【解決手段】サーバ1は、ユーザの行動パターンを記憶する記憶部13と、ユーザ側装置2から送信される使用状況を示す情報を受信する情報受信部11と、使用状況を示す情報に基づいて、ユーザの行動パターンを設定更新する行動パターン設定処理部16と、ユーザの行動パターンにおけるユーザ側装置2の使用を開始する時刻である第1の時刻から、ユーザ側装置2の使用を終了する時刻である第2の時刻の間に、情報受信部11により使用状況を示す情報が受信された否かに基づいて、ユーザに異常が発生しているか否かを判断する安否確認処理部12と、ユーザに異常が発生していると判断された場合、情報処理装置3に対する警告情報を生成する警告処理部14と、警告情報を、情報処理装置3に送信する情報送信部15とを備える。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施の形態の安否確認システムについて、
図1〜
図10を参照しながら説明する。
【0028】
図1を用いて、安否確認システムの構成、および、安否確認システムを構成している各装置が有する機能について説明する。安否確認システムは、サーバ1、ユーザ側装置2、情報処理装置3、上り情報通信基地局4、下り情報通信基地局5、および、ネットワーク6を含んで構成されている。
【0029】
ユーザ側装置2は、例えば高齢者などの見守り対象となるユーザが保有している。ユーザ側装置2は、専用の装置ではなく、見守り対象が日常生活において頻繁に使用している装置を利用するか、または、そのような装置と一体化されて構成されると好適である。サーバ1は、ユーザ側装置2から送信される情報に基づいて、見守り対象に異常が発生しているか否かを判断する等の処理を実行する装置である。情報処理装置3は、自治体または自治体の担当者、消防、もしくは、所定の業者など、異常発生時に、ユーザ側装置2を保有しているユーザの自宅を訪問する必要がある場合に、サーバ1からの通知を受ける装置である。
図1においては、サーバ1、ユーザ側装置2、情報処理装置3をそれぞれ1つずつ図示しているが、安否確認システムにおいて、ユーザ側装置2は複数の見守り対象にそれぞれ保有され、情報処理装置3も、見守り対象の安全を確保するために必要な数だけ用意されている。
【0030】
ユーザ側装置2から、上り情報通信基地局4を介したサーバ1への通信は、いかなる通信方式を用いてもよいが、例えば、LPWA(Low Power Wide Area)を用いて通信を行うと好適であるが、LTE-M(CAT.M1)、LTE CAT.1、CAT.NB1や将来の5G規格に伴う新たな通信規格も含まれることは言うまでもない。ここで、LPWAとは、消費電力を抑えて遠距離通信を実現する通信方式であり、たとえば、SigFox、LoRaWAN 、NB-IoT等がある。また、LPWAでは、各端末に予め個別のIDが割り振られている。すなわち、1つのサーバ1で多くのユーザ側装置2から情報を受信している場合であっても、サーバ1が受信した情報がいずれのユーザ側装置2から送信された情報であるかを、容易に判別することが可能である。
【0031】
また、サーバ1から、下り情報通信基地局5を介したユーザ側装置2への通信は、いかなる通信方式を用いてもよいが、上述したように、ユーザ側装置2は、専用の装置ではなく、見守り対象が日常生活において頻繁に使用している装置と一体化されて構成されていると好適であるため、ユーザ側装置2の構成に適した通信方式が用いられるものとすると安定した安否確認システムを安価に構築することが可能となる。ユーザ側装置2の構成が多岐にわたる場合において、可能であれば、サーバ1から、下り情報通信基地局5を介したユーザ側装置2への通信は、ユーザ側装置2の構成に適した複数の通信方式を利用可能であるものとすると、更に好適である。例えば、ユーザ側装置2として、テレビジョン受像器とリモートコマンダが用いられている場合においては、サーバ1から、下り情報通信基地局5を介したユーザ側装置2への通信は、音声・文字・静止画を組み合わせた情報を、多数の住民や特定の場所に一斉に届けることができるV-Lowマルチメディア放送であるi-dio(アイディオ)などの放送波を使用することが可能である。また、ユーザ側装置2から、上り情報通信基地局4を介したサーバ1への通信にLPWAを用いる場合においては、サーバ1から、下り情報通信基地局5を介したユーザ側装置2への通信にもLPWAを用いるものとしてもよいし、サーバ1から、下り情報通信基地局5を介したユーザ側装置2への通信を、V-LowとLPWAの両方の通信方式で行うことができるようにしてもよい。
【0032】
また、サーバ1と情報処理装置3との通信は、いかなる通信方式を用いてもよい。例えば、サーバ1と情報処理装置3との設置個所にインターネット環境が整っている場合、サーバ1と情報処理装置3との通信は、インターネットを介したものであってもよい。
【0033】
次に、安否確認システムを構成している各装置が有する機能の詳細について説明する。
【0034】
サーバ1は、ユーザの行動パターンに関する情報を記憶するとともに、ユーザ側装置2における操作入力、または、ユーザ側装置2が物理的に動いたことを示す情報などの、ユーザ側装置2における使用状況を示す情報を、上り情報通信基地局4を介して、ユーザ側装置2から受信する。サーバ1における見守り対象に異常が発生しているか否かの判断は、サーバ1内部に蓄積されているユーザの行動パターンに関する情報に基づいて設定される第1の時刻と第2の時刻との間に実行され、第2の時刻になってもユーザ側装置2から必要な情報が受信されなかった場合、見守り対象に異常が発生していると判断される。具体的には、第1の時刻とは、ユーザの行動パターンにおいて、見守り対象のユーザがユーザ側装置2の使用を開始する時刻であり、第2の時刻とは、ユーザの行動パターンにおいて、見守り対象のユーザがユーザ側装置2の使用を終了する時刻である。
【0035】
