【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 〔販売日〕 平成29年11月17日 〔販売した場所〕 株式会社ホームロジスティクス(大阪府茨木市彩都あかね2−1 プロロジスパーク茨木3階西事務所)
【解決手段】連結コンベヤ21は、水平方向に走行する走行台車20に連結する連結コンベヤであって、第4コンベヤ3dと、第5コンベヤ3eと、二重スライド装置23とを備えている。第4コンベヤ3dは、第1方向に延在して荷を第1方向に搬送する装置である。第4コンベヤ3dは、走行台車20に連結する前側端を有している。第5コンベヤ3eは、第4コンベヤ3dの下方に位置し、第4コンベヤ3dの後側端と平面視で一部が重なる。第5コンベヤ3eは、少なくとも第4コンベヤ3d側が、第1方向に交差して水平方向に延びる第2方向において第4コンベヤ3dより幅が広い。二重スライド装置23は、高さ方向において第4コンベヤ3dと第5コンベヤ3eの間に配置され、第2方向に延在するリニアガイド25と、第4コンベヤ3dを支持する車輪構造29と、を有する。
前記リニアガイドは、平面視において第2方向の一方に位置する前記第1コンベヤ装置の端部と前記第2コンベヤ装置の端部が重なり、かつ第2方向の他方に位置する前記第1コンベヤ装置の端部と前記第2コンベヤ装置の端部が重なる位置まで第2方向に移動できるような長さを有する、請求項1又は2に記載の連結コンベヤ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バンニング・デバンニング装置は、例えば、走行台車と、走行台車に連結された複数のコンベヤとを有している。複数のコンベヤ同士は互いに連結されている。
従来の装置では、走行台車は、例えば、走行中に操舵されると、全体が蛇行しながら走行する。そのとき、コンベヤ同士の連結部に大きな応力が発生し、そのため連結部が破損することが予想される。
【0005】
本発明の目的は、連結コンベヤにおいて、走行台車が蛇行した時に連結コンベヤの連結部に発生する応力を小さくすることで、コンベヤ同士の連結部の破損を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0007】
本発明の一見地に係る連結コンベヤは、水平方向に走行する走行台車に連結する連結コンベヤであって、第1コンベヤ装置と、第2コンベヤ装置と、接続構造とを備えている。
第1コンベヤ装置は、第1方向に延在して荷を第1方向に搬送する装置である。第1コンベヤ装置は、走行台車に連結する第1方向第1端部を有している。
第2コンベヤ装置は、第1コンベヤ装置の下方に位置し、第1コンベヤ装置の第1方向第2端部と平面視で一部が重なる。第2コンベヤ装置は、少なくとも第1コンベヤ装置側が、第1方向に交差して水平方向に延びる第2方向において第1コンベヤ装置より幅が広い。
接続構造は、高さ方向において第1コンベヤ装置と第2コンベヤ装置の間に配置され、第2方向に延在して第1コンベヤ装置を第2コンベヤ装置に対して第2方向に移動可能に支持するリニアガイドと、支持面を有しており第1コンベヤ装置を支持する支持部と、を有する。
支持部は、例えば、車輪、固定の湾曲部である。
この場合、第1コンベヤ装置と第2コンベヤ装置がリニアガイドによって互いに対して第2方向に移動できるので、両コンベヤ装置が蛇行する際に、両コンベヤ装置の連結部に大きな応力が発生しない。
さらに、第2コンベヤ装置の少なくとも第1コンベヤ装置側の幅が第1コンベヤ装置の幅より広くなっているので、第1コンベヤ装置が第2コンベヤ装置の第2方向中心位置に対してずれたとしても、荷を第1コンベヤ装置から第2コンベヤ装置に確実に受け渡せる。
さらに、第1コンベヤ装置と第2コンベヤ装置が上下に重なって配置されているので、第1コンベヤ装置を支持部を介して第1方向に移動させると、第2コンベヤ装置との重なり面積を広くできる。つまり、収納状態では、連結コンベヤは第1方向に対してコンパクトになる。なお、収納状態とは、第1コンベヤ装置と走行台車との連結を解除してから、第1コンベヤ装置を第2コンベヤ装置側に移動させた状態である。
