【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 〔販売日〕 平成29年11月17日 〔販売した場所〕 株式会社ホームロジスティクス(大阪府茨木市彩都あかね2−1 プロロジスパーク茨木3階西事務所)
【解決手段】連結コンベヤ51は、水平方向に走行する走行台車50と第5コンベヤ3eとを連結するものであって、第3コンベヤ3cと、第4コンベヤ3dと、第1接続部材41と、車輪47A、47Bと、レール45とを備えている。第1接続部材41は、第3コンベヤ3cと第4コンベヤ3dの端部同士を接続している。車輪47A、47Bは、第3コンベヤ3cと第4コンベヤ3dの少なくとも一方に設けられており、第3コンベヤ3cと第4コンベヤ3dの荷重を支持している。レール45は、走行台車50の移動に連動して移動し、第1方向に延在し車輪47A、47Bと接する接地面45aを有する。
前記支持部は、前記支持部が設けられている前記第1コンベヤ構造又は前記第2コンベヤ構造において、前記第1接続部材が設けられている側の端部の下方に設置されている、請求項1に記載の連結コンベヤ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バンニング・デバンニング装置は、例えば、走行台車と、走行台車に連結された複数のコンベヤとを有している。複数のコンベヤ同士は互いに連結されている。しかし、コンベヤは下部同士が連結されているので、装置が平坦面から斜面に移動するときにコンベヤ間に段差が発生してしまう。
また、たとえ上記のコンベヤ間の段差を解消したとしても、装置が平坦面から傾斜面を上がっていくとき又は下がっていくとき、複数のコンベヤ同士の角度が大きくなることが予想される。具体的には、傾斜面を上がっていくときはコンベヤの搬送面同士が前後に接近してしまい、傾斜面を下がっていくときはコンベヤの搬送面同士が前後に離れてしまう。前者の場合は搬送面同士が衝突し、後者の場合は小さな荷物を搬送できなくなる。
【0005】
本発明の目的は、連結コンベヤにおいて、コンベヤ同士を段差が発生しないように連結した上で、傾斜面を走行するときのコンベヤ同士間の傾斜角度を小さくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0007】
本発明の一見地に係る連結コンベヤは、水平方向に走行する走行台車と後続コンベヤとを連結する連結コンベヤであって、第1コンベヤ構造と、第2コンベヤ構造と、第1接続部材と、支持部と、支承部とを備えている。
第1コンベヤ構造は、走行台車に接続する。
第2コンベヤ構造は、第1コンベヤ構造と後続コンベヤとを互いに接続する。
第1接続部材は、第1コンベヤ構造と第2コンベヤ構造の端部同士を、走行台車の移動方向である第1方向と水平方向において直交する第2方向に平行な軸を中心に回動自在に接続する。
支持部は、第1コンベヤ構造と第2コンベヤ構造の少なくとも一方に設けられており、第1コンベヤ構造と第2コンベヤ構造の荷重を支持している。支持部は、下面に配置された被支持面を有している。
支承部は、走行台車の移動に連動して移動し、第1方向に延在し支持部の被支持面と接する接地面を有する。
被支持面は、例えば、車輪、固定の湾曲部である。
支承部は、例えば、走行台車に連結されていてもよいし、連結されておらず後続コンベヤにより押されて移動する構造であってもよい。
このコンベヤでは、走行台車が斜面を走行することで後続のコンベヤと高さが異なった場合でも、第1コンベヤ構造と第2コンベヤ構造は端部同士が回動自在に連結されているので、両コンベヤ構造の荷搬送面間に段差が生じにくい。さらに、支持部が接地面に支持されながらその上を移動するので、第2コンベヤ構造の第1コンベヤ構造に対する傾斜角度が小さいままで維持される。
