特開2019-194664(P2019-194664A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-194664(P2019-194664A)
(43)【公開日】2019年11月7日
(54)【発明の名称】表示パネル
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1335 20060101AFI20191011BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20191011BHJP
【FI】
   G02F1/1335 500
   G09F9/00 313
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-145625(P2018-145625)
(22)【出願日】2018年8月2日
(31)【優先権主張番号】15/968,715
(32)【優先日】2018年5月1日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】507111368
【氏名又は名称】立景光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100198568
【弁理士】
【氏名又は名称】君塚 絵美
(72)【発明者】
【氏名】潘 柏宏
【テーマコード(参考)】
2H291
5G435
【Fターム(参考)】
2H291FA14X
2H291FA40X
2H291FC10
2H291FC16
2H291FD04
2H291FD27
2H291LA02
5G435AA02
5G435BB12
5G435FF13
5G435HH03
(57)【要約】
【課題】遮光層と表示パネルの上部基板との間の密着性を向上させて、表示コントラストを改善する。
【解決手段】一実施形態による表示パネルは、第1の領域と、第1の領域に囲まれる中央の第2の領域とを有する。表示パネルは、パターン化遮光層と、複数の埋め込みパターンとを備える。パターン化遮光層は、第1の領域の上部基板の上面に配置される。パターン化遮光層は、頂部と、頂部から上部基板の方へ延在する複数の延在部とを有する。埋め込みパターンそれぞれは、2つの隣接する延在部の間に位置し、頂部によって覆われる。さらなる反射防止層と外側の疎水性材料層を、第2の領域で上面に配置することができる。埋め込みパターンは上部基板と同じ材料で生成することができ、反射防止層は、無機材料で生成することができる。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の領域と、前記第1の領域に囲まれる第2の領域とを有する表示パネルであって、
上部基板と、
前記上部基板とともに組み立てられた下部基板と、
前記上部基板及び前記下部基板の間に配置された表示媒体層と、
前記上部基板の上面に配置され、前記第1の領域に位置するパターン化遮光層であり、頂部と、前記頂部及び前記上部基板の間の複数の延在部とを有するパターン化遮光層と、
前記第1の領域に位置する複数の埋め込みパターンであり、前記埋め込みパターンのそれぞれは、2つの隣接する前記延在部の間に位置し、前記頂部によって覆われる、複数の埋め込みパターンと、
を備える表示パネル。
【請求項2】
前記上部基板の前記上面に配置され、前記第2の領域に位置するパターン化反射防止層をさらに備え、前記パターン化反射防止層は、前記パターン化遮光層に囲まれる、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記反射防止層上に配置された疎水性材料層をさらに備え、前記疎水性材料層は、前記第1の領域にはない、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記埋め込みパターンの1つの高さは、前記パターン化反射防止層の厚さと同じである、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記埋め込みパターンの1つの高さは、前記パターン化反射防止層の厚さより大きい、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記埋め込みパターンの材料は、前記反射防止層の材料と同じである、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記埋め込みパターンの材料は無機材料である、請求項1から6のいずれか一項に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記埋め込みパターンの材料は、前記上部基板の材料と同じである、請求項1から7のいずれか一項に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記埋め込みパターンの1つの上面は、前記第2の領域の前記上部基板の前記上面と同一平面である、請求項8に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記埋め込みパターンは、前記上部基板と一体に形成される、請求項8に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記上部基板は、前記第1の領域に位置する複数の凹所を有し、前記凹所は前記延在部とそれぞれ整列して位置付けられる、請求項1から10のいずれか一項に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記延在部は、前記凹所内にそれぞれ延在する、請求項11に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記凹所の1つの深さは、数マイクロメートルから数百マイクロメートルまでの範囲にある、請求項11に記載の表示パネル。
