【解決手段】組電池100は、電池スタック10とメインエンドプレート40Aとの間に配置されたサブエンドプレート60Aを備えている。サブエンドプレート60Aは、電池スタック10と対向する第1面62と、メインエンドプレート40Aと対向する第2面64と、を備えている。第2面64には、メインエンドプレート40Aに向けて突出しかつメインエンドプレート40Aと接触する接触部70と、接触部70の側方に位置し、少なくとも接触部70に押圧されてメインエンドプレート40Aが電池スタック10から離れる方向に弾性変形していないときにメインエンドプレート40Aとの間に空間が形成されかつメインエンドプレート40Aと接触しない非接触部80と、が形成されている。
前記接触部は、前記第2面のうち平面視で前記第1方向と直交する第2方向の中央部分かつ側面視で前記第1方向と直交する第3方向の中央部分に位置する、請求項1に記載の組電池。
前記非接触部は、前記接触部から離れるほど前記第1方向に関して前記メインエンドプレートから離れるように形成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の組電池。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、組電池の使用時には電池スタックの各単電池においてそれぞれ充放電が行われる。単電池において充放電が行われると、単電池は配列方向に膨張することがある。ここで、電池スタックには拘束部材によって配列方向に適切な拘束荷重が加えられているため、各単電池が膨張することによって各単電池に加わる拘束荷重が増大する虞がある。単電池に加わる拘束荷重が適切な所定の拘束荷重を大きく超えてしまうと、単電池の電池特性が低下したり単電池自体が破損したりしてしまう虞がある。特許文献1に記載の技術では、エンドプレートと単電池との間にバネが配置されているため、単電池が膨張したときに生じる荷重がバネにおいて吸収され得る。しかしながら、単電池が膨張したときに単電池に加わる拘束荷重を適切な値にするためには、バネを長くしたりバネを太くしたりする必要があるので、組電池の大型化が避けられない。なお、特許文献2および特許文献3には、単電池が膨張したときに生じる荷重を吸収し得る構造が開示されている。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、組電池の大型化を抑制しつつ電池スタックに過剰な荷重が加わることを抑制することができる組電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る組電池は、複数の充放電可能な単電池が電気的に接続された状態で第1方向に配列された電池スタックと、前記電池スタックの前記第1方向の両端部に配置され、弾性変形可能な一対のメインエンドプレートと、前記第1方向に延び、前記電池スタックが間に配置され、前記一対のメインエンドプレートをそれぞれ連結し、前記一対のメインエンドプレート間に拘束荷重を印加する一対の拘束部材と、前記電池スタックと前記メインエンドプレートとの間にそれぞれ配置された一対のサブエンドプレートと、を備え、前記サブエンドプレートは、前記電池スタックと対向する第1面と、前記メインエンドプレートと対向する第2面と、を備え、前記第2面には、前記メインエンドプレートに向けて突出しかつ前記メインエンドプレートと接触する接触部と、前記接触部の側方に位置し、少なくとも前記接触部に押圧されて前記メインエンドプレートが前記電池スタックから離れる方向に弾性変形していないときに前記メインエンドプレートとの間に空間が形成されかつ前記メインエンドプレートと接触しない非接触部と、が形成されている。
【0008】
本発明の組電池によると、電池スタックの各単電池が膨張したときにサブエンドプレートの第2面に形成された接触部は、メインエンドプレートを所定の荷重で押圧する。メインエンドプレートは弾性変形可能に形成されているため、メインエンドプレートは電池スタックから離れる方向に弾性変形する。ここで、サブエンドプレートの第2面には、接触部の側方に位置する非接触部が形成されているため、第2面に非接触部がない場合と比較して、サブエンドプレートはメインエンドプレートを局所的に押圧することができる。即ち、メインエンドプレートの特定の部分(即ち接触部と接触する部分)にサイドプレートから集中的に荷重を加えることができるため、メインエンドプレートを電池スタックから離れる方向により大きく弾性変形させることができる。この結果、電池スタックの各単電池が膨張したときの電池スタック全体の所定方向の伸びによって生じる荷重をメインエンドプレートにおいて吸収することができ、電池スタックに加わる拘束荷重を低減することができる。このように、電池スタックとメインエンドプレートとの間に接触部と非接触部とが形成されたサブエンドプレートを配置するという構成によって、組電池の大型化を抑制しつつ電池スタックに過剰な荷重が加わることを抑制することができる。
