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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-194096(P2019-194096A)
(43)【公開日】2019年11月7日
(54)【発明の名称】ラベルの検査装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/10 20060101AFI20191011BHJP
   G09F 3/00 20060101ALI20191011BHJP
   G09F 3/10 20060101ALI20191011BHJP
   B65B 61/20 20060101ALI20191011BHJP
【FI】
   B65B57/10 A
   G09F3/00 M
   G09F3/10 A
   B65B61/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-87945(P2018-87945)
(22)【出願日】2018年5月1日
(71)【出願人】
【識別番号】597017812
【氏名又は名称】株式会社ナベル
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 貴之
(72)【発明者】
【氏名】籾井 山太
(72)【発明者】
【氏名】荻野 茜
【テーマコード(参考)】
3E056
【Fターム(参考)】
3E056AA20
3E056BA12
3E056CA11
3E056DA03
3E056EA02
3E056FA04
3E056FB10
3E056FE13
3E056FE14
3E056GA01
3E056GA04
(57)【要約】
【課題】容器内の所定領域にラベルが存在しているか否かを簡単に検査できるラベルの検査装置、及び、容器内に存在するラベルの文字情報が印字される印字部分を簡単に特定して検査できるラベルの検査装置を提供する。
【解決手段】容器の長さ情報または容器の端部の位置情報と、ラベルの長さ情報またはラベルの特徴部分もしくは端部の位置情報とに基づいて、容器内に収容され複数個の卵の間に配置されたラベルが、検査対象の容器内の所定領域に存在しているか否かを判断する判断部を備えた。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の長さ情報または容器の端部の位置情報と、ラベルの長さ情報またはラベルの特徴部分もしくは端部の位置情報とに基づいて、容器内に収容され複数個の卵の間に配置されたラベルが、検査対象の容器内の所定領域に存在しているか否かを判断する判断部を備えたラベルの検査装置。
【請求項2】
前記ラベルの特徴部分の目標位置情報を記憶する記憶部を備え、前記判断部は、前記特徴部分の位置情報と前記記憶部で記憶した前記目標位置情報とを比較する請求項1記載のラベルの検査装置。
【請求項3】
前記ラベルの特徴部分を検出する特徴部分検出部と、この特徴部分検出部で得られた情報を用いて、前記ラベルの特徴部分の位置情報を取得する特徴部分情報取得部を備える請求項1または2記載のラベルの検査装置。
【請求項4】
前記ラベルの端部を検出する端部検出部と、この端部検出部で得られた情報を用いて、前記ラベルの端部の位置情報またはラベルの長さ情報を取得するラベル情報取得部を備える請求項1、2または3記載のラベルの検査装置。
【請求項5】
ラベルの中で文字情報が印字される印字部分とラベルの特徴部分または端部との位置関係情報を記憶する記憶部と、
ラベルの特徴部分または端部の位置情報と前記記憶部で記憶した前記位置関係情報とに基づいて、容器内に収容され複数個の卵の間に配置されたラベルについて、蓋が開いた状態の検査対象の容器内に存在するラベルの前記印字部分を特定する特定部を備えたラベルの検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内に収容され複数個の卵の間に配置されたラベルの検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
