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特開2019-194845隠し車両機能を有するコネクティッド車両向けの災害軽減システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-194845(P2019-194845A)
(43)【公開日】2019年11月7日
(54)【発明の名称】隠し車両機能を有するコネクティッド車両向けの災害軽減システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20191011BHJP
   B60W 50/00 20060101ALI20191011BHJP
   B60W 40/02 20060101ALI20191011BHJP
【FI】
   G08G1/09 F
   B60W50/00
   B60W40/02
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2019-65436(P2019-65436)
(22)【出願日】2019年3月29日
(31)【優先権主張番号】15/967,104
(32)【優先日】2018年4月30日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 崇之
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA02
3D241BA26
3D241BA60
3D241BA64
3D241BB58
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC17
3D241CD07
3D241CE02
3D241CE03
3D241CE04
3D241CE05
3D241DA69B
3D241DA69Z
5H181AA01
5H181AA06
5H181AA07
5H181AA26
5H181AA27
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181CC24
5H181EE11
5H181EE12
5H181EE14
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF07
5H181FF11
5H181FF12
5H181FF13
5H181FF17
5H181FF27
5H181LL06
5H181LL09
(57)【要約】
【課題】異常事態下においてドライバーの安全を確保する。
【解決手段】コネクティッド車両の車載コンピュータシステムが、異常事象が発生していると判断する判定ステップと、前記判定ステップにおいて、前記異常事象が発生していると判断した場合に、前記コネクティッド車両が有する隠し車両機能のロックを自動的に解除する解除ステップと、を実行する。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクティッド車両の車載コンピュータシステムが、
異常事象が発生していると判断する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて、前記異常事象が発生していると判断した場合に、前記コネクティッド車両が有する隠し車両機能のロックを自動的に解除する解除ステップと、
を実行する、方法。
【請求項2】
前記異常事象が、自然災害、ハリケーン、竜巻、山火事、地震、火山噴火、津波、戦争行為のうちの少なくとも一つである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記隠し車両機能は、通常の状態において、前記コネクティッド車両のドライバーによってアクセスできないようにロックされる自律機能である、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記隠し車両機能は、通常の状態において、前記コネクティッド車両のドライバーによってアクセスできないようにロックされる高度ドライバー支援システム(ADAS)機能である、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記車載コンピュータシステムが、前記コネクティッド車両のADASシステムを実行する電子制御装置(ECU)にロック解除コマンドを含む電子信号を送信することで前記ロックを解除する、
請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記隠し車両機能は、前記コネクティッド車両のバッテリ範囲の拡張、または、前記コネクティッド車両のテレマティックス機能の拡張のいずれかである、
請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記コネクティッド車両がセルラネットワークにアクセスできない場合に、第2のコネクティッド車両または基盤デバイスからデジタルデータを受信し、当該デジタルデータに基づいて、前記異常事象の判定を行う、
請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記判定ステップでは、前記異常事象の発生を公衆に報知するサーバ装置から取得した異常事象データ、または、車両内で取得したセンサデータに基づいて、前記異常事象の発生を判断する、
請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記コネクティッド車両は、複数の前記隠し車両機能を有し、
前記解除ステップでは、自車両が遭遇している異常事象下において安全な移動を可能にするための前記隠し車両機能を決定し、当該隠し車両機能のロックを選択的に解除する、
請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、「DISASTER MITIGATION SYSTEM FOR CONNECTED VEHICLES HAVING HIDDEN VEHICLE FUNCTIONALITY」と題し、2018年4月30日に出願された米国特許出願第15
/967,104号の優先権を主張する。これらの特許出願は、その全体が参照によって本願明細書に援用される。
【0002】
本明細書は、隠し車両機能を有するコネクティッド車両のための災害軽減に関する。
【背景技術】
【0003】
最新のコネクティッド車両は、それらの製造業者によってコネクティッド車両に送信されるワイヤレス信号によって「ロック」または「ロック解除」することができる隠し車両機能を含む。たとえば、コネクティッド車両は、ADAS機能または自動化車両機能を提供する1組の高度運転支援システム(ADASシステム)を含む。これらのADASシステムによって提供される特定のADAS機能(または自動化車両機能)はロックされることがあり、その結果、機能を提供するために必要なすべてのハードウェアおよびソフトウェアは車両に存在するが、車両のソフトウェアは、ADAS機能(または自動化車両機能)が車両のドライバーに利用できないように構成される。
【0004】
最新の車両はまた、より安全な場所に到達するために、自然災害または他の異常事象(たとえば、ハリケーン、竜巻、山火事、地震、火山噴火、津波、戦争行為など)から逃れるためにドライバーによって使用される。問題は、これらの車両の一部が、隠し車両機能がロック解除され、車両のドライバーに利用可能にされた場合にのみ、ドライバーがより早くまたはより安全に自然災害から逃れるのを支援しうる、隠し車両機能を含むことである。
【0005】
自然災害および他の異常事象を検出し、次いでコネクティッド車両内の隠し車両機能を自動的にロック解除するように動作可能な、コネクティッド車両に設置された軽減システムが本明細書に記載され、その結果、ドライバーは、自然災害または他の異常事象から逃れるために自分のコネクティッド車両を使用するので、ドライバーの安全が最大化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−081604号公報
【発明の概要】
【0007】
隠し車両機能を有するコネクティッド車両内に設置された軽減システムの実施形態が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、軽減システムは、コネクティッド車両の電子制御装置(ECU)にインストールされたソフトウェアを含む。いくつかの実施形態では、軽減システムは、ECUによって実行された場合に、自然災害および異常事象をECUに監視させるように動作可能なコードおよびルーチンを含む。特定の地理的領域で自然災害または異常事象が検出されると、軽減システムは、それらの地理的近傍での異常事象の発生に基づいて、その地理的領域に位置するコネクティッド車両用の隠し車両機能を自動的にロック解除する。
【0008】
いくつかの実施形態では、軽減システムは、(1)コネクティッド車両のすべての隠し
機構をロック解除すること(すなわち、「一括ロック解除」)、または(2)発生している特定の異常事象もしくは異常事象に対するドライバーの具体的な状況に基づいて隠し車両の機能を選択的にロック解除すること(すなわち、「選択的ロック解除」)のいずれかを行うことができる。
【0009】
選択的ロック解除の意味を紹介する一例として、自然災害がハリケーンであり、コネクティッド車両が道路で大量の水に遭遇している場合、ECUによって実行される軽減システムは、コネクティッド車両が濡れた路面を安全に横断するというより良い仕事をするのを助ける全ての隠し車両機能をECUにロック解除させる(たとえば、隠し牽引制御ADAS機能をロック解除する)。いくつかの実施形態では、軽減システムは、ECUによって実行された場合に、ドライバーが異常事象に適切に対応するのを支援するバッテリ容量制限またはテレマティックスなどの他の関連機能をECUにロック解除させる。他の例も可能であり、この例は例示的であるにすぎない。
【0010】
無線によるソフトウェア更新を使用して隠し車両機能をロック解除するという概念を導入する既存の解決策が存在する。しかしながら、既存の解決策はこの概念のいかなる特別な用途も考慮していない。たとえば、これらの既存の解決策は、自然災害および他の異常事象の間にドライバーの安全性を高めるためにこの概念をどのように使用するかという問題を考慮していない。本明細書に記載される軽減システムはこの問題を解決する。たとえば、軽減システムは、自然災害および異常事象における典型的な状況である、ワイヤレスネットワークにアクセスできないときでも、(たとえば、異常事象が検出されたときに隠し車両機能に対するロック解除コマンドを発行することにより)コネクティッド車両がソフトウェア更新をトリガすることを可能にする機能を含む。さらに、本明細書に記載される軽減システムは、電子信号を使用して具体的な地理的領域における自然災害の発生を検出し、既存の解決策はそのような事象の発生を検出することとは無関係であるため、これは既存の解決策によって行われない。既存の解決策に対するさらなる改善として、軽減システムはまた、具体的なトリガイベント、すなわち、影響を受けた車両を含む地理的領域における自然災害または他の異常事象の検出に基づいて、隠し車両機能をロック解除し、既存の解決策は同様のトリガイベントを使用しない。いくつかの実施形態では、軽減システムはまた、自然災害もしくは他の異常事象内のドライバーの具体的な状況を特定することによって「選択的ロック解除」を提供するか、またはドライバーの具体的な状況に基づいてロック解除する隠し車両機能のインスタンスを特定する。既存の解決策は、同様の「選択的ロック解除」機能を提供しない。
【0011】
1つ以上のコンピュータのシステムは、動作中にそのアクションをシステムに実行させる、システムにインストールされたソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの組合せを有することにより、特定の動作またはアクションを実行するように構成することができる。1つ以上のコンピュータプログラムは、データ処理装置によって実行された場合に、アクションを装置に実行させる命令を含むことにより、特定の動作またはアクションを実行するように構成することができる。
【0012】
1つの一般的な態様は、コネクティッド車両の車載コンピュータシステムが、異常事象が発生していると判断する判定ステップと、前記判定ステップにおいて、前記異常事象が発生していると判断した場合に、前記コネクティッド車両が有する隠し車両機能のロックを自動的に解除する解除ステップと、を含む。
この態様の他の実施形態は、各々が方法のアクションを実行するように構成された、対応するコンピュータシステム、装置、および1つ以上のコンピュータストレージデバイスに記録されたコンピュータプログラムを含む。
【0013】
実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含みうる。
