特開2019-191009(P2019-191009A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 台濠科技股▲ふん▼有限公司の特許一覧

特開2019-191009リニアスケールヘッドのセンサー構造
<>
  • 特開2019191009-リニアスケールヘッドのセンサー構造 図000003
  • 特開2019191009-リニアスケールヘッドのセンサー構造 図000004
  • 特開2019191009-リニアスケールヘッドのセンサー構造 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-191009(P2019-191009A)
(43)【公開日】2019年10月31日
(54)【発明の名称】リニアスケールヘッドのセンサー構造
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/347 20060101AFI20191004BHJP
【FI】
   G01D5/347 110X
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2018-84508(P2018-84508)
(22)【出願日】2018年4月25日
(11)【特許番号】特許第6580746号(P6580746)
(45)【特許公報発行日】2019年9月25日
(71)【出願人】
【識別番号】518147242
【氏名又は名称】台濠科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】高清芬
(72)【発明者】
【氏名】張家栄
【テーマコード(参考)】
2F103
【Fターム(参考)】
2F103BA43
2F103CA02
2F103DA01
2F103DA12
2F103EA17
2F103EA19
2F103EA20
2F103EB15
2F103EB37
(57)【要約】
【課題】装置を小型化することができるリニアスケールヘッドのセンサー構造を提供する。
【解決手段】リニアスケールヘッドのセンサー構造は、基板1と、感光チップ2と、レチクルパターンを形成するコードパターン層3とを備える。基板1は、少なくとも1つの導電パッド11を有する。感光チップ2は、基板1上に設けられるとともに、少なくとも1つのピン21を有する。各ピン21は、導線23を介して1つの導電パッド11に接続される。コードパターン層3は、感光チップ2の相対する基板1の一側表面上に形成されるとともに、透光性を有する絶縁層4により覆われる。絶縁層4上には、透明な保護層5が形成される。保護層5は、ポリイミドエポキシ樹脂からなるとともに、各ピン21を覆う。各ピン21は、保護層5から延びる延伸部22を有する。導線23により延伸部22と導電パッド11とが接続される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、感光チップと、レチクルパターンを形成するコードパターン層と、を備えたリニアスケールヘッドのセンサーチップ構造であって、
前記基板は、少なくとも1つの導電パッドを有し、
前記感光チップは、前記基板上に設けられるとともに、少なくとも1つのピンを有し、各前記ピンは、導線を介して1つの導電パッドに接続され、
前記コードパターン層は、前記感光チップの相対する前記基板の一側表面上に形成されるとともに、透光性を有する絶縁層により覆われることを特徴とするリニアスケールヘッドのセンサー構造。
【請求項2】
前記絶縁層上には、透明な保護層が形成され、
前記保護層は、ポリイミドエポキシ樹脂からなるとともに、各前記ピンを覆い、
各前記ピンは、前記保護層から延びる延伸部を有し、
前記導線により前記延伸部と前記導電パッドとが接続されることを特徴とする請求項1に記載のリニアスケールヘッドのセンサー構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニアスケールに関し、特に、リニアスケールヘッドのセンサー構造に関する。
【背景技術】
【0002】
リニアスケールは、精密機械の分野において微小な距離を測定するのに重要な装置であり、図3に示すように、計量尺6(いわゆる主尺)及び光学ヘッド7を含むことが一般的である。計量尺6上には、コードパターン(一般にレチクルパターンである)が設けられる。光学ヘッド7の内部には、副尺71及び感光モジュール72が設けられる。副尺71は、レチクルパターンを有するガラスブロックである。光学ヘッド7と計量尺6とが相対的に駆動すると、計量尺6及び副尺71上のレチクルパターンが相対変位し、連続した光強度が変化し、これを感光モジュール72が受光して変換させ、変位距離の測定を行っていた。
【0003】
しかし、上述したような従来構造では、副尺71は、一定の体積を占める立体構造である上、間隔空間74により感光モジュール72と離間され、接続部材73で接続されていた。そのため、光学ヘッド7の全体の体積が大きくなり、精密機械の分野において装置の小型化が求められているニーズを満たすことは困難であった。
【0004】
さらに、従来構造では、副尺71と感光モジュール72との間の間隔空間74に空気の分子がある上、埃、不純物などの浮遊粒子もあるため、光が透過する際に屈折又は回折が発生して測定結果に悪影響を与える虞があった。
【0005】
