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特開2019-196951異常振動検出装置および方法、信号抽出回路、隔膜真空計
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-196951(P2019-196951A)
(43)【公開日】2019年11月14日
(54)【発明の名称】異常振動検出装置および方法、信号抽出回路、隔膜真空計
(51)【国際特許分類】
   G01M 99/00 20110101AFI20191018BHJP
   G01L 21/00 20060101ALI20191018BHJP
【FI】
   G01M99/00 Z
   G01L21/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-90377(P2018-90377)
(22)【出願日】2018年5月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】添田 将
(72)【発明者】
【氏名】石原 卓也
(72)【発明者】
【氏名】関根 正志
【テーマコード(参考)】
2F055
2G024
【Fターム(参考)】
2F055AA39
2F055BB01
2F055BB08
2F055CC02
2F055DD01
2F055EE25
2G024AD08
2G024BA15
2G024BA27
2G024CA16
2G024EA11
2G024FA06
2G024FA14
(57)【要約】
【課題】比較的低コストで製造設備で発生した異常振動を検出する。
【解決手段】信号抽出回路12が、製造設備のプロセスで使用される容器または配管の内部圧力を検出する隔膜式圧力センサ11のセンサ信号SSから、プロセスに応じて変化するプロセス圧力PPと、製造設備で発生する異常振動を示す異常振動変動AVとに関する主な信号成分を示す検出圧力Poutを抽出し、演算処理回路13が、信号抽出回路12で抽出された検出圧力Poutを演算処理することにより異常振動変動AVを検出する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造設備で発生する異常振動を検出する異常振動検出装置であって、
前記製造設備のプロセスで使用される容器または配管の内部圧力を検出しセンサ信号として出力する隔膜式圧力センサと、
前記隔膜式圧力センサから出力されたセンサ信号から、前記プロセスに応じて変化するプロセス圧力信号と、前記製造設備で発生する異常振動を示す異常振動変動とに関する主な信号成分を示す検出圧力を抽出する信号抽出回路と、
前記信号抽出回路で抽出された前記検出圧力を演算処理することにより、前記異常振動変動を検出する演算処理回路と
を備えることを特徴とする異常振動検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の異常振動検出装置において、
前記信号抽出回路は、前記センサ信号のうちから、前記プロセス圧力信号と前記異常振動変動との主な信号成分を含む周波数帯域に関する信号成分を抽出するフィルタ回路を有することを特徴とする異常振動検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の異常振動検出装置において、
前記フィルタ回路は、前記センサ信号のうちから、予め設定された前記異常振動変動の主な信号成分に関する上限周波数以下の周波数成分を抽出することを特徴とする異常振動検出装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の異常振動検出装置において、
前記演算処理回路は、
前記信号抽出回路で抽出された前記検出圧力の変化率に基づいて、その後のプロセス圧力の推移を示す推定プロセス圧力を推定するプロセス圧力推定部と、
前記プロセス圧力推定部で推定された前記推定プロセス圧力と前記検出圧力とを比較することにより、前記製造設備で発生した異常振動を示す異常振動変動を検出する異常振動検出部と
を備えることを特徴とする異常振動検出装置。
【請求項5】
請求項4に記載の異常振動検出装置において、
前記異常振動検出部は、検出した前記異常振動変動に含まれる振動の振動周波数を算出し、予め設定されている前記製造設備の容器または配管に関する機械的固有振動数と比較することにより、異常振動の発生箇所を特定することを特徴とする異常振動検出装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載の異常振動検出装置において、
前記信号抽出回路は、予め設定されている第1の周波数で前記検出圧力をサンプリングしてA/D変換し、得られた検出圧力データを前記演算処理回路へ出力するA/D変換回路をさらに備え、
前記演算処理回路は、前記信号抽出回路から出力された検出圧力データが急激に大きく変化した場合には、前記A/D変換回路のサンプリング周波数を前記第1の周波数より高い第2の周波数に切り替えるサンプリング切替部をさらに備える