前記異常事象が、自然災害、ハリケーン、竜巻、山火事、地震、火山噴火、津波、戦争行為のうちの少なくとも一つである、方法。
前記隠し車両機能は、通常の状態において、前記コネクティッド車両のドライバーによってアクセスできないようにロックされる自律機能である、方法。
前記隠し車両機能は、通常の状態において、前記コネクティッド車両のドライバーによってアクセスできないようにロックされる高度ドライバー支援システム(ADAS)機能である、方法。
前記車載コンピュータシステムが、前記コネクティッド車両のADASシステムを実行する電子制御装置(ECU)にロック解除コマンドを含む電子信号を送信することで前記ロックを解除する、方法。
コネクティッド車両が少なくともレベル3の自動化車両である、方法。
前記隠し車両機能は、前記コネクティッド車両のバッテリ範囲の拡張、または、前記コネクティッド車両のテレマティックス機能の拡張のいずれかである、方法。
前記コネクティッド車両がセルラネットワークにアクセスできない場合に、第2のコネクティッド車両または基盤デバイスからデジタルデータを受信し、当該デジタルデータに基づいて、前記異常事象の判定を行う、方法。
記載された技法の実装形態は、ハードウェア、方法もしくはプロセス、またはコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含みうる。
【0014】
1つの一般的な態様は、プロセッサによって実行された場合に、プロセッサにより、異常事象が発生していると判断することと、プロセッサにより、前記異常事象が発生していると判断した場合に、前記コネクティッド車両が有する隠し車両機能のロックを自動的に解除することとをプロセッサに行わせるように動作可能なコンピュータコードを記憶する非一時的メモリに通信可能に結合されたプロセッサを含む、コネクティッド車両のシステムを含む。
この態様の他の実施形態は、各々が方法のアクションを実行するように構成された、対応するコンピュータシステム、装置、および1つ以上のコンピュータストレージデバイスに記録されたコンピュータプログラムを含む。
【0015】
実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含みうる。
異常事象が、自然災害、ハリケーン、竜巻、山火事、地震、火山噴火、津波、戦争行為のうちの少なくとも一つである、システム。
前記隠し車両機能は、通常の状態において、前記コネクティッド車両のドライバーによってアクセスできないようにロックされる自律機能である、システム。
前記隠し車両機能は、通常の状態において、前記コネクティッド車両のドライバーによってアクセスできないようにロックされる高度ドライバー支援システム(ADAS)機能である、システム。
前記プロセッサが、前記コネクティッド車両のADASシステムを実行する電子制御装置(ECU)にロック解除コマンドを含む電子信号を送信することで前記ロックを解除する、システム。
コネクティッド車両が少なくともレベル3の自動化車両である、システム。
前記隠し車両機能は、前記コネクティッド車両のバッテリ範囲の拡張、または、前記コネクティッド車両のテレマティックス機能の拡張のいずれかである、システム。
前記コネクティッド車両がセルラネットワークにアクセスできない場合に、第2のコネクティッド車両または基盤デバイスからデジタルデータを受信し、当該デジタルデータに基づいて、前記異常事象の判定を行う、システム。
記載された技法の実装形態は、ハードウェア、方法もしくはプロセス、またはコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含みうる。
【0016】
1つの一般的な態様は、コネクティッド車両の1つ以上のプロセッサによって実行され
た場合に、コネクティッド車両の1つ以上のプロセッサにより、異常事象が発生していると判断することと、1つ以上のプロセッサにより、前記異常事象が発生していると判断した場合に、前記コネクティッド車両が有する隠し車両機能のロックを自動的に解除することとを含む動作を1つ以上のプロセッサに実行させる命令を含む、コネクティッド車両のコンピュータプログラム製品を含む。
この態様の他の実施形態は、各々が方法のアクションを実行するように構成された、対応するコンピュータシステム、装置、および1つ以上のコンピュータストレージデバイスに記録されたコンピュータプログラムを含む。
【0017】
実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含みうる。
異常事象が、自然災害、ハリケーン、竜巻、山火事、地震、火山噴火、津波、および戦争行為のうちの少なくとも一つである、コンピュータプログラム製品。
前記隠し車両機能は、通常の状態において、前記コネクティッド車両のドライバーによってアクセスできないようにロックされる自律機能である、コンピュータプログラム製品。
前記隠し車両機能は、通常の状態において、前記コネクティッド車両のドライバーによってアクセスできないようにロックされる高度ドライバー支援システム(ADAS)機能である、コンピュータプログラム製品。
プロセッサが、前記コネクティッド車両のADASシステムを実行する電子制御装置(ECU)にロック解除コマンドを含む電子信号を送信することで前記ロックを解除する、コンピュータプログラム製品。
コネクティッド車両が少なくともレベル3の自動化車両である、コンピュータプログラム製品。
前記隠し車両機能は、前記コネクティッド車両のバッテリ範囲の拡張、または、前記コネクティッド車両のテレマティックス機能の拡張のいずれかである、コンピュータプログラム製品。
前記コネクティッド車両がセルラネットワークにアクセスできない場合に、第2のコネクティッド車両または基盤デバイスからデジタルデータを受信し、当該デジタルデータに基づいて、前記異常事象の判定を行う、コンピュータプログラム製品。
記載された技法の実装形態は、ハードウェア、方法もしくはプロセス、またはコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含みうる。
【0018】
本開示は、添付図面の図において限定としてではなく例として示され、添付図面では、同様の要素を参照するために同様の参照符号が使用される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】いくつかの実施形態による、軽減システムの動作環境を示すブロック図である。
図1B】いくつかの実施形態による、軽減システムによって実行されるフロープロセスを示すブロック図である。
図2】いくつかの実施形態による、軽減システムを含む例示的なコンピュータシステムを示すブロック図である。
図3】いくつかの実施形態による、隠し車両機能を有するコネクティッド車両向けの、災害軽減を実現するための方法を描写する図である。
図4】いくつかの実施形態による、基本安全メッセージ(BSM)データの一例を示すブロック図である。
図5】いくつかの実施形態による、基本安全メッセージ(BSM)データの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
コネクティッド車両は、専用短距離通信(DSRC)、ロングタームエボリューション(LTE)、ワイヤレスフィデリティ(WiFi)、およびミリメートル波(mmWave)などの多くの異なる無線タイプにアクセスすることができる。コネクティッド車両は、車両間(V2V)通信を介して他の車両とワイヤレスに通信する。コネクティッド車両は、車両対基盤通信を介して路側ユニット(「RSU」)などの道路基盤とワイヤレスに通信する。車両対すべて(V2X)通信は、一括してまたは個別に、V2V通信とV2I通信の両方を包含する用語である。
【0021】
軽減システムの実施形態が記載される。軽減システムと互換性があるV2X通信の例には、以下のタイプのワイヤレスV2X通信、DSRC、LTE、mmWave、3G、4G、5G、LTE車両対すべて(LTE−V2X)、LTE車両間(LTE−V2V)、LTEデバイス間(LTE−D2D)、5G−V2X、高度道路交通システム−G5(ITS−G5)、ITSコネクト、ボイスオーバーLTE(VoLTE)、およびここに列挙されたV2X通信プロトコルのうちの1つ以上の任意の派生物または分岐物のうちの1つ以上が含まれる。
【0022】
最新のコネクティッド車両は、それらの製造業者によってコネクティッド車両に送信されるワイヤレス信号によって「ロック」または「ロック解除」することができる「隠し」車両機能を含む。たとえば、コネクティッド車両は、ADAS機能または自動化車両機能を提供する1組のADASシステムを含む。これらのADASシステムによって提供される特定のADAS機能(または自動化車両機能)はロックされうるし、その結果、機能を提供するために必要なすべてのハードウェアおよびソフトウェアは車両に存在するが、車両のソフトウェアは、ADAS機能(または自動化車両機能)が車両のドライバーに利用できないように構成される。
【0023】
最新の車両はまた、より安全な場所に到達するために、自然災害または他の異常事象(たとえば、ハリケーン、竜巻、山火事、地震、火山噴火、津波、戦争行為など)から逃れるためにドライバーによって使用される。問題は、これらの車両の一部が、隠し車両機能がロック解除され、車両のドライバーに利用可能にされた場合にのみ、ドライバーがより早くまたはより安全に自然災害から逃れるのを支援しうる、隠し車両機能を含むことである。
【0024】
隠し車両機能を有するコネクティッド車両内に設置された軽減システムの実施形態が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、軽減システムは、コネクティッド車両のECUにインストールされたソフトウェアを含む。いくつかの実施形態では、軽減システムは、ECUによって実行された場合に、自然災害および異常事象をECUに監視させるように動作可能なコードおよびルーチンを含む。特定の地理的領域で自然災害または異常事象が検出されると、軽減システムは、それらの地理的近傍での異常事象の発生に基づいて、その地理的領域に位置するコネクティッド車両用の隠し車両機能を自動的にロック解除する。
【0025】
いくつかの実施形態では、軽減システムは、(1)コネクティッド車両のすべての隠し機構をロック解除すること(すなわち「一括ロック解除」)、または(2)発生している特定の異常事象もしくは異常事象に対するドライバーの具体的な状況に基づいて隠し車両の機能を選択的にロック解除すること(すなわち、選択的ロック解除」)のいずれかを行うことができる。
【0026】
選択的ロック解除の意味を紹介する一例として、自然災害がハリケーンであり、コネクティッド車両が道路で大量の水に遭遇している場合、軽減システムは、ECUによって実行された場合に、コネクティッド車両が濡れた路面を安全に横断するというより良い仕事
をするのを助ける全ての隠し車両機能をECUにロック解除させる(たとえば、隠し牽引制御ADAS機能をロック解除する)。いくつかの実施形態では、軽減システムは、ECUによって実行された場合に、電気自動車のバッテリ容量制限を増加させること、または電気自動車(もしくは他の何らかのコネクティッド車両)のテレマティックス機能を修正して、ドライバーが異常事象に適切に対応するのを支援するテレマティックス機能を提供することなどの他の関連機能をECUにロック解除させる。他の例も可能であり、この例は例示的であるにすぎない。
【0027】
いくつかの実施形態では、テレマティックス機能には、遠隔オブジェクトに対する効果的な制御とともに電気通信デバイスを介してデジタル情報を送信、受信、および記憶する技術、車両内の適用のためおよび移動中の車両の制御とともに電気通信および情報科学の統合的使用、自動車ナビゲーションシステムにおけるコンピュータおよびモバイル通信技術と統合されたGPS技術、ならびに他の車両テレマティックス機能のうちの1つ以上が含まれる。いくつかの実施形態では、テレメトリは遠隔オブジェクトに対する効果的な制御を含まないので、テレマティックスはテレメトリを含まない。
【0028】
いくつかの実施形態では、軽減システムは、隠し車両機能を含むコネクティッド車両にインストールされたソフトウェアを含む。たとえば、軽減システムは、コネクティッド車両の車載ユニット、またはECUもしくは車載ユニットなどの他の何らかの車載コンピュータ内に設置される。いくつかの実施形態では、軽減システムは、車載コンピュータによって実行された場合に、(1)電子気象データおよび電子災害データにアクセスして、コネクティッド車両が位置する具体的な地理的領域における異常事象の発生を識別するステップ、(2)コネクティッド車両のドライバーが異常事象に適切に応答する(すなわち、避難する)のを支援するはずのすべてのソフトウェアベースの機能(たとえば、バッテリ容量制限、テレマティックス)を自動的かつ一時的にロック解除するステップ、(3)電子気象データおよび電子災害データにアクセスして、異常事象が終了したことを識別するステップ、ならびに(4)前のステップ(2)においてロック解除されたすべてのソフトウェアベースの機能を自動的にロックするステップのうちの1つ以上を車載コンピュータに実行させるように動作可能なコードおよびルーチンを含む。
