(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-194783(P2019-194783A)
(43)【公開日】2019年11月7日
(54)【発明の名称】運転注意喚起装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20191011BHJP
【FI】
G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-88541(P2018-88541)
(22)【出願日】2018年5月2日
(71)【出願人】
【識別番号】518155100
【氏名又は名称】有限会社三ッ福
(74)【代理人】
【識別番号】100130281
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 道幸
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 正史
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181CC04
5H181CC11
5H181FF25
5H181FF27
5H181LL02
5H181LL07
(57)【要約】
【課題】
従来の車両に、後付で容易に設けることができる運転注意喚起装置を提供することにある。
【解決手段】
車両の運転席の周辺の情報を収集する運転席周辺情報収集手段と、運転席周辺情報収集手段からの情報により、シフトレバーが後進の位置になったことを検知し、運転者に運転の注意を喚起する必要があるか否かを判断する制御手段と、制御手段の注意喚起が必要だとの判断により、運転者に注意喚起を行うため音声を発する発音手段とを備えることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を運転する運転者に対して運転の注意を促すための運転注意喚起装置において、
該車両の運転席の周辺の情報を収集する運転席周辺情報収集手段と、
該運転席周辺情報収集手段からの該情報により、シフトレバーが後進の位置になったことを検知し、該運転者に運転の注意を喚起する必要があるか否かを判断する制御手段と、
該制御手段の注意喚起が必要だとの判断により、該運転者に注意喚起を行うため音声を発する発音手段とを備えることを特徴とする運転注意喚起装置。
【請求項2】
前記運転席周辺情報収集手段が、前記運転席周辺の音を取り組む集音手段であり、
前記制御手段が、該集音手段が取り込んだ該音の中に、前記シフトレバーが後進の位置になったことを示すバック音が含まれた場合に、前記発音手段に前記運転者に注意喚起を行うため音声を発せさせることを特徴とする請求項1記載の運転注意喚起装置。
【請求項3】
前記制御手段が、
予め前記集音手段で取り込んだ前記バック音を学習し、
実際の運転の際に該集音手段で取り込まれた音と該制御手段が予め学習した該バック音とを比較し、前記シフトレバーが後進の位置になったことを検知することを特徴とする請求項2記載の運転注意喚起装置。
【請求項4】
前記運転席周辺情報収集手段が、前記運転席周辺を撮影する撮影手段であり、
前記制御手段が、該撮影手段で撮影した画像から前記シフトレバーが後進の位置になったことを検知した場合に、前記発音手段に前記運転者に注意喚起を行うため音声を発せさせることを特徴とする請求項1記載の運転注意喚起装置。
【請求項5】
前記撮影手段が、前記運転者の手の動き又は前記シフトレバーの位置を撮影し、
前記制御手段が、該撮影手段で撮影した画像から該シフトレバーが後進の位置になったことを検知した場合に、前記発音手段に前記運転者に注意喚起を行うため音声を発せさせることを特徴とする請求項4記載の運転注意喚起装置。
【請求項6】
前記制御手段が、
予め前記撮影手段で取り込んだ前記画像から前記運転者の手の動き又は前記シフトレバーの位置を学習し、
実際の運転の際に該撮影手段で取り込まれた画像と該制御手段が予め学習した該運転者の手の動き又は該シフトレバーの位置とを比較し、前記シフトレバーが後進の位置になったことを検知することを特徴とする請求項5記載の運転注意喚起装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を運転する運転者に対して運転の注意を促すための運転注意喚起装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、高齢者等の車両の運転者に、周囲の状況に応じて注意喚起を行ったり、急発進等に対して注意喚起を行ったりする仕組みが、各種提案されてきている。
【0003】