なお、上記の構成とすることで、走行台車が斜面を走行するときに走行台車に対する第1コンベヤ構造の角度が急になるが、この角度は荷が傾いたり倒れたりする程度であれば問題がない。また、上記角度が急になっても、その分、第1コンベヤ構造と第2コンベヤ構造の角度、及び第2コンベヤ構造と後続コンベヤの角度が小さくなる。したがって、荷詰まりが防止できる。
【0008】
支持部は、支持部が設けられている第1コンベヤ構造又は第2コンベヤ構造において、第1接続部材が設けられている側の端部の下方に設置されていてもよい。
この場合、支持部が第1接続部材の近傍に設けられているので、走行台車が斜面を走行することで後続のコンベヤと高さが異なった場合でも、第2コンベヤ構造の第1コンベヤ構造に対する傾斜角度が十分に小さいままで維持される。
【0009】
連結コンベヤは、支承部を走行台車に対し回動自在に接続する第2接続部材をさらに備えていてもよい。
第2接続部材は、例えば、チェーンのような紐材、ピン支持構造である。
この場合、支承部が走行台車に対して異なる角度になるように傾くことができる。つまり、支承部に対する走行台車の高さに応じて、支承部が第1コンベヤ構造と第2コンベヤ構造の角度を変更できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る連結コンベヤでは、連結コンベヤが傾斜面を走行するときのコンベヤ同士の傾斜角度を小さくできる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.第1実施形態
(1)バンニング・デバンニング装置の基本構成
図1及び
図2を用いて、バンニング・デバンニング装置1(以下、「装置1」とする)を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るバンニング・デバンニング装置の側面図である。
図2は、バンニング・デバンニング装置の斜視図である。
以下の説明においては、装置1の長さ方向を第1方向(矢印X)、幅方向を第2方向(矢印Y)、高さ方向を第3方向(矢印Z)と定義する。また、第1方向に延びる軸をX軸とし、第2方向に延びる軸をY軸とし、第3方向に延びる軸をZ軸とする。
【0013】
装置1は、例えばコンテナから荷を降ろす(デバンニング)、又は例えばコンテナに荷物を積む(バンニング)ために用いられる。したがって、荷のデバンニング及び/又はバンニングするために、装置1はコンテナの配置位置まで移動させられる。
装置1は、主に、コンベヤ3と、作業台5と、走行部7とを備える。
【0014】
(2)コンベヤ
コンベヤ3は、荷を上面に載せた状態で荷物投入部から荷物排出部まで搬送する装置である。以下、説明の簡略化のため、コンベヤ3の搬送方向上流側を前側とし、搬送方向下流側を後側とする。なお、上記の説明はデバンニング動作における説明であり、バンニング動作であれば搬送方向の上流と下流が逆になる。
コンベヤ3は、複数のコンベヤから構成されている。具体的には、コンベヤ3は、第1方向に並んで配置された、第1コンベヤ3aと、第2コンベヤ3bと、第3コンベヤ3cと、第4コンベヤ3dと、第5コンベヤ3eとを有している。第1コンベヤ3aはモータによって駆動されるベルトコンベヤである。第2〜第5コンベヤ3b〜3eはフリーローラのローラコンベヤである。なお、これらコンベヤは駆動コンベヤでもよい。
【0015】
第1コンベヤ3aは、デバンニング動作において作業者が荷物を置くための荷物投入部である。第1コンベヤ3aは、バンニング又はデバンニングを行うときに、例えば、コンテナ、トラックの内部又は近傍に配置される。
第1コンベヤ3aの荷搬送面は、コンベヤ駆動部(図示せず)により後側に移動させられる。
【0016】
第1コンベヤ3aの後端は、走行部7に対して、Y軸回りに回動可能に装着されている。さらに、第1コンベヤ3aを回動させるコンベヤ昇降部(図示せず)が設けられている。コンベヤ昇降部は、第1コンベヤ3aの先端を昇降する公知技術であり、昇降モータ、複数のギヤからなる回動駆動部などを有している。