【0029】
上述されたステップの各々は、リモートクラウドサーバではなく、コネクティッド車両の要素である軽減システムによって実装されることに留意されたい。比較すると、既存の解決策は、その動作が車両製造業者によって制御されるクラウドサーバによって実行される。コネクティッド車両とクラウドサーバとの間の通信に必要とされる余分な時間、およびコネクティッド車両とクラウドサーバとの間のワイヤレス通信が異常事象に起因して利用不可でありうる可能性に起因して、異常事象を軽減するときのクラウドサーバの使用は危険である。したがって、既存の解決策は、この追加理由ならびに上述された他の理由のために、本明細書に記載された軽減システムの実施形態によって解決される問題を解決することにうまく適合されない。
【0030】
次に、「異常事象」、「気象データ」、および「災害データ」という用語が、軽減システムのいくつかの実施形態によって説明される。
【0031】
異常事象には、自然災害または国家非常事態が含まれる。たとえば、異常事象には、ハリケーン、竜巻、山火事、地震、火山噴火、津波、戦争行為などのうちの1つ以上が含まれる。
【0032】
気象データは、気象、およびハリケーン、竜巻、津波などの気象事象を記述するデジタルデータである。いくつかの実施形態では、気象データは、国立気象局(NWS)または電子気象データの他の何らかのソースによって提供される。いくつかの実施形態によれば
、気象データのリッチサイトサマリ(RSS)ストリームの例は、alerts.weather.gov/
で見ることができる。
【0033】
災害データは、自然災害などの異常事象を記述するデジタルデータである。いくつかの実施形態では、災害データは、それらのサーバを介して災害データのストリームを発行する米連邦緊急事態管理局(FEMA)によって提供される。いくつかの実施形態によれば、災害データの例は、fema.gov/disastersで見ることができる。
【0034】
一部の実施形態では、軽減システムを含むコネクティッド車両はDSRC装備車両である。DSRC装備車両は、(1)DSRC無線機を含み、(2)DSRC準拠の全地球測位システム(GPS)ユニットを含み、(3)DSRC装備車両が位置する管轄区域内で合法的にDSRCメッセージを送受信するように動作可能な車両である。DSRC無線機は、DSRC受信機およびDSRC送信機を含むハードウェアである。DSRC無線機は、DSRCメッセージを無線で送受信するように動作可能である。DSRC準拠のGPSユニットは、車線レベルの精度を有する車両(またはDSRC準拠のGPSユニットを含む他の何らかのDSRC装備デバイス)の位置情報を提供するように動作可能である。DSRC準拠のGPSユニットを、以下により詳細に説明する。
【0035】
「DSRC装備」デバイスは、DSRC無線機、DSRC準拠のGPSユニットを含み、DSRC装備デバイスが位置する管轄区域内で合法的にDSRCメッセージを送受信するように動作可能なプロセッサベースのデバイスである。様々なエンドポイントは、例えば、路側機(RSU)、スマートフォン、タブレットコンピュータ、および上記のようなDSRC無線機を含み、かつDSRCメッセージを合法的に送受信するように動作可能な任意の他のプロセッサベースのコンピューティングデバイスを含む、DSRC装備デバイスである。
【0036】
一部の実施形態では、DSRC装備デバイスであるRSUは、DSRC準拠のGPSユニットを含まないが、車線レベルの精度を有するRSUの位置情報を記述するデジタルデータを記憶する非一時的メモリを含み、RSUのDSRC無線機または他の何らかのシステムは、このデジタルデータのコピーをRSUのDSRC無線機によって送信されたBSMデータに追加する。このように、RSUは、DSRC準拠のGPSユニットを含まないが、DSRC標準の要件を満たすBSMデータを配信するように依然として動作可能である。BSMデータを、一部の実施形態によって、図11および図12を参照して以下により詳細に説明する。
【0037】
DSRCメッセージは、車両などのモバイル性の高いデバイスによって送受信されるように特別に構成された無線メッセージで、その派生物または分岐物を含む以下のDSRC標準、すなわちEN12253:2004専用狭域通信−5.8GHzのマイクロ波を使用する物理層(レビュー)、EN12795:2002専用狭域通信(DSRC)−DSRCデータリンク層:媒体アクセスおよび論理リンク制御(レビュー)、EN12834:2002専用狭域通信−アプリケーション層(レビュー)、およびEN13372:2004専用狭域通信(DSRC)−RTTTアプリケーション用DSRCプロファイル(レビュー)、EN ISO14906:2004電子料金徴収−アプリケーションインタフェースのうちの1つ以上に準拠している。
【0038】
米国およびヨーロッパでは、DSRCメッセージは5.9GHzで送信される。米国では、DSRCメッセージに5.9GHz帯域の75MHzのスペクトラムが割り当てられている。ヨーロッパでは、DSRCメッセージに5.9GHz帯域の30MHzのスペクトラムが割り当てられている。日本では、DSRCメッセージは、760MHz帯で、10MHzのスペクトラムによって送信される。したがって、無線メッセージは、米国およ
びヨーロッパでは5.9GHz、日本では760MHz帯域で動作しない限り、DSRCメッセージではない。無線メッセージはまた、それがDSRC無線機のDSRC送信機によって送信されない限り、DSRCメッセージではない。
【0039】
したがって、DSRCメッセージは、WiFiメッセージ、3Gメッセージ、4Gメッセージ、LTEメッセージ、ミリ波通信メッセージ、Bluetoothメッセージ、衛星通信、および315MHzまたは433.92MHzのキーフォブによって送信またはブロードキャストされる近距離無線メッセージのいずれでもない。例えば、米国では、遠隔キーレスシステム用のキーフォブは、315MHzで動作する近距離無線送信機を含み、この近距離無線送信機からの送信またはブロードキャストは、例えば、そのような送信またはブロードキャストは、いかなるDSRC標準にも準拠せず、DSRC無線機のDSRC送信機によって送信されず、5.9GHzで送信されないので、DSRCメッセージではない。別の例では、ヨーロッパおよびアジアでは、遠隔キーレスシステム用のキーフォブは433.92MHzで動作する近距離無線送信機を含み、この近距離無線送信機からの送信またはブロードキャストは、米国の遠隔キーレスシステムについての上記と同様の理由でDSRCメッセージではない。
【0040】
遠隔キーレスエントリシステムの構成要素として作成されたキーフォブの無線メッセージは、さらなる理由からDSRCメッセージではない。例えば、DSRCメッセージのためのペイロードはまた、様々なデータタイプの豊富な量の車両データを記述するデジタルデータを含むことを要求される。一般に、DSRCメッセージは、最低でも、DSRCメッセージおよびその車両のGPSデータを送信する車両の一意の識別子を常に含む。この量のデータは、他のタイプの非DSRC無線メッセージで可能なものよりも広い帯域幅を必要とする。遠隔キーレスエントリシステムの構成要素としてのキーフォブの無線メッセージは、DSRC標準で許容されるペイロードを含まないため、DSRCメッセージではない。例えば、キーフォブは、キーフォブと対になっている、車両に知られているデジタルキーを含む無線メッセージを送信するだけである、というのも、これらの送信に割り当てられる帯域幅が非常に小さいため、他のデータをペイロードに含めるのに十分な帯域幅がないからである。それに対して、DSRCメッセージには大量の帯域幅が割り当てられており、DSRCメッセージを送信した車両の一意の識別子やGPSデータなど、はるかに豊富なデータを含めるように要求されている。
【0041】
一部の実施形態では、DSRC装備車両は、従来の全地球測位システムユニット(「GPSユニット」)を含まず、代わりにDSRC準拠のGPSユニットを含む。従来のGPSユニットは、従来のGPSユニットの実際の位置の10メートル前後の精度で従来のGPSユニットの位置を記述する位置情報を提供する。それに対して、DSRC準拠のGPSユニットは、DSRC準拠のGPSユニットの実際の位置の1.5メートル前後の精度でDSRC準拠のGPSユニットの位置を記述するGPSデータ(例えば、GPSデータ192)を提供する。例えば道路の車線は一般に幅約3メートルであり、車両が道路のどの車線を走行しているかを識別するためには1.5メートル前後の精度で十分であるので、この精度の程度は「車線レベル精度」と呼ばれる。
【0042】
一部の実施形態では、DSRC準拠のGPSユニットは、戸外にいる時間の68%の間、その実際の位置の1.5メートル以内で、その二次元位置を識別、監視および追跡するように動作可能である。
【0043】
図1Aを参照すると、いくつかの実施形態による、軽減システム199向けの動作環境100が描写されている。描写されているように、動作環境100は、自車両123、遠隔車両124、基盤デバイス122、気象サーバ107、および災害サーバ108を含む。これらの要素は、ネットワーク105によって互いに通信可能に結合される。
【0044】
1つの自車両123、1つの遠隔車両124、1つの基盤デバイス122、1つの気象サーバ107、1つの災害サーバ108、および1つのネットワーク105が図1Aに描写されているが、実際には、動作環境100は、1つ以上の自車両123、1つ以上の遠隔車両124、1つ以上のV2X接続デバイス122、1つ以上の気象サーバ107、1つ以上の災害サーバ108、および1つ以上のネットワーク105を含みうる。たとえば、図1Bは2つの遠隔車両124を描写している。
【0045】
図1Aに戻ると、自車両123と遠隔車両124の両方がコネクティッド車両である。たとえば、自車両123および遠隔車両124の各々は、通信ユニット145A、145Bを含み、したがって、各々、ネットワーク105を介して電子メッセージを送受信するように動作可能なコネクティッド車両である。
【0046】
自車両123の通信ユニット145A、遠隔車両124の通信ユニット145B、気象サーバ107の通信ユニット145C、災害サーバ108の通信ユニット145D、および基盤デバイス122の通信ユニット145Eは、同様の機能を提供し、同様の構成要素を含み、一括してまたは個別に「通信ユニット145」と呼ばれる。
【0047】
自車両123のV2X無線機146A、遠隔車両124のV2X無線機146B、気象サーバ107のV2X無線機146C、災害サーバ108のV2X無線機146D、および基盤デバイス122のV2X無線機146Eは、同様の機能を提供し、同様の構成要素を含み、一括してまたは個別に「V2X無線機146」と呼ばれる。
【0048】
ネットワーク105は、有線または無線の従来型でありえ、スター構成、トークンリング構成、または他の構成を含む多数の様々な構成を有しうる。さらに、ネットワーク105は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)(例えば、インターネット)、または複数のデバイスおよび/またはエンティティが通信しうる他の相互接続されたデータパスを含みうる。一部の実施形態では、ネットワーク105はピアツーピアネットワークを含みうる。ネットワーク105はまた、様々な通信プロトコルでデータを送信するための通信ネットワークの一部に結合しえ、またはその一部を含みうる。一部の実施形態において、ネットワーク105は、ショートメッセージングサービス(SMS)、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、直接データ接続、無線アプリケーションプロトコル(WAP)、電子メール、DSRC、全二重無線通信、ミリ波、WiFi(インフラストラクチャモード)、WiFi(アドホックモード)、可視光通信、TVホワイトスペース通信、衛星通信経由を含むデータを送受信するためのBluetooth(登録商標)通信ネットワークまたはセルラ通信ネットワークを含む。ネットワーク105はまた、3G、4G、5G、LTE、LTE−V2V、LTE−V2I、LTE−V2X、LTE−D2D、5G−V2X、ITS−G5、ITS−コネクト、VoLTEを含みうるモバイルデータネットワーク、または任意の他のモバイルデータネットワークまたはモバイルデータネットワークの組み合わせを含みうる。さらに、ネットワーク105は、1つ以上のIEEE802.11無線ネットワークを含みうる。
【0049】
