベース板及び側板によって形成された凹部に載置されて取り付けられるところ、一対の側板は並行に取り付けられるのに対して、ベース板は交差して組み立てられる。したがって、底板の縦横のサイズは、一方は、一対の側板の間隔の範囲内に設けられる必要があるが、他方は、ベース部の上端部同士の間隔未満であれば、使用する燃料や加熱対象物の種類・形状等に応じて、適宜設計可能である。但し、ベース板又は側板に後述する通気孔が設けられている場合には、該通気孔よりも高い位置に底板が載置される必要はある。
【0011】
一対のベース板、一対の側板、一対の保護板及び底板は、いずれも同じ厚みの1枚の金属板を加工して成形されたものであることが好ましい。全ての部材が板状であることにより、重ねて持ち運ぶことができ、携帯性が向上する。また、同じ厚みの金属板を用いることにより、材料コストを安くすることができる。金属板の厚みは、安全性と携帯性の調和の観点から、1〜5mmであることが好ましく、より好ましくは1.5〜2.5mmである。
加工はレーザー加工のみによるものであることが好ましく、金属板の材質としては、ステンレスであることが好ましい。また、各部材の角部は、安全性を向上させるため、丸みを帯びた形状に加工されたことが好ましい。
【0012】
本発明の組立式ロースターは、組み立てに際しては、ベース板同士を係合させるだけで、容易にベース部と脚部を形成できる。また、側板及び保護板を切欠部に係止させるだけで、組立式ロースターの枠組みを形成できる。そして、形成された枠組みの中に底板を載置すれば、燃料を配置して使用することができるので、極めて簡単な工程で、組み立てることが可能な構造となっている。また、止め具等を用いないため、止め具を紛失するといったトラブルも生じないし、分解も容易である。
【0013】
本発明の組立式ロースターは、一対のベース板又は一対の側板の少なくとも何れかと、底板に、燃料への空気の流入を促進する通気孔が設けられたことでもよいが、一対のベース板、一対の側板及び底板の全てに燃料への空気の流入を促進する通気孔が設けられたことが好ましい。
ベース板、側板又は底板に設けられる通気孔は、組立式ロースターを使用する際に、空気を燃料へスムーズに供給するために設けられたものである。
【0014】
本発明の組立式ロースターにおける保護板には、複数の通気孔が設けられたことが好ましい。
保護板に設けられる通気孔は、燃料への空気の流入を促進するだけではなく、使用者の安全性を確保する機能を有している。すなわち、側板は、組立式ロースターの燃焼部を高温に保つ必要があるため使用時には非常に高温になる。そこで、使用者の安全性を確保するために、保護板に複数の通気孔を設けて、冷却を促進する構造となっている。
【0015】
本発明の組立式ロースターにおいて、ベース板の接地部には、ロースターから発せられる熱の伝達を緩和するスリットが設けられたことが好ましい。これにより、組立式ロースターを使用する際に発生する熱を、地面との接地部に伝わり難くすることができる。
また、ベース板の左右両端部には、ロースターから発せられる熱の伝達を緩和するスリットが設けられたことが好ましい。これにより、組立式ロースターを使用する際に発生する熱を、外縁部に伝わり難くすることができる。
すなわち、組立式ロースターの使用時には、燃料の燃焼に伴い、ベース板も高温となるため、地面と接触する接地部や、使用者が触れやすい外縁部については、できる限り温度を下げておくことが望ましい。そこで、安全性を向上させるために、上記スリットが設けられる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の組立式ロースターによれば、組み立てや分解が容易で携帯性が高く、しかも安全性が高く、安価に製造できるといった効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図14】実施例1の組立式ロースターの使用イメージ図
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
【実施例1】
【0019】
図1は、実施例1の組立式ロースターの外観斜視図を示している。
図1に示すように、組立式ロースター1は、一対のベース板2、一対の側板3、一対の保護板4及び底板5から成る。それぞれの部材は、止め具や接着剤を用いることなく、固定されている。一対のベース板2、一対の側板3、一対の保護板4及び底板5は、いずれも同じ厚みの1枚の金属板を加工して成形されたものであり、厚みは2mmである。加工はレーザー加工のみによるものであり、金属板の材質としては、ステンレスが用いられている。
【0020】
ここで、
図2〜5を参照して、組立式ロースター1を構成する各部材について説明する。
図2は、ベース板の説明図を示している。
図2に示すように、ベース板2には、切欠部(21,23a〜23d)、通気孔22、横スリット24a及び縦スリット(24b,24c)が設けられている。
まず、切欠部21は、ベース板2同士を係合するために設けられたものである。また、切欠部(23b,23c)は、側板3を係止するために設けられたものであり、切欠部(23a,23d)は、保護板4を係止するために設けられたものである。