【請求項14】
前記凹所にそれぞれ配置された複数のパディングパターンをさらに備え、前記延在部は、前記パディングパターンの上にそれぞれ位置する、請求項11に記載の表示パネル。
【請求項15】
前記パディングパターンの材料は、前記埋め込みパターンの材料と同じである、請求項14に記載の表示パネル。
【請求項16】
前記パディングパターンは、前記凹所をそれぞれ完全に埋め、前記延在部の下面は、前記第2の領域の前記上部基板の前記上面と同一平面である、請求項14に記載の表示パネル。
【請求項17】
前記パディングパターンは、前記凹所をそれぞれ部分的に埋め、前記延在部は、前記凹所内にそれぞれ延在し、前記延在部の下面は前記第2の領域の前記上部基板の前記上面より低い、請求項14に記載の表示パネル。
【請求項18】
前記埋め込みパターンの上にそれぞれ配置された複数のレイジングパターンをさらに備える、請求項1から17のいずれか一項に記載の表示パネル。
【請求項19】
前記レイジングパターンは、前記パターン化遮光層及び前記埋め込みパターンによって包まれる、請求項18に記載の表示パネル。
【請求項20】
前記レイジングパターンは、前記埋め込みパターンとそれぞれ整列される、請求項18に記載の表示パネル。
【請求項21】
前記レイジングパターンの材料は、無機材料である、請求項18に記載の表示パネル。
【請求項22】
前記埋め込みパターンのそれぞれの幅は、数マイクロメートルから数十マイクロメートルまでの範囲である、請求項1から21のいずれか一項に記載の表示パネル。
【請求項23】
前記埋め込みパターンのピッチは、数マイクロメートルから数十マイクロメートルまでの範囲である、請求項1から22のいずれか一項に記載の表示パネル。
【請求項24】
前記上部基板上に配置され、前記上部基板及び前記表示媒体層の間に位置する電極層をさらに備える、請求項1から23のいずれか一項に記載の表示パネル。
【請求項25】
前記上部基板及び前記下部基板の間に配置された封止材をさらに備え、
前記封止材は、前記第1の領域に位置し、前記表示媒体層を囲む、請求項1から24のいずれか一項に記載の表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して電子機器に関し、特には表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
表示領域の境界を定め、表示領域を画定するために、表示パネルには、通常、ブラックマトリックス層などのパターン化遮光層が配置され、パターン化(パターニングされた)遮光層は枠状のパターンを有し、枠状のパターンで囲まれた領域が、表示領域としての機能を果たす。ブラックマトリックス層は、表示領域を画定することができるだけでなく不所望な光の漏れを防ぐこともできる。
【0003】
液晶表示パネルの場合、液晶材料を含む表示媒体層が、上部基板と下部基板との間に配置され、上部基板と下部基板は封止材又は接着剤を介して互いに貼り合わされている。封止材又は接着剤として光硬化性材料を用いる場合、硬化光を透過させ、光硬化性の封止材又は接着剤を照射可能にするために透明な上部基板が必要である。加えて、光硬化性の封止材又は接着剤を硬化させた後には、非表示領域の上部基板の上面に遮光層を形成して、不所望な光の漏れを遮断し、表示コントラストの改善を図っている。しかし、遮光層は、表示パネルの外面上に配置されるため、遮光層と下地層との間の接着を確実にする必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明は、遮光層と表示パネルの上部基板との間の密着性を向上させる構造を含む表示パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によれば、第1の領域と、第1の領域に囲まれる第2の領域とを有する表示パネルは、上部基板と、下部基板と、表示媒体層と、パターン化遮光層と、複数の埋め込みパターン(embedded pattern)と、を備える。上部基板及び下部基板は表示媒体層をともに挟んで組み立てられる。上部基板の上面に配置され、第1の領域に位置するパターン化遮光層は、頂部と、該頂部及び上部基板の間の複数の延在部とを有する。各埋め込みパターンは、第1の領域内にあり、2つの隣接する延在部の間に位置し、頂部によって覆われている。
【0006】
いくつかの実施形態によれば、表示パネルは、パターン化反射防止層をさらに備えることができる。パターン化反射防止層は、上部基板の上面の第2の領域を覆い、パターン化遮光層に囲まれる。
【0007】
いくつかの実施形態によれば、表示パネルは、疎水性材料をさらに備えることができる。疎水性材料は、反射防止層上に配置され、第1の領域にはない。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、埋め込みパターンの1つの高さは、パターン化反射防止層の厚さと同じか、あるいはパターン化反射防止層の厚さより大きくてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、埋め込みパターンの材料は、上部基板、反射防止層の材料と同じであるか、無機材料とすることができる。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、埋め込みパターンの材料が上部基板の材料と同じである場合、埋め込みパターンの1つの上面は、上部基板の上面と同一平面とすることができる。加えて、埋め込みパターンは、上部基板と一体に形成することができる。