(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-193790(P2019-193790A)
(43)【公開日】2019年11月7日
(54)【発明の名称】選択的な半径方向エネルギー送達を伴うアブレーションカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20191011BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-85218(P2019-85218)
(22)【出願日】2019年4月26日
(31)【優先権主張番号】15/969,579
(32)【優先日】2018年5月2日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】デビー・ハイスミス
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK37
4C160KK47
(57)【要約】
【課題】電気生理学的カテーテルと共に使用するための電極アセンブリを提供すること。
【解決手段】電極アセンブリは、電極アセンブリの周囲に半径方向に分布した複数の独立して制御されたアブレーション電極を有する。2つのアブレーション電極は、互いと反対側に位置付けられてもよい。電極アセンブリはまた、組織及び/又は温度を感知するための微小電極を有してもよい。そのような電極アセンブリを備えたカテーテルを使用するための方法は、半径方向にエネルギーを優先的に放出することを含んでもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル本体の遠位部分上に配設されるように構成された電極アセンブリであって、フレキシブル基板と、前記電極アセンブリの周囲に半径方向に分布した複数の独立して制御されたアブレーション電極と、を備える、電極アセンブリ。
【請求項2】
互いと反対側に位置付けられた2つのアブレーション電極を備える、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項3】
3つ以上のアブレーション電極を備える、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項4】
前記電極アセンブリが、シリンダとして構成されている、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項5】
前記アブレーション電極が、前記基板の外側表面に適用されている、請求項4に記載の電極アセンブリ。
【請求項6】
各アブレーション電極に関連付けられた少なくとも1つの微小電極を更に備える、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項7】
前記微小電極のうちの少なくともいくつかが、組織接触を感知するように構成されている、請求項6に記載の電極アセンブリ。
【請求項8】
前記微小電極のうちの少なくともいくつかが、温度を感知するように構成されている、請求項6に記載の電極アセンブリ。
【請求項9】
前記微小電極のうちの少なくともいくつかが、前記アブレーション電極のうちの少なくとも1つの外辺部内に位置付けられている、請求項6に記載の電極アセンブリ。
【請求項10】
各アブレーション電極が、潅注流体を灌流させるように構成された複数の開口を有する、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項11】
近位端及び遠位端を有する細長いカテーテル本体と、電極アセンブリと、を備えるカテーテルであって、前記電極アセンブリが、前記カテーテル本体の遠位部分上に配設され、前記電極アセンブリが、フレキシブル基板と、前記電極アセンブリの周囲に半径方向に分布した複数の独立して制御されたアブレーション電極と、を備える、カテーテル。
【請求項12】
前記カテーテル本体に沿って長手方向に分布した複数の電極アセンブリを更に備える、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項13】
各電極アセンブリが、互いと反対側に位置付けられた2つのアブレーション電極を備える、請求項12に記載のカテーテル。
【請求項14】
カテーテル本体上に配設される電極アセンブリを構築するための方法であって、対向する縁部を有するフレキシブル基板を提供することと、複数の独立して制御されたアブレーション電極を前記フレキシブル基板の表面に適用することと、前記基板の前記対向する縁部を接合してシリンダを形成することと、を含み、前記アブレーション電極が、前記シリンダの周囲に半径方向に分布している、方法。
【請求項15】
前記電極アセンブリが、互いと反対側に位置付けられた2つのアブレーション電極を備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
各アブレーション電極に関連付けられた少なくとも1つの微小電極を前記基板の前記表面に適用することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記基板及び前記適用されたアブレーション電極内に、灌注流体を灌流させるように構成された複数の開口を形成することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気生理学的(electrophysiologic、EP)カテーテルと共に使用するための電極アセンブリ、並びに心臓などの患者内の位置をマッピング及び/又はアブレーションするための関連デバイス、特に、高周波(radio frequency、RF)エネルギーの送達に対する選択的な半径方向制御を有するアブレーションカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