【0009】
ここで開示される組電池の好適な一態様では、接触部は、前記第2面のうち平面視で前記第1方向と直交する第2方向の中央部分かつ側面視で前記第1方向と直交する第3方向の中央部分に位置する。これにより、メインエンドプレートの略中央部分にサイドプレートから集中的に荷重を加えることができるため、メインエンドプレートを電池スタックから離れる方向により大きく弾性変形させることができる。
【0010】
ここで開示される組電池の好適な一態様では、接触部は、平面視で前記第1方向と直交する第2方向に延び、前記一対の拘束部材は、側面視で前記第1方向と直交する第3方向に関して、前記電池スタックの上方および下方にそれぞれ配置されている。これにより、メインエンドプレートの第2方向の大部分にサイドプレートから集中的に荷重を加えることができるため、メインエンドプレートを電池スタックから離れる方向により大きく弾性変形させることができる。
【0011】
ここで開示される組電池の好適な一態様では、前記接触部は、平面視で前記第1方向と直交する第2方向に延び、前記一対の拘束部材は、前記第2方向に関して、前記電池スタックの一の方向および他の一の方向にそれぞれ配置されていてもよい。これにより、メインエンドプレートの第2方向の大部分にサイドプレートから集中的に荷重を加えることができるため、メインエンドプレートを電池スタックから離れる方向により大きく弾性変形させることができる。
【0012】
ここで開示される組電池の好適な一態様では、前記一対の拘束部材は、平面視で前記第1方向と直交する第2方向に関して、前記電池スタックの一の方向および他の一の方向にそれぞれ配置され、前記接触部は、側面視で前記第1方向と直交する第3方向に延びていてもよい。これにより、メインエンドプレートの第3方向の大部分にサイドプレートから集中的に荷重を加えることができるため、メインエンドプレートを電池スタックから離れる方向により大きく弾性変形させることができる。
【0013】
ここで開示される組電池の好適な一態様では、前記一対の拘束部材は、側面視で前記第1方向と直交する第3方向に関して、前記電池スタックの上方および下方にそれぞれ配置され、前記接触部は、前記第3方向に延びていてもよい。これにより、メインエンドプレートの第3方向の大部分にサイドプレートから集中的に荷重を加えることができるため、メインエンドプレートを電池スタックから離れる方向により大きく弾性変形させることができる。
【0014】
ここで開示される組電池の好適な一態様では、前記接触部は、前記メインエンドプレートと面接触してもよい。メインエンドプレートとサブエンドプレートとを相互に固定するときに、例えばボルト等を用いて面接触する部分において相互に固定することができるため、組付けが容易となる。
【0015】
ここで開示される組電池の好適な一態様では、前記接触部は、前記メインエンドプレートと線接触してもよい。サブエンドプレートからの荷重をメインエンドプレートにより局所的に加えることができるため、メインエンドプレートを電池スタックからより離れる方向に弾性変形させることができる。
【0016】
ここで開示される組電池の好適な一態様では、接触部は、前記メインエンドプレートと点接触してもよい。サブエンドプレートからの荷重をメインエンドプレートの一点に集中的に加えることができるため、メインエンドプレートを電池スタックからより離れる方向に弾性変形させることができる。
【0017】
ここで開示される組電池の好適な一態様では、前記非接触部は、前記接触部から離れるほど前記第1方向に関して前記メインエンドプレートから離れるように形成されている。これにより、接触部によってメインエンドプレートを電池スタックから離れる方向に所定の位置まで弾性変形させたときに、非接触部がエンドプレートに接触し得るため、非接触部によってもメインエンドプレートを電池スタックから離れる方向に弾性変形させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】一実施形態に係る組電池を模式的に示す斜視図である。