また、サーバ1は、ユーザ側装置2から送信される使用状況を示す情報に基づいて、安否確認のための処理に用いられるユーザの行動パターンに関する情報を蓄積し、必要に応じて更新する。また、サーバ1は、地震や台風等の災害時において、災害時の注意喚起情報をユーザ側装置2に送信するとともに、災害時の注意喚起情報を参照したユーザが所定の操作を行わなかった場合、ユーザの安否を確認するための処理を実行する。また、サーバ1は、特定のユーザの安否確認のために、ユーザの自宅への訪問等が必要な場合において、自治体または自治体の担当者、消防、もしくは、所定の業者などが有する情報処理装置3へ、特定のユーザの自宅への訪問等の安否確認が必要であることなどを示す警告情報を送信する。サーバ1は、情報処理装置、または、第1の情報処理装置に対応する。
【0036】
次に、サーバ1が有する各機能について説明する。サーバ1は、情報受信部11、安否確認処理部12、記憶部13、警告処理部14、情報送信部15、および、行動パターン設定処理部16を含んで構成されている。
【0037】
情報受信部11は、ユーザ側装置2における操作入力、または、ユーザ側装置2が物理的に動いたことを示す情報などの、ユーザ側装置2における使用状況を示す情報を、上り情報通信基地局4を介して、ユーザ側装置2から受信する。情報受信部11は、ユーザ側装置2から受信した、使用状況を示す情報、および、ユーザ側装置2個別のIDを、安否確認処理部12、および、行動パターン設定処理部16に供給する。
【0038】
安否確認処理部12は、情報受信部11から供給された使用状況を示す情報、および、ユーザ側装置2個別のIDに基づいて、後述する記憶部13に記憶されているユーザの行動パターンに関する情報から、曜日等の条件に対応する情報を読み出す。そして、安否確認処理部12は、ユーザ側装置2個別のIDに対応するユーザの行動パターンにおけるユーザ側装置2の操作開始時刻として設定されている第1の時刻から、操作終了時刻と設定されている第2の時刻までの間、使用状況を示す情報が受信されているか否かを判断する。
【0039】
安否確認処理部12は、情報受信部11において、操作終了時刻と設定されている第2の時刻までに、受信するべき使用状況を示す情報が受信されていないと判断した場合、受信するべき使用状況を示す情報が受信されていないユーザに関する情報を記憶部13から読み出し、警告処理部14に供給する。
【0040】
また、安否確認処理部12は、情報受信部11において、後述する注意喚起情報を参照したユーザのユーザIDに対応するユーザ側装置2から、一定時間、操作入力を示す情報の受信がなかった場合、または、情報受信部11において、ユーザ側装置2において後述する緊急通報ボタンが押下されたことを示す情報を受信した場合、対応するユーザに関する情報を記憶部13から読み出し、警告処理部14に供給する。また、安否確認処理部12は、情報受信部11において、後述する注意喚起情報を参照したユーザのユーザ側装置2から、操作入力を示す情報が受信された場合、操作入力の内容に基づいて、必要に応じて、対応するユーザに関する情報を記憶部13から読み出し、警告処理部14に供給する。
【0041】
また、安否確認処理部12は、地震や台風等の災害時において、災害時の注意喚起情報を、所定のユーザ側装置2に送信することを、警告処理部14に指令する。
【0042】
記憶部13は、サーバ1の処理のために必要な情報を記憶するものである。記憶部13は、すべてのユーザ側装置2個別のID、ユーザ側装置2を保有するユーザの行動パターンに関する情報、ならびに、ユーザ側装置2を保有するユーザの氏名、住所、地区名、および、電話番号等の安否確認に必要な情報を記憶するデータベースとしての機能を含んでいる。
【0043】
ユーザの行動パターンに関する情報には、例えば、ユーザ側装置2の1日の操作開始時刻、操作終了時刻、電源ON時刻、電源OFF時刻などのユーザ側装置2の通常の利用状況を示す情報が、平日と休日に分けて、または、曜日ごとなどで記憶されている。ユーザ側装置2の通常の利用状況を示す情報としては、例えば、試聴しているチャンネルなど、上述した以外の情報が含まれていてもよい。また、ユーザ側装置2の通常の利用状況を示す情報は、平日と休日、または、曜日ごとといった分類以外に、例えば、季節や長期休暇に対応する時期などを別に分類するなどしてもよいことは言うまでもない。また、記憶部13は、後述する行動パターン設定処理部16の処理により生成されるパターン変動ログを記録する。更に、記憶部13は、それぞれのユーザ側装置2が、後述する注意喚起情報の受信および出力が可能な装置であるか否かの情報を記録している。
【0044】
警告処理部14は、安否確認処理部12から、受信するべき使用状況を示す情報が受信されていないユーザに関する情報の供給を受けた場合、対応するユーザが注意喚起情報送信可能なユーザであるか否かを判断する。対応するユーザが注意喚起情報送信可能なユーザであるか否かは、ユーザが保有しているユーザ側装置2と、サーバ1から、下り情報通信基地局5を介したユーザ側装置2への通信方式とにより決まる。対応するユーザが注意喚起情報送信可能なユーザである場合、警告処理部14は、例えば、
図2に示される注意喚起情報31を生成し、情報送信部15に供給する。注意喚起情報31は、第1の注意喚起情報に対応する。
【0045】
注意喚起情報には、注意喚起情報を参照したユーザの状態をサーバ1に知らせるために必要な操作入力に関する案内が含まれている。注意喚起情報は、音声データであっても、画像データであっても、テキストデータであっても、それらを複数含んでいてもよい。