例えば、特許文献1の運転支援装置は、シフト状態検出部が取得したシフトレバーの状態と、ステアリング状態検出部が取得した操舵角とをもとに、車両動作予測部が自車両の進行方向を予測し、また、車外カメラおよびレーダの出力を用いて障害物検出部が自車両周辺の障害物を検出し、車内カメラが撮影した運転者の画像をもとに運転者状態検出部が運転者の視線方向を検出し、判定処理部が、自車両の進行方向に障害物が存在する場合や、運転者が自車両の進行方向を見ていない場合に「発進不可」と判定して運転者への警告を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−153660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の運転支援装置は、ステアリングの状態を検出していたりと、車両から直接情報を取得する必要があり、従来の車両に後付することができない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、従来の車両に、後付で容易に設けることができる運転注意喚起装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の運転注意喚起装置は、車両の運転席の周辺の情報を収集する運転席周辺情報収集手段と、運転席周辺情報収集手段からの情報により、シフトレバーが後進の位置になったことを検知し、運転者に運転の注意を喚起する必要があるか否かを判断する制御手段と、制御手段の注意喚起が必要だとの判断により、運転者に注意喚起を行うため音声を発する発音手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の運転注意喚起装置は、運転席周辺情報収集手段が、運転席周辺の音を取り組む集音手段であり、制御手段が、集音手段が取り込んだ音の中に、シフトレバーが後進の位置になったことを示すバック音が含まれた場合に、発音手段に運転者に注意喚起を行うため音声を発せさせることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の運転注意喚起装置は、制御手段が、予め集音手段で取り込んだバック音を学習し、実際の運転の際に集音手段で取り込まれた音と制御手段が予め学習したバック音とを比較し、シフトレバーが後進の位置になったことを検知することを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の運転注意喚起装置は、運転席周辺情報収集手段が、運転席周辺を撮影する撮影手段であり、制御手段が、撮影手段で撮影した画像からシフトレバーが後進の位置になったことを検知した場合に、発音手段に運転者に注意喚起を行うため音声を発せさせることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の運転注意喚起装置は、撮影手段が、運転者の手の動き又はシフトレバーの位置を撮影し、制御手段が、撮影手段で撮影した画像からシフトレバーが後進の位置になったことを検知した場合に、発音手段に運転者に注意喚起を行うため音声を発せさせることを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の運転注意喚起装置は、制御手段が、予め撮影手段で取り込んだ画像から運転者の手の動き又はシフトレバーの位置を学習し、実際の運転の際に撮影手段で取り込まれた画像と制御手段が予め学習した運転者の手の動き又はシフトレバーの位置とを比較し、シフトレバーが後進の位置になったことを検知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本願の発明によれば、従来の車両に、後付で容易に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る運転注意喚起装置の構成の一例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明に係る運転注意喚起装置の構成の一例を示す構成図である。
【0016】
本発明に係る運転注意喚起装置1は、車両を運転する運転者に対して運転の注意を促すためのものである。運転注意喚起装置1は、運転席周辺情報収集手段、制御手段及び発音手段からなる。運転席周辺情報収集手段は、車両の運転席の周辺の情報を収集するもので、集音手段や撮影手段である。
【0017】
制御手段は、車両のシフトレバーが後進の位置になったことを検知し、運転者に運転の注意を喚起する必要があるか否かを判断するものである。制御手段は、
図1に示す制御装置10であり、例えば、マイクロコンピュータである制御部12により構成することが可能で、ソフトウェアにより制御を行う構成でも、ハードウェアにより制御を行う構成でも、ハードウェアとソフトウェアとにより制御を行う構成でもよく、その形態によって制限されるものではない。尚、後述するが、制御の機能により、データ等の記憶手段である記憶部14が、必要な場合もある。
【0018】