自車両123、遠隔車両124、基盤デバイス122、気象サーバ107、および災害サーバ108は、ネットワーク105のエンドポイントである。いくつかの実施形態では、自車両123および遠隔車両124は、軽減システム199のインスタンスを含む。自車両123および遠隔車両124は、一括してまたは個別に「車両エンドポイント」と呼ばれる。いくつかの実施形態では、(たとえば、自然災害または他の何らかの異常事象がネットワーク105の機能を停止したために)車両エンドポイントはネットワーク105にアクセスできず、車両エンドポイントは、V2I通信を介して基盤デバイス122のV
2V通信を介して互いに通信する。このようにして、車両エンドポイントは、本明細書に記載されたように、ロック解除コマンド196を発行するように軽減システム199をトリガする気象データ193および災害データ194のうちの1つ以上を受信することができる。
【0050】
自車両123は任意のタイプのコネクティッド車両である。例えば、自車両123は、乗用車、トラック、スポーツ用多目的車、バス、セミトラック、ロボット車、ドローンまたは他の道路ベースの輸送手段といった、通信ユニット145Aを含む車両タイプのうちの1つである。一部の実施形態では、自車両123はDSRC装備車両である。
【0051】
一部の実施形態では、自車両123は、自律型車両または半自律型車両である。例えば、自車両123は、自車両123を自律型車両にするのに十分な自律機能を自車両123に提供する高度運転支援システム180のセット(ADASシステム180のセット)を含む。ADASシステム180のセットは、1つ以上のADASシステムを含む。
【0052】
米国運輸省道路交通安全局(「NHTSA」)は、自律型車両の様々な「レベル」、例えばレベル0、レベル1、レベル2、レベル3、レベル4、およびレベル5を定義している。自律型車両が他の自律型車両よりも上位レベルの番号を持つ場合(例えば、レベル3は、レベル2または1よりも上位レベルの番号である)、上位レベル番号を持つ自律型車両は、低いレベルの番号を持つ車両に比べてより多くの組み合わせと数の自律機能を提供する。以下に、様々なレベルの自律型車両について簡単に説明する。
【0053】
レベル0:車両に設置されたADASシステム180のセットは、車両制御を持たない。ADASシステム180のセットは、車両の運転者に警告を発しうる。レベル0の車両は、自律型または半自律型の車両ではない。
【0054】
レベル1:運転手はいつでも自律型車両の運転制御を行う準備ができている必要がある。自律型車両に設置されたADASシステム180のセットは、定速走行および車間距離制御(ACC)、自動操舵による駐車支援、車線維持支援(LKA)タイプIIのうちの1つ以上などの自律機能を任意の組み合わせで提供しうる。
【0055】
レベル2:運転者は、車道環境における物体および事象を検出し、自律型車両に設置されたADASシステム180のセットが適切に応答しない場合に(運転者の主観的判断に基づいて)対応する義務がある。自律型車両に設置されたADASシステム180のセットは、加速、制動、および操舵を実行する。自律型車両に設置されたADASシステム180のセットは、運転者による引継ぎの際に直ちに停止することができる。
【0056】
レベル3:既知の限られた環境(高速道路など)内では、運転手は安全に運転作業から注意をそらすことができるが、必要なときに自律型車両を制御する準備ができている必要がある。
【0057】
レベル4:自律型車両に設置されたADASシステム180のセットは、悪天候のような少数の環境を除くすべての環境において自律型車両を制御することができる。運転者は、安全な場合にのみ自動化システム(車両に設置されたADASシステム180のセットからなる)を有効にしなければならない。自動化システムが有効になっている場合、運転者は、自律型車両が安全に動作し、許容される基準に一致するように注意を払う必要はない。
【0058】
レベル5:目的地の設定とシステムの起動を除けば、人間の介入は不要である。自動化システムは、運転が合法的な場所であればどこにでも運転して行くことができ、独自の決
定を下すことができる(これは車両が位置する地域によって異なりうる)。
【0059】
高度自律型車両(HAV)は、レベル3以上の自律型車両である。
【0060】
したがって、一部の実施形態では、自車両123は、レベル1の自律型車両、レベル2の自律型車両、レベル3の自律型車両、レベル4の自律型車両、レベル5の自律型車両、およびHAVのうちの1つである。
【0061】
ADASシステム180のセットは、以下のADASシステム、すなわちACCシステム、適応ハイビームシステム、適応調光システム、自動駐車システム、自動車用暗視システム、死角モニタ、衝突回避システム、横風安定化システム、運転者の眠気検知システム、運転者監視システム、緊急運転者支援システム、前方衝突警報システム、交差点支援システム、インテリジェント速度適応システム、車線逸脱警報システム(LKAシステムとも呼ばれる)、歩行者保護システム、交通標識認識システム、方向転換アシスタント、逆方向運転警告システム、オートパイロット、合図認識そして合図支援のうちの1つ以上を含む。これらの例示的なADASシステムのそれぞれは、本明細書でそれぞれ「ADAS特徴」または「ADAS機能」と呼ばれうるそれら自体の特徴および機能を提供する。これらの例示的なADASシステムによって提供される特徴および機能は、本明細書ではそれぞれ「自律特徴」または「自律機能」とも呼ばれる。
【0062】
いくつかの実施形態では、これらの自律機構(もしくは自律機能)またはADAS機構(もしくはADAS機能)のうちの1つ以上は、隠し車両機能181である。たとえば、自車両123は、起動されていない(すなわち、「ロックされている」)、軽減システム199によって起動される(すなわち、「ロック解除される」)ように動作可能な、ADASシステムセット180の1つ以上のADASシステムを有する。自車両123はまた、検出された自然災害または他の異常事象に応答して軽減システム199によってロック、ロック解除、または再構成されるように動作可能な他の車載システムを含みうるし、いくつかの実施形態によれば、これらの車載システムも隠し車両機能181に含まれる。
【0063】
いくつかの実施形態では、自車両123は電気自動車であり、自車両123は、自車両123の航続距離を伸ばすように軽減システム199によって再構成することができるバッテリシステムを含み、それにより、所望の目的地に到達する自車両123の能力が向上する。ここで、自車両123の航続距離を伸ばすようにバッテリシステムを再構成する(例えば、車両の走行が不可能となるバッテリ残容量の下限値をより低く設定し直す)ことは、軽減システム199によってロック、ロック解除、または再構成されるように動作可能な自車両123の隠し車両機能181の一例である。
【0064】
一部の実施形態では、自車両123は、以下の要素、すなわちADASシステム180のセット、車載ユニット126、プロセッサ125、メモリ127、通信ユニット145、DSRC準拠のGPSユニット150、センサセット184、電子ディスプレイ140、軽減システム199を含む。自車両123のこれらの要素は、バス120を介して互いに通信可能に結合されている。
【0065】
ADASシステム180のセットは上述したので、ここではその説明は繰り返さない。
【0066】
いくつかの実施形態では、プロセッサ125およびメモリ127は、車載コンピュータシステムの要素である。車載コンピュータシステムは、自車両123の軽減システム199の動作を引き起こすかまたは制御するように動作可能である。車載コンピュータシステムは、メモリ127に記憶されたデータにアクセスし実行して、自車両123の軽減システム199またはその要素について本明細書に記載された機能を提供するように動作可能
である。車載コンピュータシステムは、図3を参照して下記に記載される方法300または図1Bを参照して下記に記載されるフロープロセス101の1つ以上のステップを車載コンピュータシステムに実行させる軽減システム199を実行するように動作可能である。
【0067】
いくつかの実施形態では、プロセッサ125およびメモリ127は車載ユニット126の要素である。車載ユニット126は、軽減システム199の動作を引き起こすかまたは制御するように動作可能でありうるECUまたは車載コンピュータシステムを含む。いくつかの実施形態では、車載ユニット126は、メモリ127に記憶されたデータにアクセスし実行して、軽減システム199またはその要素について本明細書に記載された機能を提供するように動作可能である。車載ユニット126は、図3を参照して下記に記載される方法300または図1Bを参照して下記に記載されるフロープロセス101の1つ以上のステップを車載ユニット126に実行させる軽減システム199を実行するように動作可能である。
【0068】
一部の実施形態では、DSRC準拠のGPSユニット150は、自車両123またはDSRC準拠のGPSユニット150を、その派生物または分岐物を含む、以下のDSRC標準、すなわちEN12253:2004専用狭域通信−5.8GHzのマイクロ波を使用する物理層(レビュー)、EN12795:2002専用狭域通信(DSRC)−DSRCデータリンク層:媒体アクセスおよび論理リンク制御(レビュー)、EN12834:2002専用狭域通信−アプリケーション層(レビュー)、およびEN13372:2004専用狭域通信(DSRC)−RTTTアプリケーション用DSRCプロファイル(レビュー)、EN ISO14906:2004電子料金徴収−アプリケーションインタフェースのうちの1つ以上に準拠させるのに必要なハードウェアおよびソフトウェアを含む。
【0069】
一部の実施形態では、DSRC準拠のGPSユニット150は、自車両123の位置を記述するGPSデータ192を車線レベルの精度で提供するように動作可能である。例えば、自車両123は、車道のある車線を走行している。車線レベルの正確さとは、自車両123の位置がGPSデータ192によって正確に記述され、その結果、自車両123の走行車線を、DSRC準拠のGPSユニット150によって提供されたこの自車両123用のGPSデータ192に基づいて正確に決定しうることを意味する。一部の実施形態では、GPSデータ192は、通信ユニット145AによってBSMの要素として送信されるBSMデータの要素である。
【0070】
一部の実施形態では、DSRC準拠のGPSユニット150は、GPSデータ192を取得するためにGPS衛星と無線通信するハードウェアを含む。GPSデータ192は、DSRC標準に準拠する精度で自車両123の地理的位置を記述するデジタルデータである。DSRC標準は、2台の車両(そのうちの1台は例えば自車両123)が隣接する走行車線に位置しているかどうかを推測するのに十分に正確なGPSデータ192を要求する。一部の実施形態では、DSRC準拠のGPSユニット150は、戸外にいる時間の68%の間、その実際の位置の1.5メートル以内で、その二次元位置を識別、監視および追跡するように動作可能である。走行車線の幅は通常3メートル以上であるので、GPSデータ192の二次元誤差が1.5メートル未満であるときはいつでも、本明細書に記載の軽減システム199は、DSRC準拠のGPSユニット150によって提供されるGPSデータ192を解析して、道路上を同時に走行している2台以上(そのうちの1台は例えば自車両123)の相対位置に基づいて、自車両123がどの車線を走行しているかを判定する。
【0071】
DSRC準拠GPSユニット150と比較すると、DSRC規格に準拠しない従来のG
PSユニットは、車線レベルの精度で自車両123の位置を特定することができない。たとえば、典型的な道路の車線は約3メートルの幅である。しかしながら、従来のGPSユニットは、自車両123の実際の位置に対してプラスマイナス10メートルの精度しかもたない。結果として、そのような従来のGPSユニットは、GPSデータ192のみに基づいて自車両123の走行車線を識別するのに十分に正確ではなく、代わりに、従来のGPSユニットのみを有するシステムは、自車両123の走行車線を識別するために、カメラなどのセンサを利用しなければならない。たとえば、いくつかの実施形態では、この精度が自車両の地理的領域を識別するのに役立つ(たとえば、自車両123が2つ以上の領域の境界上にある場合、この区別が、自車両123が自然災害または異常事象によって影響を受けているかどうかに影響を与える)ので、車両の走行車線を識別することは有益である。たとえば、いくつかの実施形態による、自車両123の具体的な地理的領域を特定することを説明する図3を参照して下記に記載される方法300のステップ301を参照されたい。
【0072】
いくつかの実施形態では、自車両123はセンサセット184を含む。センサセット184は、自車両123の外部の物理環境を測定するように動作可能な1つ以上のセンサを含む。たとえば、センサセット184は、自車両123に近接する物理環境の1つ以上の物理特性を記録する1つ以上のセンサを含みうる。メモリ127はセンサデータ191を記憶しうる。センサデータ191は、センサセット184の1つ以上のセンサによって記録される1つ以上の物理特性を記述するデジタルデータである。