図2に示される画像データによる注意喚起情報31には、「平常通りお過ごしなら丸数字1のボタン(以下、「丸(1)のボタン」と呼ぶ。)を、緊急状態であれば丸数字2のボタン(以下、「丸(2)のボタン」と呼ぶ。)を、緊急ではないが訪問が必要な状態であれば丸数字3のボタン(以下、「丸(3)のボタン」と呼ぶ。)を操作してください」というメッセージが含まれている。この注意喚起情報を参照したユーザが、ユーザ側装置2に対して、案内に則した操作入力を行った場合、その操作入力に対応する情報が、上り情報通信基地局4を介してサーバ1へ送信される。
【0046】
情報受信部11により、ユーザ側装置2において丸(1)のボタンが送信されたことを示す信号が受信された場合、安否確認処理部12は、そのユーザに対する安否の確認処理を、通常通り継続する。これに対して、情報受信部11により、ユーザ側装置2において丸(2)または丸(3)のボタンが送信されたことを示す信号が受信された場合、安否確認処理部12は、対応するユーザに関する情報を記憶部13から読み出し、警告処理部14に供給する。警告処理部14は、自治体や消防、または、所定の業者などが有する情報処理装置3に、対応するユーザの自宅への訪問等が必要であることなどを示す警告情報を、対応するユーザに関する情報とともに送信させるために、これらの情報を、情報送信部15に供給する。
【0047】
また、対応するユーザが注意喚起情報送信可能なユーザではない場合、警告処理部14は、自治体や消防、または、所定の業者などが有する情報処理装置3に、対応するユーザの自宅への電話や訪問等の安否確認が必要であることなどを示す警告情報を、対応するユーザに関する情報とともに送信させるために、これらの情報を、情報送信部15に供給する。
【0048】
また、警告処理部14は、安否確認処理部12から、地震や台風等の災害時において、災害時の注意喚起情報をユーザ側装置2に送信することを指令された場合、例えば、
図3に示される注意喚起情報32を生成し、情報送信部15に供給する。注意喚起情報は、音声データであっても、画像データであっても、テキストデータであっても、それらを複数含んでいてもよい。注意喚起情報32は、第2の注意喚起情報に対応する。
【0049】
図3に示される画像データによる注意喚起情報32には、「○○時○○分、震度△の地震が発生しました。震源地は××マグネチュードは××、津波の心配はありません。お怪我等なくご無事でしたら丸(1)のボタンを、お怪我等、緊急状態であれば丸(2)のボタンを、お怪我等はないが、家屋の破損等、独力での避難が困難な状態であれば丸(3)のボタンを、その他、訪問が必要な状態であれば丸数字4のボタン(以下、「丸(4)のボタン」と呼ぶ。)を操作してください」というメッセージが含まれている。この注意喚起情報を参照したユーザが、ユーザ側装置2に対して、案内に則した操作入力を行った場合、その操作入力に対応する情報が、上り情報通信基地局4を介してサーバ1へ送信される。
【0050】
情報受信部11により、ユーザ側装置2において丸(1)のボタンが送信されたことを示す信号が受信された場合、安否確認処理部12は、そのユーザに対する安否の確認処理を、通常通り継続する。これに対して、情報受信部11により、ユーザ側装置2において丸(2)、丸(3)または丸(4)のボタンが送信されたことを示す信号が受信された場合、安否確認処理部12は、対応するユーザに関する情報を記憶部13から読み出し、警告処理部14に供給する。警告処理部14は、自治体や消防、または、所定の業者などが有する情報処理装置3に、対応するユーザの自宅への訪問等が必要であることなどを示す警告情報を、対応するユーザに関する情報とともに送信させるために、これらの情報を、情報送信部15に供給する。
【0051】
情報送信部15は、警告処理部14により生成された注意喚起情報を、下り情報通信基地局5を介して、ユーザ側装置2に送信する。情報送信部15により実行される、下り情報通信基地局5を介したユーザ側装置2への通信は、いかなる通信方式を用いてもよいが、ユーザ側装置2の構成に適した通信方式が用いられるものとすると好適であり、さらに、複数の通信方式を利用可能であるものとすると、更に好適である。例えば、ユーザ側装置2として、テレビジョン受像器とリモートコマンダが用いられている場合においては、V-Lowの放送波を用いた通信を行うことが可能である。特に、災害時の注意喚起情報は、多数の住民や特定の場所に一斉に情報を届けることができるV-Lowマルチメディア放送波を用いてユーザ側装置2に送信すると好適である。また、ユーザ側装置2から、上り情報通信基地局4を介したサーバ1への通信にLPWAを用いる場合においては、サーバ1から、下り情報通信基地局5を介したユーザ側装置2への通信にもLPWAを用いるものとしてもよいし、サーバ1から、下り情報通信基地局5を介したユーザ側装置2への通信を、V-LowとLPWAの両方の通信方式で行うことができるようにしてもよい。
【0052】
また、情報送信部15は、警告処理部14により生成された警告情報を、インターネットなどのネットワーク6を介して、自治体や消防、または、所定の業者などが有する情報処理装置3へ送信する。
【0053】
行動パターン設定処理部16は、情報受信部11から、ユーザ側装置2から受信した、使用状況を示す情報およびユーザ側装置2個別のIDの供給を受け、記憶部13に記憶されている、ユーザ側装置2を保有するユーザの行動パターンに関する情報を設定する処理を実行する。具体的には、行動パターン設定処理部16は、使用状況を示す情報およびユーザ側装置2個別のIDの供給を受けた時、記録部に記録されているユーザ側装置2個別のIDに対応するユーザの行動パターンに関する情報を読み出し、使用状況を示す情報が、読み出された行動パターンと異なる場合には、その情報を、パターン変動ログとして、記憶部13に記録する。そして、行動パターン設定処理部16は、対応するユーザユーザ側装置2のその日の使用が終了されたとき、パターン変動ログに基づいて、記憶部13に記憶されているユーザの行動パターンを更新し、記憶部13に記憶させる。
【0054】