また、第1コンベヤ3aの後端は、走行部7に対して、Z軸回りに回動可能に装着されている。より詳細には、前述のコンベヤ昇降部(図示せず)の各種構造が、走行部7に対してZ軸回りに回動可能になっている。
これにより、作業者は、第1コンベヤ3aの先端を上下左右の所望の位置に移動させることができる。
【0017】
第2コンベヤ3bは、第1コンベヤ3aの後側に設けられている。第1コンベヤ3aと第2コンベヤ3bとの間には、第1コンベヤ3aの後端と第2コンベヤ3bとを架け渡すための第1追加コンベヤ3fが設けられている。これにより、第1コンベヤ3aの荷搬送面と第2コンベヤ3bの荷搬送面とを、小さな段差で、つまり荷搬送面が連続するように接続できる。
【0018】
第3コンベヤ3c(第1コンベヤ構造の一例)は、走行部7の上部後端にY軸回りに回動可能に連結されている。具体的には、第3コンベヤ3cは、その前端と第2コンベヤ3bの後端との間に生じる隙間及び段差が小さくなるように、すなわち、第2コンベヤ3bの後端と第3コンベヤ3cの前端との距離が最小限となるように、走行部7の上部後端に連結されている。具体的には、第3コンベヤ3cの前端の荷搬送面の近傍(第3コンベヤ3cの前端の直下)において走行部7に連結することで、第2コンベヤ3bの後端と第3コンベヤ3cの前端との距離が小さくなる。なお、第3コンベヤ3cの後端は、第1台車13の上部によって第1方向に相対移動可能になるように支持されている(後述)。
第1台車13は、前輪13aと後輪13bとを有し、後輪13bのみが走行面Fに接触している。これにより、第3コンベヤ3cの後端を、走行面Fから第1台車13の高さ分だけ高い位置に配置できる。なお、前輪13aが走行面Fに接地していてもよい。
【0019】
また、第1台車13は、走行部7の下部後端において、第2接続部材17(第2接続部材の一例)によって、Y軸回りに回動可能に連結されている。具体的には、第2接続部材17は、ピン支持構造である。
第1台車13は、レール45(支承部の一例)を有している。レール45は、走行台車50(後述)の移動に連動して移動する。レール45は、
図4に示すように、第1方向に延在し、接地面45aを有している。レール45は、直線状に延びており、第3コンベヤ3c及び第4コンベヤ3dの連結部の下方に位置している。
図1の状態では、レール45は、後側が前側より低くなるように傾斜している。
上記の構造により、走行部7と第1台車13の設置位置の高さの違いに応じて、レール45の角度が異なるようにレール45が傾くことができる。
【0020】
第4コンベヤ3d(第2コンベヤ構造の一例)は、前端が第1台車13の上部に支持されている。具体的には、第4コンベヤ3dの前端は、第1台車13の上部によって第1方向に相対移動可能になるように支持されている(後述)。
第4コンベヤ3dの前端は、第1接続部材41により第3コンベヤ3cの後端に連結されている。これにより、第4コンベヤ3dの前端と第3コンベヤ3cの後端との距離が最小限となるように、つまり、第3コンベヤ3cの荷搬送面と第4コンベヤ3dの荷搬送面との間に生じる段差及び隙間を最小限にできる。
【0021】
図3〜
図5を用いて、第3コンベヤ3cと第4コンベヤ3dの連結を詳細に説明する。
図3は、第3コンベヤと第4コンベヤの連結部の模式的側面図である。
図4は、斜面走行時の連結部の模式的拡大側面図である。
図5は、第3コンベヤと第4コンベヤの連結部の模式的正面図である。
第1接続部材41(第1接続部材の一例)は、第3コンベヤ3cと第4コンベヤ3dの端部同士を、Y軸回りに回動自在に接続する。具体的には、第1接続部材41は、第3コンベヤ3cと第4コンベヤ3dそれぞれに対して回動自在であり、かつ、第3コンベヤ3cの移動に応じて第4コンベヤ3dを移動させる(前進時は第4コンベヤ3d牽引し、後退時は第4コンベヤ3dを押す)機能を有している。
