特開2019-195429(P2019-195429A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-195429(P2019-195429A)
(43)【公開日】2019年11月14日
(54)【発明の名称】ゆりかご
(51)【国際特許分類】
   A47D 9/02 20060101AFI20191018BHJP
【FI】
   A47D9/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-90473(P2018-90473)
(22)【出願日】2018年5月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000107066
【氏名又は名称】株式会社リッチェル
(74)【代理人】
【識別番号】100127845
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 壽彦
(72)【発明者】
【氏名】水野 雅多郎
(72)【発明者】
【氏名】栃原 央
(57)【要約】
【課題】モード切り替えの操作性に優れるゆりかごを提供する。
【解決手段】本発明に係るゆりかご1は、かご部3と、かご部3の前後のそれぞれの左右一対で設けられてかご部3を支持する脚部5と、脚部5の下部に前後の脚部5に亘るように設けられた湾曲揺動足7とを備えたものであって、湾曲揺動足7を各脚部5の下端に設けられて、湾曲揺動足7が接地する方向と跳ね上げる方向に角度調整可能に連結する連結部9と、連結部9に設けられた車輪11とを有し、正面視で前側及び/又は後側の脚部5における左右両側の連結部9は、湾曲揺動足7のみが接地する第1角度と、車輪11のみが接地する第2角度との少なくとも2つの角度に角度調整可能であることを特徴とするものである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
かご部と、該かご部の前後のそれぞれの左右一対で設けられて前記かご部を支持する脚部と、該脚部の下部に前後の脚部に亘るように設けられた湾曲揺動足とを備えたゆりかごであって、
前記各脚部の下端に設けられて、前記湾曲揺動足を接地する方向と跳ね上げる方向に角度調整可能に連結する連結部と、該連結部に設けられた車輪とを有し、
正面視で前側及び/又は後側の脚部における左右両側の連結部は、前記湾曲揺動足のみが接地する第1角度と、前記車輪のみが接地する第2角度との少なくとも2つの角度に角度調整可能であることを特徴とするゆりかご。
【請求項2】
前記連結部は、前記第2角度と前記第1角度の間の中間角度であって、前記湾曲揺動足と前記車輪が接地して、揺動しない角度に角度調整可能であることを特徴とする請求項1記載のゆりかご。
【請求項3】
前記第1角度と前記中間角度では前記車輪の回転を規制し、前記第2角度では前記車輪を回転自在にするストッパ部材を備えてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のゆりかご。
【請求項4】
正面視で前側又は後側のいずれか一方の脚部における左右両側の連結部を角度調整可能にし、他方の脚部に設けた連結部は角度変化自在にしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のゆりかご。
【請求項5】
正面視で前側又は後側のいずれか一方の脚部における左右両側の連結部に前記第1角度と前記中間角度では前記車輪の回転を規制し、前記第2角度では前記車輪を回転自在にするストッパ部材を設けると共に角度調整可能にし、他方の脚部に設けた連結部は角度変化自在で、該連結部に設けた車輪を回転自在にしたことを特徴とする請求項2に記載のゆりかご。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳幼児をあやしたり寝かしたり等する場合に使用するゆりかごに関する。
【背景技術】
【0002】
乳幼児をかごに入れて揺らす機能のあるゆりかごに関し、特許文献1には、ゆりかごを揺らすことができる状態と、走行可能な状態を切り換え可能にしたものが開示されている。
特許文献1に開示されたものは、4本の脚部の各側杆部下端付近にブラケットを軸支し、該ブラケットにそれぞれ車輪を回転自在に取り付け、車輪接地状態と跳ね上げ状態に切り換え可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭62−27177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示のものは、4本の脚部に車輪が個別に取り付けられているので、状態切り換えには、各車輪ごとに操作する必要があり、操作性が悪いという問題がある。