ことを特徴とする異常振動検出装置。
【請求項7】
製造設備で発生する異常振動を検出する異常振動検出方法であって、
隔膜式圧力センサが、前記製造設備のプロセスで使用される容器または配管の内部圧力を検出しセンサ信号として出力する圧力検出ステップと、
信号抽出回路が、前記隔膜式圧力センサから出力されたセンサ信号から、前記プロセスに応じて変化するプロセス圧力信号と、前記製造設備で発生する異常振動を示す異常振動変動とに関する主な信号成分を示す検出圧力を抽出する信号抽出ステップと、
演算処理回路が、前記信号抽出回路で抽出された前記検出圧力を演算処理することにより、前記異常振動変動を検出する演算処理ステップと
を備えることを特徴とする異常振動検出方法。
【請求項8】
製造設備のプロセスで使用される容器または配管の内部圧力を検出する隔膜式圧力センサで得られたセンサ信号から、前記製造設備で発生する異常振動を検出するのに用いる検出圧力信号を抽出する信号抽出回路であって、
前記センサ信号を増幅する入力増幅回路と、
前記プロセスに応じて変化するプロセス圧力信号と、前記製造設備で発生する異常振動を示す異常振動変動とに関する主な信号成分を含む周波数帯域に関する信号成分を抽出し、前記検出圧力信号として出力するフィルタ回路と
を備える信号抽出回路。
【請求項9】
請求項8に記載の信号抽出回路において、
前記フィルタ回路は、前記センサ信号のうちから、予め設定された前記異常振動変動の主な信号成分に関する上限周波数以下の周波数成分を抽出することを特徴とする信号抽出回路。
【請求項10】
請求項1〜請求項6のいずれかに記載の異常振動検出装置を備えることを特徴とする隔膜真空計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造設備での異常振動を検出する異常振動検出技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造設備などの製造設備では、各種プロセスにおいて容器(チャンバー)や配管の内圧を計測する圧力計が使用されており、特に真空圧力を計測する場合には真空計が使用される。このような圧力計は、要求される圧力に応じて種々のタイプの製品が利用される。例えば、静電容量式の隔膜式圧力計は隔膜(可動ダイアフラム)が計測対象となる圧力を受けて撓み、その撓み量を静電容量値として検出するものであるが、ガス種依存性が少ないことから半導体の成膜工程やエッチング工程を始めとするプロセス装置で広く使用されている。
【0003】
これらの圧力計が設置される製造設備では、突発的な故障による影響の規模が非常に大きくなることが多いため、設備異常の検知・予知が必要となる。この際、過度な予防保全はメンテナンス費用増大の一因となるため、低コスト化が必要となる。
従来、このような目的実現のため、設備異常の検知・予知の様々な技術が提案されているが、主なものとして、製造設備全体の異常を検知する従来技術1と、製造設備を構成する機器単独で異常を検知する従来技術2がある。
【0004】
従来技術1については、例えば、特許文献1のように、設備異常の検知・予知を行うシステムとして、製造設備に設けられているそれぞれの機器にセンサを後付けし、これらセンサの検出信号を一元的に監視することにより設備異常を検知し、さらには特許文献2のようにAI(人工知能)により推定した予兆に基づいて設備異常を予知する技術がある。センサとしては、回転機器に有効な振動センサの他、圧力センサ、流量センサ、温度センサ、RFパワーセンサなどが挙げられている。
【0005】
また、従来技術2については、真空コンポーネントなどの装置構成部品のレベルでは、回転機構を持つ真空ポンプに、振動・音響・電流・温度などのパラメータを計測するセンサを設置して劣化具合を監視する技術がある。これは、真空ポンプが、機能の重要性が高くかつコストも高いことが多いからである。真空ポンプは種々のタイプが存在するが、駆動機構が回転体である場合が多く、比較的上記パラメータと故障の相関がとれていると言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−259222号公報
【特許文献2】特開2017−211713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のように、製造設備では、真空ポンプ、バルブ、搬送系などのようなアクチュエータの不具合を検知する方法として、振動の発生状態を監視することが有効である。特に、半導体製造装置では、ウエハなどのワークが格納される真空チャンバへの振動の影響を監視することが有効となる。
【0008】
しかしながら、前述した従来技術1では、新たなセンサをそれぞれの機器に後付けするとともに、これらセンサからの検出出力を配線を介して収集する必要となる。このため、後付けセンサに関する膨大な設備コストが発生するとともに、センサを後付けするためのスペースを確保する必要がある。また、後付け作業さらには配線作業のための作業コストも発生する。
