特開2019-195427(P2019-195427A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2019-195427ストレス状態評価装置、ストレス状態評価システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-195427(P2019-195427A)
(43)【公開日】2019年11月14日
(54)【発明の名称】ストレス状態評価装置、ストレス状態評価システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/16 20060101AFI20191018BHJP
   G06Q 50/22 20180101ALI20191018BHJP
【FI】
   A61B5/16 110
   G06Q50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-90415(P2018-90415)
(22)【出願日】2018年5月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000039
【氏名又は名称】特許業務法人アイ・ピー・ウィン
(72)【発明者】
【氏名】小林 計英
【テーマコード(参考)】
4C038
5L099
【Fターム(参考)】
4C038PP03
4C038PQ06
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】集団における、ストレス状態を評価することができるストレス状態評価装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】ストレス状態評価装置は、集団を構成する各個人から生体データを取得する取得手段42と、前記取得手段42から取得した生体データから各個人の非ストレス状態を特定する第1の特定手段48と、前記第1の特定手段48で特定した各個人の非ストレス状態により各個人のストレス状態の判断基準を調整する調整手段50と、前記取得手段48から取得した生体データから前記調整手段50により調整した判断基準で各個人のストレス状態を特定する第2の特定手段54と、前記第2の特定手段により特定された各個人のストレス状態から前記集団としてのストレス状態を演算する演算手段56と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集団を構成する各個人から生体データを取得する取得手段と、
前記取得手段から取得した生体データから各個人の非ストレス状態を特定する第1の特定手段と、
前記第1の特定手段で特定した各個人の非ストレス状態により各個人のストレス状態の判断基準を調整する調整手段と、
前記取得手段から取得した生体データから前記調整手段により調整した判断基準で各個人のストレス状態を特定する第2の特定手段と、
前記第2の特定手段により特定された各個人のストレス状態から前記集団としてのストレス状態を演算する演算手段と、
を有するストレス状態評価装置。
【請求項2】
前記第1の特定手段は、ストレス状態調査を実施した結果により非ストレス状態を特定する請求項1記載のストレス状態評価装置。
【請求項3】
前記第1の特定手段は、予め定められた期間毎にストレス状態調査を実施した結果により非ストレス状態を特定する請求項2記載のストレス状態評価装置。
【請求項4】
前記第1の特定手段は、前記取得手段により取得した生体データが変化した場合にストレス状態調査を実施した結果により非ストレス状態を特定する請求項2記載のストレス状態評価装置。
【請求項5】
前記第1の特定手段は、ストレス状態調査を実施した結果を学習して非ストレス状態を特定する請求項2から4いずれか記載のストレス状態評価装置。
【請求項6】
前記第1の特定手段は、個人が寝ている間に前記取得手段から取得した生体データを含めて非ストレス状態を特定する請求項2記載のストレス状態評価装置。
【請求項7】
前記演算手段により演算した演算結果を出力する出力手段をさらに有する請求項1から6いずれか記載のストレス状態評価装置。
【請求項8】
前記出力手段は、演算結果を表示するように出力する請求項7記載のストレス状態評価装置。
【請求項9】
前記出力手段は、前記集団におけるストレス状態にある人数を表示するように出力する請求項8記載のストレス状態評価装置。
【請求項10】
前記出力手段は、前記集団におけるストレス状態の強度を表示するように出力する請求項8記載のストレス状態評価装置。
【請求項11】
前記出力手段は、時系列のグラフとして表示するように出力する請求項8から11いずれか記載のストレス状態評価装置。
【請求項12】
集団を構成する各個人に装着され、生体データを検出する検出装置と、
前記検出装置に接続されたサーバと、
前記サーバからの出力を表示する表示装置と、
を有し、
前記サーバは、
前記検出装置から生体データを取得する取得手段と、
前記取得手段から取得した生体データから各個人の非ストレス状態を特定する第1の特定手段と、
前記第1の特定手段から取得した各個人の非ストレス状態により各個人のストレス状態の判断基準を調整する調整手段と、