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、上部基板は、第1の領域に位置し、かつ各延在部と整列して位置する複数の凹所を有することができ、各延在部は各凹所内に延在することができる。各凹所内に複数のパディングパターン(padding pattern)をさらに配置することができ、延在部は各パディングパターンの上に位置させる。パディングパターンの材料は、埋め込みパターンの材料と同じにすることができる。パディングパターンは、延在部の下面が第2の領域の上部基板の上面と同一平面である各凹所を完全に埋めることができる。代わりに、パディングパターンは、延在部の上面が上部基板の上面より低い各凹所を部分的に埋めることができる。凹所の1つの深さは、数マイクロメートルから数百マイクロメートルの範囲とすることができる。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、表示パネルは、埋め込みパターンそれぞれの上に配置された複数のレイジングパターン(raising pattern)をさらに備えることができる。レイジングパターンは、パターン化遮光層及び埋め込みパターンによって包むことができ、それぞれの埋め込みパターンと整列させることができる。レイジングパターンの材料は無機材料とすることができる。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、埋め込みパターンそれぞれの幅は、数マイクロメートルから数十マイクロメートルの範囲とすることができ、埋め込みパターンのピッチは、数マイクロメートルから数十マイクロメートルの範囲とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
いくつかの実施形態によれば、表示パネルは、上部基板上に配置され、上部基板と表示媒体層との間に位置する電極層と、上部基板と下部基板との間に配置され、第1の領域に位置し、表示媒体層を囲む封止材とをさらに含むことができる。
【0015】
上記に照らすと、少なくとも、第1の領域でパターン化遮光層の下に配置された埋め込みパターンは、パターン化遮光層と表示パネルの上部基板との間の密着性を向上させる。従って、埋め込みパターン上に配置されたパターン化遮光層は望ましい遮光機能を提供し、表示パネルの品質を向上させる。
【0016】
添付の図面は、本発明のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、本発明の実施形態を示し、説明とともに本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】本開示の一実施形態による表示パネルの上面図を模式的に示す図である。
図1B】本開示の一実施形態による図1Aの表示パネルの上面図と整列した表示パネルの断面図を模式的に示す図である。
図2図2Aは、本開示の一実施形態による図1Bの表示パネルの製造方法におけるステップの一部を経る表示パネルの断面を模式的に示す図である。図2Bは、本開示の一実施形態による図1Bの表示パネルの製造方法におけるステップの一部を経る表示パネルの断面を模式的に示す図である。図2Cは、本開示の一実施形態による図1Bの表示パネルの製造方法におけるステップの一部を受けた表示パネルの断面を模式的に示す図である。図2Dは、本開示の一実施形態による図1Bの表示パネルの製造方法におけるステップの一部を経る表示パネルの断面を模式的に示す図である。
図3A】本開示の一実施形態による表示パネルの断面を模式的に示す図である。
図3B】本開示の一実施形態による表示パネルの断面を模式的に示す図である。
図4】本開示の一実施形態による表示パネルの断面を模式的に示す図である。
図5】本開示の一実施形態による表示パネルの断面を模式的に示す図である。
図6A】本開示の一実施形態による表示パネルの断面を模式的に示す図である。
図6B】本開示の一実施形態による表示パネルの断面を模式的に示す図である。
図7A】本開示の一実施形態による表示パネルの断面を模式的に示す図である。
図7B】本開示の一実施形態による表示パネルの断面を模式的に示す図である。
図8】本開示の一実施形態による表示パネルの断面を模式的に示す図である。
図9】本開示の一実施形態による表示パネルの断面を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで、本発明の好適な実施形態を添付の図面に示された例で詳細に説明する。可能な限り、図面及び明細書では、同一又は類似部分を指すのに同じ参照番号を使用する。
【0019】
図1Aは、本開示の実施形態による表示パネルの上面図を模式的に示す。図1Aを参照するに、表示パネル100Aは、第1の領域102と第2の領域104とを有する。上からみると、第1の領域102は、枠状のパターンを有し、第2の領域104を囲んでいる。加えて、表示パネル100Aは、第1の領域102に位置するパターン化(パターニングされた)遮光層110を含む。具体的には、パターン化遮光層110は、本実施形態では、枠状のパターンを有する。第1の領域102は、パターン化遮光層110が配置される領域とみなすことができる。パターン化遮光層110は、遮光効果を有し、表示パネル100Aの表示光は、パターン化遮光層110によって遮られ、あるいは遮断されるため、表示画像は第2の領域104に呈示され、第2の領域104を表示領域とみなすことができる。代替実施形態において、パターン化遮光層110のパターンは、他の設計要件に従って他のパターンとすることができる。
【0020】
一実施形態において、パターン化遮光層110は、インクジェット印刷プロセス、スクリーン印刷プロセス、APR印刷プロセス等のような湿式プロセスによって、表示パネル100Aの上部基板上の第1の領域102に形成される。上部基板へのパターン化遮光層110の密着性を高めるために、上部基板とパターン化遮光層110との間に複数の埋め込みパターンが配置される。
