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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-190034(P2019-190034A)
(43)【公開日】2019年10月31日
(54)【発明の名称】立坑又は斜坑への重機接近防止装置
(51)【国際特許分類】
   E21D 1/03 20060101AFI20191004BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20191004BHJP
【FI】
   E21D1/03
   G08B21/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-80492(P2018-80492)
(22)【出願日】2018年4月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】角折 正規
(72)【発明者】
【氏名】庵野 淳一
(72)【発明者】
【氏名】中原 健晶
(72)【発明者】
【氏名】永田 樹雄
(72)【発明者】
【氏名】檜木 朋章
(72)【発明者】
【氏名】中島 正樹
(72)【発明者】
【氏名】井上 俊広
(72)【発明者】
【氏名】山尾 雄大
(72)【発明者】
【氏名】竹本 健哉
(72)【発明者】
【氏名】沖藤 匠
【テーマコード(参考)】
5C086
【Fターム(参考)】
5C086AA53
5C086AA54
5C086BA19
5C086CA03
5C086CA04
5C086CA11
5C086CA15
5C086CB15
5C086CB24
5C086DA08
5C086FA02
5C086FA12
5C086FA17
(57)【要約】
【課題】重機の作業具の立坑内又は斜坑内への侵入を確実に防止できる立坑又は斜坑への重機接近防止装置を提供する。
【解決手段】立坑又は斜坑の入口付近に重機の接近を検出する接近検出手段27と、該接近検出手段27からの検出信号に基づいて前記重機の接近を報知する接近報知手段42,43,44とを備え、前記接近検出手段27は、光を発光する発光部36Aと、該発光部36Aから発光された光を受光する受光部36Bとを備えた光電センサ36から構成されていることを特徴とする立坑又は斜坑への重機接近防止装置。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
立坑又は斜坑の入口付近に配置され、重機の接近を検出する接近検出手段と、該接近検出手段からの検出信号に基づいて前記重機の接近を報知する接近報知手段とを備えていることを特徴とする立坑又は斜坑への重機接近防止装置。
【請求項2】
前記接近検出手段は、光を発光する発光部と、該発光部から発光された光を受光する受光部とを備えた光電センサから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の立坑又は斜坑への重機接近防止装置。
【請求項3】
前記立坑又は斜坑の入口を開閉可能な蓋を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の立坑又は斜坑への重機接近防止装置。
【請求項4】
前記立坑又は斜坑の入口を開閉可能な蓋を備え、前記接近検出手段は、前記蓋に前記重機の作業具が接触したことを検出する手段であることを特徴とする請求項1に記載の立坑又は斜坑への重機接近防止装置。
【請求項5】
前記接近検出手段は、前記重機の作業具が前記蓋に接触したときにかかる圧力を検出する圧力センサを備えていることを特徴とする請求項4に記載の立坑又は斜坑への重機接近防止装置。
【請求項6】
前記接近検出手段は、前記蓋の上に設けられ導体で形成された閉回路に所定の電流を流すように構成された回路と、前記導体に前記重機の作業具が接触することにより変化する電気的値を検出する検出部とを備えていることを特徴とする請求項4に記載の立坑又は斜坑への重機接近防止装置。
【請求項7】