前記取得手段から取得した生体データから前記調整手段により調整した判断基準で各個人のストレス状態を特定する第2の特定手段と、
前記第2の特定手段により特定された各個人のストレス状態から前記集団としてのストレス状態を演算する演算手段と、
前記演算手段の演算結果を前記表示装置に表示するように出力する出力手段と、
を有するストレス状態評価システム。
【請求項13】
集団を構成する各個人から生体データを取得するステップと、
取得した生体データから各個人の非ストレス状態を特定するステップと、
特定した各個人の非ストレス状態により各個人のストレス状態の判断基準を調整するステップと、
調整した判断基準で各個人のストレス状態を特定するステップと、
特定した各個人のストレス状態から前記集団としてのストレス状態を演算するステップと、
を有するコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレス状態評価装置、ストレス状態評価システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、個人のバイタルデータ及びライフスタイルデータと疾患の判断に利用するファクタとを入力する入力手段と、この入力手段により入力された個人のデータ及びファクタを記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された全入力者数分又は選択された複数の入力者数分のデータ及びファクタを時系列に表示する表示手段とを備えることを特徴とする健康管理支援装置を開示する。
【0003】
特許文献2は、ネットワークを介して前記複数の個人のそれぞれに対する個別のストレス情報を受信するステップと、処理システムにおいて、前記複数の個人のそれぞれに対する個別のストレス情報を統計的に処理することにより、前記複数の個人のストレスレベルの統計値を生成するステップを含むシステムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−239566号公報
【特許文献2】特表2017−533805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来例のように、生体データを測定してストレスの見える化を行うことが考えられているが、平時の測定値が高い人や、低い人が存在する。このように個人によって閾値のバラツキが存在するデータをそのまま利用すると、分析の精度が悪くなる虞がある。
なお、ストレスとは、生体が受ける精神的なひずみをいう。
【0006】
本発明は、集団における、ストレス状態を評価することができるストレス状態評価装置及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る本発明は、集団を構成する各個人から生体データを取得する取得手段と、前記取得手段から取得した生体データから各個人の非ストレス状態を特定する第1の特定手段と、前記第1の特定手段で特定した各個人の非ストレス状態により各個人のストレス状態の判断基準を調整する調整手段と、前記取得手段から取得した生体データから前記調整手段により調整した判断基準で各個人のストレス状態を特定する第2の特定手段と、前記第2の特定手段により特定された各個人のストレス状態から前記集団としてのストレス状態を演算する演算手段と、を有するストレス状態評価装置である。
なお、ストレス状態とは、ストレスがある状態をいい、非ストレス状態とはストレスが無い状態をいう。非ストレス状態には、睡眠時のようになんらストレスが感じられない状態(睡眠時)と、通常の業務を行っていてストレスが感じられない状態(平時)とがある。
【0008】
請求項2に係る本発明は、前記第1の特定手段は、ストレス状態調査を実施した結果により非ストレス状態を特定する請求項1記載のストレス状態評価装置である。
【0009】
請求項3に係る本発明は、前記第1の特定手段は、予め定められた期間毎にストレス状態調査を実施した結果により非ストレス状態を特定する請求項2記載のストレス状態評価装置である。
【0010】
請求項4に係る本発明は、前記第1の特定手段は、前記取得手段により取得した生体データが変化した場合にストレス状態調査を実施した結果により非ストレス状態を特定する請求項2記載のストレス状態評価装置である。
【0011】
請求項5に係る本発明は、前記第1の特定手段は、ストレス状態調査を実施した結果を学習して非ストレス状態を特定する請求項2から4いずれか記載のストレス状態評価装置である。
【0012】
請求項6に係る本発明は、前記第1の特定手段は、個人が寝ている間に前記取得手段から取得した生体データを含めて非ストレス状態を特定する請求項2記載のストレス状態評価装置である。
【0013】
請求項7に係る本発明は、前記演算手段により演算した演算結果を出力する出力手段をさらに有する請求項1から6いずれか記載のストレス状態評価装置ある。
【0014】
請求項8に係る本発明は、前記出力手段は、演算結果を表示するように出力する請求項7記載のストレス状態評価装置である。
【0015】
