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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-193768(P2019-193768A)
(43)【公開日】2019年11月7日
(54)【発明の名称】スライドレールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/57 20170101AFI20191011BHJP
   A47B 88/40 20170101ALI20191011BHJP
【FI】
   A47B88/16 A
   A47B88/04 E
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-215160(P2018-215160)
(22)【出願日】2018年11月16日
(31)【優先権主張番号】107114963
(32)【優先日】2018年4月30日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 石龍
(72)【発明者】
【氏名】郭 建宏
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【テーマコード(参考)】
3B060
【Fターム(参考)】
3B060NA03
3B060NB01
3B060ND01
3B060PA02
3B060PA04
(57)【要約】
【課題】 スライドレールと戻り機構との間の信頼性を改善可能なスライドレールアセンブリを提供すること。
【解決手段】 スライドレールアセンブリは第1のレール、第2のレール、ベース、弾性部材及び作用部材を含む。第1のレールは位置決め部を備える。第2のレールは引っ込め位置から第1の方向に沿って第1のレールに対して可動であるとともに係合部を備える。ベースは第1のレールに可動に取り付けられる。作用部材はベースに対して回転可能であるとともに、作動構造を備える。作動構造は第1の部分及び第2の部分を含む。第2の部分は、弾性部材が第2の方向に沿って弾性力を蓄積できるように位置決め部と係合するように構成されている。第1の部分は、係合部が作用部材から所定の方向に沿って外れるのを防止するために保持部を備える。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置決め部及びガイド部を備える第1のレールと、
前記第1のレールに対して長手方向に可動であるとともに係合部を備える第2のレールと、
前記第1のレールに対して第1の位置と第2の位置との間に位置するように構成されたベースと、
前記ベースに弾性力を提供するように構成された弾性部材と、
前記ベースに対して回転可能な作用部材であって、該作用部材は作動構造を備え、該作動構造は第1の部分及び第2の部分を含む、作用部材と、
を含むスライドレールアセンブリであって、
前記第2のレールが前記第1のレールに対して第1の方向に沿って引っ込め位置から動かされた場合、前記第2のレールは、前記係合部が前記作動構造の第1の部分と係合することを通じて前記作用部材及び前記ベースを駆動して前記第1の位置から遠ざけ、前記作用部材が前記ガイド部のガイドを通じて前記作動構造の第2の部分により偏向された場合、前記作動構造の第2の部分は前記ベースを前記第2の位置で保持するために前記位置決め部と係合するように構成され、前記作動構造の第1の部分は前記第2のレールの係合部から外れるように構成され、
前記ベースが前記第2の位置で保持されている場合、前記弾性部材は、前記第2のレールを第2の方向に沿って所定の位置から前記引っ込め位置に引っ込めるために前記第1の位置に向かう方向に沿って弾性力を蓄積するように構成され、
前記作動構造の第1の部分は、前記第2のレールの係合部が前記作用部材から横方向に外れるのを防止するために保持部を備える、スライドレールアセンブリ。
【請求項2】
前記ガイド部は前記位置決め部に隣接し、前記ガイド部は傾斜面及び湾曲面のうちの一方を有する、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項3】
前記第1のレールに配置される固定部をさらに含み、
前記ベースは前記第1のレールに可動に取り付けられ、前記弾性部材は前記固定部材及び前記ベースに接続され、