また、揺らすことができる状態と、走行可能な状態の切り換えはできるが、揺らさない固定ベッド状態にすることができないという問題もある。
【0005】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、モード切り替えの操作性に優れるゆりかごを提供することを目的としている。
また、ゆりかごを揺らすことができるゆりかごモードと、走行可能な走行モードに加えて固定ベッドとして使用する固定ベッドモードにも切り換えすることができるゆりかごを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係るゆりかごは、かご部と、該かご部の前後のそれぞれの左右一対で設けられて前記かご部を支持する脚部と、該脚部の下部に前後の脚部に亘るように設けられた湾曲揺動足とを備えたゆりかごであって、
前記各脚部の下端に設けられて、前記湾曲揺動足を接地する方向と跳ね上げる方向に角度調整可能に連結する連結部と、該連結部に設けられた車輪とを有し、
正面視で前側及び/又は後側の脚部における左右両側の連結部は、前記湾曲揺動足のみが接地する第1角度と、前記車輪のみが接地する第2角度との少なくとも2つの角度に角度調整可能であることを特徴とするものである。
【0007】
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記連結部は、前記第2角度と前記第1角度の間の中間角度であって、前記湾曲揺動足と前記車輪が接地して、揺動しない角度に角度調整可能であることを特徴とするものである。
【0008】
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記第1角度と前記中間角度では前記車輪の回転を規制し、前記第2角度では前記車輪を回転自在にするストッパ部材を備えてなることを特徴とするものである。
【0009】
(4)また、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、正面視で前側又は後側のいずれか一方の脚部における左右両側の連結部を角度調整可能にし、他方の脚部に設けた連結部は角度変化自在にしたことを特徴とするものである。
【0010】
(5)また、上記(2)に記載のものにおいて、正面視で前側又は後側のいずれか一方の脚部における左右両側の連結部に前記第1角度と前記中間角度では前記車輪の回転を規制し、前記第2角度では前記車輪を回転自在にするストッパ部材を設けると共に角度調整可能にし、他方の脚部に設けた連結部は角度変化自在で、該連結部に設けた車輪を回転自在にしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るゆりかごは、かご部と、該かご部の前後のそれぞれの左右一対で設けられて前記かご部を支持する脚部と、該脚部の下部に前後の脚部に亘るように設けられた湾曲揺動足とを備えたゆりかごであって、前記各脚部の下端に設けられて前記湾曲揺動足を接地する方向と跳ね上げる方向に角度調整可能に連結する連結部と、該連結部に設けられた車輪とを有し、正面視で前側及び/又は後側の脚部における左右両側の連結部は、前記湾曲揺動足のみが接地する第1角度と、前記車輪のみが接地する第2角度との少なくとも2つの角度に角度調整可能であることにより、連結部を操作して左右の湾曲揺動足の角度を調整するだけで、ゆりかごを揺らすことができるゆりかごモードと走行可能な走行モードのモード切り換えをスムーズに行うことができ、操作性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態にかかるゆりかごの斜視図である。
図2図1に示したゆりかごにおける連結部及び湾曲揺動足の分解斜視図である。
図3図1に示したゆりかごにおける連結部及び湾曲揺動足の正面図及び側面図である。
図4図1に示したゆりかごにおける連結部の断面を説明するための説明図である。
図5図1に示したゆりかごにおける後連結部の断面図である。
図6図1に示したゆりかごにおける前連結部の断面図である。
図7図1に示したゆりかごにおける前連結部の第4連結体の斜視図である。
図8図1に示したゆりかごにおける前連結部の第3連結体の斜視図である。
図9図1に示したゆりかごにおける前連結部に装着されるストッパ部材の斜視図である。