請求項9に係る本発明は、前記出力手段は、前記集団におけるストレス状態にある人数を表示するように出力する請求項8記載のストレス状態評価装置である。
【0016】
請求項10に係る本発明は、前記出力手段は、前記集団におけるストレス状態の強度を表示するように出力する請求項8記載のストレス状態評価装置である。
【0017】
請求項11に係る本発明は、前記出力手段は、時系列のグラフとして表示するように出力する請求項8から11いずれか記載のストレス状態評価装置である。
【0018】
請求項12に係る本発明は、集団を構成する各個人に装着され、生体データを検出する検出装置と、前記検出装置に接続されたサーバと、前記サーバからの出力を表示する表示装置と、を有し、前記サーバは、前記検出装置から生体データを取得する取得手段と、前記取得手段から取得した生体データから各個人の非ストレス状態を特定する第1の特定手段と、前記第1の特定手段から取得した各個人の非ストレス状態により各個人のストレス状態の判断基準を調整する調整手段と、前記取得手段から取得した生体データから前記調整手段により調整した判断基準で各個人のストレス状態を特定する第2の特定手段と、前記第2の特定手段により特定された各個人のストレス状態から前記集団としてのストレス状態を演算する演算手段と、前記演算手段の演算結果を前記表示装置に表示するように出力する出力手段と、を有するストレス状態評価システムである。
なお、検出装置とサーバとの接続及びサーバと表示装置との接続には、有線や無線、さらにはインターネットを介して接続されている場合が含まれる。
【0019】
請求項13に係る本発明は、集団を構成する各個人から生体データを取得するステップと、取得した生体データから各個人の非ストレス状態を特定するステップと、特定した各個人の非ストレス状態により各個人のストレス状態の判断基準を調整するステップと、調整した判断基準で各個人のストレス状態を特定するステップと、特定した各個人のストレス状態から前記集団としてのストレス状態を演算するステップと、を有するコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0020】
請求項1、12又は13に係る本発明によれば、集団における、ストレス状態を評価することができる。
【0021】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明の効果に加えて、何ら調査しない場合と比較して、非ストレス状態を正確に把握することができる。
【0022】
請求項3に係る本発明によれば、請求項2に係る本発明の効果に加えて、定期的に非ストレス状態の定義を更新することができる。
【0023】
請求項4に係る本発明によれば、請求項2に係る本発明の効果に加えて、生体データが変化した毎に非ストレス状態の定義を更新することができる。
【0024】
請求項5に係る本発明によれば、請求項2〜4いずれかに係る本発明の効果に加えて、なんら学習しない場合と比較して、非ストレス状態を正確に把握することができる。
【0025】
請求項6に係る本発明によれば、請求項2に係る本発明の効果に加えて、睡眠時の生体データを参考して非ストレス状態を特定することができる。
【0026】
請求項7に係る本発明によれば、請求項1から6いずれかに係る発明の効果に加えて、集団における、ストレス評価の結果を出力することができる。
【0027】
請求項8に係る本発明によれば、請求項7に係る発明の効果に加えて、ストレス評価の結果を表示できるように出力することができる。
【0028】
請求項9に係る本発明によれば、請求項8に係る発明の効果に加えて、集団におけるストレス状態にある人数を表示することができる。
【0029】
請求項10に係る本発明によれば、請求項8に係る発明の効果に加えて、集団におけるストレス状態の強度を表示することができる。
【0030】
請求項11に係る本発明によれば、請求項9又は10に係る発明の効果に加えて、時系列的なストレス状態の変化を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施形態に係るストレス状態評価システムを示す構成図である。
図2】本発明の実施形態に用いたサーバの制御部のハードウエアを示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態に用いたサーバの制御部の機能を示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態に用いたスマートフォンの表示例を示す説明図である。
図5】本発明の実施形態に用いたサーバの制御フローを示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態において、個人別のストレス計算値を示す線図である。
図7】本発明の実施形態において、ストレス状態にある人数を示す線図である。
図8】本発明の実施形態において、個人のストレスを個人毎に分析し積み上げた結果を示す線図である。
図9】本発明の実施形態において、集団のストレス計算値を日付単位で示す線図である。