【0008】
第2コンベヤ装置は、第1コンベヤ装置側において、第2方向に並ぶ第1搬送部と第2搬送部を有していてもよい。
第1搬送部の搬送方向と第2搬送部の搬送方向は、各々、第1コンベヤ装置から離れる側に行くに従って互いに近づくように交差していてもよい。
この場合、第1搬送部及び第2搬送部によって、荷は第2コンベヤ装置の中心側に確実に移動させられる。したがって、第2コンベヤ装置の搬送方向下流側に接続されるコンベヤ装置の幅が第2コンベヤ装置の幅より狭くても、荷は第2コンベヤ装置から後続のコンベヤ装置に確実に受け渡される。
【0009】
リニアガイドは、平面視において第2方向の一方に位置する第1コンベヤ装置の端部と第2コンベヤ装置の端部が重なり、かつ第2方向の他方に位置する第1コンベヤ装置の端部と第2コンベヤ装置の端部が重なる位置まで第2方向に移動できるような長さを有していてもよい。
この場合、第1コンベヤ装置が第2方向に大きく変位しても、第2方向において、第2コンベヤ装置から外れた位置に第1コンベヤ装置が位置しないので、第1コンベヤ装置から第2コンベヤ装置への荷の受け渡し時に荷が落下することを防止できる。さらに、上記の効果を達成しながら、その範囲内で第1コンベヤ装置の移動量を大きくすることで、連結装置全体の蛇行量が大きくても、接続構造に発生する応力を小さくできる。
【0010】
リニアガイドは、第1コンベヤ装置と接続し、下方に前述の支持部が設けられていてもよい。
第2コンベヤ装置は、第1方向に延在し支持部の支持面を下方から支持する下方支持面を有していてもよい。
この場合、第1コンベヤ装置及びリニアガイドは、第2コンベヤ装置によって支持されながら第1方向に移動できる。
この場合、リニアガイドを支持部及び下方支持面を介して第2コンベヤ装置に対して移動させることでで、第1コンベヤ装置を第2コンベヤ装置に重ねて配置できる。つまり、収納状態において連結コンベヤをコンパクトにできる。
【0011】
連結コンベヤは、追加コンベヤ装置と、移動規制部と、ストッパとをさらに備えていてもよい。
追加コンベヤ装置は、第1コンベヤ装置の第2コンベヤ装置側の端部に接続されている。
移動規制部は、第2コンベヤ装置の第1コンベヤ装置から離れる側の端部に設けられている。
ストッパは、第1コンベヤ装置が第2コンベヤ装置に対して後側に移動すると、第1コンベヤ装置の移動を停止する部材である。
移動規制部は、第1コンベヤ装置の移動が停止した状態になると、第2方向視において追加コンベヤ装置と移動規制部が重なる位置に設けられている。
この場合、連結コンベヤの収納状態において、第1コンベヤ装置が第2コンベヤ装置に対して第2方向に移動するのを制限する作業が簡単になる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る連結コンベヤでは、走行台車が蛇行した時に連結部分に発生する応力を小さくでき、そのためコンベヤ同士の連結部が破損しにくい。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.第1実施形態
(1)バンニング・デバンニング装置の基本構成
図1及び
図2を用いて、バンニング・デバンニング装置1(以下、「装置1」とする)を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るバンニング・デバンニング装置の側面図である。
図2は、バンニング・デバンニング装置の斜視図である。
以下の説明においては、装置1の長さ方向を第1方向(矢印X)、幅方向を第2方向(矢印Y)、高さ方向を第3方向(矢印Z)と定義する。また、第1方向に延びる軸をX軸、第2方向に延びる軸をY軸、第3方向に延びる軸をZ軸と定義する。
【0015】