図10図1に示したゆりかごの車輪の斜視図である。
図11図1に示したゆりかごの湾曲揺動足の角度調整方法の説明図であって、図(a)(a-1)(a-2)が湾曲揺動足のみが接地したゆりかごモードを、図(b)(b-1)(b-2)が湾曲揺動足と車輪が接地した固定ベッドモードを、図(c)(c-1)(c-2)が車輪のみが接地した走行モードを、それぞれ示している。
図12図1に示したゆりかごの湾曲揺動足の角度調整方法の説明図であって、ゆりかごモードにおける前連結部の断面図である。
図13図1に示したゆりかごの湾曲揺動足の角度調整方法の説明図であって、固定ベッドモードにおける前連結部の断面図である。
図14図1に示したゆりかごの湾曲揺動足の角度調整方法の説明図であって、走行モードにおける前連結部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施の形態に係るゆりかご1は、図1に示すように、かご部3と、かご部3の前後のそれぞれの左右一対で設けられてかご部3を支持する脚部5と、脚部5の下部に前後の脚部5に亘るように設けられた湾曲揺動足7とを備えたものであって、湾曲揺動足7を脚部5の下端に設けられて湾曲揺動足7が接地する方向と跳ね上げる方向に角度調整可能に連結する連結部9と、連結部9に設けられた車輪11とを有している。
なお、本明細書おいて、前後方向とは図1に示すように、湾曲揺動足7の軸線方向を言い、「前」とは前後方向におけるかご部3を挟んで一方の側であり、「後」とはかご部を挟んで他方の側を言う。
以下、各構成を詳細に説明する。
【0014】
<かご部>
かご部3は、乳幼児を入れて寝かせるための部位であり、例えば平面視で楕円形のかご形をしている(図1参照)。
そして、かご部3の上端縁には全周にわたって金属製の枠部13が設けられ、枠部13におけるかご部3を挟んで前後には脚部取付部15が設けられている。図1では、説明の都合上、脚部取付部15をむき出した状態にしているが、実際のゆりかご1では、脚部取付部15が隠れるように例えばフラップ状の部材で覆うようにする。
【0015】
<脚部>
脚部5は、かご部3を挟んで前後のそれぞれに左右一対設けられている。左右一対の脚部5は、その上端が脚部取付部15に枢着され、左右の脚部5は開脚状態と閉脚状態にすることができる。図1に示す状態は、左右の脚部5がハの字状に開いた開脚状態である。左右の脚部5は互いに近づけることで閉脚することができる。
【0016】
<湾曲揺動足>
湾曲揺動足7は、脚部5の下端に連結部9を介して前後の脚部5に亘るように左右一対設けられている。湾曲揺動足7は、下方に向かって凸となるように湾曲しており、それ故に、湾曲揺動足7のみが接地している状態では、ゆりかご1をその前後が上下動するように揺らすことができる。
【0017】
<連結部>
連結部9は、脚部5の下端と湾曲揺動足7との間に設けられて、湾曲揺動足7を湾曲揺動足7が接地する方向と跳ね上げる方向に角度調整可能又は角度変化自在に連結するものである。
図1における、前側の連結部9と、後側の連結部9ではその構造と機能が異なるので、以下の説明では、図1における前側に設けられている連結部9を前連結部17といい、後側に設けられている連結部9を後連結部19という。まず、より単純な構造である後連結部19について説明する。
【0018】
《後連結部》
後連結部19は、図2に示すように、下部に湾曲揺動足7に固定するための固定部21を有する半球状の第1連結体23と、上部に脚部5へ接続するための接続部25を有する半球状の第2連結体27と、第2連結体27と第1連結体23を回転可能に接続する軸部材29とを備えている。第1連結体23及び第2連結体27の内面側には、それぞれ軸孔31、35が形成された円筒軸体33、37が形成されている。そして、第1連結体23と第2連結体27は平坦面側が対向するように配置され、軸孔31、35に軸部材29を挿通することによって回転自在に連結されている(図5参照)。なお、軸部材29の一端には抜け止めのための頭部39が形成され、他端はカシメによって抜け止め処理がされ、さらに回転潤滑のためのワッシャ41が設けられている。
第1連結体23における第2連結体27との対向面側には段部43が形成され、段部43に車輪11が回転自在に装着されている。
【0019】
後連結部19は、上記のような構造であり、第1連結体23と第2連結体27はそれぞれ軸部材29回りを互いに独立して回転自在になっており、それ故に第1連結体23に取り付けられる湾曲揺動足7は第1連結体との関係では角度変化自在になっている。