行動パターン設定処理部16によるユーザの行動パターンの更新は、例えば、ユーザの行動パターンとして登録されている情報と異なるパターン変動ログが所定数以上蓄積されたとき、パターン変動ログのうち、最も多い時刻を新たな行動パターンの時刻として設定するものとしてもよいし、ユーザの行動パターンとして登録されている情報と異なるパターン変動ログが所定数以上蓄積されたとき、所定期間内の対応する時刻の平均値を新たな行動パターンの時刻として設定するものとしてもよいし、その他の方法を用いて、新たな行動パターンの時刻を設定してもよい。
【0055】
このように、サーバ1は、ユーザの行動パターンを記憶する記憶部13と、ユーザが保有するユーザ側装置2から送信される使用状況を示す情報を受信する情報受信部11と、情報受信部11により受信された使用状況を示す情報に基づいて、ユーザの行動パターンを設定更新する行動パターン設定処理部16と、行動パターン設定処理部16により設定更新されたユーザの行動パターンにおけるユーザ側装置2の使用を開始する時刻である第1の時刻から、ユーザ側装置2の使用を終了する時刻である第2の時刻の間に、情報受信部11により使用状況を示す情報が受信された否かに基づいて、ユーザに異常が発生しているか否かを判断する安否確認処理部12と、安否確認処理部12によりユーザに異常が発生していると判断された場合、情報処理装置3に対する警告情報を生成する警告処理部14と、警告処理部14により生成された警告情報を、情報処理装置3に送信する情報送信部15とを備える。これにより、大掛かりなシステムを構築することなく、精度の良い安否確認システムを提供することができる。
【0056】
次に、ユーザ側装置2は、ユーザ側装置2における操作入力、または、ユーザ側装置2が物理的に動いたことを示す情報などの、ユーザ側装置2における使用状況を示す情報を、サーバ1に送信する。また、ユーザ側装置2は、サーバ1から注意喚起情報を受信した場合、これをユーザに通知するために表示または音声出力する。ユーザ側装置2は第2の情報処理装置に対応する。
【0057】
次に、ユーザ側装置2が有する各機能について説明する。ユーザ側装置2は、操作入力部21、センサ22、入力制御部23、情報送信部24、情報受信部25、出力制御部26、および、出力部27を含んで構成されている。上述したように、ユーザ側装置2は、専用の装置ではなく、見守り対象が日常生活において頻繁に使用している装置と一体化されて構成されると好適であるので、ユーザ側装置2が、これ以外の機能を含んでいてもよいことは言うまでもない。また、ユーザ側装置2は、1つの装置としてではなく、複数の装置として構成されていてもよい。換言すれば、ユーザ側装置2は、操作入力部21、センサ22、入力制御部23、情報送信部24、情報受信部25、出力制御部26、および、出力部27を含む、1つまたは複数の装置で構成されている。
【0058】
操作入力部21は、ユーザの操作入力を受けるものである。操作入力部21は、ユーザの操作入力を受け、他の機能構成に、ユーザの操作入力に対応する信号を供給する。さらに、操作入力部21は、入力制御部23に、ユーザの操作入力に対応する信号を供給する。操作入力部21には、見守り対象であるユーザが緊急事態を知らせるための緊急通報ボタンが備えられている。
【0059】
センサ22は、加速度センサや振動検出センサなど、ユーザ側装置2の移動を検出する機能を有するものである。センサ22の検出結果は、入力制御部23に供給される。
【0060】
入力制御部23は、操作入力部21およびセンサ22により取得された情報、すなわち、ユーザ側装置2における使用状況を示す情報を、情報送信部24に供給する。入力制御部23は、使用状況取得手段に対応する。
【0061】
情報送信部24は、入力制御部23から供給されたユーザ側装置2における使用状況を示す情報を、上り情報通信基地局4を介して、サーバ1に送信する。ユーザ側装置2から、上り情報通信基地局4を介したサーバ1への通信は、いかなる通信方式を用いてもよいが、例えば、LPWAを用いて通信を行うと好適である。LPWAが用いられている場合、ユーザ側装置2には個別のIDが割り振られており、ユーザ側装置2における使用状況を示す情報の送信時には、ユーザ側装置2の個別のIDも送信されるため、サーバ1において、いずれのユーザの使用状況を示す情報であるかを判別することが可能である。
【0062】
情報受信部25は、サーバ1から送信された、例えば、
図2または
図3を用いて説明した注意喚起情報を、下り情報通信基地局5を介して受信し、出力制御部26に供給する。下り情報通信基地局5を介したサーバ1との通信は、上述したように、いかなる通信方式を用いてもよいが、ユーザ側装置2の構成に適した通信方式や、ユーザ側装置2からサーバ1へのデータの送信と同一の通信方式が用いられるものとすると、安価に安定したシステムを構築することが可能である。
【0063】
出力制御部26は、情報受信部25により受信された注意喚起情報の供給を受け、それらの情報の、出力部27における表示または音声出力などの出力処理を制御する。
【0064】
出力部27は、例えば、スピーカーなどの音声出力デバイス、または、タッチパネルや液晶ディスプレイなどの表示出力デバイスのうちの少なくとも1つにより構成され、出力制御部26の制御に従って、注意喚起情報を出力し、ユーザに提示する。
【0065】
また、ユーザ側装置2の構成によっては、情報受信部25、出力制御部26、および、出力部27を備えることなく、操作入力部21、センサ22、入力制御部23、および、情報送信部24のみを備え、ユーザ側装置2における使用状況を示す情報を、上り情報通信基地局4を介して、サーバ1に送信する機能のみを備えるものとしてもよい。
【0066】
情報処理装置3は、自治体や消防、または、所定の業者などが保有するものであり、サーバ1から、特定のユーザの自宅への訪問等の安否確認が必要であることなどを示す警告情報を受信する。情報処理装置3は第3の情報処理装置に対応する。