【0021】
例えば、本開示の一実施形態による表示パネルの断面を模式的に示している図1Bに示すように、表示パネル100Bは、パターン化遮光層110と、上部基板120と、下部基板130と、表示媒体層140と、封止材150と、電極層160と、反射防止層170と、複数の埋め込みパターン180と、疎水性材料層190とを備える。パターン化遮光層110は、上部基板120の上面120T上に配置され、上面図からみたパターン化遮光層110のパターンは、図1Aに示すパターン化遮光層110と実質的に同じか類似のものとすることができる。具体的には、パターン化遮光層110は枠状のパターンを有し、表示パネル100Bは、図1Aに示す第1の領域102及び第2の領域104と同じような、第1の領域102及び第2の領域104を有する。すなわち、表示パネル100Bの上面図は、表示パネル100Aに似ている。
【0022】
上部基板120と下部基板130は、互いに対向して配置され、封止材150は、上部基板120と下部基板130との間に配置される。具体的には、上部基板120と下部基板130は、封止材150を介して互いに組み立てられる。表示媒体層140は、上部基板120と下部基板130との間に配置され、封止材150によって囲まれる。上部基板120の材料は、ガラス、石英等とすることができる。表示媒体層140の材料は、上部基板120、下部基板130、表示媒体層140、及び封止材150が液晶セルとして機能することができるように液晶材料とすることができる。電極層160は、上部基板120の、表示媒体層140に面している下面120Bに配置される。電極層160の材料は、酸化インジウムスズ(ITO)のような透明の導電性材料とすることができる。パターン化反射防止層170は、上部基板120の、表示媒体層140とは反対側に面する上面120Tの第2の領域104に配置され、パターン化遮光層110によって囲まれる。
【0023】
図面は、下部基板130をプレート状の構造として表しているが、下部基板130は、ガラスプレート、シリコンバックプレーン(不図示)のような別の支持基盤と、その上に薄膜トランジスタアレイ、あるいはCMOS(相補型金属酸化物半導体)デバイスアレイ(不図示)のようなトランジスタアレイとを備えているトランジスタアレイ基板とすることができ、トランジスタアレイ及び電極層160は、表示媒体層140を駆動する駆動電界を提供するために用いることができる。いくつかの実施形態において、表示パネル100Bは、薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(TFT−LCD)パネル、あるいはLCoS(シリコン上の結晶)表示パネルとすることができる。いくつかの代替実施形態において、電極層160は、表示パネル100Bの駆動回路設計に基づいて省略することができる。
【0024】
埋め込みパターン180は、第1の領域102に位置し、数マイクロメートルから数十マイクロメートルのピッチを有することができ、各埋め込みパターン180の各々は、上部基板120の上面120Tの平面内で測定したときに、数マイクロメートルから数十マイクロメートルの幅を有することができる。パターン化遮光層110は、頂部112と、頂部112から上部基板120の方に延在する複数の延在部114とを含み、第1の領域102にも位置し、埋め込みパターン180上に直接接して配置される。そのため、各埋め込みパターン180は、2つの隣接する延在部114の間に位置し、頂部112によって覆われる。
【0025】
本実施形態では、頂部112と延在部114は一体に形成されているが、パターン化遮光層110の頂部112は第1の領域102の幅を覆っている部分とみなすことができ、パターン化遮光層110の延在部114は、頂部112の底面から上部基板120の方へ厚さ方向に延在している部分とみなすことができる。従って、延在部114は、頂部112と上部基板120との間に位置し、あるいは挟まれ、パターン化遮光層110は、図1Bに示すように、断面において櫛歯状のパターンを有することができ、埋め込みパターン180は、パターン化遮光層110の櫛歯状のパターンにおける櫛隙間に形成されたパターンである。
【0026】
一実施形態において、埋め込みパターン180の材料は、酸化シリコン(SiO)、酸化チタン(TiO)、又は両方の組み合わせを含む無機材料などの、反射防止層170の材料と同じである。埋め込みパターン180の高さは、パターン化反射防止層170の厚さと同じとすることができる。いくつかの実施形態において、埋め込みパターン180は、第1の領域に粗面を提供し、これは、パターン化遮光層110と上部基板120との間の密着性を向上させる。いくつかの実施形態において、第1の領域102における埋め込みパターン180が上にある上部基板120の構造の表面粗さは、第2の領域104におけるパターン化反射防止層170の表面粗さより明らかに大きい1nmより大きくすることができる。従って、埋め込みパターン180上に配置されたパターン化遮光層110は、所望の遮光機能を提供し、表示パネル100Bの品質を向上させる。
【0027】
さらに、疎水性材料層190を、パターン化反射防止層170の、上部基板120とは反対側の外側上面170T上の第2の領域104に配置することができる。第2の領域104にみられるパターン化反射防止層170及び疎水性材料層190は、例えば図1Bに示すように、第1の領域102を囲む周辺領域に配置することもでき、疎水性材料層190は第2の領域104になくてもよい。疎水性材料層190は、疎水性材料層190のない表示パネルに比べて、疎水性材料層があることで表示パネル100Bの外側上面の疎水性を増加させる。
【0028】