装置1は、例えばコンテナから荷を降ろす(デバンニング)、又は例えばコンテナに荷を積む(バンニング)ために用いられる。したがって、荷のデバンニング及び/又はバンニングするために、装置1はコンテナの配置位置まで移動させられる。
装置1は、主に、コンベヤ3と、作業台5と、走行部7とを備える。
【0016】
(2)コンベヤ
コンベヤ3は、荷を上面に載せた状態で荷投入部から荷排出部まで搬送する装置である。以下、説明の簡略化のため、装置1がデバンニング装置として用いられる場合を説明する。この場合、コンベヤ3の搬送方向上流側を前側とし、搬送方向下流側を後側とする。
コンベヤ3は、複数のコンベヤから構成されている。具体的には、コンベヤ3は、第1方向に並んで配置された、第1コンベヤ3aと、第2コンベヤ3bと、第3コンベヤ3cと、第4コンベヤ3dと、第5コンベヤ3eとを有している。第1コンベヤ3aは、モータによって駆動されるベルトコンベヤである。第2〜第5コンベヤ3b〜3eは、フリーローラのローラコンベヤである。ただし、これらコンベヤはモータによって駆動されてもよい。
【0017】
第1コンベヤ3aは、デバンニング動作時に作業者が荷を置くための荷投入部である。第1コンベヤ3aは、バンニング又はデバンニングを行うときに、例えば、コンテナ、トラックの内部又は外側に配置される。
第1コンベヤ3aの荷搬送面は、モータ等のコンベヤ駆動部(図示せず)により後側に移動させられる。
【0018】
第1コンベヤ3aの後端は、走行部7に対して、Y軸回りに回動可能に装着されている。さらに、第1コンベヤ3aを回動させるコンベヤ昇降部(図示せず)が設けられている。コンベヤ昇降部は、第1コンベヤ3aの先端を昇降する公知技術であり、昇降モータ、複数のギヤからなる回動駆動部などを有している。
また、第1コンベヤ3aの後端は、走行部7に対して、Z軸回りに回動可能に装着されている。より詳細には、前述のコンベヤ昇降部の各種構造が、走行部7に対してZ軸回りに回動可能になっている。
これにより、作業者は、第1コンベヤ3aの先端を上下左右の所望の位置に移動させることができる。
【0019】
第2コンベヤ3bは、第1コンベヤ3aの後側に設けられている。第1コンベヤ3aと第2コンベヤ3bとの間には、第1コンベヤ3aの後端と第2コンベヤ3bとを架け渡すための第1追加コンベヤ3fが設けられている。これにより、第1コンベヤ3aの荷搬送面と第2コンベヤ3bの荷搬送面とを小さな段差で接続できる。
【0020】
第3コンベヤ3cは、走行部7の上部後端にY軸回りに回動可能に連結されている。具体的には、第3コンベヤ3cは、その前端と第2コンベヤ3bの後端との間に生じる隙間及び段差が小さくなるように、すなわち、第2コンベヤ3bの後端と第3コンベヤ3cの前端との距離が最小限となるように、走行部7の上部後端に連結されている。さらに詳細には、第3コンベヤ3cの走行部7に連結された位置が第3コンベヤ3cの前端の搬送面の近傍(第3コンベヤ3cの前端の直下)であるので、第2コンベヤ3bの後端と第3コンベヤ3cの前端との距離が小さくなる。
第3コンベヤ3cの後端は、第1台車13の上部に支持されている。第1台車13は、前輪13aと後輪13bとを有し、後輪13bが走行面Fに接触している。これにより、第3コンベヤ3cの後端を、走行面Fから第1台車13の高さ分だけ高い位置に配置できる。
【0021】
また、第1台車13は、走行部7の下部後端においてY軸回りに回動可能に連結されている。さらに、第3コンベヤ3cの後端は、第1台車13に対して第1方向に相対移動可能である。
このような構成により、例えば、装置1が傾斜を有する走行面F上を走行する際に、第1台車13が走行部7の下部後端においてY軸回りに回動し、第3コンベヤ3cは走行部7の上部後端においてY軸回りに回動する。このときに、第3コンベヤ3cの後端が第1台車13に対して第1方向に相対移動することで、第1台車13及び第3コンベヤ3cはスムーズに回動できる。
【0022】