前記第1のレールは前部及び後部を有し、前記固定部は前記第1のレールの後部に隣接する、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項4】
前記作用部材はシャフトを通じて前記ベースに枢結され、前記作動構造の第1の部分及び第2の部分は前記作用部材の2つの側にそれぞれ位置する、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項5】
前記作用部材には空間が形成され、前記作動構造の第1の部分は該空間を通じて前記作用部材に対して可動であり、該空間には制動媒体が充填されている、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項6】
前記作動構造の第1の部分は前記作用部材に対して固定されている、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項7】
位置決め部を備える第1のレールと、
前記第1のレールに対して引っ込め位置と所定の位置との間に位置するように構成されるとともに、係合部を備える第2のレールと、
前記第1のレールに対して第1の位置と第2の位置との間に位置するよう構成されたベースと、
弾性部材と、
前記ベースに枢結される作用部材であって、該作用部材は作動構造を備える、作用部材と、
を含むスライドレールアセンブリであって、
前記作用部材が前記位置決め部と係合した状態で前記ベースが前記第2の位置に位置している場合、前記弾性部材は前記第1の位置に向かう方向に沿って弾性力を蓄積するように構成され、
前記ベースが前記弾性部材の弾性力に反応して前記第1の位置の方に移動して前記第2のレールが前記所定の位置から前記引っ込め位置に引っ込められるよう前記位置決め部から前記作用部材を外すために、前記第2のレールは前記係合部を通じて前記作用部材の作用構造と係合するように構成され、
前記作動構造は前記第2のレールの係合部が所定の方向に沿って前記作用部材から外れるのを防止するよう構成された保持部を含む、スライドレールアセンブリ。
【請求項8】
前記第2のレールの係合部が前記作用部材の作動構造と係合している場合、前記第2のレールの係合部が前記所定の方向に沿って前記作用部材から外れるのを防止するために前記保持部の少なくとも1つの第1の輪郭は前記第2のレールの係合部の少なくとも1つの第2の輪郭を上回る、請求項7に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項9】
位置決め部を備える第1のレールと、
前記第1のレールに対して引っ込め位置から第1の方向に沿って可動であるとともに、係合部を備える第2のレールと、
前記第1のレールに可動に取り付けられるベースと、
前記ベースに弾性力を提供するように構成された弾性部材と、
前記ベースに対して回転可能な作用部材であって、該作用部材は作動構造を備え、該作動構造は第1の部分及び第2の部分を含む、作用部材と、
を含むスライドレールアセンブリであって、
前記第2のレールを第2の方向に沿って所定の位置から前記引っ込め位置に動かすために弾性力を前記弾性部材が蓄積するよう前記作動構造の第2の部分は前記第1のレールの位置決め部と係合するように構成され、
前記作動構造の第1の部分は前記第2のレールの係合部と係合するように構成され、前記作動構造の第1の部分は、前記第2のレールの係合部が所定の方向に沿って前記作用部材から外れるのを防止するように構成された保持部を備える、スライドレールアセンブリ。
【請求項10】
前記作用部材は空間を定義する2つの制限部を含み、前記作動構造の第1の部分は前記作用部材に対して限られた範囲内で前記空間を通じて移動可能であり、前記保持部の半径方向寸法は前記第1の部分の半径方向寸法よりも大きく、前記保持部は前記第2のレールが前記作用部材から横方向に外れるのを防止するように構成されている、請求項9に記載のスライドレールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスライドレールアセンブリに関し、より具体的にはスライドレールと戻り機構(returning mechanism)との間の信頼性を改善可能なスライドレールアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にはスライドのための自閉装置が開示されている。スライド(10)は固定レール(800)と、中間可動レール(900)と、内側可動レール(700)と、自閉装置(20)とを含む。自閉装置(20)は固定部材(100)と、可動部材(200)と、一対のバネ(500)と、内側可動レール(700)の内側に連結される移動ピンガイド(300)と係合する移動ピン(400)とを含む。