容器内に2列で収容された卵の間のスペースに、ラベルを一枚ずつ配置するラベル投入装置が知られている(例えば、下記特許文献1を参照)。このラベル投入装置は、コンベヤで搬送される蓋が開いた状態の容器に向かって、上方から一枚ずつラベルを落とすようにしたものである。ラベルは、比較的薄い長方形状の紙でできており、その一面側には、鶏卵のサイズ記号、生産者名、賞味期限などの情報が記されている。蓋が閉められると、ラベルは卵と蓋との間に挟まって、透明な蓋を介して外側からラベルの情報が視認可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−10102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ラベル投入装置からラベルが投入される際には、投入する先のスペースが比較的狭く、また、容器が搬送されていることもあって、所定の場所に一定の姿勢でラベルを確実に配置することは難しい。一方で、近年、小売店でパック商品を陳列したときの消費者への印象を良くするために、ラベルの配置のばらつきが問題視されることがある。
【0005】
また、ラベルには賞味期限等の文字情報が印字されることが多いが、印字された情報が間違っていたり、印字トラブルが生じたりしていると、消費者からのクレームにつながる。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目したものであり、容器内の所定領域にラベルが存在しているか否かを簡単に検査できるラベルの検査装置、及び、容器内に存在するラベルの文字情報が印字される印字部分を簡単に特定して検査できるラベルの検査装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のラベルの検査装置は、容器の長さ情報または容器の端部の位置情報と、ラベルの長さ情報またはラベルの特徴部分もしくは端部の位置情報とに基づいて、容器内に収容され複数個の卵の間に配置されたラベルが、検査対象の容器内の所定領域に存在しているか否かを判断する判断部を備えた。
【0008】
ここで、「所定領域に存在していない」とは、例えば、ラベルが容器内にない、ラベルが容器内で左右方向にまたは上下方向に位置ずれしている、ラベルが容器内で傾いている、ラベルの上下が逆になっている、ラベルの裏表が逆になっている、ラベルが卵の上に乗っている等の状態が挙げられる。
【0009】
前記ラベルの特徴部分の目標位置情報を記憶する記憶部を備え、前記判断部は、前記特徴部分の位置情報と前記記憶部で記憶した前記目標位置情報とを比較するものが好ましい。
【0010】
前記ラベルの特徴部分を検出する特徴部分検出部と、この特徴部分検出部で得られた情報を用いて、前記ラベルの特徴部分の位置情報を取得する特徴部分情報取得部を備えるものが好ましい。
【0011】
前記ラベルの端部を検出する端部検出部と、この端部検出部で得られた情報を用いて、前記ラベルの端部の位置情報またはラベルの長さ情報を取得するラベル情報取得部を備えるものが好ましい。
【0012】
本発明の他のラベルの検査装置は、ラベルの中で文字情報が印字される印字部分とラベルの特徴部分または端部との位置関係情報を記憶する記憶部と、ラベルの特徴部分または端部の位置情報と前記記憶部で記憶した前記位置関係情報とに基づいて、容器内に収容され複数個の卵の間に配置されたラベルについて、蓋が開いた状態の検査対象の容器内に存在するラベルの前記印字部分を特定する特定部を備えた。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、容器内の所定領域にラベルが存在しているか否かを簡単に検査できるラベルの検査装置、及び、容器内に存在するラベルの文字情報が印字される印字部分を簡単に特定して検査できるラベルの検査装置を提供できる。
【0014】
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態を示すラベルの検査装置である。
図2】同実施形態のラベルの検査装置で検査される容器の概略正面図である。
図3】同実施形態のラベルの検査装置によって得られる卵の画像の一例を模式的に示す図である。
図4】同実施形態のラベルの検査装置の構成の一例を示すブロック図である。
図5】同実施形態のラベルの検査方法の一例を示すフロー図である。
図6】同実施形態のラベルの検査方法の一例を示すフロー図である。
図7】同実施形態のラベルの検査方法の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について、図1図7を用いて説明する。
【0017】
