【解決手段】電源回路10は、電源5から複数の圧電素子2b〜4bに対する電力の供給をそれぞれ制御する複数の制御回路31〜33と、電源5と複数の制御回路31〜33との間に設けられたDC−DCコンバータ11と、を備える。DC−DCコンバータ11は、電源5に電気的に接続される1次巻線12と、複数の制御回路31〜33に電気的に接続され、中性点13cを有する2次巻線13と、を有する。複数の圧電素子2b〜4bは、一対の接続端子のうち一方の接続端子が、DC−DCコンバータ11における2次巻線13の中性点13cに電気的に接続されている。複数の圧電素子2b〜4bのうち少なくとも二つの負荷は、前記一方の接続端子が接地されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の振動式搬送装置では、振動発生源として、電磁式振動源や圧電式振動源が用いられている。近年では、前記振動式搬送装置の小型化や高速化に伴い、前記振動発生源として、前記圧電式振動源が多く用いられている。また、前記圧電式振動源として、弾性金属板(弾性体)に圧電素子が接着されてなる圧電駆動体が多く用いられている。この圧電駆動体では、前記弾性金属板が装置の架台に電気的に接続されている。そのため、前記圧電駆動体では、電気的安全性を確保するために、励振用駆動回路(コントローラ)の出力側に絶縁トランスを接続し、この絶縁トランスを介して前記圧電素子を駆動するようにしている。
【0007】
上述の特許文献1に開示されている構成及び上述の構成のように、圧電素子とコントローラとの間に前記絶縁トランスを設けることにより、回路における電源側と圧電素子側とで短絡が発生することを防止できる。
【0008】
しかしながら、前記特許文献1の構成のように振動機構部の圧電素子とコントローラとの間に昇圧絶縁トランスを設ける構成を、電源から、電気的に並列に接続された複数のコントローラを介して複数の振動機構部(負荷)に電力を供給する構成に適用した場合、負荷毎に絶縁トランスを設ける必要がある。そうすると、必要な絶縁トランスの数が増加して、電源回路が大型化する。したがって、パーツフィーダ等の装置が大型化する。
【0009】
本発明の目的は、電源から、電気的に並列に接続された複数の負荷に対して電力を供給する電源回路において、大型化を防止しつつ、短絡を防止可能な構成を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態に係る電源回路は、電源から、電気的に並列に接続された複数の負荷に対して電力を供給する電源回路である。この電源回路は、前記電源から前記複数の負荷に対する電力の供給をそれぞれ制御する複数の制御回路と、前記電源と前記複数の制御回路との間に設けられた絶縁トランスと、を備える。前記複数の負荷は、それぞれ、前記制御回路に電気的に接続される一対の接続端子を有する。前記絶縁トランスは、前記電源に電気的に接続される1次巻線と、前記複数の制御回路に電気的に接続され、中性点を有する2次巻線と、を有する。前記複数の負荷は、前記一対の接続端子のうち一方の接続端子が、前記絶縁トランスにおける前記2次巻線の前記中性点に電気的に接続されている。前記複数の負荷のうち少なくとも二つの負荷は、前記一方の接続端子が接地されている(第1の構成)。
【0011】
電源から、電気的に並列に接続された複数の負荷に対して電力を供給する電源回路において、前記電源と前記複数の負荷に対する電力の供給をそれぞれ制御する複数の制御回路との間に、絶縁トランスを設けることにより、電源側と複数の制御回路側とを電気的に絶縁することができる。これにより、従来のように制御回路毎に絶縁トランスを設ける必要がないため、電源回路の大型化を防止できる。
【0012】
しかも、上述のように制御回路毎に絶縁トランスを設ける必要がないことから、絶縁トランスの構成を、負荷の駆動周波数に比べて高い周波数で駆動する構成にすることができる。これにより、従来の構成に比べて、絶縁トランスの小型化を図れる。
【0013】