前記立坑又は斜坑付近に開閉可能なゲートが設けられ、該ゲートが開放されたことを検出するゲート開放検出手段と、該ゲート開放検出手段からのゲート開放信号により作動する警報手段と、前記蓋が閉じられたことを検出する蓋閉鎖検出手段と、該蓋閉鎖検出手段からの検出信号に基づいて前記警報手段の作動を停止する停止手段とを備えていることを特徴とする請求項3〜6のうちのいずれか1項に記載の立坑又は斜坑への重機接近防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立坑又は斜坑へ重機が接近することを防止するための立坑又は斜坑への重機接近防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば鉄塔等の構造物を設置する場合の基礎工事において、ライナープレートを用いて形成される立坑内に作業者が入って人力で掘削を行うだけでなく、重機(バックホウ(油圧ショベル)、クラムシェル等)の作業具であるバケットを立坑内に入れて掘削を行っている。掘削の深度が深い場合に、重機を操作する重機オペレータから立坑内の状況が目視により確認できない。そのため、立坑内に作業者が入っているにもかかわらず、重機のバケットを立坑内に侵入させてしまい、作業者にバケットを接触させてしまうことが懸念される。これを防止するために、立坑内に作業者が入っている場合には、地上に立坑内に作業者が入っている旨を表示する標示(例えば旗等)を設置する、あるいは重機オペレータに指示や合図を行う監視者(合図者)を配置している。このような対策では、一定の効果が期待できるものの、重機オペレータが旗等の標示や監視者からの指示や合図を見落してしまう等、十分な対策にはなっていなかった。
【0003】
また、作業者が立坑内に入った後、重機のバケットが立坑内に入らないように立坑を覆う蓋を設けたものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−74910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の構成では、作業者が立坑内に入った後、蓋を閉じることによって、重機のバケットが蓋に当接することで立坑内へのバケットの侵入を防止することができるものの、蓋を閉じることを忘れていた場合には、バケットの立坑内への侵入を防ぐことができず、十分な対策になっていない。
【0006】
そこで、本発明は、重機の作業具の立坑内又は斜坑内への侵入を確実に防止できる立坑又は斜坑への重機接近防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の立坑又は斜坑への重機接近防止装置は、立坑又は斜坑の入口付近に配置され、重機の接近を検出する接近検出手段と、該接近検出手段からの検出信号に基づいて前記重機の接近を報知する接近報知手段とを備えていることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、立坑又は斜坑の入口付近に重機が接近したことを接近検出手段が検出すると、接近検出手段からの検出信号に基づいて接近報知手段が重機の接近を報知する。これにより立坑内又は斜坑内の作業者や地上の監視者(合図者)等に重機の接近を知らせて、重機の作業具が立坑内又は斜坑内に侵入することを確実に防止することができる。
【0009】
また、本発明の立坑又は斜坑への重機接近防止装置は、前記接近検出手段が、光を発光する発光部と、該発光部から発光された光を受光する受光部とを備えた光電センサから構成されていてもよい。
【0010】
上記のように、接近検出手段を、光を発光する発光部と、発光部から発光された光を受光する受光部とを備えた光電センサから構成することによって、接触式のセンサに比べて長期間に亘って故障し難い。
【0011】
また、本発明の立坑又は斜坑への重機接近防止装置は、前記立坑又は斜坑の入口を開閉可能な蓋を備えていることが好ましい。
【0012】
上記のように、立坑又は斜坑の入口を開閉可能な蓋を備えておけば、接近報知手段による報知を重機オペレータが気付かなかった場合でも、立坑又は斜坑を閉じている蓋により立坑又は斜坑への重機の作業具の侵入を防止することができる。
【0013】
また、本発明の立坑又は斜坑への重機接近防止装置は、前記立坑又は斜坑の入口を開閉可能な蓋を備え、前記接近検出手段は、前記蓋に前記重機の作業具が接触したことを検出する手段であってもよい。
【0014】
上記のように、接近検出手段が蓋に重機の作業具が接触したことを検出する手段であれば、重機が立坑内又は斜坑内に侵入しようとしたことを確実に検出できる。
【0015】
また、本発明の立坑又は斜坑への重機接近防止装置は、前記接近検出手段が、前記重機の作業具が前記蓋に接触したときにかかる圧力を検出する圧力センサを備えていてもよい。
【0016】
上記のように、圧力センサが重機の作業具が蓋に接触したときにかかる圧力を検出することによって、重機が立坑内又は斜坑内に侵入しようとしたことを確実に検出できる。
【0017】
また、本発明の立坑又は斜坑への重機接近防止装置は、前記接近検出手段が、前記蓋の上に設けられ導体で形成された閉回路に所定の電流を流すように構成された回路と、前記導体に前記重機の作業具が接触することにより変化する電気的値を検出する検出部とを備えていてもよい。
【0018】