さらにAI(人工知能)により推定するためには、センサからの膨大な計測データを設備のコントローラまたは集中管理装置で学習処理させることが必要となる。このためいわゆるM2M(Machine to machine)デバイスとしては負荷が大きく、消費電力や構成機器マネージメントの効率化という点では理想的とは言えない。
【0009】
また、前述した従来技術2では、真空ポンプなどの機器単体に限定されるものの、比較的低コストで、振動の発生状態を監視することができる。しかしながら、従来技術2は、そもそもポンプ自体の異常を検知することを主目的としているとともに、多くの場合、真空ポンプは、製造設備とは別の機械室に設置される。このため、このような真空ポンプで、設備自体に対して印加された異常振動を検出して解析することは困難である。
【0010】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、比較的低コストで製造設備で発生した異常振動を検出できる異常振動検出技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような目的を達成するために、本発明にかかる異常振動検出装置は、製造設備で発生する異常振動を検出する異常振動検出装置であって、前記製造設備のプロセスで使用される容器または配管の内部圧力を検出しセンサ信号として出力する隔膜式圧力センサと、前記隔膜式圧力センサから出力されたセンサ信号から、前記プロセスに応じて変化するプロセス圧力信号と、前記製造設備で発生する異常振動を示す異常振動変動とに関する主な信号成分を示す検出圧力を抽出する信号抽出回路と、前記信号抽出回路で抽出された前記検出圧力を演算処理することにより、前記異常振動変動を検出する演算処理回路とを備えている。
【0012】
また、本発明にかかる上記異常振動検出装置の一構成例は、前記信号抽出回路が、前記センサ信号のうちから、前記プロセス圧力信号と前記異常振動変動との主な信号成分を含む周波数帯域に関する信号成分を抽出するフィルタ回路を有するようにしたものである。
【0013】
また、本発明にかかる上記異常振動検出装置の一構成例は、前記フィルタ回路が、前記センサ信号のうちから、予め設定された前記異常振動変動の主な信号成分に関する上限周波数以下の周波数成分を抽出するようにしたものである。
【0014】
また、本発明にかかる上記異常振動検出装置の一構成例は、前記演算処理回路が、前記信号抽出回路で抽出された前記検出圧力の変化率に基づいて、その後のプロセス圧力の推移を示す推定プロセス圧力を推定するプロセス圧力推定部と、前記プロセス圧力推定部で推定された前記推定プロセス圧力と前記検出圧力とを比較することにより、前記製造設備で発生した異常振動を示す異常振動変動を検出する異常振動検出部とを備えるようにしたものである。
【0015】
また、本発明にかかる上記異常振動検出装置の一構成例は、前記異常振動検出部が、検出した前記異常振動変動に含まれる振動の振動周波数を算出し、予め設定されている前記製造設備の容器または配管に関する機械的固有振動数と比較することにより、異常振動の発生箇所を特定するようにしたものである。
【0016】
また、本発明にかかる上記異常振動検出装置の一構成例は、前記信号抽出回路が、予め設定されている第1の周波数で前記検出圧力をサンプリングしてA/D変換し、得られた検出圧力データを前記演算処理回路へ出力するA/D変換回路をさらに備え、前記演算処理回路は、前記信号抽出回路から出力された検出圧力データが急激に大きく変化した場合には、前記A/D変換回路のサンプリング周波数を前記第1の周波数より高い第2の周波数に切り替えるサンプリング切替部をさらに備えるものである。
【0017】
また、本発明にかかる異常振動検出方法は、製造設備で発生する異常振動を検出する異常振動検出方法であって、隔膜式圧力センサが、前記製造設備のプロセスで使用される容器または配管の内部圧力を検出しセンサ信号として出力する圧力検出ステップと、信号抽出回路が、前記隔膜式圧力センサから出力されたセンサ信号から、前記プロセスに応じて変化するプロセス圧力信号と、前記製造設備で発生する異常振動を示す異常振動変動とに関する主な信号成分を示す検出圧力を抽出する信号抽出ステップと、演算処理回路が、前記信号抽出回路で抽出された前記検出圧力を演算処理することにより、前記異常振動変動を検出する演算処理ステップとを備えている。
【0018】
また、本発明にかかる信号抽出回路は、製造設備のプロセスで使用される容器または配管の内部圧力を検出する隔膜式圧力センサで得られたセンサ信号から、前記製造設備で発生する異常振動を検出するのに用いる検出圧力信号を抽出する信号抽出回路であって、前記センサ信号を増幅する入力増幅回路と、前記プロセスに応じて変化するプロセス圧力信号と、前記製造設備で発生する異常振動を示す異常振動変動とに関する主な信号成分を含む周波数帯域に関する信号成分を抽出し、前記検出圧力信号として出力するフィルタ回路とを備えている。
【0019】
また、本発明にかかる上記信号抽出回路の一構成例は、前記フィルタ回路が、前記センサ信号のうちから、予め設定された前記異常振動変動の主な信号成分に関する上限周波数以下の周波数成分を抽出するようにしたものである。