図10】本発明の実施形態において、過去1か月当たりの集団のストレスを各曜日平均値として示す線図である。
図11】本発明の実施形態において、ストレス状態の人数について通知するタイミングを示す線図である。
図12】本発明の実施形態において、集団のストレス計算値を日付単位で集計した場合の通知するタイミングを示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るストレス状態評価システム10を示す。
【0033】
ストレス状態評価装置10は、複数の検出装置12a,12b,12cと、これら検出装置に接続されたサーバ14と、サーバ14からの出力を表示する表示装置16a,16bとを有する。
【0034】
複数の検出装置12a,12b,12cは、ウェアラブル端末(個人が身に付けるタイプの端末)である。ウェアラブル端末12a,12b,12cは、生体データを検出するもので、個人の心拍変動を検出する心拍計(脈拍計でもよい)及び加速度を検出する加速度計を有するものであればよく、この実施形態においては、ウェアラブル端末12a,12bが時計型であり、ウェアラブル端末12cが衣類型である。ウェアラブル端末12a,12b,12cには、その他に手首又は足首に巻くバンド型、メガネ型、帽子型さらには接着パッチ型等が含まれる。ウェアラブル端末12a,12bは、例えばBluetooth(近距離無線通信規格の一つであって登録商標である)を介してスマートフォン18又は画像形成装置20に検出した生体データを送る。スマートフォン18及び画像形成装置20からは、無線又は有線或はインターネットを介してサーバ14へ生体データが送られるようになっている。また、ウェアラブル端末12cは、例えばWi-Fi(無線LANの一種であり、登録商標である)によりサーバ14へ生体データを送る。
【0035】
サーバ14は、既存のシステムやデータベースと連携して会社の従業員等の集団の健康管理を行うようにしてもよい。例えば従業員の勤怠を管理する勤怠システム22、従業員の健康診断結果を格納してある健康診断結果データベース24及び従業員の福利厚生を管理する福利厚生システム26から従業員に関するデータを取得し、ストレス状態との関連性を把握するようにしてもよい。
【0036】
サーバ14は、ウェアラブル端末12a,12b,12cから生体データを取得し、この生体データから個人及び集団のストレス状態を評価し、評価した結果を例えば個人用のスマートフォンである表示装置16aに情報を通知し、或は管理者のパーソナルコンピュータである表示装置16bに情報を通知する。
【0037】
図2は、サーバ14における制御部28のハードウエア構成を示す。
制御部28は、CPU30、メモリ32、記憶装置34、入力インターフェイス36及び出力インターフェイス38を有し、これらが制御バス40を介して接続されている。
【0038】
CPU30は、メモリ32に格納された制御プログラムに基づいて予め定められた処理を実行する。入力ンターフェイス36は、ネットワーク等を介してデータが入力される。出力インターフェイス38は、ネットワーク等に向けてデータを出力する。記憶装置58は、例えばハードディスク等からなる。
【0039】
図3は、サーバ14における制御部28の機能ブロック図である。
【0040】
データ取得部42は、前述した入力インターフェイス36を介して生体データを取得する。データ解析部44は、データ取得部42で取得した生体データを解析する。出力手段を構成する表示内容生成部46は、データ解析部44で解析された結果から表示すべき内容を生成し、出力する。
【0041】
データ解析部44は、第1の特定部48、調整部50、変動検出部52、第2の特定部54及び集団解析部56から構成されている。第1の特定部48は、個人特性解析部58及び学習部60を有する。個人特性解析部58は、例えばデータ取得部42により取得された心拍変動からRR間隔時系列の周波数成分をパワースペクトル分析する。RR間隔時系列の周波数成分のうち、交換神経活動の影響を受ける低周波成分(LF:Low Frequency)と、副交換神経の影響を受ける高周波成分(HF:High Frequency)とを求め、さらに交換神経活動指標(LF/HF)を求める。この交換神経活動指標(LF/HF)により非ストレス状態であるかストレス状態であるかを判断する。
【0042】
学習部60は、例えばストレス状態調査を実施した結果により学習する。ストレス状態調査は、例えば図4に示すように、各個人のスマートフォン18に調査票を送る。調査票は、簡易には「ストレスを感じていない」又は「ストレスを感じている」の2者選択であってもよいし、さらに詳細に「仕事はつらいですか?」「疲れや不安はありますか?」「相談相手はいますか?」「家庭や仕事に満足していますか?」等の質問をするようにしてもよい。
【0043】
学習部60は、上記ストレス状態調査の結果を教師データとして学習する。ストレス状態調査は、予め定められた期間毎に行ってもよいし、交換神経活動指標(LF/HF)が予め定められた値よりも上昇した場合に行ってもよい。新しく受け付けたストレス状態調査の結果は過去に遡って反映させるようにする。
【0044】