上記のように、導体に重機の作業具が接触することにより変化する抵抗値により変化する電気的値を検出部で検出することによって、重機の作業具が立坑内又は斜坑内に侵入しようとすることを確実に検出できる。
【0019】
また、本発明の立坑又は斜坑への重機接近防止装置は、前記立坑又は斜坑付近に開閉可能なゲートが設けられ、該ゲートが開放されたことを検出するゲート開放検出手段と、該ゲート開放検出手段からのゲート開放信号により作動する警報手段と、前記蓋が閉じられたことを検出する蓋閉鎖検出手段と、該蓋閉鎖検出手段からの検出信号に基づいて前記警報手段の作動を停止する停止手段とを備えていてもよい。
【0020】
上記のように、作業者がゲートを開けることにより開閉検出手段からゲート開放信号が出力される。このゲート開放信号により警報手段が作動して警報することによって、立坑へ入る作業者に警報手段が作動していることを知らせることができる。作業者は、立坑へ入ってから蓋をしなければ、前記警報手段の作動が停止されないため、蓋を確実に閉じることができ、蓋の閉め忘れを防止でき、重機の作業具が立坑内に侵入することを確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、接近検出手段からの検出信号に基づいて重機の接近を報知する接近報知手段を備えることによって、重機の作業具の立坑内又は斜坑内への侵入を確実に防止できる立坑又は斜坑への重機接近防止装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る立坑への重機接近防止装置の概要を示す縦断面図である。
図2図2は、立坑を構成するライナープレートを真上から見た平面図である。
図3図3は、立坑付近に設けたゲートの正面図である。
図4図4(a),(b),(c)は、図3のゲートの動きを示す説明図である。
図5図5(a),(b)は、第1の接近検出手段の具体的構成を示した図であり、図5(a)は、平面図であり、図5(b)は、縦断側面図である。
図6図6(a),(b)は、第2の接近検出手段の具体的構成を示した図であり、図6(a)は、平面図であり、図6(b)は、縦断側面図である。
図7図7(a),(b)は、第3の接近検出手段の具体的構成を示した図であり、図7(a)は、平面図であり、図7(b)は、縦断側面図である。
図8図8は、蓋閉鎖検出手段を備えた蓋の縦断面図である。
図9図9(a),(b),(c)は、警報手段の具体例を示す図であり、図9(d),(e)は入孔標示装置の具体例を示す図であり、図9(f),(g),(h)は、接近報知手段の具体例を示す図である。
図10図10は、重機接近防止装置の制御ブロック図である。
図11図11(a),(b),(c)は、伸縮ストッパーを備える別の形態の蓋を示し、図11(a)は、縦断面図であり、図11(b)は伸縮ストッパーの要部を示す拡大図であり、図11(c)は、平面図である。
図12図12は、図11で示した伸縮ストッパーの別の形態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の立坑への重機接近防止装置の一実施形態について説明する。図1に、鉄塔等の構造物を設置する場合の基礎工事において、地面GLを掘削する箇所にライナープレート1を設置して立坑2を形成している。ライナープレート1の上端には、立坑2を覆うための蓋3が蝶番4を介して取り付けられている。重機としては、バックホウ(油圧ショベル)の作業具であるバケットを例に挙げて説明するが、クラムシェル等であってもよい。また、ここでは、立坑2を例に挙げて説明しているが、斜めに形成される斜坑についても本発明は同様に適用することができる。また、実施形態では、傾斜地にライナープレート1を設置している場合を説明するが、平坦地にライナープレート1を設置してもよい。
【0024】
蓋3は、金属製で円形の枠部5と、枠部5に格子状に張り巡らされた金属製の多数の棒状部材6とから構成されている(図2図5(a)参照)。
【0025】
蝶番4は、図5(b)に示すように、ライナープレート1の上端に取り付けられる固定側の第1金具7と、第1金具7に対して軸部8を介して回動自在に取付けられ蓋3の外周部の下面(内面)に取り付けられる第2金具9とを備えている。そして、図8に示すように、固定側の第1金具7にリミットスイッチ10が取り付けられ、蓋3が閉じられたときに可動側の第2金具9がリミットスイッチ10に当接することによってONするようになっている。このリミットスイッチ10が、蓋3が閉じられたことを検出する蓋閉鎖検出手段を構成している。このようにライナープレート1の上端に蝶番4を介して蓋3を取り付けることによって、傾斜地に設置されたライナープレート1の上端面が周方向において高さが異なる状況においても、蓋3が斜めになって立坑2を覆うことができる。
【0026】