通気孔22は、組立式ロースター1を使用する際に、燃料へ空気を供給するために設けられたものである。
横スリット24aは、組立式ロースター1を使用する際に発生する熱を、地面(図示せず)との接地部28aに伝わり難くする役目を果たすものであり、縦スリット(24b,24c)は、組立式ロースター1を使用する際に発生する熱を、外縁部(27a,27b)に伝わり難くする役目を果たすものである。すなわち、組立式ロースター1の使用時には、燃料の燃焼に伴い、ベース板も高温となるため、地面と接触する接地部28aや、使用者(図示せず)が触れやすい外縁部(27a,27b)については、できる限り温度を下げておくことが望ましい。そこで、安全性を向上させるために、横スリット24a及び縦スリット(24b,24c)が設けられている。
【0021】
図3は、側板の説明図を示している。
図3に示すように、側板3は略二等辺三角形の形状を呈したステンレス製の金属板であり、フック部(31a,31b)及び通気孔32が設けられている。
フック部(31a,31b)は、ベース板2に設けられた切欠部(23b,23c)に係止させるために設けられた部位であり、通気孔32は、組立式ロースター1を使用する際に、燃料へ空気を供給するために設けられたものである。
【0022】
図4は、保護板の説明図を示している。
図4に示すように、保護板4は、側板3と同様に、略二等辺三角形の形状を呈したステンレス製の金属板であり、フック部(41a,41b)及び通気孔42が設けられている。
フック部(41a,41b)は、ベース板2に設けられた切欠部(23a,23d)に係止させるために設けられた部位であり、通気孔42は、組立式ロースター1を使用する際に、燃料へ空気を供給すると同時に、保護板4を冷却するために設けられたものでもある。
すなわち、保護板4におけるフック部(41a,41b)の形状は、側板3におけるフック部(31a,31b)の形状と同様の形状であるが、通気孔については、1個の通気孔32が設けられた側板3とは異なり、円形の多数の通気孔42が設けられている。これは、側板3においては、組立式ロースター1の燃焼部を高温に保つために、通気孔32が1箇所設けられているに過ぎないのに対して、保護板4は、使用者の安全性を確保するために設けられたものであり、温度を低下させる必要があるため、多数の通気孔42を設けて、冷却を促進する構造となっているからである。
【0023】
図5は、底板の説明図を示している。
図5に示すように、底板5は、矩形のステンレス製の金属板であり、多数の通気孔52が設けられている。ここでは、縦7×横5の35個の通気孔52が設けられているが通気孔52の個数はこの限りではなく、使用する燃料や加熱対象物の種類・形状等に応じて、適宜設計可能である。また、底板5の縦横のサイズについては、長さLは一対の側板3同士の間隔以下であることが必要であるが、幅Wは使用する燃料や加熱対象物の種類・形状等に応じて、適宜設計可能である。
【0024】
なお、上述した側板3、保護板4及び底板5は、左右対称となっているため裏返した状態で使用することも可能である。
【0025】
次に、実施例1の組立式ロースターの組み立て方法について、
図6〜10を参照して説明する。なお、
図7〜10におけるベース板(2a,2b)、側板(3a,3b)及び保護板(4a,4b)等は、説明の便宜上区別しているが、それぞれベース板2、側板3及び保護板4等と同じ構造である。
図6は、実施例1の組立式ロースターの組立フロー図を示している。
図6に示すように、まず、一対のベース板同士を係合する(ステップS01)。
図7は、ベース板の組立説明図であり、(1)は組み立て前、(2)は組み立て後を示している。
図7(1)に示すように、ベース板2aの切欠部21aとベース板2bの切欠部21bを係合する。切欠部(21a,21b)はベース板(2a,2b)の横幅の約1/2の長さに設けられており、切欠部21aと切欠部21bを係合すると、ベース板(2a,2b)の横幅に収まる構造である。
切欠部21aと切欠部21bを係合すると、
図7(2)に示すようにX字状に立てることができ、ベース板2aとベース板2bが交差した箇所より上部はベース部(25a,25b)となり、ベース板2aとベース板2bが交差した箇所より下部は脚部(26a,26b)となる。
【0026】
図6に示すように、ベース板(2a,2b)同士が係合することによって形成されたベース部(25a,25b)に側板(3a,3b)を取り付ける(ステップS02)。
図8は、側板の取付説明図を示している。
図8に示すように、側板3aについては、ベース部25aに設けられた切欠部23cにフック部31aを係止させ、ベース部25bに設けられた切欠部23bにフック部31bを係止させる。側板3bについては、ベース部25aに設けられた切欠部23bにフック部31aを係止させ、ベース部25bに設けられた切欠部23cにフック部31bを係止させる。
【0027】
図6に示すように、ベース部(25a,25b)に保護板(4a,4b)を取り付ける(ステップS03)。
図9は、保護板の取付説明図を示している。
