【解決手段】電池端子ユニット3は、電池の容器の少なくとも一部を構成すると共に挿通孔21を備えるカバー20と、一端側に設けられる外部端子部31と、他端側に設けられる内部端子部32と、を備え、一つの部材によって構成されると共に挿通孔21に挿通される導電性を有する端子部材30と、挿通孔21においてカバー20と端子部材30との間に介在してカバー20と端子部材30とを接続すると共に、挿通孔21を密閉する単一の絶縁部材40と、を有する。
電池の容器の少なくとも一部を構成する被取付部材に設けた挿通孔に対して、一端側に設けられる外部端子部と、他端側に設けられる内部端子部と、を備える一つの部材によって構成される導電性を有する端子部材を挿通する工程と、
前記被取付部材と前記挿通孔に挿通された前記端子部材とを絶縁材料で一体成型して、前記挿通孔において前記被取付部材と前記端子部材との間に介在する単一の絶縁部材により、前記被取付部材と前記端子部材とを接続すると共に前記挿通孔を密閉する工程と、
を有することを特徴とする電池端子ユニットの製造方法。
前記被取付部材の長手方向に沿って設けられた前記挿通孔に挿通される前記端子部材の板状の前記外部端子部と前記挿通孔の前記長手方向に直交する短手方向の長さよりも大きい幅を有する板状の前記内部端子部との間に、前記挿通孔の前記短手方向の長さよりも小さい幅を有する狭窄部を形成する工程を有し、
前記挿通する工程は、
前記内部端子部の幅方向と前記長手方向とを平行にして前記挿通孔に対して前記端子部材を前記内部端子部から挿通する過程において、前記狭窄部が前記挿通孔に到達した際に前記挿通孔に対する前記端子部材の挿通方向を回転軸として前記端子部材を回転させて前記内部端子部の幅方向が前記短手方向と平行になるようにする、
ことを特徴とする請求項5記載の電池端子ユニットの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態に係る電池端子ユニットにつき、詳細に説明する。図中、x軸、y軸及びz軸は、3軸直交座標系を成し、y軸の正方向を前方向、y軸の負方向を後ろ方向、x軸方向を左右方向、z軸の正方向を上方向、及びz軸の負方向を下方向として説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
<電池端子ユニットの構成>
本発明の第1の実施形態に係る電池端子ユニット3の構成につき、
図1から
図3を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0013】
電池端子ユニット3は、カバー20と、端子部材30と、絶縁部材40と、を有している。
【0014】
カバー20は、板状であり、導電性を有する材料により形成されている。カバー20には、板厚方向である上下方向に貫通して端子部材30を挿通可能にする挿通孔21が設けられている。挿通孔21は、カバー20の左右に一対設けられている。カバー20は、
図1に示すように、図示しない発電要素を収容するケース2と共に電池1の容器を構成しており、電池1の容器の一部を構成する被取付部材である。なお、カバー20は、導電性を有する材料により形成されている場合に限らず、絶縁性を有する材料により形成されていてもよい。
【0015】
端子部材30は、一つの部材によって構成された一体品であり、導電性を有する材料により形成されていると共にカバー20の挿通孔21に挿通されている。具体的には、端子部材30は、外部端子部31と、内部端子部32と、接続部33と、折り曲げ部34と、を備えている。
【0016】
外部端子部31は、板状であり、端子部材30の一端である上端に設けられている。外部端子部31は、カバー20から外部に突出して電池1の容器の外部に設けられていると共に絶縁部材40の上面に露出している。外部端子部31には、図示しない電極を挿通するための板厚方向である上下方向に貫通する貫通孔31aが設けられている。
【0017】
内部端子部32は、板状であり、端子部材30の他端である下端に設けられている。内部端子部32は、電池1の容器の内部に設けられており、図示しない発電要素に接続している。
【0018】
接続部33は、板状であり、外部端子部31と内部端子部32との間に設けられていると共に、挿通孔21に位置している。
【0019】
折り曲げ部34は、外部端子部31と接続部33との間において、外部端子部31の端部に接続して外部端子部31から下方に折り曲げられていると共に、接続部33の端部に接続して接続部33から内部側方に折り曲げられている。折り曲げ部34は、外部端子部31との接続部と接続部33との接続部との間においてL字状に折り曲げられており、接続部33との接続部側が絶縁部材40に埋設されている。
【0020】
一対の端子部材30のうちの一方は、電池の正極を構成し、例えばアルミニウムにより形成されている。また、一対の端子部材30のうちの他方は、電池の負極を構成し、例えば銅により形成されている。
【0021】