心房細動などの心不整脈は、心組織の特定の領域から隣接組織に電気信号が異常に伝導する場合に発生し、これにより、正常な心周期が乱されて非同期的リズムを引き起こす。不整脈を治療するための手技としては、不整脈を発生させている信号の発生源を外科的に破壊することと、そのような信号の伝導路を破壊することが挙げられる。更に最近では、心臓の電気特性をマッピングし、エネルギーの印加により心組織を選択的にアブレーションすることによって、心臓のある部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を中止又は修正することが場合によっては可能であることが分かっている。アブレーション法は、非伝導性の損傷部位を形成することによって望ましくない電気経路を破壊するものである。結果として得られる損傷部位(複数可)は、1つの領域内で発生する不規則な電気信号を、拡散し患者の心拍を妨害することから分離し得る。
【0003】
このような手続において、参照電極が典型的に提供され、それは患者の皮膚に取り付けられるか、又は第2のカテーテルによって提供され得る。高周波(RF)電流がアブレーションカテーテルの先端電極に印加され、参照電極に向かって先端電極の周囲の媒質、すなわち、血液及び組織に電流が流れる。電流の分布は、血液と比較して、より高い導電性を有する組織と接触する、電極表面の量に応じて決定される。組織の加熱は、組織の電気抵抗に起因して生じる。組織は、標的組織内の細胞の破壊を引き起こし、非導電性の損傷部位が形成されるように、十分に加熱される。
【0004】
そのような用途の一例として、最近の技術は、心室性頻脈症を治療するためにアブレーションを採用してきた。この技術は、剣状突起下心膜穿刺技術を使用することなどによって、カテーテルを心膜空間内に導入することを伴う。壁側心膜は、心外膜、心筋、及び心内膜の3つの層を含む、心臓を包囲する外部保護層又は嚢である。心膜腔又は心膜空間は、壁側心膜及び心外膜を分離する。少量の流体は、壁側心膜の組織によって分泌されて表面を潤滑し、これにより心臓は、壁側心膜内で自由に移動することができる。明らかに、誤ったアブレーションエネルギーによって引き起こされる壁側心膜と心外膜との間の癒着は、心臓の筋収縮に干渉し得る。
【0005】
心外膜にアクセスする別の潜在的な合併症は、横隔神経によってもたらされる。横隔神経は、隔膜の収縮を生じさせるための運動神経線維から主に構成される。加えて、横隔神経は、縦隔及び胸膜の多くの構成要素、並びに上腹部、特に肝臓、及び胆嚢の知覚神経支配を提供する。右横隔神経は、右心房を通過し、左横隔神経は、左心室を通過し、隔膜を別々に貫通する。これらの神経は両方とも、隔膜に運動線維を、線維性心膜、縦隔胸膜、及び隔膜腹膜に知覚線維を供給する。特に高齢患者にとって、横隔神経へのいかなる損傷も、特に損傷が永久的である場合、深刻な呼吸困難を引き起こす可能性がある。肺自体は、心外膜をアブレーションする際に損傷を受けやすい別の臓器であるが、肺の組織は、燃焼された場合により容易に自己修復することができる。
【0006】
従来のアブレーションカテーテルは、心内膜用途用に主に設計されており、心外膜用途のためのエネルギーの最適な送達を示さない。そのようなカテーテルは、心臓の、又は心臓付近の空洞及び他の管状領域におけるマッピング及びアブレーションに特に有用であるが、心外膜内のエネルギーの全方向性送達は、有害かつ望ましくないアブレーション、例えば、壁側心膜、横隔神経、肺、及び/又は他の周囲構造などの有害かつ望ましくないアブレーションのリスクを大幅に増加させる可能性がある。例えば、カテーテルの遠位部分に沿って位置付けられたリング電極は、それらの全周からエネルギーを放出し、一部分のみが意図された処置領域に向けられる。同様に、遠位ドーム電極は、心外膜組織表面に向けられるのではなく、カテーテルの長手方向軸に沿ってエネルギーを主に放出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、アブレーションエネルギーが、望ましくない領域の曝露を低減するために、かつ所望の位置のみにエネルギーを向けることによってアブレーションを最適化するために、アブレーションエネルギーが半径方向に選択的に方向付けられるように、カテーテルが心外膜に適合されることが望ましいであろう。同様に、意図された処置領域に向かってエネルギーを優先的に方向付けるために、組織接触又は近接を感知することが望ましいであろう。以下に記述されるように、本開示はこれら及び他の必要性を満たす。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、カテーテル本体の遠位部分上に配設されるように構成された電極アセンブリを対象とし、電極アセンブリは、フレキシブル基板と、電極アセンブリの周囲に半径方向に分布した複数の独立して制御されたアブレーション電極とを有する。
【0009】
一態様では、2つのアブレーション電極が互いと反対側に位置付けられてもよい。あるいは、電極アセンブリは、3つ以上のアブレーション電極を有してもよい。
【0010】
一態様では、電極アセンブリは、シリンダとして構成されてもよい。アブレーション電極は、基板の外側表面に適用されてもよい。