また、図1図4(a)〜(c)に示すように、ライナープレート1の上端における特定箇所(立坑2へ入る入孔経路Hの入口)に、踏台11をボルト12により固定している。踏台11には、左右一対の手すり(支柱)13,13が立設されている。また、一方(前方から見て右側)の手すり13の上部の前面には、水平軸心X周りで回動自在に一端部が取付板15を介して取り付けられた開閉自在な棒状のゲート14を備えている。したがって、ゲート14を、図3図4(a)に示す水平姿勢から下方に向いた上下姿勢まで回動させることができるようになっている。水平軸心X周りで回動してゲート14が水平姿勢の時には、左右一対の手すり(支柱)13,13間を閉じた状態になり、ゲート14と左右一対の手すり(支柱)13,13とで落下防止柵を構成している。また、水平軸心X周りで回動してゲート14が上下姿勢の時には、左右一対の手すり13,13の間が開放され、手すり13,13の間から、作業者が通過して立坑2内へ入れるようになっている。なお、作業者が立坑2内へ入る場合には、ライナープレート1の内側に取り付けられた多数のステップ16を利用して立坑2の下方へ移動していくことになる。また、一方(図では右側)の手すり13の下部には、ゲート14が開放したことを検出するゲート開放検出手段としてのリミットスイッチ17を備えている。また、ゲート14には、ハンドル式スイッチ(図示せず)を備えており、ゲート14を水平姿勢にした時に、ONしてゲート14が閉じられたことを検出するゲート閉塞検出手段を構成する。
【0027】
また、踏台11上には、ゲート開放検出手段であるリミットスイッチ17からのゲート開放信号により作動する警報手段18を前記踏台11上に備えている(図1図3図10参照)。警報手段18は、具体的には、図9(a)に示すように、電光掲示板19から構成してもよいし、図9(b)に示すようにパトライト(登録商標)20であってもよいし、図9(c)に示すブザー21であってもよい。図9(a)の電光掲示板19には、例えば「蓋の閉め忘れ注意」等の文字を表示する。また、図9(d),(e)には、作業者が立坑2に入孔する際に、入孔中であることを地上の作業者や重機オペレータに認識させるための入孔標示装置22を備えている。この入孔標示装置22は、具体的には、図9(d)に示すように、立坑2の入口付近に配置される電光掲示板23であってもよい。この電光掲示板23に、「重機立入禁止」及び「作業者入孔中」の文字を表示する。また、入孔標示装置22は、図9(e)に示すように、地上の作業者や重機オペレータが手元に持っている携帯端末(例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット等)24であってもよい。この携帯端末24に、「重機立入禁止」及び「作業者入孔中」の文字を表示する。また、警報手段18は、電源装置25に接続されている(図10参照)。
【0028】
また、図10に示すように、蓋閉鎖検出手段10からの検出信号に基づいて警報手段18の作動を停止する停止手段26を備えている。したがって、停止手段26は、蓋閉鎖検出手段10からの検出信号が後述する伝送装置38に出力されると、伝送装置38から警報手段18へ作動を停止する停止信号を出力する。
【0029】
次に、蓋3には、立坑2の上端の入口付近に重機(バックホウ(油圧ショベル)、クラムシェル等)の接近を検出する接近検出手段27を備えており、接近検出手段27には、蓋3に重機の作業具であるバケット28(図5(b)参照)が接触したことを検出する手段の他、蓋3に重機の作業具であるバケットが接近したことを検出する手段があり、どの手段を用いてもよい。
【0030】
まず、バケットが接触したことを検出する接近検出手段27は、2種類あり、そのうちの第1の接近検出手段27は、図5(a),(b)に示すように、蓋3を構成する多数の棒状部材6上にそれぞれ複数の導体である銅板29を裏面に備える絶縁材(図示せず)を介して貼り付けることで併設し、多数の銅板29同士が抵抗30により接続されてなる閉回路に所定の電流を流すように構成された回路31と、前記複数の銅板29に重機の作業具であるバケット28が接触する(図5(b)参照)ことにより変化する抵抗値により変化する電流値を検出する電流計である電流検出部32とを備えて構成されている。従って、所定の電流(ここでは定電流)を回路31に流しておき、バケット28が複数(図では2個)の銅板29に接触することによって、それら銅板29,29間の抵抗値が変化し、電流が変化する。抵抗30の抵抗値をRとすると、バケットが銅板29に接触していない時は、電流I=電圧V/4Rであり、バケット28が2個の銅板29に接触した時は、電流I=電圧V/3Rになる。このときの電流の変化を電流検出部32が検出し、その検出信号が後述する伝送装置38に出力される。なお、スイッチ33は、立坑内に入った作業者が入り切りできるように立坑内に設置しているが、例えば重機接近防止装置の起動装置40が自動でONされることにより、図5(a)のスイッチ33が自動的にONされ、電源34からの電力により回路31に定電流を流すようにしてもよい。ここでは、導体として板状の銅板29を用いているが、導電線であってもよい。また、電流値の変化を検出しているが、電圧値の変化を検出してもよい。抵抗30に代えて、コイルやコンデンサ等で複数の導体を接続してもよい。