【0003】
特許文献1の図10a、図10b及び図10cに示すように、可動部材(200)は固定部材(100)に対して初期位置から所定の位置に動かすことができ、移動ピン(400)は、内側可動レール(700)が固定レール(800)に対して自閉機能を有するようにするためにバネ(500)が張力を蓄積できるように、固定部材(100)の矩形ガイド部(124)から湾曲ガイド部(125)に動かして固定部材(100)を湾曲ガイド部(125)と係合させることができる。
【0004】
しかしながら、移動ピンガイド(300)及び移動ピン(400)は外れ防止機構を何ら有していない。したがって、内側可動レール(700)又は移動ピンガイド(300)が耐性(tolerance)又は外力により横に又は横方向に動かされた場合、移動ピンガイド(300)は移動ピン(400)と滑らかに係合しないことがある。即ち、スライドの自閉機能が機能しないことがある。
【0005】
加えて、移動ピン(400)は可動部材(200)を貫通するため、移動ピン(400)固定部材(100)の矩形ガイド部(124)から湾曲ガイド部(125)に動かされた場合に、スライドが揺れたり不安定になり得る。
【0006】
さらに、矩形ガイド部(124)及び湾曲ガイド部(125)は互いに連通するとともに固定部材(100)に設けられている。したがって、内側可動レール(700)が伸長位置から引っ込め方向に沿って引っ込められ、内側可動レール(700)が移動ピン(400)を駆動して、移動ピンガイド(300)と移動ピン(400)との係合を通じて湾曲ガイド部(125)から矩形ガイド部(124)に戻された場合、固定部材(100)上で矩形ガイド部(124)の長さを調節することができないため、固定レール(800)に対する内側可動レール(700)の戻り距離は調節が困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0001562号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、戻り機能を有する異なるスライドレールを開発することが重要である。
【0009】
本発明はスライドレールと戻り機構との間の信頼性を改善可能なスライドレールアセンブリに関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、スライドレールアセンブリは第1のレールと、第2のレールと、ベースと、弾性部材と、作用部材(working member)とを含む。第1のレールは位置決め部(positioning part)及びガイド部を備える。第2のレールは第1のレールに対して長手方向に可動である。第2のレールは係合部を備える。ベースは第1のレールに対して第1の位置と第2の位置との間に位置するように構成されている。弾性部材はベースに弾性力を提供するように構成されている。作用部材はベースに対して回転可能である。作用部材は作動構造(actuating structure)を備える。作動構造は第1の部分及び第2の部分を含む。第2のレールが第1のレールに対して第1の方向に沿って引っ込め位置から動かされた場合、第2のレールは、係合部が作動構造の第1の部分と係合することを通じて作用部材及びベースを駆動して第1の位置から遠ざけ、作用部材がガイド部のガイドを通じて作動構造の第2の部分により偏向された場合、作動構造の第2の部分はベースを第2の位置で保持するために位置決め部と係合するように構成され、作動構造の第1の部分は第2のレールの係合部から外れるように構成されている。ベースが第2の位置で保持されている場合、弾性部材は、第2のレールを第2の方向に沿って所定の位置から引っ込め位置に引っ込めるために第1の位置に向かう方向に沿って弾性力を蓄積するように構成されている。作動構造の第1の部分は、第2のレールの係合部が作用部材から横方向に外れるのを防止するために保持部を備える。
【0011】