【0011】
一態様では、少なくとも1つの微小電極が、各アブレーション電極に関連付けられてもよい。微小電極のうちの少なくともいくつかは、組織接触を感知するように構成されてもよい。あるいは、又は加えて、微小電極のうちの少なくともいくつかは、温度を感知するように構成されてもよい。更に、微小電極のうちの少なくともいくつかは、アブレーション電極のうちの少なくとも1つの外辺部内に位置付けられてもよい。
【0012】
一態様では、各アブレーション電極は、灌注流体を灌流させるように構成された複数の開口を有してもよい。
【0013】
本開示はまた、近位端及び遠位端を有する細長いカテーテル本体と、電極アセンブリとを備えるカテーテルを対象とし、電極アセンブリは、カテーテル本体の遠位部分上に配設され、電極アセンブリは、電極アセンブリの周囲に半径方向に分布した複数の独立して制御されたアブレーション電極と共に、フレキシブル基板を有する。一態様では、複数の電極アセンブリは、カテーテル本体に沿って長手方向に分布していてもよい。各電極アセンブリは、互いと反対側に位置付けられた2つのアブレーション電極を有してもよい。
【0014】
本開示はまた、カテーテル本体上に配設される電極アセンブリを構築するための方法を含む。方法は、対向する縁部を有するフレキシブル基板を提供することと、複数の独立して制御されたアブレーション電極をフレキシブル基板の表面に適用することと、基板の対向する縁部を接合してシリンダを形成することとを含んでもよく、アブレーション電極は、シリンダの周囲に半径方向に分布している。
【0015】
一態様では、電極アセンブリは、互いと反対側に位置付けられた2つのアブレーション電極を備える。本方法はまた、各アブレーション電極に関連付けられた少なくとも1つの微小電極を基板の表面に適用することを含んでもよい。更に、灌注流体を灌流させるように構成された複数の開口が、基板及び適用されたアブレーション電極内に形成されてもよい。
【0016】
本開示は更に、オペレータが患者の組織の一部分をアブレーションするための方法を含む。方法は、カテーテルを患者に挿入することを伴ってもよく、カテーテルは、細長い本体と、細長い本体の遠位部分上に配設された電極アセンブリとを有し、電極アセンブリは、電極アセンブリの周囲に半径方向に分布した複数の独立して制御されたアブレーション電極を備える。カテーテルは、アブレーション電極のうちの少なくとも1つに電力を選択的に送達することが可能なシステムコントローラに接続されてもよく、少なくとも1つのアブレーション電極への電力を制御して組織をアブレーションしてもよい。
【0017】
一態様では、少なくとも1つのアブレーション電極への電力の制御は、電極アセンブリに、放射方向にエネルギーを優先的に放出させてもよい。
【0018】
一態様では、信号は、電極アセンブリの複数の微小電極から受信されてもよく、少なくとも1つの微小電極は、各アブレーション電極に関連付けられ、組織を感知するように構成されている。電力は、少なくとも1つのアブレーション電極に制御されてもよく、受信された信号に少なくとも部分的に基づく。
【図面の簡単な説明】
【0019】
更なる特徴及び利点は、添付図面に例示するように、本開示の好ましい実施形態の以下のより具体的な説明から明らかになるであろう。添付図面の同様の参照記号は、概して、図全体を通じて同一の部分又は要素を示す。
【
図1】本発明の一実施形態によるアブレーションシステムの概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、選択的な半径方向エネルギー送達を有するカテーテルの斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、半径方向に分布したアブレーション電極を有する電極アセンブリを示す、
図2のカテーテルの遠位端の概略立面図である。
【
図4】
図3に示される図から90°回転した概略立面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による、フレキシブル基板から形成された電極アセンブリの部分概略断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態による、半径方向に分布したアブレーション電極を有する代替の電極アセンブリを有するカテーテルの遠位端の概略立面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による、カテーテル本体に沿って長手方向に分布した複数の電極アセンブリを有するカテーテルの遠位端の概略立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
最初に、本開示は、具体的に例示された材料、構成、手順、方法、又は構造に限定されず、変化し得ることが理解されるべきである。したがって、本開示の実践又は実施形態には、本明細書に記載されている選択肢と類似の又は等価ないくつかの選択肢を用いることが可能であるが、好ましい材料及び方法は本明細書に記載されている。
【0021】
本明細書で使用する用語は、本開示の特定の実施形態を説明するためのみであって、制限することを意図するものでないことも理解されるべきである。
【0022】