【0031】
第2の接近検出手段27は、図6(a),(b)に示すように、重機の作業具であるバケット28が蓋3に接触したときにかかる圧力を検出する圧力センサ35を蓋3の棒状部材6の裏面(下面)に備えている。重機の作業具であるバケット28が蓋3に接触することにより、圧力センサ35が設定している圧力以上の圧力を検出すると、その検出信号が後述する伝送装置38に出力される。
【0032】
蓋3に重機の作業具であるバケットが接近したことを検出する第3の接近検出手段27は、図7(a),(b)に示すように、蓋3の外周に相対向するように複数組の光電センサ36からなり、各光電センサ36は、光を発光する発光部36Aと、発光部36Aから発光された光を受光する受光部36Bとを備えている。従って、少なくとも1つの発光部36Aからの光を移動してきた重機の作業具であるバケット28により遮ることにより重機の接近を検出し(図7(b)参照)、その検出信号が後述する伝送装置38に出力される。
【0033】
重機接近防止装置の制御構成を示すブロック図を、図10に示している。このブロック図では、親局と子局とに分かれており、親局37で入手した情報を伝送装置38を介して子局39へ送信するようにしている。なお、伝送装置38と子局39との接続は、通信ケーブル等を用いて接続される有線でもよいし、インターネット等の通信手段を用いて接続される無線であってもよい。
【0034】
親局37は、前述した3つの手段である、接近検出手段27、ゲート開放検出手段17、蓋閉鎖検出手段10の他、停止手段26が伝送装置38に接続されている。また、入孔表示装置22と、起動装置40とが伝送装置38に接続されている。また、伝送装置38は、電源装置41からの電力供給を受けている。
【0035】
子局39は、前記接近検出手段27からの検出信号に基づいて重機のバケット28が接近したことを報知する手段を備えている。具体的には、重機用接近報知手段42、監視者(合図者)用接近報知手段43、立坑の作業者用接近報知手段44の3種類を備えている。これら手段は、図9(f)に示す「作業者入孔中」及び「重機停止」を表示する電光掲示板45であってもよいし、図9(g)に示すように、パトライト(登録商標)46であってもよいし、図9(h)に示すように、入孔者や地上の作業者あるいは重機オペレータが手元に持っている携帯端末(例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット等)47であってもよい。この携帯端末47に「重機停止」及び「作業者入孔中」の文字を表示することになる。なお、パトライト(登録商標)46及び電光掲示板45は、入孔者や地上の作業者あるいは重機オペレータが視認できる位置に1個又は複数個設置することになる。また、重機用接近報知手段42、監視者(合図者)用接近報知手段43、立坑の作業者用接近報知手段44は、電源装置48,49,50からそれぞれ電力供給される。
【0036】
前記のように構成された立坑への重機接近防止装置の動作について説明する。まず、作業者が立坑2付近に設置されているゲート14まで移動する。移動した作業者は、ゲート14を下方側に揺動操作することにより開放させる。ゲート14が上下姿勢になることによって、ゲート開放検出手段であるリミットスイッチ17がONする。このON信号が伝送装置38に出力されると、伝送装置38は、入孔標示装置22に前述した文字表示を行う。これと同時に、重機接近防止装置の起動装置40を自動でONさせ、各種制御を開始する。また、ON信号が伝送装置38に出力されると、警報手段18を作動させ、作業者が入孔中であることを地上の作業者や重機オペレータに認識させる。この状態で作業者が立坑2内へ入り、開放状態の蓋3を閉じる。この閉じたときに蓋閉鎖検出手段であるリミットスイッチ10がONし、このON信号を伝送装置38に出力する。伝送装置38は、蓋3が閉じられたと判断して、前記警報手段18の作動を停止する。このように開放状態の蓋3を作業者が閉じなければ、警報手段18の作動が停止しない構成であるため、蓋3の閉め忘れを防止できる。なお、伝送装置38は、入力される信号を判断して、入孔標示装置22、起動装置40、子局39の接近報知手段42,43,44、警報手段18に各種の信号を出力するための制御部を構成する。なお、作業者が立坑2内に入っていない状態、つまり作業者が立坑2内での作業終了後、蓋3を開放して立坑2の外に出た状態では、図1の仮想線で示すように蓋3は開放された状態である。
