【実施例】
【0031】
以下の原料を
図1に示す配合で混合し、反応・発泡させて比較例1及び各実施例の軟質ポリウレタンフォームを作製した。
・ポリオール:ポリエーテルポリオール、分子量(Mw)3000、官能基数3、水酸基価56mgKOH/g、品番;GP3050、三洋化成工業株式会社製
・発泡剤:水
・アミン触媒:N,N−ジメチルアミノヘキサノール、品名;カオーライザーNo.25、花王株式会社製
・整泡剤:シリコーン系界面活性剤、品名;B−8110、エボニック社製
・金属触媒:オクチル酸第一錫、品番;MRH110、城北化学工業株式会社製
・イソシアネート:TDI:2,4−TDI80%と2,6−TDI20%の混合物、品番;コロネートT−80、東ソ−株式会社製
・グリシジルエーテル−1:グリセロールポリグリシジルエーテル、品番;デナコールEX−313、ナガセケムテックス株式会社製
・グリシジルエーテル−2:トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、品番;デナコールEX−321、ナガセケムテックス株式会社製
【0032】
比較例1及び各実施例のポリウレタンフォーム原料の反応性を判断するため、クリームタイムとライズタイムを測定した。クリームタイムは、ポリウレタンフォーム原料が、混合・吐出時の液状態から樹脂状態になるまでの時間である。一方、ライズタイムは、混合・吐出時から最大発泡高さになるまでの時間である。さらに、比較例1及び各実施例のポリウレタンフォームについて外観を目視で判断し、外観が良好な場合に「◎」、発泡不良による外観不良が存在する場合に「×」とした。
【0033】
比較例1及び各実施例のポリウレタンフォームについて、密度(JIS K7222)、硬さ(JIS K6400−2 6.7 D法)、引張強度(JIS K6400−5 5)、伸び(JIS K6400−5 5)、引裂強度(JIS K6400−5 6 B法)、70℃の圧縮歪(JIS K6400−4 4.5.2 A法)、常温の圧縮歪(JIS K6400−4 4.5.2 C法)を測定した。常温の圧縮歪の試験条件は、23℃、22時間、50%圧縮で行った。
【0034】
また、比較例1及び各実施例のポリウレタンフォームについて、熱プレス性評価を、次のようにして行った。比較例1及び各実施例のポリウレタンフォームから、縦50mm×横50mm×厚み10mmの試験サンプルを必要数(各6個)作製し、熱プレス温度及び熱プレス時間を変化させて、縦550mm×横500mmの熱板により試験サンプルを3mmに熱プレス(70%圧縮)し、熱プレス後24時間経過後の厚みを測定し、熱プレス前の厚み(10mm)に対する24時間後の復元率を算出した。復元率は、[24時間後の厚み/熱プレス前の厚み(10mm)]×100(%)の式で算出される。復元率が小さいほど、熱プレス成形性が良好である。熱プレス性評価は、「◎」:0%≦復元率<5%、「〇」:5%≦復元率<20%、「△」:20%≦復元率<50%、「×」:50%≦復元率≦100%とした。なお、
図1の「130℃×180秒」は130℃で180秒の熱プレスを示し、「130℃×540秒」は130℃で540秒の熱プレスを示し、「140℃×540秒」は140℃で540秒の熱プレスを示し、「150℃×180秒」は150℃で180秒の熱プレスを示し、「180℃×55秒」は180℃で55秒の熱プレスを示し、「180℃×120秒」は180℃で120秒の熱プレスを示す。
【0035】
比較例1は、グリシジルエーテルを配合しない例である。比較例1は、クリームタイム14秒、ライズタイム102秒、外観「◎」、密度27.2kg/m
3、硬さ167N、引張強度93.7kPa、伸び120%、引裂強度4.7N/cm、70℃の圧縮歪3.2%、常温の圧縮歪2.2%、熱プレス性評価は、130℃×180秒が「×」、130℃×540秒が「×」、140℃×540秒が「×」、150℃×180秒が「×」、180℃×55秒が「△」、180℃×120秒が「◎」であった。比較例1では、グリシジルエーテルが配合されていないため、熱成形評価が150℃×180秒まで「×」であり、180℃×55秒でようやく「△」になり、180℃×120秒で「◎」となり、熱成形性に劣っている。
【0036】
実施例1は、グリシジルエーテル−1を0.25重量部配合した例である。実施例1は、クリームタイム15秒、ライズタイム104秒、外観「◎」、密度28.2kg/m
3、硬さ156N、引張強度97.6kPa、伸び130%、引裂強度4.9N/cm、70℃の圧縮歪8.4%、常温の圧縮歪2.7%、熱プレス性評価は、130℃×180秒が「×」、130℃×540秒が「×」、140℃×540秒が「〇」、150℃×180秒が「○」、180℃×55秒が「〇」、180℃×120秒が「◎」であった。実施例1では、グリシジルエーテル−1が0.25重量部配合されているため、熱成形評価が140℃×540秒で「〇」、150℃×180秒で「〇」、180℃×55秒で「〇」、180℃×120秒で「◎」になり、比較例1と比べると、140℃×540秒や150℃×180秒でも熱成形可能であり、低温で熱プレス成形でき、熱成形性が良好である。