【0073】
いくつかの実施形態では、センサセット184は、センサデータ191を記録するために必要な任意のセンサを含む。いくつかの実施形態では、センサデータ191は、自車両123の状況を記述するデジタルデータである。たとえば、センサデータ191によって記述される状況は、自車両123が走行する道路が滑りやすいかどうか、自車両123が現在交通渋滞の中にいるかどうか、自車両123が以前交通渋滞の中にいたかどうか、自車両123が自車両の現在の旅行中に交通渋滞に巻き込まれた時間、自車両123がある所定の時間の間に何マイル走行したか(この測定値は、自車両123の現在の旅行中に自車両123が交通渋滞の影響を受けているかどうかを判定するために軽減システム199によって使用されうる)、自車両123が強風の存在下にあるかどうか、自車両123が受けている風速、および自車両123に当たる風によって自車両123に加わる圧力のうちの1つ以上を記述する。
【0074】
一部の実施形態では、自車両123のセンサセット184は、以下の車両センサ、すなわち、クロック、ネットワークトラフィックスニファ、カメラ、LIDARセンサ、レーダセンサ、レーザ高度計、赤外線検出器、動き検出器、サーモスタット、音検出器、一酸化炭素センサ、二酸化炭素センサ、酸素センサ、マスエアフローセンサ、エンジン冷却水温度センサ、スロットル位置センサ、クランクシャフト位置センサ、自動車エンジンセンサ、バルブタイマー、空燃比計、死角メータ、縁石フィーラ、欠陥検出器、ホール効果センサ、マニホールド絶対圧センサ、駐車センサ、レーダガン、速度メータ、速度センサ、タイヤ空気圧監視センサ、トルクセンサ、変速機油温センサ、タービン速度センサ(TSS)、可変磁気抵抗センサ、車速センサ(VSS)、水センサ、車輪速センサ、および他のタイプの自動車用センサのうちの1つ以上を含む。一部の実施形態では、DSRC準拠のGPSユニット150は、センサセット184の要素である。
【0075】
通信ユニット145は、ネットワーク105または別の通信チャネルとの間でデータを送受信する。一部の実施形態では、通信ユニット145は、DSRCトランシーバ、DSRC受信機、および自車両123をDSRC装備のデバイスにするのに必要な他のハードウェアまたはソフトウェアを含む。
【0076】
一部の実施形態では、通信ユニット145は、ネットワーク105または別の通信チャネルへの直接の物理的接続のためのポートを含む。例えば、通信ユニット145は、ネットワーク105と有線通信するためのUSB、SD、CAT−5等のポートを含む。一部の実施形態では、通信ユニット145はネットワーク105または他の通信チャネルとデータを交換するための無線トランシーバを含み、その際、以下を含む1つ以上の無線通信方法、すなわちIEEE802.11、IEEE802.16、BLUETOOTH(登録商標)、EN ISO14906:2004電子料金徴収−アプリケーションインタフェース、EN11253、2004専用狭域通信−5.8GHzのマイクロ波を使用する物理層(レビュー)、EN12795:2002専用狭域通信(DSRC)−DSRCデータリンク層:媒体アクセスおよび論理リンク制御(レビュー)、EN12834:2002専用狭域通信−アプリケーション層(レビュー)、EN13372:2004専用狭域通信(DSRC)−RTTTアプリケーション用DSRCプロファイル(レビュー)、2014年8月28日に出願された「全二重調整システム」と題する米国特許出願第14/471,387号に記載の通信方法、または別の適切な無線通信方法を使用する。
【0077】
一部の実施形態において、通信ユニット145は、米国特許出願第14/471,387号に記載の全二重調整システムを含み、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0078】
一部の実施形態では、通信ユニット145は、ショートメッセージングサービス(SMS)、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、直接データ接続、WAP、電子メール、または別の適切なタイプの電子通信を含むセルラ通信ネットワークを介してデータを送受信するセルラ通信トランシーバを含む。一部の実施形態において、通信ユニット145は有線ポートおよび無線トランシーバを含む。通信ユニット145はまた、TCP/IP、HTTP、HTTPS、およびSMTP、ミリ波、DSRCなどを含む標準的なネットワークプロトコルを使用してファイルまたはメディアオブジェクトを配信するための、ネットワーク105への他の従来の接続を提供する。
【0079】
一部の実施形態では、通信ユニット145はV2X無線機146Aを含む。V2X無線機146Aは、任意のV2Xプロトコルを介して無線メッセージを送受信するように動作可能な送信機および受信機を含むハードウェアユニットである。例えば、V2X無線機146Aは、以下のタイプのV2Xメッセージ、すなわち、DSRC、LTE、ミリ波通信、3G、4G、5G、LTE−V2X、LTE−V2V、LTE−D2D、5G−V2X、ITS−G5、ITS−コネクト、VoLTE、およびここに記載されている1つ以上のV2X通信プロトコルの任意の派生物または分岐物のうちの1つ以上を送受信するのに必要な任意のハードウェアおよびソフトウェアを含む。
【0080】
一部の実施形態では、V2X無線機146Aは、複数のチャネルを含むマルチチャネルV2X無線機である。一部の実施形態では、一部のチャネルは、第1のV2Xプロトコルを介してV2Xメッセージを送受信するように動作可能である一方、一部のチャネルは、N番目のV2Xプロトコルを介してV2Xメッセージを送受信するように動作可能である。
【0081】
一部の実施形態では、V2X無線機146AはDSRC無線機である。例えば、V2X無線機146Aは、DSRCを介して無線メッセージを送受信するように動作可能である。V2X送信機は、5.9GHz帯域でDSRCメッセージを送信しブロードキャストするように動作可能である。V2X受信機は、5.9GHz帯域でDSRCメッセージを受信するように動作可能である。V2X無線機は、7つのチャネル(例えば、DSRCチャネル番号172、174、176、178、180、182、および184)を含み、こ
れらのチャネルのうちの少なくとも1つはBSMの送受信用に予約されている(例えば、DSRCチャネル番号172はBSM用に予約されている)。一部の実施形態では、これらのチャネルの少なくとも1つは、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、2017年10月27日に出願された「車両メッシュネットワークのためのPSMメッセージベースのデバイス発見」と題する米国特許出願第15/796,296号に記載されるように、歩行者安全メッセージ(PSM)を送受信するために予約されている。一部の実施形態では、DSRCチャネル番号172は、PSMを送受信するために予約されている。
【0082】
一部の実施形態において、V2X無線機146Aは、BSMメッセージをブロードキャストするための周波数を制御するデジタルデータを記憶する非一時的メモリを含む。一部の実施形態では、非一時的メモリは、自車両123用のGPSデータ192がV2X無線機146Aによって定期的にブロードキャストされるBSMの要素としてブロードキャストされるように、自車両123用のGPSデータ192のバッファ版を記憶する。BSMは、DSRCだけではなく様々なV2Xプロトコルを介してV2X無線機146Aによってブロードキャストされうる。
【0083】
一部の実施形態では、V2X無線機146Aは、自車両123をDSRC標準に準拠させるために必要な任意のハードウェアまたはソフトウェアを含む。一部の実施形態では、DSRC準拠のGPSユニット150は、V2X無線機146Aの要素である。
【0084】
描写された実施形態では、図1Aに描写されたエンドポイントは、自車両123の通信ユニット145Aなどの通信ユニット(たとえば、通信ユニット145B、145C、145D、145E)を含み、これらの通信ユニットは、一括してまたは個別に「通信ユニット145」と呼ばれる。描写された実施形態では、通信ユニット145は、自車両123のV2X無線機146AなどのV2X無線機(たとえば、V2X無線機146B、146C、146D、146E)を含み、これらのV2X無線機は、一括してまたは個別に「V2X無線機146」と呼ばれる。
【0085】
電子ディスプレイ140は、例えば、任意のタイプの電子ディスプレイ装置、すなわち自車両123のダッシュメータディスプレイ、自車両123のヘッドアップディスプレイユニット(HUD)、自車両123の拡張現実(AR)ディスプレイまたは自車両123の視覚装置、および自車両123のヘッドユニットのうちの1つ以上を含む。適切なHUDおよびAR視覚装置の一例は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、2017年5月23日に出願された「運転手への交通ミラーコンテンツの提供」と題する米国特許出願第15/603,086号に記載されている。適切なHUDおよびAR視覚装置の別の例は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、2017年5月9日に出願された「自動車車線案内のための拡張現実」と題する米国特許出願第15/591,100号に記載されている。
【0086】
プロセッサ125は、計算を実行し、電子表示信号を表示装置に提供するための、論理演算装置、マイクロプロセッサ、汎用コントローラ、または他の何らかのプロセッサアレイを含む。プロセッサ125はデータ信号を処理し、複合命令セットコンピュータ(CISC)アーキテクチャ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)アーキテクチャ、または命令セットの組み合わせを実装するアーキテクチャを含む様々な計算アーキテクチャを含む。自車両123は、1つ以上のプロセッサ125を含む。他のプロセッサ、オペレーティングシステム、センサ、ディスプレイ、および物理的構成も可能である。
【0087】
メモリ127は、プロセッサ125によってアクセスされ実行されうる命令またはデータを記憶する非一時的メモリである。命令またはデータは、本明細書に記載の技法を実行
するためのコードを含む。メモリ127は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)デバイス、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)デバイス、フラッシュメモリ、または他の何らかのメモリデバイスとする。一部の実施形態では、メモリ127は、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、CD−ROM装置、DVD−ROM装置、DVD−RAM装置、DVD−RW装置、フラッシュメモリ装置、またはより恒久的に情報を記憶するための他の何らかの大容量記憶装置を含む不揮発性メモリまたは同様の永久記憶装置および媒体を含む。メモリ127の一部は、バッファまたは仮想ランダムアクセスメモリ(仮想RAM)として使用されるために予約されうる。自車両123は、1つ以上のメモリ127を含む。
【0088】
自車両123のメモリ127は、以下のタイプのデジタルデータ、すなわち、センサデータ191、GPSデータ192、気象データ193、災害データ194、ロック解除コマンド196、およびロックコマンド197のうちの1つ以上を記憶する。
【0089】
いくつかの実施形態では、メモリ127は、図4および図5に描写されるBSMデータ198を記憶する。BSMデータ198は、基盤デバイス122、遠隔車両124、気象サーバ107、または災害サーバ108から受信されるBSM用のペイロードとして受信されうる。たとえば、いくつかの実施形態では、気象データ193および災害データ194のうちの1つ以上は、BSMデータ198に含まれ、動作環境100のエンドポイントのうちの1つ以上から自車両123に中継されうる。
【0090】
いくつかの実施形態では、メモリ127は、DSRCメッセージ内で受信されるか、またはDSRCメッセージとして送信されるデジタルデータであるDSRCデータを記憶する。DSRCデータは、BSMデータ198に含まれる任意の情報を記述する。たとえば、BSMメッセージは、規則的な間隔(たとえば、0.10秒ごとに1回)で送信される特殊なタイプのDSRCメッセージであるが、DSRCメッセージの内容またはペイロード(すなわち、DSRCデータ)は、BSMメッセージのそれと同じである(すなわち、DSRCメッセージ用のDSRCデータは、BSMメッセージ用のBSMデータと同じかまたは同様である)。
【0091】