【0020】
また、本発明にかかる隔膜真空計は、前述したいずれかの異常振動検出装置を備えるものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、隔膜式圧力センサのセンサ信号から、プロセス圧力に加えて異常振動変動をも含む検出圧力が抽出されるため、検出圧力から異常振動変動を検出することができる。このため、製造設備のプロセスで使用される容器または配管に異常振動検出装置を取り付けるだけで、製造設備で発生した異常振動を的確に検出することが可能となる。また、容器または配管には複数の設備機器が連接されているため、いずれかの設備機器で発生した異常振動を、1つの異常振動検出装置で検出することができる。また、異常振動検出装置は、一般的な隔膜式の圧力計や真空計と同様の回路規模で実現できる。このため、製造設備で発生した異常振動を比較的低コストで効率よく検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】異常振動検出装置の構成を示すブロック図である。
図2】検出圧力の変化(異常振動なし)を示す信号波形例である。
図3】検出圧力の変化(DC系異常振動あり)を示す信号波形例である。
図4】検出圧力の変化(AC系異常振動あり)を示す信号波形例である。
図5】検出圧力抽出フィルタの周波数特性である。
図6】隔膜式圧力センサ素子の上面図である。
図7】隔膜式圧力センサ素子のAA断面図である。
図8】プロセス圧力の推定例を示す信号波形図である。
図9】異常振動変動の検出例を示す信号波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
[異常振動検出装置]
図1を参照して、本実施の形態にかかる異常振動検出装置10について説明する。図1は、異常振動検出装置の構成を示すブロック図である。
【0024】
この異常振動検出装置10は、半導体製造設備などの製造設備に設けられて、製造設備で発生した異常振動を検出する装置であり、例えば隔膜真空計として用いられる。
図1に示すように、異常振動検出装置10は、主な回路部として、隔膜式圧力センサ11、信号抽出回路12、および演算処理回路13を備えている。
【0025】
隔膜式圧力センサ11は、対象となる製造設備の容器または配管に取れ付けられて、これら容器または配管の内部のプロセス圧力により撓み量が変化する隔膜を有し、隔膜で検出したプロセス圧力に応じた静電容量値をセンサ信号SSとして出力する機能を有している。
【0026】
信号抽出回路12は、隔膜式圧力センサ11のセンサ信号SSから、プロセス圧力に関する第1の信号成分と、製造設備で発生した異常振動に関する第2の信号成分を抽出し、得られた検出圧力信号PSを出力する機能を有している。
【0027】
演算処理回路13は、MPUとその周辺回路を有し、MPUとプログラムとが協働することにより各種の処理を実現することにより、信号抽出回路12で得られた検出圧力信号PSから異常振動を検出する機能を有している。
【0028】
[本発明の原理]
まず、本発明の原理について説明する。
半導体製造設備などの製造設備で発生する異常振動を精査したところ、直流成分やインパルス成分からなるDC系異常振動と、交流成分からなるAC系異常振動があることがわかった。このうち、DC系異常振動は、搬送機構やロボットの異常動作、バルブの異常動作、圧力破壊、圧力リークなどの不具合を起因としていると考えられる。また、AC系異常振動は、共振、アンバランス、ミスアライメント、軸曲がり、ホイールホワール、ホイールウィップなどの不具合を起因としていると考えられる。
【0029】
このような異常振動が製造設備で発生した場合、容器または配管から検出した検出圧力Poutは、異常振動に合わせて変化する。図2は、検出圧力の変化(異常振動なし)を示す信号波形例である。時刻T1以前においてプロセスは停止しており、検出圧力Poutは停止値PAを示している。時刻T1にプロセスが起動された場合、検出圧力PoutがPAから徐々に上昇し、基準値PBに達した時刻T2からプロセスが実行される。この後、時刻T3にプロセスが終了した場合、検出圧力PoutがPBから徐々に低下し、停止値PAまで低下した時刻T4にプロセスが停止する。
【0030】
図3は、検出圧力の変化(DC系異常振動あり)を示す信号波形例である。この例では、時刻T1−T2間、時刻T2−T3間、時刻T4以降の各区間においてDC系異常振動が発生し、ここではインパルス成分からなる異常振動変動AVが検出圧力Poutに混入している。
図4は、検出圧力の変化(AC系異常振動あり)を示す信号波形例である。この例では、時刻T4以降の区間においてAC系異常振動が発生し、ここではAC成分からなる異常振動変動AVが検出圧力Poutに混入している。
【0031】