さらに具体的には、第1接続部材41は、フック部材である。第1接続部材41は、一端が第3コンベヤ3cの軸43に回動自在に支持され、他端が係合端として第4コンベヤ3dの軸44に回動自在に係合する。これにより、第3コンベヤ3cの後端と第4コンベヤ3dの前端は所定距離だけ離れた近接状態で、Y軸回りに回動自在に互いに係合している。
第1接続部材41には、第1接続部材41の係合端が軸44から外れないように係止する止め部材(図示せず)が設けられている。止め部材が取り外されると、第1接続部材41を第4コンベヤ3dから外すことができ、その結果、第4コンベヤ3dを第3コンベヤ3cから離脱できる。なお、第1接続部材41は軸43に対しても取り外し可能に係合してもよい。
【0022】
第3コンベヤ3cと第4コンベヤ3d両方の下面には、車輪47A及び車輪47B(車輪支持部の一例)が、それぞれ設けられている。車輪47A及び車輪47Bは、第3コンベヤ3cと第4コンベヤ3dの荷重を支持しており、レール45の接地面45aに接地している。車輪47A及び車輪47Bは、第3コンベヤ3c又は第4コンベヤ3dにおいて、第1接続部材41が設けられている側の端部の下方に設置されている。つまり、車輪47A及び車輪47Bは、第3コンベヤ3c又は第4コンベヤ3dの互いに近接する端部の下方に設置されている。なお、車輪47A及び車輪47Bは、第3コンベヤ3c又は第4コンベヤ3dの互いに近接する端部の下方ではなくても、端部近傍の下方に設置されていればよい。
さらに具体的には、
図5に示すように、車輪47Aは、第2方向に離れた位置に設けられた一対の部材であって、第2方向に延びるプレート48に装着されている。車輪47Bは、第2方向に離れた位置に設けられた一対の部材であって、第2方向に延びるプレート49に装着されている。車輪47Aと車輪47Bの第2方向位置は一致している。
【0023】
なお、前述した一致する位置に、車輪47Aと車輪47B用のレールが接地面として設けられていてもよい。
また、支承部は、第1方向に互いに対向して設けられた車輪だけでなく、第2方向に対して異なる位置に設けられた車輪を支持するような接地面を有していてもよい。
さらに、車輪47Aと車輪47Bは、
図4に示すように、互いに第1方向に近接するように斜めに延びている。このような構造により、プレートの位置によらず、車輪をコンベヤの端部の下方に位置させることができる。
【0024】
第1方向(走行方向)における車輪47Aと車輪47Bの車輪間の距離は、下記の様に定められている。一例として、最少距離としては、装置1がトラック内に進入する際、例えば山となる部分(例えば、後述する高い平面F3と傾斜面F2の段差)を上るときに、第3コンベヤ3c及び第4コンベヤ3dが山形状になるが、その時に互いに干渉しない距離であることが好ましい。なお、上記距離は長くなるほど、第3コンベヤ3c及び第4コンベヤ3dに角度がついた場合に、第3コンベヤ3c及び第4コンベヤ3dの段差は大きくなる。
【0025】
第5コンベヤ3eは、作業者が荷を取り出すための荷物排出部である。
図1及び
図2に示すように、第5コンベヤ3eは、第2台車15の上部に設けられている。第2台車15は、走行面Fに接触した前輪15a及び後輪15bを有している。第5コンベヤ3eは、第2台車15に設けられた接続部材(図示せず)により、第4コンベヤ3dの後端と接続される。
第4コンベヤ3dの後端には、第2追加コンベヤ3g(追加コンベヤ構造の一例)が接続されている。具体的には、第4コンベヤ3dの後端には、第2追加コンベヤ3gの前端がY軸回りに回動可能に連結されている。第4コンベヤ3dの後端が第2台車15に接続された状態では、第2追加コンベヤ3gの後端が、垂れ下がった状態で、第5コンベヤ3eの荷搬送面に接触している。これにより、第4コンベヤ3dの荷搬送面と第5コンベヤ3eの荷搬送面とを、小さな段差で、つまり荷搬送面が連続して接続できる。
第5コンベヤ3eは、第2方向において第4コンベヤ3dより幅が広い。したがって、第4コンベヤ3dが第5コンベヤ3eに対して第2方向に変位していても、荷は第4コンベヤ3dから第5コンベヤ3eに確実に受け渡される。つまり、荷が落下しにくい。