【
図2】一実施形態に係る組電池に用いられる単電池を模式的に示す正面図である。
【
図3】一実施形態に係る組電池を模式的に示す側面図である。
【
図4】一実施形態に係る組電池を模式的に示す平面図である。
【
図5】一実施形態に係るサブエンドプレートの構成を模式的に示す斜視図である。
【
図6】一実施形態に係る組電池の単電池が膨張してメインエンドプレートが弾性変形している状態を模式的に示す側面図である。
【
図7】他の一実施形態に係る組電池を模式的に示す平面図である。
【
図8】他の一実施形態に係る組電池を模式的に示す側面図である。
【
図9】他の一実施形態に係る組電池を模式的に示す平面図である。
【
図10】他の一実施形態に係る組電池に用いられる単電池を模式的に示す正面図である。
【
図11】他の一実施形態に係るサブエンドプレートとその周辺構造を模式的に示す側面図である。
【
図12】他の一実施形態に係るサブエンドプレートとその周辺構造を模式的に示す側面図である。
【
図13】他の一実施形態に係るサブエンドプレートとその周辺構造を模式的に示す側面図である。
【
図14】他の一実施形態に係るサブエンドプレートとその周辺構造を模式的に示す側面図である。
【
図15】他の一実施形態に係るサブエンドプレートとその周辺構造を模式的に示す側面図である。
【
図16】他の一実施形態に係るサブエンドプレートとその周辺構造を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態に係る組電池として、リチウムイオン二次電池を単電池とし、該リチウムイオン二次電池を複数備えた組電池を例に挙げて説明する。なお、ここで開示される組電池において用いられる単電池は、リチウムイオン二次電池に限定されず、例えば、ニッケル水素電池などの二次電池やキャパシタなどの蓄電素子などを用いることもできる。
【0020】
また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明する。なお、各図における寸法関係(長さ、幅、厚み等)は実際の寸法関係を反映するものではない。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、電極体の材料や単電池の製造方法など)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。
【0021】
図1は、本実施形態に係る組電池100を模式的に示す斜視図である。図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を意味するものとする。また、図面中の符号Xは、単電池20の配列方向を示している。ここでは、配列方向Xは、前後方向Xである。配列方向X(前後方向X)は、第1方向の一例である。図面中の符号Yは、左右方向であり、平面視で配列方向Xと直交している。左右方向Yは、第2方向の一例である。図面中の符号Zは、上下方向であり、側面視で配列方向Xと直交している。上下方向Zは、第3方向の一例である。ただし、上記方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、組電池100の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものでもない。
【0022】
図1に示すように、組電池100は、複数の単電池20を有する電池スタック10と、一対のメインエンドプレート40A、40Bと、一対の拘束部材50A、50Bと、一対のサブエンドプレート60A、60Bとを備えている。
【0023】
図1に示すように、電池スタック10は、複数の充放電可能な第1単電池20A、第2単電池20B、第3単電池20C、第4単電池20D、第5単電池20E、第6単電池20F、第7単電池20G、第8単電池20Hおよび第9単電池20Iを備えている。以下、第1単電池20A〜第6単電池20Fを総称して単電池20と呼ぶことがある。第1単電池20A〜第9単電池20Iは、それぞれ電気的に接続された状態で前後方向Xに並んで配置されている。第1単電池20A〜第9単電池20Iは、直列または並列に電気的に接続されている。第1単電池20A〜第9単電池20Iは、同形状に形成されている。第1単電池20A〜第9単電池20Iの間には、単電池20以外の部材(例えば冷却板等)が設けられていてもよい。