このうち、容器または配管から検出した検出圧力Poutは、プロセス実行のタイミングに合わせて直流的に変化する場合がほとんどであり、プロセス圧力を周期的に変化させる場合や、プロセス実行に応じてプロセス圧力が振動するような場合でも、その周期は比較的大きい。ガスを高速で切り替えるような一部のプロセスもあるが、容器または配管は容量に応じた時定数を有しているため、検出圧力Poutの主な信号成分は最大でも10Hz程度である。
【0032】
一方、異常振動は、前述したように、直流成分やインパルス成分からなるDC系異常振動と、交流成分からなるAC系異常振動があるが、いずれの場合も150Hz程度までの周波数が主な信号成分である。
また、インバータやスイッチング電源などの電気機器から発生する高周波ノイズ成分は、数KHz以上の周波数である。
【0033】
図5は、検出圧力抽出フィルタの周波数特性である。従来の圧力計では、検出圧力Poutを精度よく検出するため、圧力センサで検出したセンサ信号SSから、例えばプロセス圧力信号成分の上限周波数faより周波数が高い、異常振動成分や高周波ノイズ成分を減衰させ、プロセス圧力を示す信号成分のみを抽出している。このため、従来の圧力計では、容器または配管から検出した検出圧力Poutを利用して、異常振動を検出することはできない。
【0034】
本発明は、製造設備で発生した異常振動を示す異常振動変動AVは、容器または配管から検出した検出圧力Poutに混入すること、異常振動変動AVを含む検出圧力Poutは、隔膜式圧力センサ11で正確かつ容易に検出できること、プロセス圧力および異常振動の主な信号成分が、例えば直流(0Hz)から150Hz程度までの特定の周波数帯域Wpに含まれることに着目し、信号抽出回路12により、隔膜式圧力センサ11のセンサ信号SSから、周波数帯域Wpに含まれる信号成分、すなわち、異常振動変動の主成分に関する上限周波数fb(150Hz)より周波数が低い、プロセス圧力PPおよび異常振動変動AVに関する主な信号成分を、検出圧力Pout(検出圧力信号PS)として抽出するようにしたものである。
【0035】
また、本発明は、プロセス圧力は10Hz程度以下の低い周波数で比較的ゆっくり変化するため、検出圧力Poutの変化率ΔPに基づいて、その後のプロセス圧力PPの推移をある程度推定できること、異常振動変動AVはプロセス圧力PPと比較して急峻に変化することに着目し、演算処理回路13により、検出圧力Poutと推定プロセス圧力PEとの比較結果から、異常振動変動AVを検出するようにしたものである。
【0036】
[隔膜式圧力センサ]
次に、図6および図7を参照して、隔膜式圧力センサ11について説明する。図6は、隔膜式圧力センサの上面図である。図7は、隔膜式圧力センサのAA断面図である。
【0037】
隔膜式圧力センサ11は、上面視で矩形形状をなす薄板のサファイアからなり、検出対象圧力の印加に応じて撓みを発生するダイヤフラム11Aと、上面視で矩形形状をなす厚板のサファイアからなり、中央にキャビティ(窪み)11Cが形成されている台座部11Bとから構成されている。ダイヤフラム11Aは、キャビティ11Cを覆うように台座部11Bの上部に接合されている。
【0038】
ダイヤフラム11Aの中央とキャビティ11Cのキャビティ底面11Dとの中央には、例えば上面視で円形状をなす一対の感圧電極XA,XBが、キャビティ11Cの深さ分だけ離間して平行に形成されている。これら感圧電極XA,XBにより、ダイヤフラム11Aの撓みに応じて静電容量値が変化する感圧キャパシタCXが形成される。
ダイヤフラム11Aのうち感圧電極XAの周囲には上面視でリング形状をなす参照電極YAが形成されており、キャビティ底面11Dには上面視でリング形状をなす参照電極YBが、参照電極YAと対向する位置に形成されている。これら参照電極YA,YBにより、参照キャパシタCYが形成される。
【0039】
台座部11Bには、内部から外部へ突出する取り出しピンPXA,PXB,PYA,PYBが設けられており、それぞれの一端が感圧電極XA,XBおよび参照電極YA,YBと接続されている。これら取り出しピンPXA,PXB,PYA,PYBを介して、感圧電極XA,XBおよび参照電極YA,YBが外部の回路と電気的に接続される。
なお、隔膜式圧力センサ(素子)11は、金属製保護ケース内にパッケージングされ保護されている。この際、キャビティ11Cは、絶対圧などの圧力を維持する基準室(図示せず)と通じており、電気的導通は取出しピンPYAおよびPYBを通じて外部へ取り出される。
【0040】
[信号抽出回路]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる信号抽出回路12について説明する。
信号抽出回路12には、主な回路部として、入力増幅回路12A、フィルタ回路12B、およびA/D変換回路12Cを備えている。
【0041】
入力増幅回路12Aは、正弦波発生源や差分増幅器などの回路を含み、正弦波発生源からの正弦波を隔膜式圧力センサ11の感圧キャパシタCXおよび参照キャパシタCYに印加する機能と、感圧キャパシタCXおよび参照キャパシタCYから得られたセンサ信号SSを差分増幅器で増幅出力する機能を有している。
【0042】