添付の図に関連して下記に示される詳細記述は、本開示の例示的実施形態を説明するためのものであり、本開示が実践可能な限定的な例示的実施形態を示すことを意図したものではない。本記述全体にわたって使用される用語「例示的」とは、「実施例、事例、又は実例として役立つ」ことを意味し、必ずしも他の例示的な実施形態よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。詳細記述には、本明細書の例示的な実施形態の徹底した理解を提供することを目的とした、具体的な詳細が含まれる。本明細書の例示的実施形態は、これらの具体的な詳細なしでも実施が可能であることは、当業者にとって明らかであろう。場合によっては、本明細書に示される例示的実施形態の新しさを明確にするために、周知の構造及び装置がブロック図形式で示される。
【0023】
単に便宜的及び明確さの目的で、上、下、左、右、上方、下方、上側、下側、裏側、後側、背側、及び前側などの方向を示す用語が、添付の図に関して使用されることがある。これら及び類似の方向を示す用語は、本開示の範囲をいかなる意味でも制限すると見なされるべきではない。
【0024】
別段の規定がない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は全て、本開示が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されている意味と同一の意味を有する。
【0025】
最後に、本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を包含する。
【0026】
上述したように、心腔内のある特定の種類の電気的活動は、周期的ではない場合がある。例えば、心室壁の瘢痕に起因する心室性頻脈症は、梗塞の結果であり得る。かかる電気的活動は、1心拍ごとに不規則である。例えば、電気伝導を遮断することによって不規則な電気信号の供給源を絶縁することを含む、アブレーションベースの治療のために、RFエネルギーは、心外膜組織の選択された処置領域に送達され得る。それに応じて、半径方向に選択的にアブレーションエネルギーを送達するために、それぞれが複数の電極を有する1つ又は2つ以上の電極アセンブリが使用され得る。更に、各電極アセンブリは、組織感知のための微小電極、アブレーション温度中の温度の測定、並びに他の好適な目的を有し得る。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態による、システム12を用いた侵襲性医療処置の概略図である。この処置は、医療専門家であるオペレータ14によって実施され、一例として、本明細書の以下の説明における処置は、上述のように心膜腔内からの心外膜面の一領域などにおける、ヒト患者18の心臓の組織16の一部分のアブレーションを含むと仮定される。しかしながら、本発明の実施形態は、この特定の処置のみに適用されるだけではなく、生物学的組織又は非生物学的材料に対する実質的にいかなる処置も含み得ることが理解されるであろう。
【0028】
アブレーションを実施するために、オペレータ14は、ハンドル22を使用してカテーテル20を患者の内腔に挿入し、これによりカテーテルの遠位端24が患者の心臓に入る。遠位端24は、半径方向に制御された様式でアブレーションエネルギーを心臓の意図された位置に送達するための少なくとも1つの電極アセンブリ26を備える。カテーテル20は、後述するような関連機器に接続するための近位端28を有する。カテーテルの遠位端24、特に電極アセンブリ26は、
図3、4、及び5を参照してより詳細に説明される。
【0029】
システム12は、システムの操作コンソール32内に位置するシステムプロセッサ30により制御される。コンソール32は、プロセッサと通信するために専門家14によって用いられる制御装置34を含む。処置中、プロセッサ30は、一般的に当該技術分野において周知のいずれかの方法を用いてカテーテルの遠位端24の位置及び配向を追跡する。例えば、プロセッサ30は、患者18の体外にある磁気送信器が遠位端に位置付けられたコイルで信号を発生させる、磁気追跡方法を使用してもよい。上記で参照したCARTO(登録商標)システムは、そのような追跡方法を使用し、更なる詳細は、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号、同第6,332,089号、同第6,690,963号、同第7,729,742号、国際公開第96/05768号、及び米国特許公開第2004/0068178(A1)号に見出すことができ、これらの開示内容は全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0030】
プロセッサ30用のソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子形態でプロセッサにダウンロードすることができる。代替的に又は追加的に、ソフトウェアは、光学的、磁気的又は電子的記憶媒体などの非一時的有形媒体上で提供され得る。遠位端24の軌道は、典型的に画面38上で患者18の心臓16の3次元表示36で表示される。システム12を操作するために、プロセッサ30は、装置を操作するためにプロセッサにより使用されるいくつかのモジュールを有するメモリ40と通信する。このように、メモリ40は、例えば、温度モジュール42及びアブレーションモジュール44を含み、典型的には、端部24にかかる力を測定する力モジュール、プロセッサ30により使用される追跡方法を操作する追跡モジュール、及びプロセッサが遠位端24に向けて行われる潅注を制御することを可能にする潅注モジュールなど、他のモジュールも含む。煩雑さをなくすため、ハードウェア要素並びにソフトウェア要素を含むことができるそのような他のモジュールは、