【0067】
なお、ユーザ側装置2は、上述したように、専用の装置ではなく、見守り対象が日常生活において頻繁に使用している装置と一体化されて構成されると好適であり、例えば、テレビジョン受像器またはその他の家電およびリモートコマンダ、携帯型電話機、スマートフォン、その他各種モバイル機器などであっても構わない。具体的には、ユーザ側装置2としては、日常の生活において頻繁に利用されるテレビジョン受像器、および、リモートコマンダであると好適である。
図4に、ユーザ側装置2としてテレビジョン受像器、および、リモートコマンダを用いた場合の機能ブロック図を示す。
【0068】
図4の構成が用いられる場合、テレビジョン受像器2aのV-Low放送波機能が情報受信部25として用いられ、テレビジョンの画像および音声を出力するためのディスプレイおよびスピーカーが出力部27として用いられ、ディスプレイおよびスピーカーの出力を制御する制御部が出力制御部26として用いられる。また、リモートコマンダ2bのボタン等の各種入力デバイスが、操作入力部21として用いられる。そして、リモートコマンダ2bの操作の妨げとならない部分に、センサ22、入力制御部23、および、情報送信部24の機能を有する通信およびセンシング装置2cが一体化して設けられる。
【0069】
このように、
図1から
図4を用いて説明した安否確認システムにおいては、すべてをインターネット経由とするのではなく、ユーザが日常生活において使用している機器の機能を一部共用することにより、安価に安定したシステムを構築することが可能となる。
【0070】
次に、
図5のフローチャートを参照して、ユーザ側装置2の処理について説明する。
【0071】
ステップS1において、ユーザ側装置2の入力制御部23は、操作入力部21およびセンサ22から供給される情報に基づいて、リモートコマンダなどと一体で構成されるユーザ側装置2が操作されたか、または、動きが検出されたか否かを判断する。
【0072】
ステップS1において、ユーザ側装置2が操作された、または、動きが検出されたと判断された場合、ステップS2において、入力制御部23は、リモートコマンダの操作内容、または、動きの検出結果、すなわち、ユーザ側装置2における使用状況を示す情報を、情報送信部24に供給する。情報送信部24は、入力制御部23から供給されたユーザ側装置2における使用状況を示す情報を、上り情報通信基地局4を介して、サーバ1に送信する。
【0073】
ステップS1において、ユーザ側装置2が操作されず、動きも検出されていないと判断された場合、または、ステップS2の処理の終了後、ステップS3において、情報受信部25は、サーバ1から送信された、例えば、
図2または
図3を用いて説明した注意喚起情報が受信されたか否かを判断する。ステップS3において、注意喚起情報が受信されていないと判断された場合、処理は、ステップS1に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0074】
ステップS3において、注意喚起情報が受信されたと判断された場合、ステップS4において、情報受信部25は、受信された注意喚起情報を、出力制御部26に供給する。出力制御部26は、注意喚起情報の出力部27における表示または音声出力などの出力処理を制御する。出力部27は、注意喚起情報を出力する。
【0075】
ステップS5において、入力制御部23は、操作入力部21およびセンサ22から供給される情報に基づいて、注意喚起情報に対してリモートコマンダが操作されたか否かを判断する。ステップS5において、リモートコマンダが操作されていないと判断された場合、リモートコマンダが操作されたと判断されるまで、ステップS5の処理が繰り返される。
【0076】
ステップS5において、リモートコマンダが操作されたと判断された場合、ステップS6において、入力制御部23は、リモートコマンダの操作内容を示す情報を、情報送信部24に供給する。情報送信部24は、入力制御部23から供給されたリモートコマンダの操作内容を示す情報を、上り情報通信基地局4を介して、サーバ1に送信する。ステップS6の処理の終了後、処理は、ステップS1に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0077】
このような処理により、ユーザ側装置2においては、使用するユーザ、すなわち、見守り対象が意識することなく、ユーザ側装置2の利用状況をサーバ1へ送信することが可能となる。
【0078】
次に、
図6および
図7のフローチャートを参照して、サーバ1において実行される安否確認処理について説明する。
【0079】
なお、サーバ1において実行される安否確認処理は、ユーザ側装置2個別のIDのそれぞれに対して実行される処理である。
【0080】
ステップS11において、安否確認処理部12は、記憶部13に記憶されているユーザの行動パターン情報から曜日等の条件に該当する行動パターン情報を抽出する。
【0081】
ステップS12において、安否確認処理部12は、記憶部13から抽出したユーザの行動パターン情報に基づいて、操作開始時刻であるか否かを判断する。ステップS12において、操作開始時刻ではないと判断された場合、操作開始時刻であると判断されるまで、ステップS12の処理が繰り返される。
【0082】
ステップS12において、操作開始時刻であると判断された場合、ステップS13において、安否確認処理部12は、情報受信部11から供給される情報に基づいて、緊急通報ボタン押下を示す情報を受信したか否かを判断する。ステップS13において、緊急通報ボタン押下を示す情報を受信したと判断された場合、処理は、後述するステップS25に進む。
【0083】