図2A−Dに示す例の表示パネル100Bの作製プロセスは、次のステップを含むことができるがこれに限られず、ステップの順番もここ示すステップの順番に限られない。図2Aに示すように、電極層160及びブランケット反射防止層270が、上部基板120の下面120B及び上面120Tにそれぞれ配置される。次に、反射防止層270は、図2Bに示すようにパターン化反射防止層170及び埋め込みパターン180を形成するために、所定のパターン設計に基づいて、例えば、ドライエッチング又はウェットエッチングによってパターニングされる。埋め込みパターン180は、第1の領域102に位置するように形成され、パターン化反射防止層170は、第1の領域102によって囲まれる第2の領域104に、随意には第1の領域102の外側に位置する周辺領域に位置するように形成される。代わりに、パターン化反射防止層170は、シャドーマスクを通してパターン化反射防止層170の材料を堆積することによって形成することができ、そのため、図2Bに示す構成は、パターニングステップなしで堆積の後に得ることができる。
【0029】
その後、図2Cに示すように、上部基板120と下部基板130が封止材150を介して組み立てられ、その間に、表示媒体層140は上部基板120と下部基板130との間の隙間を埋める。封止材150は、光硬化材料で形成することができ、光硬化ステップは封止材150を介した上部基板120と下部基板130との接合後に行うことができる。従って、埋め込みパターン180を内部に有する第1の領域102は、硬化光が透過できるように設計される。
【0030】
続いて、図2Dに示すように、パターン化反射防止層170の外側上面170T上に疎水性材料層190を形成して、表示パネル100Bの外側上面170Tの疎水性を向上させる。パターン化反射防止層170の外側上面170Tへの疎水性材料層190の配置は、表示パネル100Bの外側上面全体にわたっての、シラン表面処理プロセスなどの表面処理プロセス又は表面改質プロセスを伴うことができる。その後、マスクを介して第2の領域104、及び随意には周辺領域を遮蔽し、表示パネル100Bの外側上面における残っている露出部分を照射する電磁波を用いて、パターニングプロセスを行うことができる。一例では、電磁波は、照射領域の疎水性材料層190を分解するのに十分なエネルギーを有するUV(紫外)光又はEUV(極端紫外)光とすることができる。そのため、照射プロセスを行った後、遮蔽領域(第2の領域)の疎水性材料層190は残ったままで、露光領域(第1の領域102)の疎水性材料層190は分解される。
【0031】
図2Dのステップに続き、インクジェット印刷プロセスのような湿式プロセスを行い、図1Bに示すように埋め込みパターン180を覆うようなパターン化遮光層110を第1の領域102に形成することができ、この場合には、第1の領域102における埋め込みパターン180及び上部基板120上にインク材料を滴下する。埋め込みパターン180によって提供される粗面、及び疎水性材料層190の配置により、インク材料は、第1の領域102における上部基板120にかなり強く密着し、そのため、インク材料は、第2の領域104に漏れ出ることなく、第1の領域102におけるパターン化部分の上に均等に広がることができる。そのため、インク材料は、第1の領域102にしっかりとどまることができる。さらに、第1の領域102と第2の領域104との境界でのインク材料の接触角度は、大きく、例えば70度より大きくすることができる。その後、硬化プロセスを行って、インク材料を固化させ、シャープなパターンを有するパターン化遮光層110を形成することができる。特に、パターン化遮光層110のパターンは、線形性の良好なエッジを有することができる。
【0032】
他の実施形態では、疎水性材料層190は、例えば図3Aに示す表示パネル300Aのように、周辺領域になくてもよく、あるいは、例えば図3Bに示す表示パネル300Bのように疎水性材料層190は全くなくてもよい。表示パネル300A及び表示パネル300Bは、表示パネル100Bに実質的に似ており、これらの実施形態における同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の要素又はコンポーネントを表す。具体的には、表示パネル300A及び表示パネル300Bと表示パネル100Bとの差異は、疎水性材料層190の配置にある。
【0033】
以下、図4から図9を参照するに、各図は、一実施形態による表示パネルの断面をそれぞれ示しており、図4から図9に示す各実施形態は、図1Bに示す実施形態と共通の特徴を共有する。以降では、各実施形態における図1Bに示す実施形態との差異だけを説明する。実施形態の説明における同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の要素又はコンポーネントを表す。
【0034】
図4は、本開示の他の実施形態による表示パネルの断面を模式的に示す。表示パネル400は、上部基板120と、上部基板120に対向する下部基板130と、表示媒体層140と、上部基板120及び下部基板130の間に配置された封止材150と、上部基板120及び表示媒体層140の間の電極層160と、パターン化反射防止層170と、疎水性材料層190と、パターン化遮光層410と、埋め込みパターン480とを備えることができる。表示パネル400の上面図は、図1Aに示す表示パネル100Aに似ており、表示パネル400は、第1の領域102と、第1の領域102に囲まれた第2の領域104とを有する。本実施形態では、表示パネル400は、各埋め込みパターン480の高さH480がパターン化反射防止層170の厚さT170より大きい点で、図1Bの表示パネル100Bとは異なる。さらに、パターン化遮光層410は、埋め込みパターン480の上を覆う頂部412と、頂部412の底部から上部基板120の方へ延在する延在部414とを含むことができる。延在部414は、各埋め込みパターン480の高さに類似した高さを有することができる。従って、延在部414は、埋め込みパターン480の側面を覆う。