フィルタ回路12Bは、オペアンプを用いたローパスフィルタ回路からなり、入力増幅回路12Aで増幅されたセンサ信号SSのうちから、予め設定された異常振動変動AVの主な信号成分に関する上限周波数、例えば図5で示したプロセス圧力PPと異常振動変動AVとの主な信号成分を含む周波数帯域Wpを示す上限周波数fb以下の周波数成分を抽出し、検出圧力Pout(検出圧力信号PS)として出力する機能を有している。なお、異常振動変動AVには、周波数帯域Wpより高い周波数成分も含まれているが、検出圧力Poutから異常振動変動AVを検出するには、異常振動変動AVの主な信号成分が含まれていれば十分検出可能である。
【0043】
A/D変換回路12Cは、サンプリング周波数を選択可能なA/D変換回路からなり、予め設定されている第1の周波数f1でフィルタ回路12Bで抽出された検出圧力Pout(検出圧力信号PS)をサンプリングしてA/D変換し、得られた検出圧力Pout(検出圧力データPD)を演算処理回路13へ出力する機能と、演算処理回路13からの切替信号SWに応じて、サンプリング周波数を第1の周波数f1と第1の周波数f1より高い第2の周波数f2との間で切り替える機能とを有している。
【0044】
信号抽出回路12において、フィルタ回路12Bで得られた検出圧力信号PSや、これをA/D変換回路12Cでデータ化した検出圧力データPDを、異常振動検出用の検出圧力Poutとして、異常振動検出装置10の外部に出力するようにしてもよい。これにより、演算処理回路13での演算処理とは異なる異常振動検出処理や分析処理を、PCや計測器などの外部装置(図示せず)で実行することができる。
【0045】
[演算処理回路]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる演算処理回路13について説明する。
演算処理回路13には、主な処理部として、バスBを介してデータ交換可能に接続された、入力I/F部13A、出力I/F部13B、記憶部13C、サンプリング切替部13D、プロセス圧力推定部13E、異常振動検出部13F、および警報処理部13Gを備えている。これら処理部のうち、入力I/F部13A、出力I/F部13B、および記憶部13Cは、MPUの内部回路まはたその周辺回路から構成されている。また、サンプリング切替部13D、プロセス圧力推定部13E、異常振動検出部13F、および警報処理部13Gは、MPUとプログラムとが協働することにより実現されている。
【0046】
入力I/F部13Aは、信号抽出回路12から出力された検出圧力Pout(検出圧力データPD)を取り込んで記憶部13Cに保存する機能を有している。
出力I/F部13Bは、異常振動検出部13Fで検出した異常振動に関する情報や警報処理部13Gからの警報出力を、検出結果Doutとして装置外部へ出力する機能を有している。
記憶部13Cは、半導体メモリなどの記憶装置からなり、検出圧力Pout(検出圧力データPD)のほか、異常振動の検出処理に用いる処理データやプログラムを記憶する機能を有している。
【0047】
サンプリング切替部13Dは、記憶部13Cの検出圧力Poutを確認し、検出圧力Poutが急激に大きく変化した場合には、A/D変換回路12Cのサンプリング周波数を第1の周波数f1より高い第2の周波数f2に切り替える切替信号SWを出力する機能と、検出圧力データPDがある程度安定した時点で、サンプリング周波数を第2の周波数f2から第1の周波数f1へ切替信号SWを出力する機能とを有している。
【0048】
サンプリング周波数の切替判定については、検出圧力Poutに対するしきい値や変化率を判定条件として予め設定しておけばよい。これにより、検出圧力Poutが判定条件を上回って大きく変化した場合、異常振動が発生したと判定されてサンプリング周波数がf1からf2に切り替えられる。このため、検出圧力Poutの分解能が高くなり異常振動変動AVを詳細に分析処理することができる。また、検出圧力Poutが判定条件を下回ってある程度安定した場合、異常振動が収まったと判定されてサンプリング周波数をf2からf1に切り替えられる。このため、検出圧力Poutの分解能が低くなって、検出圧力Poutの保存に要する記憶部13Cの記憶領域の増大を抑制できるとともに、A/D変換回路12Cでの消費電力を削減できる。
【0049】
プロセス圧力推定部13Eは、信号抽出回路12で抽出された検出圧力Pout(検出圧力データPD)の変化率に基づいて、その後のプロセス圧力PPの推移を示す推定プロセス圧力PEを推定する機能を有している。
【0050】
図8は、プロセス圧力の推定例を示す信号波形図である。検出圧力Poutに含まれるプロセス圧力は、10Hz程度の低い周波数で比較的ゆっくり変化する。このため、時刻TAから時刻TBの区間において、検出圧力Poutに異常振動変動AVが混入した場合、AVの直前の時間区間TPにおける検出圧力Poutの変化率ΔPから、TAからTBまでの区間におけるAVが混入しなかった場合における検出圧力Poutの推移、すなわちプロセス圧力PPの推移を、推定プロセス圧力PEとして推定できる。変化率ΔPとして、検出圧力Poutの傾きを用いてもよく、さらには傾きの変化傾向を考慮してもよい。