いくつかの実施形態では、メモリ127は、デジタルデータとして、本明細書に記載された任意のデータを記憶する。いくつかの実施形態では、メモリ127は、軽減システム199がその機能を提供するために必要な任意のデータを記憶する。
【0092】
センサデータ191は、センサセット184に含まれる1つ以上のセンサのセンサ測定値を記述するデジタルデータである。
【0093】
GPSデータ192は、自車両123の地理的位置を記述するデジタルデータである。いくつかの実施形態では、GPSデータ192は、車線レベルの精度で自車両123の地理的位置を記述する。
【0094】
気象データ193は、気象、およびハリケーン、竜巻、津波などの気象事象を記述するデジタルデータである。いくつかの実施形態では、気象データは、NWSまたは電子気象データ193の他の何らかのソースによって提供される。いくつかの実施形態によれば、気象データ193のRSSストリームの例は、alerts.weather.gov/で見ることができる
。気象データ193は、気象サーバ107によって自車両123に送信される。たとえば、気象サーバ107は、NWSまたは電子気象データ193の他の何らかのソースによって運営される。いくつかの実施形態では、軽減システム199は、気象サーバ107に自車両123のGPSデータ192を送信することを通信ユニット145に行わせ、気象サーバ107は、GPSデータ192によって記述される地理的位置についての気象および
気象事象を記述する気象データ193で応答する。
【0095】
いくつかの実施形態では、ネットワーク105は、(たとえば、異常事象に起因して)自車両123によってアクセス可能ではなく、軽減システム199は、以下のステップ、すなわち、基盤デバイス122に送信され、次いで基盤デバイスによって気象サーバ107に中継されるV2I通信を介して気象サーバ107にGPSデータ192を送信すること(たとえば、基盤デバイス122はネットワーク105にアクセスできるが、自車両123はアクセスできない)、ならびにGPSデータ192によって記述される地理的位置に関連する気象および気象事象を記述する気象データ193を含む、基盤デバイス122からのV2I通信を受信することのうちの1つ以上を自車両123の通信ユニット145に実行させる。このようにして、軽減システム199は、ネットワーク105が自車両123によってアクセスできないときでも、自車両123の地理的領域に関連する気象データ193を受信する。自車両は、基盤デバイス122から受信されたV2I通信を介して気象データ193を受信するので、この実施形態はV2Iマルチホップ通信の一例である。別の実施形態では、図1Bは、気象データ193がV2VおよびV2Iのマルチホップ通信を介して遠隔車両124から受信される一実施形態を描写する。
【0096】
災害データ194は、自然災害などの異常事象を記述するデジタルデータである。いくつかの実施形態では、災害データ194は、それらのサーバを介して災害データ194のストリームを発行するFEMAによって提供される。いくつかの実施形態によれば、災害データの例は、fema.gov/disastersで見ることができる。災害データ194は、災害サーバ108によって自車両123に送信される。たとえば、災害サーバ108は、FEMAまたは電子災害データ194の他の何らかのソースによって運営される。
気象データ193および災害データ194は、本発明における異常事象データである。
【0097】
いくつかの実施形態では、ネットワーク105は、(たとえば、異常事象に起因して)自車両123によってアクセス可能ではなく、軽減システム199は、以下のステップ、すなわち、基盤デバイス122に送信され、次いで基盤デバイスによって気象サーバ107に中継されるV2I通信を介して気象サーバ107にGPSデータ192を送信すること(たとえば、基盤デバイス122はネットワーク105にアクセスできるが、自車両123はアクセスできない)、ならびにGPSデータ192によって記述される地理的位置に影響を与える1つ以上の異常事象を記述する災害データ194を含む、基盤デバイス122からのV2I通信を受信することのうちの1つ以上を自車両123の通信ユニット145に実行させる。このようにして、軽減システム199は、ネットワーク105が自車両123によってアクセスできないときでも、自車両123の地理的領域に関連する災害データ194を受信する。自車両123は、基盤デバイス122から受信されたV2I通信を介して災害データ194を受信するので、この実施形態はV2Iマルチホップ通信の一例である。別の実施形態では、図1Bは、災害データ194がマルチホップV2V通信を介して遠隔車両124から受信される一実施形態を描写する。
【0098】
ロック解除コマンド196は、ロック解除されるように隠し車両機能181に指示し、ロック解除されるかまたは隠し車両機能181がアクセス可能になるように再構成されることを隠し車両機能181にさせるように動作可能なデジタルデータである。
【0099】
ロックコマンド197は、ロックされるように隠し車両機能181に指示し、ロックされるかまたは隠し車両機能181がアクセス不可になるように再構成されることを隠し車両機能181にさせるように動作可能なデジタルデータである。
【0100】
いくつかの実施形態では、隠し車両機能181を提供するADASシステムは、自車両のECUに記憶され、それによって実行される。隠し車両機能181は、隠し車両機能1
81を提供する自車両123のADASシステムを実行するECUにロック解除コマンド196を提供する、自車両123の車載コンピュータシステムによってロック解除される。同様に、いくつかの実施形態では、隠し車両機能181は、隠し車両機能181を提供する自車両123のADASシステムを実行するECUにロックコマンド197を提供する、自車両123の車載コンピュータシステムによってロックされる。ロック解除コマンド196とロックコマンド197の両方は、軽減システム199によって生成され、自車両123の車載コンピュータによってECUに送信される、電子制御信号に含まれる。
【0101】
いくつかの実施形態では、軽減システム199は、プロセッサ125によって実行された場合に、図3に描写された方法300または図1Bに描写されたフロープロセス101の1つ以上のステップをプロセッサ125に実行させるように動作可能なソフトウェアを含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、軽減システム199は気象データ193および災害データ194を検索する。気象データ193および災害データ194はジオタグが付けられているので、それらは地理的位置およびその地理的位置に関連付けられた気象/災害事象を記述する。軽減システム199は、GPSデータ192を気象データ193および災害データ194と比較して、自車両123が、現在、自然災害または他の何らかの異常事象に遭遇している地理的位置にあるかどうかを判定する。自然災害または異常事象に遭遇している地理的位置に自車両123が存在する場合、軽減システム199は、隠し車両機能181にロック解除コマンド196を発行することによって応答し、その結果、それらはロック解除され、自車両123のドライバーに利用可能になる。いくつかの実施形態では、軽減システム199は、センサデータ191を分析して自車両123についての具体的な状況を特定し、次いで、センサデータ191によって示されるように自車両123が遭遇している事象に対応する隠し車両機能181を選択的にロック解除する。
例えば、自車両が遭遇している事象下において安全な移動を可能にするための隠し車両機能を選択し、当該機能のみをロック解除する。例えば、津波警報が発令しているなど、より遠くに避難する必要がある場合は、電気自動車のバッテリ動作範囲を下方に拡張する。
軽減システム199は、災害データ194および気象データ193の監視を続行して、自然災害または異常事象がいつ終了したかを識別し、それが終了すると、軽減システム199は、以前ロック解除された隠し車両機能181にロックコマンド197を発行し、その結果、これらの隠し車両機能は、自然災害または異常事象が軽減システム199によって検出される前にそれらがあったように再びロックされる。
【0103】
いくつかの実施形態では、軽減システム199は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)または特定用途向け集積回路(「ASIC」)を含むハードウェアを使用して実装される。いくつかの他の実施形態では、軽減システム199は、ハードウェアとソフトウェアの組合せを使用して実装される。
【0104】
遠隔車両124は、自車両123と同様の要素を含むので、ここではそれらの説明は繰り返さない。例えば、遠隔車両124は、以下の要素、すなわち軽減システム199、V2X無線機146Bを含む通信ユニット145Bのうちの1つ以上を含む。遠隔車両124の軽減システム199は、自車両123の軽減システム199と同じ機能を提供するので、ここでは説明を繰り返さない。遠隔車両124の通信ユニット145およびV2X無線機146は、自車両123の通信ユニット145およびV2X無線機146と同じ機能を提供するので、ここではそれらの説明は繰り返さない。
【0105】
図1Aには示していないが、一部の実施形態では、遠隔車両124は自車両123の要素のうちの1つ以上を含む。例えば、遠隔車両124は、センサセット184、車載ユニ
ット126、プロセッサ125、メモリ127、ADASシステム180のセット、DSRC準拠のGPSユニット150、電子ディスプレイ140のうちの1つ以上を含む。
【0106】
遠隔車両124の軽減システム199は、自車両123の軽減システム199が自車両123に提供するのと同じ機能を遠隔車両124に提供する。
【0107】
基盤デバイス122は、通信ユニット145、ならびに気象データ193および災害データ194などのデジタルデータを記憶するように動作可能な非一時的メモリを含む、RSUまたは他の何らかのプロセッサベースのコンピューティングデバイスを含む。いくつかの実施形態では、基盤デバイス122はDSRC装備デバイスである。基盤デバイス122は、たとえば、V2Xメッセージを受信し、これらのメッセージを自車両123、遠隔車両124、およびサーバ107などの他の接続されたデバイスに中継するように動作可能である。このようにして、基盤デバイス122は、そうでない場合、V2Xメッセージを送信したエンドポイントの送信範囲の外側にあるはずのエンドポイントにV2Xメッセージを中継する。
【0108】
気象サーバ107はプロセッサベースのコンピューティングデバイスである。たとえば、コンピューティングデバイスは、スタンドアロンのハードウェアサーバを含む。いくつかの実装形態では、気象サーバ107はネットワーク105に通信可能に結合される。気象サーバ107はネットワーク通信機能を含む。気象サーバ107は、ネットワーク105を介してワイヤレスメッセージを送受信するように動作可能である。気象サーバ107は、各々地理的位置によってインデックス付けされた気象データ193の複数のインスタンスを含むデータ構造を記憶する非一時的メモリを含み、このようにして、データ構造は、GPSデータ192の特定のインスタンスを含むクエリに基づいて、気象データ193の特定のインスタンスを検索するように検索可能である。気象サーバ107は、V2X無線機146を有する通信ユニット145を含む。気象サーバ107の通信ユニット145およびV2X無線機146は、自車両123の通信ユニット145およびV2X無線機146と同じかまたは同様の機能を提供するので、それらの説明は本明細書では繰り返さない。気象サーバ107の通信ユニット145は、自車両123によって送信され、自車両123用のGPSデータ192を含むワイヤレスメッセージを受信する。気象サーバ107は、このGPSデータ192によって記述された地理的位置についての気象および気象条件を記述する気象データ193の特定のインスタンスを検索する。気象サーバ107は、この特定の地理的位置についての気象データ193を含むワイヤレスメッセージを気象サーバ107の通信ユニット145に送信させる。自車両123の通信ユニット145は、ネットワーク105からの気象データ193を含むワイヤレスメッセージ、基盤デバイス122から受信されたV2Iメッセージ、または遠隔車両124から受信されたV2Vメッセージのいずれかを受信する。
【0109】