【0035】
本実施形態において、埋め込みパターン480は、パターン化反射防止層170と同じ材料で作製することができ、表示パネル400の作製プロセスは次のステップをさらに含むことができるが、これに限られない。図2Aに示した反射防止層270をパターニングして、パターン化反射防止層170と、このパターン化反射防止層170に等しい高さの埋め込みパターン180とを形成した後で、パターン化遮光層110を形成する前に、シャドーマスクを通してのパターン化堆積より埋め込みパターン180上に反射防止層270の材料をより多く堆積して、埋め込みパターン480を形成する。代わりに、例えば、ドライエッチング又はウェットエッチングによって反射防止層270をパターニングする前に、例えば、別のシャドーマスクを通しての更なる堆積によって、反射防止層270を第1の領域102に成長させ、これによって、第1の領域102全体にわたる反射防止層270の高さが、埋め込みパターン480の所望の高さ、すなわち第2の領域104におけるパターン化反射防止層170の厚さより大きい高さとなるようにする。その後、例えばドライエッチング又はウェットエッチングにより第1の領域102におけるより厚い反射防止層をパターニングし、パターン化反射防止層170の厚さより大きい高さの埋め込みパターン480を形成する。
【0036】
図5は、本開示の他の実施形態による表示パネルの断面を模式的に示している。表示パネル500は、上部基板520と、上部基板520に対向する下部基板130と、表示媒体層140と、上部基板520及び下部基板130の間に配置された封止材150と、上部基板520及び表示媒体層140の間の電極層160と、パターン化反射防止層170と、疎水性材料層190と、パターン化遮光層510と、埋め込みパターン580とを備えることができる。表示パネル400の上面図は、図1Aに示す表示パネル100Aに類似ており、表示パネル400は、第1の領域102と、第1の領域102に囲まれた第2の領域104とを有する。本実施形態では、表示パネル500は、上部基板520が複数の凹所520Rを有し、パターン化遮光層510が、頂部512、及び頂部512から凹所520Rまで延在する延在部514を有する点で、図1Bに示す表示パネル100Bとは異なる。各凹所520Rの深さは、数マイクロメートルから数百マイクロメートルまでの範囲とすることができる。本実施形態では、凹所520R間に位置する上部基板520のパターンは、埋め込みパターン580としての機能を果たし、そのため本実施形態では、埋め込みパターン580の材料は、上部基板520の材料と同じであり、埋め込みパターン580は、上部基板520と一体に形成され、埋め込みパターン580の1つの上面は、第2の領域104の上部基板520の上面520Tと同一平面である。さらに、パターン化遮光層510の頂部512の下面は、埋め込みパターン580の上面に接触してもよく、パターン化遮光層510の頂部512の下面は、第2の領域104における上部基板520の上面と同一平面とすることができる。
【0037】
本実施形態において、表示パネル500の作製プロセスに関して、図1Aに示すような反射防止層170は、第2の領域104、随意には周辺領域にパターン化反射防止層170を形成するようにパターニングすることができるが、図2Bのステップとは異なり、本実施形態によれば、第1の領域102の反射防止層270の材料は完全に除去することができ、そのため、反射防止層270の材料は、第1の領域102はなくてもよい。さらに、第1の領域102の上部基板520を露出した後、第1の領域102の上部基板520の一部を除去するためにパターニングプロセスを行って、凹所520R及び埋め込みパターン580を、第1の領域102に形成することができる。上部基板520は、例えば、ドライエッチング又はウェットエッチングによってパターニングすることができる。
【0038】
図6Aは、本開示のさらなる他の実施形態による表示パネルの断面を模式的に示している。表示パネル600Aは、上部基板520と、上部基板520に対向する下部基板130と、表示媒体層140と、上部基板520及び下部基板130の間に配置された封止材150と、上部基板520及び表示媒体層140の間の電極層160と、パターン化反射防止層170と、疎水性材料層190と、パターン化遮光層610Aと、埋め込みパターン180とを備えることができる。表示パネル600Aの上面図は、図1Aに示す表示パネル100Aと似ており、表示パネル600Aは、第1の領域102と、第1の領域102に囲まれた第2の領域104とを有する。本実施形態において、表示パネル600Aは、上部基板520が、パターン化遮光層610Aの各延在部614と位置合わせされた、第1の領域102に位置する複数の凹所520Rを含む点で図1Bに示す表示パネル100Bとは異なる。本実施形態では、延在部614が凹所520Rをそれぞれ完全に埋めることができるように、パターン化遮光層610Aの各延在部614の高さH614は、各埋め込みパターン180の高さH180と各凹所520Rの深さD520との和と実質的に同じとすることができる。凹所520Rの深さは、数マイクロメートルから数十マイクロメートルまでの範囲とすることができるが、本開示はこれに限られない。
【0039】
本実施形態において、図2A−Dに示す表示パネル100Bの作製プロセスの例に比べて、表示パネル600Aの作製プロセスは、パターン化遮光層610Aを形成する前に、凹所520Rを形成するために、例えば、ドライエッチング又はウェットエッチングによって上部基板520をパターニングするステップをさらに含むことができる。