【0024】
単電池20は、例えば、全固体リチウムイオン二次電池である。
図2に示すように、単電池20は、外装体21を備えている。本実施形態では、外装体21としてラミネートフィルムが用いられている。ラミネートフィルムの内部には、正極と負極と固体電解質層とが所定の数だけ積層されて構成された積層型の電極体が収容されている。正極、負極および固体電解質層に用いられる固体電解質については、従来の一般的な全固体リチウムイオン二次電池と同様のものを特に制限なく使用することができる。固体電解質としては、例えば、種々の酸化物系固体電解質または硫化物系固体電解質が挙げられる。なお、単電池20は、正極と負極とセパレータとから構成された電極体と、非水電解液とを有する非水電解液二次電池であってもよい。
【0025】
図2に示すように、単電池20は、正極に接続された正極端子22と負極に接続された負極端子24とを備えている。正極端子22および負極端子24は、導電性を有した長尺な板状部材である。正極端子22および負極端子24の一部は、外装体21の外部に露出している。本実施形態では、正極端子22および負極端子24の一部は、外装体21の左端から外部に露出している。正極端子22および負極端子24の一部は、外装体21の右端から外部に露出していてもよい。単電池20は、外装体21の外部に露出した正極端子22および負極端子24を保持する絶縁ホルダ27を備えている。なお、組電池100における正極端子22および負極端子24は、
図3においてのみ図示し、その他の図においては図示を省略している。
【0026】
図3に示すように、一対のメインエンドプレート40A、40Bは、電池スタック10の配列方向Xの両端部に配置されている。メインエンドプレート40Aとメインエンドプレート40Bとは、同じ形状に形成されている。メインエンドプレート40Aは、電池スタック10の配列方向Xの一方側の端部に配置され、メインエンドプレート40Bは、電池スタック10の配列方向Xの他の一方側の端部に配置されている。メインエンドプレート40Aは、第1単電池20Aの後方に配置されている。メインエンドプレート40Bは、第9単電池20Iの前方に配置されている。メインエンドプレート40A、40Bは、弾性変形可能に形成されている。メインエンドプレート40Aは、後方に向けて湾曲可能に形成されている。メインエンドプレート40Aは、その一部が拘束部材50A、50Bの後端より後方に位置するように湾曲する。メインエンドプレート40Bは、前方に向けて湾曲可能に形成されている。メインエンドプレート40Bは、その一部が拘束部材50A、50Bの前端より前方に位置するように湾曲する。メインエンドプレート40A、40Bは、拘束部材50A、50Bの拘束荷重およびサブエンドプレート60A、60Bからの荷重を受ける。従って、メインエンドプレート40A、40Bには、これらの荷重に耐えられる素材と形状が採用される。メインエンドプレート40A、40Bは、金属製であっても樹脂製であってもよく、例えば、炭素鋼製であってよい。メインエンドプレート40A、40Bは、板状に形成されている。メインエンドプレート40A、40Bの上下方向Zの長さA1は、単電池20の上下方向Zの長さB1より長い。
図4に示すように、メインエンドプレート40A、40Bの左右方向Yの長さA2は、単電池20の左右方向Yの長さB2より長い。なお、
図4では説明の便宜上拘束部材50Aの図示を省略している。
【0027】