絶縁部材40は、単一の部材であり、挿通孔21及び挿通孔21の周囲においてカバー20と接続部33との間に介在して、カバー20と端子部材30とを互いに絶縁した状態で接続すると共に、カバー20と接続部33との間を密閉することにより挿通孔21を密閉している。絶縁部材40は、外部端子部31を上面に露出させる上段部41と、折り曲げ部34を埋設させる下段部42と、挿通孔21を密閉する密閉部43と、を備えている。上段部41には、外部端子部31の貫通孔31aに対応する位置において貫通孔31aに連通する円筒状の凹部41aが形成されている。
【0022】
<電池端子ユニットの製造方法>
本発明の第1の実施形態に係る電池端子ユニット3の製造方法につき、以下に詳細に説明する。
【0023】
まず、金属板をプレス成型機で加工することにより、左右に一対の挿通孔21を有するカバー20を形成する。
【0024】
また、金属板をプレス成型機で加工して端子部材30を形成する。
【0025】
次に、端子部材30の外部端子部31における絶縁部材40と当接する部分、接続部33及び折り曲げ部34における絶縁部材40と当接する部分に対して、表面に微細な凹凸を形成するための表面処理を施す。この表面処理は、端子部材30を所定の薬品に浸すことで微細な凹凸を有する接合膜を表面に形成する処理、又は端子部材30にレーザを照射して表面に微細な凹凸を形成する処理であり、端子部材30がアルミニウムで形成されている場合には例えばアルマイト処理である。
【0026】
次に、カバー20の挿通孔21に対して、端子部材30を上方から内部端子部32を先頭にして接続部33が挿通孔21に位置するまで挿通する。
【0027】
次に、端子部材30を挿通孔21に挿通させた状態で、カバー20及び端子部材30を成型用金型にセットして、この成型用金型に溶融した絶縁材料である樹脂を流し込んだ後に冷却してカバー20及び端子部材30と一体成型することにより、カバー20と端子部材30とを互いに絶縁した状態で接続すると共に、カバー20と接続部33との間及び挿通孔21を密閉する絶縁部材40を形成する。この際に、端子部材30の外部端子部31、接続部33及び折り曲げ部34における絶縁部材40と当接する部分に対して上記の表面処理を施すことにより、金属で形成されているカバー20及び端子部材30と、樹脂で形成されている絶縁部材40と、を強固に一体接合することができ、密閉性を向上させることができる。
【0028】
このように、本実施形態によれば、挿通孔21においてカバー20と端子部材30との間に介在する単一の絶縁部材40により、カバー20と端子部材30とを接続すると共に挿通孔21を密閉することにより、部品点数を減らすことができ、組み立てを簡単にすることができると共にコストを低減することができる。
【0029】
(第2の実施形態)
<電池端子ユニットの構成>
本発明の第2の実施形態に係る電池端子ユニット4の構成につき、
図4から
図6を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0030】
電池端子ユニット4は、カバー120と、端子部材130と、絶縁部材140と、を有している。
【0031】
カバー120は、板状であり、導電性を有する材料により形成されている。カバー120には、板厚方向である上下方向に貫通して端子部材130を挿通可能にする挿通孔121が設けられている。挿通孔121は、カバー120の左右に一対設けられている。挿通孔121は、
図5に示すように、挿通孔121の長手方向とカバー120の長手方向とが同一方向となるように形成されており、長手方向の中央が外方に膨らんだ形状を有している。カバー120は、電池の容器の一部を構成する被取付部材である。なお、カバー120は、導電性を有する材料により形成されている場合に限らず、絶縁性を有する材料により形成されていてもよい。また、挿通孔121は、
図5に示す形状に限らず、カバー120の長手方向を長辺、及びカバー120の長手方向に直交する短手方向を短辺とする長方形でもよい。
【0032】
端子部材130は、一つの部材によって構成された板状の一体品であり、導電性を有する材料により形成されていると共にカバー120の挿通孔121に挿通されている。具体的には、端子部材130は、外部端子部131と、内部端子部132と、狭窄部133と、を備えている。
【0033】
外部端子部131は、板状であり、カバー120に対して幅方向が前後方向と平行になるように配置されることにより、カバー120に対して幅方向が挿通孔121の長手方向である左右方向と交わるように配置されていると共に、カバー120に対して幅方向が挿通孔121の長手方向に直交する短手方向である前後方向と平行になるように配置されている。外部端子部131は、端子部材130の一端である上端に設けられていると共に、内方に折り曲げられている。外部端子部131は、カバー120から外部に突出して電池の容器の外部に設けられていると共に絶縁部材140の上面に露出している。外部端子部131には、図示しない電極を挿通するための板厚方向である上下方向に貫通する貫通孔131aが設けられている。
【0034】