また、前記複数の負荷のうち少なくとも二つの負荷が接地されている場合、前記複数の制御回路間で短絡回路が形成されると、短絡が生じる可能性がある。これに対し、前記複数の負荷において前記制御回路に電気的に接続される一対の接続端子のうち一方の接続端子を、前記絶縁トランスの中性点に接続することにより、前記複数の制御回路間で短絡回路が形成されることを防止できる。
【0014】
以上の構成により、電源から、電気的に並列に接続された複数の負荷に対して電力を供給する電源回路において、大型化を防止しつつ、短絡を防止可能な構成を得ることができる。
【0015】
前記第1の構成において、前記制御回路は、ハーフブリッジ回路である(第2の構成)。これにより、上述のように、負荷の一対の接続端子のうち一方の接続端子を、ハーフブリッジ回路を介して、絶縁トランスにおける2次巻線の中性点に電気的に接続することができる。よって、前記第1の構成を実現することができる。
【0016】
前記第1または第2の構成において、前記絶縁トランスは、DC−DCコンバータを構成する(第3の構成)。これにより、電源から複数の制御回路に電力を供給する際に、電圧を変圧させることができる。
【0017】
本発明の一実施形態に係るパーツフィーダは、前記第1から3の構成のうちいずれか一つの構成における電源回路と、前記電源回路によって前記電源から電力が供給される前記複数の負荷としての複数の圧電素子と、を備える。前記パーツフィーダは、前記複数の圧電素子によって生じる振動により、搬送品を搬送する(第4の構成)。
【0018】
これにより、電源から複数の制御回路を介して複数の圧電素子に対して電力を供給するパーツフィーダにおいて、前記複数の制御回路毎に絶縁トランスを設ける必要がなくなるとともに、前記複数の制御回路間で短絡回路が形成されることを防止できる。よって、コンパクトで且つ短絡を防止可能なパーツフィーダが得られる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一実施形態に係る電源回路によれば、電源から複数の制御回路を介して電力が供給される複数の負荷は、一対の接続端子のうち一方の接続端子が、前記電源と前記複数の制御回路との間に設けられた絶縁トランスの2次巻線の中性点に電気的に接続されている。前記複数の負荷のうち少なくとも二つの負荷は、前記一方の接続端子が接地されている。
【0020】
これにより、前記複数の制御回路毎に絶縁トランスを設ける必要がなくなるとともに、前記複数の制御回路間で短絡回路が形成されることを防止できる。したがって、電源から、電気的に並列に接続された複数の負荷に対して電力を供給する電源回路において、大型化を防止しつつ、短絡を防止可能な構成を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中の同一または相当部分については同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
【0023】
(パーツフィーダの全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る電源回路10を備えたパーツフィーダ1の概略構成を示す図である。パーツフィーダ1は、例えば電子部品などの搬送品を、搬送路上で振動によって移動させながら所定の搬送先に搬送する装置である。なお、
図1では、パーツフィーダ1の各構成の位置関係を説明するために、パーツフィーダ1を上方から見た図を示す。
【0024】
具体的には、パーツフィーダ1は、ボウルフィーダ2と、ホッパ3と、リニアフィーダ4と、電源回路10とを備える。ボウルフィーダ2は、収容された搬送品を後述するスパイラル状のボウル搬送路2aに沿って整列させながら搬送する。ホッパ3は、ボウルフィーダ2内に搬送品を供給する。リニアフィーダ4は、ボウル搬送路2aに連続する後述の直線状のリニア搬送路に沿って、搬送品を搬送先に搬送する。
【0025】
以下で、ボウルフィーダ2、ホッパ3及びリニアフィーダ4の各構成を説明する。
【0026】
ボウルフィーダ2は、平面視で略円形状であり且つ上方に向かって開口する鉢状の装置である。これにより、ボウルフィーダ2は、その内部に、多数の搬送品を貯留することができる。また、ボウルフィーダ2は、内面上に、搬送品が貯留される部分から開口側に向かってスパイラル状に延びるボウル搬送路2aを有する。このボウル搬送路2aは、リニアフィーダ4の後述するリニア搬送路4aに連続するように接続されている。
