特開2019-195941(P2019-195941A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2019-195941管ライニング材の製造装置と製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-195941(P2019-195941A)
(43)【公開日】2019年11月14日
(54)【発明の名称】管ライニング材の製造装置と製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 63/36 20060101AFI20191018BHJP
   B29C 65/18 20060101ALI20191018BHJP
【FI】
   B29C63/36
   B29C65/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-91048(P2018-91048)
(22)【出願日】2018年5月10日
(71)【出願人】
【識別番号】515237588
【氏名又は名称】ワイオー・ラボ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横島 康弘
【テーマコード(参考)】
4F211
【Fターム(参考)】
4F211AD12
4F211AD16
4F211AD24
4F211AG03
4F211AG08
4F211AH43
4F211AM28
4F211SA13
4F211SC03
4F211SH20
4F211SP01
4F211TA01
4F211TC07
4F211TH20
4F211TJ15
4F211TN28
(57)【要約】      (修正有)
【課題】管状ライニング材の加熱温度コントロールが容易で均一に加熱でき良好なコーティングが可能な管ライニング材の製造方法の提供。
【解決手段】プラスチックフィルム1内に管状樹脂吸着材2を引込み複数の真空口を設け管状樹脂吸着材の内部を真空状態にし管状樹脂吸着材を前後に移動されたヒーター5間を上下に移動してプラスチックフィルムを溶着することを特徴とする。プラスチックフィルムに覆われた管状樹脂吸着材を保持するロール径が100mm以上の2本のロール3,4と、前記2本のロールの間に、2本のロールから各々所定の間隔を設けて設置され、保持されるプラスチックフィルムチューブ1を両面から加熱するためのヒーターとヒーターの熱を逃がさないように設けられるヒーターカバー6と、プラスチックフィルムチューブの表面に所定の間隔を置いても受けられる真空口8に設置する真空ポンプ10及び真空計11と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックフィルム内に管状樹脂吸着材を引込む段階と、
プラスチックフィルムに複数の真空口を設ける段階と、
コーティング前管状態の管状樹脂吸着材の内部を真空状態にする段階と、
管状樹脂吸着材を、前後に配置されたヒーター間を上下に移動してプラスチックフィルムを溶着させる段階と、
からなることを特徴とする管ライニング材の製造方法。
【請求項2】
プラスチックフィルムに覆われた管状樹脂吸着材を保持するロール径が100mm以上の2本のロールと、
前記2本のロールの間に、2本のロールから各々所定の間隔を設けて設置され、保持されるプラスチックフィルムチューブをプラスチックフィルムチューブの両面から加熱するためのヒーターと、
ヒーターの熱を逃がさないように設けられるヒーターカバーと、
プラスチックフィルムチューブの表面に所定の間隔を置いても受けられる真空口に設置する真空ポンプ及び真空計と、
を含むことを特徴とする管ライニング材の製造装置。
【請求項3】
前記ロールは、50mmφ以下のロールを複数個使用して曲率半径を100mmφとすることを特徴とする管ライニング材の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管ライニング材の製造装置と製造方法に係り、より詳しくは、下水管、水道管、工業用水、農業用水等の管路を更生する管ライニング材の装置と製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
管ライニング材の製造方法としては、特開平06−039923号公報に開示された方式がある。
これは、管ライニング材の製造において、管状樹脂吸着材の外表面をプラスチックフィルムで覆い、そのプラスチックフィルムを管状樹脂吸着材に溶着させる。そして、内部は真空状態に保って、上下に配置されたヒーター間を移動させて管状樹脂吸着材にプラスチックフィルムを溶着させる方式であった。しかし、上下に配置されたヒーターの熱気により、管ライニング材の巾が200mmを超えると下部面が過熱気味に、上部面は加熱不足となって溶着作業に支障を来たしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06−039923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が目的とするところは、管状ライニング材の加熱温度コントロールが容易で、管状ライニング材を均一に加熱でき、良好なコーティングが可能な管ライニング材の製造方法である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、プラスチックフィルム1内に管状樹脂吸着材2を引込む段階と、
プラスチックフィルム1に複数の真空口8を設ける段階と、
コーティング前管状態の管状樹脂吸着材2の内部を真空状態にする段階と、
管状樹脂吸着材2を、前後に配置されたヒーター5間を上下に移動してプラスチックフィルム1を溶着させる段階と、
からなることを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、プラスチックフィルム1に覆われた管状樹脂吸着材2を保持するロール径が100mm以上の上部ロール3と下部ロール4と、
前記2本のロールの間に、2本のロールから各々所定の間隔を設けて設置され、保持されるプラスチックフィルムチューブ1をプラスチックフィルムチューブ1の両面から加熱するためのヒーター5と、