図1では例示されていない。プロセッサ30は、一般的に、モジュール42により取得された温度の測定結果を使用して、画面38上に温度分布マップ46を表示する。
【0031】
カテーテル20の概略立面図が
図2に示され、長手方向軸「L」を有する挿入シャフト又はカテーテル本体50と、示されるように、任意にカテーテル本体から軸を外れて一方向又は二方向に偏向可能な、カテーテル本体の遠位側の中間部分52とを含む、細長い本体を示す。カテーテル本体50の近位側は制御ハンドル22であり、これによりオペレータは、操舵可能な実施形態が採用された場合に、中間部分52を偏向させることなどにより、上記で開示したカテーテルを操作することができる。例えば、制御ハンドル22は、それぞれの方向に偏向させるために、時計方向又は反時計方向に旋回する偏向ノブ54を含み得る。他の実施形態では、例えば、米国特許第6,468,262号、同第6,500,167号、同第6,522,933号、及び同第8,617,087号に記載されている、複数の制御ワイヤを操作するための制御ハンドルなどの他の操舵可能な設計が採用され得、これらの全開示内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0032】
カテーテル本体50は可撓性、すなわち屈曲可能であるが、その長さに沿って実質的に非圧縮性であり、任意の好適な構造及び任意の好適な材料のものであり得る。一態様では、ポリウレタン又はPEBAX(登録商標)(ポリエーテルブロックアミド)製の外壁は、カテーテル本体50のねじり剛性を増大させるために、当該技術分野において一般的に既知であるステンレス鋼などの埋め込まれた編組みメッシュを有してもよく、これにより、制御ハンドル22が回転すると、中間部分52が、対応する様式で回転することになる。意図される用途に応じて、カテーテル本体50の外径は約8フレンチであってよく、一部の実施形態では、7フレンチであってよい。同様に、カテーテル本体50の外壁の厚さは、中心管腔が任意の望ましいワイヤ、ケーブル、及び/又は管を収容できるように十分に薄くてもよい。本発明と共に使用するのに好適なカテーテル本体構造の例が、その全開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,064,905号に記載及び図示されている。カテーテルの有用な長さ、すなわち、身体に挿入することができる部分は、所望とおりに変化させることができる。代表的実施形態では、この有用な長さは、約110cm〜約120cmの範囲であってよい。中間部分52の長さは、この有用な長さの比較的小さい部分に相当してよく、例えば約3.5cm〜約10cmであり、いくつかの実施形態では、約5cm〜約6.5cmであってよい。
【0033】
カテーテル20の遠位端24の一実施形態に関する詳細が、
図3、
図4、及び
図5に例示される。示されるように、電極アセンブリ26は、カテーテル本体50上に配設され得る略円筒状の部分として構成されている。この実施形態では、電極アセンブリ26は、非導電性の非外傷性先端部54を特徴とするカテーテル20の遠位端24に位置付けられる。電極アセンブリ26は、非導電性基板56を使用して、任意の好適なフレキシブル回路構造を使用して実装されてもよく、その上に機能的構成要素及びそれらの対応するリードが、所望に応じて印刷、積層、又は別様に適用されてもよい。例えば、電極アセンブリ26は、
図4に示されるように、対向する縁部を一緒に結合して単一の継目58を形成することによって、基板56のシートから形成されてもよく、カテーテル本体50上に配設される円筒状構造体を作ってもよい。
【0034】
図3及び4に示される2つの立面図は、本実施形態を代表する2つのアブレーション電極60の半径方向分布を例示するために、長手方向軸「L」を中心にして互いに対して90°回転している。図から分かるように、アブレーション電極60は、電極アセンブリ26のいずれかの側で、およそ180°の配向で互いと反対側に位置付けられる。また、遠位端24が、方向性操縦制御、又は予め成形された端部のいずれかにより、使用中に非線形構成を有し得ることも理解されるであろう。アブレーション電極の位置決めは、それに応じて、アブレーション電極のうちの1つが所望の処置領域に向かって優先的に配向され得るように、偏向曲線を表すカテーテルのバイアスに従ってもよい。一般に、各アブレーション電極60は、1mm〜8mmの範囲内の長さを有し得る。一実施形態では、電極の長さは、3mmである。この構成では、所望の処置領域に向けて最も直接配向されたアブレーション電極26は、損傷部位を形成するために通電されてもよく、一方で、他方のアブレーション電極60は使用されず、それにより周囲領域のRFエネルギーへの曝露を低減する。上記と同様の心外膜処置との関連で、2つのアブレーション電極60のうちの1つのみを使用することは、心膜、他の臓器、神経系、又は他の意図されていない領域に向かうエネルギーの送達を最小限に抑えながら、心外膜表面に向けたエネルギーの送達を可能にし得る。本開示の技術は、2つのアブレーション電極の使用に限定されるものではなく、電極の任意の好適な数及び半径方向分布が以下に考察されるように用いられてもよいことを理解されたい。
【0035】