【0027】
ボウルフィーダ2には、起震源である圧電素子2bによって、振動が生じる。圧電素子2bは、圧電体を有する。前記圧電体は、印加された電圧に応じて伸縮する。圧電素子2bは、ボウルフィーダ2に対し、ボウルフィーダ2を加振可能に取り付けられている。よって、圧電素子2bに対し、電源回路10によって電圧を印加することにより、ボウルフィーダ2には圧電素子2bによって振動が生じる。なお、圧電素子2bは、ボウルフィーダ2に複数取り付けられていてもよい。
【0028】
上述のように、圧電素子2bによってボウルフィーダ2に振動を生じさせることにより、ボウルフィーダ2内に収容された搬送品を、ボウル搬送路2aに沿って移動させることができる。また、詳しい説明は省略するが、ボウル搬送路2aを搬送される搬送品は、圧電素子2bによって生じる振動とボウルフィーダ2の内面の傾斜とにより、所定の向きに整列される。
【0029】
リニアフィーダ4は、リニア搬送路4aを有する。リニア搬送路4aは、ボウル搬送路2aから直線状に延びる。リニアフィーダ4には、起震源である圧電素子4bによって、振動が生じる。圧電素子4bの構成は、ボウルフィーダ2の圧電素子2bと同様なので、圧電素子4bの説明を省略する。なお、圧電素子4bは、リニアフィーダ4に複数取り付けられていてもよい。
【0030】
リニアフィーダ4は、ボウル搬送路2aからリニア搬送路4aに搬送された搬送品を、圧電素子4bによって生じた振動により、リニア搬送路4aの終端まで搬送して所定の搬送先に供給する。
【0031】
ホッパ3は、ボウルフィーダ2に供給する搬送品を貯留する内部空間3aを有する。また、ホッパ3は、内部空間3aからボウルフィーダ2の上方に向かって延びる漏斗状の供給部3cを有する。ホッパ3には、起震源である圧電素子3bによって、振動が生じる。圧電素子3bの構成も、ボウルフィーダ2の圧電素子2b及びリニアフィーダ4の圧電素子4bと同様なので、圧電素子3bの説明を省略する。なお、圧電素子3bは、ホッパ3に複数取り付けられていてもよい。
【0032】
上述のように、圧電素子3bによってホッパ3に振動を生じさせることにより、内部空間3a内の搬送品は、供給部3cからボウルフィーダ2に供給される。
【0033】
電源回路10は、ボウルフィーダ2、ホッパ3及びリニアフィーダ4の圧電素子2b〜4bに対して、電源5から電力を供給する。すなわち、電源回路10は、パーツフィーダ1の圧電素子2b〜4bに対する電力供給を制御する。電源回路10は、パーツフィーダ1の図示しない制御装置に含まれる。電源回路10の詳しい構成は、後述する。
【0034】
電源5は、本実施形態の場合、直流電源である。電源5は、例えば、工場等に設置される定電圧の電源である。
【0035】
(電源回路)
図2は、電源回路10の概略構成を示す回路図である。以下で、
図2を用いて、電源回路10の構成を説明する。
【0036】
図2に示すように、電源回路10は、電源5に対して電気的に接続されているとともに、ボウルフィーダ2、ホッパ3及びリニアフィーダ4の圧電素子2b〜4bに対しても、配線等によって電気的に接続されている。すなわち、圧電素子2b〜4bは、それぞれ、電源回路10に対する負荷である。なお、電源5は、接地されている。
【0037】
特に図示しないが、圧電素子2b〜4bには、それぞれ、電源回路10と電気的に接続される一対の接続端子を有する。すなわち、圧電素子2b〜4bに対し、電源回路10から、前記一対の接続端子を介して電力が供給される。
【0038】
なお、
図2には、圧電素子2b〜4bがそれぞれ一つずつ図示されている。しかしながら、電源回路10に対し、圧電素子2bが複数接続されていてもよいし、圧電素子3bが複数接続されていてもよいし、圧電素子4bが複数接続されていてもよい。電源回路10に対して同じ機器の複数の圧電素子が接続される場合、前記複数の圧電素子は電気的に並列に接続された状態で、電源回路10に電気的に接続される。