まず、本実施形態のラベルの検査装置10の検査対象となる容器P及びラベルLについて説明する。なお、この容器P及びラベルLは一例であり、これに限られない。
【0018】
容器Pは、図1図3に示すように、10個の卵Eをそれぞれ収容可能なホールを備えた本体P1と蓋P2とを備え、無色透明の合成樹脂により一体成形されているこの分野でよく知られたものである。容器P内に2列に並んだ卵Eの間に長方形状の紙製のラベルLが配置されている。
【0019】
ラベルLは、図1図3に示すように、容器Pの中央部に設けられた突起P3と卵Eによって支持される。ラベルLには、鶏卵のサイズ記号、生産者名、賞味期限などの情報が記されている。本実施形態では、ラベルLの左側に印刷されたサイズ記号を後述する「特徴部分L1」に設定し、ラベルLの右側に印字された賞味期限を含む印字可能領域を後述する「印字部分L2」に設定する。なお、この特徴部分L1や印字部分L2の位置や大きさは、ラベルLの品種によって多種多様なものがあり、本実施形態のラベルの検査装置10で検査する際には、ラベルLの品種ごとに種々の設定を切り替える必要がある。
【0020】
本実施形態にかかるラベルの検査装置10は、図1及び図4に示すように、容器P内に収容され複数個の卵Eの間に配置されたラベルLが、蓋P2が開いた状態の検査対象の容器P内の所定領域に存在しているか否かを検査する。この検査により、ラベルLが入っていない容器Pや、ラベルLが位置ずれしている容器P、ラベルLが傾いている容器Pなどを見つけ出す。また、本実施形態のラベルの検査装置10は、蓋P2が開いた状態の検査対象の容器P内に存在するラベルLの印字部分L2を特定し、印字が適切に行われているか否かを検査する。具体的には、ラベルの検査装置10は、蓋P2が開いた状態の検査対象の容器Pの画像を用いて検査を行うものである。ラベルの検査装置10は、照射部1と、検出部2と、制御部3とを備える。
【0021】
照射部1は、図1に示すように、検査対象の容器Pが載せられる搬送部(図示しない)の上方に設置されている。照射部1は、容器Pに入った卵Eの上方及びラベルLに向かって光を照射するものである。
【0022】
検出部2は、図1及び図4に示すように、容器PまたはラベルLの情報を得るためのものであり、本実施形態では、容器用の検出部と、ラベル用の検出部とを別々に備えている。
【0023】
容器用の検出部は、図1及び図4に示すように、容器Pの長さ情報43を得るための容器検出部21で、具体的には、搬送部上に設けられた光電センサである。容器検出部21は、卵Eが入った容器Pのホール上部側に向けて投光して、容器Pを検出する。
【0024】
ラベル用の検出部は、図1及び図4に示すように、ラベルLの特徴部分L1の位置情報44を得るための特徴部分検出部22で、具体的には、搬送部の上方に設置されている撮像装置である。特徴部分検出部22は、卵Eが入った容器Pの全体を撮影して、ラベルLの特徴部分L1を検出する。
【0025】
本実施形態では、容器検出部21と特徴部分検出部22の他に、搬送部上に容器Pの先頭が到来したことを検知するセンサ(図示しない)も備えている。
【0026】
制御部3は、図4に示すように、CPU、内部メモリ、入出力インターフェース、AD変換部等の専用ないし汎用のコンピュータにより構成されている。そして、内部メモリに格納されたプログラムにしたがって、CPUやその他の周辺機器が協働することによって、制御部3としての機能が発揮される。本実施形態の制御部3は、記憶部31、容器情報取得部32、特徴部分情報取得部33、判断部34、特定部35を備えている。
【0027】
記憶部31は、図4に示すように、ラベルLの特徴部分L1の目標位置情報41を記憶する。目標位置情報41は、具体的には、容器Pの長さに対応して特徴部分L1の座標が予め設定されたものである。また、記憶部31は、ラベルLの中で文字情報が印字される印字部分L2とラベルLの特徴部分L1との位置関係情報42を記憶する。位置関係情報42は、具体的には、特徴部分L1を基準としたときの印字部分L2の座標が予め設定されたものである。
【0028】
容器情報取得部32は、図4に示すように、容器Pの長さ情報43を取得するものであり、本実施形態では、容器検出部21で得られた情報を用いて、容器Pの長さが算出される。
【0029】
特徴部分情報取得部33は、図4に示すように、ラベルLの特徴部分L1の位置情報44を取得するものであり、本実施形態では、特徴部分検出部22で得られた情報を用いて、特徴部分L1の座標が算出される。