示されるように、電極アセンブリ26はまた、示されるようなアブレーション電極60の外辺部内に、又は他の実施形態では、アブレーション電極に近接した位置に位置付けられた微小電極62を備えてもよい。微小電極62は、インピーダンスを含む測定された電気特性を比較することなどによって、組織接触を感知するように構成されてもよい。微小電極62からのフィードバックが分析されて、どのアブレーション電極60が通電されて、RFエネルギーの半径方向送達を制御するべきかを決定し得る。3つ以上のアブレーション電極を有する実施形態では、保証されるように電極のうちの2つ以上を通電することが望ましい場合がある。微小電極62はまた、アブレーション中の状態を監視するために、熱電対又は他の好適な温度センサとして構成されてもよい。温度センサとして構成された微小電極62は、典型的には、銅コンスタンタン熱電対であってもよいが、他の技術が使用されてもよく、電極アセンブリ26の周囲の位置に、軸方向及び円周方向の両方に配列されてもよい。所望の感知分解能を達成するために、任意の好適な数の微小電極62が熱電対として構成されてもよい。更に別の例として、微小電極62はまた、アブレーションされる処置領域を特定するなど、心臓の電気活動をマッピングするための信号を記録するように構成されてもよい。微小電極62は、それらの信号を、温度モジュール42及びアブレーションモジュール44などのコンソール32の対応する構成要素に提供するために、カテーテル本体50の長さにわたって延びるリード(これらの図には示されていない)によって接続されている。
【0036】
典型的には、遠位端24は、他の機能構成要素を含み、これらは、本開示の範囲外であり、したがって煩雑さをなくすため省略されている。例えば、カテーテルの遠位端は、ステアリングワイヤ、並びに位置センサ及び力センサなどの他の種類のセンサを含む場合がある。これらの種類の構成要素を含むカテーテルは、例えば、米国特許第8,437,832号及び米国特許公開第2011/0130648号に記載されており、これらは、参照により本明細書に組み込まれている。
【0037】
ここで
図5を更に参照し、この図は、
図4の線「A」によって示されるように、アブレーション電極60のうちの1つにおける電極アセンブリ26を通る断面図を示す。この図は、電極アセンブリ26及びそのフレキシブル電子回路の構成の更なる詳細を示す。そのようなフレックス回路又はフレキシブル電子機器は、電子デバイスをポリイミド、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer、LCP)、PEEK、又は透明な導電性ポリエステルフィルム(PET)などの可撓性のプラスチック基板に載置することによって電子回路を組み立てるための技術を伴う。更に、フレックス回路は、ポリエステルにスクリーン印刷された銀回路であってもよい。フレキシブルプリント回路(Flexible printed circuit、FPC)は、フォトリソグラフィ技術を用いて作製され得る。フレキシブルフォイル回路又はフレキシブルフラットケーブル(flexible flat cable、FFC)を作製する代替の方法は、PETの2つの層間に非常に薄い(約0.07mm)銅ストリップを積層することである。典型的には約0.05mm厚であるこれらPET層は、熱硬化性である接着剤でコーティングされ、積層プロセス中に活性化される。片面フレキシブル回路は、フレキシブル誘導体フィルムに金属又は導電性(金属充填)ポリマーのいずれか一方で作製された単一導体層を有する。構成要素の終端特徴は、1つの側からのみアクセス可能であってもよく、通常はんだ付けによって、構成要素のリードが相互接続のために通過することを可能にするために、穴がベースフィルムに形成されてもよい。1つの例示的なアーキテクチャが
図5に示されているが、任意の好適な実装が用いられてもよい。基板56は、アブレーション電極60及び微小電極62a、62b、及び62cが形成される第1の導電層を有してもよい。電極層は、パラジウム、白金、金、イリジウム、並びにPd/Pt(例えば、パラジウム80%/白金20%)及びPt/Ir(例えば、白金90%/イリジウム10%)などを含むこれらの組み合わせ及び合金などの任意の好適な導電性材料で作られ得る。リード64は、アブレーションモジュール44によって供給されるRFエネルギーの送達のために、アブレーション電極60を接続し、カテーテル本体50を通って延びてコンソール32と連結する。基板56の他方の側の第2の導電層が使用されて、対応するトレース66a、66b、及び66cを介してマイクロセンサ62a、62b、及び62cへの接続を提供し得る。明確にするために、リード68aのみが示されるが、各トレースは、カテーテル本体50を通して信号を伝送するためのリードに接続されてもよい。各対応するトレースは、めっき穴70a、70b、及び70c(「ビア」と称される場合もある)、又は基板56を通した他の導電性相互接続を通して、その関連する微小電極に接続されてもよい。したがって、図示されたリード64及び明確にするために示されていない対応するリードは、消散される電力のレベルを制御し得るコンソール32のアブレーションモジュール44から、カテーテル本体50を通して電極アセンブリ26に、RF電気エネルギーを伝達し得る。同様に、微小電極62は、それらの信号を、温度モジュール42及びアブレーションモジュール44などのコンソール32の対応する構成要素に提供するために、カテーテル本体50の長さにわたって延びるリード68によって接続されている。それに対応して、どの電極が選択されるかに応じて、アブレーション電極60のいずれかが心筋組織をアブレーションするために選択的に通電されてもよい。上述のように、これは、微小電極62からの信号を使用して、どのアブレーション電極60が意図された処置領域に対してより望ましく配向されているかを決定することを伴い得る。この場合もやはり、3つ以上のアブレーション電極を有する実施形態では、エネルギーの半径方向送達の制御は、単一の電極又は隣接する電極のサブセットを通電することを伴い得る。更に、任意の所望の電極活性化パターンが他の用途で用いられてもよい。モジュール44は、電極アセンブリ26を介して消散されるRF電力のレベルを制御し得る。