【0039】
電源回路10は、DC−DCコンバータ11を有する。DC−DCコンバータ11は、電源5から出力される直流電圧を、任意の電圧にコントロールすることができる。DC−DCコンバータ11は、絶縁トランスによって構成されている。すなわち、DC−DCコンバータ11は、いわゆる絶縁型DC−DCコンバータである。DC−DCコンバータ11は、1次巻線12と2次巻線13とを有する。
【0040】
電源回路10は、DC−DCコンバータ11の1次巻線12を含む1次側回路20と、DC−DCコンバータ11の2次巻線13を含む2次側回路30とを有する。1次側回路20は、電源5に電気的に接続されている。2次側回路30は、ボウルフィーダ2、ホッパ3及びリニアフィーダ4の圧電素子2b〜4bに、電気的に接続されている。
【0041】
1次側回路20は、DC−DCコンバータ11の1次巻線12と、コンデンサ21と、スイッチング素子22とを有する。
【0042】
1次巻線12の一端12aは、電源5の一方の端子に電気的に接続されている。1次巻線12の他端12bは、スイッチング素子22を介して、電源5の他方の端子に電気的に接続されている。
【0043】
コンデンサ21は、電源5に対して電気的に並列に接続されている。コンデンサ21は、電源5の直流電圧を平滑化する。
【0044】
スイッチング素子22は、1次巻線12に対して電気的に直列に接続されている。スイッチング素子22は、DC−DCコンバータ11の1次巻線12に流れる電流を制御する。スイッチング素子22がオン状態のときには、電源5から1次巻線12に電流が流れる一方、スイッチング素子22がオフ状態のときには、1次巻線12に電流は流れない。
【0045】
上述のようにスイッチング素子22がオン状態で1次巻線12に電流が流れている間は、1次巻線12に発生する磁束によってDC−DCコンバータの図示しないコアが磁化される。このとき、後述するように、2次側回路30のダイオード34,35により、2次巻線13には、電流が流れない。
【0046】
一方、スイッチング素子22がオフ状態で1次巻線12に電流が流れていない間は、DC−DCコンバータ11の磁化された前記コアの影響により、2次巻線13に電流が流れる。
【0047】
すなわち、本実施形態のDC−DCコンバータ11は、いわゆるフライバックコンバータである。
【0048】
2次側回路30は、DC−DCコンバータ11の2次巻線13と、複数の制御回路31〜33と、ダイオード34,35と、コンデンサ36,37とを有する。
【0049】
2次巻線13は、一端13aと他端13bとの間に、中性点13cを有する。2次巻線13の一端13a、他端13b及び中性点13cは、複数の制御回路31〜33に電気的に接続されている。すなわち、複数の制御回路31〜33は、2次巻線13に対して電気的に並列に接続されている。
【0050】
制御回路31は、ボウルフィーダ2の圧電素子2bに電気的に接続されている。制御回路32は、ホッパ3の圧電素子3bに電気的に接続されている。制御回路33は、リニアフィーダ4の圧電素子4bに電気的に接続されている。よって、複数の制御回路31〜33は、圧電素子2b〜4bと、2次巻線13との間に設けられている。
【0051】
圧電素子2bの一方の接続端子は、制御回路31を介して、2次巻線13の中性点13cに電気的に接続されている。圧電素子3bの一方の接続端子は、制御回路32を介して、2次巻線13の中性点13cに電気的に接続されている。圧電素子4bの一方の接続端子は、制御回路33を介して、2次巻線13の中性点13cに電気的に接続されている。
【0052】
制御回路31は、電気的に直列に接続された第1スイッチング素子31a及び第2スイッチング素子31bを有する。第1スイッチング素子31aと第2スイッチング素子31bとの中点は、リアクトル41を介して、圧電素子2bの他方の接続端子に電気的に接続されている。
【0053】
制御回路32は、電気的に直列に接続された第1スイッチング素子32a及び第2スイッチング素子32bを有する。第1スイッチング素子32aと第2スイッチング素子32bとの中点は、リアクトル42を介して、圧電素子3bの他方の接続端子に電気的に接続されている。