ステップS13において、緊急通報ボタン押下を示す情報を受信していないと判断された場合、ステップS14において、安否確認処理部12は、情報受信部11から供給される情報に基づいて、電源ON、または、動きが検出されたことを示す情報を受信したか否かを判断する。ステップS14において、電源ON、または、動きが検出されたことを示す情報を受信していないと判断された場合、処理は、後述するステップS19に進む。
【0084】
ステップS14において、電源ON、または、動きが検出されたことを示す情報を受信したと判断された場合、ステップS15において、安否確認処理部12は、情報受信部11から供給される情報に基づいて、操作入力有、または、動きが検出されたことを示す情報を受信したか否かを判断する。ステップS15において、操作入力有、または、動きが検出されたことを示す情報を受信していないと判断された場合、処理は、後述するステップS19に進む。
【0085】
ステップS15において、操作入力有、または、動きが検出されたことを示す情報を受信したと判断された場合、ステップS16において、安否確認処理部12は、情報受信部11から供給される情報に基づいて、電源ON状態から電源OFF状態となったか否かを判断する。ステップS16において、電源ON状態から電源OFF状態となっていないと判断された場合、処理は、ステップS15に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0086】
ステップS16において、電源ON状態から電源OFF状態となったと判断された場合、ステップS17において、安否確認処理部12は、記憶部13から抽出したユーザの行動パターン情報に基づいて、再度電源ONされる行動パターンであるか否かを判断する。ステップS17において、再度電源ONされる行動パターンであると判断された場合、処理は、ステップS13に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0087】
ステップS17において、再度電源ONされる行動パターンではないと判断された場合、ステップS18において、安否確認処理部12は、記憶部13から抽出したユーザの行動パターン情報に基づいて、操作終了時刻であるか否かを判断する。ステップS18において、操作終了時刻ではないと判断された場合、処理は、ステップS13に戻り、それ以降の処理が繰り返される。ステップS18において、操作終了時刻であると判断された場合、見守り対象のユーザは、操作開始時刻である第1の時刻から操作終了時刻である第2の時刻までの間に、ユーザ側装置2を利用したものであるから、緊急状態ではないことが分かるため、処理が終了される。
【0088】
ステップS14において、電源ON、または、動きが検出されたことを示す情報を受信していないと判断された場合、または、ステップS15において、操作入力有、または、動きが検出されたことを示す情報を受信していないと判断された場合、ステップS19において、安否確認処理部12は、記憶部13から抽出したユーザの行動パターン情報に基づいて、操作終了時刻であるか否かを判断する。ステップS19において、操作終了時刻ではないと判断された場合、処理は、ステップS13に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0089】
ステップS19において、操作終了時刻であると判断された場合、ステップS20において、安否確認処理部12は、受信するべき使用状況を示す情報が受信されていないユーザに関する情報を記憶部13から読み出し、警告処理部14に供給する。警告処理部14は、供給された情報を参照し、対応するユーザは、注意喚起情報送信可能なユーザ側装置2を保有しているユーザであるか否かを判断する。ステップS20において、注意喚起情報送信可能なユーザではないと判断された場合、処理は、後述するステップS25に進む。
【0090】
ステップS20において、注意喚起情報送信可能なユーザであると判断された場合、ステップS21において、警告処理部14は、例えば、
図2を用いて説明した注意喚起情報31を生成し、情報送信部15に供給する。情報送信部15は、警告処理部14により生成された注意喚起情報を、下り情報通信基地局5を介して、ユーザ側装置2に送信する。
【0091】
ステップS22において、安否確認処理部12は、情報受信部11から供給される情報に基づいて、注意喚起情報に対してリモートコマンダが操作されたことを示す情報が受信されたか否かを判断する。
【0092】
ステップS22において、注意喚起情報に対してリモートコマンダが操作されたことを示す情報が受信されたと判断された場合、ステップS23において、安否確認処理部12は、リモートコマンダの操作内容に基づいた処理を実行する。例えば、
図2を用いて説明した注意喚起情報31がユーザ側装置2に送信されたとき、安否確認処理部12は、情報受信部11により、ユーザ側装置2において丸(1)のボタンが送信されたことを示す信号が受信された場合、そのユーザに対する安否の確認処理を、通常通り継続する。これに対して、安否確認処理部12は、情報受信部11により、ユーザ側装置2において丸(2)または丸(3)のボタンが送信されたことを示す信号が受信された場合、対応するユーザに関する情報を記憶部13から読み出し、警告処理部14に供給する。警告処理部14は、自治体や消防、または、所定の業者などが有する情報処理装置3に、対応するユーザの自宅への訪問等が必要であることなどを示す警告情報を、対応するユーザに関する情報とともに送信させるために、これらの情報を、情報送信部15に供給する。情報送信部15は、警告情報を、対応するユーザに関する情報とともに情報処理装置に送信する。ステップS23の処理の終了後、処理は終了される。
【0093】
ステップS22において、注意喚起情報に対してリモートコマンダが操作されたことを示す情報が受信されていないと判断された場合、ステップS24において、安否確認処理部12は、注意喚起情報送信から所定の時間が経過したか否かを判断する。ステップS24において、注意喚起情報送信から所定の時間が経過していないと判断された場合、処理は、ステップS22に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0094】