【0026】
(3)作業台
作業台5は、第1コンベヤ3aの下方に配置された、作業者が乗ることが可能なリフタである。作業者が作業台5の上に乗ることで、荷物を第1コンベヤ3aに載せることができる。
作業台5は、第2方向に長く延びており、そのため第1コンベヤ3aが作業台5の第2方向中央位置付近にある場合は、作業者は第1コンベヤ3aの第2方向のいずれの側にも立つことができる。
【0027】
作業台5は、作業者が荷物をコンベヤ3に積み込むときに、第1コンベヤ3aの位置に合わせて上下方向に移動可能である。そのための構造として、作業台5は、走行部7に対して、作業台昇降部(図示せず)によって接続されている。作業台昇降部は、作業台5を昇降駆動する公知の技術であって、シリンダ、駆動方向変換機構などを有している。これにより、作業者は、作業台5を上下の所望の位置に移動させることができる。
【0028】
(4)走行部
走行部7は、走行面F上を走行する走行装置である。本実施形態において、走行部7は、操作装置(図示せず)の操作により走行方向を変更可能となっている。
また、走行部7は、第1コンベヤ3a及び第2コンベヤ3bを搭載し、後端部に第3コンベヤ3c及び第1台車13を連結する。さらに、第2台車15が第1台車13に支持された第4コンベヤ3dに接続されている。
これにより、走行部7が走行面Fを走行すると共に、走行部7に連結された第1台車13及び第2台車15が走行部7の走行に従って移動することにより、装置1は、第1コンベヤ3a〜第5コンベヤ3eを移動できる。
【0029】
(5)連結コンベヤの構成
第3コンベヤ3cと、第4コンベヤ3dと、第1台車13と、レール45とによって、連結コンベヤ51が構成されている。連結コンベヤ51は、
図3及び
図4に示すように、水平方向に走行する走行部7、第1コンベヤ3a、第2コンベヤ3bなどからなる走行台車50に連結する。連結コンベヤ51の後端には、
図3に示すように、第5コンベヤ3e、さらに後続のコンベヤを接続可能である。
(6)走行動作
図6〜
図9を用いて、装置1の走行動作を説明する。
図6〜
図9は、斜面走行時のバンニング・デバンニング装置の一状態を示す模式的側面図である。
走行面Fは、低い平面F1、傾斜面F2、及び高い平面F3を有している。傾斜面F2は低い平面F1と高い平面F3との間にある。以下、装置1が低い平面F1、傾斜面F2、高い平面F3の順番で移動していく動作を説明する。
図6では、走行部7の前部のみが、走行面Fの傾斜面F2を超えて高い平面F3に位置している。
【0030】
図7では、走行部7の全体が、走行面Fの傾斜面F2を超えて高い平面F3に位置している。ここでは、走行台車50と連結コンベヤ51との折り曲げ角度が大きくなっているが、
図4に示すように、第3コンベヤ3cと第4コンベヤ3dとの接続部分はレール45によって高い位置に支持されている。したがって、第3コンベヤ3cと第4コンベヤ3dの折り曲げ角度が小さく維持されている。なお、折り曲げ角度は11度未満であることが好ましい。
図8では、第1台車13の後輪13bが傾斜面F2上に位置している。この場合も、
図7の説明と同様に、レール45によって、第3コンベヤ3cと第4コンベヤ3dの折り曲げ角度が小さく維持されている。
図9では、第1台車13の後輪13bが高い平面F3に位置している。
つまり、レール45及び第1台車13に対する走行台車50の高さに応じて、レール45の高さ及び角度が変更され、それにより第3コンベヤ3cと第4コンベヤ3dの角度を小さく維持できる。
【0031】
上記のように、装置1が傾斜を有する走行面F上を走行する際に、第1台車13が走行部7の下部後端においてY軸回りに回動し、第3コンベヤ3cが走行部7の上部後端においてY軸回りに回動する。このときに、第3コンベヤ3cの後端が第1台車13に対して第1方向に相対移動することで、第1台車13及び第3コンベヤ3cはスムーズに回動できる。