図1に示すように、一対の拘束部材50A、50Bは、配列方向Xに延びる。拘束部材50Aと拘束部材50Bとは、同じ形状に形成されている。拘束部材50A、50Bは、板状に形成されている。拘束部材50A、50Bの間には、電池スタック10が配置される。拘束部材50A、50Bは、電池スタック10から離隔している。即ち、拘束部材50A、50Bと電池スタック10とは接触しない。拘束部材50Aと拘束部材50Bとは、電池スタック10を介して対向している。拘束部材50Aは、電池スタック10の上方に配置されている。拘束部材50Bは、電池スタック10の下方に配置されている。拘束部材50A、50Bは、一対のメインエンドプレート40A、40Bをそれぞれ連結する。即ち、拘束部材50Aは、メインエンドプレート40Aの上端とメインエンドプレート40Bの上端とを連結する。拘束部材50Aは、メインエンドプレート40Aの下端とメインエンドプレート40Bの下端とを連結する。メインエンドプレート40A、40Bと拘束部材50A、50Bとは、例えばボルトのような締結部材によって相互に固定される。拘束部材50A、50Bは、配列方向Xに関して一対のメインエンドプレート40A、40B間に所定の拘束荷重を印加する。即ち、拘束部材50A、50Bは、メインエンドプレート40A、40Bおよびサブエンドプレート60A、60Bを介して電池スタック10の各単電池20に配列方向Xに関して所定の拘束荷重を印加する。本実施形態では、拘束部材50A、50Bは、メインエンドプレート40A、40Bと同じ材料から形成されているが、異なる材料から形成されていてもよい。
【0028】
図3に示すように、一対のサブエンドプレート60A、60Bは、電池スタック10の配列方向Xの両端部に配置されている。サブエンドプレート60Aは、電池スタック10とメインエンドプレート40Aとの間に配置されている。サブエンドプレート60Aは、電池スタック10の第1単電池20Aの後方に配置されている。サブエンドプレート60Bは、電池スタック10とメインエンドプレート40Bとの間に配置されている。サブエンドプレート60Bは、電池スタック10の第9単電池20Iの前方に配置されている。本実施形態では、サブエンドプレート60Aは、第1単電池20Aと直接的に接触しているが、サブエンドプレート60Aと第1単電池20Aとの間に冷却部材等が配置されていてもよい。サブエンドプレート60Bは、第9単電池20Iと直接的に接触しているが、サブエンドプレート60Bと第9単電池20Iとの間に冷却部材等が配置されていてもよい。サブエンドプレート60A、60Bは、拘束部材50A、50Bから離隔して配置されている。サブエンドプレート60Aと、サブエンドプレート60Bとは、同じ形状に形成されている。サブエンドプレート60A、60Bの上下方向Zの長さC1は、メインエンドプレート40A、40Bの上下方向Zの長さA1より短い。
図4に示すように、サブエンドプレート60A、60Bの左右方向Yの長さC2は、メインエンドプレート40A、40Bの左右方向Yの長さA2より短い。本実施形態では、長さC1は、単電池20の上下方向Zの長さB1と同じであるが異なっていてもよい。長さC2は、単電池20の左右方向Yの長さB2と同じであるが異なっていてもよい。本実施形態では、サブエンドプレート60A、60Bは、メインエンドプレート40A、40Bと同じ材料から形成されているが、異なる材料から形成されていてもよい。
【0029】
以下、サブエンドプレート60A、60Bの詳細な構成について説明する。なお、サブエンドプレート60Aとサブエンドプレート60Bとは、配列方向Xに関して対称に配置される点を除き同様の構成であるため、サブエンドプレート60Aについて説明し、サブエンドプレート60Bについてはサブエンドプレート60Aと同様の説明は省略する。
図5に示すように、サブエンドプレート60Aは、半円柱形状に形成されている。
図3に示すように、サブエンドプレート60Aは、側面視で半円形状に形成されている。サブエンドプレート60Aは、電池スタック10と対向する第1面62(
図5も参照)と、メインエンドプレート40Aと対向する第2面64(
図5も参照)とを備えている。第1面62は、第1単電池20Aと対向する。第1面62は、単電池20の外装体21の幅広面(正極および負極と平行な面)と同じ大きさかそれ以上の大きさであるとよい。サブエンドプレート60Aの第2面64には、接触部70と非接触部80とが形成されている。
【0030】
図3に示すように、接触部70は、メインエンドプレート40Aに向けて突出する。接触部70は、後方に向けて突出する。接触部70は、メインエンドプレート40Aと接触する。接触部70は、第2面64のうち側面視で上下方向Zの中央部分に位置する。
図4に示すように、接触部70は、平面視で左右方向Yに延びる。接触部70は、側面視でメインエンドプレート40Aと点接触する。接触部70は、側面視でメインエンドプレート40Aの上下方向Zの中央部分と点接触する。接触部70は、平面視でメインエンドプレート40Aと線接触する。