災害サーバ108はプロセッサベースのコンピューティングデバイスである。たとえば、コンピューティングデバイスは、スタンドアロンのハードウェアサーバを含みうる。いくつかの実装形態では、災害サーバ108はネットワーク105に通信可能に結合される。災害サーバ108はネットワーク通信機能を含む。災害サーバ108は、ネットワーク105を介してワイヤレスメッセージを送受信するように動作可能である。災害サーバ108は、各々地理的位置によってインデックス付けされた災害データ194の複数のインスタンスを含むデータ構造を記憶する非一時的メモリを含み、このようにして、データ構造は、GPSデータ192の特定のインスタンスを含むクエリに基づいて、災害データ194の特定のインスタンスを検索するように検索可能である。災害サーバ108は、V2X無線機146を有する通信ユニット145を含む。災害サーバ108の通信ユニット145およびV2X無線機146は、自車両123の通信ユニット145およびV2X無線機146と同じかまたは同様の機能を提供するので、それらの説明は本明細書では繰り返
さない。災害サーバ108の通信ユニット145は、自車両123によって送信され、自車両123用のGPSデータ192を含むワイヤレスメッセージを受信する。災害サーバ108は、このGPSデータ192によって記述された地理的位置に影響を与える異常事象を記述する災害データ194の特定のインスタンスを検索する。災害サーバ108は、この特定の地理的位置についての災害データ194を含むワイヤレスメッセージを災害サーバ108の通信ユニット145に送信させる。自車両123の通信ユニット145は、ネットワーク105からの災害データ194を含むワイヤレスメッセージ、基盤デバイス122から受信されたV2Iメッセージ、または遠隔車両124から受信されたV2Vメッセージのいずれかを受信する。
【0110】
次に図1Bを参照すると、いくつかの実施形態による軽減システム199によって実行されるフロープロセス101を示すブロック図が描写されている。
【0111】
図1Bに描写された実施形態は、気象サーバ107、災害サーバ108、基盤デバイス122、第1の遠隔車両124A、第2の遠隔車両124B、および自車両123を含む。気象サーバ107、災害サーバ108、および基盤デバイス122は、ネットワーク105を介して互いに通信可能に結合され、基盤デバイス122、第1の遠隔車両124A、第2の遠隔車両124B、および自車両123は、ネットワーク105ではなく、V2I通信またはV2V通信を介して互いに通信可能に結合される。たとえば、ネットワーク105は、異常事象のために車両エンドポイントによってアクセスできない。
【0112】
以下の要素、すなわち、気象サーバ107、災害サーバ108、基盤デバイス122、自車両123、およびネットワーク105は、図1Aを参照して上述されたので、それらの説明は本明細書では繰り返さない。第1の遠隔車両124Aおよび第2の遠隔車両124Bは、図1Aに描写された遠隔車両124の例である。したがって、第1の遠隔車両124Aおよび第2の遠隔車両124Bについての説明は、図1Aを参照して上記に提供されたような遠隔車両124についての説明と同じである。
【0113】
いくつかの実施形態では、災害データ194および気象データ193は、ネットワーク105を介して自車両123の軽減システム199によって検索可能ではない。たとえば、軽減システム199を含む自車両123は、異常事象の間にセルラ基地局がオフラインであるためにネットワーク105にアクセスできない。たとえば、異常事象は、停電、機器の損傷、または異常事象によって引き起こされた他の何らかの状態に起因してセルラ基地局をオフラインにし、それにより、自車両123がネットワーク105にアクセスすることが妨害される。軽減システム199は、他の遠隔車両124A、124Bまたは基盤デバイス122から災害データ194および気象データ193を検索するために、V2Vおよび/またはV2Iのマルチホップ通信を使用する可能性の主要因である機能を含む。フロープロセス101は、軽減システム199を含む自車両123に災害データ194および気象データ193を提供するために、V2IとV2Vの両方のマルチホップ通信が使用される実施形態の一例を描写する。
【0114】
いくつかの実施形態では、フロープロセス101は、以下のステップのうちの1つ以上を含む。(1)基盤デバイス122が、ネットワーク105を介して、それぞれ、災害サーバ108および気象サーバ107から災害データ194および気象データ193をダウンロードする。(2)基盤デバイス122が、災害データ194および気象データ193を含むV2I通信160を第1の遠隔車両124Aに送信する。(3)第1の遠隔車両124Aが、災害データ194および気象データ193を含むV2V通信161を第2の遠隔車両124Bに送信する。(4)第2の遠隔車両124Bが、災害データ194および気象データ193を含むV2V通信162を自車両123に送信する。
【0115】
いくつかの実施形態では、電子通信160、161、162のうちの1つ以上はBSMであり、気象データ193および災害データ194のうちの1つ以上は、BSM内に符号化されたBSMデータ198に含まれる。
【0116】
(例示的なコンピュータシステム)
次に図2を参照すると、いくつかの実施形態による軽減システム199を含む例示的なコンピュータシステム200を示すブロック図が描写されている。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム200は、図3を参照して下記に記載される方法300または図1Bを参照して上述されたフロープロセス101の1つ以上のステップを実行するようにプログラムされた専用コンピュータシステムを含みうる。
【0117】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステム200は、自車両123または遠隔車両124などの車両の車載コンピュータである。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム200は、自車両123または遠隔車両124の車載ユニットである。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム200は、自車両123または遠隔車両124のECU、ヘッドユニット、または他の何らかのプロセッサベースのコンピューティングデバイスである。
【0118】
コンピュータシステム200は、いくつかの例によれば、軽減システム199、プロセッサ225、通信ユニット245、メモリ227、DSRC準拠GPSユニット250、電子ディスプレイ240、および1組のADASシステム280のうちの1つ以上を含む。コンピュータシステム200の構成要素は、バス220によって通信可能に結合される。
【0119】
図示された実施形態では、プロセッサ225は、信号線238を介してバス220に通信可能に結合される。通信ユニット245は、信号線226を介してバス220に通信可能に結合される。メモリ227は、信号線242を介してバス220に通信可能に結合される。センサセット284は、信号線244を介してバス220に通信可能に結合される。DSRC準拠GPSユニット250は、信号線228を介してバス220に通信可能に結合される。電子ディスプレイ240は、信号線246を介してバス220に通信可能に結合される。1組のADASシステム280は、信号線247を介してバス220に通信可能に結合される。
【0120】
プロセッサ225は、図1Aを参照して上述されたプロセッサ125と同様の機能を提供するので、その説明は本明細書では繰り返さない。通信ユニット245は、図1Aを参照して上述された通信ユニット145と同様の機能を提供するので、その説明は本明細書では繰り返さない。メモリ227は、図1Aを参照して上述されたメモリ127と同様の機能を提供するので、その説明は本明細書では繰り返さない。センサセット284は、図1Aを参照して上述されたセンサセット184と同様の機能を提供するので、その説明は本明細書では繰り返さない。DSRC準拠GPSユニット250は、図1Aを参照して上述されたDSRC準拠GPSユニット150と同様の機能を提供するので、その説明は本明細書では繰り返さない。電子ディスプレイ240は、図1Aを参照して上述された電子ディスプレイ140と同様の機能を提供するので、その説明は本明細書では繰り返さない。1組のADASシステム280は、図1Aを参照して上述された1組のADASシステム180と同様の機能を提供するので、その説明は本明細書では繰り返さない。1組のADASシステム280は隠し車両機能281を含む。隠し車両機能281は、図1Aを参照して上述された隠し車両機能181と同様の機能を提供するので、その説明は本明細書では繰り返さない。
【0121】
メモリ227は、図1Aおよび図1Bを参照して上述されるか、または図3図4、お
よび図5を参照して下記に記載されるデータのいずれかを記憶しうる。メモリ227は、コンピュータシステム200がその機能を提供するために必要な任意のデータを記憶しうる。
【0122】
図2に示された図示された実施形態では、軽減システム199は、通信モジュール202および決定モジュール204を含む。
【0123】
通信モジュール202は、軽減システム199と図1Aの動作環境100の他の構成要素との間の通信を処理するためのルーチンを含むソフトウェアである。
【0124】
いくつかの実施形態では、通信モジュール202は、軽減システム199とコンピュータシステム200の他の構成要素との間の通信を処理するための以下に記載される機能を提供するように、プロセッサ225によって実行可能な命令のセットである。いくつかの実施形態では、通信モジュール202は、コンピュータシステム200のメモリ227に記憶することができ、プロセッサ225によってアクセス可能かつ実行可能である。通信モジュール202は、信号線222を介して、プロセッサ225およびコンピュータシステム200の他の構成要素との協働および通信向けに適合される。
【0125】
通信モジュール202は、通信ユニット245を介して、動作環境100の1つ以上の要素との間でデータを送受信する。たとえば、通信モジュール202は、通信ユニット245を介して、メモリ227に記憶されたデジタルデータの一部またはすべてを受信または送信する。通信モジュール202は、通信ユニット245を介して、図1Aおよび図1Bを参照して上述された、または図3図4、および図5を参照して下記に記載されるデジタルデータまたはメッセージのいずれかを送受信しうる。
【0126】
いくつかの実施形態では、通信モジュール202は、軽減システム199の構成要素からデータを受信し、メモリ227(またはメモリ227のバッファもしくはキャッシュ、または図2に描写されていないスタンドアロンのバッファもしくはキャッシュ)にデータを記憶する。たとえば、通信モジュール202は、通信ユニット245から気象データ193および災害データ194を受信し、メモリ227に気象データ193および災害データ194を記憶する。
【0127】
いくつかの実施形態では、通信モジュール202は、軽減システム199の構成要素間の通信を処理する。
【0128】
決定モジュール204は、図3を参照して下記に記載される方法300の1つ以上のステップを実行するためのルーチンを含むソフトウェアである。いくつかの実施形態では、決定モジュール204は、図1Bを参照して上述されたフロープロセス101のステップを実行するためのルーチンを含むソフトウェアである。
【0129】
いくつかの実施形態では、決定モジュール204は、コンピュータシステム200のメモリ227に記憶することができ、プロセッサ225によってアクセス可能かつ実行可能である。決定モジュール204は、信号線224を介して、プロセッサ225およびコンピュータシステム200の他の構成要素との協働および通信向けに適合される。
【0130】
(例示的な方法)
次に図3を参照すると、いくつかの実施形態による、隠し車両機能を有するコネクティッド車両のために災害軽減を実現するための方法300が描写されている。方法300のステップは任意の順序で実行可能であり、必ずしも図3に描写された順序ではない。
【0131】
ステップ301において、コネクティッド車両が位置する具体的な地理的領域における異常事象の発生を識別するために、電子気象データおよび電子災害データがアクセスされる。たとえば、自車両の軽減システムは、隠し車両機能がアクセス可能になるように自車両の隠し車両機能をロック解除または再構成するために、ロック解除コマンドを発行する。異常事象には、たとえば、ハリケーン、竜巻、山火事、地震、火山噴火、津波、戦争行為などが含まれる。気象データは、気象、およびハリケーン、竜巻、津波などの気象事象を記述するデジタルデータである。気象データは、NWSまたは電子気象データの他の何らかのソースによって提供される。災害データは、自然災害および他の異常事象を記述するデジタルデータである。災害データは、それらのサーバを介して電子的にアクセス可能な災害データのストリームを発行するFEMAによって提供される。
【0132】
ステップ303において、自車両のドライバーが異常事象に適切に対応する(すなわち、避難する)のを支援するはずのすべてのソフトウェアベースの機能(たとえば、バッテリ容量制限、テレマティックス)が、自動的かつ一時的にロック解除される。
【0133】