【0054】
制御回路33は、電気的に直列に接続された第1スイッチング素子33a及び第2スイッチング素子33bを有する。第1スイッチング素子33aと第2スイッチング素子33bとの中点は、リアクトル43を介して、圧電素子4bの他方の接続端子に電気的に接続されている。
【0055】
第1スイッチング素子31a〜33aは、2次巻線13の一端13aに電気的に接続されている。第2スイッチング素子31b〜33bは、2次巻線13の他端13bに電気的に接続されている。
【0056】
すなわち、複数の制御回路31〜33は、それぞれ、ハーフブリッジ回路である。
【0057】
なお、圧電素子2b〜4bの前記一方の接続端子は、それぞれ、接地されている。すなわち、圧電素子2bは、ボウルフィーダ2の図示しないケーシングに取り付けられることにより、圧電素子2bの前記一方の接続端子が接地されている。圧電素子3bは、ホッパ3の図示しないケーシングに取り付けられることにより、圧電素子3bの前記一方の接続端子が接地されている。圧電素子4bは、リニアフィーダ4の図示しないケーシングに取り付けられることにより、圧電素子4bの前記一方の接続端子が接地されている。
【0058】
したがって、本実施形態では、圧電素子2b〜4bにおける一対の接続端子のうち、接地されている前記一方の接続端子が、DC−DCコンバータ11における2次巻線13の中性点13cに電気的に接続されている。
【0059】
ダイオード34は、2次巻線13の一端13aと第1スイッチング素子31a〜33aとの間に、2次巻線13の一端13aから第1スイッチング素子31a〜33aへの電流の流れを許容するように設けられている。ダイオード35は、第2スイッチング素子31b〜33bと2次巻線13の他端13bとの間に、第2スイッチング素子31b〜33bから2次巻線13の他端13bへの電流の流れを許容するように設けられている。
【0060】
これにより、2次巻線13からハーフブリッジ回路である複数の制御回路31〜33に流れる電流の向きが規制される。よって、既述のように、1次側回路20のスイッチング素子22がオン状態のときに1次巻線12の一端12aから他端12bに電流が流れた場合でも、2次巻線13には電流が流れない。一方、1次側回路20のスイッチング素子22がオフ状態のときには、DC−DCコンバータ11の磁化されたコアの影響により、2次巻線13の中性点13cから一端13a、または、2次巻線13の他端13bから中性点13cに、電流が流れる。
【0061】
コンデンサ36は、2次巻線13の中性点13c及び一端13aに対して、電気的に並列に接続されている。コンデンサ37は、2次巻線13の他端13b及び中性点13cに対して、電気的に並列に接続されている。
【0062】
(電源回路の動作)
次に、上述の構成を有する電源回路10の動作について説明する。
図3は、電源回路10の第1スイッチング素子31a〜33aがオン状態のときの電源回路10内の電流の流れを示す図である。
図4は、電源回路10の第2スイッチング素子31b〜33bがオン状態のときの電源回路10内の電流の流れを示す図である。
【0063】
図3に実線矢印で示すように、電源回路10の第1スイッチング素子31aがオン状態のときには、2次側回路30には、2次巻線13の一端13aから、第1スイッチング素子31aを介して、圧電素子2bに電流が流れる。その後、2次巻線13の中性点13cに電流が流れる。
【0064】
同様に、電源回路10の第1スイッチング素子32aがオン状態のときには、2次側回路30には、2次巻線13の一端13aから、第1スイッチング素子32aを介して、圧電素子3bに電流が流れる。その後、2次巻線13の中性点13cに電流が流れる。
【0065】
同様に、電源回路10の第1スイッチング素子33aがオン状態のときには、2次側回路30には、2次巻線13の一端13aから、第1スイッチング素子33aを介して、圧電素子4bに電流が流れる。その後、2次巻線13の中性点13cに電流が流れる。
【0066】