ステップS13において、緊急通報ボタン押下を示す情報を受信したと判断された場合、ステップS20において、注意喚起情報送信可能なユーザではないと判断された場合、または、ステップS24において、注意喚起情報送信から所定の時間が経過したと判断された場合、対応するユーザは、自宅への電話や訪問等の安否確認が必要であるので、ステップS25において、安否確認処理部12は、ユーザに関する情報を記憶部13から読み出し、警告処理部14に供給する。警告処理部14は、対応するユーザの自宅への電話や訪問等の安否確認が必要であることなどを示す警告情報を、対応するユーザに関する情報とともに送信させるために、これらの情報を、情報送信部15に供給する。情報送信部15は、供給された情報を参照し、警告情報を情報処理装置3へ送信し、処理が終了される。
【0095】
このような処理により、大掛かりなシステムを構築することなく、かつ、見守りを行うにあたって、ユーザの自宅への電話や訪問等の安否確認が必要であるか否かを精度良く判断することが可能となる。
【0096】
次に、
図8および
図9のフローチャートを参照して、サーバ1において実行される行動パターン設定処理について説明する。
【0097】
なお、サーバ1において実行される行動パターン設定処理は、ユーザ側装置2個別のIDのそれぞれに対して実行される処理である。
【0098】
ステップS31において、行動パターン設定処理部16は、記憶部13に記憶されている、ユーザ側装置2を保有するユーザの行動パターン情報から該当する行動パターン情報を抽出する。
【0099】
ステップS32において、情報受信部11は、一日の最初の電源ON、操作入力有、または、動きが検出されたことを示す情報を、上り情報通信基地局4を介して、ユーザ側装置2から受信し、行動パターン設定処理部16に供給する。
【0100】
ステップS33において、行動パターン設定処理部16は、受信された一日の最初の電源ON、操作入力有、または、動きが検出されたことを示す情報は、設定されている操作開始時刻と異なっているか否かを判断する。
【0101】
ステップS33において、設定されている操作開始時刻と異なっていると判断された場合、ステップS34において、行動パターン設定処理部16は、ステップS32において受信された操作開始時刻を、パターン変動ログとして、記憶部13に記録する。
【0102】
ステップS33において、設定されている操作開始時刻と異なっていないと判断された場合、または、ステップS34の処理の終了後、ステップS35において、行動パターン設定処理部16は、情報受信部11から供給される情報に基づいて、電源OFFを示す情報を受信したか否かを判断する。ステップS35において、電源OFFを示す情報を受信していないと判断された場合、電源OFFを示す情報を受信したと判断されるまで、ステップS35の処理が繰り返される。
【0103】
ステップS35において、電源OFFを示す情報を受信したと判断された場合、ステップS36において、行動パターン設定処理部16は、受信された電源OFFの時刻は、設定されている電源OFF時刻と異なっているか否かを判断する。
【0104】
ステップS36において、受信された電源OFFの時刻は、設定されている電源OFF時刻と異なっていると判断された場合、ステップS37において、行動パターン設定処理部16は、ステップS35において受信された電源OFF時刻を、パターン変動ログとして、記憶部13に記録する。
【0105】
ステップS36において、受信された電源OFFの時刻は、設定されている電源OFF時刻と異なっていないと判断された場合、または、ステップS37の処理の終了後、ステップS38において、行動パターン設定処理部16は、一日の操作終了時刻を超えたか否かを判断する。ステップS38において、一日の操作終了時刻を超えたと判断された場合、処理は後述するステップS42に進む。
【0106】
ステップS38において、一日の操作終了時刻を超えていないと判断された場合、ステップS39において、行動パターン設定処理部16は、電源ONを示す情報を受信したか否かを判断する。ステップS39において、電源ONを示す情報を受信していないと判断された場合、処理はステップS38に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0107】
ステップS39において、電源ONを示す情報を受信したと判断された場合、ステップS40において、行動パターン設定処理部16は、S39において受信されたと判断された電源ONを示す情報の時刻は、設定されている電源ON時刻と異なっているか否かを判断する。ステップS40において、設定されている電源ON時刻と異なっていないと判断された場合、処理はステップS35に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0108】
ステップS40において、設定されている電源ON時刻と異なっていると判断された場合、ステップS41において、行動パターン設定処理部16は、ステップS39において受信された電源ON時刻を、パターン変動ログとして、記録部に記録する。ステップS41の処理の終了後、処理は、後述するステップS35に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0109】
ステップS38において、一日の操作終了時刻を超えたと判断された場合、ステップS42において、行動パターン設定処理部16は、ステップS35において受信された電源OFF時刻は、設定されている一日の操作終了時刻と異なっているか否かを判断する。
【0110】