本発明の別の実施形態によれば、スライドレールアセンブリは第1のレールと、第2のレールと、ベースと、弾性部材と、作用部材とを含む。第1のレールは位置決め部を備える。第2のレールは第1のレールに対して引っ込め位置と所定の位置との間に位置するように構成される。第2のレールは係合部を備える。ベースは第1のレールに対して第1の位置と第2の位置との間に位置するよう構成されている。作用部材はベースに枢結される。作用部材は作動構造を備える。作用部材が位置決め部と係合した状態でベースが第2の位置に位置している場合、弾性部材は第1の位置に向かう方向に沿って弾性力を蓄積するように構成される。ベースが弾性部材の弾性力に反応して第1の位置の方に移動して第2のレールが所定の位置から引っ込め位置に引っ込められるよう位置決め部から作用部材を外すために、第2のレールは係合部を通じて作用部材の作動構造と係合するように構成されている。作動構造は第2のレールの係合部が所定の方向に沿って作用部材から外れるのを防止するよう構成された保持部を含む。
【0012】
本発明の別の実施形態によれば、スライドレールアセンブリは第1のレールと、第2のレールと、ベースと、弾性部材と、作用部材とを含む。第1のレールは位置決め部を備える。第2のレールは第1のレールに対して引っ込め位置から第1の方向に沿って可動である。第2のレールは係合部を備える。ベースは第1のレールに可動に取り付けられる。弾性部材はベースに弾性力を提供するように構成されている。作用部材はベースに対して回転可能である。作用部材は作動構造を備える。作動構造は第1の部分及び第2の部分を含む。第2のレールを第2の方向に沿って所定の位置から引っ込め位置に動かすために弾性力を弾性部材が蓄積するよう作動構造の第2の部分は第1のレールの位置決め部と係合するように構成されている。作動構造の第1の部分は第2のレールの係合部と係合するように構成され、作動構造の第1の部分は、第2のレールの係合部が所定の方向に沿って作用部材から外れるのを防止するように構成された保持部を備える。
【0013】
様々な図面に図示する下記の好ましい実施形態の詳細な説明を読み終えた後、本発明の上記の目的及び他の目的が当業者に間違いなく明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリを示す図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリの分解図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリを示す図である。
図4図4は、図3の領域Aの拡大図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る第1のレールに対して第1の方向に動かされたスライドレールアセンブリの第2のレールを示す図である。
図6図6は、図5の領域Aの拡大図である。
図7図7は、本発明の一実施形態に係る第1のレールに対して第1の方向にさらに動かされたスライドレールアセンブリの第2のレールを示す図である。
図8図8は、図7の領域Aの拡大図である。
図9図9は、本発明の一実施形態に係る第1のレールに対して第1の方向にさらに動かされたスライドレールアセンブリの第2のレールを示す図である。
図10図10は、本発明の一実施形態に係る第1のレールに対して第2の方向に動かされたスライドレールアセンブリの第2のレールを示す図である。
図11図11は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリの第2のレールと第1のレールとの間に定義された幅を示す図である。
図12図12は、図11の領域Aの拡大図である。
図13図13は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリの第2のレールと第1のレールとの間に定義された別の幅を示す図である。
図14図14は、図13の領域Aの拡大図である。
図15図15は、本発明の一実施形態に係る作用部材に対して可動なスライドレールアセンブリの作動構造の第1の部分を示す図である。
図16図16は、第2のレールが所定の方向に沿って作用部材から外れるのを防止するように構成された、図15のスライドレールアセンブリの作動構造の保持部を示す図である。
図17図17は、本発明の別の実施形態に係る作用部材に対して固定されたスライドレールアセンブリの作動構造の第1の部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリ20は第1のレール22及び第2のレール24を含む。第2のレール24は第1のレール22に対して引っ込められている。スライドレールアセンブリ20は、第1のレール22と第2のレール24との間に可動に取り付けられる第3のレール32をさらに含むことが好ましい。第3のレール32は、第1のレール22に対する第2のレール24の長手方向移動距離を伸ばすように構成されている。