第4コンベヤ3d(第1コンベヤ装置の一例)は、前端が第1台車13の上部に支持されている。具体的には、第1台車13の上部において、第4コンベヤ3dの前端は、連結部材(例えば、フック)により第3コンベヤ3cの後端に連結されている。これにより、第4コンベヤ3dの前端と第3コンベヤ3cの後端との距離が最小限に、つまり第3コンベヤ3cの荷搬送面と第4コンベヤ3dの荷搬送面との間の段差及び隙間を最小限にできる。
また、第4コンベヤ3dの前端は、第1台車13によって下方から支持された状態において第1方向に相対移動可能である。
【0023】
第5コンベヤ3e(第2コンベヤ装置の一例)は、デバンニング動作時に作業者が荷を取り出すための荷排出部である。
図1及び
図2に示すように、第5コンベヤ3eは、第2台車15の上部に設けられている。第2台車15は、走行面Fに接触した前輪15a及び後輪15bを有している。第5コンベヤ3eは、第2台車15に設けられた二重スライド装置23(後述)により、第4コンベヤ3dの後端と接続される。
第4コンベヤ3dの後端には、第2追加コンベヤ3g(追加コンベヤ装置の一例)が接続されている。具体的には、第4コンベヤ3dの後端には、第2追加コンベヤ3gの前端がY軸回りに回動可能に連結されている。第4コンベヤ3dの後端が第2台車15に接続された状態では、第2追加コンベヤ3gの後端が、自重で垂れ下がった状態で、第5コンベヤ3eの荷搬送面に接触している。これにより、第4コンベヤ3dの荷搬送面と第5コンベヤ3eの荷搬送面とを小さな段差で接続できる。
【0024】
第5コンベヤ3eは、第2方向において第4コンベヤ3dより幅が広い。具体的には、第5コンベヤ3eの幅は、第4コンベヤ3dの幅の1.3〜1.7倍である。なお、先の数値は一例であって、これに限定されない。したがって、第4コンベヤ3dが第5コンベヤ3eに対して第2方向に変位していても、荷は第4コンベヤ3dから第5コンベヤ3eに確実に受け渡される。つまり、荷が落下することはない。
第5コンベヤ3eの後側には、第2方向移動規制部31(移動規制部の一例)が設けられている。具体的には、第2方向移動規制部31は、第5コンベヤ3eが設けられた第2台車15における第4コンベヤ3d側の端部において、第2方向両側に配置された一対の部材である。
図7〜
図9に示すように連結コンベヤ21が収納状態になると、第2方向における一対の第2方向移動規制部31の間に第2追加コンベヤ3gの後端が自重で垂れ下がった状態で入り込み、それにより第4コンベヤ3dの第5コンベヤ3eに対する第2方向への移動が所定範囲内に制限される。
【0025】
(3)作業台
作業台5は、第1コンベヤ3aの下方に配置された、作業者が乗ることが可能なリフタである。作業者が作業台5の上に乗ることで、荷を第1コンベヤ3aに載せることができる。
作業台5は、第2方向に長く延びており、そのため第1コンベヤ3aが作業台5の第2方向中央位置付近にある場合は、作業者は、第1コンベヤ3aの第2方向のいずれの側にも立つことができる。
【0026】
作業台5は、作業者が荷をコンベヤ3に積み込むときに、第1コンベヤ3aの位置に合わせて上下方向に移動可能である。そのための構造として、作業台5は、走行部7に対して、作業台昇降部(図示せず)によって接続されている。作業台昇降部は、作業台5を昇降駆動する公知の技術であって、シリンダ、駆動方向変換機構などを有している。これにより、作業者は、作業台5を上下の所望の位置に移動させることができる。
【0027】
(4)走行部
走行部7は、走行面F上を走行する走行装置である。本実施形態において、走行部7は、操作装置(符号なし)の操作により走行方向を変更可能となっている。
また、走行部7は、第1コンベヤ3a及び第2コンベヤ3bを搭載し、後端部に第3コンベヤ3c及び第1台車13を連結する。さらに、第2台車15が第1台車13に支持された第4コンベヤ3dに接続されている。
これにより、走行部7が走行面Fを走行すると共に、走行部7に連結された第1台車13及び第2台車15が走行部7の走行に従って移動することにより、装置1は、第1コンベヤ3a〜第5コンベヤ3eを移動できる。