ステップS42において、電源OFF時刻は、設定されている一日の操作終了時刻と異なっていると判断された場合、ステップS43において、行動パターン設定処理部16は、ステップS35において受信された電源OFF時刻を操作終了時刻のパターン変動ログとして、記憶部13に記録する。
【0111】
ステップS42において、電源OFF時刻は、設定されている一日の操作終了時刻と異なっていないと判断された場合、または、ステップS43の処理の終了後、ステップS44において、行動パターン設定処理部16はパターン変動ログに基づいて、必要に応じて、行動パターン情報を更新し、パターン変更ログの対応する部分を削除し、処理が終了される。具体的には、行動パターン設定処理部16によるユーザの行動パターンの更新は、例えば、ユーザの行動パターンとして登録されている情報と異なるパターン変動ログが所定数以上蓄積されたとき、パターン変動ログのうち、最も多い時刻を新たな行動パターンの時刻として設定するものとしてもよいし、ユーザの行動パターンとして登録されている情報と異なるパターン変動ログが所定数以上蓄積されたとき、所定期間内の対応する時刻の平均値を新たな行動パターンの時刻として設定するものとしてもよいし、その他の方法を用いて、新たな行動パターンの時刻を設定してもよい。
【0112】
このような処理により、ユーザ側装置2を保有するユーザの行動パターンが、ユーザIDごとに管理されて、設定および更新される。すなわち、このような処理により、見守り対象者であるユーザ側装置2を保有するユーザそれぞれにおける見守りの開始時刻である第1の時刻となる1日の操作開始時刻と、見守りの終了時刻である第2の時刻となる1日の操作終了時刻とが、設定および更新される。これにより、サーバ1を用いて見守りを行う見守り対象者が多数である場合においても、それぞれのユーザの日常の行動パターンに則した見守りを行うことが可能となる。
【0113】
次に、
図10のフローチャートを参照して、サーバ1において実行される災害時確認処理について説明する。
【0114】
ステップS51において、安否確認処理部12は、地震や台風等の災害時において、災害時の注意喚起情報を、所定のユーザ側装置2に送信することを、警告処理部14に指令する。警告処理部14は、安否確認処理部12からの指令に基づいて、例えば、
図3に示される注意喚起情報32を生成し、情報送信部15に供給する。情報送信部15は、警告処理部14から供給された災害時の注意喚起情報を、下り情報通信基地局5を介して、ユーザ側装置2に送信する。
【0115】
ステップS52において、安否確認処理部12は、情報受信部11から供給される情報に基づいて、注意喚起情報に対してリモートコマンダが操作されたことを示す情報が受信されたか否かを判断する。
【0116】
ステップS52において、注意喚起情報に対してリモートコマンダが操作されたことを示す情報が受信されたと判断された場合、ステップS53において、安否確認処理部12は、リモートコマンダの操作内容に基づいた処理を実行する。例えば、
図3を用いて説明した注意喚起情報32がユーザ側装置2に送信されたとき、安否確認処理部12は、情報受信部11により、ユーザ側装置2において丸(1)のボタンが送信されたことを示す信号が受信された場合、そのユーザに対する安否の確認処理を、通常通り継続する。これに対して、安否確認処理部12は、情報受信部11により、ユーザ側装置2において丸(2)、丸(3)または丸(4)のボタンが送信されたことを示す信号が受信された場合、対応するユーザに関する情報を記憶部13から読み出し、警告処理部14に供給する。警告処理部14は、自治体や消防、または、所定の業者などが有する情報処理装置3に、対応するユーザの自宅への訪問等が必要であることなどを示す警告情報を、対応するユーザに関する情報とともに送信させるために、これらの情報を、情報送信部15に供給する。ステップS53の処理の終了後、処理は終了される。
【0117】
ステップS52において、注意喚起情報に対してリモートコマンダが操作されたことを示す情報が受信されていないと判断された場合、ステップS54において、安否確認処理部12は、注意喚起情報送信から所定の時間が経過したか否かを判断する。ステップS54において、注意喚起情報送信から所定の時間が経過していないと判断された場合、処理は、ステップS52に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0118】
ステップS54において、注意喚起情報送信から所定の時間が経過したと判断された場合、対応するユーザは、自宅への電話や訪問等の安否確認が必要であるので、ステップS55において、安否確認処理部12は、ユーザに関する情報を記憶部13から読み出し、警告処理部14に供給する。警告処理部14は、対応するユーザの自宅への電話や訪問等の安否確認が必要であることなどを示す警告情報を、対応するユーザに関する情報とともに送信させるために、これらの情報を、情報送信部15に供給する。情報送信部15は、供給された情報を参照し、警告情報を情報処理装置3へ送信し、処理が終了される。
【0119】
このような処理により、災害時において、多数の見守り対象者のうち、自宅への電話や訪問等の安否確認が必要であるユーザのみを抽出し、自治体や消防、または、所定の業者などが有する情報処理装置3に警告情報として通知することができるので、自治体や消防、または、所定の業者などは、必要なユーザに対してのみ、自宅への電話や訪問等の安否確認を行うことが可能となる。
【0120】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0121】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0122】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。