もっとも、第1連結体23と第2連結体27が互いに回転自在であっても、湾曲揺動足7の前端側には、前連結部17が固定されているので、湾曲揺動足7の回動角度は前連結部17によって規定されることになる。
【0020】
《前連結部》
次に、前連結部17について説明する。なお、前連結部17には後連結部19と同一機能を有する部分があるため、同一機能を有する部分には後連結部19に付したのと同様の符号を付して、説明を省略又は簡略化する。
前連結部17は、図2に示すように、下部に湾曲揺動足7に固定するための固定部45を有する半球状の第3連結体47と、上部に脚部5へ接続するための接続部49を有する半球状の第4連結体51と、第4連結体51と第3連結体47を回転自在に連結する軸部材53と、第4連結体51と第3連結体47との間に介在されて、第4連結体51と第3連結体47の回動の規制と、車輪11の回転の規制を行うストッパ部材55と、ストッパ部材55と第4連結体51との間に設けられて、ストッパ部材55を第3連結体47側に常時付勢するバネ57と、第3連結体47側にストッパ部材55を押下げ可能に設けられた操作ボタン59と、を備えている。
第3連結体47と第4連結体51は、第1連結体23と第2連結体27の関係と同様に、平坦面側が対向するようにして軸部材53によって回転自在に連結されている(図6参照)。
【0021】
[第4連結体]
第4連結体51の内面には、図7に示すように、ストッパ部材55を収納可能な一対の収納溝61が、円筒軸体63を挟んで形成されている。
【0022】
[第3連結体]
第3連結体47の内面には、図8に示すように、ストッパ部材55の一部を収納して、その位置を規制する3対の規制溝(第1規制溝65、第2規制溝67、第3規制溝69)が円筒軸体71を挟んで形成されている。第1規制溝65及び第2規制溝67の溝深さは同じであるが、第3規制溝69の溝深さは他の2つよりも浅くなっている。
第1規制溝65にストッパ部材55が収納されたときには、本発明の第1角度となる(図11(a)参照)。第2規制溝67にストッパ部材55が収納されたときには本発明の中間角度となる(図11(b)参照)。第3規制溝69にストッパ部材55が収納されたときには本発明の第2角度となる(図11(c)参照)。
【0023】
[ストッパ部材]
ストッパ部材55は、第4連結体51と第3連結体47との間に介在されて、第4連結体51と第3連結体47の回動の規制と、車輪11の回転の規制を行うものである。ストッパ部材55は、図9に示すように、中心に円筒軸体63、71が挿入される軸穴73を有し、軸穴73を挟んで両側に延出する延出部75を備えている。延出部75は、軸穴73に近い基部側が角度調整時に機能する角度規制部77であり、角度規制部77からさらに延出した部分が車輪11の回転を規制する機能を有する車輪回転規制部79になっている。
【0024】
<車輪>
車輪11は、図10に示すように、第1連結体23及び第3連結体47に回転自在に挿入可能な円形の開口部81を有し、開口部81の外縁には、ストッパ部材55の車輪回転規制部79に当接して車輪11の回転を規制する回転規制リブ83が周方向に所定の間隔で設けられている。
【0025】
以上のように構成されたゆりかご1について、特に湾曲揺動足7の角度調整について、前連結部17の作用を中心に、主として図11に基づいて説明する。
なお、図11における(a)、(b)、(c)は側面図であり、(a-1)、(b-1)、(c-1)は(a)、(b)、(c)を簡略化して示した図であり、(a-2)、(b-2)、(c-2)は斜視図である。
【0026】
図1に示すように、湾曲揺動足7のみが床面85に接地している状態では、ゆりかご1は湾曲揺動足7によって揺らすことができるゆりかごモードである。このゆりかごモードは、図11(a)(a-1)(a-2)に示す状態であり、このとき、ストッパ部材55は、第4連結体51の収納溝61と、第3連結体47の第1規制溝65(図8参照)に収容されている。このとき、前連結部17の断面は図12に示される状態にあり、ストッパ部材55における角度規制部77は、第3連結体47と第4連結体51の両方に跨る位置にあると共に、ストッパ部材55における車輪回転規制部79が回転規制リブ83に当たる位置にある。このため、第3連結体47と第4連結体51とは回動が規制され、かつ車輪11の回転も規制されている。
【0027】