上述の参考文献には、例えば特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】台湾特許第I447357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主な目的は、感光チップ上にレチクルパターンを直接形成し、従来構造の副尺と感光チップとを結合してリニアスケールヘッドの体積を減らして装置を小型化させる、リニアスケールヘッドのセンサー構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、基板と、感光チップと、レチクルパターンを形成するコードパターン層と、を備えたリニアスケールヘッドのセンサー構造であって、前記基板は、少なくとも1つの導電パッドを有し、前記感光チップは、前記基板上に設けられるとともに、少なくとも1つのピンを有し、各前記ピンは、導線を介して1つの導電パッドに接続され、前記コードパターン層は、前記感光チップの相対する前記基板の一側表面上に形成されるとともに、透光性を有する絶縁層により覆われることを特徴とするリニアスケールヘッドのセンサー構造が提供される。
【0009】
前記絶縁層上には、透明な保護層が形成され、前記保護層は、ポリイミドエポキシ樹脂からなるとともに、各前記ピンを覆い、各前記ピンは、前記保護層から延びる延伸部を有し、前記導線により前記延伸部と前記導電パッドとが接続されることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るリニアスケールヘッドのセンサー構造を示す断面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係るリニアスケールヘッドのセンサー構造のコードパターン層のパターンを示す模式図である。
図3図3は、従来構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照する。図1に示すように、本発明の一実施形態に係るリニアスケールヘッドのセンサー構造は、PCB基板1を含む。基板1上には、少なくとも1つの導電パッド11が設けられる。本実施形態の基板1の両側には、導電パッド11がそれぞれ設けられる。
【0012】
基板1上には、光に感応して光を信号に変換させて判読する感光チップ2が設けられている。感光チップ2には、少なくとも1つのピン21が設けられる。本実施形態では、感光チップ2の両側にピン21がそれぞれ設けられ、再配線(RDL)工程により各ピン21から延伸部22が延びている。各延伸部22は、導線23を介して1つの導電パッド11に接続される。感光チップ2の相対する基板1の一側表面上には、リニアスケールの計量尺と相互に作用するコードパターン層3が形成され、それは僅か一パターンのみであり、感光チップ2上に印刷されてもよい。本実施形態のコードパターン層3は、図2に示すようなレチクルパターンに形成される。
【0013】
また、感光チップ2は、保護作用のために、透光性を備えてコードパターン層3を覆う絶縁層4を有する。さらに絶縁層4上には、ポリイミドエポキシ樹脂からなる透明な保護層5が形成されている。上述した保護層5は、延びて各ピン21を覆うが、各ピン21の延伸部22が保護層5から延び、導線23を介して導電パッド11に接続される。
【0014】
上述したことから分かるように、本発明は、コードパターン層3が感光チップ2上に直接取付けられ、計量尺上のコードパターンと組み合わせて作用し、透過する光の強度を変化させ、上述した強度変化を感光チップ2により計測して変位距離を得ることができる。本発明は、コードパターン層がガラスブロックの構造に取り付けられていた従来構造と異なり、コードパターン層3が感光チップ2上に直接取り付けられているため、構造を簡素化して装置の全体の体積を減らすことができるため、精密機械の分野において求められている装置に対する小型化のニーズを満たすことができる。
【0015】
また、コードパターン層3が感光チップ2上に直接取付けられ、両者間には間隔空間が無いため、コードパターン層3を透過した光は感光チップ2により受光される。そのため、空気、埃、不純物などの外的要因による影響を受けず、測定結果がより正確となる。
【符号の説明】
【0016】
1 基板
2 感光チップ
3 コードパターン層
4 絶縁層
5 保護層
6 計量尺
7 光学ヘッド
11 導電パッド
21 ピン
22 延伸部
23 導線
71 副尺
72 感光モジュール
73 接続部材
74 間隔空間
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2019年5月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、感光チップと、レチクルパターンを形成するコードパターン層と、透明な保護層とを備えたリニアスケールヘッドのセンサーチップ構造であって、
前記基板は、少なくとも1つの導電パッドを有し、
前記感光チップは、前記基板上に設けられるとともに、少なくとも1つのピンを有し、
前記コードパターン層は、前記感光チップの相対する前記基板の一側表面上に形成されるとともに、透光性を有する絶縁層により覆われ
前記透明な保護層は、ポリイミドエポキシ樹脂からなるとともに前記絶縁層上に設けられ、前記保護層は各前記ピンを覆い、各前記ピンは再配線工程により前記保護層から延びる延伸部を有し、前記延伸部は前記ピンより低い位置まで延伸し、前記導線により前記導電パッドと接続されることを特徴とするリニアスケールヘッドのセンサー構造。