【0037】
実施例2は、グリシジルエーテル−1を0.5重量部配合した例である。実施例2は、クリームタイム15秒、ライズタイム103秒、外観「◎」、密度26.8kg/m
3、硬さ159N、引張強度99.1kPa、伸び121%、引裂強度4.3N/cm、70℃の圧縮歪29.5%、常温の圧縮歪3.7%、熱プレス性評価は、130℃×180秒が「×」、130℃×540秒が「△」、140℃×540秒が「〇」、150℃×180秒が「〇」、180℃×55秒が「〇」、180℃×120秒が「◎」であった。実施例2では、グリシジルエーテル−1が0.5重量部配合されているため、熱成形評価が140℃×540秒で「〇」、150℃×180秒で「〇」、180℃×55秒で「〇」、180℃×120秒で「◎」であり、比較例1と比べると、低温で熱プレス成形でき、熱成形性が良好である。
【0038】
実施例3は、グリシジルエーテル−1を1重量部配合した例である。実施例3は、クリームタイム16秒、ライズタイム105秒、外観「◎」、密度26.8kg/m
3、硬さ153N、引張強度95kPa、伸び114%、引裂強度4.6N/cm、70℃の圧縮歪31.3%、常温の圧縮歪3.6%、熱プレス性評価は、130℃×180秒が「×」、130℃×540秒が「△」、140℃×540秒が「〇」、150℃×180秒が「〇」、180℃×55秒が「◎」、180℃×120秒が「◎」であった。実施例3では、グリシジルエーテル−1が1重量部配合されているため、熱成形評価が140℃×540秒で「〇」、150℃×180秒で「〇」、180℃×55秒で「◎」、180℃×120秒で「◎」であり、比較例1と比べると、低温で熱プレス成形でき、熱成形性が良好である。
【0039】
実施例4は、グリシジルエーテル−2を0.25重量部配合した例である。実施例4は、クリームタイム15秒、ライズタイム100秒、外観「◎」、密度26.6kg/m
3、硬さ171N、引張強度93.4kPa、伸び115%、引裂強度4.5N/cm、70℃の圧縮歪24.8%、常温の圧縮歪3.4%、熱プレス性評価は、130℃×180秒が「×」、130℃×540秒が「△」、140℃×540秒が「〇」、150℃×180秒が「〇」、180℃×55秒が「〇」、180℃×120秒が「◎」であった。実施例4では、グリシジルエーテル−2が0.25重量部配合されているため、熱成形評価が140℃×540秒で「〇」、150℃×180秒で「〇」、180℃×55秒で「〇」、180℃×120秒で「◎」であり、比較例1と比べると、低温で熱プレス成形でき、熱成形性が良好である。
【0040】
実施例5は、グリシジルエーテル−2を0.5重量部配合した例である。実施例5は、クリームタイム15秒、ライズタイム101秒、外観「◎」、密度27.3kg/m
3、硬さ172N、引張強度96.9kPa、伸び110%、引裂強度4.5N/cm、70℃の圧縮歪35.6%、常温の圧縮歪3.1%、熱プレス性評価は、130℃×180秒が「×」、130℃×540秒が「○」、140℃×540秒が「〇」、150℃×180秒が「〇」、180℃×55秒が「◎」、180℃×120秒が「◎」であった。実施例5では、グリシジルエーテル−2が0.5重量部配合されているため、熱成形評価が130℃×540秒が「○」、140℃×540秒で「〇」、150℃×180秒で「〇」、180℃×55秒で「◎」、180℃×120秒が「◎」であり、比較例1と比べると、低温で熱プレス成形でき、熱成形性が良好である。
【0041】
実施例6は、グリシジルエーテル−2を1重量部配合した例である。実施例6は、クリームタイム16秒、ライズタイム107秒、外観「◎」、密度28.4kg/m
3、硬さ167N、引張強度88kPa、伸び112%、引裂強度4.5N/cm、70℃の圧縮歪34%、常温の圧縮歪2.6%、熱プレス性評価は、130℃×180秒が「×」、130℃×540秒が「○」、140℃×540秒が「〇」、150℃×180秒が「〇」、180℃×55秒が「◎」、180℃×120秒が「◎」であった。実施例6では、グリシジルエーテル−2が1重量部配合されているため、熱成形評価が130℃×540秒が「○」、140℃×540秒で「〇」、150℃×180秒で「〇」、180℃×55秒で「◎」、180℃×120秒で「◎」であり、比較例1と比べると、低温で熱プレス成形でき、熱成形性が良好である。
【0042】
このように、本発明の軟質ポリウレタンフォームは、従来よりも低温熱成形が可能であり、24時間後の復元率が20%未満となって低温熱成形に優れる。また、本発明の軟質ポリウレタンフォームは、ポリオール及びイソシアネートが特定のものに限定されないため、軟質ポリウレタンフォームとしての硬さや伸びを維持しつつ、軟質ポリウレタンフォームの用途に応じたポリオール及びイソシアネートを使用することができ、汎用性が高いものである。