【0030】
判断部34は、図4に示すように、容器Pの長さ情報43と、ラベルLの特徴部分L1の位置情報44とに基づいて、容器P内に収容され複数個の卵Eの間に配置されたラベルLが、蓋P2が開いた状態の検査対象の容器P内の所定領域に存在しているか否かを判断する。また、判断部34は、特徴部分L1の位置情報44と記憶部31で記憶した目標位置情報41とを比較する。
【0031】
特定部35は、図4に示すように、ラベルLの特徴部分L1の位置情報44と記憶部31で記憶した位置関係情報42とに基づいて、容器P内に収容され複数個の卵Eの間に配置されたラベルLについて、蓋P2が開いた状態の検査対象の容器P内に存在するラベルLの印字部分L2を特定する。
【0032】
次に、本実施形態にかかるラベルの検査装置10を用いた検査方法について、図5図7を用いて説明する。
【0033】
検査対象の容器Pは、搬送部によって卵Eが2個並んだ側が先頭になって検査領域に搬送される。まず、図5に示すように、センサが搬送部上に容器Pの先頭が到来したことを検知すると(ステップS1)、容器検出部21が容器Pの検出を開始する(ステップS2)。容器検出部21は、容器Pにより遮光されればON、容器Pが途切れたところでOFFとなることで、容器Pを検出する。容器情報取得部32は、容器検出部21で得られたONの時間情報と、搬送部の速度情報とを用いて、容器Pの長さを算出する(ステップS3)。判断部34は、ステップS3で得られた容器Pの長さに基づいて、記憶部31から目標位置情報41を取得する(ステップS4)。目標位置情報41は、特徴部分L1の目標座標との誤差がどの程度許容されるかの範囲情報を含むもので、ここでは目標座標領域(A)と呼ぶ。
【0034】
一方、図6に示すように、容器Pの先頭が検知されると(ステップS11)、所定のタイミングで特徴部分検出部22はラベルLの入った容器Pを撮影する(ステップS12)。そして、ステップS12で撮影された画像から、予め設定しておいた特徴部分L1を抽出する(ステップS13)。特徴部分L1の抽出方法は、この分野でよく知られた方法を種々用いることができる。特徴部分情報取得部33は、抽出された特徴部分L1の座標(B)を算出する(ステップS14)。なお、ステップS6で特徴部分L1が抽出できないときは、判断部34は、ラベルLに異常があると判断する(ステップS15)。特徴部分L1が抽出できない場合には、ラベルLが容器Pに入っていない可能性が考えられる。
【0035】
そして、判断部34は、ステップS14で算出した特徴部分L1の座標(B)が、ステップS4で取得した目標座標領域(A)に含まれるか否かを判断する(ステップS16)。特徴部分L1の座標(B)が目標座標領域(A)に含まれていれば、ラベルLが容器Pの所定領域内に所望の状態で正しく配置されている、と判断される(ステップS17)。一方、特徴部分L1の座標(B)が目標座標領域(A)から外れていれば、ラベルLに異常がある、と判断される(ステップS15)。具体的には、ラベルLが予定していた位置よりも右側または左側にずれて配置されていたり、ラベルLが傾いていたりすることが考えられる。このような場合に、制御部3が、搬送部を停止させる、所定の搬送経路へ当該容器Pを搬送させる、または、作業者に対して何らかの表示や報知をすることが好ましい。
【0036】
次に、ステップS12〜ステップS14で得られた情報を利用して、賞味期限の印字の確認を行う方法について、図7を用いて説明する。
【0037】
特定部35は、記憶部31からラベルLの品種に対応した位置関係情報42を取得する(ステップS21)。位置関係情報42は、特徴部分L1と印字部分L2との離れ具合を示すものであり、特徴部分L1を基準とした場合に印字部分L2があると予想される予想座標(C)である。
【0038】
特定部35は、ステップS14で算出した特徴部分L1の座標(B)から、ステップS21で取得した予想座標(C)の分だけ離れた位置が印字部分L2であると特定する(ステップS22)。そして、ステップS22で特定された印字部分L2をステップS12で撮影された画像から抽出する(ステップS23)。その後、印字部分L2に印字された日付と、予め設定され記憶部31に記憶された日付とが照合される(ステップS24)。
【0039】