内部端子部132は、板状であり、カバー120に対して幅方向が前後方向と平行になるように配置されることにより、カバー120に対して幅方向が挿通孔121の長手方向と交わるように配置されていると共に幅方向が挿通孔121の短手方向と平行になるように配置されている。内部端子部132は、端子部材130の他端である下端に設けられている。内部端子部132は、電池の容器の内部に設けられており、図示しない発電要素に接続している。内部端子部132の幅方向の長さW1は、挿通孔121の長手方向の長さL1よりも小さく(W1<L1)、挿通孔121の短手方向の長さL2よりも大きい(W1>L2)。ここで、挿通孔121の短手方向の長さL2は、挿通孔121内のy軸と平行な直線の長さのうちの最大となる長さである。
【0035】
狭窄部133は、外部端子部131と内部端子部132との間に設けられて挿通孔121に位置している。狭窄部133は、内部端子部132の幅方向の長さW1よりも小さい幅W2(W2<W1)及び厚さW3(W3<W1)を有している。狭窄部133は、挿通孔121の長手方向に直交する短手方向の長さL2よりも小さい幅W2(W2<L2)及び厚さW3(W3<L2)を有している。なお、狭窄部133の形状は、
図6に示す形状に限らず、四角形等の任意の形状にすることができる。
【0036】
端子部材130は、狭窄部133がくびれていると共に、外部端子部131の幅方向と内部端子部132の幅方向とが同一方向となる形状を有している。一対の端子部材130のうちの一方は、電池の正極を構成し、例えばアルミニウムにより形成されている。また、一対の端子部材130のうちの他方は、電池の負極を構成し、例えば銅により形成されている。
【0037】
絶縁部材140は、単一の部材であり、挿通孔121及び挿通孔121の周囲においてカバー120と狭窄部133との間に介在して、カバー120と端子部材130とを互いに絶縁した状態で接続すると共に、カバー120と狭窄部133との間を密閉することにより挿通孔121を密閉している。絶縁部材140には、外部端子部131の貫通孔131aに対応する位置において貫通孔131aに連通する円筒状の凹部140aが形成されている。絶縁部材140は、挿通孔21を密閉する密閉部141を備えている。
【0038】
<電池端子ユニットの製造方法>
本発明の第2の実施形態に係る電池端子ユニット4の製造方法につき、
図7を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0039】
図7において、
図7(a)は端子部材130をカバー120の挿通孔121に挿通している状態を示し、
図7(b)はカバー120及び端子部材130を成型用金型にセットする直前の状態を示している。
【0040】
まず、金属板をプレス成型機で加工することにより、左右に一対の挿通孔121を有するカバー120を形成する。この際に、カバー120の長手方向に沿って挿通孔121を形成することにより、挿通孔121とカバー120の前端との幅L3、及び挿通孔121とカバー120の後端との幅L4を大きくすることができるため、カバー120の強度を向上させることができる。
【0041】
また、金属板をプレス成型機で加工して端子部材130を形成する。この際に、外部端子部131と内部端子部132との間を叩いて狭窄部133を形成する。なお、狭窄部133は、叩いて形成する以外の方法で形成されてもよい。
【0042】
次に、端子部材130の外部端子部131における絶縁部材140と当接する部分及び狭窄部133に対して表面に微細な凹凸を形成するための表面処理を施す。この表面処理は、端子部材130を所定の薬品に浸すことで微細な凹凸を有する接合膜を表面に形成する処理、又は端子部材130にレーザを照射して表面に微細な凹凸を形成する処理であり、端子部材130がアルミニウムで形成されている場合には例えばアルマイト処理である。
【0043】
次に、内部端子部132の幅方向とカバー120の長手方向とを平行にして、カバー120の挿通孔121に対して、端子部材130を上方から内部端子部132を先頭にして挿通する(
図7(a))。
【0044】
挿通孔121に対して端子部材130を挿通する過程において、狭窄部133が挿通孔121に到達した際に、挿通孔121に対する端子部材130の挿通方向(上下方向)を回転軸として端子部材130を
図7において時計回りに90度回転させることにより、内部端子部132の幅方向がカバー120の長手方向と直交するようにする(
図7(b))。この際に、挿通孔121をカバー120の長手方向の中央が外方に膨らんだ形状にすることにより、端子部材130を容易に回転させることができる。なお、端子部材130を挿通方向を回転軸として回転させる際の回転角度は、90度に限らず、内部端子部132の幅方向とカバー120の長手方向とが交差する90度を含む所定範囲の角度にすることができる。
【0045】