このように、電源回路10の第1スイッチング素子31a〜33aがオン状態のときには、電流は、2次巻線13の一端13aから複数の制御回路31〜33に流れて、2次巻線13の中性点13cに流れる。すなわち、電流は、圧電素子2b〜4bに流れる。
【0067】
図4に実線矢印で示すように、電源回路10の第2スイッチング素子31bがオン状態のときには、2次側回路30には、2次巻線13の中性点13cから圧電素子2bに電流が流れる。その後、第2スイッチング素子31bを介して、2次巻線13の他端13bに電流が流れる。
【0068】
同様に、電源回路10の第2スイッチング素子32bがオン状態のときには、2次側回路30には、2次巻線13の中性点13cから圧電素子3bに電流が流れる。その後、第2スイッチング素子32bを介して、2次巻線13の他端13bに電流が流れる。
【0069】
同様に、電源回路10の第2スイッチング素子33bがオン状態のときには、2次側回路30には、2次巻線13の中性点13cから圧電素子4bに電流が流れる。その後、第2スイッチング素子33bを介して、2次巻線13の他端13bに電流が流れる。
【0070】
このように、電源回路10の第2スイッチング素子31b〜33bがオン状態のときには、電流は、2次巻線13の中性点13cから複数の制御回路31〜33に流れて、2次巻線13の他端13bに流れる。すなわち、電流は、圧電素子2b〜4bに流れる。
【0071】
ところで、第1スイッチング素子31a〜33a及び第2スイッチング素子31b〜33bのスイッチングのタイミング等によっては、電源回路10において、
図3及び
図4に示す上述のような経路以外の経路に電流が流れる場合がある。本実施形態の構成では、このような場合でも、圧電素子2b〜4bに、電流が流れる。
【0072】
このように、電源回路10では、第1スイッチング素子31a〜33a及び第2スイッチング素子31b〜33bのスイッチングパターンがどのようなスイッチングパターンの場合でも、圧電素子2b〜4bに電流が流れる。
【0073】
以上より、電源回路10を本実施形態の構成にすることで、複数の制御回路31〜33間で短絡回路が形成されることを防止できる。よって、複数の制御回路31〜33間で短絡が生じることを防止できる。
【0074】
なお、第1スイッチング素子31a〜33a及び第2スイッチング素子31b〜33bは、それぞれ、ボウルフィーダ2、ホッパ3及びリニアフィーダ4の圧電素子2b〜4bに対して要求される周波数の電圧を印加するように、駆動制御される。
【0075】
以上のような本実施形態の構成により、電源回路10によって、パーツフィーダ1の複数の装置に対して電力を供給することができる。しかも、電源回路10において、電源5側に絶縁トランスによって構成されたDC−DCコンバータ11を設けることにより、従来のように各制御回路と負荷との間に絶縁トランスを設ける場合に比べて、大型化を防止できる。よって、電源回路10を備えたパーツフィーダ1の大型化を防止できる。
【0076】
しかも、絶縁トランスによって構成されたDC−DCコンバータ11を、負荷の駆動周波数に比べて高い周波数で駆動する構成にすることができる。これにより、制御回路毎に絶縁トランスを設ける従来の構成に比べて、絶縁トランスの小型化を図れる。
【0077】
また、本実施形態では、電源回路10において、電源5から複数の圧電素子2b〜4bに電力を供給する複数の制御回路31〜33は、それぞれ、第1スイッチング素子31a〜33a及び第2スイッチング素子31b〜33bによって構成されたハーフブリッジ回路である。複数の制御回路としてフルブリッジ回路を用いた場合、スイッチング素子の駆動状態によっては、複数の制御回路間で短絡回路が形成される可能性がある。これに対し、上述のように、複数の制御回路31〜33としてハーフブリッジ回路を用いて、複数の圧電素子2b〜4bにおける一方の接続端子を2次巻線13の中性点13cに電気的に接続することにより、複数の制御回路31〜33間で短絡回路が形成されることを防止できる。しかも、第1スイッチング素子31a〜33a及び第2スイッチング素子31b〜33bのスイッチングパターンがどのようなスイッチングパターンの場合でも、圧電素子2b〜4bに電流を流すことができる。これにより、複数の制御回路31〜33間で短絡が生じることを防止できる。