ヒーター5の熱を逃がさないように設けられるヒーターカバー6と、
プラスチックフィルムチューブ1の表面に所定の間隔を置いても受けられる真空口8に設置する真空ポンプ10及び真空計11と、
を含むことを特徴とする。
【0007】
前記上部及び下部ロール3,4は、50mmφ以下のロール17を複数個使用して曲率半径を100mmφとすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、管状ライニング材の加熱温度コントロールが容易で、全面均一に加熱することができ、良好なコーティングが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のコーティング装置及びコーティング状況を示す概略図である。
図2】本発明のコーティング前の材料構成を示す図である。
図3】本発明の管状樹脂吸着材を示す概略図である。
図4】本発明のプラスチックフィルムチューブを示す概略図である。
図5】本発明のプラスチックフィルムチューブ内へ管状樹脂吸着材を引き込む状況を示す図である。
図6】本発明のプラスチックフィルムチューブに真空口を設けた図である。
図7】本発明の複数のロールを示す概略図である。
図8】本発明のコーティング完成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例に係るコーティング装置及びコーティング状況を示した図であり、図2は、本発明のコーティング前の材料構成を示したものである。
図1に示す通り、本発明の一実施例に係るコーティング装置は、管状樹脂吸着材2を上部ロール3及び下部ロール4に通し、上ロール3及び下部ロール4間には、上下部ロール3,4と一定の距離を確保して管状樹脂吸着材2の両面にヒーター5を設け、ヒーター5はヒーターカバー6で覆って熱が逃げないようにしている。
プラスチックフィルムチューブ1の表面には、複数の真空口8を設け、プラスチックフィルムチューブ1全体を閉止空間状態にするため、真空口8にはバキュームパッド9を装着し、真空ポンプ10、真空計11を取り付けてコーティング前管状内の空気が抜き取れるようになっている。
【0011】
管状樹脂吸着材2は、上部ロール3及び下部ロール4の周りに往復動するようになっているため、真空ポンプ10、真空計11はその都度位置を変えているが、ヒーター5に接近したりヒーター5内部に入る際は真空口8を仮パッチ13で塞ぐようになっている。
図2は、本発明のコーティング前の材料構成を示したものであり、管状樹脂吸着材2を折り畳みその周囲をプラスチックフィルム1で覆っている。
図2のコーティング前の材料構成を詳しく示したのが図3、4である。
図3に示した通り、管状樹脂吸着材2は、幅方向の両側面を縫合して縫合部14とし、全体を管状にしている。
その管状樹脂吸着材2の外周を覆うのが図4に示すプラスチックフィルムチューブ1である。
【0012】
図5は、プラスチックフィルムチューブ1内へ管状樹脂吸着材2を引き込む状況を示す図である。図5に示す通り、プラスチックフィルムチューブ1を固定し、プラスチックフィルムチューブ1の外側に積み重ねてある管状樹脂吸着材2の1端をプラスチックフィルムチューブ1の自由端からウインチ16で引いて管状樹脂吸着材2をプラスチックフィルムチューブ1の中に引き込む。
図6は、図5に示す方法でプラスチックフィルムチューブ1内へ管状樹脂吸着材を引き込んだプラスチックフィルムチューブ1の断面を示すとともに、プラスチックフィルムチューブ1に所定の間隔で真空口8を設けた図である。
図7は、複数のロール17を示す概略図である。実施例では、50mmφ以下のロールを4本使用している。
図8は、本発明のプラスチックフィルムチューブ1の完成図である。
【0013】
次に、管ライニング材の製造方法について説明する。
まず、ポリエステルフェルト・グラスファイバー複合ポリエステルフェルトまたは職布複合ポリエステルフェルトの両端部を縫合又は接合し管状樹脂吸着材2を製造する。プラスチックフィルムチューブ1は、主としてポリエチレン・ポリアミドの複合インフレーションフィルムを使用する。そのプラスチックフィルムチューブ1内に管状樹脂吸着材2をけん引挿入し、コーティング前管状体とする。
次に、プラスチックフィルムチューブ1に設けられた複数の真空口8により、プラスチックフィルムチューブ1全体を閉止空間状態とする。真空口8にはバキュームパッド9を装着し、コーティング前管状内の空気を抜き取って真空圧が−0.6MPa以上になるようにする。 次いで、コーティング前管状体前後に配置されたヒーター5間を0.1m/min〜3.0m/minの速度で下方から上方にコーティング前管状体を移動させる。
【0014】
移動方向が逆の上方から下方でもよい。ヒーター通過中の真空口8は、粘着テープ等で仮止めしておき、ヒーターの先方と後方の真空口8には、真空パッド9を装着する。真空パッド9と真空計11用バキュームパッド9は、常に配置を変更して真空圧を確認する。
ヒーター5付近では、表面温度計により表面温度が130℃〜200℃以内であることを監視する。ヒーター5と上部ロール3及び下部ロール4の距離は、500mm以上とするが、ヒーター5によりロール温度が30℃以上上昇しないことが望ましい。ロール径は、50mmφ以上が好ましい。
他の方法として、50mmφ以下のロール17を複数個使用して曲率半径が大きいカーブとしてもよいが、曲げ半径Rは、100mm以上が好ましい。
【0015】
本発明によれば、コーティング前管状体前後に配置されたヒーター5間を移動させることにより、全面均一加熱が可能となり、温度コントロールが容易、良好なコーティングが可能である。
【符号の説明】
【0016】
1 プラスチックフィルム(チューブ)
2 管状樹脂吸着材
3 上部ロール
4 下部ロール
5 ヒーター
6 ヒーターカバー
7 電気ケーブル
8 真空口
9 バキュームパッド
10 真空ポンプ
11 真空計
12 バキュームホース
13 仮パッチ
14 縫合部
15 けん引ロープ
16 ウインチ
17 ロール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8