【0040】
図6Bは、本開示の他の実施形態による表示パネルの断面を模式的に示す。表示パネル600Bは、上部基板520と、上部基板520に対向する下部基板130と、表示媒体層140と、上部基板520及び下部基板130の間に配置された封止材150と、上部基板520及び表示媒体層140の間の電極層160と、パターン化反射防止層170と、疎水性材料層190と、パターン化遮光層610Bと、埋め込みパターン480とを備えることができる。表示パネル600Bの上面図は、図1Aに示す表示パネル100Aと似ており、表示パネル600Bは、第1の領域102と、第1の領域102に囲まれた第2の領域104とを有する。本実施形態において、表示パネル600Bは、パターン化遮光層610Bがより大きい高さH614の延在部614を有し、埋め込みパターン480がパターン化反射防止層170の厚さT170より大きい高さH480を有する点で、図6Aに示す表示パネル600Aとは異なる。具体的には、パターン化遮光層610Bの各延在部614の高さH614は、各埋め込みパターン480の高さH480と各凹所520Rの深さD520Rとの和と実質的に同じとすることができる。
【0041】
図7Aは、本開示のさらなる他の実施形態による表示パネルの断面を模式的に示している。表示パネル700Aは、上部基板520と、上部基板520に対向する下部基板130と、表示媒体層140と、上部基板520及び下部基板130の間に配置された封止材150と、上部基板520及び表示媒体層140の間の電極層160と、パターン化反射防止層170と、疎水性材料層190と、パターン化遮光層710Aと、埋め込みパターン180と、パディングパターン792とを備えることができる。表示パネル700Aの上面図は、図1Aに示す表示パネル100Aと似ており、表示パネル700Aは、第1の領域102と、第1の領域102に囲まれた第2の領域104とを有する。本実施形態において、表示パネル700Aは、上部基板520が複数の凹所520Rを有し、表示パネル700Aが、凹所520Rのそれぞれに配置された複数のパディングパターン792をさらに含む点で、図1Bに示す表示パネル100Bとは異なる。具体的には、本実施形態において、パターン化遮光層710Aは、頂部712と、凹所520Rにそれぞれ位置合わせされて位置付けられた延在部714Aとを含むことができる。従って、延在部714Aは、パディングパターン792の上に位置する。凹所520R内に形成されるパディングパターン792は、延在部714Aとも位置合わせされ、延在部714Aと接触する。パディングパターン792は、埋め込みパターン180と同じ材料で作製することができ、各凹所520Rを完全に埋めるため、パターン化遮光層710Aの延在部714Aの下面B714Aは、第2の領域104の上部基板520の上面520Tと同一平面とすることができる。
【0042】
図7Bは、本開示の他の実施形態による表示パネルの断面を模式的に示している。表示パネル700Bは、上部基板520と、上部基板520に対向する下部基板130と、表示媒体層140と、上部基板520及び下部基板130の間に配置された封止材150と、上部基板520及び表示媒体層140の間の電極層160と、パターン化反射防止層170と、疎水性材料層190と、パターン化遮光層710Bと、埋め込みパターン180と、パディングパターン792とを備えることができる。表示パネル700Bの上面図は、図1Aに示す表示パネル100Aと似ており、表示パネル700Bは、第1の領域102と、第1の領域102に囲まれた第2の領域104とを有する。本実施形態において、表示パネル700Bは、凹所520Rの深さがより大きくて、パディングパターン792が凹所520Rをそれぞれ部分的に埋め、延在部714Bが凹所520R内にそれぞれ延在し、パターン化遮光層710Bの延在部714Bの下面B714Bが第2の領域104における上部基板520の上面520Tより低い点で、図7Aに示す表示パネル700Aとは異なる。すなわち、各延在部714Bの高さH714Bは、各埋め込みパターン180の高さH180より高い。いくつかの実施形態において、パディングパターン792、埋め込みパターン180、及びパターン化反射防止層170は、同じ成膜プロセス中に形成することができるが、本開示はこれに限られない。さらに、各パディングパターン792の高さH792は、各埋め込みパターン180の高さH180と同じにすることができ、各埋め込みパターン180の高さH180は、パターン化反射防止層170の厚さT170と同じにすることができる。
【0043】
図8は、本開示の他の実施形態による表示パネルの断面を模式的に示している。表示パネル800は、上部基板120と、上部基板120に対向した下部基板130と、表示媒体層140と、上部基板120及び下部基板130の間に配置された封止材150と、上部基板120及び表示媒体層140の間の電極層160と、パターン化反射防止層179と、疎水性材料層190と、パターン化遮光層810と、埋め込みパターン180と、レイジングパターン894とを備えることができる。表示パネル800の上面図は、図1Aに示す表示パネル100Aと似ており、表示パネル800は、第1の領域102と、第1の領域102に囲まれた第2の領域104とを有する。本実施形態において、表示パネル800は、埋め込みパターン180のそれぞれの頂部上に整列して、配置された複数のレイジングパターン894が表示パネル800にさらに含まれ、パターン化遮光層810及び埋め込みパターン180によって包まれる点で、図1Bに示す表示パネル100Bとは異なる。レイジングパターン894は、それぞれ埋め込みパターン180と整列して、第1の領域102に複数のピラーを形成する。レイジングパターン894の材料は、無機材料とすることができる。さらに、パターン化遮光層810の各延在部814の高さH814は、1つのレイジングパターン894の高さH894と1つの埋め込みパターン180の高さH180との和とすることができる。
