特開2019-190317(P2019-190317A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2019190317-エンジン発電機 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-190317(P2019-190317A)
(43)【公開日】2019年10月31日
(54)【発明の名称】エンジン発電機
(51)【国際特許分類】
   F02B 63/04 20060101AFI20191004BHJP
   F02B 77/13 20060101ALI20191004BHJP
   H02K 7/18 20060101ALI20191004BHJP
【FI】
   F02B63/04 C
   F02B63/04 B
   F02B77/13 L
   F02B77/13 R
   F02B77/13 C
   H02K7/18 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-81642(P2018-81642)
(22)【出願日】2018年4月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(72)【発明者】
【氏名】櫻木 勇人
【テーマコード(参考)】
5H607
【Fターム(参考)】
5H607BB02
5H607BB07
5H607CC05
5H607DD03
5H607FF23
(57)【要約】
【課題】オイルガードや燃料タンクの耐久性を向上させることができるとともに、エンジンを良好に冷却させることができるエンジン発電機を提供する。
【解決手段】ケーシング12の内部に、エンジン13と該エンジン13で駆動する発電機14とを配置し、ケーシング12の下部に、上部がケーシング内に開口し、内部に燃料タンク17を収容したオイルガード16を設ける。発電機14の排気口14bを下方に向けて開口するとともに、エンジン13の下方に位置するオイルガード16の開口を蓋部材18で閉塞し、オイルガード16の発電機14の下方に排風導入用開口19を、エンジン13のラジエータファン13aの下方に排風導出用開口20をそれぞれ形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングの内部に、エンジンと該エンジンで駆動する発電機とを配置し、前記ケーシングの下部に、上部がケーシング内に開口し、内部に燃料タンクを収容したオイルガードを設けたエンジン発電機において、前記エンジンの下方に位置する前記オイルガードの開口を蓋部材で閉塞し、前記オイルガードの前記発電機に設けられた排気口の下方に排風導入用開口を、前記エンジンのラジエータファンの下方に排風導出用開口をそれぞれ形成したことを特徴とするエンジン発電機。
【請求項2】
前記発電機の前記排気口を下方に向けて開口させたことを特徴とする請求項1記載のエンジン発電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン発電機に関し、詳しくは、エンジンや発電機を収納したケーシングの下部に、燃料タンクを収容したオイルガードを備えたエンジン発電機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンによって発電機を駆動するエンジン発電機では、エンジンなどから漏れた燃料が周囲に流出することを防止するために、燃料タンクの下半部を囲むようにオイルガードが設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−219705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の特許文献1のものでは、定期的に行うメンテナンスで、オイルガード内に溜まる油分や水分を排出しても、僅かな水分や湿気がオイルガード内に溜まり、オイルガードや燃料タンクに錆が発生して劣化させる虞があった。また、エンジンに設けられたラジエータファンを作動させて、ケーシングの一側方に設けられた吸気口から外気を吸い込んでエンジンを冷却する際に、発電機の排風が吸気口から導入される外気の流れを妨げる虞があった。
【0005】
そこで本発明は、オイルガードや燃料タンクの耐久性を向上させることができるエンジン発電機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のエンジン発電機は、ケーシングの内部に、エンジンと該エンジンで駆動する発電機とを配置し、前記ケーシングの下部に、上部がケーシング内に開口し、内部に燃料タンクを収容したオイルガードを設けたエンジン発電機において、前記エンジンの下方に位置する前記オイルガードの開口を蓋部材で閉塞し、前記オイルガードの前記発電機に設けられた排気口の下方に排風導入用開口を、前記エンジンのラジエータファンの下方に排風導出用開口をそれぞれ形成したことを特徴としている。
【0007】
また、前記発電機の前記排気口を下方に向けて開口させると好適である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のエンジン発電機によれば、発電機から排出される高温の排風は、排気口を介してオイルガードの排風導入用開口からオイルガード内に導入され、排風導出用開口から排出される流れを形成する。これにより、発電機からの排風で、オイルガードを乾燥させることができ、オイルガードや燃料タンクの耐久性を向上させることができる。