【0016】
図2及び図3に示すように、スライドレールアセンブリ20はベース26と、少なくとも1つの弾性部材28と、作用部材30を含む。
【0017】
第1のレール22は第1の壁22aと、第2の壁22bと、第1の壁22a及び第2の壁22bとの間に接続される長手壁22cとを有する。第1の壁22a、第2の壁22b及び長手壁22cによって第3のレール32を収容するための通路が定義される。第1のレール22には位置決め部34及びガイド部36が設けられる。位置決め部34及びガイド部36は第1のレール22に一体化されている。本実施形態では、位置決め部材33が第1のレール22の長手壁22cに設けられ、位置決め部材33が位置決め部34と、位置決め部34に隣接するガイド部36とを含む。ガイド部36は傾斜面及び湾曲面のうちの1つを有する。
【0018】
ベース26は第1のレール22に可動に取り付けられる。例えば、ベース26は第1のレール22の通路内に取り付けられるが、本発明はこのような構成に限定されない。ベース26は第1の側壁26aと、第2の側壁26bと、第1の側壁26a及び第2の側壁26bの間に接続される中間壁26cとを含むことが好ましい。第1の側壁26a、第2の側壁26b及び中間壁26cは、第1のレール22の第1のレール22の第1の壁22a、第2の壁22b及び長手壁22cにそれぞれ対応する位置に位置する。
【0019】
弾性部材28はベース26に弾性力を提供するように構成されている。本実施形態では、スライドレールアセンブリ20は2つの弾性部材28を含むが、本発明はこのような構成に限定されない。スライドレールアセンブリ20は第1のレール22の前部40と後部42との間に位置する固定部材38をさらに含むことが好ましい。固定部材38は第1のレール22に配置されるとともに、第1のレール22の後部42に隣接することが好ましい。固定部材38は第1のレール22に一体的に形成されていてもよいし、固定部材38は係合、ネジ留め又はリベット留めにより第1のレール22に接続されてもよい。弾性部材28が固定部材38とベース26との間に接続されることが好ましい。固定部材38及び位置決め部34(又は位置決め部材33)は互いに離間され、固定部材38と位置決め部34との間に所定の距離Xが定義されることが好ましい。所定の距離Xは、第1のレール22に対する第2のレール24の自動戻り距離として実質的に取り扱われる。
【0020】
作用部材30はベース26に可動に取り付けられる。例えば、作用部材30はシャフト44を通じてベース26の中間壁26cに枢結される。即ち、作用部材30はベース26に対して回転可能である。作用部材30は作動構造46を備える。作動構造46は作用部材30の2つの側にそれぞれ位置する第1の部分46a及び第2の部分46bを含むことが好ましい。作用構造46の第2の部分46bはベース26の孔、溝又は切り欠きを貫通することが好ましい。本実施形態では、作動構造46の第2の部分46bはベース26の湾曲孔Hを貫通するが、本発明はこのような構成に限定されない。
【0021】
第2のレール24は第1のレール22に対して長手方向に移動可能である。第2のレール24は係合部48を備える。係合部48には係合孔が形成されている。係合部48は壁部50と、係合孔に隣接するガイド区画52とを含む。ガイド区画52は傾斜面及び湾曲面のうちの一方を有する。そのような構成は当業者によく知られているため、簡略化のために係る構成についてのさらなる説明は省略する。
【0022】
図3及び図4に示すように、第2のレール24は第1のレール22に対して引っ込め位置Rに位置し、ベース26は第1のレール22に対して第1の位置P1に位置する。
【0023】
図5及び図6に示すように、第2のレール24が第1のレール22に対して引っ込め位置Rから第1の方向D1に沿って動かされると、第2のレール24は、作動構造46の第1の部分46aと係合する係合部48を通じて作用部材30及びベース26を駆動して第1の位置P1から遠ざける。第2のレール24が第1の方向D1に沿って所定の移動距離動かされると、作動構造46の第2の部分46bは第1のレール22のガイド部36と接触する。加えて、弾性部材28は引張されて(第1の方向D1と反対の方向である)第2の方向D2に沿って弾性力を徐々に蓄積する。
【0024】