【0038】
上述のように、本開示の技術は、任意の所望の数のアブレーション電極を用いるように拡張されてもよい。例えば、代替の実施形態が
図6に示され、電極アセンブリ80は、同様にカテーテル本体50上に配設されている。図示された実施形態では、電極アセンブリ80は、10個の個々に制御されたアブレーション電極60(この図では、4つのみが見えないが)を特徴とする。更に、本実施形態は、アブレーション電極の外辺部内にあるのではなく、近位及び遠位に位置付けられた、各アブレーション電極用の一対の微小電極62を特徴とする。微小電極の正確な位置にかかわらず、少なくとも1つの微小電極を各アブレーション電極と関連付けることによって、そのアブレーション電極の条件及び特性が決定され得ることが理解されるであろう。他の実施形態では、任意の好適な数のアブレーション電極が、任意の所望の半径方向分布で用いられてもよい。例えば、4つのアブレーション電極が、カテーテル本体50の外周の周囲の四分円の被覆を提供するために使用され得る。同様に、所望の感知分解能又は他の好適な基準に応じて、任意の数の微小電極もまた使用され得る。同様に、本開示に示される実施形態は、略均一な半径方向分布を有するが、1つ又は2つ以上の半径方向領域により多数のアブレーション電極を集中させるために、他の分布が用いられてもよい。同様に、図示されたアブレーション電極が概ね同じサイズ及び構成を有する場合でさえ、アブレーション電極は、他の実施形態において、所望に応じてサイズ又は構成のいずれかが異なり得る。
【0039】
別の態様では、複数の電極アセンブリも同様に用いられ得る。例えば、
図7は、少なくとも2つの電極アセンブリ90がカテーテル本体50の長さに沿って比較的近位及び遠位ではあるが、それでもなお概して遠位端24に向かって位置付けられている実施形態を概略的に示す。示されるように、各電極アセンブリ90は、電極アセンブリ26と同様の様式で互いに対して約180°配向された2つのアブレーション電極60を有してもよい。同様に、各アブレーション電極は、本実施形態では3つの微小電極62を有するが、この場合もやはり、所望に応じて任意の好適な数が使用され得る。任意の数の電極アセンブリ90が、カテーテル本体50に沿って長手方向に分布していてもよい。
【0040】
図7に示される本開示の別の態様は、カテーテル20内の管腔(図示せず)を介して送達される灌注流体の灌流のための複数の開口92を有する、電極アセンブリ90を提供することを伴う。冷却流体は、アブレーション中の組織の温度を制御するのを助けるために、開口92を通って出ることができる。電極が臨界温度に達すると、血液タンパク質の変性によって凝塊が形成される。その結果、インピーダンスが上昇し、電流の送達が制限される可能性がある。更に、組織内の過熱は、蒸気泡の形成を引き起こす(蒸気が「弾ける」)と共に、組織の制御されない破壊又は身体構造の望ましくない穿孔のリスクを伴う可能性がある。したがって、本開示のアブレーションカテーテルは、カテーテル構成要素及び周囲組織の温度のより大きい制御を提供するために灌注され得る。同様の技術の一例として、Biosense Webster Inc.(Diamond Bar,Calif.)は、CARTO(登録商標)に組み込まれたマッピング及びアブレーションシステムと併用するための、ThermoCool(登録商標)灌流先端カテーテルを提供する。カテーテルに連結されたポンプは、カテーテル先端部及び組織を冷却するために、処置中に開口92を通って流動し得るように、カテーテル内腔を通って遠位端24に生理食塩水溶液又は他の好適な流体を送達する。生理食塩水に加えて、ヘパリンなどの他の流体がアブレーション部位に輸送されて、組織を冷却し、凝固を低減し、かつ/又はより深い損傷部位の形成を促進することができる。神経節叢の状態を変化させるために、神経阻害剤及び神経興奮剤などの任意の診断用及び治療用流体を含む他の流体もまた、同様に送達され得ることが理解される。灌注アブレーションカテーテルに関する代表的な詳細は、同一所有者の米国特許第9,675,411号に見ることができ、その開示内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0041】
同様に、灌注速度を制御するのを助けるために、温度を正確に監視することも望ましい場合がある。特に、温度センサとして構成された微小電極62は、電極アセンブリ90の対応する外側表面において温度を測定するために、異なる位置に位置付けられてもよい。上述のように、そのような微小電極は、アブレーション電極の外辺部内にあってもよく、又は別様に近接していてもよいが、概して、電極アセンブリ90の表面上に位置付けられ、開口92から離間していてもよい。したがって、微小電極62は、電極アセンブリ90の異なる位置において、冷却流体温度とは実質的に無関係である、多数の温度読み取り値を提供し得る。最高の温度読み取り値をもたらすセンサは、アブレーションされる組織と接するものであってよく、このセンサによって測定される温度は、実際の組織温度と共に直線的に変化する。灌注液の流れは、組織と強く接触させている領域では一般的に弱く、これらの領域のセンサは、典型的に最も高温の温度読み取り値をもたらす。いくつかの適用例では、このように「最も高温」のセンサの読み取り値は、過度に組織を損傷させずに所望の治療効果を得るため、特に組織温度をモニタリングし、アブレーション処置の適用電力及び持続時間を制御するために使用され得る。あるいは、又は加えて、カテーテル先端部の領域にわたる温度のマップをもたらすために、複数のセンサの温度読み取り値が組み合わされ、補間される。