【0051】
異常振動検出部13Fは、プロセス圧力推定部13Eで推定された推定プロセス圧力PEと信号抽出回路12で抽出された検出圧力Pout(検出圧力データPD)とを比較することにより、製造設備で発生した異常振動を示す異常振動変動AVを検出する機能と、異常振動変動AVの特徴を示す各種の特徴量を抽出する機能と、AVの検出有無や抽出した特徴量を検出結果Doutとして出力I/F部13Bから出力する機能とを有している。
【0052】
図9は、異常振動変動の検出例を示す信号波形図である。図8において、推定プロセス圧力PEと検出圧力Poutとの差分を計算すると、検出圧力Poutに含まれるプロセス圧力PPの信号成分が除去されるため、図9に示すような異常振動変動AVを得ることができる。
これにより、異常振動検出部13Fは、AVの特徴量として、波高値であるAVの振幅H、繰り返し発生したAVの周期Sや回数N、AVの振動周波数F、AVの発生・終了を示す時刻TA,TBなどのパラメータが計算される。
【0053】
また、異常振動検出部13Fが、検出した異常振動変動に含まれる振動の振動周波数Fを算出し、予め記憶部13Cに設定されている製造設備の容器または配管に関する機械的固有振動数と比較することにより、異常振動の発生箇所を特定するようにしてもよい。機械的固有振動数については、隔膜式圧力センサ11が直接接続されている容器または配管に限定されるものではなく、これら容器または配管に連接する他の容器または配管、さらには、容器または配管と隔膜式圧力センサ11とを接続するための接続配管に関する機械的固有振動数であってもよい。
【0054】
なお、異常振動検出部13Fで、プロセス圧力PPを計算し検出結果Doutから出力するようにしてもよい。PPの計算方法については、AVが混入していない区間については検出圧力PoutをPPとして用い、AVが混入している区間については推定プロセス圧力PEをPPとして用いればよい。これにより、異常振動検出装置10により、隔膜式の圧力計や真空計を実現することができる。
【0055】
警報処理部13Gは、異常振動検出部13Fで検出された異常振動変動AVの振幅Hを、予め設定されている振幅しきい値Hthと比較し、HがHth以上となった場合には、大きな異常振動が発生したと判定して、警報出力を検出結果Doutとして出力I/F部13Bから出力する機能を有している。これにより、大きな異常振動が発生した場合には、出力I/F部13Bから上位装置(図示せず)に対して警報出力が通知されることになり、管理者は迅速な対応をとることができる。
【0056】
[本実施の形態の動作]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる異常振動検出装置10の動作について説明する。
信号抽出回路12は、隔膜式圧力センサ11からのセンサ信号SSを入力増幅回路12Aで増幅した後、フィルタ回路12Bで、プロセスに応じて変化するプロセス圧力PPと、製造設備で発生する異常振動を示す異常振動変動AVとに関する主な信号成分を示す検出圧力Poutを抽出し、A/D変換回路12Cで検出圧力データPDにA/D変換して、演算処理回路13へ出力する。
【0057】
演算処理回路13は、信号抽出回路12からの検出圧力データPDを、入力I/F部13Aで取得して記憶部13Cに保存し、記憶部13Cに保存された検出圧力Pout(検出圧力データPD)の変化率に基づいて、その後のプロセス圧力PPの推移を示す推定プロセス圧力PEをプロセス圧力推定部13Eで推定し、推定プロセス圧力PEと信号抽出回路12で抽出された検出圧力Pout(検出圧力データPD)とを異常振動検出部13Fで比較することにより、製造設備で発生した異常振動を示す異常振動変動AVを検出する。
【0058】
この後、演算処理回路13は、検出した異常振動変動AVの特徴を示す各種の特徴量を異常振動検出部13Fで抽出し、これらAVの検出有無や抽出した特徴量を検出結果Doutとして出力I/F部13Bから出力する。
また、演算処理回路13は、異常振動検出部13Fで検出された異常振動変動AVの振幅Hを、予め設定されている振幅しきい値Hthと警報処理部13Gにより比較し、HがHth以上となった場合には、大きな異常振動が発生したと判定して、警報出力を検出結果Doutとして出力I/F部13Bから出力する。
【0059】
また、演算処理回路13は、記憶部13Cに保存された検出圧力Pout(検出圧力データPD)をサンプリング切替部13Dで確認し、検出圧力Poutが急激に大きく変化した場合には、A/D変換回路12Cのサンプリング周波数を第1の周波数f1より高い第2の周波数f2に切り替える切替信号SWを出力する。また、検出圧力データPDがある程度安定した時点で、サンプリング周波数を第2の周波数f2から第1の周波数f1へ切替信号SWを出力する。
【0060】