以上に説明したように、本実施形態にかかるラベルの検査装置10は、容器Pの長さ情報43と、ラベルLの特徴部分L1の位置情報44とに基づいて、容器P内に収容され複数個の卵Eの間に配置されたラベルLが、蓋P2が開いた状態の検査対象の容器P内の所定領域に存在しているか否かを判断する判断部34を備えた。そのため、ラベルLの投入ミスやラベルLの位置ずれや傾き等を簡単に検査することができ、パック商品の品質の向上につなげることができる。
【0040】
本実施形態のラベルの検査装置10は、ラベルLの特徴部分L1の目標位置情報41を記憶する記憶部31を備え、判断部34は、特徴部分L1の位置情報44と記憶部31で記憶した目標位置情報41とを比較するものである。また、ラベルLの特徴部分L1を検出する特徴部分検出部22と、この特徴部分検出部22で得られた情報を用いて、ラベルLの特徴部分L1の位置情報44を取得する特徴部分情報取得部33を備える。そのため、白色の卵Eの中に白色をベースとしたラベルLが入れられることが多く、ラベルLの端部L3の検出が難しい卵パックに好適に用いることができる。
【0041】
本実施形態のラベルの検査装置10は、ラベルLの中で文字情報が印字される印字部分L2とラベルLの特徴部分L1との位置関係情報42を記憶する記憶部31と、ラベルLの特徴部分L1の位置情報44と記憶部31で記憶した位置関係情報42とに基づいて、容器P内に収容され複数個の卵Eの間に配置されたラベルLについて、蓋P2が開いた状態の検査対象の容器P内に存在するラベルLの印字部分L2を特定する特定部35を備えた。そのため、印字部分L2を直接特定することが難しいラベルLについても、検査を行うことができる。
【0042】
なお、本発明は上述した実施形態に限られない。以下、上述した実施形態と同一またはこれに準ずる部分は同じ符号を付し、必要である場合を除きその説明を繰り返さないこととする。
【0043】
<変形例1>
1つ目の変形例にかかるラベルの検査装置10は、容器Pを正面から見た際に卵Eよりも上方にラベルLが突出していることを利用して、容器Pの端部P3とラベルLの端部L3に着目する。ラベルの検査装置10は、検出部2と、制御部3とを備える。
【0044】
検出部2は、容器用の検出部と、ラベル用の検出部とを別々に備える。容器用の検出部は、容器Pの端部P3の位置情報45を得るための容器検出部21で、具体的には、搬送部上に設けられた光電センサである。容器検出部21は、卵Eが入った容器Pに向けて投光して、容器Pの端部P3(容器Pの輪郭の一部)を検出する。ラベル用の検出部は、ラベルLの端部L3の位置情報46を得るための端部検出部23で、具体的には、搬送部上に設けられた光電センサである。端部検出部23は、ラベルLに向けて投光して、ラベルLの端部L3(ラベルLの輪郭の一部)を検出する。
【0045】
制御部3は、記憶部31、容器情報取得部32、ラベル情報取得部36、判断部34を備える。記憶部31は、ラベルLの端部L3と容器Pの端部P3との間の目標距離を閾値として記憶する。容器情報取得部32は、容器検出部21で得られた情報を用いて、容器Pの端部P3の位置情報45を取得する。ラベル情報取得部36は、端部検出部23で得られた情報を用いて、ラベルLの端部L3の位置情報46を取得する。判断部34は、容器Pの端部P3の位置情報45と、ラベルLの端部L3の位置情報46とに基づいて、容器P内に収容され複数個の卵Eの間に配置されたラベルLが、蓋P2が開いた状態の検査対象の容器P内の所定領域に存在しているか否かを判断する。具体的には、容器Pの端部P3の位置情報45とラベルLの端部L3の位置情報46から得られる端部P3,L3間の距離と、記憶部31に記憶された目標距離との比較を行う。
【0046】
なお、容器用の検出部及びラベル用の検出部として光電センサを使う代わりに、少なくとも一方を撮像装置に代えて、画像から容器Pの端部P3の位置情報45またはラベルLの端部L3の位置情報46を取得するようにしてもよい。また、スポット状のセンサに代えて、平行光などエリア状のセンサを用いてもよい。
【0047】
さらに、判断部34は、記憶部31に記憶された目標距離との実測距離との比較に代えて、ラベルLの端部L3が検出されるか否かでラベルLの有無を判断したり、ラベルLの端部L3が容器Pの端部P3よりも先に検出されるか否かでラベルLの位置ずれを判断したりしてもよい。他の例としては、判断部34が、ラベルLの一方側の端部L3と容器Pの一方側の端部L3との距離Xと、ラベルLの他方側の端部L3と容器Pの他方側の端部L3との距離X’とを比較して、ラベルLの位置ずれを判断してもよい。