【0042】
上記の説明文は、現時点において開示されている本発明の実施形態に基づいて示したものである。本発明が関連する分野及び技術の当業者であれば、本発明の原理、趣旨、及び範囲を大きく逸脱することなく、記載される構造に改変及び変更を実施し得る点は認識されるであろう。当業者には理解されるように、図面は必ずしも縮尺どおりではない。したがって、上記の説明文は、添付図面に記載及び例示される正確な構成のみに関連したものとして読まれるべきではなく、むしろ以下の最も完全で公正な範囲を有するものとされる特許請求の範囲と一致し、かつこれを支持するものとして読まれるべきである。
【0043】
〔実施の態様〕
(1) カテーテル本体の遠位部分上に配設されるように構成された電極アセンブリであって、フレキシブル基板と、前記電極アセンブリの周囲に半径方向に分布した複数の独立して制御されたアブレーション電極と、を備える、電極アセンブリ。
(2) 互いと反対側に位置付けられた2つのアブレーション電極を備える、実施態様1に記載の電極アセンブリ。
(3) 3つ以上のアブレーション電極を備える、実施態様1に記載の電極アセンブリ。
(4) 前記電極アセンブリが、シリンダとして構成されている、実施態様1に記載の電極アセンブリ。
(5) 前記アブレーション電極が、前記基板の外側表面に適用されている、実施態様4に記載の電極アセンブリ。
【0044】
(6) 各アブレーション電極に関連付けられた少なくとも1つの微小電極を更に備える、実施態様1に記載の電極アセンブリ。
(7) 前記微小電極のうちの少なくともいくつかが、組織接触を感知するように構成されている、実施態様6に記載の電極アセンブリ。
(8) 前記微小電極のうちの少なくともいくつかが、温度を感知するように構成されている、実施態様6に記載の電極アセンブリ。
(9) 前記微小電極のうちの少なくともいくつかが、前記アブレーション電極のうちの少なくとも1つの外辺部内に位置付けられている、実施態様6に記載の電極アセンブリ。
(10) 各アブレーション電極が、潅注流体を灌流させるように構成された複数の開口を有する、実施態様1に記載の電極アセンブリ。
【0045】
(11) 近位端及び遠位端を有する細長いカテーテル本体と、電極アセンブリと、を備えるカテーテルであって、前記電極アセンブリが、前記カテーテル本体の遠位部分上に配設され、前記電極アセンブリが、フレキシブル基板と、前記電極アセンブリの周囲に半径方向に分布した複数の独立して制御されたアブレーション電極と、を備える、カテーテル。
(12) 前記カテーテル本体に沿って長手方向に分布した複数の電極アセンブリを更に備える、実施態様11に記載のカテーテル。
(13) 各電極アセンブリが、互いと反対側に位置付けられた2つのアブレーション電極を備える、実施態様12に記載のカテーテル。
(14) カテーテル本体上に配設される電極アセンブリを構築するための方法であって、対向する縁部を有するフレキシブル基板を提供することと、複数の独立して制御されたアブレーション電極を前記フレキシブル基板の表面に適用することと、前記基板の前記対向する縁部を接合してシリンダを形成することと、を含み、前記アブレーション電極が、前記シリンダの周囲に半径方向に分布している、方法。
(15) 前記電極アセンブリが、互いと反対側に位置付けられた2つのアブレーション電極を備える、実施態様14に記載の方法。
【0046】
(16) 各アブレーション電極に関連付けられた少なくとも1つの微小電極を前記基板の前記表面に適用することを更に含む、実施態様14に記載の方法。
(17) 前記基板及び前記適用されたアブレーション電極内に、灌注流体を灌流させるように構成された複数の開口を形成することを更に含む、実施態様14に記載の方法。
(18) オペレータが患者の組織の一部分をアブレーションするための方法であって、
カテーテルを前記患者に挿入することであって、前記カテーテルが、
細長い本体と、
前記細長い本体の遠位部分上に配設された電極アセンブリであって、前記電極アセンブリの周囲に半径方向に分布した複数の独立して制御されたアブレーション電極を備える、電極アセンブリと、を備える、挿入することと、
前記アブレーション電極のうちの少なくとも1つに電力を選択的に送達することが可能なシステムコントローラに、前記カテーテルを接続することと、
前記少なくとも1つのアブレーション電極への前記電力を制御して、組織をアブレーションすることと、を含む、方法。
(19) 前記少なくとも1つのアブレーション電極への前記電力の制御が、前記電極アセンブリに、半径方向にエネルギーを優先的に放出させる、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記電極アセンブリの複数の微小電極から信号を受信することを更に含み、少なくとも1つの微小電極が各アブレーション電極に関連付けられ、組織を感知するように構成され、前記少なくとも1つのアブレーション電極への前記電力の制御が、前記受信された信号に少なくとも部分的に基づく、実施態様18に記載の方法。
【外国語明細書】