また、寝ている場合のストレス状態を参考してもよい。寝ているか否かは、例えば検出装置12a,12b,12cに搭載されている加速度センサからの出力でほとんど動かない状態を寝ているときとすることができる。また、上記ストレス状態調査の代わりに寝ているときの出力を非ストレス状態として判定することもできる。
【0045】
調整部50は、第1の特定部46で特定した各個人の非ストレス状態から非ストレス状態にあるかストレス状態にあるかの判断基準を調整する。ストレスを感じるかいなかは個人差が大きい。このため、個人毎に判断基準を調整する必要がある。
【0046】
変動検出部52は、非ストレス状態からの変動を検出する。検出は、調整部50で調整された判断基準に従い、非ストレス状態からの変化と、どのように変化したのかを検出する。非ストレス状態からの変動は、例えば副交換神経の活動が優位な状態から交換神経の活動が優位となった場合に検出する。
【0047】
第2の特定部54は、変動検出部52でストレス状態となったことが検出されると、当該個人がストレス状態となったことを特定する。
【0048】
集団解析部56は、変動検出部52により各個人のストレス変動を収集し、集団としての変化を解析する。集団解析部56においては、変動検出部52で検出された各個人のストレス状態を各個人の特性毎に集団でまとめるように調整する。例えば非ストレス状態から交換神経活動が優位な個人にはストレスを低く抑えるようにし、非ストレスから副交換神経活動が優位な個人にはストレスを高くするようにバイアスをかける。
【0049】
図5は、サーバ14における制御動作を示すフローチャートである。
まずステップS10において、心拍データを取得する。次のステップS12においては、ステップS10で取得した心拍データから交換神経、副交換神経の活動比率を計算する。次のステップS14においては、ストレス状態調査結果や個人の行動により学習して非ストレス状態を特定する。
【0050】
次のステップS16においては、集計方法を判定する。集計方法としては、人数集計かストレス値集計がある。集計方法は、例えば管理者からの指示により決定される。
【0051】
ステップS16において、人数集計であると判定された場合は、ステップS18に進み、非ストレス状態からの変動を検出し、次のステップS20においては、集団での高ストレス状態の人数を集計し、次のステップS22において、ストレス状態毎の人数を表示するように出力する。
【0052】
一方、ステップS16において、ストレス値集計であると判定された場合は、ステップS24に進み、各個人の非ストレス状態を基準に交換神経、副交感神経の活動比率を再計算し、次ののステップS26においては、集団での交換神経、副交換神経の活動比率を集計し、次のステップS22において、組織全体の交換神経、副交換神経の活動バランス(ストレス状態の強度)を表示するように出力する。
【0053】
次に表示例について説明する。
図6は、個人別ストレス計算値の推移を示す。
なお、横軸は、1日の時刻を示し、縦軸は、交換神経活動指標(LF/HF)に対応する相対値を示す。
【0054】
ストレス状態にある個人の人数を表示する場合、非ストレス状態であるかストレス状態であるかの判断基準(閾値)を一律に例えば40にすると、例えば6時半から12時の間、個人Aは、ストレス状態であり、個人Bは非ストレス状態となる。これでは、集団でストレス状態にある個人の人数が1人ということになってしまう。
【0055】
しかしながら、個人Bは、ストレス状態であり、判断を誤ってしまう。そこで、個人Bの閾値は20程度にすれば、個人Bもストレス状態であることが把握され、図7の第1例に示すように、個人Bもストレス状態の人数に含まれるようになる。
【0056】
図8は、第2例であり、個人のストレスを個人毎に分析し、積み上げた結果を示す。この例においては、個人Aには例えば20%程度のバイアスしかかけていないが、個人Bには例えば400%程度のバイアスをかけ、個人間の差がないようにバランスを保つようにしている。
【0057】
図9は、第3例であり、個人A,個人B,個人Cからなる集団の日付単位のストレス値を示す。ここでも個人A〜Cの個人差が考慮され、非ストレス状態によって調整されて積み上げられている。表示の時間軸は、週単位や月単位でもよく、自由に変更することができるようになっている。
【0058】
図10は、過去1か月の当たりの集団のストレスであって、各曜日の平均値を示す。例えば月曜日が終段としてのストレスが高いことがわかる。各日付、各時間帯等によっても表示するようにしてもよい。
【0059】
図11図12は、どのタイミングで管理者に通知するかを矢印で示している。例えば図11においては、集団としてのストレス状態に変化する時に通知する。また、図12においては、ストレス状態が続いた時に通知する。例えば3日連続して予め定められた値を越えた場合に通知するようになっている。
【符号の説明】
【0060】
10 ストレス状態評価システム
12a〜12c 検出装置
14 サーバ
16a,16b 表示装置
18 スマートフォン
20 画像形成装置
28 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12