【0028】
(5)第4コンベヤと第5コンベヤの連結
図3〜
図9を用いて、第4コンベヤ3d(第1コンベヤ装置の一例)と、第5コンベヤ3e(第2コンベヤ装置の一例)の連結を説明する。
図3は、連結コンベヤ(荷搬送可能状態)の模式的側面図である。
図4は、連結コンベヤ(荷搬送可能状態)の模式的平面図である。
図5は、連結コンベヤ(荷搬送可能状態)の模式的側面図である。
図6は、連結コンベヤ(荷搬送可能状態)の模式的平面図である。
図7は、連結コンベヤ(収納状態)の模式的側面図である。
図8は、連結コンベヤ(収納状態)の模式的平面図である。
図9は、連結コンベヤ(収納状態)の模式的正面図である。
第4コンベヤ3dと第5コンベヤ3eによって、連結コンベヤ21が構成されている。連結コンベヤ21は、
図2〜
図4に示すように、水平方向に走行する走行部7、第1コンベヤ3a、第2コンベヤ3b、第3コンベヤ3cなどからなる走行台車20に接続する。連結コンベヤ21の後端には、
図3に示すように、後続のコンベヤ22を接続可能である。
【0029】
第5コンベヤ3eは、第4コンベヤ3d側において、第2方向に並ぶ第1搬送部41と第2搬送部42を有している。第1搬送部41及び第2搬送部42は、例えば荷搬送可能状態において、第4コンベヤ3dから第5コンベヤ3eへの荷の受け渡し箇所となっている。具体的には、
図3〜
図6に示すように、第2追加コンベヤ3gの後端が、第1搬送部41及び第2搬送部42の前側部分に重なって配置されている。なお、第1搬送部41及び第2搬送部42が、第5コンベヤ3eの第4コンベヤ3d側にだけ設けられていてもよく、又は第5コンベヤ3e全体に設けられていてもよい
第1搬送部41及び第2搬送部42は、フリーローラのローラコンベヤである。これらコンベヤは駆動されてもよい。第1搬送部41及び第2搬送部42のローラは、それら搬送部の搬送方向が第1方向に鋭角で交差するように傾斜して配置されている。この結果、第1搬送部41の搬送方向と第2搬送部42の搬送方向は、各々、後側に行くに従って互いに近づくように交差している。言い換えると、第5コンベヤ3eの第2方向における中央線に対してローラの回転軸が鋭角に交差している。さらに言い換えると、第1搬送部41及び第2搬送部42のローラが、平面視でハの字状に配置されている。上記の構成により、荷は、第5コンベヤ3eにおいて中心側に確実に移動させられる。したがって、第5コンベヤ3eの後側に接続されるコンベヤ22の幅が第5コンベヤ3eの幅より狭くても、荷は第5コンベヤ3eからコンベヤ22に確実に受け渡される。
【0030】
連結コンベヤ21は、第4コンベヤ3dと第5コンベヤ3eとを第1方向と第2方向に相対移動可能に接続する二重スライド装置23(接続構造の一例)を有している。二重スライド装置23によって、連結コンベヤ21は、搬送状態と、収納状態との間で姿勢を切り替え可能である。荷搬送可能状態では、
図3〜6に示すように、第4コンベヤ3dは第5コンベヤ3eから前側に延びている。収納状態では、
図7〜
図9に示すように、第4コンベヤ3dは第5コンベヤ3eの上側に重なっている。
【0031】
図10〜
図12を用いて、二重スライド装置23を詳細に説明する。
図10は、二重スライド装置の平面図である。
図11は、二重スライド装置の正面図である。
図12は、二重スライド装置の側面図である。
二重スライド装置23は、リニアガイド25を有している。リニアガイド25は、第4コンベヤ3dを第5コンベヤ3eに対して第2方向に移動可能に支持するための装置である。リニアガイド25は、公知の技術である。リニアガイド25は、
図3、
図5及び
図9に示すように、高さ方向において第4コンベヤ3dと第5コンベヤ3eの間に配置され、第2方向に延在している。このように
図4及ぶ