【0044】
本実施形態において、図2A−Dに示す表示パネル100Bの作製プロセスの例と比較すると、表示パネル800の作製プロセスは、反射防止層270をパターニングした後で、パターン化遮光層110を形成する前に、例えば、埋め込みパターン180上のシャドーマスクを通しての堆積によって、例えば、無機材料のパターン化堆積によって埋め込みパターン180上にレイジングパターン894を形成するステップを含むことができる。かわりに、反射防止層270をパターニングする前に、反射防止層270の第1の領域102に無機層を形成することができ、次に、反射防止層270及びその上の無機層を同じパターニングプロセス中にパターニングして、埋め込みパターン180上に積み重ねるレイジングパターン894の構造を形成し、その後に形成されるパターン化遮光層810により、レイジングパターン894及び埋め込みパターン180を覆うことができる。
【0045】
図9は、本開示の他の実施形態による表示パネルの断面を模式的に示している。表示パネル900は、上部基板120と、上部基板120に対向する下部基板130と、表示媒体層140と、上部基板120及び下部基板130の間に配置された封止材150と、上部基板120及び表示媒体層140の間の電極層160と、パターン化反射防止層170と、疎水性材料層190と、パターン化遮光層110と、埋め込みパターン980とを備えることができる。表示パネル900の上面図は、図1Aに示す表示パネル100A似ており、表示パネル900は、第1の領域102と、第1の領域102に囲まれた第2の領域104とを有する。本実施形態において、表示パネル900は、埋め込みパターン980の材料がパターン化反射防止層170とは異なる無機材料とすることができる点で、図1Bに示す表示パネル100Bとは異なる。いくつかの実施形態において、埋め込みパターン980の材料として、SiO、TiO、Al、ZnO、又はこれらの組み合わせを挙げることができるが、これに限定されない。
【0046】
本実施形態において、表示パネル900の作製プロセスに関し、図2A−Dに示す表示パネル100Bの作製プロセスの例と同様に、反射防止層270は、第2の領域、随意には周辺領域にパターン化反射防止層170を形成するようにパターニングされるが、この場合には、第1の領域102の反射防止層270の材料を除去し、例えば、シャドーマスクを通しての第1の領域102への無機材料のパターン化堆積によって無機材料の埋め込みパターン980をさらに形成する点で異なる。
【0047】
図4から図9に示す表示パネル400、500、600A、600B、700A、700B、800、及び900のいくつかの代替実施形態において、疎水性材料層190は、周辺領域になくてもよく、あるいは全くなくてもよい。加えて、埋め込みパターン180及び480の高さは、異なる設計要件に従って変更していてもよい。例えば、図7Aに示す表示パネル700A、図7Bに示す表示パネル700B、又は図8に示す表示パネル800における埋め込みパターン180は、図4に示す表示パネル400における埋め込みパターン480に置き換えることができる。さらに、表示パネル600A又は600Bにあるような凹所−延在部の構造、及び表示パネル700A又は700Bにあるような凹所−延在部−パディングパターンの構造は、表示パネル800及び900のいずれにも適用することができる。
【0048】
上記に照らして、本開示の実施形態による表示パネルは、パターン化遮光層が形成される第1の領域に埋め込みパターンが配置され、埋め込みパターンはパターン化遮光層に接触させるために粗い表面にする。従って、パターン化遮光層の上部基板への密着性が向上し、埋め込みパターン上に配置されたパターン化遮光層は、所望の遮光機能を提供して、表示パネルの品質を向上させることができる。
【0049】
発明の範囲及び精神から逸脱せずに、本明細書に開示される実施形態及び概念に様々な変形及び変更が可能であることは当業者に明らかである。前述に照らして、本開示は、後述する請求項及びそれらの均等物に該当する場合、本発明の変形及び変更をカバーすることを意図する。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明による表示パネルは、表示機能を必要とする電子機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0051】
100A、100B、300A、300B、400、500、600A、600B、700A、700B、800、900:表示パネル
102:第1の領域
104:第2の領域
110、410、510、610A、610B、710A、710B、810:パターン化遮光層
112、412、512、712:頂部
114、414、514、614、714A、714B、814:延在部
120、520:上部基板
120B、B714A、B714B:下面
120T、520T:上面
130:下部基板
140:表示媒体層
150:封止材
160:電極層
170、270:反射防止層
170T:外側上面
180、480、580、980:埋め込みパターン
190:疎水性材料層
520R:凹所
792:パディングパターン
894:レイジングパターン
D520R:深さ
H180、H480、H614、H714B、H792、H814、H894:高さ
T170:厚さ
図1A
図1B
図2-1】
図2-2】
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
【外国語明細書】
2019194664000001.pdf