次に、端子部材130を挿通孔121に挿通させた状態で、カバー120及び端子部材130を成型用金型にセットして、この成型用金型に溶融した絶縁材料である樹脂を流し込んだ後に冷却してカバー120及び端子部材130と一体成型することにより、カバー120と端子部材130とを互いに絶縁した状態で接続すると共に、カバー120と狭窄部133との間及び挿通孔121を密閉する絶縁部材140を形成する。この際に、外部端子部131における絶縁部材140と当接する部分及び狭窄部133に対して上記の表面処理を施すことにより、金属で形成されているカバー120及び端子部材130と、樹脂で形成されている絶縁部材140と、を強固に一体接合することができ、密閉性を向上させることができる。
【0046】
このように、端子部材130を1つの部材で構成する場合において、外部端子部131及び内部端子部132の幅方向がカバー120の長手方向と交わるように端子部材130を配置する場合に、端子部材130に狭窄部133を設けることにより、挿通孔121の長手方向とカバー120の長手方向とが同一方向になるように挿通孔121を設けることができるため、挿通孔121とカバー120の前端との幅L3、及び挿通孔121とカバー120の後端との幅L4を大きくすることができ、カバー120の強度を向上させることができる。
【0047】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る電池端子ユニット5の構成につき、
図8から
図10を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0048】
なお、
図8から
図10において、
図4から
図6と同一構成である部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0049】
電池端子ユニット5は、カバー120と、端子部材230と、絶縁部材240と、を有している。
【0050】
カバー120には、板厚方向である上下方向に貫通して端子部材230を挿通可能にする挿通孔121が設けられている。
【0051】
端子部材230は、一つの部材によって構成された板状の一体品であり、導電性を有する材料により形成されていると共にカバー120の挿通孔121に挿通されており、外部端子部231と、内部端子部232と、捻じれ部233と、を備えている。
【0052】
外部端子部231は、板状であり、カバー120に対して幅方向が前後方向と平行になるように配置されることにより、カバー120に対して幅方向が挿通孔121の長手方向と交わるように配置されていると共に幅方向が挿通孔121の短手方向と平行になるように配置されている。外部端子部231は、端子部材230の一端である上端に設けられていると共に、内方に折り曲げられている。外部端子部231は、カバー120から外部に突出して電池の容器の外部に設けられていると共に絶縁部材240の上面に露出している。
【0053】
内部端子部232は、板状であり、カバー120に対して幅方向が左右方向と平行になるように配置されることにより、カバー120に対して幅方向が挿通孔121の長手方向と平行になるように配置されていると共に幅方向が挿通孔121の短手方向と直交するように配置されている。内部端子部232は、端子部材230の他端である下端に設けられている。内部端子部232は、電池の容器の内部に設けられており、図示しない発電要素に接続している。内部端子部232の幅方向の長さは、挿通孔121の長手方向の長さL1よりも小さく、挿通孔121の短手方向の長さL2よりも大きい。
【0054】
捻じれ部233は、外部端子部231と内部端子部232との間に設けられていると共に、外部端子部231又は内部端子部232の幅方向に捻じれている。捻じれ部233は、外部端子部231の幅方向の長さよりも短い幅を有していると共に、内部端子部232の幅方向の長さよりも短い長さの幅を有している。捻じれ部233は、挿通孔121の短手方向の長さL2よりも小さい幅を有している。
【0055】
端子部材230は、捻じれ部233がくびれていると共に、外部端子部231の幅方向と内部端子部232の幅方向とが交わる形状を有している。一対の端子部材230のうちの一方は、電池の正極を構成し、例えばアルミニウムにより形成されている。また、一対の端子部材230のうちの他方は、電池の負極を構成し、例えば銅により形成されている。
【0056】
絶縁部材240は、単一の部材であり、挿通孔121及び挿通孔121の周囲においてカバー220と捻じれ部233との間に介在して、カバー220と端子部材230とを互いに絶縁した状態で接続すると共に、カバー220と捻じれ部233との間を密閉することにより挿通孔121を密閉している。絶縁部材240は、挿通孔121を密閉する密閉部241を備えている。
【0057】
<電池端子ユニットの製造方法>
本発明の第3の実施形態に係る電池端子ユニット5の製造方法につき、
図10及び
図11を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0058】
図11において、
図11(a)は加工前の展開した状態の金属板6を示しており、
図11(b)は加工した金属板6を示しており、
図11(c)はカバー120及び端子部材230を成型用金型にセットする直前の状態を示している。