【0078】
したがって、電源5から、電気的に並列に接続された複数の圧電素子2b〜4bに対して電力を供給する電源回路10において、大型化を防止しつつ、短絡を防止可能な構成を得ることができる。
【0079】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0080】
前記実施形態では、リニアフィーダ4は、リニア搬送路4aを有する。しかしながら、リニアフィーダは、搬送品のオーバーフロー時や搬送品が所定の搬送姿勢ではない場合に、その搬送品をボウルフィーダのボウル搬送路に戻すリターン部を有していてもよい。このリターン部も、圧電素子によって生じる振動により、搬送品をボウル搬送路に搬送する。このようにリニアフィーダがリターン部を有する場合、電源回路は、電気的に並列に接続された制御回路を4つ有する。
【0081】
前記実施形態では、電源回路10は、DC−DCコンバータ11の2次巻線13に対して電気的に並列に接続された3つの制御回路31〜33を有する。そして、制御回路31〜33は、圧電素子2b〜4bに電気的に接続されている。しかしながら、電源回路は、制御回路を2つ有していてもよいし、4つ以上有していてもよい。すなわち、電源回路は、電気的に並列に接続された複数の制御回路を有していればよい。この場合、複数の制御回路は、それぞれ、圧電素子に対する電力の供給を制御する。
【0082】
前記実施形態では、電源回路10のDC−DCコンバータ11は、フライバックコンバータである。しかしながら、DC−DCコンバータは、1次側回路のスイッチング素子がオン状態のときに2次側回路に電流を流す、いわゆるフォワードコンバータであってもよい。すなわち、DC−DCコンバータは、どのようなコンバータであってもよい。
【0083】
前記実施形態では、電源回路10の絶縁トランスは、DC−DCコンバータ11として機能する。しかしながら、電源回路の絶縁トランスは、DC−DCコンバータ以外の構成として機能してもよい。
【0084】
前記実施形態では、パーツフィーダ1における圧電素子2b〜4bの他方の接続端子は、それぞれ、接地されている。しかしながら、一部の圧電素子における接続端子は、接地されていなくてもよい。なお、複数の圧電素子のうち少なくとも二つの圧電素子が接地されている場合に、複数の制御回路間で短絡回路が構成される可能性がある。そのため、本発明の構成は、複数の圧電素子のうち少なくとも二つの圧電素子が接地されている場合に効果的である。この場合、接地されていない圧電素子は、一対の接続端子のうちいずれ一方の接続端子が2次巻線13の中性点13cに電気的に接続されていればよい。
【0085】
パーツフィーダ1における圧電素子2b〜4bの少なくとも一つは、各装置のケーシングに対して絶縁部材等によって絶縁されていてもよい。
【0086】
前記実施形態では、電源回路10の制御回路31〜33は、ハーフブリッジ回路である。しかしながら、制御回路は、圧電素子を2次巻線の中性点に電気的に接続可能な構成であれば、他の回路構成であってもよい。
【0087】
前記実施形態では、パーツフィーダ1の圧電素子2b〜4bに対して電力を供給する電源5は、直流電源である。しかしながら、電源は、交流電源であってもよい。この場合には、電源と電源回路との間に、整流回路等を設ければよい。
【0088】
前記実施形態では、電源5は接地されている。しかしながら、電源5は接地されていなくてもよい。
【0089】
前記実施形態では、電源回路10によって電源から電力が供給される装置の一例として、パーツフィーダ1を説明した。しかしながら、電源回路によって電源から複数の負荷に対して電力が供給される装置であれば、パーツフィーダ以外の装置に対し、前記実施形態の電源回路によって、電源から電力を供給してもよい。
【0090】
前記実施形態では、電源回路10によって電源5からの電力供給を制御する対象である負荷は、圧電素子2b〜4bである。しかしながら、前記負荷は、例えばモータなど、電力が供給される機器または部品であってもよい。