図9に示すように、保護板4aについては、ベース部25aに設けられた切欠部23dにフック部41aを係止させ、ベース部25bに設けられた切欠部23aにフック部41bを係止させる。保護板4bについては、ベース部25aに設けられた切欠部23aにフック部41aを係止させ、ベース部25bに設けられた切欠部23dにフック部41bを係止させる。
なお、本実施例では、側板(3a,3b)を取り付けた後に保護板(4a,4b)を取り付けているが、保護板(4a,4b)を取り付けた後に側板(3a,3b)を取り付けてもよい。
【0028】
最後に、
図6に示すように、ベース部(25a,25b)に底板5を取り付ける(ステップS04)。
図10は、底板の取付説明図を示している。
図10に示すように、底板5は、ベース部(25a,25b)及び側板(3a,3b)によって形成された凹部に載置される。
【0029】
このように、ベース板2aとベース板2bを係合させるだけで、容易にベース部(25a,25b)と脚部(26a,26b)を形成できる。また、側板(3a,3b)及び保護板(4a,4b)のフック部(31a,31b,41a,41b)をベース部(25a,25b)の切欠部(23a〜23d)に係止させるだけで、組立式ロースター1の枠組みを形成できる。そして、その中に底板5を載置すれば、後は燃料を配置して使用することができるので、極めて簡単な工程で、組み立てることが可能な構造となっている。
【0030】
図11は実施例1の組立式ロースターの正面図、
図12は実施例1の組立式ロースターの右側面図、
図13は実施例1の組立式ロースターの平面図を示している。
図11に示すように、底板5は、ベース部(25a,25b)によって形成された凹部に載置されるので、幅Wは使用する燃料や加熱対象物の種類・形状等に応じて、適宜設計可能である。例えば、より多くの燃料を使用したい場合には、幅Wを狭く設けることで、より多くの燃料を配置することが可能となる。但し、その場合でも、底板5を載置した際に、通気孔(22,32)が底板5よりも下に位置するように設ける必要がある。これにより、通気孔(22,32)と通気孔52が連通し、効果的に空気を取り入れることができる。
また、
図12に示すように、底板5は、側板(3a,3b)の間に載置されるので、長さLは側板(3a,3b)同士の間隔P以下であることが必要である。
【0031】
組立式ロースター1は、組み立てが容易であるだけではなく、安全性にも配慮された構造となっている。すなわち、
図12及び13に示すように、組立式ロースター1は、側板(3a,3b)の外側に保護板(4a,4b)が設けられており、
図11に示すように、保護板(4a,4b)には、多数の通気孔42が設けられている。前述したように、通気孔42は、保護板(4a,4b)の温度を下げる効果を有している。
また、
図12及び13に示すように、ベース板(2a,2b)には、横スリット24a及び縦スリット(24b,24c)が設けられ、使用時における接地部28aや外縁部(27a,27b)の温度を下げる効果を有している。
【0032】
図14は、実施例1の組立式ロースターの使用イメージ図を示している。
図14に示すように、組立式ロースター1を使用する際には、組み立て後の底板5の上に、燃料7を配置し、ベース板(2a,2b)、側板(3a,3b)及び保護板(4a,4b)の上端部に、焼き網6を取り付ける。焼き網6の上に加熱対象物である食材8を配置し、燃料7に着火して、加熱する。
燃料7を燃焼させるための空気は、矢印(9a〜9c)に示すように、通気孔(22,32)から取り込まれる。
【実施例2】
【0033】
図15は、実施例2の組立式ロースターの部材説明図であり、(1)は側板、(2)は底板を示している。
図15(1)に示すように、側板30のフック部(31a,31b)及び角部30aは、実施例1における側板3とは異なり、丸みを帯びた形状となっている。かかる形状とするための加工もレーザー加工によるものである。また、
図15(2)に示すように、底板50の角部(50a〜50d)も実施例1における底板5とは異なり、丸みを帯びた形状となっている。
このように、角部を丸く加工することで、安全性の高い部材とすることができる。ここでは、側板及び底板について示しているが、同様に、実施例1で示したベース板2や保護板4についても鋭利な部位の全てにつき、丸みを帯びた形状とすることが可能である。
【0034】
(その他の実施例)
(1)組立式ロースターの形状としては、直方体形状でもよい。かかる場合には別途、底部材や止め具等が用いられてもよい。
(2)ベース板の外側に、更に保護板が設けられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、携帯用の加熱装置として有用である。
【符号の説明】
【0036】
1 組立式ロースター
2,2a,2b ベース板
3,3a,3b,30 側板
4,4a,4b 保護板
5,50 底板
6 焼き網
7 燃料
8 食材
9a〜9c 矢印
21,23a〜23d 切欠部
22,32,42,52 通気孔
24a 横スリット
24b,24c 縦スリット
25,25a,25b ベース部
26,26a,26b 脚部
27a,27b 外縁部
28a 接地部
30a,50a〜50d 角部
31a,31b,41a,41b フック部
L 長さ
P 間隔
W 幅