【0009】
また、発電機の排気口を下方に向けて開口させたことにより、ラジエータファンを作動させて、ケーシングの一側方に設けられた吸気口から外気を吸い込んでエンジンを冷却する際に、発電機の排風が吸気口からの外気の流れを妨げる虞がなく、エンジンを効率よく冷却させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1形態例を示すエンジン発電機の断面正面図である。
図2】同じくエンジン発電機の断面側面図である。
図3】本発明の第2形態例を示すエンジン発電機の断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1及び図2は、本発明のエンジン発電機の第1形態例を示す図である。エンジン発電機11は、防音構造を有する直方体状のケーシング12の内部に、長手方向(図1において左右方向)の中央部にエンジン13を配置し、該エンジン13の一側方(図1において左側)に発電機14を配置するとともに、エンジン13の他側方(図1において右側)には排風室15が設けられている。ケーシング12の下部は、矩形状の枠体12aによって支持され、該枠体12aの下側に、エンジン13から漏洩した燃料などの油分が外部に流出することを防止するためのオイルガード16が一体的に設けられている。
【0012】
ケーシング12は、一側方に吸気口が設けられ、エンジン13の他側方に設けられたラジエータファン13aを作動させることにより、吸気口から吸い込まれた外気W1がエンジンを冷却し、ラジエータを通って排風室15から外部に排出される。
【0013】
発電機14は、筐体の一側方に吸気口14aとなる貫通孔が、他側方に排気口14bとなる貫通孔がそれぞれ設けられ、排気口14bとなる貫通孔は、筐体の下部に形成され、発電機からの排風W2が下方に向けて排出される。
【0014】
オイルガード16は、上部がケーシング内に開口した箱形に形成され、オイルガード16の他側の内部に、複数の支持枠16aを介して燃料タンク17が収容され、燃料タンク17は、エンジン13の下方から排風室15に亘る大きさを備えている。また、オイルガード16は、エンジン13の下方に位置する開口に蓋部材18が取り付けられ、発電機14の排気口14bの下方に位置する蓋部材18の一側に排風導入用開口19が、ラジエータファン13aの下方に位置する蓋部材18の他側に排風導出用開口20がそれぞれ形成される。また、オイルガード16の排風導入用開口19の一側部には、排風をオイルガード内にガイドするガイド板16bが取り付けられている。
【0015】
本形態例は、上述のように形成されることにより、発電機14から排出される高温の排風W2は、下方に向けて開口した排気口14bを介して下方に誘導され、オイルガード16の排風導入用開口19からオイルガード16の内部に導入される。さらに、ラジエータファン13aの作動により、排風W2は燃料タンク17とオイルガード16の隙間を通って、排風導出用開口20へ導かれ、排風導出用開口20からラジエータを通って排風室15に導入されて外部に排出される。
【0016】
これにより、発電機14からの高温の排風W2で、オイルガード16を乾燥させることができ、オイルガード16や燃料タンク17の耐久性を向上させることができる。また、発電機14からの排風W2を冷却した状態で外部に排出させることができる。さらに、ラジエータファン13aを作動させて、ケーシング12の吸気口から外気W1を吸い込んでエンジン13を冷却する際に、発電機14の排風W2が外気W1の流れを妨げる虞がなく、エンジン13を効率よく冷却させることができる。
【0017】
図3は、本発明の第2形態例を示すもので、第1形態例と同様の構成要素を示すものには、同一の符号をそれぞれ付して、その詳細な説明は省略する。本形態例のオイルガード16には、発電機14の下方から排風室15の下方に亘る大型の燃料タンク21が収容されている。オイルガード16の上部開口は、発電機14の排気口14bの下方に設けられる排風導入用開口19と、ラジエータファン13aの下方に設けられる排風導出用開口20を除いて、エンジン13の下方と発電機14の下方とが蓋部材22,22で覆われている。
【0018】
なお、本発明は上述の各形態例のように、発電機の排気口となる貫通孔が、筐体の下部に形成され、発電機からの排風が下方に向けて排出されるものに限らず、排気口となる貫通孔を、筐体の全周に設けたものでも差し支えない。さらに、本発明は、エンジンの一側方に排風室を設け、エンジンの他側方に発電機を設けたものでもよい。また、ケーシング内に配置されるその他の機器の配置は任意である。
【符号の説明】
【0019】
11…エンジン発電機、12…ケーシング、12a…枠体、13…エンジン、13a…ラジエータファン、14…発電機、14a…吸気口、14b…排気口、15…排風室、16…オイルガード、16a…支持枠、16b…ガイド板、17…燃料タンク、18…蓋部材、19…排風導入用開口、20…排風導出用開口、21…燃料タンク、22…蓋部材
図1
図2
図3