さらに、第4コンベヤ3dと第3コンベヤ3cは端部同士が回動自在に連結されているので、両者の間に段差が生じにくい。さらに、車輪47A及び車輪47Bがレール45の接地面45aに支持されながらその上を移動するので、第4コンベヤ3dの第3コンベヤ3cに対する傾斜角度が小さいままで維持される。
【0032】
さらに、
図3〜5に示すように、車輪47A及び車輪47Bが第3コンベヤ3c又は第4コンベヤ3dにおいて、第1接続部材41が設けられている側の端部の下方に設置されているので、第4コンベヤ3dの第3コンベヤ3cに対する傾斜角度が十分に小さいままで維持される。
なお、上述の傾斜角度を十分に小さくできる理由は、下記の2点である。第1に、走行台車50と第5コンベヤ3eの間で、第3コンベヤ3c及び第4コンベヤ3dを支持できるからである。本実施形態と異なって第1台車13がなければ、第3コンベヤ3c及び第4コンベヤ3dが一体のコンベヤとなり、第5コンベヤ3eに対する角度が急になってしまう。また、荷の搬送速度も高くなる。第2に、第2接続部材17によって、第1台車13を走行台車50と異なる角度にできるからである。
【0033】
2.実施形態の特徴
上記実施形態は下記の様にも説明できる。
連結コンベヤ(例えば、連結コンベヤ51)は、水平方向に走行する走行台車(例えば、走行台車50)と後続コンベヤ(例えば、第5コンベヤ3e)とを連結するものであって、第1コンベヤ構造(例えば、第3コンベヤ3c)と、第2コンベヤ構造(例えば、第4コンベヤ3d)と、第1接続部材(例えば、第1接続部材41)と、支持部(例えば、第1台車13)と、支承部(例えば、レール45)とを備えている。
第1コンベヤ構造は、走行台車に接続する。
第2コンベヤ構造は、第1コンベヤ構造と後続コンベヤとを互いに接続する。
第1接続部材は、第1コンベヤ構造と第2コンベヤ構造の上部同士を、第2方向に平行な軸(例えばY軸)を中心に回動自在に接続する。
支持部は、第1コンベヤ構造と第2コンベヤ構造の少なくとも一方に設けられており、第1コンベヤ構造と第2コンベヤ構造の荷重を支持している。支持部は、下面に配置された被支持面(例えば、車輪の周面)を有している。
支承部は、走行台車の移動に連動して移動し、第1方向に延在し支持部の支持面と接する接地面(例えば、接地面45a)を有する。
【0034】
このコンベヤでは、走行台車が後続のコンベヤより高くなった場合でも、第1コンベヤ構造と第2コンベヤ構造は上部同士が回動自在に連結されているので、両コンベヤ構造の荷搬送面間に段差が生じにくい。さらに、支持部の被支持面が接地面に支持されながらその上を移動するので、第2コンベヤ構造の第1コンベヤ構造に対する傾斜角度が小さいままで維持される。
【0035】
3.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施例及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
本実施形態の連結コンベヤが設けられる位置は限定されない。例えば、実施例の連結コンベヤの下流にさらなる連結コンベヤを設けてもよい。
連結コンベヤは、バンニング・デバンニング装置以外の装置に用いることができる。
第1連結部材の構造は前記実施形態と異なっていてもよい。
車輪の代わりに、支持部として湾曲摺動面が第3コンベヤ又は第4コンベヤの下部に設けられていてもよい。このように車輪を含めた支持部を曲面としているので、第3コンベヤ及び第4コンベヤが上下に回動しても支持部が支承部の接地面に対して追従できる。
【0036】
車輪の数や第2方向の位置は特に限定されない。
車輪は、第3コンベヤ及び第4コンベヤの一方のみに設けられていてもよい。
第1台車は、走行部に対してロープなどの部材によって連結されてもよい。
第1台車は、走行部に連結されず、後ろから他の装置(例えば、第2台車)によって押されて前進する構造でもよい。
レールは湾曲面を有していてもよい。