図7及び図8に示すように、第2のレール24が第1のレール22に対してさらに第1の方向D1に沿って動かされると、作用部材30及びベース26は第2のレール24により駆動されて第2の位置P2に動かされる。作用部材30は、作用部材30の作動構造46の第2の部分46bが第1のレール22のガイド部36によりガイドされることを通じて偏向され、作用部材30を通じてベース26を第2の位置P2で保持するために作動構造46の第2の部分46bは第1のレール22の位置決め部34と係合する。
【0025】
図9に示すように、作用部材30の作動構造46の第2の部分46bが第1のレール22の位置決め部34と係合し、ベース26が第1のレール22に対して第2の位置P2で保持されている場合、作用部材30の偏向により作動構造46を第2のレール24の係合部48から外すことができる。そのような状態では、第2のレール24は第1のレール22に対して第1の方向D1に沿って伸長位置Eにさらに動かすことができる。さらに、ベース26が第1のレール22に対して第2の位置P2で保持されている場合、弾性部材28は、(第1の方向D1と反対の方向である)第2の方向D2に沿って弾性力を蓄積する状態で保持される。即ち、弾性部材28は第1の位置P1に向かう方向に沿って弾性力を蓄積する。
【0026】
図10に示すように、第2のレール24は第1のレール22に対して所定の位置Lに位置している。例えば、第2のレール24が第1のレール22に対して伸長位置Eから所定の位置Lに第2の方向D2に沿って動かされると、第2のレール24を所定の位置Lから引っ込め位置Rの方に第2の方向D2に沿って引っ込めるために弾性部材28によって蓄積された弾性力が放たれる。即ち、第2のレール24は弾性部材28の弾性力に反応して第1のレール22に対して自動的に引っ込めることができる。
【0027】
具体的には、第2のレール24が伸長位置Eから所定の位置Lに第2の方向D2に沿って動かされると、作動構造46の第1の部分46aは、位置決め部34から外れるよう作用部材30を偏向するために、ガイド区画52のガイドを通じて係合部48と再度係合するように構成されている(即ち、第2のレール24は、係合部48を通じて作用部材30の作動構造46の第1の部分46aと係合できる)。そのため、第2のレール24は、弾性部材28の弾性力に対応して所定に位置Lから引っ込め位置Rの方に第2の方向D2に沿って引っ込めることができる。即ち、ベース26は、第2のレール24を所定の位置Lから引っ込め位置Rの方に引っ込めるために(関連構成については図5及び図3を連続して参照されたい。簡略化のためにさらなる説明は省略する。)弾性部材28の弾性力に反応して第1の位置P1の方に動かすことができる。さらに、図3に示すように、第2のレール24が引っ込め位置Rに戻るプロセスの間、ベース26は、第2のレール24が第1のレール22に対して自動的に引っ込められる間に緩衝効果及び静音効果が提供されるように第1の位置P1で固定部材38の緩衝機構53(例えば弾性アーム、柔軟な物体又は緩衝ロッド等であり得るが、本発明はこれらに限定されない。)と当接するように構成されている。
【0028】
図11図12図13及び図14に示すように、第2のレール24の係合部48と作動構造46の第1の部分46aとの係合の信頼性を改善するために、作用部材30の作動構造46は保持部46cをさらに含む。保持部46cは作動構造46の第1の部分46aに接続され、第2のレール24の係合部48が所定の方向K(例えば横又は横方向)に沿って作用部材30から外れるのを防止するように構成されている。
【0029】
具体的には、保持部46cの半径方向寸法(radial dimension)は第1の部分46aの半径方向寸法よりも大きい。第2のレール24は、第2のレール24と第1のレール22との間の幅が(図11に示す)第1の幅W1から(図13に示す)第1の幅W1よりも幅広な第2の幅W2に変わるように取り付け耐性(mounting tolerance)又は予期せぬ外力により第1のレール22に対して所定の方向Kに沿って僅かに動かされ得る。したがって、第2のレール24の係合部48が作用部材30の作動構造46の第1の部分46aと係合した場合、第2のレール24の係合部48は、保持部46cの半径方向寸法が第1の部分46aの半径方向寸法よりも大きいことに起因して所定の方向Kに沿って第1の部分46aから係合が外れるのが防止される。さらに、第2のレール24の係合部48が所定の方向Kに沿って作用部材30から外れるのを防止するために、保持部46cの少なくとも1つの第1の輪郭R1は第2のレール24の係合部48の少なくとも1つの第2の輪郭R2(例えば、係合部48の周りの伸長端部48a)を上回るか又は保持部46cの少なくとも1つの第1の輪郭R1は第2のレール24の係合部48の少なくとも1つの第2の輪郭R2(例えば、係合部48の周りの伸長端部48a)よりも大きい。さらに、第3のレール32が第1のレール22に対して引っ込められた状態にある場合、第3のレール32の後部は緩衝効果を提供するためにベース26のフレキシブル部54(例えば、図12又は図14に示す弾性アーム)に当接するように構成されている。