【0031】
図3に示すように、非接触部80は、接触部70の側方に位置する。非接触部80は、接触部70に対して左右方向Yおよび/または上下方向Zに対称に形成されているとよい。非接触部80は、通常時には、メインエンドプレート40Aとの間に空間68が形成されかつメインエンドプレート40Aとは接触しない。ここで通常時とは、接触部70に押圧されてメインエンドプレート40Aが電池スタック10から離れる方向(ここでは後方)に弾性変形していないときを意味する。なお、非接触部80は、少なくとも通常時においてメインエンドプレート40Aと接触しなければよく、後述するようにメインエンドプレート40Aが接触部70に押圧されて電池スタック10から離れる方向に弾性変形しているときには、非接触部80の少なくとも一部がメインエンドプレート40Aと接触してもよい(
図6参照)。このとき、非接触部80のうち接触部70に近い部分から遠い部分の順に弾性変形したメインエンドプレート40Aと徐々に接触することになる。即ち、側面視において、サブエンドプレート60Aとメインエンドプレート40Aとはまず点接触し、その後面接触し、接触面積は徐々に大きくなる。本実施形態では、非接触部80は、接触部70から離れるほど配列方向Xに関してメインエンドプレート40Aから離れるように形成されている。即ち、非接触部80は、接触部70から上方および下方に離れるほど前方に向けて湾曲している。非接触部80は、一定の曲率半径を有している。
【0032】
次に、電池スタック10の各単電池20を充電したときの組電池100の状態について説明する。
図6に示すように、各単電池20において充電が行われると各単電池20は配列方向Xに膨張する。即ち、各単電池20の配列方向Xの長さが通常時の長さL1(
図3参照)から長さL2(
図6参照)に長くなる。なお、各単電池20が膨張したときの配列方向Xの膨らみには個体差がある。各単電池20が配列方向Xに膨張すると、電池スタック10からサブエンドプレート60A、60Bを介してメインエンドプレート40A、40Bに
図6の矢印Fで示す荷重が加わる。即ち、接触部70は、メインエンドプレート40A、40Bに
図6の矢印Fで示す荷重を加える。これにより、メインエンドプレート40Aは、配列方向Xに関して電池スタック10から離れる方向(ここでは後方)に向けてΔLだけ弾性変形し(撓み)、メインエンドプレート40Bは、配列方向Xに関して電池スタック10から離れる方向(ここでは前方)に向けてΔLだけ弾性変形する(撓む)。ここで、メインエンドプレート40A、40Bの合計変形量(2ΔL)は、電池スタック10の各単電池20の配列方向Xの膨張量と実質的に等しくなる。このため、各単電池20が膨張したときの電池スタック10全体の配列方向Xの伸びによって生じる荷重は、メインエンドプレート40A、40Bの弾性変形によって吸収される。この結果、各単電池20に過剰な拘束荷重が加わることが抑制される。また、メインエンドプレート40A、40Bの変形が空間68において吸収されかつサブエンドプレート60A、60Bが単電池20を押圧する構成であるため、メインエンドプレート40A、40Bの変形によって生じ得る配列方向Xの拘束荷重のバラツキがサブエンドプレート60A、60Bで解消され、サブエンドプレート60A、60Bから単電池20に加わる拘束荷重が均一化される(即ち面圧のバラツキを抑制することができる)。なお、各単電池20が膨張状態から元の状態に戻ることによって、メインエンドプレート40A、40Bは、メインエンドプレート40A、40Bの復元力によって元に位置に戻る(
図3参照)。
【0033】
ここで、
図3に示すように、メインエンドプレート40A、40Bの配列方向Xの厚みをtとし、非接触部80の上下方向Zの長さをLcとしたとき、ΔL∝(Lc
3/t
3)×Fが成り立つ。即ち、所定の荷重Fおよび所定の変形量ΔLを確保するためには、メインエンドプレート40A、40Bの厚みtとLcとを調整することによって、自由に設定することができる。また、ΔLとFとの関係が等倍に比例ではなく、特性値(Lc/t)の3乗に比例するため、メインエンドプレート40A、40Bや拘束部材50A、50Bの板厚を比例的に変化させて荷重Fを大きくする設計をするのではなく、各部材の大きさや重さの設計の幅が広がる。