ステップ305において、異常事象が終了したことを識別するために、電子気象データおよび電子災害データがアクセスされる。
【0134】
ステップ307において、ステップ305において終了したと判断された異常事象に応答して、ステップ303においてロック解除されたすべてのソフトウェアベースの機能が自動的にロックされる。たとえば、自車両の軽減システムは、隠し車両機能がアクセス不可になるように自車両の隠し車両機能をロックまたは再構成するために、ロックコマンドを発行する。
【0135】
いくつかの実施形態では、ステップ303のロック解除コマンドは、隠し車両機能がロック解除コマンドに応答してロック解除または再構成されるという意味で、ソフトウェア更新をトリガする。言い換えれば、自車両自体の軽減システムが自車両のソフトウェアを更新することを決定し、このソフトウェア更新を実現する電子信号を提供する。比較すると、既存の解決策では、車両のソフトウェアを更新するという決定は常にクラウドサーバによって決定され、本明細書に記載された軽減システムの実施形態によって行われるように、車両自体でローカルに決定されない。さらに、既存の解決策では、ソフトウェア更新は、ソフトウェア更新(すなわち、ロック解除されるべき車両機構)をトリガする電子信号を送信するようにクラウドサーバに要求するタイムリーなプロセスによって実現され、この手法は、時間がかかり、異常事象が関係しているときは時間が最も重要であるため、異常事象が関係している状況では望ましくない。比較すると、自車両の軽減システムは自車両自体でローカルにロック解除コマンドを生成し、その結果、クラウドサーバとの無線通信はこのロック解除コマンドを生成するために必要とされない。我々の調査によると、この手法は既存の解決策に比べてかなりの時間を節約し、おそらく既存の解決策に比べて命を救うであろう。
【0136】
次に図4を参照すると、一部の実施形態によるBSMデータ197の一例を示すブロック図が示されている。
【0137】
BSMを送信するための規則的な間隔は、ユーザが設定可能である。一部の実施形態では、この間隔のデフォルト設定は、0.10秒ごとまたは実質的に0.10秒ごとにBSMを送信することである。
【0138】
BSMは、5.9GHzのDSRC帯域でブロードキャストされる。DSRC範囲は、実質的に1,000メートルでありうる。一部の実施形態では、DSRC範囲は、実質的に100メートルから実質的に1,000メートルの範囲を含みうる。DSRC範囲は、
地形やDSRC装備エンドポイント間のオクルージョンなどの変数に応じて、通常300から500メートルである。一部の実施形態では、図1Aに示されている車両123、124および図1Aに示されている基盤デバイス122のうちの1つ以上は、DSRC装備エンドポイントである。
【0139】
次に図5を参照すると、一部の実施形態によるBSMデータ198の一例を示すブロック図が示されている。
【0140】
BSMは2つの部分を含む。これらの2つの部分は、図5に示すように様々なBSMデータ198を含む。
【0141】
BSMデータ198のパート1は、車両のGPSデータ192、車両の進行方向、車両の速度、車両の加速度、車両のハンドル角、および車両のサイズのうちの1つ以上を記述する。
【0142】
BSMデータ198のパート2は、オプションの要素のリストから引き出されたデータ要素の可変セットを含む。BSMのパート2に含まれるBSMデータ197の一部はイベントトリガに基づいて選択され、例えば、起動されているアンチロックブレーキシステム(「ABS」)は、車両のABSシステムに関連するBSMデータ198をトリガする。
【0143】
一部の実施形態では、帯域幅を節約するために、パート2の一部の要素はそれほど頻繁に送信されない。
【0144】
いくつかの実施形態では、BSMに含まれるBSMデータ198は、BSMを介して自車両123に送信される気象データ193および災害データ194のうちの1つ以上を含む。
【0145】
以上の説明では、本発明を十分に理解できるように、多くの詳細について説明した。しかしながら、各実施形態はこれらの具体的な詳細無しでも実施できることは当業者にとって明らかであろう。また、説明が不明瞭になることを避けるために、構造や装置をブロック図の形式で表すこともある。たとえば、一実施形態は、ユーザインタフェースおよび特定のハードウェアとともに説明される。しかし、本実施形態は、データおよびコマンドを受信する任意のタイプのコンピュータシステム、および、サービスを提供する任意の周辺機器について適用できる。
【0146】
本明細書における「一実施形態」または「ある実施形態」等という用語は、その実施形態と関連づけて説明される特定の特徴・構造・性質が、少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。「一実施形態における」等という用語は本明細書内で複数用いられるが、これらは必ずしも同一の実施形態を示すものとは限らない。
【0147】
以上の詳細な説明の一部は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたデータビットに対する動作のアルゴリズムおよび記号的表現として提供される。これらのアルゴリズム的な説明および表現は、データ処理技術分野の当業者によって、他の当業者に対して自らの成果の本質を最も効果的に説明するために用いられるものである。なお、本明細書において(また一般に)アルゴリズムとは、所望の結果を得るための論理的な手順を意味する。処理のステップは、物理量を物理的に操作するものである。必ずしも必須ではないが、通常は、これらの量は記憶・伝送・結合・比較およびその他の処理が可能な電気的または磁気的信号の形式を取る。通例にしたがって、これらの信号をビット・値・要素・エレメント・シンボル・キャラクタ・項・数値などとして称することが簡便である。
【0148】
なお、これらの用語および類似する用語はいずれも、適切な物理量と関連付いているものであり、これら物理量に対する簡易的なラベルに過ぎないということに留意する必要がある。以下の説明から明らかなように、特に断らない限りは、本明細書において「処理」「計算」「コンピュータ計算(処理)」「判断」「表示」等の用語を用いた説明は、コンピュータシステムや類似の電子的計算装置の動作および処理であって、コンピュータシステムのレジスタやメモリ内の物理的(電子的)量を、他のメモリやレジスタまたは同様の情報ストレージや通信装置、表示装置内の物理量として表される他のデータへ操作および変形する動作および処理を意味する。
【0149】
本発明は、本明細書で説明される動作を実行する装置にも関する。この装置は要求される目的のために特別に製造されるものであっても良いし、汎用コンピュータを用いて構成しコンピュータ内に格納されるプログラムによって選択的に実行されたり再構成されたりするものであっても良い。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な、例えばフロッピー(登録商標)ディスク・光ディスク・CD−ROM・磁気ディスクなど任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気または光学式カード、USBキーを含む不揮発性フラッシュメモリ、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体などの、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶される。
【0150】
発明の具体的な実施形態は、完全にハードウェアによって実現されるものでも良いし、完全にソフトウェアによって実現されるものでも良いし、ハードウェアとソフトウェアの両方によって実現されるものでも良い。好ましい実施形態は、ソフトウェアによって実現される。ここでソフトウェアとは、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードやその他のソフトウェアを含むものである。
【0151】
さらに、ある実施形態は、コンピュータが利用あるいは読み込み可能な記憶媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムプロダクトの形態を取る。この記憶媒体は、コンピュータや任意の命令実行システムによってあるいはそれらと共に利用されるプログラムコードを提供する。コンピュータが利用あるいは読み込み可能な記憶媒体とは、命令実行システムや装置によってあるいはそれらと共に利用されるプログラムを、保持、格納、通信、伝搬および転送可能な任意の装置を指す。
【0152】
プログラムコードを格納・実行するために適したデータ処理システムは、システムバスを介して記憶素子に直接または間接的に接続された少なくとも1つのプロセッサを有する。記憶素子は、プログラムコードの実際の実行に際して使われるローカルメモリや、大容量記憶装置や、実行中に大容量記憶装置からデータを取得する回数を減らすためにいくつかのプログラムコードを一時的に記憶するキャッシュメモリなどを含む。
【0153】
入力/出力(I/O)装置は、例えばキーボード、ディスプレイ、ポインティング装置などであるが、これらはI/Oコントローラを介して直接あるいは間接的にシステムに接続される。
【0154】
データ処理システムが、介在するプライベートネットワークおよび/またはパブリックネットワークを介して、他のデータ処理システム、ストレージデバイス、リモートプリンタなどに結合されるようになることを可能にするために、ネットワークアダプタもシステムに結合されうる。ワイヤレス(たとえば、Wi−Fi(登録商標))トランシーバ、イーサネット(登録商標)アダプタ、およびモデムは、ネットワークアダプタのほんの数例に過ぎない。
【0155】
最後に、本明細書において提示されるアルゴリズムおよび表示は特定のコンピュータや
他の装置と本来的に関連するものではない。本明細書における説明にしたがったプログラムを有する種々の汎用システムを用いることができるし、また要求された処理ステップを実行するための特定用途の装置を製作することが適した場合もある。これら種々のシステムに要求される構成は、以上の説明において明らかにされる。さらに、本発明は、特定のプログラミング言語と関連づけられるものではない。本明細書で説明される本発明の内容を実装するために種々のプログラミング言語を利用できることは明らかであろう。
【0156】
実施形態の前述の説明は、例示と説明を目的として行われたものである。したがって、開示された実施形態が本発明の全てではないし、本発明を上記の実施形態に限定するものでもない。本発明は、上記の開示にしたがって、種々の変形が可能である。本発明の範囲は上述の実施形態に限定解釈されるべきではなく、特許請求の範囲にしたがって解釈されるべきである。本発明の技術に詳しい者であれば、本発明はその思想や本質的特徴から離れることなくその他の種々の形態で実現できることを理解できるであろう。同様に、モジュール・処理・特徴・属性・方法およびその他の本発明の態様に関する名前付けや分割方法は必須なものでものないし重要でもない。また、本発明やその特徴を実装する機構は異なる名前や分割方法や構成を備えていても構わない。
さらに、モジュール・処理・特徴・属性・方法およびその他の本発明の態様は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアもしくはこれらの組合せとして実装できる。また、本発明をソフトウェアとして実装する場合には、モジュールなどの各要素は、どのような様式で実装されても良い。例えば、スタンドアローンのプログラム、大きなプログラムの一部、異なる複数のプログラム、静的あるいは動的なリンクライブラリー、カーネルローダブルモジュール、デバイスドライバー、その他コンピュータプログラミングの当業者にとって既知な方式として実装することができる。さらに、本発明の実装は特定のプログラミング言語に限定されるものではないし、特定のオペレーティングシステムや環境に限定されるものでもない。以上のように、上記の本発明の説明は限定的なものではなく例示的なものであり、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲にしたがって定められる。
【符号の説明】
【0157】
100 動作環境
105 ネットワーク
107 気象サーバ
108 災害サーバ
122 基盤デバイス
123 自車両
124 遠隔車両
125 プロセッサ
126 車載ユニット
127 メモリ
140 電子ディスプレイ
145 通信ユニット
146 V2X無線機
150 DSRC準拠GPSユニット
180 ADASシステム
181 隠し車両機能
184 センサセット
191 センサデータ
192 GPSデータ
193 気象データ
194 災害データ
196 ロック解除コマンド
197 ロックコマンド
199 軽減システム
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5