【0048】
<変形例2>
2つ目の変形例にかかるラベルの検査装置10は、容器Pの長さとラベルLの長さに着目するもので、検出部2と制御部3とを備える。検出部2は、変形例1で説明した検出部2と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0049】
制御部3は、容器情報取得部32、ラベル情報取得部36、判断部34を備える。容器情報取得部32は、容器検出部21で得られた情報を用いて、容器Pの長さ情報43を取得する。ラベル情報取得部36は、端部検出部23で得られた情報を用いて、ラベルLの長さ情報47を取得する。判断部34は、容器Pの長さ情報43と、ラベルLの長さ情報47とに基づいて、容器P内に収容され複数個の卵Eの間に配置されたラベルLが、蓋P2が開いた状態の検査対象の容器P内の所定領域に存在しているか否かを判断する。具体的には、容器Pの長さの中心と、ラベルLの長さの中心との比較を行う。
【0050】
<その他の変形例>
判断部34が判断に用いる容器Pの情報とラベルLの情報との組み合わせは、上に例示したものに限られず、容器Pの長さ情報43とラベルLの端部L3の位置情報46との組み合わせ、容器Pの端部P3の位置情報45とラベルLの長さ情報47との組み合わせ、容器Pの端部P3の位置情報45とラベルLの特徴部分L1の位置情報44との組み合わせも、上述した実施形態や変形例に準じて実施することができる。
【0051】
上述した実施形態では、判断部34と特定部35の両方を備えたラベルの検査装置10を説明したが、判断部34を備えるラベルの検査装置10は、ラベルLの印字部分L2を特定する特定部35を備えていなくてもよい。逆に、特定部35を備えるラベルの検査装置10は、判断部34を備えなくてもよい。
【0052】
ラベル情報取得部36は、容器Pの長さ情報43を取得する方法として、光電センサや撮像装置を用いたものに限られず、例えば、パック詰め工程やそれよりも上流側の工程から長さ情報43を受け取るものや、容器Pの種類を切り換えるごとに作業者が手動で設定し記憶部31に記憶しておくものであってもよい。
【0053】
容器検出部21、特徴部分検出部22、端部検出部23は、互いに別々の検出装置で構成されてもよいし、複数の検出部の機能を兼ね備える一つの検出装置であってもよい。
【0054】
特徴部分検出部21、端部検出部22として撮像装置を用いる場合、卵が入った容器Pの全体を撮影するもののみならず、容器Pの一部のみを撮影するものであってもよい。
【0055】
位置関係情報42は、ラベルLの特徴部分L1と印字部分L2との位置関係に代えて、ラベルLの端部L3と印字部分L2とラベルLの端部L3との位置関係であってもよい。
【0056】
判断部34は、蓋P2が閉じた状態の容器Pを検査対象としてもよい。容器P内に収容されるラベルLは、蓋P2が閉じられる動きにより、一旦投入された位置からさらに移動する可能性が高い。そのため、容器Pの長さ情報43または容器Pの端部P3の位置情報45と、ラベルLの長さ情報47またはラベルLの特徴部分L1もしくは端部L3の位置情報44、46とに基づいて、容器P内に収容され複数個の卵Eの間に配置されたラベルLが、蓋P2が閉じた状態の検査対象の容器P内の所定領域に存在しているか否かを判断する判断部34を備えたものであれば、蓋P2を閉じた状態でのラベルLの有り無し検査のみならず、ラベルLの位置ずれや傾き等も簡単に検査することができる。
【0057】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、容器内に収容され複数個の卵の間に配置されたラベルの検査装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0059】
10…ラベルの検査装置
22…特徴部分検出部
23…端部検出部
31…記憶部
33…特徴部分情報取得部
34…判断部
35…特定部
36…ラベル情報取得部
41…目標位置情報
42…位置関係情報
43…(容器の)長さ情報
44…(ラベルの特徴部分の)位置情報
45…(容器の端部の)位置情報
46…(ラベルの端部の)位置情報
47…(ラベルの)長さ情報
P…容器
P2…蓋
L…ラベル
L2…印字部分
E…卵
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7