【0034】
以上、本発明の一実施形態に係る組電池100について詳細に説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されず、種々の変更を行うことができる。
【0035】
図3に示すように、上述した実施形態では、拘束部材50Aは、電池スタック10の上方に配置され、かつ、拘束部材50Bは、電池スタック10の下方に配置されているが、これに限定されない。例えば、
図7に示すように、拘束部材50Aは、電池スタック10の左方に配置され、かつ、拘束部材50Bは、電池スタック10の右方に配置されていてもよい。拘束部材50Aは、メインエンドプレート40Aの左端とメインエンドプレート40Bの左端とを連結する。拘束部材50Bは、メインエンドプレート40Aの右端とメインエンドプレート40Bの右端とを連結する。
【0036】
また、
図4に示すように、接触部70は、平面視で左右方向Yに延びているが、これに限定されない。例えば、
図8に示すように、接触部70は、側面視で上下方向Zに延びていてもよい。このとき、拘束部材50Aは電池スタック10の上方に配置され、かつ、拘束部材50Bは電池スタック10の下方に配置されている。なお、
図9に示すように、接触部70が側面視で上下方向Zに延びているときに、拘束部材50Aは電池スタック10の左方に配置され、かつ、拘束部材50Bは電池スタック10の右方に配置されていてもよい。
【0037】
また、
図2に示すように、上述した実施形態では、単電池20の一方の端部に、正極端子22および負極端子24の両方が設けられている。しかし、単電池の構造は、上述した実施形態に限定されず、種々の構造を採用することができる。例えば、
図10に示すように、外装体21の左端から正極端子22の一部が露出し、外装体21の右端から負極端子24の一部が露出した単電池20Xを用いることもできる。
【0038】
また、
図3に示すように、上述した実施形態では、サブエンドプレート60Aは半円柱形状に形成され、接触部70は側面視でメインエンドプレート40Aと点接触しかつ平面視でメインエンドプレート40Aと線接触していたが(
図4参照)、これに限定されない。例えば、
図11に示すように、接触部70は、側面視でメインエンドプレート40Aと線接触しかつ平面視でメインエンドプレート40Aと線接触してもよい。即ち、接触部70は、メインエンドプレート40Aと面接触するように形成されていてもよい。このように、接触部70とメインエンドプレート40Aとが面接触するため、該部分においてボルト等を用いてメインエンドプレート40Aとサブエンドプレート60Aとを容易に組み付けることができる。
図11に示すように、接触部70は側面視で上下方向に延び、非接触部80は接触部70から上下方向Zに関して離れるほど配列方向Xに関してメインエンドプレート40Aから離れるように湾曲している。なお、
図12に示すように、非接触部80は、接触部70から上下方向Zに関して離れるほど配列方向Xに関してメインエンドプレート40Aから離れるように直線状に傾斜していてもよい。
【0039】
また、
図13に示すように、サブエンドプレート60Aは側面視でT字形状に形成されていてもよい。即ち、接触部70が非接触部80からメインエンドプレート40Aに向けて突出していてもよい。ここでは、接触部70は側面視で矩形状に形成されている。接触部70は、左右方向Yの延びるように形成されていてもよい。なお、
図14に示すように、サブエンドプレート60Aの第2面64に2以上の接触部70が形成されていてもよい。
【0040】
また、
図15および
図16に示すように、サブエンドプレート60Aは半球形状に形成されていてもよい。接触部70は、メインエンドプレート40Aと点接触する。接触部70は、第2面64のうち側面視で上下方向Zの中央部分に位置し、かつ、第2面64のうち平面視で左右方向Yの中央部分に位置している。接触部70は、側面視でメインエンドプレート40Aの上下方向Zの中央部分と点接触する。接触部70は、平面視でメインエンドプレート40Aの左右方向Yの中央部分と点接触する。
【0041】
上述した各実施形態の組電池100は、ハイブリッド車や、電気自動車等の車両の駆動用電源等に好適である。
【0042】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。