ゆりかごモードからゆりかご1を固定ベッドとして使用するモードである固定ベッドモードに変更するには、図6に示すように、操作ボタン59を押し込むことで、ストッパ部材55を第4連結体51の収納溝61に押し込む。これによって、ストッパ部材55は、第4連結体51側のみに位置することになり、第3連結体47と第4連結体51の回動を規制するものがなくなり、第3連結体47と第4連結体51の角度が変更可能になる。この状態で、湾曲揺動足7を跳ね上げる方向に第3連結体47を回動すると、ストッパ部材55が第2規制溝67に収容される。
この状態は、図11(b)(b-1)(b-2)に示す状態であり、車輪11が接地すると共に湾曲揺動足7における側部中央部が接地した状態となる。この状態では、ゆりかご1は、揺れることなく、固定した状態となり、通常のベッドと同様に使用することができる。
【0028】
このとき、前連結部17の断面は図13に示される状態にあり、ストッパ部材55は、ゆりかごモードのときと同様に、ストッパ部材55における角度規制部77が第3連結体47と第4連結体51の両方に跨る位置にあると共に、ストッパ部材55における車輪回転規制部79が回転規制リブ83に当たる位置にある。このため、第3連結体47と第4連結体51は回動が規制され、かつ車輪11の回転も規制されている。
【0029】
固定ベッドモードからゆりかご1を走行させることができる走行モードに変更するには、図6に示すように、操作ボタン59を押し込んで、湾曲揺動足7を跳ね上げる方向に回動して、ストッパ部材55を第3規制溝69に収容する。
この状態は、図11(c)(c-1)(c-2)に示す状態であり、車輪11が接地すると共に湾曲揺動足7は空中に浮いた状態となる。このとき、前連結部17の断面は図14に示される状態にあり、ストッパ部材55における角度規制部77は第3連結体47と第4連結体51の両方に跨る位置にあるが、ストッパ部材55における車輪回転規制部79は、第3規制溝69の溝深さが浅いことに起因して、回転規制リブ83から外れた位置にある。このため、第3連結体47と第4連結体51とは回動が規制され、かつ車輪11が回転自在となる。
この状態では、ゆりかご1を走行させることが可能となり、ゆりかご1を持ち上げることなく、容易に所望の場所に移動させることができる。
【0030】
以上のように、本実施の形態の形態では、前連結部17のみに操作ボタン59を設けて、前連結部17のみの操作で上述したモード切替をできるようしたので、操作する際に、ゆりかご1の前側から左右両側の操作ボタン59を同時に操作して湾曲揺動足7の角度を切替できるので、操作性に優れる。
また、本実施の形態では、湾曲揺動足7の脚部5に対する角度を、湾曲揺動足7のみが接地する状態のゆりかごモード、湾曲揺動足7と車輪11が接地する状態の固定ベッドモード、車輪11のみが接地する状態の走行モードに変更可能とし、車輪11のみが接地する状態では、車輪11が回転自在になるようにしたので、従来例ではできなかったゆりかご1を3つのモードに切り替えて使用することが可能となった。
【0031】
もっとも、本発明は、ゆりかごモードと走行モードの2つのモードに切り替えられるものも含み、この場合であっても、連結部を介して湾曲揺動足を設け、かつ連結部に車輪を設けているので、連結部を操作して左右の湾曲揺動足の角度を調整するだけで、ゆりかごを揺らすことができるゆりかごモードと走行可能な走行モードのモード切り換えをスムーズに行うことができ、操作性に優れる。
この場合には、連結部には車輪の回転を規制するストッパ部材を設ける必要もない。
【0032】
また、本実施の形態では、前側の連結部である前連結部17に操作ボタン59を設けるものを例示したが本発明においては、前側と後側の両方の連結部に操作ボタン59を設けた角度調整可能なものにしてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 ゆりかご
3 かご部
5 脚部
7 湾曲揺動足
9 連結部
11 車輪
13 枠部
15 脚部取付部
17 前連結部
19 後連結部
21 固定部
23 第1連結体
25 接続部
27 第2連結体
29 軸部材
31 軸孔
33 円筒軸体
35 軸孔
37 円筒軸体
39 頭部
41 ワッシャ
43 段部
45 固定部
47 第3連結体
49 接続部
51 第4連結体
53 軸部材
55 ストッパ部材
57 バネ
59 操作ボタン
61 収納溝
63 円筒軸体
65 第1規制溝
67 第2規制溝
69 第3規制溝
71 円筒軸体
73 軸穴
75 延出部
77 角度規制部
79 車輪回転規制部
81 開口部
83 回転規制リブ
85 床面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14