図6に示すように第4コンベヤ3dと第5コンベヤ3eがリニアガイド25によって互いに対して第2方向に移動できるので、両コンベヤが蛇行する際に、両コンベヤの連結部に大きな応力が発生しない。
【0032】
前述のように、第5コンベヤ3eは、第2方向において第4コンベヤ3dより幅が広い。このため、
図6に示すように第4コンベヤ3dは第5コンベヤ3eに対して第2方向に移動して第5コンベヤ3eの第2方向中心位置からずれたとしても、荷を第4コンベヤ3dから第5コンベヤ3eに確実に受け渡せる。
さらに、リニアガイド25は、第4コンベヤ3dが平面視において第5コンベヤ3eの第2方向のいずれかの端部に重なる位置まで第2方向に移動できる長さを有している。これにより、例えば
図6に示すように第4コンベヤ3dが第2方向に大きく変位しても、第5コンベヤ3eは第4コンベヤ3dに対して第2方向に必ず重なっているので、第4コンベヤ3dの第2方向移動距離を長くできる。
【0033】
二重スライド装置23は、レール移動構造27を有している。レール移動構造27は、第4コンベヤ3dを第5コンベヤ3eに対して第1方向に移動可能にするための装置である。
レール移動構造27は、キャスター又は車輪構造29と、支持レール30とを有している。
【0034】
車輪構造29は、
図3、
図4及び
図9に示すように、第4コンベヤ3dの下面に設けられて、第4コンベヤ3dを支持している。より具体的には、車輪構造29は、
図12に示すようにリニアガイド25の下部に固定されており、さらに具体的には、
図10及び
図11に示すようにリニアガイド25の第2方向両端に固定された一対の部材である。車輪構造29によって、リニアガイド25及び第4コンベヤ3dが第5コンベヤ3eに対して第1方向に移動可能になっている。なお、車輪構造29は、具体的には、車輪本体29aと、それを回転自在に支持する支持部29bとから構成されており、車輪本体29aの周面が支持面になっている。支持面は側面視で曲線になっている必要がある。走行中等の第4コンベヤ3dが上下に首を振って支持面の高さや向きが変化するので、それに対応するためである。
【0035】
支持レール30は、第5コンベヤ3eに設けられており、第1方向に延在している。より具体的には、支持レール30は、一対の部材であり、第5コンベヤ3eの搬送部の第2方向両側に配置されている。支持レール30は、車輪構造29を下方から支持する下方支持面を構成している。これにより、第4コンベヤ3d及びリニアガイド25は、第5コンベヤ3eに対して支持されながら第1方向に移動できる。
この実施形態では、第5コンベヤ3eを移動させずに、第4コンベヤ3dのみを第5コンベヤ3eに対して前側に移動させることで、定位置の第5コンベヤ3eで作業しながら、走行台車20を前進させて荷を積み込むこともできる。また、コンベヤ3のどこかに伸縮コンベヤ(図示せず)を伸張可能な状態で連結しておき、走行台車20が走行しても伸縮コンベヤの下流側の作業位置を変化しないようにしてよい。
【0036】
上述のように、第4コンベヤ3dと第5コンベヤ3eが上下に重なって配置されており、レール移動構造27によって第4コンベヤ3dが第5コンベヤ3eに対して第1方向に移動できるので、連結コンベヤ21は荷搬送可能状態と収納状態との間で切り替えられる(後述)。
【0037】
最初に、連結コンベヤ21の荷搬送可能状態を説明する。
図3〜
図6に示すように、第5コンベヤ3eは、第4コンベヤ3dの下方に位置し、第4コンベヤ3dの搬送方向下流側部分と平面視で一部が重なる。具体的には、第4コンベヤ3dの後端が、第5コンベヤ3eの前端の上方に配置されている。
この荷搬送可能状態では、
図4及び
図6に示すように第4コンベヤ3d及び第5コンベヤ3eが蛇行する際に、第4コンベヤ3dが第5コンベヤ3eに対してリニアガイド25によって移動するので、第4コンベヤ3d及び第5コンベヤ3eの連結箇所に大きな応力が発生しない。また、前述したように、第5コンベヤ3eの幅が広くしたり、ハの字の第1搬送部41及び第2搬送部42を設けたりすることで、走行中に第4コンベヤ3dと第5コンベヤ3eがずれた状態であっても、荷の搬送を行うことができる。