[本実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、信号抽出回路12が、製造設備のプロセスで使用される容器または配管の内部圧力を検出する隔膜式圧力センサ11のセンサ信号SSから、プロセスに応じて変化するプロセス圧力PPと、製造設備で発生する異常振動を示す異常振動変動AVとに関する主な信号成分を示す検出圧力Poutを抽出し、演算処理回路13が、信号抽出回路12で抽出された検出圧力Poutを演算処理することにより異常振動変動AVを検出するようにしたものである。
【0061】
これにより、隔膜式圧力センサ11のセンサ信号SSから、プロセス圧力PPに加えて異常振動変動AVをも含む検出圧力Poutが抽出されるため、検出圧力Poutから異常振動変動AVを検出することができる。このため、製造設備のプロセスで使用される容器または配管に異常振動検出装置10を取り付けるだけで、製造設備で発生した異常振動を的確に検出することが可能となる。
【0062】
また、容器または配管には複数の設備機器が連接されているため、いずれかの設備機器で発生した異常振動を、1つの異常振動検出装置10で検出することができる。また、異常振動検出装置10は、一般的な隔膜式の圧力計や真空計と同様の回路規模で実現できる。このため、製造設備で発生した異常振動を比較的低コストで効率よく検出することが可能となる。
【0063】
また、本実施の形態において、演算処理回路13のプロセス圧力推定部13Eが、信号抽出回路12で抽出された検出圧力Poutの変化率に基づいて、その後のプロセス圧力PPの推移を示す推定プロセス圧力PEを推定し、異常振動検出部13Fが、推定プロセス圧力PEと検出圧力Poutとを比較することにより、製造設備で発生した異常振動を示す異常振動変動を検出するようにしてもよい。これにより、異常振動変動AVを精度よく検出することができる。
【0064】
また、本実施の形態において、異常振動検出部13Fは、検出した異常振動変動に含まれる振動の振動周波数を算出し、予め設定されている製造設備の容器または配管に関する機械的固有振動数と比較することにより、異常振動の発生箇所を特定するようにしてもよい。これにより、検出した異常振動に基づいて異常振動の発生箇所を特定することができ、管理者は迅速な対応をとることができる。
【0065】
また、本実施の形態において、信号抽出回路12のA/D変換回路12Cが、予め設定されている第1の周波数で検出圧力をサンプリングしてA/D変換し、得られた検出圧力データを演算処理回路13へ出力し、演算処理回路13のサンプリング切替部13Dは、信号抽出回路12から出力された検出圧力データが急激に大きく変化した場合には、A/D変換回路12Cのサンプリング周波数を第1の周波数より高い第2の周波数に切り替えるようにしてもよい。
【0066】
これにより、検出圧力Poutに対するしきい値や変化率からなる判定条件を、検出圧力Poutが上回って大きく変化した場合、異常振動が発生したと判定されてサンプリング周波数がf1からf2に切り替えられる。このため、検出圧力Poutの分解能が高くなり異常振動変動AVを詳細に分析処理することができる。また、検出圧力Poutが判定条件を下回ってある程度安定した場合、異常振動が収まったと判定されてサンプリング周波数をf2からf1に切り替えられる。このため、検出圧力Poutの分解能が低くなって、検出圧力Poutの保存に要する記憶部13Cの記憶領域の増大を抑制できるとともに、A/D変換回路12Cでの消費電力を削減できる。
【0067】
また、本実施の形態では、信号抽出回路12を異常振動検出装置10に搭載して、信号抽出回路12で得られた検出圧力Pout(検出圧力データPD)を演算処理回路13で利用する場合を例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、信号抽出回路12で得られた検出圧力Pout(検出圧力信号PSまたは検出圧力データPD)を、PCや計測器などの装置(図示せず)に取り込んで、異常振動検出処理や分析処理を実行してもよい。これにより、演算処理回路13での処理に限定されることなく、より幅広い異常振動検出処理や分析処理を実現することができる。
【0068】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0069】
10…異常振動検出装置、11…隔膜式圧力センサ、11A…ダイヤフラム、11B…台座部、11C…キャビティ、11D…キャビティ底面、12…信号抽出回路、12A…入力増幅回路、12B…フィルタ回路、12C…A/D変換回路、13…演算処理回路、13A…入力I/F部、13B…出力I/F部、13C…記憶部、13D…サンプリング切替部、13E…プロセス圧力推定部、13F…異常振動検出部、13G…警報処理部、XA,XB…感圧電極、YA,YB…参照電極、CX…感圧キャパシタ、CY…参照キャパシタ、PXA,PXB,PYA,PYB…取り出しピン、SS…センサ信号、Pout…検出圧力、PS…検出圧力信号、PD…検出圧力データ、PP…プロセス圧力、AV…異常振動変動、ΔP…変化率、PE…推定プロセス圧力、D…out検出結果、B…バス。
図1
図2
図3
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図9