【0037】
作業者が立坑2内へ入った後に、誤って重機のバケット28を立坑2内へ入れようとすると、蓋3にバケット28が接触して、バケット28の立坑2への侵入を防止することができる。しかも、蓋3にバケット28が接触する又は接近することにより、接近検出手段27が検出し、その検出信号が伝送装置38に出力されると、伝送装置38が、重機用接近報知手段42、監視者(合図者)用接近報知手段43、作業者用接近報知手段44を作動させて重機の接近を報知することにより、立坑2内の作業者や地上の監視者(合図者)等に重機の接近を知らせて、重機のバケット(作業具)28が立坑2内に侵入することを確実に防止することができる。
【0038】
立坑2内での作業が終わった作業者は、蓋3を開放して(図1の2点鎖線参照)立坑2外へ出たのち、ゲート14を通ってゲート14の外部へ移動する。移動後は、上下姿勢のゲート14を水平姿勢に戻すように回動させる。ゲート14が水平姿勢になると、ハンドル式スイッチがONすることによって、重機接近防止装置の起動装置40をOFFして、制御を終了する。
【0039】
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、種々変更することができる。例えば、図11(a)〜(c)に示すように、蓋3の外周部の1箇所又は複数箇所(3箇所)に蓋3の径方向外側に突出する長さ調整可能な伸縮ストッパー51を取り付けてもよい。伸縮ストッパー51を備えることによって、ライナープレート1の上端の径寸法に合わせて伸縮ストッパー51の長さを調整して、蓋3を径の異なるライナープレート1に設置することができる。各伸縮ストッパー51は、蓋3の外周縁の下面に取り付けられる角筒状(円筒状でもよい)の固定部材52と、固定部材52内に出退自在に収容される可動部材53とを備え、固定部材52に備えるねじ部材54を締め付け操作することによりねじ部材54の先端(図では下端)が可動部材53の上端に当接することにより固定することができ、当接を解除すべくねじ部材54を緩め操作することにより、固定部材52に対して可動部材53を移動可能にしている。また、伸縮ストッパー51を、図12に示すように、構成してもよい。つまり、蓋3の外周縁の下面に取り付けられ径方向に沿ってねじ孔55Aが形成されたブロック状のねじ体55と、ねじ体55のねじ孔55Aに螺合する螺軸56と、螺軸56を回転させる回転ハンドル57とを備えている。回転ハンドル57を回転操作することによって螺軸56をねじ体55に対して蓋3の径方向に出退させることにより、螺軸56の長さ調整ができるようにしている。
【0040】
前記実施形態では、蓋3に重機のバケット28が接近することを検出する接近検出手段27を設けたが、立坑2付近に重機が接近することを検出する接近検出手段を設けてもよい。
【0041】
また、前記実施形態では、立坑2に入った作業者が蓋3を閉じることで蓋3に設けた蓋閉鎖検出手段10により立坑2に入ったことを検出するようにしたが、これに代えて、立坑2の上端部の内部に作業者が立坑2に入ったことを検出する非接触式のセンサからなる作業者検出手段を設けてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1…ライナープレート、2…立坑、3…蓋、4…蝶番、5…枠部、6…棒状部材、7…第1金具、8…軸部、9…第2金具、10…リミットスイッチ(蓋閉鎖検出手段)、11…踏台、12…ボルト、14…ゲート、15…取付板、16…ステップ、17…リミットスイッチ(ゲート開放検出手段)、18…警報手段、19…電光掲示板、20…パトライト、21…ブザー、22…入孔標示装置、23…電光掲示板、24…携帯端末、25…電源装置、26…停止手段、27…接近検出手段、28…バケット、29…銅板(導体)、30…抵抗、31…回路、32…電流検出部、33…スイッチ、34…電源、35…圧力センサ、36…光電センサ、36A…発光部、36B…受光部、37…親局、38…伝送装置、39…子局、40…起動装置、41…電源装置、42…重機用接近報知手段、43…監視者(合図者)用接近報知手段、44…立坑の作業者用接近報知手段、45…電光掲示板、46…パトライト、47…携帯端末、48,49,50…電源装置、51…伸縮ストッパー、52…固定部材、53…可動部材、54…ねじ部材、55…ねじ体、54A…ねじ孔、56…螺軸、57…回転ハンドル、GL…地面、H…入孔経路、X…水平軸心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12