【0030】
図15及び図16に示すように、作用部材30には空間Sが形成され、空間Sを定義する2つの制限部(例えば、第1のブロック部56a及び第2のブロック部56b)を含む。作動構造46の第1の部分46aは伸長区画58及びブロック壁58aを通じて空間S内に挿入されるように構成されている。保持部46c、第1の部分46a、伸長区画58及びブロック壁58aは共に一体形成されていることが好ましい。第1の部分46aは保持部46cと伸長区画58との間に位置する。ブロック壁58aは伸長区画58の端部に隣接し、ブロック壁58aは第1の部分46aが限られた範囲内で作用部材30に対して動くことができるように2つの制限部の間に位置する。
【0031】
前述の構成によれば、第2のレール24の係合部48が作用部材30の作動構造46の第1の部分46aと係合し、第2のレール24が第1のレール22に対して所定の方向K(例えば横又は横方向)に沿って動かされた場合、作動構造46の第1の部分46aを駆動して第1の所定の位置Y1から第2の所定の位置Y2に動かすことができる。保持部46cの半径方向寸法は、係合部48が第1の部分46a又は作用部材30から所定の方向Kに沿って外れるのを保持部46cが防止できるように第1の部分46aの半径方向寸法よりも大きい。制動又は消音効果を提供するために作動構造46の第1の部分46aが作用部材30に対してゆっくり動くことができるように、高粘度油等の制動媒体M(図15及び図16において複数の黒点として示す)が空間Sに充填されていることが好ましい。
【0032】
図17に示すように、作動構造46の第1の部分46aが作用部材30に対して可動な前述の実施形態とは異なり、本実施形態は作動構造46の第1の部分46aが作用部材30に固定接続され、作動構造46の保持部46cは第2のレール24の係合部48が所定の方向Kに沿って作用部材30から外れるのを依然として防止できる。例えば、作動構造46の第1の部分46aはネジ留め、リベット留め又は係合により作用部材30に固定接続することができるが、本発明はそのような構成に限定されない。
【0033】
したがって、本発明のスライドレールアセンブリは以下のように特徴付けられる。
1)第2のレール24の係合部48が作動構造46の第1の部分46aと係合している場合、作動構造46の保持部46cは信頼性を改善するために第2のレール24の係合部48が所定の方向Kに沿って第1の部分46a又は作用部材30から外れるのを防止することができる。
2)作動構造46の第2の部分46bは、位置決め部34と係合する作用部材30の滑らかさ及び安定性を改善するために、ベース26に対する作用部材30の動作(回転等)を通じて第1のレール22の位置決め部34と係合するように構成されている。3)固定部材38及び位置決め部34(又は位置決め部材33)は2つの別個の部品である。したがって、1つのスライドレール(例えば第1のレール22)に対する別のスライドレール(例えば第2のレール24)の戻り距離に関する様々な市場の要求を満たすために、固定部材38に対する位置決め部34(又は位置決め部材33)の位置を要件に従って変更することができる。
【0034】
上述の好ましい実施形態を通じて本発明を開示してきたが、これらの実施形態は本発明の範囲を限定することを意図したものではない。出願人が求める特許の保護範囲は添付の特許請求の範囲によって定義される。
【符号の説明】
【0035】
20 スライドレールアセンブリ
22 第1のレール
24 第2のレール
26 ベース
28 弾性部材
30 作用部材
32 第3のレール
34 位置決め部
36 ガイド部
38 固定部材
40 前部
42 後部
44 シャフト
46 作動構造
48 係合部
50 壁部
52 ガイド区画
54 フレキシブル部
56 ブロック部
58 伸長区画
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17