【0059】
まず、金属板をプレス成型機で加工することにより、左右に一対の挿通孔121を有するカバー120を形成する。
【0060】
また、プレス成型機により、
図11(a)に示す長方形の金属板6の長手方向における両端部の中央を、金属板6の長手方向(左右方向)を回転軸として90度捩じる捩じり加工する(
図11(b))。
【0061】
次に、捻じれ部233を形成した金属板を、捻じれ部233から下方に90度折り曲げて捻じれ部233を形成して、
図10に示す外部端子部231及び内部端子部232を有する端子部材230を形成する。これにより、端子部材230を形成する際において、捩じり加工前の金属板6の展開面積を小さくすることができるため、特に長方形の金属板を逆L字状に打ち抜いて折り曲げて端子部材を形成する場合に比べて、材料取りを向上させることができ、コストを低減することができる。
【0062】
次に、端子部材230の外部端子部231における絶縁部材240と当接する部分及び捻じれ部233に対して表面に微細な凹凸を形成するための表面処理を施す。この表面処理は、端子部材230を所定の薬品に浸すことで微細な凹凸を有する接合膜を表面に形成する処理、又は端子部材230にレーザを照射して表面に微細な凹凸を形成する処理であり、端子部材230がアルミニウムで形成されている場合には例えばアルマイト処理である。
【0063】
次に、内部端子部232の幅方向とカバー120の長手方向とを平行にして、カバー120の挿通孔121に対して、端子部材230を上方から内部端子部232を先頭にして挿通する(
図11(c))。
【0064】
次に、端子部材230を挿通孔121に挿通させた状態で、カバー120及び端子部材230を成型用金型にセットして、この成型用金型に溶融した絶縁材料である樹脂を流し込んだ後に冷却してカバー120及び端子部材230と一体成型することにより、カバー120と端子部材230とを互いに絶縁した状態で接続すると共に、カバー120と捻じれ部233との間及び挿通孔121を密閉する絶縁部材240を形成する。この際に、外部端子部231における絶縁部材240と当接する部分及び捻じれ部233に対して上記の表面処理を施すことにより、金属で形成されているカバー120及び端子部材230と、樹脂で形成されている絶縁部材240と、を強固に一体接合することができ、密閉性を向上させることができる。
【0065】
このように、カバー120に対して内部端子部232の幅方向がカバー120の長手方向と平行になるように端子部材230を配置することにより、挿通孔121の長手方向とカバー120の長手方向とが同一方向になるように挿通孔121を設けることができるため、挿通孔121とカバー120の前端との幅L3、及び挿通孔121とカバー120の後端との幅L4を大きくすることができ、カバー120の強度を向上させることができる。
【0066】
なお、本実施形態において、外部端子部231の幅方向がカバー120の長手方向と交わると共に内部端子部232の幅方向がカバー120の長手方向と平行になるように端子部材230を配置したが、外部端子部の幅方向と内部端子部の幅方向とが同一方向となる形状を有すると共に、外部端子部及び内部端子部の幅方向がカバー120の長手方向と交わるように配置してもよい。この場合の電池端子ユニットは、捻じれ部が挿通孔121に位置するように形成される。この場合には、内部端子部の幅方向と挿通孔121の長手方向とを平行にして端子部材を挿通孔121に挿通する過程において、捻じれ部が挿通孔121の位置に到達した際に、端子部材の挿通方向を回転軸として端子部材を回転させることにより、カバー120に対して端子部材を適正に配置することができる。これにより、挿通孔121の長手方向とカバー120の長手方向とが同一方向になるように挿通孔121を設けることができるため、挿通孔121とカバー120の前端との幅L3、及び挿通孔121とカバー120の後端との幅L4を大きくすることができ、カバー120の強度を向上させることができる。
【0067】
また、本実施形態において、挿通孔121の長手方向とカバー120の長手方向とが同一方向になるように挿通孔121を設けたが、挿通孔の長手方向とカバーの長手方向とが交わるように挿通孔を設けてもよい。この場合の電池端子ユニットは、捻じれ部233が挿通孔に位置するように形成される。この場合には、内部端子部132の幅方向と挿通孔の長手方向とを平行にして端子部材230を挿通孔に挿通する過程において、捻じれ部233が挿通孔の位置に到達した際に、端子部材230の挿通方向を回転軸として端子部材230を回転させることにより、カバーに対して端子部材230を適正に配置することができる。
【0068】
本発明は、部材の種類、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
【0069】
具体的には、上記第1の実施形態から第3の実施形態において、電池の容器の一部を構成するカバーに端子部材を設けたが、電池の容器の一部を構成するカバー以外の被取付部材、又は電池の容器全体に端子部材を設けてもよい。