発音手段は、例えば、スピーカ30であり、制御手段である制御部12の注意喚起が必要だとの判断により、運転者に注意喚起を行うために車内の運転者に向けて音声を発するためのものである。
【0019】
このような構成の運転注意喚起装置1によれば、車両側からシフトレバーの位置といった情報を受け取らずに、運転注意喚起装置1側だけの動作で注意喚起をすることが可能で、従来の車両に、後付で容易に設けることができる。
【実施例1】
【0020】
次に、運転席周辺情報収集手段の具体的な例を挙げて、運転注意喚起装置1の実施例を説明する。
【0021】
運転注意喚起装置1の運転席周辺情報収集手段が、運転席周辺の音を取り組む集音手段であり、具体的には、
図1に示すように車内マイク20の場合の運転注意喚起装置1の動作を説明する。尚、実施例1の形態においては、
図1の車内カメラ22は、不要である。
【0022】
集音手段である車内マイク20は、絶えず運転席周辺の音を取り込んで、その情報を制御手段である制御部12に送る。この状態で、運転者が車両のシフトレバーを後進の位置にすると、まずもって、バック音が運転席周辺で鳴り始める。
【0023】
すると、制御部12は、車内マイク20が取り込んだ音の中に、シフトレバーが後進の位置になったことを示すバック音が含まれていることを検知する。そして、制御部12は、シフトレバーが後進の位置になった判断し、発音手段であるスピーカ30が、例えば「バックします。周囲に注意を払ってください。」といった注意喚起の音声を発するように制御する。
【0024】
尚、シフトレバーが後進の位置から他の位置に移ったときはバック音が消え、車内マイク20でバック音を取り込まなくなるので、制御部12は、スピーカ30からの注意喚起の音声を止める。
【0025】
実際の車両では、運転者の周辺の雑音で、バック音を的確に把握できない場合もある。このような環境に対応するように、制御手段である制御部12が、予め集音手段である車内マイク20が取り込んだバック音を学習して記憶部14に記憶させ、実際の運転の際に車内マイク20で取り込まれた音と制御部12が予め学習した(記憶部14に記憶させた)バック音とを比較し、音の特徴が合致した場合に、シフトレバーが後進の位置になったことを検知して、スピーカ30から注意喚起の音声を発するように制御するようにしてもよい。
【実施例2】
【0026】
次に、運転席周辺情報収集手段の他の具体的な例を挙げて、運転注意喚起装置1の実施例を説明する。
【0027】
運転注意喚起装置1の運転席周辺情報収集手段が、運転席周辺を撮影する撮影手段であり、具体的には、
図1に示すように車内カメラ22の場合の運転注意喚起装置1の動作を説明する。尚、実施例2の形態においては、
図1の車内マイク20は、不要である。
【0028】
撮影手段である車内カメラ22は、絶えず運転席周辺の様子を撮影し、その情報を制御手段である制御部12に送る。この状態で、運転者が車両のシフトレバーを後進の位置にすると、制御部12が車内カメラ22の情報からシフトレバーが後進の位置になったことを検知する。そして、制御部12は、シフトレバーが後進の位置になった判断し、発音手段であるスピーカ30が、例えば「バックします。周囲に注意を払ってください。」といった注意喚起の音声を発するように制御する。
【0029】
尚、シフトレバーが後進の位置から他の位置に移ったときは、車内カメラ22の情報から、制御部12は、スピーカ30からの注意喚起の音声を止める。
【0030】
実際の車両では、運転者の周辺の様子が見えにくいような時もあり、シフトレバーが後進の位置になったことを的確に把握できない場合もある。このような環境に対応するように、制御手段である制御部12が、予め撮影手段である車内カメラ22が取り込んだ画像を学習して記憶部14に記憶させ、実際の運転の際に撮影した画像と制御部12が予め学習した(記憶部14に記憶させた)映像とを比較し、操作やシフトレバーの動作等(運転者の手の動き又はシフトレバーの位置)の特徴が合致した場合に、シフトレバーが後進の位置になったことを検知して、スピーカ30から注意喚起の音声を発するように制御するようにしてもよい。
【0031】
尚、
図1に示すように、運転席周辺情報収集手段として、車内マイク20及び車内カメラ22を両方設けて、実施例1及び実施例2の機能の両方を、1つの車両に設けることも可能である。
【0032】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上のように、本発明によれば、従来の車両に、後付で容易に設けることができる運転注意喚起装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0034】
1・・・・運転注意喚起装置
10・・・制御装置
12・・・制御部
14・・・記憶部
20・・・車内マイク
22・・・車内カメラ
30・・・スピーカ