【0038】
次に、連結コンベヤ21の収納状態を説明する。最初に、第4コンベヤ3dを走行台車20から連結解除する。次に、第4コンベヤ3dを第5コンベヤ3eに対して後側に移動させることで、第4コンベヤ3dを第5コンベヤ3eに重ねて配置する。この結果、連結コンベヤ21が収納状態になる。この状態で、第4コンベヤ3dの後端と第5コンベヤ3eの後端が重なる、そのため、
図7及び
図8に示すように、第4コンベヤ3dと第5コンベヤ3eの重なり面積が広くなる。つまり、収納状態では、連結コンベヤ21は第1方向に対してコンパクトになる。
【0039】
収納状態では、
図7に示すように、ストッパ33が第4コンベヤ3dの後側への移動を制限する。例えば、ストッパ33は、車輪本体29aと接することで第4コンベヤ3dの第1方向の移動を規制する。
この場合、ストッパ33は、2個の車輪本体29aに当接するように2つ設けられていてもよい。また、ストッパ33は、1個の車輪本体29aだけに当接するように1つ設けられていてもよい。変形例としては、第4コンベヤ3dに当接部材を設けておき、当接部材をストッパ33に当てることで、第4コンベヤ3dの第1方向の移動を規制してもよい。ストッパ33と第2方向移動規制部31を1つの部材で構成してもよい。
【0040】
さらに、収納状態では、
図7及び
図8に示すように、第2追加コンベヤ3gが自重で垂れ下がった状態で第2方向移動規制部31に係合する。つまり、第4コンベヤ3dが第5コンベヤ3eに対して第2方向に移動するのを制限する特別な作業が不要になる。
【0041】
2.実施形態の特徴
前記実施形態は下記の様にも説明できる。
連結コンベヤ21(連結コンベヤの一例)は、水平方向に走行する走行台車20(走行台車の一例)に連結するものであって、第4コンベヤ3d(第1コンベヤ装置の一例)と、第5コンベヤ3e(第2コンベヤ装置の一例)と、二重スライド装置23(接続構造の一例)とを備えている。第4コンベヤ3dは、第1方向に延在し荷を第1方向に搬送する装置である。第4コンベヤ3dは、走行台車20に連結する前端を有する。第5コンベヤ3eは、第4コンベヤ3dの下方に位置し、第4コンベヤ3dの後端と平面視で一部が重なる。第5コンベヤ3eは、少なくとも第4コンベヤ3d側が、第1方向に交差して水平方向に延びる第2方向において第4コンベヤ3dより幅が広い。二重スライド装置23は、高さ方向において第4コンベヤ3dと第5コンベヤ3eの間に配置され、第2方向に延在するリニアガイド25と、第4コンベヤ3dを支持する車輪構造29と、を有する。
この場合、第4コンベヤ3dと第5コンベヤ3eがリニアガイド25によって互いに対して第2方向に移動できるので、両コンベヤが蛇行する際に、両コンベヤの連結部に大きな応力が発生しない。
【0042】
3.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施例及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
第4コンベヤ3dに、第1搬送部41及び第2搬送部42のようなローラ(搬送部の搬送方向が第1方向に鋭角で交差するように傾斜して配置されている)を用いてもよい。この変形例では、平面視において第4コンベヤ3cが第5コンベヤ3eの第2方向外側まで移動しても、第4コンベヤ3cから第5コンベヤ3eへの荷の受け渡しが可能である。
【0043】
リニアガイドと支持部の位置関係は、第1実施形態に限定されない。例えば、第2コンベヤ装置にリニアガイドが固定され、その上に車輪が上を向くように支持部が固定され、車輪部分で第1コンベヤ装置を支持してもよい。
連結コンベヤは、バンニング・デバンニング装置以外の装置にも適用できる。
第2コンベヤ装置は後側の幅が前側の幅より狭くてもよい。この場合、収納状態のときに、第1コンベヤ装置の第2方向の移動がさらに規制される。